(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】コンパクトノズルサポート構造を含む逆洗システムを備えたロータリディスクフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 33/21 20060101AFI20230118BHJP
B01D 24/46 20060101ALI20230118BHJP
B01D 33/44 20060101ALI20230118BHJP
B01D 33/58 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
B01D33/26
B01D33/36
(21)【出願番号】P 2020555455
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2019052549
(87)【国際公開番号】W WO2019197934
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-11-25
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503289595
【氏名又は名称】ヴェオリア・ウォーター・ソリューションズ・アンド・テクノロジーズ・サポート
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】ジベルト, ヨハン グスタフ アレクサンダー
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/060809(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0258654(US,A1)
【文献】国際公開第2014/170533(WO,A1)
【文献】米国特許第03891247(US,A)
【文献】米国特許第06497402(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第101755042(CN,A)
【文献】米国特許第06773585(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D23/00-35/04
B01D35/08-37/08
C02F 1/00
C02F11/00-11/20
B05B 1/00- 3/18
B05B 7/00- 9/08
B05B12/16-12/36
B05B14/00-16/80
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を濾過し、前記水から浮遊物質を除去するためのロータリディスクフィルタであって、
水を受け取り、ドラムから水が流れることを可能にするための複数の開口部を有する回転ドラムと、
前記回転ドラムを回転駆動するためのドライブと、
前記ドラムから水を受け取るために前記ドラムの周りに固定された一連の円盤状のフィルタ部材と、
前記水が前記円盤状のフィルタ部材から濾材を通って外向きに流れて濾過された水を生成するように前記水を濾過するための前記円盤状のフィルタ部材の反対側に配置された前記濾材と、
前記濾材を逆洗するための逆洗システムであって、
逆洗の間に、前記円盤状のフィルタ部材の間に延び、かつ逆洗を受けるように構成された一連の逆洗供給パイプであって、各供給パイプが少なくとも1つの開口部を含む逆洗供給パイプと、
前記供給パイプから離れて片持ち梁方式で支持され、前記供給パイプから逆洗を受けるよう構成された一連のノズルホルダと、
複数のノズルである各ノズルホルダであって、
細長い主導管の一方の端部である内端部分を有する前記細長い主導管と、
前記主導管から外向きに突出し、端部分を含む複数の離間した分岐導管
であって、前記分岐導管の少なくとも2つが前記ノズルホルダの前記主導管から反対の方向に略突出している、分岐導管と、
前記分岐導管の前記端部分に配置されたノズルと、
前記主導管の前記内端部分に配置されたコネクタと、を備える各ノズルホルダと、を備える逆洗システムと、を備え、
各コネクタはその中の前記開口部に近接するそれぞれの供給パイプに接続され、前記関連するノズルホルダを前記供給パイプから離れて片持ち梁方式で支持するよう構成され、
各コネクタは前記主導管の内端をそれぞれの供給パイプ内の前記開口部に連通可能に接続するようさらに構成され、逆洗が前記供給パイプからその中の前記開口部を通り前記ノズルホルダの前記主導管に流れることができる、ロータリディスクフィルタ。
