(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】商品の連関性に基づく商品管理方法及びその商品管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20230119BHJP
G06F 16/908 20190101ALI20230119BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06F16/908
(21)【出願番号】P 2021060155
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2021-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391007161
【氏名又は名称】エヌ・シー・アール・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】イタマール デビット レイザーソン
(72)【発明者】
【氏名】ロテム チュディン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー ドボラ カッツ オハヨン
(72)【発明者】
【氏名】モシェ シャハルア
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125257(JP,A)
【文献】国際公開第2019/145395(WO,A1)
【文献】特開2008-282132(JP,A)
【文献】特開2020-149504(JP,A)
【文献】特開2016-181196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の小売業者との取引履歴、商品または製品カタログデータ、および商品の商品コードを含む企業データ記憶部に接続された代替商品推奨マネジャーにおいて、
前記企業データ記憶部から取得される製品カタログの商品コードを、前記企業データ記憶部から取得される取引履歴内の前記商品コードのコンテキストに基づいて、多次元空間にプロットされたベクトルにマッピングし、
各商品コードを対応する商品ベクトルに割り当て、
顧客が小売業者とオンライン取引を実行するためのオンライン取引システム、店舗内の顧客による注文の注文履行を行うためのピッキングシステム、または店舗内の在庫切れ商品の棚スペースを管理するための管理アプリケーション(以下、要求者という)から、在庫切れ商品である所与の商品の代替商品の要求を受けると、前記多次元空間にプロットされた商品ベクトルに基づいて、前記代替商品の代替商品コードを選択して前記要求者に提供し、
前記代替商品コードの選択は、訓練された機械学習モデルを用いて、前記代替商品コードと関連付けられた第一の商品ベクトルおよび前記在庫切れ商品の商品コードと関連付けられた第二の商品ベクトルから計算された類似性値に基づいて行われ、
前記機械学習モデルの訓練は、前記取引履歴から取得する訓練用取引の在庫切れ商品コード、その代替商品コード、これら在庫切れ商品コード並びに代替商品コードにそれぞれ関連付けられた商品ベクトル間の類似性値、および前記訓練用取引の顧客の顧客ベクトルを入力として、該顧客に対して推奨される代替商品コードを出力するように行われ、
前記代替商品コードを提供された前記要求者から、顧客が所与の取引中に、前記在庫切れ商品の商品コードの代わりに、前記代替商品コードの少なくとも一つを購入したかどうかを示すフィードバックを取得し、前記フィードバックが前記代替商品コードの非購入を示すとき、前記代替商品コードの選択を修正するために、前記機械学習モデルを前記フィードバックに基づいて再訓練する、
各工程を含むことを特徴とする商品管理方法。
【請求項2】
前記機械学習モデルを再訓練することは、前記所与の取引の顧客に関連付けられた前記企業データ記憶部からの特定の取引履歴に基づいて行われることをさらに含む、請求項1に記載の商品管理方法。
【請求項3】
マッピングすることが、企業データ記憶部からの商品コードの製品カタログおよび取引履歴を含むテキストを入力として受け取るWord2Vecアルゴリズムを処理することによって、前記多次元空間内の次元の総数を解決することをさらに含む、請求項1または2に記載の商品管理方法。
【請求項4】
マッピングすることが、各商品コードについて前記取引履歴内の取引の中に検出された商品を持つパターンに基づいて、前記商品コードのコンテキストを導出することをさらに含む、請求項1または2に記載の商品管理方法。
【請求項5】
前記Word2Vecアルゴリズムには、前記製品カタログが複数の文としてかつ前記商品コードが単語として提供され、
マッピングすることは、それぞれが前記製品カタログから取得した一意の商品コードを設定する単語辞書内の各単語で、かつそれぞれが前記取引履歴から取得した一意の取引を設定する各文で、Word2Vecアルゴリズムを処理することによって、前記多次元空間にプロットされた前記ベクトルを生成することをさらに含む、請求項3に記載の商品管理方法。
【請求項6】
前記商品ベクトルに割り当てることは、前記商品ベクトルが前記製品カタログの対応する前記商品コードにリンクされるように、前記各商品ベクトルを前記製品カタログ内の対応する商品コードエントリー内に埋め込むことをさらに含む、請求項1または2に記載の商品管理方法。
【請求項7】
顧客の小売業者との取引履歴、商品または製品カタログデータ、商品の商品コードを含む企業データ記憶部と、前記企業データ記憶部に接続された在庫切れ商品交換オプティマイザとを備え、
