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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】部品供給システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230118BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20230118BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20230118BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
H05K13/02 D
H05K13/08 A
B65G47/90 A
B07C5/342
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020200764
(22)【出願日】2020-12-03
(62)【分割の表示】P 2018548498の分割
【原出願日】2016-11-02
(65)【公開番号】P2021044579
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】松本 達
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/097904(WO,A1)
【文献】特開平06-006075(JP,A)
【文献】特開2004-095978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
B65G 47/90
B07C 5/342
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の投入口と部品の排出口とを備え、複数の部品を山積状態で収容し、前記排出口より部品を排出する部品供給器であって、所定の位置に着脱可能な部品供給器と、
開放することで、前記部品供給器を露出させて前記所定の位置に着脱することができる扉と、
前記部品供給器の前記排出口から排出された複数の部品を散在するステージと、
前記ステージ上を移動し、前記ステージに散在された前記部品をピックアップする部品保持ヘッドと、
前記部品に応じた受容形状を有し、前記部品の種類を識別する識別コードが上面に付けられ、前記部品保持ヘッドがピックアップした部品を受容する部品受け部材と、
下方を向いた状態で設けられ、前記ステージの上方で前記部品を撮像し、前記部品受け部材の上方で前記部品受け部材に付けられた前記識別コードを撮像する撮像装置と、
前記識別コードと前記部品受け部材で受容する前記部品の種類とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記撮像装置が撮像した前記識別コードに関連付けて前記記憶部に記憶された部品種と、供給予定部品種とが同じであるか否かを前記扉が開閉される毎に判定し、それらが異なるときは、前記部品の供給作業を実行しない制御装置と、
からなる部品供給システム。
【請求項2】
前記撮像装置が撮像した前記識別コードから前記記憶部に記憶された部品種と、前記供給予定部品種とが異なることを示す画面を表示する表示装置、
をさらに備えた請求項1に記載の部品供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージに散在された部品を部品保持ヘッドによって保持し、その部品保持ヘッドに保持された部品を部品受け部材に載置した状態で、部品を供給する部品供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品供給システムには、部品が散在されるステージと、ステージに散在された部品を保持するための部品保持ヘッドと、部品に応じた受容形状を有する部品受け部材とを備え、部品保持ヘッドに保持された部品を部品受け部材に載置した状態で、部品を供給するシステムが存在する。下記特許文献には、そのような部品供給システムの一例が記載されている。
【0003】
【文献】国際公開第2015/097904号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、供給予定の部品を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、部品の投入口と部品の排出口とを備え、複数の部品を山積状態で収容し、前記排出口より部品を排出する部品供給器であって、所定の位置に着脱可能な部品供給器と、開放することで、前記部品供給器を露出させて前記所定の位置に着脱することができる扉と、前記部品供給器の前記排出口から排出された複数の部品を散在するステージと、前記ステージ上を移動し、前記ステージに散在された前記部品をピックアップする部品保持ヘッドと、前記部品に応じた受容形状を有し、前記部品の種類を識別する識別コードが上面に付けられ、前記部品保持ヘッドがピックアップした部
品を受容する部品受け部材と、下方を向いた状態で設けられ、前記ステージの上方で前記部品を撮像し、前記部品受け部材の上方で前記部品受け部材に付けられた前記識別コードを撮像する撮像装置と、前記識別コードと前記部品受け部材で受容する前記部品の種類とを関連付けて記憶する記憶部と、前記撮像装置が撮像した前記識別コードに関連付けて前記記憶部に記憶された部品種と、供給予定部品種とが同じであるか否かを前記扉が開閉される毎に判定し、それらが異なるときは、前記部品の供給作業を実行しない制御装置と、からなる部品供給システムを開示する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、供給予定の部品を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】部品実装機を示す斜視図である。