【請求項2】
前記ノズルホルダの前記主導管の前記内端部分は、前記コネクタを通り突出しており、前記コネクタの部分は、前記主導管の内端に対してオフセットされており、前記コネクタは前記開口部に近接する前記供給パイプを少なくとも部分的に囲み、前記供給パイプを前記主導管に接続する、請求項1に記載のロータリディスクフィルタ。
【請求項3】
一対のノズルホルダが、長手方向に整列して前記供給パイプの末端部分に接続されており、前記一対のノズルホルダのそれぞれは、その一端部分の周りに配置されかつ前記供給パイプの一部の周りに延びる前記コネクタと、前記供給パイプが2つの前記コネクタと前記ノズルホルダとの間に略挟まれるように、前記コネクタを係合しかつ前記コネクタを一緒に固定するための1以上の留め具と、を含む、請求項1に記載のロータリディスクフィルタ。
【請求項4】
水を濾過し、前記水から浮遊物質を除去するためのロータリディスクフィルタであって、
水を受け取り、ドラムから水が流れることを可能にするための複数の開口部を有する回転ドラムと、
前記回転ドラムを回転駆動するためのドライブと、
前記ドラムから水を受け取るために前記ドラムの周りに固定された一連の円盤状のフィルタ部材と、
前記水が前記円盤状のフィルタ部材から濾材を通って外向きに流れて濾過された水を生成するように前記水を濾過するための前記円盤状のフィルタ部材の反対側に配置された前記濾材と、
前記濾材を逆洗するための逆洗システムであって、
逆洗を受けるように構成された一連の逆洗供給パイプであって、各供給パイプが少なくとも1つの開口部を含む逆洗供給パイプと、
前記供給パイプに支持され、前記供給パイプから逆洗を受けるよう構成された一連のノズルホルダであって、各ノズルホルダが、
細長い主導管の一方の端部である内端部分と、長手方向軸と、を有する前記細長い主導管と、
軸と端部分とを含む各分岐導管を備える前記主導管から突出する複数の離間した分岐導管と、を備え、
前記分岐導管が第1および第2の群の分岐導管を含み、前記第1の群が一方の方向に突出し、前記第2の群が反対の方向に突出し、
前記第1および第2の群の分岐導管の前記軸が、前記主導管の前記長手方向軸に対してオフセットされており、
さらに、前記分岐導管の前記端部分に配置されたノズルと、
前記主導管の前記内端部分に配置されたコネクタと、を備える各ノズルホルダと、を備える逆洗システムと、を備え、
各コネクタはその中の前記開口部に近接するそれぞれの供給パイプに接続され、前記関連するノズルホルダを前記供給パイプから離れて片持ち梁方式で支持するよう構成され、
各コネクタは前記主導管の内端をそれぞれの供給パイプ内の前記開口部に連通可能に接続するようさらに構成され、逆洗が前記供給パイプからその中の前記開口部を通り前記ノズルホルダの前記主導管に流れることができ、
前記第1の群の前記分岐導管と前記関連するノズルホルダとが一方の円盤状のフィルタ部材に向けられ、前記第2の群の分岐導管が別の円盤状のフィルタ部材に向けられる、ロータリディスクフィルタ。
【請求項5】
それぞれの供給パイプの末端部分に接続された一対のノズルホルダをさらに備え、
前記ノズルホルダの一対のコネクタがその中の前記開口部に近接して前記供給パイプの周りに延ばされ、前記コネクタの間の前記供給パイプを挟み、
前記一対のコネクタを通り延び、一緒に前記供給パイプの周りに前記コネクタを接続する1以上の留め具をさらに備える、請求項4に記載のロータリディスクフィルタ。
【請求項6】
前記主導管、分岐導管、およびそれぞれのノズルホルダのコネクタは、
単一片の成形プラスチックを含み、
前記主導管の前記内端部分が、略C字形状であり、かつ前記供給パイプの一部の周りに延在する前記コネクタを通り突出し、
前記主導管の内端が前記供給パイプ内の前記開口部に隣接して保持され、その中の前記開口部と協調して、前記供給パイプを通過する逆洗が前記供給パイプ内の前記開口部を通り前記主導管内に通過する、請求項4に記載のロータリディスクフィルタ。
【請求項7】
前記供給パイプは、壁と、末端部分と、前記末端部分の周りの前記壁に形成された前記開口部と、を含み、一対の前記ノズルホルダは、前記供給パイプの前記末端部分に固定され、逆洗が前記供給パイプから前記ノズルホルダの前記主導管に流れることを可能とするための前記供給パイプの前記壁内の前記開口部に連通可能に接続されている、請求項4に記載のロータリディスクフィルタ。
【請求項8】
