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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】照明システムおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20230119BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230119BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20230119BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20230119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230119BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230119BHJP
【FI】
H05B47/19
F21V23/00 140
F21S9/02
H05B47/155
F21Y115:10
F21Y101:00 100
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018133952
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2020013668
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100200159
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 仁志
(74)【代理人】
【識別番号】100142664
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】川越 真
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
(72)【発明者】
【氏名】岩井 直子
(72)【発明者】
【氏名】プットラ メロン ファビアン グナワン
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-073601(JP,A)
【文献】特開2018-055840(JP,A)
【文献】特開2017-022058(JP,A)
【文献】特開2009-032543(JP,A)
【文献】特開2004-119150(JP,A)
【文献】特開2017-224502(JP,A)
【文献】特開2013-187153(JP,A)
【文献】特開2012-243555(JP,A)
【文献】特開2008-108074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
H03J 9/00-9/06
H04Q 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、外部と通信を行う通信部と、自機の機種を示す機種情報を記憶する記憶部と、蓄電池と、前記蓄電池を点検する点検部と、前記点検部に点検動作を開始させる点検スイッチと、を具備し、前記点検スイッチを操作されると、前記点検部に点検動作を開始させるとともに、前記通信部から前記機種情報を含む点検信号を送信する機能と、外部から受信した点検信号に含まれる機種情報と自機の機種情報とが一致する場合は点検部に点検動作を実行させる複数の照明装置を有し、前記照明装置は、前記点検スイッチを操作されると前記点検部に点検動作を開始させるとともに、前記通信部から前記機種情報を含む点検信号を他の照明装置に送信し、前記点検信号を受信した他の照明装置は前記点検信号に含まれる前記機種情報と自機の機種情報とが一致する場合は点検部に点検動作を実行させるとともに前記機種情報を含む点検信号を他の照明装置に送信し、一致しない場合は点検動作を実行せず前記機種情報を含む点検信号を他の照明装置へ送信することを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システムおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施設内に複数台設置された照明装置などの被制御装置を制御する制御装置には、無線で制御信号を照明装置へ送信し、照明装置を制御するものがある。複数台の照明装置を一括して制御する場合、制御装置からの1つの信号で複数台の照明装置をまとめて制御するために複数の照明装置をグループ化し、このグループに属する照明装置に対して信号を送信するシステムがある。このグルーピングするためには、照明装置と制御装置間で通信を確立する必要がある。
【0003】