図2】部品実装機の部品装着装置を示す斜視図である。
図3】ばら部品供給装置を示す斜視図である。
図4】部品供給ユニットを示す斜視図である。
図5】部品供給ユニットを示す透過図である。
図6】部品供給ユニットを示す透過図である。
図7】部品散在装置を示す斜視図である。
図8】部品散在装置を示す斜視図である。
図9】部品保持ヘッドを示す斜視図である。
図10】リード部品が収納された状態の部品受け部材を示す図である。
図11】部品実装機の制御装置を示すブロック図である。
図12】部品受け部材392を示す斜視図である。
図13】部品受け部材392を示す斜視図である。
図14】部品受け部材392を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
<部品実装機の構成>
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、制御装置(図11参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0010】
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0011】
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と
作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、吸着ノズル(図2参照)66を有しており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
【0012】
撮像装置26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
【0013】
部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ(図示省略)、スティックフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
【0014】
ばら部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。以下に、部品供給装置32の構成について詳しく説明する。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
【0015】
ばら部品供給装置32は、図3に示すように、本体80と、部品供給ユニット82と、撮像装置84と、部品引渡し装置86とを有している。
【0016】
(a)部品供給ユニット
部品供給ユニット82は、部品供給器88と部品散在装置(図4参照)90と部品戻し装置(図5参照)92とを含み、それら部品供給器88と部品散在装置90と部品戻し装置92とが一体的に構成されたものである。部品供給ユニット82は、本体80のベース96に着脱可能に組み付けられており、ばら部品供給装置32では、5台の部品供給ユニット82が、X方向に1列に並んで配設されている。
【0017】
(i)部品供給器
部品供給器88は、概して直方体の箱形状をなし、図4及び図5に示すように、Y方向に延びるように配設されている。なお、Y方向を部品供給器88の前後方向と記載し、図5での左方向を前方と、図5での右方向を後方と記載する場合がある。つまり、部品供給ユニット82において、部品戻し装置92が配設されている側に向かう方向を、前方と記載し、部品供給器88が配設されている側に向かう方向を、後方と記載する場合がある。
【0018】
部品供給器88は、上面と前面とにおいて開口しており、上面の開口は、部品の投入口
97とされ、前面の開口は部品の排出口98とされている。部品供給器88では、投入口97の下方に、傾斜板104が配設されている。傾斜板104は、部品供給器88の後方側の端面から中央方向に向かって、部品供給器88の幅方向(X方向)の全体に配設されており、前方側の端部が下方に位置するように傾斜している。
【0019】
また、傾斜板104の前方側には、図5に示すように、コンベア装置106が配設されている。コンベア装置106は、1対のローラ108,110とコンベアベルト112とを有している。1対のローラ108,110の各々は、部品供給器88の内部において、部品供給器88の幅方向に延びるように配設されており、部品供給器88の幅方向の全体に架け渡されている。また、ローラ108は、傾斜板104の前方側の端部、つまり、傾斜板104の最も下方に位置する端部とクリアランスのある状態で対向している。なお、傾斜板104の前方側の端部とローラ108とのクリアランスは、部品供給器88によって供給される部品より小さくされている。また、ローラ110は、ローラ108の前方側の斜め上方に配設されている。そして、コンベアベルト112が、1対のローラ108,110に巻き掛けられている。なお、コンベアベルト112は、幅広とされており、コンベアベルト112の幅方向の寸法は、部品供給器88の幅方向の内寸より僅かに小さくされている。
【0020】
また、1対のローラ108,110は軸心周りに回転可能とされており、回転装置114の作動により制御可能に回転する。なお、各ローラ108,110の回転方向は、図5での反時計回りの方向とされている。これにより、コンベアベルト112が、1対のローラ108,110の間において、図5での反時計回りに回転する。つまり、コンベアベルト112による搬送方向は、傾斜板104の前端部から前方に向かって斜め上方とされている。なお、コンベアベルト112の表面、つまり、搬送面には、コンベアベルト112の幅方向に延びるように、複数の突起部115が形成されている。複数の突起部115は、コンベアベルト112の回転方向において一定の間隔で形成されており、その間隔は、部品供給器88によって供給される部品の長さ方向の寸法より長くされている。
【0021】