水を濾過し、前記水から浮遊物質を除去するためのロータリディスクフィルタであって、
水を受け取り、ドラムから前記水が流れることを可能にするための複数の開口部を有する回転ドラムと、
前記ドラムを回転駆動するためのドライブと、
前記ドラムから水を受け取るために前記ドラムの周りに固定された一連の円盤状のフィルタ部材と、
前記水が前記円盤状のフィルタ部材から濾材を通って外向きに流れて濾過された水を生成するように前記水を濾過するための前記円盤状のフィルタ部材の反対側に配置された前記濾材と、
前記濾材を逆洗するための逆洗システムであって、
その中に形成された少なくとも1つの開口部を有し、逆洗を受けるように構成された末端部分を含む少なくとも1つの逆洗供給パイプと、
そこから逆洗を受けるための前記逆洗供給パイプに作動可能に接続されたノズルホルダと、を含み、
前記ノズルホルダは細長い主導管および前記主導管から外向きに突出する一連の分岐導管を含み、
前記分岐導管の少なくとも2つは、前記ノズルホルダの前記主導管から反対の方向に略突出しており、
前記分岐導管は、末端部分と、前記主導管から通路を通って前記分岐導管の外に逆洗を導くように構成された前記通路とを含み、
さらに、前記分岐導管の前記末端部分に配置されたノズルを含む、前記逆洗システムと、を備え、
前記ノズルホルダは、第1および第2の端部分と、前記ノズルホルダの前記第1の端部分に形成されたC字形状コネクタを含み、前記コネクタは前記供給パイプの前記末端部分と係合し、前記末端部分の周りに延び、前記ノズルホルダを前記供給パイプに固定するように構成されて、逆洗が前記供給パイプから前記供給パイプの前記末端部分の前記開口部を通って、前記ノズルホルダの前記主導管に流れる、ロータリディスクフィルタ。
【請求項9】
前記供給パイプに固定された2つのノズルホルダを含み、前記ノズルホルダの前記コネクタは前記供給パイプを取り囲み、前記ノズルホルダを前記供給パイプに固定するように構成されて、前記ノズルホルダは前記供給パイプから外向き整列し、かつ延びる、請求項8に記載のロータリディスクフィルタ。
【請求項10】
前記コネクタは前記ノズルホルダを前記供給パイプに固定することを助けるよう構成され、前記主導管は前記コネクタを通り、前記供給パイプの前記末端部分に形成された前記開口部内に突出する、請求項8に記載のロータリディスクフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリディスクフィルタ、より具体的にはロータリディスクフィルタおよびそれらの逆洗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリディスクフィルタは、定期的に作動する逆洗システムを採用して、濾材を逆洗し、かつ濾材の内側に配置された浮遊物質を取り除く。そのような逆洗システムは、濾材に隣接するノズルを支持するためのノズルサポートアセンブリを採用している。従来のノズルサポートアセンブリには多くの不利益と欠点がある。まず、典型的なロータリディスクフィルタの設計では、ディスクフィルタの片側に沿って延びる逆洗マニホールドが提供される。マニホールドに接続された内側の鋼管は、フィルタディスク間の領域に延びている。従来のノズルおよび関連するノズルサポートアセンブリは、内側の鋼管の内側の端部に動作可能に接続されている。内側の鋼管および関連するノズルサポートアセンブリは非常に重く、かつマニホールドに大きなトルクをかける。第二に、これらのノズルサポートアセンブリは、通常、複数の部品を含んでいる。逆洗を放出するための開口部を提供するために、鋼管に穴を開ける必要がある。通常、これらのノズルサポートアセンブリには、漏れの可能性がある溶接ジョイントとネジジョイントが含まれる。結局、そのような従来のノズルサポートアセンブリは、費用がかかり、およびかなりの量の組み立て時間を必要とする。
【0003】
したがって、コスト、組み立て時間、部品、ジョイント、シールの数を減らし、かつ潜在的な漏れ点を減らすノズルサポートアセンブリの設計が必要とされ続けている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、複数のノズルを支持するように構成され、かつ逆洗供給パイプ、時には内部パイプと呼ばれるに動作可能に接続されるように構成されたノズルホルダを含むフィルタ逆洗システムを有するロータリディスクフィルタに関する。
【0005】
一実施形態では、ノズルホルダは、外壁を有する細長い主導管と、外壁から外向きに突出し、末端部分を含む一連の分岐導管とを含む。ノズルは、分岐導管の末端部分に取り外し可能に固定されている。