しかしながら、複数台の照明装置を複数のグループにグルーピングし制御する場合、たとえば、照明装置から送信した識別情報を制御装置が受信し、制御装置は受信した識別情報を有する照明装置に対し自身の識別情報を送信することにより照明装置と制御装置の通信が確立し、その後制御装置で照明装置をグルーピングし、グルーピング情報を照明装置へ送信するため、照明装置と制御装置との間で複数回の通信を行う必要があり、初期設定の通信作業が煩雑になるため改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5228140号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、容易に複数台の照明装置のグルーピングを行い、グループ毎に照明装置を制御することができる照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明システムは、光源と、外部と通信を行う通信部と、自機の機種を示す機種情報を記憶する記憶部と、蓄電池と、前記蓄電池を点検する点検部と、前記点検部に点検動作を開始させる点検スイッチと、を具備し、前記点検スイッチを操作されると、前記点検部に点検動作を開始させるとともに、前記通信部から前記機種情報を含む点検信号を送信する機能と、外部から受信した点検信号に含まれる機種情報と自機の機種情報とが一致する場合は点検部に点検動作を実行させる複数の照明装置を有し、前記照明装置は、前記点検スイッチを操作されると前記点検部に点検動作を開始させるとともに、前記通信部から前記機種情報を含む点検信号を他の照明装置に送信し、前記点検信号を受信した他の照明装置は前記点検信号に含まれる前記機種情報と自機の機種情報とが一致する場合は点検部に点検動作を実行させるとともに前記機種情報を含む点検信号を他の照明装置に送信し、一致しない場合は点検動作を実行せず前記機種情報を含む点検信号を他の照明装置へ送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、容易に複数台の照明装置のグルーピングを行い、グループ毎に照明装置を制御することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の照明システムの構成を示す図である。
図2】実施形態の照明装置(非常灯)の斜視図である。
図3】実施形態の照明装置(誘導灯)の斜視図である。
図4】実施形態の照明装置の構成例を示す図である。
図5】実施形態の通信端末の構成例を示す図である。
図6】実施形態の通信端末の表示部の表示例を示す図である。
図7】実施形態の第1のグループのイメージ図である。
図8】実施形態の第1のグループおよび第2のグループのイメージ図である。
図9】実施形態の通信端末の表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、照明システム100は、オフィスや商業施設内の照明空間1の天井面に設置された複数の照明装置10(10a~10i)と、照明装置10と通信可能に接続される制御装置として通信端末20(以降、制御装置を「通信端末」と称す)とから構成される。通信端末20は、スマートフォンやタブレット通信端末等の携帯通信端末であり、照明装置10と無線通信が可能に構成されている。
【0011】
また、各照明装置10a~10i間、および各照明装置10a~10iと通信端末20との間の通信方式は、たとえば、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)などのメッシュネットワークが可能な無線通信方式である。
【0012】
ここで、照明装置10は外部電源として商用電源の電力を充電可能な蓄電池を搭載した防災用照明装置であり照明装置10a~10fは非常灯(以降、「非常灯10a~10f」と称す)、照明装置10g~10iは誘導灯(以降、「誘導灯10g~10i」と称す)とする。これら防災用照明装置は災害時に蓄電池の電力により光源を点灯させ避難通路を照らしたり、非常口を示すピクトグラムを照らし非常口へ誘導することで非常時の安全を確保するものである。
【0013】
図2ないし図4を併せて参照して示すように照明装置10は、無線通信を行う通信部14を有し、通信部14を介して自機の識別情報や機種情報などの情報を通信端末20へ送信する。
【0014】
次に、照明装置10a~10iの構成例を説明する。非常灯10a~10fは非常灯10として説明し、誘導灯10g~10iは誘導灯10として説明する。
【0015】
図2は非常灯10の外観を示す図であり、図3は誘導灯10の外観を示す図であり、図4は非常灯10および誘導灯10の内部構成を示す図である。非常灯10は、制御部13、記憶部17、通信部14および光源11などを備え、これらは照明装置の筐体16の内部に収納されている。また、筐体16の背面側には、外部電源(図示しない)と接続される端子台19が設けられている。非常灯10は、端子台19を介して供給された外部電源の電力により駆動する。非常灯10は通常時は外部電源の電力を蓄電池12に充電し光源11は点灯させず、外部電源が遮断する災害時または点検時に蓄電池12の電力により光源11を点灯させる。
【0016】
