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特許7212941電子値札を管理する構成および方法、ならびに電子値札システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】電子値札を管理する構成および方法、ならびに電子値札システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20230119BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230119BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20230119BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230119BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20230119BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20230119BHJP
   G06K 19/08 20060101ALI20230119BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G07G1/00 311Z
G07G1/01 301D
G06K7/00 004
G06K7/10 244
G06K7/10 304
G06K19/077 112
G06K19/07 230
G06K7/10 472
G06K19/08
H04B5/02
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019512798
(86)(22)【出願日】2017-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 FI2017050627
(87)【国際公開番号】W WO2018046798
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】20165673
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】516197229
【氏名又は名称】マリエラ ラベルズ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マウヌラ,ヴェサ
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08061601(US,B1)
【文献】特開2015-106249(JP,A)
【文献】国際公開第2016/072703(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105550615(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0035674(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0004891(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0210922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
G06K 7/00
G06K 7/10
G06K 19/077
G06K 19/07
G06K 19/08
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ(102)および通信手段を備える電子値札を、デバイスを使用して管理する方法であって、
-前記電子値札における識別子(101)が、前記電子値札の位置で読み取られ、
-前記読み取られた識別子に基づいて、コマンドが近距離通信によって前記電子値札の位置における前記電子値札に送信され、前記コマンドが、前記電子値札の前記識別子の読み取りと同時に、または前記電子値札の前記識別子(101)の読み取りから0.01~2秒以内に送信され、
-前記コマンドが、前記電子値札についての空にするコマンドおよび/または消去コマンドであり、
-電子値札の前記識別子を読み取る手段およびコマンドを送信する手段が、前記デバイスに組み入れられるとともに、前記電子値札の前記識別子(101)の読み取りが、近距離通信によって前記電子値札との通信が機能する領域に、当該電子値札が、機械的および/または光学的に位置合わせされた場合にのみ成功するように、構成されている、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