【0006】
さらに一実施形態では、ノズルホルダは成形プラスチックで構成され、かつ外壁を有する主導管と、外壁から外向きに突出する複数の分岐導管とを含む。分岐導管は、取り外し可能なノズルを受け入れる末端部分を含む。この実施形態では、主導管、外壁、および分岐導管を含むノズルホルダは、全て、単一の成形プラスチック片に形成されている。
【0007】
本発明の他の目的および利点は、そのような発明の単なる例示である以下の説明および添付の図面の検討から明らかになり、かつ自明になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、ロータリディスクフィルタの斜視図であり、ハウジングの一部が開いており、回転可能なドラムに取り付けられた一連のフィルタディスクを示している。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、ハウジングの実質的な部分が分解されたロータリディスクフィルタの斜視図であり、フィルタディスク、フィルタディスクを支持する回転ドラムを示しており、ならびにディスクフィルタへの流入水の流れ、およびディスクフィルタからの濾過された流出水の流れを示している。
【0010】
【
図2】
図2は、ディスクフィルタのドラムを回転駆動するための駆動システム、ならびに逆洗ポンプおよびサイドマニホールドを含む逆洗システムの一部を特に示す斜視図である。逆洗ノズルは作動不能な位置に配置されていることに注意されたい。つまり、ノズルは、検査、保守点検、または修理が可能なフィルタディスク間から外側に回転して示されている。
【0011】
【
図3】
図3は、マニホールドパイプ、供給パイプおよびノズルホルダを含む逆洗システムの一部を示す斜視図である。
【0012】
【
図4】
図4は、一対のノズルホルダおよび逆洗供給パイプの一部を示す斜視分解図である。
【0013】
【
図5】
図5は、
図4と同様の斜視図であるが、供給パイプに接続されたノズルホルダを示している。
【0014】
【
図6】
図6は、一対のネジを介して供給パイプに接続された2つのノズルホルダを示す断片的な水平断面図である。
【0015】
【0016】
【
図8】
図8は、
図5に示されるアセンブリの側面立面図であるが、部分が切り取られて、逆洗供給パイプへのノズルホルダの接続を示している。
【0017】
【
図9】
図9は、一対のノズルを支持するノズルホルダの一部を示す断片的な側面立面図である。
【0018】
【
図10】
図10は、ノズルホルダの一実施形態の斜視図である。
【0019】
【0020】
【
図12】
図12は、
図10に示されるノズルホルダの側面立面図であり、コネクタの一部が断面図で示されている。
【0021】
【0022】
【0023】
【
図15】
図15は、ノズルホルダの第2の実施形態の斜視図である。
【0024】
【
図16】
図16は、連続するフィルタディスクの間に配置されたノズルホルダを示し、かつノズルホルダの幅が、フィルタディスクを近接して配置できるようなものであることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照すると、その中には、一般に数字10で示されるロータリディスクフィルタが示されている。以下に説明するように、ディスクフィルタ10は、逆洗システムの一部を形成する独自のノズルサポート構造を含む。逆洗システムの設計特徴について説明する前に、ロータリディスクフィルタの基本設計について簡単に説明することが有益であり得る。
【0026】
図面(
図1、1Aおよび2)を特に参照すると、ディスクフィルタ10は、外部ハウジング12を備える。ハウジング12は、通常、上部、下部、側面、および端部を含む。いくつかのロータリディスクフィルタ(第2のタイプ)には、実質的なハウジング構造が備わっていないことに注意してください。これらのディスクフィルタは、事前に形成されたコンクリートの水盤に設置するように設計されているため、フレームタイプのディスクフィルタと呼ばれることがよくある。ディスクフィルタの第3のタイプまたはバージョンがあり、これは、下部および側面を備えるハーフタンクまたはフレームを含み、かつディスクフィルタのドラムのほぼ中央にのみ到達する。
【0027】