また、コンベア装置106のローラ110の前方側の斜め上方には、ブラシ保持部123が配設されている。ブラシ保持部123は、部品供給器88の幅方向に延びるように配設されており、部品供給器88の幅方向の全体に架け渡されている。そして、そのブラシ保持部123の下端部には、コンベア装置106のローラ110に向かって延び出すように、幅広のブラシ124が取り付けられている。なお、ブラシ124の幅方向の寸法は、部品供給器88の幅方向の内寸より僅かに小さくされており、ローラ110に巻き掛けられているコンベアベルト112と、部品供給器88の幅方向の全体に渡って、クリアランスのある状態で対向している。なお、ブラシ124の先端と、ローラ110に巻き掛けられているコンベアベルト112とのクリアランスは、部品供給器88によって供給される部品の厚さ方向の寸法より長く、厚さ方向の寸法の2倍未満とされている。
【0022】
また、コンベア装置106のローラ110の前方側の斜め下方には、傾斜板126が配設されている。傾斜板126は、部品供給器88の前方側の端面からローラ110の下方に向かって、部品供給器88の幅方向の全体に配設されており、後方側の端部が下方に位置するように傾斜している。さらに、その傾斜板126の下方にも、傾斜板128が配設されている。傾斜板128は、コンベア装置106の中央部の下方から部品供給器88の排出口98に向かって、部品供給器88の幅方向の全体に配設されており、前方側の端部が下方に位置するように傾斜している。なお、傾斜板128の後方側の端部は、傾斜板126の後方側の端部より後方に位置しており、その傾斜板128の後方側の端部は、上方に向かって直角に屈曲されている。また、傾斜板128の前方側の端部は、概して水平となるように後方に向かって屈曲されている。
【0023】
また、ベース96には、図4に示すように、1対のサイドフレーム部130が組み付けられている。1対のサイドフレーム部130は、対向した状態で互いに平行且つ、Y方向に延びるように立設されている。そして、1対のサイドフレーム部130の間の距離は、
部品供給器88の幅方向の寸法より僅かに大きくされており、1対のサイドフレーム部130の間に、部品供給器88が着脱可能に装着されている。なお、部品供給装置32には、図1に示すように、開閉可能な安全扉136が配設されており、安全扉136を開放することで、部品供給装置32の内部が露出する。このため、安全扉136を開放することで、部品供給器88が、作業者によって、1対のサイドフレーム部130の間に着脱される。
【0024】
(ii)部品散在装置
部品散在装置90は、部品支持部材150と部品支持部材移動装置152とを含む。部品支持部材150は、ステージ156と1対の側壁部158とによって構成されている。ステージ156は、概して長手形状の板形状をなし、1対のサイドフレーム部130の間に装着された部品供給器88の下方から前方に延び出すように、配設されている。なお、ステージ156の上面は、概して水平とされており、図5に示すように、部品供給器88の傾斜板128の屈曲された前方側の端部と僅かなクリアランスのある状態で配設されている。また、1対の側壁部158は、図4に示すように、ステージ156の長手方向の両側部に立設された状態で固定されており、各側壁部158の上端は、ステージ156の上面より上方に延び出している。
【0025】
また、部品支持部材移動装置152は、図5に示すように、ガイドレール160とスライダ162とを含む。ガイドレール160は、部品支持部材150の下方において、ステージ156の長手方向に延びるように配設されている。スライダ162は、ガイドレール160にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図11参照)166の作動により、任意の位置にスライドする。また、部品支持部材150のステージ156は、連結機構168を介してスライダ162に連結されている。これにより、部品支持部材150は、部品支持部材移動装置152の作動によりY方向に移動し、部品供給器88の下方に格納された格納状態(図6参照)と、部品供給器88の下方から露出した露出状態(図5参照)との間で移動する。
【0026】
(iii)部品戻し装置
部品戻し装置92は、図7に示すように、部品回収容器180と容器搖動装置181とを含む。部品回収容器180は、概して箱状をなし、底面が円弧形状とされている。部品回収容器180は、部品支持部材150のステージ156の前方側の端部において搖動可能に保持されており、容器搖動装置181の作動により、揺動する。この際、部品回収容器180は、開口を上方に向けた回収姿勢(図7参照)と、開口を部品支持部材150のステージ156の上面に向けた戻し姿勢(図8参照)との間で搖動する。
【0027】
(b)撮像装置
撮像装置84は、図3に示すように、カメラ290とカメラ移動装置292とを含む。カメラ移動装置292は、ガイドレール296とスライダ298とを含む。ガイドレール296は、部品供給器88の上方において、ばら部品供給装置32の幅方向(X方向)に延びるように、本体80に固定されている。スライダ298は、ガイドレール296にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図11参照)299の作動により、任意の位置にスライドする。また、カメラ290は、下方を向いた状態でスライダ298に装着されている。
【0028】
(c)部品引渡し装置
部品引渡し装置86は、図3に示すように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持
ヘッド302と2台のシャトル装置304とを含む。
【0029】
部品保持ヘッド移動装置300は、X方向移動装置310とY方向移動装置312とZ方向移動装置314とを含む。Y方向移動装置312は、X方向に延びるように、部品供給ユニット82の上方に配設されたYスライダ316を有しており、Yスライダ316は、電磁モータ(図11参照)319の駆動により、Y方向の任意の位置に移動する。X方向移動装置310は、Yスライダ316の側面に配設されたXスライダ320を有しており、Xスライダ320は、電磁モータ(図11参照)321の駆動により、X方向の任意の位置に移動する。Z方向移動装置314は、Xスライダ320の側面に配設されたZスライダ322を有しており、Zスライダ322は、電磁モータ(図11参照)323の駆動により、Z方向の任意の位置に移動する。