電子値札の前記識別子(101)がバーコードなどの光学的に読み取り可能な識別子である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子値札(103)の空にするイベントおよび/または消去イベントがデータベースに記録される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
電子値札が無線通信によって電子値札システムと通信する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
電子値札についての空にするコマンドおよび/または消去コマンドが、チェックアウトレジスタにおいて、購入イベントと関連して実行される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ディスプレイ(102)および通信手段を備える電子値札を管理する装置であって、
前記装置が、前記電子値札のための位置と、電子値札の識別子を読み取る手段と、近距離通信を用いて電子値札にコマンドを送信する手段とを備え、前記電子値札の識別子を読み取る手段と、前記近距離通信を用いて電子値札にコマンドを送信する手段は、前記装置に組み入れられ、
前記電子値札が前記電子値札のための位置にあるとき、前記装置が、前記電子値札における前記識別子(101)を読み取るように構成され、
前記装置が、前記電子値札が前記電子値札のための前記位置にあるとき、前記読み取られた識別子に基づいて、近距離通信によって前記電子値札にコマンドを送信するように構成され、前記コマンドが、前記電子値札の前記識別子(101)の読み取りと同時に、または前記電子値札の前記識別子(101)の読み取りから0.01~2秒以内に送信され、
前記コマンドが、電子値札についての空にするコマンドおよび/または消去コマンドであり、
-電子値札の前記識別子を読み取る手段およびコマンドを送信する手段が、前記装置に配置されるとともに、前記電子値札の前記識別子(101)の読み取りが、近距離通信によって前記電子値札との通信が機能する領域に、当該電子値札が、機械的および/または光学的に位置合わせされた場合にのみ成功するように構成されている、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
電子値札の前記識別子(101)が、バーコードなどの光学的に読み取り可能な識別子であり、前記電子値札の識別子を読み取る手段がバーコード読取装置などの光学的読取装置(220、320)である、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、電子値札(103)の空にするイベントおよび/または消去イベントについてのデータを送信するかまたは前記データをデータベースに記録するように構成されている、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
電子値札(103)が、無線通信によって電子値札システムと通信するように構成されている、ことを特徴とする請求項6から8のうちいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記近距離通信を用いて電子値札にコマンドを送信する手段が、アンテナ(316)を備え、電子値札の前記識別子の読取装置が前記アンテナ(316)とは別に配置されている、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記近距離通信を用いて電子値札にコマンドを送信する手段が、アンテナ(216)を備え、電子値札の前記識別子の読取装置が前記アンテナ(216)に関連して配置されている、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記近距離通信を用いて送信する前記アンテナ(216、316)が、矩形および/または正方形などのリム形状またはトロイダルである、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
近距離通信を用いて送信する前記アンテナ(216)および前記光学的読取装置(220)が、前記電子値札が前記識別子の読み取りが成功する場所および/または領域内にあるとき、前記電子値札(103)の同じ側にあるように配置されている、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
近距離通信によって送信する前記アンテナ(316)および前記光学的読取装置(320)が、前記電子値札が前記識別子の読み取りが成功する場所および/または領域内にあるとき、前記電子値札(103)の異なる側にあるように配置されている、ことを特徴とする請求項10又は12に記載の装置。