いずれにせよ、どちらのタイプのディスクフィルタも、ディスクフィルタ10を構成する様々な構成要素を支持するためのフレーム構造を備えている。これに関して、ドラム14は、ディスクフィルタのフレーム構造に回転的に取り付けられている。一般に、ドラム14は、流入水がドラムから、一般に数字16で示され、かつドラムに取り付けられている一連の円盤状フィルタ部材(フィルタディスクと呼ばれることもある)に流れることを可能にする入口開口部およびその表面に形成された一連の開口部14Aを含むことを除いて、閉じられている。
図1Aを参照されたい。すなわち、本願明細書のその後の議論から理解されるように、濾過される流入水は、ドラム14に向けられ、およびドラムからその開口部を通ってそれぞれの円盤状のフィルタ部材16に向けられる。
【0028】
ドラム14に固定されたフィルタディスク16の数は変えることができる。各フィルタディスク16は、その反対側に固定または配置されたフィルタフレーム18および濾材20を含む。各フィルタディスク16の内部には、ディスクフィルタ10によって濾過される水を受け入れて保持するための保水領域が画定されている。流入水に関連するヘッド圧力は、水をフィルタディスク16から濾材20を通って外向きに流すのに効果的である。フィルタディスク16を出る水は、濾過された水または濾液である。これにより、水中の浮遊物質が濾材20の内面に捕捉される。以下に説明するように、逆洗システムが時々使用されて、浮遊物質を濾材20から除去し、そこで浮遊物質がドラム内に配置されたトラフに落下し、その後、浮遊物質およびいくらかの逆洗がスラッジ出口21を介してディスクフィルタ10から排出される。
図1Aを参照されたい。
【0029】
フィルタディスク16を出る濾過水は、フィルタディスクの下にある濾過水保持チャンバまたは領域に集められる。濾過水保持チャンバまたは領域は、濾過水をディスクフィルタ10から排出することを可能にする出口を含む。
【0030】
当業者が理解するように、逆洗操作中、ドラム14およびそれに取り付けられたフィルタディスク16が回転する必要がある。ディスクフィルタ10は、ドラム14とその上に取り付けられたフィルタディスク16を回転させるための駆動システムを備えている。
図2に示す実施形態の場合、ディスクフィルタ10の後方部分の周りのパネルまたは壁構造に取り付けられているのは、ドラム14が取り付けられている(
図2)シャフトに接続されたスプロケットまたはシーブ13を駆動するように動作するドラムモータ30である。ドラム14を回転させるために、ドラムモータ30とスプロケットまたはシーブ13との間で様々な手段を動作可能に相互接続することができる。一例では、チェーンドライブを利用して、ドラム14を回転させるシャフトに固定されたスプロケットを駆動する。ドラムおよびフィルタディスク16を回転させるために、他の様々なタイプの駆動システムを利用することができる。場合によっては、例えば、ギア付きモータからドラムシャフトを直接駆動することがあり得る。
【0031】
図1Aは、ディスクフィルタ10の斜視図であり、ディスクフィルタの内部構造、およびディスクフィルタへの流入物の流れ、およびディスクフィルタからの濾液(流出物)の流れをよりよく説明するために部分が切り取られている。
図1Aに示される実施形態の場合、ディスクフィルタ10は、流入入口22を備えている。流入入口22は、流入保持タンク24につながる。流入物保持タンク24は任意である。つまり、いくつかのディスクフィルタ設計では必要でない。流入保持タンク24は、保持タンク24内に保持された流入液が保持タンクからドラム14に流れるように、ドラム14の入口開口部に隣接して配置されている。
図1Aに見られるように、流入物保持タンク24は、ディスクフィルタ10の上流側に配置されている。流入する保持タンクの周囲および一般にその下に配置されているのは、バイパスタンク28である。出口32は、流入物がバイパスタンク28から流れることを可能にする。流入保持タンク24はオーバーフロー開口部を含むことに留意されたい。これらのオーバーフロー開口部は、流入物のオーバーフローが保持タンク24からバイパスタンク28に下向きに流れることを可能にする。これは、流入水保持タンク24内の水位の高さを効果的に制限する。別個のバイパスタンク28のための代替設計が存在する。これは「ミキシングバイパス」と呼ばれる。この設計では、濾過されていないバイパス水を濾過タンク内の濾過水と混合し、および、通常はディスクフィルタの後部からディスクフィルタから混合物を送ることを伴う。
【0032】
ディスクフィルタ10は、濾液または流出物保持タンク26を含む。