一方、図3に示すように誘導灯10は、非常口や非常口の方向を示すピクトグラムを有する照明装置であり、筐体16とピクトグラムが印刷されたパネル18とを有し、筐体16に設置された光源11を点灯させ導光板(図示しない)により導光した光をパネル18に照射する。蓄電池12、端子台19、通信部14は、筐体16に収容される。誘導灯10は、通常時は外部電源の電力により光源11を点灯させるとともに蓄電池12を充電し、外部電源が遮断する災害時または点検時に蓄電池12の電力により光源11を点灯させる。
【0017】
図4に示すように非常灯10及び誘導灯10は、制御部13、記憶部17、点検部15、通信部14および光源11などを備え、これらの各部は、データバスを介して互いに接続されている。なお、照明装置10は、図4に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0018】
制御部13は、照明装置10の動作を制御する機能を有する。制御部13は、記憶部17に予め記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。制御部13は、たとえば、プロセッサである。
【0019】
記憶部17は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどから構成される。たとえば、記憶部17は、予め制御用のプログラムおよび制御データなどを格納する。
【0020】
また、記憶部17は、自機を示す識別情報を格納する。識別情報は、照明装置10を特定する情報であり、たとえば、識別情報はMACアドレスなどの固有アドレスである。
【0021】
また、記憶部17は自機の機種を表す機種情報を格納する。機種情報は照明装置の機種を表す情報であり、英数字などにより表記される。この機種情報は、たとえば、機種毎に共通した情報が付与されることにより、非常灯や誘導灯などの属性を表すことができる。また、この機種情報は、たとえば、誘導灯の壁取付タイプや天井取付タイプなどの機能別に付与されたものでもよく、機種情報により照明装置の属性や機能により区別することができる。
【0022】
記憶部17は合わせて、記憶部17はこの機種情報に該当する機種の名称を格納する。記憶部17には、照明装置10の製造時において識別情報および機種情報、機種名称を格納してもよい。
【0023】
また、記憶部17は、点検情報を格納する。ここで、点検情報とは点検部15により点検された蓄電池12の電圧、電流、温度、放電時間および放電回数などの情報である。
【0024】
蓄電池12は、筐体16の内部に着脱可能な電池であり、ニカド電池、ニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池などの充電可能な二次電池である。
【0025】
点検部15は、蓄電池12の点検を実施する。ここで、点検とは、外部電源からの電力の供給を一時的に遮断し、蓄電池12の電力により光源11を法令で定められた所定の時間点灯させる動作である。具体的には、照明装置10が非常灯である場合、蓄電池12の電力により光源11を30分間点灯させ、誘導灯である場合、蓄電池12の電力により光源11を20分間点灯させる。そして、蓄電池12の電圧、電流、温度、放電時間および放電回数を検知することにより蓄電池12が正常に動作するか否かの点検を行い、これらの点検情報を記憶部17に出力する。
【0026】
通信部14は、無線通信で通信端末20および他の照明装置10に情報を送受信するためのインターフェースである。通信部14は、たとえば、Bluetooth(登録商標)接続をサポートするインターフェースである。ここでは、通信部14は、BLE通信をサポートするものとする。
【0027】
光源11は、外部電源または蓄電池12からの電力の供給により点灯する。光源11は、たとえば、白熱電球、蛍光灯、又は、LEDなどから構成される。
【0028】
点検スイッチ30は、点検動作を開始させるスイッチであり、外部より押圧(操作)されることにより起動する。点検スイッチ30が操作されると外部電源からの電力の供給が一時的に遮断され、蓄電池12の電力により光源11が点灯する。点検部は15は、蓄電池12の点検を開始する。
【0029】
次に、通信端末20の構成例について説明する。
【0030】
図5は、通信端末20の構成例を示す図である。通信端末20は、基本的な構成として、制御部21、記憶部22、通信部25、入力部26および表示部27などを備える。これらの各部は、データバスを介して互いに接続されている。なお、通信端末20は、図5に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0031】
制御部21は、通信端末20全体の動作を制御する機能を有する。制御部21は、記憶部22が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0032】
なお、制御部21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、制御部21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0033】