【請求項15】
前記装置がチェックアウトレジスタに接続されて配置されている、ことを特徴とする請求項6から14のうちいずれかに記載の装置。
【請求項16】
電子値札システムであって、
少なくとも1つの基地局(104)と、双方向通信を使用して前記基地局(104)と通信するように構成された電子値札(103)とを備え、
前記システムが、さらに、電子値札を管理する請求項6から15のうちいずれかに記載の装置を備える、ことを特徴とする電子値札システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの基地局(104)と前記電子値札(103)との間の前記電子値札システムの通信が、無線通信として行われるように構成されている、ことを特徴とする請求項16に記載の電子値札システム。
【請求項18】
前記システムが、製品に関する情報を前記電子値札(103)に送信するために電子値札システムを使用するように構成されており、電子値札(103)が、基地局から受信した前記製品に関する情報をそのディスプレイ(102)に表示するように構成されている、ことを特徴とする請求項16または17に記載の電子値札システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子値札を管理する構成および方法、ならびに電子値札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店における値札の価格情報は、従来、製品の価格が変化したときには常に手動で変更されていた。新たな価格は、紙または対応する素材に印刷され、これらのラベルは、新たな価格マークとともに、販売施設における棚の値札用に予約された場所に手動で配置される。それゆえに、従業員は、最初に更新されるべき値札の正しい位置を見つけなければならず、その後、前の値札が取り出されて廃棄され、新たな値札がその位置に置かれる。この解決策の欠点は、とりわけ、その解決策が非常に面倒であり、間違いを起こしやすいということである。誤りが発生すると、例えば、棚の値札の価格情報とチェックアウトシステムにおける価格情報との間に価格情報の不一致が存在する状況が発生する可能性がある。
【0003】
前述の欠点を回避するために、電子ディスプレイを有する電子ディスプレイユニットを棚の前端縁または製品上に備え、これらのユニットのディスプレイ上の製品価格情報がシステムの制御中心から集中的に変更されることができる電子システムが開発されている。これは、価格情報の更新をはるかに簡単かつ迅速にする。システムに応じて、ディスプレイ上の情報は、有線または無線で更新されることができる。有線システムにおける問題は、データ転送用の、且つおそらくまた電源用の導体接続が各ディスプレイに配置されなければならないということである。動きの速い消費財を販売する通常の店舗は、非常に多数のディスプレイを有するため、多数の導体も存在しなければならず、それは問題を引き起こし、例えば価格ディスプレイの配置などを制限する。
【0004】
複雑な配線は、無線システムでは必要とされないが、それに対応してそのようなシステムは、電池式または蓄電式の価格ディスプレイと接続されるアンテナを備えた送受信機を必要とし、送受信機により、それらは、適切な通信手段を介してシステムの制御ユニットと通信する。
【0005】
ディスプレイユニットの電力消費を最小にし、それゆえに、それらの電池/蓄電池の動作時間を長くすることを試みる1つの方法は、基地局とディスプレイユニットとの間の通信において、ディスプレイユニット内に配置された送受信機自体がアクティブ無線伝送を実装しておらず、それにより、送信電力はディスプレイユニット自体の電源に基づいて生成されるが、代わりにディスプレイユニットは、基地局の無線送信を特定時間に且つ特定方法で反射するのみであるというものである。ディスプレイユニットは、それ自体のアンテナの反射率を変更することができ、その場合、ディスプレイユニットは、簡単な応答メッセージによって基地局メッセージを確認するかまたは応答することができる。以下に、この種のメッセージング方法の総括を与える。
【0006】
基地局は、全てのディスプレイユニットがリッスンする信号を送信することによってディスプレイユニットと通信し、その信号から個々のディスプレイユニットがそのディスプレイユニットに固有の識別子に基づいてそれに具体的にアドレス指定されたコマンドを識別する。それ自体にアドレス指定されたコマンドを受信した後、個々のディスプレイユニットは、基地局自体の送信を、特定時間の遅延によって且つ特定の時点での位相シフト量によって変更された基地局に反射することによって基地局に応答する。典型的には、特定の価格表示を目的としたコマンドを送信した後、基地局は、そのコマンドを識別した価格表示が特定の位相シフトで反射する例えば特定種類の搬送波の特定時間にわたる送信を開始する。それゆえに、基地局は、個別化されたコマンドを当該のディスプレイに送信した後に特定期間待機できることから、反射応答を特定の価格表示に属するものとして識別することができる。基地局は、ディスプレイ装置によってそれに生じる位相シフトに基づいて、送信よりもかなり弱い電力の反射応答をそれ自体の送信から区別することができる。