図1Aに示される実施形態の場合では、流出物保持タンク26は、ディスクフィルタ10の下流端部の周りに配置されている。
図1に示されるように、流出物保持タンク26は、フィルタディスク16の少なくとも下部の周りに延びる。流入液が濾材20を通って外向きに移動すると、これにより水が濾過され、および濾過された水が濾過された流出物を構成することになる。流出水貯蔵タンク26に保持されるのはこの流出水である。出口(図示せず)は、濾過された流出物を流出物保持タンク26から排出するための様々な場所に便利に配置することができる。
【0033】
上記の説明は、ロータリディスクフィルタの一般的な概要を示している。ロータリディスクフィルタ、それらの構造および動作のより完全で統一された理解については、米国特許第7,972,508号明細書および米国特許出願番号14/775196を参照され、これらの開示は、参照により本願明細書に明示的に組み込まれる。
【0034】
ロータリディスクフィルタ10は、濾材20を定期的に逆洗するための逆洗システムを含む。逆洗システムは、逆洗ポンプ50、ディスクフィルタ10の側面部分に沿って延びるマニホールド52、およびマニホールド52に接続され、かつそこから内側に突出する一連の供給パイプ54を備える。内側パイプと呼ばれることもある供給パイプ54は、マニホールド52からフィルタディスク16の間の領域に突出している。供給パイプ54に固定されているのは、一般に数字56で示される一連のノズルホルダである。ノズルホルダ56は、取り外し可能なノズル58を受け入れるように設計されている。本開示の後続の部分から理解されるように、逆洗ポンプ50は、濾過水などの逆洗源からマニホールド52内およびマニホールド52を通って逆洗をポンプで送る。逆洗ポンプ50は、逆洗を、マニホールド52からそれぞれの供給パイプ54に、そして供給パイプからノズルホルダ56に入り、かつノズルホルダ56を通り、およびそれぞれのノズル58から送り出すように動作する。いくつかの実施形態では、ディスクフィルタ自体は、逆洗ポンプ50を含まなくてもよい。他の実施形態では、加圧逆洗は、ロータリディスクフィルタの一部を形成する逆洗ポンプ以外の供給源から提供することができる。
【0035】
マニホールド52は、ディスクフィルタ10の片側に沿って堅固に取り付けるか、または回転的に取り付けることができる。いくつかの場合において、マニホールド52は、ドラムモータ30またはドラム14から間接的に駆動することができるドライブ(図示せず)に動作可能に接続されている。いずれにせよ、洗浄操作中のマニホールド52は前後に振動することができ、その結果、ノズル58が濾材20の間を前後にスイープして、濾材20の特定の領域を逆洗する。他の場合には、マニホールド52は、上記のように、堅固に取り付けられており、逆洗操作中に前後に振動しない。
【0036】
各供給パイプ54は、1つまたは複数のノズルホルダ56に連通可能に接続するように構成される。
図5を参照されたい。供給パイプ54は、供給パイプの末端部分の周りに形成された1つまたは複数の開口部54Bを含む外壁54Aを含むことに留意されたい。
図4を参照されたい。
図4および5に示される実施形態では、壁54Aに2つの整列した開口部54Bが提供される。これにより、2つのノズルホルダ56を供給パイプ54に接続することができ、各ノズルホルダは、供給パイプの壁の開口部54Bの1つに連通可能に接続される。エンドキャップ54Cは、供給パイプ54の末端に固定されている。したがって、この実施形態の場合、逆洗は、マニホールド52から供給パイプ54に、および供給パイプの末端部分に固定された2つのノズルホルダ56にポンプで送られることが理解される。単一のノズルホルダ56を供給パイプ54に固定することができることが理解される。これは、壁54Aに単一の開口部54Bを提供し、および単一のノズルホルダ56を供給パイプに形成された単一の開口部に連通可能に接続することによって達成される。
【0037】
図10から15を参照すると、ノズルホルダ56がその中に示されている。ノズルホルダ56は、長手方向軸56Bを有する主導管56Aを含む。主導管56Aは、外壁56Cを含む。主導管56は、逆洗がその中に流れることを可能にするために開いている。また、ノズルホルダ56の一部を形成するのは、複数の分岐導管56Dである。図面に示されているように、分岐導管56Dは、長手方向に間隔を置いて配置され、かつ長手方向軸56Bに対してオフセットされている。