前記在庫切れ商品交換オプティマイザは、非一時的コンピューター可読記憶媒体からの命令を実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサーを有する少なくとも一つの処理装置を含み、
前記命令は、前記非一時的コンピューター可読記憶媒体から前記少なくとも一つのプロセッサーによって実行されたときに、前記少なくともプロセッサーに、
前記企業データ記憶部から取得される製品カタログの商品コードに対する商品ベクトルを生成し、前記商品ベクトルを多次元空間にプロットしてマッピングし、
前記多次元空間にプロットされた所与の商品コードに対応する商品ベクトルと他の商品コードの商品ベクトルとの距離に基づいて決定される、前記所与の商品コードと前記他の商品コードとの間の類似性に基づいて前記所与の商品コードの交換商品コードを決定し、
前記企業データ記憶部から取得される前記取引履歴から、取引中の顧客が在庫切れの前記所与の商品コードの代わりに提供された前記交換商品コードを購入したかどうかを示すフィードバック値を取得し、
前記所与の商品コード、前記
交換商品コード、前記所与の商品コードの商品ベクトル、前記
交換商品コードの商品ベクトル、前記類似性、および前記フィードバック値を入力として使用して、前記所与の商品コードに対して後続の顧客との取引で推奨される交換商品コードを出力するように機械学習モデルを訓練し、
顧客が小売業者とオンライン取引を実行するためのオンライン取引システムまたは店舗内の顧客による注文の注文履行を行うためのピッキングシステムから、在庫切れのために後続の取引で顧客が購入できない所与の商品コードの交換商品コードを要求されると、前記オンライン取引システムまたはピッキングシステムに、前記後続の取引中にリアルタイムで前記機械学習モデルによって生成された推奨される前記交換商品コードを提供し、
店舗内の在庫切れ商品の棚スペースを管理するための管理アプリケーションから、在庫切れである所与の商品コードの代替商品の棚の補充を要求されると、前記管理アプリケーションにリアルタイムで前記機械学習モデルによって生成された推奨される前記代替商品の交換商品コードを提供する、
各処理工程を実行することを特徴とする商品管理システム。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサーは、前記オンライン取引システム、前記ピッキングシステム、および前記管理アプリケーションに前記交換商品コードを提供する動作を、前記在庫切れ商品交換オプティマイザから前記オンライン取引システム、前記ピッキングシステム、および前記管理アプリケーションへのネットワーク接続を介してリアルタイムで提供されるクラウドサービスとして実行する、請求項7に記載の商品管理システム。
【請求項9】
前記少なくとも一つのプロセッサーは、前記後続の取引で顧客が購入した実際の商品コードについて更に取得した前記フィードバック値に基づいて、前記機械学習モデルを継続的に訓練する動作を更に含む、請求項7に記載の商品管理システム。
【請求項10】
前記少なくとも一つのプロセッサーは、前記機械学習モデルを訓練する動作において、前記企業データ記憶部の前記取引履歴から取得される顧客固有の取引データを用いて、前記後続の取引のために提供される前記交換商品コードの生成を最適化するように前記機械学習モデルを訓練する、請求項7または9に記載の商品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、商品の発注管理や在庫管理において、商品の連関性に基づいて商品管理を行う商品管理方法及びその管理システムを提示する。
【背景技術】
【0002】
コロナウィルスのパンデミックは、小売サプライチェーンと在庫管理に関する多くの問題を露呈している。必需品なしに家に閉じ込められることへの顧客の恐れから、多くの製品が小売業者の棚で入手不可となった。アルミニウムなどの原材料が、特定の製品ラインに沿った異常な高売上のために不足していることも、包装の原材料に依存する一部の製品の製造を製造業者に停止させた原因となっている。この結果、オンライン売上が5倍に増加したのは、顧客が店舗に足を踏み入れるリスクを懸念し、店舗に到着すると、とにかく必要最低限のものが在庫切れになることを心配するからである。その結果、オンライン販売の需要が高く、需要の高い製品ブランドに対する在庫が減少しているため、注文した製品の納品遅延も業界内で日常的に行われている。
【0003】
最近の調査によると、在庫切れの場合の63%では、小売業者は売上の喪失、さらには異なる小売業者に対する顧客の瑕疵も経験している。在庫切れの小売業者は、正しくて許容できる代替製品で顧客にすぐに対応する必要があるという難しい教訓をすぐに学んでいる。そうしないと、収益が大幅に減少し、また、以前の忠実な顧客から将来のビジネスを失う可能性もある。
【0004】