【0007】
現代の無線ベースの無線電子値札システムは、エネルギ消費を最小限に抑えるために、ほとんどの時間省電力モードである。それらは、所定の間隔で省電力モードからリッスンモード/受信モードに切り替わり、その後でのみ、電子ラベルにアドレス指定されたメッセージを電子値札によって受信できる。そういうわけで、現代の電子値札システムにおける問題は、ある電子値札を対象としたメッセージおよびコマンドが直ちにその電子値札に到達せず、代わりに電子値札が省電力モードから起動した後の所定時間に到達するということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明にかかる解決策の目的は、従来技術の問題を排除することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる方法は、請求項1の特徴部に記載されたものによって特徴付けられる。本発明にかかる方法はまた、請求項2~5に記載されたものによっても特徴付けられる。本発明にかかる装置は、装置に関して請求項6の特徴部に記載されたものによって特徴付けられる。本発明にかかる方法はまた、方法に関して請求項7~15の特徴部に記載されたものによっても特徴付けられる。本発明にかかるシステムは、請求項16に記載されたものによって特徴付けられる。
【0010】
本発明にかかる解決策では、電子値札内の識別子が読み取られ、読み取られた識別子に基づいて、コマンドが近距離通信によって電子値札に送信される。本発明の一実施形態にかかる解決策では、コマンドは、電子値札についての空にするコマンドおよび/または消去コマンドであるか、または新たな状態および/または価格を含むコマンドである。例えば電子値札の提示されるべきページまたはページのデータなどの可視および/または不可視情報は、例えば空(空白)にするコマンドによって削除されることができる。それに対応して、データは、電子値札が製品とペアになっている場合、例えばそのメモリ位置またはメモリページなど、電子値札に追加されることができる。
【0011】
本発明の一実施形態では、電子値札の識別子は、バーコードなどの光学的に読み取り可能な識別子である。本発明の一実施形態では、電子値札の識別子は、例えば本質的に電子値札の正面から見たときのアンテナの中心点の地点、またはアンテナの中心点と対面する地点など、本質的に電子値札のアンテナの地点に配置される。
【0012】
本発明の一実施形態では、電子値札の変更イベント、空にするイベント、および/または消去イベントがデータベースに記録される。
【0013】
本発明の一実施形態では、本発明にかかる装置は、電子値札内の識別子の読み取りが、近距離通信による電子値札との通信も機能する領域からのみ成功するように構成される。したがって、本発明にかかる解決策によって、電子値札は、例えば機械的および/または光学的に、近距離通信によって実施されるコマンドの送信が実行される領域に位置合わせされる。そのような場合、電子値札がコマンド送信イベントにとって最適な場所にあることを確実にできる。例えばバーコードを読み取ることによって所望の場所における位置合わせが確実にできる。
【0014】
本発明の一実施形態では、装置は、チェックアウトレジスタに接続され構成される。
【0015】
ここで提示される本発明にかかる解決策は、従来技術の解決策と比較するといくつかの重要な利点を有する。本発明によって提示される解決策は、電子値札が電力消費を最小にするために通常は特定期間だけ受信モードにあることから、無線経路を使用する従来技術のシステムよりも、値札に向けられたメッセージまたはコマンドをその値札に送信するのが速い。そのような場合、無線によって送信されたコマンドは、例えばコマンドが送信のために登録されてから数分後のみなど、値札が省電力モードからリッスン/受信モードに切り替わるときにのみ電子値札に到達する。本発明の解決策におけるコマンドは、近距離通信によって送信されるため、その電子値札に向けられたメッセージまたはコマンドは、本質的にコマンドを送信する時間と同時に、その値札に送信できる。
【0016】
本発明の別の利点は、それによって、電子値札の識別子を読み取るためにならびに対応する近距離場を位置合わせするために必要とされる位置合わせ時間が短縮されることができるということである。例えば、ある場所が電子値札のために形成され、その場所に電子値札が読み取りイベントのためにおよび近距離場によって行われるコマンドの送信のために配置される本発明の実施形態では、本発明にかかる装置はまた、電子値札の識別子の読取装置を正しい場所に強制する。電子値札の正しい位置合わせが、電子値札上の例えばバーコードなどの識別子を読み取ることによって確実となる実施形態においても、同様の利点が達成される。