【0030】
部品保持ヘッド302は、図9に示すように、ヘッド本体330と吸着ノズル332とノズル旋回装置334とノズル回転装置335とを含む。ヘッド本体330は、Zスライダ322と一体的に形成されている。吸着ノズル332は、部品を保持するものであり、ホルダ340の下端部に着脱可能に装着されている。ホルダ340は、支持軸344において屈曲可能とされており、ノズル旋回装置334の作動により、ホルダ340が上方向に90度屈曲する。これにより、ホルダ340の下端部に装着されている吸着ノズル332は、90度旋回し、旋回位置に位置する。つまり、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334の作動により、非旋回位置と旋回位置との間で旋回する。また、ノズル回転装置335は、吸着ノズル332をそれの軸心周りに回転させる。
【0031】
また、2台のシャトル装置304の各々は、図3に示すように、部品キャリヤ388と部品キャリヤ移動装置390とを含み、部品供給ユニット82の前方側に横方向に並んで、本体80に固定されている。部品キャリヤ388には、5個の部品受け部材392が、横方向に一列に並んだ状態で装着されており、各部品受け部材392に、部品が載置される。
【0032】
詳しくは、ばら部品供給装置32で供給される部品は、図10に示すように、リードを有する電子回路部品(以下、「リード部品」と略す場合がある)410であり、リード部品410は、ブロック状の部品本体412と、部品本体412の底面から突出する2本のリード414とから構成されている。また、部品受け部材392には、リード部品410に応じた形状の部品受容凹部416が形成されている。部品受容凹部416は、段付き形状の凹部であり、部品受け部材392の上面に開口する本体部受容凹部418と、その本体部受容凹部418の底面に開口するリード受容凹部420とから構成されている。本体部受容凹部418は、リード部品410の部品本体412に応じた形状とされており、リード受容凹部420は、リード部品410のリード414に応じた形状とされている。そして、リード部品410は、リード414が下方を向く姿勢で、部品受容凹部416の内部に挿入される。これにより、リード414がリード受容凹部420に挿入されるとともに、部品本体412が本体部受容凹部418に挿入された状態で、リード部品410が部品受容凹部416の内部に載置される。
【0033】
また、部品キャリヤ移動装置390は、図3に示すように、板状の長手部材であり、前後方向に延びるように、部品供給ユニット82の前方側に配設されている。部品キャリヤ移動装置390の上面には、部品キャリヤ388が前後方向にスライド可能に配設されており、電磁モータ(図11参照)430の駆動により、前後方向の任意の位置にスライドする。なお、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82に接近する方向にスライドした際には、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲内に位置する部品受取位置までスライドする。一方、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82から離れる方向にスライドした際には、作業ヘッド移動装置64による作業ヘッド6
0,62の移動範囲内に位置する部品供給位置までスライドする。
【0034】
また、制御装置34は、図11に示すように、統括制御装置450と、複数の個別制御装置(図では1つのみ図示されている)452と、画像処理装置454と、記憶装置456とを含む。統括制御装置450は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に接続されている。これにより、統括制御装置450は、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32を統括して制御する。複数の個別制御装置452は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に対応して設けられている(図では、ばら部品供給装置32に対応する個別制御装置452のみが図示されている)。ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304を制御する。また、画像処理装置454は、撮像装置84に接続されており、撮像装置84により撮像された撮像データを処理する。その画像処理装置454は、ばら部品供給装置32の個別制御装置452に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、撮像装置84により撮像された撮像データを取得する。また、記憶装置456は、各種データを記憶しており、個別制御装置452に接続されている。これにより、個別制御装置452は、記憶装置456から各種データを取得する。
【0035】
<部品実装機の作動>
部品実装機10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、ばら部品供給装置32による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
【0036】
<ばら部品供給装置の作動>
(a)ばら部品供給装置によるリード部品の供給