パンデミック前の研究によると、3件のオンライン注文または直接の来店のうち1件で在庫切れの事象が発生した。パンデミックの急性期中、食料品小売業者は、在庫切れ事象の頻度が5~6倍に増加したと報告した。パンデミックの時代に生き抜くのに苦労している小売業者にとって、在庫切れの事象の急激な増加は、まさに「完璧な嵐」である。マージンは食料品小売業者にとってすでに小さいため、在庫切れ商品に関連する売上損失と顧客ロイヤルティの喪失により、多くの小売業者が閉鎖の危機に陥っている現在、より多くの小売業者は閉鎖せざるを得ない状況にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の課題に鑑みて、本発明は、商品の連関性に基づいて商品管理(以下、本願では、適宜に「商品連関性処理」という)を行う商品管理方法及びその管理システムを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、商品連関性処理の方法を提示する。例えば、製品カタログの商品コードであって、取引履歴内の商品コードのコンテキストに基づいて多次元空間にプロットされたベクトルにマッピングされたている。各商品コードは、対応する商品ベクトルに割り当てられている。在庫切れである所与の商品コードに対する代替商品コードは、代替商品コードに関連付けられた第一のベクトルおよび所与の商品コードに関連付けられた第二のベクトルから計算された類似性値に基づいて提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の例示的な実施形態による、商品連関性処理のためのシステムの図である。
【
図1B】本発明の例示的な実施形態による、
図1Aのシステムのプロセスフローを表す図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による、商品連関性処理のための第1の方法を説明する図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による、商品連関性処理のための第2の方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1Aは、本発明の実施形態の例における、商品連関性処理のためのシステム100の図である。構成要素は、説明する実施形態の理解に関連する構成要素のみを残して大幅に単純化された形態により模式的に表されることが認められるべきである。
【0009】
さらに、さまざまなコンポーネント(
図1A、1Bに示される)を説明し、そしてコンポーネントの配置は説明のみを目的として提示する。本明細書中、以下に示すスキャナにおける商品連関性処理の教示から逸脱することなく、より多くの、またはより少ないコンポーネントの配置が可能であることは認められるべきである。
【0010】
システム100Aは、製品カタログの商品の商品コードが、多次元空間内の各商品間のコンテキストを表す商品ベクトルとして、多次元空間にマッピングされる機構を提供する。コンテキストは、取引履歴内で検出された商品を持つパターンとして導出される。商品間の類似度は、多次元空間内の商品コード間の距離に基づいて決定される。具体的な交換商品は、類似点に基づき、および提案された交換商品に関する取引で観察されたフィードバックに基づき、在庫切れ商品の代替として提供される。在庫切れ商品の交換商品は、オンライン取引中の顧客に、顧客の注文履行中のピッキングサービスに、および在庫切れ商品の棚スペースを管理するための店内管理アプリケーションにリアルタイムで提供される。オンライン取引中に顧客に提案される交換商品は、その顧客の特定の取引履歴およびその顧客の以前に収集されたフィードバックに基づいてさらにカスタマイズされる。システム100Aは、機械学習が商品間の関係および連関性を識別するために使用される商品連関性モデルを提供し、モデルは、在庫切れの交換品または代替商品の推奨事項を提供するために使用できるが、商品間の関係が必要または有益な場合は、このモデルを他のアプリケーションにも使用できることに留意すべきである。
【0011】
最近の調査によると、顧客が来店したとき、またはすぐに在庫のある代替商品の効果的な提案が行われないオンライン取引を行っているとき、商品が在庫切れになっていることが、小売顧客の第三に多い苦情であり、全ての顧客の苦情の約30% を占めている。また、この調査によると、現在の在庫切れ事象の約37%が、同じ店舗で異なるブランドを顧客が購入することになっていることが分かった。残りの63%の結果は、小売業者にとってより問題の多い結果である。なぜなら、これらの場合、顧客は後で小売業者の競合企業から在庫切れの商品を購入するためである。小売業者が代替商品で迅速かつ正確に対応する必要のある最も一般的なユースケースは、次のとおりである。
(1)注文履行:注文履行タスクを処理する際、店内のピッカーは、しばしば在庫切れの商品を交換しなければならない。これにより、注文履行プロセスに大きな間接費が生じる。ピッカーは、自分の直感に基づいて代替案を特定し、それを顧客に確認する必要がある。現在、パンデミックの時代にオンラインショッピングが加速し、在庫切れの事象も発生している。そのため、多くの新しいスタッフが採用されており、商品の代替に関して直感がなく、経験もない。コロナウィルスのパンデミック中に効果的なソリューションが欠如していたため、多くの小売業者は注文履行プロセスから商品の代替を排除し、潜在的な販売収益を何百万ドルも失う結果となっている。
(2)Eコマース:場合によっては、注文時に在庫切れの商品が判明している。このような場合、小売業者は、オンライン注文中に小売業者の電子商取引サイトで効果的な代替を特定し、提案したいと考えている。このユースケースは、オンラインショッピングの指数関数的な増加と、パンデミック時の社会的距離化に関連した社会における新たな正常化により、これまで以上に関連性の高いものとなっている。
(3)空の棚:空の棚は、実店舗では、顧客にとっては見た目が悪い。これらは、店舗マネジャーが避けたい状況である。店舗が在庫を維持していないという印象を与えるためである。マーチャンダイザー/店舗マネジャーは、このようなケースに迅速に対応し、最も効果的または類似した代替品を棚に補充する必要がある。パンデミックによる在庫切れの事象がこれほど多く発生していることから、世界的な規模で実店舗にとって重大な問題となっている。製品/商品の置換をリアルタイムで提案する効果的なメカニズムの欠如は、小売業者にとっていくつかの大きな問題点を引き起こし、これには以下が含まれる。