【0017】
以下において、本発明は、図1図3を参照していくつかの実施形態を用いてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる概略的且つ単純化された電子値札システムを提示している。
図2A図2Aは、本発明の一実施形態にかかる装置の概略側面図を提示している。
図2B図2Bは、本発明の一実施形態にかかる装置の概略平面図を提示している。
図3図3は、本発明の一実施形態にかかる構成を提示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、例えば小売店または対応する販売店で使用可能な本発明にかかる構成を概略的且つ単純化された形式で提示している。電子値札103は、製品および/または棚に貼付されることができる。電子値札のディスプレイ102は、例えば、価格、製品名およびおそらく製品に関するいくつかの他の情報など、製品に関する情報を表示するように構成されている。電子値札は、基地局104を介してシステムの他の部分と通信することができる。
【0020】
電子値札の表示は、例えば、ディスプレイセグメントを備え且つ紙の値札と外観が類似した薄い値札を形成し、例えば他の必要なマーキングとともに製品の価格などの製品に関する情報がディスプレイセグメントの色を変更することによって提示される、電子ラミネートディスプレイとして実施されることができる。ディスプレイの1つの層は、例えば活性インク層である。インク層には、液体で満たされた多数のマイクロカプセルがあり、マイクロカプセルは、例えば、本質的に正に表面帯電された黒粒子および本質的に負に表面帯電された白粒子を含有し、マイクロカプセル内のその粒子の配置は、所望のディスプレイセグメントにとって黒粒子が上部にあるように電界によって制御され、その場合、それらのディスプレイセグメントは、上から見たときに黒く見え、他のディスプレイセグメントにとって白粒子は上部にあり、その場合、これらのディスプレイセグメントは、上から見たときに淡いように見える。ディスプレイの背景は、例えば、価格情報が明るい背景に対して暗い数値として提示されることができ、または必要に応じてその逆も可能である同じマイクロカプセルから構成される。例えば、フィンランド特許出願第FI 20050192号に提示されている電気泳動マイクロカプセルラミネートディスプレイは、この種のディスプレイとして使用されることができる。
【0021】
本発明にかかる電子値札システムは、電子値札に加えて、例えば、更新された価格情報および他の制御データがシステムの基地局104を介して電子値札103に送信されることができる無線送信機を備えた中央ユニット105などの少なくとも通信手段106を備えることができる。さらに、チェックアウトレジスタにあるシステムスキャナに接続することが可能であり、前記スキャナは、製品の価格をスキャンし、チェックアウトシステムに接続され、その場合、チェックアウトシステムおよび電子値札は、常に製品の価格に関する同じ最新情報を有する。中央ユニット105は、さらに、他の制御システムまたは支援システムに接続されることができる。中央ユニット105と電子値札103との間の無線接続は、矢印によって記載されている。
【0022】
本発明の使用は、上述した種類の表示技術を使用する価格表示に限定されるものではなく、代わりに、それ自体当該技術分野において公知である任意の技術をどんなものであれ使用して価格表示が実施されることができることは自明である。本発明は、電子値札が管理されることができる方法に明示的に関する。
【0023】
以下の例では、例えば製品に貼付可能な電子値札103がどのようになり得るかの一例がより詳細に提示される。ディスプレイ102に接続されたディスプレイコントローラおよびアンテナを備えた受信機は、電子値札103に貼付され、そのため、例えば普通の電池である電源でもある。電源は、電子値札およびそのディスプレイコントローラに電気エネルギを供給するように構成されている。ディスプレイ102上に見える価格情報または他の情報は、受信機およびディスプレイコントローラを介して中央ユニット105から無線で更新されることができる。この実施形態では、更新情報および制御情報は、電波によって伝送されるが、他のデータ伝送モードも可能である。各電子値札103は、紙の値札と外観が類似したディスプレイを備えた薄い値札を形成し、その上には、ディスプレイセグメントの色を変えることによって他の必要なマーキングとともに製品の必要な価格が形成される。ディスプレイセグメントの色およびまた背景の色は、上述したように、電流によって形成される電界によって変更される。