図10から15に見られるように、分岐導管56Dは、主導管56Aの外壁56Cから外向きに突出している。各分岐導管56Dは、貫通開口部56Eを含む。貫通開口部56Eは、逆洗がそれぞれの分岐導管56Dを通って流れることを可能にする。
【0038】
ノズルホルダ56の長さは変えることができる。図面に示される2つの例示的な実施形態が存在する。1つの例示的な実施形態では、4つの分岐導管56D(
図10から14)が提供され、および他の例示的な実施形態(
図15)では、ノズルホルダは、8つの分岐導管を含む。ノズルホルダ56のサイズおよび長さ、ならびに分岐導管56Dの数は、特定の用途に応じて変化し得ることが理解される。
【0039】
ノズルホルダ56は、内端部分と外端部分とを含む。供給管54に接続するのは内端部である。ノズルホルダ56の一実施形態の外端は、丸いまたは球形の先端56Fを含む。
図5を参照されたい。この理由は、ドラムが回転している間に、ノズルホルダ56が不注意に下向きに落下してドラム14と係合する可能性があるためである。丸いまたは球形の先端56Fは、ノズルホルダ56、ノズル58および/または関連する供給パイプ54への損傷の可能性を最小化または低減することができる。
【0040】
ノズルホルダ56を供給管54に取り付けて接続するために、各ノズルホルダは、ノズルホルダの内端部分に配置されたコネクタ56Gを備えている。図面、特に
図10および15に見られるように、コネクタ56Gは、供給パイプ54の一部を包むように構成されたほぼC字形をとる。コネクタ56Gは、一対のネジ開口部56Hを含むことに留意されたい。ネジ開口部は、ネジ山付きまたはネジ山なしにすることができる。
図6に示すように、一対のノズルホルダ56が供給パイプ54に接続される場合、一方のノズルホルダに関連する一方のコネクタ56Gはネジ山付き開口部を含み、他方のノズルホルダに関連する他方のコネクタは、単に一対のネジ60を受け入れるためのネジスリーブを含むだろう。ネジ60は、一方のコネクタ56Gを通って他方のコネクタのネジ山付きネジ開口部穴に延長され、およびネジが締められて、両方のコネクタが供給パイプ54の周りにぴったりとはまるように引っ張られる。ノズルホルダ56は、コネクタ56Gを通って突出する部分を含むことに留意されたい。これはスタブ端部56Iと呼ばれる。
図6、10、および15を参照されたい。ノズルホルダ56のスタブ端部56Iは、供給パイプ54の壁54Aに形成された開口部54Bに挿入されるように設計されている。供給管54とノズルホルダ56との間に液密シールを形成するために、供給管54の壁54Aとスタブ端部56Iとの間にOリング62が挿入されている。
図6において、各コネクタ56Gは、Oリング62を受け入れるために56Iのスタブ端部に形成されたOリング凹部を含むことに留意されたい。
図6に示されるように、Oリング62は、供給パイプ54とコネクタ56Gとの間に液密シールを形成する。
【0041】
一連のノズル58は、分岐導管56Dの外側末端に取り外し可能に固定されている。
図9に示すように、ノズル58は、本体58A、オリフィス58B、および接続部分58Cを含む。ノズル58を分岐導管56Dに取り外し可能に固定するために様々な手段を使用することができる。ノズルの設計は、ノズルが分岐導管56Dから迅速かつ容易に取り付けおよび取り外しができるようなものであることが好ましい。一実施形態では、ノズル58は、ツイストアンドロックバヨネット接続を介して分岐導管56Dの末端に取り付けられている。分岐導管56Dとノズル58との間に液密シールを提供するために、ノズル58と分岐導管56Dの末端との間に挿入されるガスケット59が提供される。
図4を参照されたい。
【0042】
ノズル58および分岐導管56Dは、様々な方法で間隔をあけて方向付けることができる。図面に示される例示的な実施形態では、分岐導管56Dの対がグループ化されている。分岐導管56Dの各対は、主導管56Aの長手方向軸56Bに対してオフセットされている。さらに、各対の分岐導管56Dは、外壁56Cから反対方向に突出している。例えば、
図12および14を参照されたい。この例示的な実施形態では、ノズル58は、各ノズルからの逆洗スプレーがノズルホルダ56の一部の上または下を通過するように向けられている。この配置により、連続するフィルタディスク16の間に存在する特定の間隔に対して、ノズル58と対象の濾材20との間の間隔を大きくすることができる。したがって、所定のノズル設計について、これは、ノズルの有効な噴霧パターンを増加させる傾向がある。
【0043】