ばら部品供給装置32では、リード部品410が、作業者によって部品供給器88の投入口97から投入され、その投入されたリード部品410が、部品供給ユニット82,部品引渡し装置86の作動により、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。詳しくは、作業者は、部品供給器88の上面の投入口97から、リード部品410を投入する。この際、部品支持部材150は、部品支持部材移動装置152の作動により、部品供給器88の下方に移動しており、格納状態とされる(図6参照)。なお、部品支持部材150が格納状態とされている際に、部品支持部材150の前方側の端部に配設された部品回収容器180は、部品供給器88の前方に位置しており、部品回収容器180の開口を上方に向けた姿勢(回収姿勢)とされている。
【0037】
部品供給器88の投入口97から投入されたリード部品410は、部品供給器88の傾斜板104の上に落下し、傾斜板104の前方側の下端まで転がり落ちる。この際、傾斜板104の前方側の下端まで転がり落ちたリード部品410は、傾斜板104の前方側の下端と、コンベア装置106の後方側の下端との間に山積される。つまり、傾斜板104の前方側の下端と、コンベア装置106の後方側の下端との間が、リード部品410を収容するための収容部100として機能している。そして、コンベア装置106の回転装置114が作動されることで、コンベア装置106のコンベアベルト112が図6での反時計回りに周回する。これにより、収容部100に山積されたリード部品410が、コンベアベルト112によって前方側の斜め上方に向かって搬送される。
【0038】
そして、コンベアベルト112によって斜め上方に向かって搬送されたリード部品410は、コンベア装置106の前方側の上端とブラシ124との間を通過し、コンベア装置106の前方側の上端とブラシ124との下方に配設された傾斜板126の上に落下する。その傾斜板126の上に落下したリード部品410は、傾斜板126の上を後方に向かって転がり落ち、傾斜板126の下方に配設された傾斜板128に上に落下する。その傾斜板128の上に落下したリード部品410は前方に向かって転がり落ち、部品供給器88の前方側の排出口98から排出される。このように、コンベア装置106の前方側の上端から落下したリード部品410は、一旦、傾斜板126の上に落下し、その後に、傾斜板128に上に落下する。そして、部品供給器88の排出口98からリード部品410が排出される。これにより、リード部品410の落下によるダメージを低減することが可能となる。
【0039】
また、部品支持部材150は、部品供給器88の排出口98からリード部品410が排出されるタイミングに合わせて、部品支持部材移動装置152の作動により、部品供給器88の下方から前方に向かって移動させられる。これにより、部品供給器88の排出口98から排出されたリード部品410が、部品支持部材150のステージ156の上面に排出される。
【0040】
なお、部品供給器88からステージ156の上に排出されたリード部品410が前方に向かって転がり、ステージ156の前端から転がり落ちた場合には、部品回収容器180に収納される。また、部品供給器88からステージ156の上に排出されたリード部品410が側方に向かって転がった場合には、部品支持部材150の側壁部158によって、ステージ156からのリード部品410の落下が防止される。
【0041】
そして、部品支持部材150が、格納状態から前方に向かって移動させられ、露出状態に至ると、部品支持部材150の移動が停止される。これにより、ステージ156の上面全体にリード部品410が散在される。なお、部品供給器88では、部品支持部材150の移動が停止するタイミングに合わせて、部品供給器88からリード部品410が最後に排出されるように、コンベア装置106の作動が停止される。
【0042】
上述した手順に従って、部品供給器88から部品支持部材150のステージ156の上にリード部品410が散在されると、撮像装置84のカメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、部品支持部材150の上方に移動させられ、リード部品410を撮像する。そして、部品支持部材150の上面に散在された複数のリード部品410が、撮像データに基づいて、吸着ノズル332によってピックアップ可能なリード部品(以下、「ピックアップ対象部品」と記載する場合がある)と、吸着ノズル332によってピックアップ不可能なリード部品(以下、「非ピックアップ対象部品」と記載する場合がある)とに分けられる。ピックアップ対象部品と非ピックアップ対象部品との区分け手法は、本発明とは関係ないため、簡単に説明するが、凹凸面等の吸着し難い面が上を向いた状態のリ
ード部品410,リード414が部品支持部材150の上面に接触し、傾いた状態のリード部品410等が、非ピックアップ対象部品に区分けされ、それ以外のリード部品410が、ピックアップ対象部品に区分けされる。また、ピックアップ対象部品に区分けされたリード部品410に対して、撮像データに基づいて、部品支持部材150上での位置、リード部品410の姿勢等の情報が取得される。
【0043】
そして、取得されたピックアップ対象部品の位置情報に基づいて、ピックアップ対象部品の上方に、部品保持ヘッド302が、部品保持ヘッド移動装置300の作動により移動させられ、吸着ノズル332によってピックアップ対象部品が吸着保持される。なお、吸着ノズル332によってピックアップ対象部品が吸着保持される際には、吸着ノズル332は、非旋回位置に位置している。
【0044】
次に、リード部品410が吸着ノズル332によって保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動させられる。この際、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品受取位置に移動する。また、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332は、旋回位置に旋回される。なお、旋回位置の吸着ノズル332に保持されたリード部品410のリード414が、鉛直方向での下方を向くように、吸着ノズル332は、ノズル回転装置335の作動により、回転される。