【0024】
以下では、当該のユニットとそれを無線で制御するシステムとの間の反射による基地局との電子値札の通信が、より若干詳細に説明される。
【0025】
例示的な構成では、電子値札103は、例えば、第1の状態ではアンテナの反射率が良好であり、第2の状態では反射率が低いなど、受信機のアンテナの状態を少なくとも2つの状態間で変更するための状態変更手段を有する。それに対応して、異なる状態においてアンテナが異なる位相で電波を反射するように、アンテナ状態は、状態変更手段に適合させることができる。したがって、この場合、電子値札は、アンテナの状態に応じて異なる時間遅延を有する符号化反射を特定の方法で生成するために、その受信機のアンテナの状態を変更するように適合される。基地局104に接続された通信手段6は、異なる時間遅延を電子値札103によって送信された符号化データ信号として解釈し、例えば、通信手段6は、これらのデータ信号に基づいて各電子値札を識別する。
【0026】
前述の符号化は、最も簡単には、電子値札103が通信手段106によって送信された搬送波を反射し返すことであり、搬送波は、例えば150kHzの周波数で電子値札103が状態変更手段によって受信アンテナを接地し、それゆえに反射信号から特定の種類の方形波を形成するように、例えば685MHzの周波数を有することができる。それゆえに、電子値札103は、アンテナの状態を変えることによって反射信号に影響を与える。この反射では、信号が受ける位相シフトは、最も適切には180度であり、そのとき通信手段106による低出力反射の検出は最も優れている。電子値札は、ほとんどの場合に省電力モードにあり、時々それらの状態を受信モードに変更する。受信モードでは、それらは、それらに送信されたメッセージを検出し、それらに与えられたコマンドを実行することができる。
【0027】
本発明の解決策で使用される電子値札は、例えばバーコードなどの光学的に読み取り可能な識別子などの識別子を有する。本発明の一実施形態では、電子値札の識別子は、例えば本質的に電子値札の正面から見たときのアンテナの中心点の地点、またはアンテナの中心点と対面する地点など、本質的に電子値札のアンテナの地点に配置される。
【0028】
本発明の解決策では、無線周波数で動作する電子値札に近距離通信によってコマンドが与えられることができる。この場合、本発明にかかる解決策では、電子値札内の識別子が読み取られ、読み取られた識別子に基づいて、コマンドが近距離通信によって電子値札に送信される。これはまた、電子値札が省電力モードにあるときも成功する。本発明の一実施形態にかかる解決策では、コマンドは、電子値札についての空にするコマンドおよび/または消去コマンドである。
【0029】
本発明の解決策は、電力消費を最小限に抑えるために通常は電子値札が特定の間隔でのみ受信モードにあることから、基地局を介して無線によって実行されるべきコマンドを送信するよりも速い。そのような場合、無線によって送信されたコマンドは、例えばコマンドが送信のために登録されてから数分後のみなど、値札が省電力モードからリッスン/受信モードに切り替わるときにのみ電子値札に到達する。
【0030】
本発明の一実施形態の解決策の1つの考えはまた、識別子の読み取りおよび近距離場による電子値札へのコマンドの送信が、例えば0.01~2秒以内などの本質的に短時間以内など、本質的に同時に起こり、そのため、コマンドの送信が成功したことおよび電子値札が近距離場によって動作する領域外に伝送される前にコマンドが送信されたことを確実にすることができるということである。本発明の一実施形態では、例えばバーコードなどの識別子が光ビームの読み取り範囲などの識別子の読み取り範囲内に到達し、読み取りイベントが実行されると同時に、コマンドが値札に送信される。読み取りイベントの成功およびコマンドの送信の後、電子値札を管理するために使用されている本発明にかかる装置は、例えば音声信号または光信号などの、読み取りイベント成功のインジケータ信号を与える。本発明の一実施形態では、電子値札はまた、例えば確認メッセージを送信することによってまたは電子値札のディスプレイのサインおよび/または色を変更することによってコマンドを受信したことを確認することもできる。
【0031】
本発明の解決策では、例えば、電子値札の識別子を読み取る際には、光学式読取装置が使用されることができる。以下に提示される例は、光学的読取装置を使用して説明されるが、本特許出願に提示される解決策では、光学的読取装置はまた、いくつかの他の種類の読取装置または電子値札の識別子を読み取ることができる装置と置き換えることができる。
【0032】