(a)収益の損失-結果として、顧客は競合店で在庫切れの商品を購入するか、全く購入しないかを選択する。
(b)ロイヤルティの低下-顧客満足度の低下と顧客離れのリスクが増大する。
(c)運営コストの上昇-適切な代替手段を提供しない場合、小売業者がしばしば「雨天引換券」を提供したり、計画外の在庫補充を行ったり、倉庫保管エリアにある在庫を探すことになり、その結果、小売業者はかなりの間接費を負担する。
【0012】
本明細書および以下でより完全に図示されるように、これらの問題は、システム100A、プロセスフロー100B、方法200、および方法300によって解決される。さらに、本明細書の教示は、世界的なコロナウィルスの発生後に小売業界に予測される近代化およびデジタルトランスフォーメーションの傾向に適合する。在庫切れの処理のために提示される技術は、自動およびデータ駆動型の両方である(過去のレコード取引からの実際の観察に基づくものであり、推定に基づくものではないことを意味する)。
【0013】
システム100Aは、企業データ記憶部110、オンライン取引システム120、店内取引端末130、ユーザーデバイス140、ピッキングまたは注文履行システム150、管理アプリケーション(アプリ)160、商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170、一つまたは複数の機械学習アルゴリズム(MLA)180、および商品代替マネジャー190を含む。システム100Aは、さまざまなコンピューティングデバイスを含み、その各々が、少なくとも一つのプロセッサーと、実行可能な命令を含む非一時的コンピューター可読記憶媒体とを含む。対応する非一時的コンピューター可読記憶媒体から対応するプロセッサーによって実行されるとき、実行可能な命令は、そのプロセッサーに、コンポーネント110~190に関して本明細書および以下で論じる動作を実行させる。
【0014】
「商品コード」は、所与の小売業者の製品カタログからの商品を表す。各商品コードのその他の商品コードとの連関性/類似性は、多次元空間内のその商品のベクトルを定義する。小売業者の取引履歴および製品カタログの分析に基づいてWord2Vecアルゴリズムによって決定される連関性性/類似性および商品コードのベクトル。「商品ベクトル」は、所与の商品のコンテキストを表す多次元空間内の点を示す数式である。
【0015】
企業データ記憶部110は、小売業者と実行される取引の取引履歴など、さまざまな企業データを含む。消費者が利用できるインセンティブ、既知の顧客の顧客データ(忠誠データ、プロファイルデータなど)、顧客の取引の取引詳細(商品の商品コードを含む)、商品または製品カタログデータ、および店舗および企業(小売業者)に関連する他の店舗のために企業によって捕捉および保持されるその他の情報など、他のタイプのデータも企業データストア100に含まれ得る。
【0016】
オンライン取引システム120は、顧客が、商品の閲覧、選択された商品の仮想カードへの格納、および仮想カート内の商品のチェックアウト(支払い)などを介して小売業者とオンライン取引を実行するためのインターフェイスおよび対応するソフトウェアを含む。オンライン取引システム120は、ウェブベースおよび/またはモバイルアプリベースとすることができる。仮想のカートデータは、オンライン取引システム120から企業データ記憶部110にリアルタイムで提供されるか、またはオンラインショッピングセッション中に仮想カードのために選択された商品が在庫切れのときに商品代替マネジャー190にリアルタイムでアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を介して提供される。
【0017】
取引端末130は、周辺デバイス(スキャナ、プリンター、メディアアクセプター/ディスペンサー、計量スケール、暗証番号(PIN)パッド、カードリーダーなど)、および取引に関連する顧客チェックアウトを実行するための対応するソフトウェアを含む。リアルタイムな商品および取引データは、端末によって企業データ記憶部110に提供される。
【0018】
ユーザーデバイス140は、ウェブブラウザまたはモバイルアプリケーション(アプリ)を使用して顧客取引を行うための周辺機器(タッチスクリーン、カメラなど)および対応するソフトウェアを含む。リアルタイム取引データは任意のアプリによって企業データ記憶部110に提供される。
【0019】
ピッキングシステム150は、店舗内の注文の注文履行を行うための装置および対応するソフトウェアおよびユーザーインターフェイスを含む。在庫切れの所与の注文に存在する商品は、APIを介して、代替商品の商品代替マネジャー190に要求を送信する(そのイベントは、ピッキングシステム150を介して実行される注文/取引情報、および在庫切れ商品に関連する商品コードの識別を含む)。
【0020】