【0045】
部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動すると、リード414が鉛直方向での下方を向いた状態のリード部品410が、部品受け部材392の部品受容凹部416内に挿入される。これにより、リード部品410は、図10に示すように、リード414を鉛直方向での下方に向けた状態で、部品受け部材392に載置される。
【0046】
そして、リード部品410が部品受け部材392に載置されると、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品供給位置に移動する。部品供給位置に移動した部品キャリヤ388は、作業ヘッド60,62の移動範囲に位置しているため、ばら部品供給装置32では、この位置においてリード部品410が供給される。このように、ばら部品供給装置32では、リード414が下方を向き、リード414が接続された底面と対向する上面が上方を向いた状態で、リード部品410が供給される。このため、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66は、適切にリード部品410を保持することが可能となる。
【0047】
(b)リード部品の回収、及び補給
ばら部品供給装置32では、部品支持部材150のステージ156の上にピックアップ対象部品が散在されている際には、散在されているピックアップ対象部品のピックアップが繰り返され、ピックアップされたピックアップ対象部品が部品受け部材392に載置される。そして、部品受け部材392の装着された部品キャリヤ388が部品供給位置に移動されることで、リード部品410の供給が行われる。ただし、部品支持部材150のステージ156の上にピックアップ対象部品が散在されていない場合、つまり、ピックアップ可能なリード部品410が全てピックアップされ、非ピックアップ対象部品のみがステージ156の上に残存している場合には、ステージ156からリード部品410をピックアップすることができない。
【0048】
このため、ばら部品供給装置32では、そのような場合に、ステージ156の上に残存しているリード部品410が部品回収容器180に回収される。そして、部品回収容器180に回収されたリード部品410が、ステージ156の上に、再度、散在され、リード部品410の姿勢が変化されることで、ステージ156からのリード部品410のピックアップが再開される。
【0049】
詳しくは、部品支持部材150が、部品支持部材移動装置152の作動により、部品供給器88の下方に向かって移動させられる。つまり、部品支持部材150が、露出状態(図5参照)から格納状態(図6参照)に向かって移動させられる。この際、部品支持部材150の前端部に配設されている部品回収容器180は、開口を上方に向けた姿勢、つまり、回収姿勢とされている。そして、部品支持部材150の移動に伴って、部品支持部材150のステージ156上のリード部品410は、部品供給器88の傾斜板128の前方側の端部によって堰き止められる。さらに、部品支持部材150が、図6に示すように、格納状態に至るまで移動させられると、ステージ156上のリード部品410が、部品回収容器180の内部に掻き落とされる。
【0050】
続いて、部品支持部材150が、部品支持部材移動装置152の作動により、格納状態から前方に向かって移動させられる。そして、部品支持部材150が格納状態から所定量、前方に向かって移動したタイミングで、部品戻し装置92の容器搖動装置181が作動し、部品回収容器180が搖動する。これにより、部品回収容器180の姿勢が、開口を上方に向けた姿勢(回収姿勢)から、開口をステージ156に向けた姿勢(戻し姿勢)に勢いよく変化する。この際、部品回収容器180に回収されたリード部品410が、ステージ156に向かって勢いよく放出される。これにより、部品回収容器180からステージ156の上にリード部品410が散在されることで、リード部品410の姿勢が変更され、ステージ156の上から、再度、リード部品410がピックアップされる。
【0051】
<ばら部品供給装置による供給部品の種類の変更>
上述したように、ばら部品供給装置32では、部品供給器88に収容されているリード部品410が、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。また、部品供給器88に収容されるリード部品410の種類を交換することで、ばら部品供給装置32により供給される部品の種類が変更される。つまり、作業者が、安全扉136を開放し、部品供給器88をばら部品供給装置32の内部から取り出し、部品供給器88の内部に収容されているリード部品410を、別の種類の部品に取り換える。そして、異なる種類の部品が収容された部品供給器88を、ばら部品供給装置32に装着することで、ばら部品供給装置32により供給される部品の種類を変更することができる。
【0052】
ただし、ばら部品供給装置32では、部品供給器88に収容されているリード部品410が、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給されるため、ばら部品供給装置32により供給される部品の種類が変更される際には、部品供給器88に収容されるリード部品410の種類が交換されるとともに、部品キャリヤ388に装着される部品受け部材392も交換される。
【0053】
具体的には、上述したように、部品受け部材392には、載置される部品に応じた形状の部品受容凹部416が形成されており、その部品受容凹部416に供給部品が載置される。このため、ばら部品供給装置32により供給される部品の種類に応じて、図12図14に示すように、複数種類の部品受け部材392a~cが用意されている。
【0054】