本発明にかかる解決策では、光学的識別子読取装置および近距離通信によって電子値札に送信するアンテナの位置および挿入は、正しく配置されなければならない。過度に強い信号は、電子値札を損傷する可能性があることから、送信アンテナは、電子値札に近すぎてはいけない。逆に、電子値札に対する信号が弱くなってしまうため、アンテナは、電子値札から離れすぎてもいけない。したがって、電子値札によって受信される信号の電力レベルは、所定の最小および最大レベル内になければならない。それゆえに、信号の送信レベルは、所定範囲の電子値札において信号の読み取りが成功するように、適切な読み取り距離または電子値札の識別子の読み取り範囲内にあるように調整されなければならない。1つの電子値札に送信されたコマンドもまた、他の近くの電子値札によって受信される可能性があることから、識別子の読み取り範囲外の電子値札において受信されることができるほど信号が強すぎてもいけない。
【0033】
本発明の解決策では、近距離通信場によって電子値札にコマンドを送信するのに使用されるアンテナと、光学的読取装置は、多くの異なる方法で配置されることができる。本発明の一実施形態では、近距離通信によってコマンドを送信する際に使用されるアンテナは、トロイダル(環状形状)または例えば矩形および/または正方形などのリム形状とすることができる。光学的読取装置は、アンテナとは別にまたはアンテナと接続して配置されることができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、近距離通信によってコマンドを送信する際に使用されるアンテナは、本質的に光学的識別子の読取装置を取り囲む。読取装置は、例えば、アンテナの中央および/またはアンテナループの上端縁またはアンテナループの中央にあることができる。光学的読取装置のビームは、それがアンテナのループを通過するように向けられることができる。
【0035】
本発明の一実施形態では、近距離通信を介して発生するコマンドを送信するのに使用されるアンテナと、光学的読取装置は、電子値札が識別子の読み取りが成功する所定場所および/または所定領域内にあるとき、電子値札の同じ側とすることができる。本発明の一実施形態では、電子値札が識別子の読み取りが成功する所定場所および/または所定領域にあるとき、アンテナおよび光学読取装置は、電子値札の異なる側にあることができる。
【0036】
電子値札にコマンドを送信するための読取装置および手段は、単一の例えば携帯型装置に統合されることができる。電子値札にコマンドを送信するための読取装置および手段は、例えば平坦面上および/または例えばテーブル上において堅固に設置されることができる。
【0037】
図2Aは、本発明の一実施形態にかかる装置の概略側面図を提示している。装置は、電子値札の識別子の読取装置を備え、読取装置は、例えば図2Aの実施形態におけるバーコード読取装置などの光学的読取装置220である。これに加えて、装置は、近距離通信によって電子値札にコマンドを送信するための手段を備える。前述の手段は、近距離通信を介して送信するのに適したRF送信機214およびRF送信機アンテナ216を備えることができる。前述の部品は、例えば筐体218などの剛性の実体に適合させることができる。
【0038】
本発明にかかる装置が使用されるとき、電子値札102は、まず、例えば電子値札のバーコード101などの識別子が読み取られることができる領域に取り込まれる。図2Aの実施形態では、この領域は、光学的読取装置220の読取装置ビーム222の範囲である。この場合もまた、電子値札のアンテナ210は、適切なRFアンテナ216から近距離通信を介して送信するのに適切な距離にある。バーコード読み取りイベントに基づいて、ラベルの光学的識別子の内容に関する情報が装置の中央ユニット224に送信される。これに基づいて、装置は、この後、RF送信機214およびRF送信機のアンテナ216を介して近距離通信によって電子値札にコマンドを送信する。コマンドは、ラベルを空(空白)にするコマンド、ラベルを消去するコマンドおよび/または新たな価格もしくは他の何らかのデータを指定するコマンドとすることができる。コマンドを送信した後、装置の中央ユニットは、ネットワーク212を介して発生したおよび/または実行された電子値札の状態の変化に関する情報を例えばPOSシステムに送信することができる。装置はまた、例えばPOSシステムからネットワークを介して特定の電子値札に送信されることを意図した情報を受信することができる。この種の情報は、例えば、電子値札のディスプレイに表示されることになる価格情報または消去情報とすることができる。
【0039】