図4から6は、ノズルホルダ56がどのように供給パイプ54に固定されるかを示している。この実施形態では、2つのノズルホルダ56が供給パイプ54から片持ち梁で支えられている。同時に、ノズルホルダ56は、供給パイプ54と液密シールを形成している。各C字形状コネクタ56Gは、供給パイプ54の一部を包み込む。
図6に示すように、ネジ60は2つのコネクタ56Gを一緒に固定する。締め付けられると、コネクタ56Gは、各ノズルホルダのスタブ端部56Iを、供給パイプに形成された開口部54Bに引き込む。供給パイプとノズルホルダのコネクタ56Gとの間に挿入されたOリング62の存在により、液密シールが提供される。したがって、供給パイプ54に圧送された逆洗は、ノズルホルダ56のそれぞれに向けられ、分岐導管56Dに取り付けられたノズル58を通して向けられることが理解される。単一のノズルホルダ56は、供給パイプと同様の方法で固定できることを理解されたい。この場合、供給パイプに接続されるノズルホルダに関連付けられるコネクタ56Gに接続するために、別のノズルホルダに関連付けられていない相補的なC字形状コネクタを使用することができる。
【0044】
上に示したように、いくつかの実施形態では、コネクタ56Gは、ノズルホルダ56を供給パイプ54に接続するように機能する。他の実施形態では、コネクタ56Gは、1つのノズルホルダを別のノズルホルダに接続するように機能する。例えば、一実施形態では、2つのノズルホルダは、2つの協働するコネクタによってエンドツーエンドの関係で接続することができる。
【0045】
例示的な一実施形態では、ノズルホルダ56は、成形プラスチックで構成されている。この例示的な実施形態では、これは、主導管56A、分岐導管56D、およびコネクタ56Gが単一片の成形プラスチックを含むことを意味する。他の実施形態では、ノズルホルダ56は、一緒に恒久的に固定されたその機能的構成要素のうちの2つ以上を含む。この実施形態では、例えば、分岐導管56Dは、主導管56Aに恒久的に固定されている。別の例では、分岐導管56Dおよびコネクタ56Gの両方が、主導管56Aに恒久的に固定されている。ノズルホルダ56またはその一部にプラスチックを使用する場合、永久接続は、超音波(例えば、超音波溶接による)または熱溶接およびシーリング(例えば、熱またはホットプレート溶接)によって行うことができる。「恒久的に固定された」という用語は、ネジ、ボルト、およびリベットなどの機械的留め具による接続を除外する。本願明細書および特許請求の範囲は、「動作可能に接続された」という用語を使用した。「操作上接続されている」とは、2つの構造を直接または間接的に接続できることを意味する。例えば、供給パイプから逆洗を受けるために供給パイプに動作可能に接続された複数のノズルホルダへの言及がある。ここで、複数のノズルホルダは、供給パイプに直接接続されていないかもしれないが、逆洗が供給パイプから複数のノズルホルダに流れるので、それらは間接的に接続され得る。
【0046】
逆洗システム、特にノズルホルダ56およびノズルホルダが供給パイプ54に連通可能に接続される方法には多くの利点がある。第1に、供給パイプ54の端部に固定されたノズルサポート構造は、軽量構造である。これは、供給パイプ54への負荷を大幅に低減し、および洗浄操作中にマニホールド52を回転させるのに必要なトルクを大幅に低減する。さらに、ノズルホルダ56の設計は、ノズル58を支持するために使用される構成要素を最小化する。供給パイプ54およびノズルホルダ56の設計は、溶接およびネジ継手の数を減らし、かつ、これは次に、継手の漏れの可能性を減らす。最終的に、供給パイプとノズルホルダの設計と配置により、コストが削減され、かつ組み立てと配送の時間が短縮される。さらに、供給パイプおよびノズルホルダの設計は、かさばらず、かつフィルタディスク16をドラム14の周りにより接近して積み重ねることができる。ドラムの単位長さあたり多くのフィルタディスク16を有効にすることで、所定のフットプリントのフィルタ容量が増加し、かつ最終的には、フィルタ容量に関連してディスクフィルタの全体的なコストが削減される傾向がある。
【0047】
もちろん、本発明は、本発明の範囲および本質的な特徴から逸脱することなく、本願明細書に記載されたもの以外の特定の方法で実施することができる。したがって、本実施形態は、全ての態様において例示的であり、かつ限定的ではないと解釈されるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味および同等の範囲内に入るすべての変更は、そこに含まれることが意図される。