商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170は、最初に、取引履歴(企業データ記憶部110から取得される)を使用して、製品カタログ(企業データ記憶部110から取得される)内の商品コード用のベクトルを生成する。このようにして、製品カタログ内の商品コードは、多次元空間にマッピングされるベクトルに割り当てられる。各ベクトルは製品カタログの商品コードにリンクされる。“商品埋め込み”が、Word2Vecアルゴリズムを使用して適用される。Word2Vecは、主に機械翻訳のための自然言語処理(NLP)の分野で使用されるアルゴリズムのグループである。Word2Vecは、入力として大量のテキストを受け取り(企業データ記憶部110からの商品コードの製品カタログおよび取引履歴)、通常、数百次元のベクトル空間(多次元空間)を生成し、コーパス内の各一意の単語(商品コード)には、多次元空間にプロットされた対応する一意のベクトルが割り当てられる。このように、取引履歴内の共通のコンテキストを共有する商品コードは、多次元空間内で互いに近接してプロットされる。取引履歴はWord2Vecアルゴリズムの文章として提供され、単語は商品コードである(利用可能な全ての単語は製品カタログから特定される)。数学的計算は、商品コードのベクトル数値表現(ベクトル)に適用できる。
【0021】
製品カタログと取引履歴を処理して、商品の商品コードベクトルを作成したら、商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170に、所与の商品コードを提供することができ(入力として、または提案された商品交換コードの要求として)、所与の商品コードは、在庫切れであり、コンポーネント120~160のいずれかから生成できる商品を表す。Word2Vecアルゴリズムによって生成される出力は、(在庫切れの商品コードの位置と交換商品コードの位置の間の多次元空間内の距離に対応する)類似性スコアとともに交換商品コード(交換商品)である。商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170は、特定の推奨される代替/交換コードを決定し、あらかじめ設定された閾値または値の範囲に基づいて、および/または事前に定義された上位類似性スコアの数に基づいて、商品代替マネジャー190を提供することができる。
【0022】
商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170は、商品代替マネジャー190に対する類似性スコアとともに、在庫切れ商品コードに対する生成された提案の交換商品コードを提供する。商品代替マネジャー190は、元の要求者(コンポーネント120~160)に購入される可能性が最も高い、推奨される代替/交換商品コードを提供する。コンポーネント120~160は、最終的な取引フィードバックを提供するが、それは、所与の取引で代替/交換商品が購入されたかどうかに基づき、代替マネジャー190によって企業データ記憶部110から推奨される代替/交換コードを受け取った所与の取引の取引詳細から導出可能/検出可能である。
【0023】
システム100が導入されると、所与の在庫切れの商品コードに対して推奨される代替/交換商品コードが提供される、実際の取引についてフィードバックが監視される。フィードバックは、推奨される代替/交換商品コードが、所与の取引について顧客によって購入されていたかどうかを示すものである。購入はポジティブフィードバックであり、非購入はネガティブフィードバックである。
【0024】
一つまたは複数のMLA180は、在庫切れの商品コード、推奨される代替/交換商品コード、商品空間マッパーによって提供される類似性スコアおよび類似性マネジャー170、および訓練取引に関連する顧客の顧客ベクトルを含む入力で訓練される。訓練されたMLA180は、商品連関性に基づく特定の用途に使用される機械学習モデルを表す。従って、本明細書で使用される場合、MLA180はまた、機械学習モデルと呼んでもよい。
【0025】
上で説明したのと同様の方法で、顧客の取引履歴を別のWord2Vecアルゴリズムへの文として提供し、生成された全てのベクトルを、特定の顧客の取引履歴と好みを表す単一の顧客ベクトルに集約できる。
【0026】
提供された入力パラメーター(在庫切れの商品コード、推奨される代替/交換商品コード、類似性スコア、および顧客ベクトル)に基づいてMLA180が達成するように構成する訓練結果は、フィードバックが、所与の顧客が所与の取引で実際に購入したことを示す、特定の代替/交換コードの選択である。
【0027】
MLA180が訓練されると、商品代替マネジャー190は、所与の取引に対する在庫切れ商品コードをリアルタイムで受信する。商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170は、商品代替マネジャー190に、代替/交換商品コードと在庫切れ商品コードとの、代替/交換商品コードおよび対応する類似度スコアを戻す。商品代替マネジャー190は、所与の取引に関連する顧客の顧客ベクトル、在庫切れ商品コード、代替/交換商品コード、およびMLA180への入力としての類似性スコアを提供し、出力として、特定の顧客による取引に対する購入を生成する可能性が最も高い特定の代替/交換商品コードを受け取る。取引後、特定の推奨交換商品が購入されていたか未購入であったかを示すフィードバックを受け取る。
【0028】
MLA180は継続的に再訓練され、商品コードとともに商品コードのベクトルは、更新された製品カタログ、新しい取引データ、およびフィードバックを使用して、設定された間隔で更新される。これにより、特定の在庫切れ商品の代替/交換商品が、所与の店舗の製品カタログおよび特定の顧客に合わせてカスタマイズされる。このように、推奨される代替/交換商品の精度と成功は、継続的に改善され、学習される。
【0029】
コンポーネント170~190は、小売業者にウェブベースおよび/またはクラウドベースのサービスとして提供することができ、その場合、サービスへのAPIが提供されて、各小売業者の企業データ記憶部110にアクセスし、取引中に代替/交換商品コードを伝達する。APIは、マネジャーが小売業者の棚にある在庫切れの商品の代替/交換商品コードを取得するために使用するための管理アプリ160を許可し、その小売業者の取引データ、その小売業者の顧客ベース、およびその小売業者の特定の製品カタログに基づいて、所与の小売業者の売上高を生み出す可能性が最も高い代替/交換商品が棚にストックされることを確認する。