また、制御部21は、照明装置10の機種情報毎にグルーピングする機能を有する(以降、機種情報によりグルーピングされたグループを「第1のグループ」と称す)。照明装置10から機種情報を受信すると、機種情報毎にグルーピングし機種情報に該当する機種の名称を記憶部22から呼び出し、機種の名称およびグループに属する照明装置の台数を表示部27に表示する。
【0034】
さらに、制御部21は、照明装置10を識別情報とは異なる情報によりグルーピングする機能を有する。たとえば、照明装置10から受信した識別情報によりグルーピングを行う(以降、識別情報によりグル―ピングされたグループを「第2のグループ」と称す)。
【0035】
記憶部22は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどから構成される。
【0036】
記憶部22は、通信部25を介して受信した照明装置10の識別情報や機種情報などの情報を格納する。
【0037】
また、記憶部22は、機種情報に該当する機種の名称を格納する。
【0038】
通信部25は、照明装置10の通信部14と同様に、無線通信で照明機器10とのデータを送受信するためのインターフェースである。通信部25は、たとえば、Bluetooth(登録商標)接続をサポートするインターフェースである。ここでは、通信部25は、BLE通信をサポートするものとする。
【0039】
入力部26は、通信端末20の操作者によって、種々の操作指示が入力される。入力部26は、操作者によって入力された操作指示の信号を制御部21へ送信する。入力部26は、たとえば、キーボード、テンキー、およびタッチパネルなどである。
【0040】
表示部27は、制御部21の制御により種々の情報を表示する表示装置である。表示部27は、たとえば、液晶モニタなどである。なお、入力部26がタッチパネルなどで構成される場合、表示部27は、入力部26と一体的に形成されてもよい。
【0041】
ここでは、入力部26は、タッチパネルから構成され、表示部27と一体的に形成され
るものとする。
【0042】
次に、照明システム100の動作について説明する。
【0043】
ここでは、図1に示すように非常灯10a~10fおよび誘導灯10g~10iが、BLEメッシュネットワークにより互いに通信可能に設置されているものとする。各照明装置10は、記憶部17から自機の識別情報および機種情報を呼び出し通信部14から外部へ送信する。
【0044】
図6は、照明装置10から識別情報および機種情報を受信した通信端末20の表示部27を示している。図6に示すように、通信端末20は、照明装置10から送信された識別情報および機種情報を受信すると、記憶部17に記憶し、機種情報毎にグルーピングを行う。そして、グルーピングした機種の名称をグループ名称としてグループ名称32、受信した照明装置10の台数33および、点検ボタン34を有するテーブル35を表示部27に表示する。ここで、制御装置20は、非常灯10a~10fと誘導灯10g~10iの機種情報を受信しているため、表示部27には非常灯のテーブル35Aと誘導灯のテーブル35Bが表示される。通信端末20は、表示部27に表示される点検ボタン34がタップされると、非常灯を示す機種情報を有する照明装置10に対し点検を実行する信号を送信する。この信号を受信した照明装置10は、受信した信号に含まれる機種情報と、自機の機種情報とを比較し、一致している場合は点検動作を開始するとともに、この信号をBLEメッシュネットワークで繋がっている他の照明装置10へ送信する。一方、受信した信号に含まれる機種情報と自機の機種情報が一致しない場合、点検動作を実行せず他の照明装置10へ信号を送信する。
【0045】
図7は、機種情報ごとにグルーピングされた照明装置10のイメージ図である。
【0046】
通信端末20は、照明装置10から機種情報を受信すると機種情報毎にグルーピングを行う。図1に示すように照明装置10は非常灯10a~10f、誘導灯10g~10iである場合、通信端末20は、たとえば、非常灯10a~10fを第1のグループA、誘導灯10g~10iを第1のグループBとしてグルーピングする。
【0047】
これにより、通信端末20は、照明装置10を機種毎に制御することができる。つまり、制御装置20は、機種情報を用いて機種毎にグルーピングを行い、グループに属する機種情報毎に照明装置10を制御することができる。そのため、照明装置10と通信端末20との間で複数回の通信を行う必要がなく、グルーピングを容易に行うことができる。
【0048】
実施形態では、照明装置10が非常灯と誘導灯である場合について説明したが、図1の照明空間内に、ダウンライトやシーリングライトなど複数種類の照明装置が設置されている場合であっても、それぞれの照明装置10が機種情報を有することで、機種の数に関わらず容易にグルーピングし、グルーピングしたグループに属する機種情報毎に照明装置10を制御することができる。
【0049】