図2Bは、本発明の一実施形態において、装置の様々な構成要素が互いにどのように配置されることができるかについてのより詳細な概略平面図を提示している。この実施形態では、近距離通信を利用して送信するアンテナ216および光学的読取装置220は、電子値札が識別子の読み取りが成功する所定場所および/または所定領域にあるとき、それらが電子値札の同じ側にあるように配置されている。この実施形態では、光学的読取装置220の測定ビーム222は、矩形リムに成形されたアンテナ216を通過するように配置されている。近距離通信によって送信するアンテナ216および光学的読取装置220は、光学的読取装置の例えばバーコード101などの光学的識別子の読み取りイベントが、近距離通信を介して送信するアンテナ216が電子値札のアンテナ210を介してコマンドを電子値札に正しく送信することができる場所からのみ実行されることができるように配置されている。この実施形態にかかる装置は、例えば、電子値札の光学的識別子の地点を指すおよび/またはその地点に向けられ、それにより、その後に近距離通信によって電子値札にコマンドが送信されることができる携帯型装置として使用されることができる。
【0040】
本発明の一実施形態では、電子値札用の場所が形成され、その場所に、近距離通信によって行われる読み取りイベントを送信するためおよびコマンドを送信するために電子値札が配置される。図3は、例えばチェックアウトレジスタに接続されて、堅固に設置可能な本発明のこの実施形態にかかる装置の例を提示している。この実施形態では、近距離通信を利用して送信するアンテナ316および光学的読取装置320は、電子値札が識別子101の読み取りが成功する領域内にあるとき、それらが電子値札102の異なる側にあるように配置されている。この領域は、近距離通信によって電子値札にコマンドを送信することが望まれるときにその基部上に電子値札が配置される凹部326内に形成される。凹部の頂部は、先細になるように成形されることができ、その場合、凹部の先細形状は、凹部の基部上に配置されている電子値札を正しい位置に案内する。光学的読取装置の測定範囲は、電子値札102が凹部の基部上にあるとき、電子値札の識別子101が光学的読取装置320の測定ビーム322の範囲内にあるように配置される。また、近距離アンテナ316は、電子値札が凹部の基部上にあるとき、近距離通信によって送信するアンテナ226からの電子値札のアンテナ310の距離が近距離通信を介して発生するコマンドの送信に適しているように配置される。この場合、電子値札の識別子の読み取りイベントは成功し、これに基づいて、コマンドは、RF送信機314およびRF送信機のアンテナ316を介して近距離場によって電子値札に送信されることができる。イベントは、例えば、凹部内に押し込まれた電子値札の識別子が光学的読取装置の読取装置ビームの範囲内にスライドした直後に、装置がコマンドを電子値札に送信するよう、進行することができる。本発明の一実施形態では、例えば、レーザによって実装されることができるバーコード読取装置が光学的識別子の読取装置として使用されることができる。
【0041】
コマンドを送信した後、装置の中央ユニット324は、ネットワーク312を介して、発生したおよび/または実行された電子値札の状態の変化に関する情報を例えばPOSシステムに送信することができる。装置はまた、例えばPOSシステムからネットワークを介して特定の電子値札に送信されることを意図した情報を受信することができる。この種の情報は、例えば、電子値札のディスプレイに表示されることになる価格情報または消去情報とすることができる。
【0042】
本発明の一実施形態では、電子値札の個別化識別データがコマンドに関連して送信され、前記データは、どの電子値札についてコマンドが意図されているかを指定する。本発明の一実施形態では、電子値札は、それ自体の識別データがコマンドに関連付けられた識別データに対応する場合に限りコマンドを実行する。
【0043】
本発明の一実施形態では、空にするコマンドおよび/または消去コマンド以外の他の何らかのコマンドが電子値札に送信されることができる。それゆえに、例えば、コマンドは、新たな状態および/または価格を含むコマンドとすることができ、この場合、電子値札は、例えば近距離通信を介してその価格および/またはその状態を変更され得る。上記例に示した空にするコマンドまたは消去コマンドの代わりに、他のコマンドもまた、上記例における電子値札に送信されることができる。
【0044】
本発明の解決策では、近距離通信とは、近距離でのデータ転送および/またはコマンドの送信を指す。近距離通信の最大距離は、例えば、20cmとすることができ、典型的には4~5cmである。本発明の一実施形態の場合、近距離通信とは、0~5cmの距離を指す。
【0045】
本発明の異なる実施形態が単に上述した例に限定されるものではなく、したがって、それらが以下に提示される特許請求の範囲内で変更され得ることは当業者にとって自明である。他の特徴的機能とあわせて詳細な説明において提示された可能性のある特徴的機能もまた、必要に応じて、互いに別個に使用可能である。
図1
図2A
図2B
図3