【0030】
ユーザーが操作する装置140は、ウェアラブル処理装置、音声対応ネットワークアプライアンス(モノのインターネット(IoT)装置)、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、ネットワークベースの車両統合装置などの、消費者が操作する任意の装置とすることができる。装置140はまた、ピッキングシステム150に関連付けられたピッカーによって操作され得る。装置140は、小売業者が提供するインターフェイス(ウェブベースおよび/またはアプリベースのインターフェイス)を利用して、ネットワークサーバー120の取引サービスで買い物および取引バスケット精算を行う。
【0031】
取引端末120は、販売時点情報管理(POS)端末、セルフサービス端末(SST)、スタッフが運用するモバイルデバイス、および/またはキオスクとすることができる。
【0032】
図1Bは、例示的な実施形態による、
図1Aのシステムの処理フロー100Bを表す図である。
【0033】
図1Bは、システム100Aに関連付けられたいくつかのコンポーネントのより微細な図を示す。
【0034】
取引データマネジャー111は、企業データストアから商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170までの取引データを提供する。商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170は、商品カタログ112の各商品コードに対して、その空間内にプロットされた多次元ベクトル空間および一意のベクトルを生成する。
【0035】
商品代替マネジャー190は、商品カタログコード、商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170によって提供される代替/交換商品コードおよび類似性値、ロイヤルティ取引データ113から取得した顧客の顧客ベクトル、および取引がオンライン取引システム120、ピッキングシステム150、および管理アプリ160によって顧客のために実施または履行された複数のチャネルにわたって顧客ごとに取得されたフィードバックに基づいてMLA180を訓練する。
【0036】
続いて、顧客の所与の取引(オンライン取引システム経由)、所与の店舗の棚にある所与の在庫切れ商品(管理アプリ160経由)、または所与の顧客の注文履行(ピッキングシステム150経由)が、在庫切れの商品の代替/交換商品を要求するとき、商品代替マネジャーは、商品空間マッパーを要求し、類似性マネジャー170は、ベクトル空間および商品コードベクトルに基づいて、在庫切れ商品の代替/交換商品コードおよび類似性値を提供する。商品代替マネジャー190は、MLA180への入力として、在庫切れ商品コード、代替/交換商品コード、および対応する類似性値、および顧客用の顧客ベクトルを提供する。MLA180は、顧客に最適な、または在庫切れの場合に小売業者の店舗に最適な代替交換商品コードからの選択を出力として提供する。商品代替マネジャー190は所与の状況に合わせて調整された選択された最適な代替/交換商品コードを対応する要求者(オンライン取引システム120、ピッキングシステム150、または管理アプリ160)に伝達するためのAPIを使用する。ポジティブまたはネガティブの結果は、APIを介して商品代替マネジャー190にフィードバックされるか、または管理アプリ160の場合、最終取引データまたは販売日から商品代替マネジャー190によって導出される。フィードバックは、MLA180のその後の訓練セッションで使用される。
【0037】
一実施形態では、コンポーネント110~113および170~190は、APIを介してコンポーネント120、150、および160に対して単一のクラウドベースの表面として提供される。
【0038】
ここで、これらおよびその他の実施形態を
図2~3を参照しながら検討する。
【0039】
図2は、例示的な実施形態による、商品連関性処理の方法200の図である。方法200を実施するソフトウェアモジュールを「代替商品推奨マネジャー」という。代替商品推奨マネジャーはプログラムされた実行可能な命令として実装され、メモリおよび/または非一時的コンピューター可読(プロセッサー読み取り可能な)記憶媒体の内部に常駐し、機器の一つまたは複数のプロセッサーにより実行される。代替商品推奨マネジャーを実行する装置のプロセッサーは、代替商品推奨マネジャーを処理するように具体的に構成され、プログラムされる。代替商品推奨マネジャーは、その処理中に一つまたは複数のネットワーク接続にアクセスできる。ネットワークは有線、無線、または有線と無線の組み合わせであり得る。
【0040】
一実施形態では、代替商品推奨マネジャーを実行する装置はサーバーである。一実施形態では、サーバーは、単一のサーバーとして互いに協働する複数のサーバーを含むクラウド処理環境である。一実施形態では、サーバーはローカルエリアネットワーク(LAN)サーバーである。
【0041】
一実施形態では、代替商品推奨マネジャーを実行する装置は、ローカルまたは小売店のLANのエッジ上にあるネットワークエッジ装置である。
【0042】
一実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、170~190の全てまたは一部の組み合わせである。