各部品受け部材392a~cは、板厚部470と板薄部472とから構成されており、それら板厚部470と板薄部472とが一体物として形成されている。板厚部470の上面の略中央部には、載置予定の部品に応じた形状の部品受容凹部416が形成されている。なお、部品受け部材392aは、A部品を載置するためのものであり、部品受け部材392aの部品受容凹部416は、A部品に応じた形状とされている。また、部品受け部材392bは、B部品を載置するためのものであり、部品受け部材392bの部品受容凹部416は、B部品に応じた形状とされている。また、部品受け部材392cは、C部品を載置するためのものであり、部品受け部材392cの部品受容凹部416は、C部品に応
じた形状とされている。
【0055】
さらに、板厚部470の上面の角部には、識別板478が貼着されている。識別板478には、2Dコード(図示省略)が記されており、その2Dコードは、部品受容凹部416に載置される部品の種類に応じたものとされている。このため、部品受け部材392aの識別板478には、A部品に応じた2Dコードが記されており、部品受け部材392bの識別板478には、B部品に応じた2Dコードが記されており、部品受け部材392cの識別板478には、C部品に応じた2Dコードが記されている。
【0056】
また、各部品受け部材392a~cの板薄部472には、上下方向に貫通する1対の貫通孔480,482が形成されている。それら1対の貫通孔480,482は、部品受け部材392a~cの各々において、同じ位置に形成されており、それら1対の貫通孔480,482に挿入可能な1対のピン(図示省略)が、部品キャリヤ388に配設されている。このため、部品受け部材392a~cの貫通孔480,482に、部品キャリヤ388のピンが挿入されることで、その部品受け部材392a~cが所定の位置に位置決めされた状態で、部品キャリヤ388に装着される。
【0057】
このような構造により、ばら部品供給装置32により供給される部品の種類が変更される際には、作業者が、部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cを上方に持ち上げることで、貫通孔480,482からピンが抜けて、部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cが取り外される。また、複数の部品受け部材392a~cのうちの、ばら部品供給装置32による供給予定の部品に応じた部品受け部材392a~c、つまり、部品供給器88に収容された部品に応じた部品受け部材392a~cが選択される。そして、作業者が、その選択された部品受け部材392a~cを部品キャリヤ388の上方において下降させることで、その部品受け部材392a~cの貫通孔480,482に、部品キャリヤ388のピンを挿入する。これにより、選択された部品受け部材392a~cが所定の位置に位置決めされた状態で、部品キャリヤ388に装着される。
【0058】
このように、部品供給器88に収容される部品を供給予定の部品に交換するとともに、部品キャリヤ388に装着される部品受け部材392a~cを供給予定の部品に応じたものに交換することで、ばら部品供給装置32により供給される部品の種類を変更することが可能となる。しかしながら、作業者が、部品供給器88に収容される部品を交換したにも拘らず、部品受け部材392a~cの交換を忘れる場合がある。また、作業者が、部品キャリヤ388に装着される部品受け部材392a~cを、供給予定の部品に応じたものに交換しなければならないにも拘らず、誤って、供給予定の部品と異なる部品に応じたものに交換する場合もある。このように、ヒューマンエラーによって、供給予定の部品に応じた部品受け部材392a~cが部品キャリヤ388に装着されていない場合には、部品を部品受け部材392a~cに適切に載置することができず、適切な部品の供給を行うことができない。
【0059】
具体的には、例えば、供給予定の部品がA部品であるにも拘らず、作業者が、誤って、部品キャリヤ388に部品受け部材392cを装着する場合がある。A部品に対応する部品受け部材392aの部品受容凹部416は、図12に示すように、比較的大きいことから、A部品は、比較的、大きな部品であることが解る。一方、部品受け部材392cの部品受容凹部416は、図14に示すように、比較的小さい。このため、供給予定の部品がA部品であるにも拘らず、部品キャリヤ388に部品受け部材392cが装着された場合には、A部品を部品受け部材392cの部品受容凹部416に載置することできず、A部品の供給を行うことができない。
【0060】
このようなことに鑑みて、ばら部品供給装置32では、部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cの識別板478が、撮像装置84のカメラ290により撮像され、撮像データに基づいて、部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cが、供給予定の部品に応じたものであるか否かが判定される。詳しくは、カメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、部品キャリヤ388の上方に移動する。そして、部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cの識別板478が、カメラ290により撮像され、その撮像により得られた識別板478の撮像データが、個別制御装置452に送信される。個別制御装置452では、送信された撮像データが分析され、識別板478に記されている2Dコードが特定される。
【0061】
また、記憶装置456には、複数の部品受け部材392a~c毎に、各部品受け部材392a~cの識別板478に記されている2Dコードと、各部品受け部材392a~cの部品受容凹部416に載置可能な部品の種類とが、関連付けて記憶されている。このため、個別制御装置452は、記憶装置456に記憶されている情報を参照し、撮像データに基づいて特定された2Dコードと関連付けられている部品の種類(以下、「2Dコード対応部品種」と記載する場合がある)を特定する。