また、各照明装置10はBLEによりメッシュネットワークにより通信可能に接続されているため、通信端末20は、どの照明装置に対しても信号を送信してよい。つまり、第1のグループAに属する非常灯10を制御する場合、第1のグループAに属する非常灯10に信号を送信してもよいし、第2のグループBに属する誘導灯10に信号を送信してもよい。
【0050】
次に、通信端末20が、第1のグループと異なる第2のグループを作成し、グルーピングしたグループに属する照明装置を制御する動作について説明する。
【0051】
図8は、第1のグループおよび第2のグループにグルーピングされた照明装置10のイメージ図を示している。図に示すように、通信端末20は、照明装置10から受信した識別情報を用いて第2のグルーピングを行う。たとえば、照明装置10a、10b、10d、10e、10g、10hを第2のグループA、照明装置10c、10f、10iを第2のグループDとしてグルーピングする。つまり、照明装置10は機種情報による第1のグループと、識別情報による第2のグループとにグルーピングされる。
【0052】
図9は、第1のグループおよび第2のグループを表示した通信端末20の表示部27を示している。図に示すように、図9の表示部27は、図6の表示部27の下部に第2のグループのテーブル35C、35Dが追加されたものである。
【0053】
ここで、第2のグループの名称はそれぞれグループC、グループDとしているが、このグループ名称はユーザーにより任意に変更することができる。
【0054】
通信端末20は、表示部27に表示される点検ボタン34がタップされると、そのグループに属する照明装置10に対し点検を実行する信号を送信する。
【0055】
ここで、照明装置10は、複数の点検信号を受信した場合、先に受信した信号を優先して実行する。たとえば、第2のグループDに属する照明装置10が信号を受信し点検動作を実行中に、通信端末20の表示部27のグループ名称「非常灯」の点検ボタンがタップされ第1のグループBに属する照明装置10に点検信号が送信された場合、点検を実行している誘導灯10iは、点検の途中で第1のグループBに対する信号を受信しても点検動作のやり直しや中断をせず点検動作を継続する。つまり、照明装置10は、先に受信した信号を優先して実行する。これにより、点検動作途中に信号を受信した場合でも、点検動作を中断せずに実行することができる。
【0056】
一方で、第1のグループBに属する誘導灯10g、10hは点検動作を実行する。これにより、第2のグループDに属する非常灯10c、10f、誘導灯10iと第1のグループBに属する誘導灯10g、10hに点検動作を実行させることができる。つまり、複数のグループを組み合わせることにより複数台の照明装置10を制御することができる。
【0057】
このように、照明システム100は、照明装置10の機種情報によりグルーピングすることにより、機種の数に関わらず容易にグルーピングすることができ、グループに属する機種情報毎に制御することができる。さらに、識別情報を用いてグルーピングすることにより、機種情報を用いた第1のグループと識別情報を用いた第2のグループとを有することができるため、グループの組み合わせにより複数台の照明装置10を制御することができる。
【0058】
なお、実施形態では、被制御装置として蓄電池を有する非常灯、誘導灯である場合を例に説明したが、勿論この構成に限ることはない。たとえば、実施形態に係る照明装置は、蓄電池を有しない通常の照明装置でもよく、たとえば、ダウンライト、シーリングなどでもよい。この場合、制御装置20は、たとえば、光源の点灯、消灯、調光などの制御信号を送信する。そのため、通信端末20の表示部27には点検ボタン34ではなく調光ボタンなどを表示するようにしてもよい。
【0059】
また、照明装置10は、点検スイッチ30が操作されると、点検部15に点検動作を開始させるとともに、自機の機種情報を含む点検信号を通信部14を介してBLEメッシュネットワークで繋がっている他の照明装置10へ送信してもよい。この信号を受信した照明装置10は、受信した信号に含まれる機種情報と、自機の機種情報とを比較し、一致している場合は点検動作を開始するとともに、この信号をBLEメッシュネットワークで繋がっている他の照明装置10へ送信する。一方、受信した信号に含まれる機種情報と自機の機種情報が一致しない場合、点検動作を実行せず他の照明装置10へ信号を送信する。
【0060】
そのため、たとえば、非常灯10aの点検スイッチを操作することで非常灯10b~10fの点検動作を行うことができ、誘導灯10gの点検スイッチを操作することで誘導灯10h、10iの点検動作を行うことができる。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
100 照明システム
1 照明空間
10 照明装置
11 光源
12 蓄電池
13 制御部
14 通信部
15 点検部
17 記憶部
20 通信端末(制御装置)
21 制御部
22 記憶部
25 通信部
26 入力部
27 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9