【0043】
一実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、システム100Aおよびプロセスフロー100Bを用いて上述の処理を実施する。
【0044】
一実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、SaaSとして複数の企業に提供され、各企業は、その顧客および企業データ記憶部110に関連するサブスクリプションを有する。
【0045】
210で、代替商品推奨マネジャーは、取引履歴内に表示される商品コードのコンテキストに基づいて、製品カタログの商品の商品コードを多次元空間にプロットされたベクトルにマップする。これは、商品空間マッパーおよび類似性マネジャー170の処理に関して上述した。
【0046】
一実施形態では、211で、代替商品推奨マネジャーは、Word2Vecアルゴリズムを処理することによって、多次元空間における次元の総数を解決する。
【0047】
一実施形態では、212で、代替商品推奨マネジャーは、各商品コードの取引履歴の取引全体にわたって検出されたパターンに基づいて、コンテキストを導出する。
【0048】
一実施形態では、213において、代替商品推奨マネジャーは、単語辞書内の各単語を製品カタログから取得した一意の商品コードに設定し、各文を取引履歴から取得した一意の取引に設定して、Word2Vecアルゴリズムを処理することによってベクトルを生成する。
【0049】
220で、代替商品推奨マネジャーは、各商品コードを対応する商品ベクトルに割り当てる。
【0050】
一実施形態では、221で、代替商品推奨マネジャーは、対応する商品コードに対する製品カタログの対応するエントリー内に各商品ベクトルを埋め込む。
【0051】
230で、代替商品推奨マネジャーは、代替商品コードと関連付けられた第一のベクトルおよび所与の商品コードと関連付けられた第二のベクトルから計算された類似性値に基づいて、在庫切れである所与の商品コードに対する代替商品コードを提供する。
【0052】
一実施形態では、231で、代替商品推奨マネジャーは、類似性値以外の追加の基準に基づいて、商品コードの特定の一つを選択する。
【0053】
231および232の実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、現在の取引中に、特定の代替商品コードのうちの特定の一つを、所与の商品の代替として、オンライン取引システムにリアルタイムで提供する。
【0054】
231および233の実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、所与の商品コードに対する代替品として、現在の取引または現在の注文の注文履行または注文ピッキング中に、代替商品コードの特定の一つをピッキングまたは注文履行システムにリアルタイムで提供する。
【0055】
231および234の実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、代替商品コードの特定の一つを、所与の商品コードに関連付けられた所与の商品の代わりに、店舗棚に在庫する交換商品として、リアルタイムで管理アプリケーションに提供する。
【0056】
一実施形態では、代替商品推奨マネジャーは、所与の商品が在庫切れの場合、代替商品コードの特定の一つを、オンライン取引システム120、ピッキングシステム150、および管理アプリケーション160のそれぞれにリアルタイムで提供する。
【0057】
一実施形態では、240で、代替商品推奨マネジャーは、所与の商品コードの代わりに、取引中に顧客が少なくとも一つの代替商品コードを購入したかどうかを示すフィードバックを取得する。
【0058】
一実施形態では、250で、代替商品推奨マネジャーは、所与の商品コードが在庫切れのままである時に、機械学習モデル180を訓練して、後続の取引に対するフィードバックに基づいて、代替商品コードの選択を修正する。
【0059】
一実施形態では、251で、代替商品推奨マネジャーは、顧客に関連付けられた特定の取引履歴に基づいて、機械学習モデル180を訓練する。
【0060】
図3は、例示的な実施形態による、商品連関性処理のための別の方法300の図である。方法300を実施するソフトウェアモジュールは、“在庫切れ商品交換オプティマイザ”と呼ばれる。在庫切れ商品交換オプティマイザはプログラムされた実行可能な命令として実装され、メモリおよび/または非一時的コンピューター可読(プロセッサー読み取り可能な)記憶媒体の内部に常駐し、機器の一つまたは複数のプロセッサーにより実行される。在庫切れ商品交換オプティマイザを実行するプロセッサーは、在庫切れ商品交換オプティマイザを処理するように特別に構成され、プログラムされる。在庫切れ商品交換オプティマイザは、その処理中に一つまたは複数のネットワーク接続にアクセスできる。ネットワークは有線、無線、または有線と無線の組み合わせであり得る。
【0061】
一実施形態では、在庫切れ商品交換オプティマイザを実行する装置は、サーバーである。一実施形態では、サーバーは、単一のサーバーとして互いに協働する複数のサーバーを含むクラウド処理環境である。一実施形態では、サーバーは、小売店にローカルなLANサーバーである。
【0062】
一実施形態では、在庫切れ商品交換オプティマイザを実行する装置は、小売店用のLANのエッジ上にあるネットワークエッジ装置である。
【0063】
一実施形態では、在庫切れ商品交換オプティマイザは、170~190、プロセスフロー100B、および/または方法200の全てまたは一部の組み合わせである。