【0062】
また、記憶装置456には、ばら部品供給装置32による部品の供給作業を実行するためのプログラムも記憶されている。このプログラムには、供給予定の部品の種類,供給個数,供給タイミングなどがプログラミングされている。このため、個別制御装置452は、記憶装置456に記憶されているプログラムに基づいて、ばら部品供給装置32による供給予定の部品の種類(以下、「供給予定部品種」と記載する場合がある)を特定する。そして、個別制御装置452は、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが同じであるか否かを判定する。この際、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが同じである場合には、ばら部品供給装置32による部品の供給作業が実行される。一方、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが異なる場合には、ばら部品供給装置32による部品の供給作業が実行されず、表示装置(図示省略)に、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが異なることを示す画面が表示される。これにより、作業者が、供給予定の部品と異なる部品に応じた部品受け部材392a~cが部品キャリヤ388に装着されていることを認識し、部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cが、供給予定の部品に応じたものに交換される。
【0063】
なお、上記識別板478の撮像データに基づく部品受け部材392a~cの確認作業は、ばら部品供給装置32の安全扉136が開閉される毎に実行される。これは、安全扉136が開閉された場合には、部品供給器88に収容されている部品の交換,部品キャリヤ388に装着されている部品受け部材392a~cの交換が行われている可能性が高いためである。
【0064】
このように、個別制御装置452によって、自動で、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが同じであるか否かが判断され、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが異なる場合に、そのことを示す画面が表示されることで、部品受け部材392a~cの装着間違い等のヒューマンエラーの発生を防止することが可能となる。これにより、部品キャリヤ388に、供給予定の部品に応じた部品受け部材392a~cを確実に装着することが可能となり、ばら部品供給装置32による適切な部品供給を担保することが可能となる。
【0065】
また、個別制御装置452は、図11に示すように、特定部500と取得部502と判定部504とを有している。特定部500は、2Dコード対応部品種を特定するための機能部である。取得部502は、供給予定部品種を取得するための機能部である。判定部504は、2Dコード対応部品種と供給予定部品種とが同じであるか否かを判定するための
機能部である。
【0066】
ちなみに、ばら部品供給装置32は、部品供給システムの一例である。撮像装置84は、撮像装置の一例である。ステージ156は、ステージの一例である。吸着ノズル332は、保持具の一例である。部品キャリヤ388は、設置部の一例である。部品受け部材392は、載置台の一例である。個別制御装置452は、制御装置の一例である。記憶装置456は、記憶装置の一例である。識別板478は、識別部の一例である。特定部500は、特定部の一例である。取得部502は、取得部の一例である。判定部504は、判定部の一例である。
【0067】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、識別板478が撮像され、撮像データに基づいて、2Dコード対応部品種が特定されているが、識別板478をコードリーダ等によって読み取って、2Dコード対応部品種を特定してもよい。
【0068】
また、上記実施例では、識別部として、2Dコードが採用されているが、QRコード(登録商標)等の種々の識別記号を採用することが可能である。また、識別記号に限られず、部品種を識別可能なものであれば、種々のものを識別部として採用することが可能である。具体的には、例えば、識別部として、RFID(Radio Frequency IDentifier)を採用し、RFIDに記憶されているID情報を受信することで、部品種を識別してもよい。また、例えば、部品受け部材392に、複数の穴を形成し、それら複数の穴の配置に基づいて、部品種を識別してもよい。
【0069】
また、上記実施例では、個別制御装置452が、プログラムに基づいて供給予定部品種を取得しているが、種々の手法により、供給予定部品種を取得してもよい。具体的には、例えば、入力装置から入力された情報に基づいて、供給予定部品種を取得してもよい。また、例えば、ステージ156に散在されている部品を撮像し、その撮像データに基づいて、供給予定部品種を取得してもよい。
【0070】
また、上記実施例では、リードを有する部品に本発明が適用されているが、種々の種類の部品に本発明を適用することが可能である。具体的には、例えば、太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品,リードを有さない電子回路部品等に、本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
32:ばら部品供給装置(部品供給装置) 84:撮像装置 156:ステージ
332:吸着ノズル(保持具) 388:部品キャリヤ(設置部) 392:部品受け部材(載置台) 452:個別制御装置(制御装置) 456:記憶装置 478:識別板(識別部) 500:特定部 502:取得部 504:判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14