【0064】
在庫切れ商品交換オプティマイザは、別の、そしていくつかの方法で、
図2で上に説明されたものに対する処理の観点を強化する。
【0065】
310で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、製品カタログの商品コードに対する商品ベクトルを生成する。
【0066】
320で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、各商品ベクトルを多次元空間にプロットする。
【0067】
330で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、多次元空間内のプロットされた所与の商品ベクトルと多次元空間内のプロットされた代替商品ベクトルとの間で計算された距離に基づいて、所与の商品コードの代替商品コードを決定する。
【0068】
340で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、代替商品コードが提供されたとき、および所与の商品コードが取引に対して在庫切れであるときに、取引中に、代替商品コードの特定のものを購入したかどうかを示す、取引に対するフィードバック値を取得する。
【0069】
350で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、330および340に基づいて、交換商品推奨アルゴリズムを最適化する。
【0070】
一実施形態では、351で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、所与の商品コード、代替商品コード、プロットされた所与の商品コードベクトルと多次元空間内にプロットされた各代替商品コードベクトルとの間の距離、およびフィードバック値を使用して、交換商品推奨アルゴリズムとして機械学習モデル180を訓練する。
【0071】
351および352の実施形態では、在庫切れ商品交換オプティマイザは、取引に関連する取引履歴から取得された顧客固有の取引データを用いて機械学習モデルをさらに訓練し、後続の取引に関連付けられている特定の顧客に基づいて交換商品コードの選択を最適化する。一実施形態では、顧客固有の取引データは、特定の顧客の取引履歴に関連付けられた集約された顧客取引ベクトルである。
【0072】
360で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、所与の商品コードが後続の取引に対して在庫切れである場合に、後続の取引に対して交換商品推奨アルゴリズムを処理する。
【0073】
370で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、後続の取引の所与の商品コードに関連付けられた所与の商品の最適な代替物として、後続の取引中に交換商品推奨アルゴリズムによって生成された交換商品コードを提供する。
【0074】
一実施形態では、371で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、後続の取引中にリアルタイムで交換商品コードを提供する。
【0075】
371および372の実施形態では、在庫切れ商品交換オプティマイザは、交換商品コードをオンライン取引システム120、ピッキングシステム150、および/または管理アプリケーション160に提供する。
【0076】
一実施形態では、380で、在庫切れ商品交換オプティマイザは、後続の取引中に購入した実際の商品コードに対して取得されたさらなるフィードバック値に基づいて350を修正する。すなわち、交換商品推奨アルゴリズムは継続的に最適化され、さらなるフィードバック値に基づいて行われる調整を通して学習する。
【0077】
380および381の実施形態では、在庫切れ商品交換オプティマイザは提供する。
【0078】
ソフトウェアが特定の形態(コンポーネントまたはモジュールなど)で説明される場合、それは単に理解を助けるためであり、それらの機能を実施するソフトウェアがどのように設計されるか、あるいはどのような構造であるかを限定するものではないことが理解される。例えば、モジュールは別個のモジュールとして説明されるが、同種のコードとして、個別の構成要素として実施されてもよく、またこうしたモジュールの全体でなく一部を組み合わせてもよく、その他の任意の都合の良い方法で構造化されたソフトウェア内で機能が実施され得る。
【0079】
さらに、ソフトウェアモジュールは、一つのハードウエア上で実行されるものとして説明されるが、ソフトウェアは、複数のプロセッサーにまたがる、またはその他の任意の都合の良い方法で分布され得る。
【0080】
上述の説明は、例証的なものであって制限的なものではない。当業者には、上述の説明を検討することにより、その他の数多くの実施形態が明らかとなるであろう。従って、実施形態の範囲は、これらの請求項が権利を持つ均等物の完全な範囲とともに、添付の請求項を参照して、判定されるべきである。
【0081】
実施形態についての上述の説明では、開示を合理化する目的でさまざまな特徴が単一の実施形態でひとまとめにされる。この開示方法は、請求された実施形態が、各請求項で明示的に詳述されるものよりも多くの特徴を有することを反映するとは解釈されない。むしろ、下記の請求項で反映されるとおり、発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。従って、以下の特許請求の範囲は、本明細書に実施形態の明細書に組み込まれるが、各特許請求の範囲は別個の例示的な実施形態としてそれ自体で存在する。