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特許7212950電気回路、電気コネクタ、電気コネクタアセンブリ
<図1>
  • 特許-電気回路、電気コネクタ、電気コネクタアセンブリ 図1
  • 特許-電気回路、電気コネクタ、電気コネクタアセンブリ 図2
  • 特許-電気回路、電気コネクタ、電気コネクタアセンブリ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】電気回路、電気コネクタ、電気コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/32 20060101AFI20230119BHJP
   H01R 13/6477 20110101ALI20230119BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
H04B3/32
H01R13/6477
H04L25/02 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020037697
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021141437
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000243342
【氏名又は名称】本多通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慎司
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013015736(DE,A1)
【文献】特開2013-115409(JP,A)
【文献】特開2017-059517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0149394(US,A1)
【文献】特開平07-336221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/32
H01R 13/6477
H04L 25/02
H03H 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一入力端子と、第二入力端子と、第一出力端子と、第二出力端子と、接地端子とを有し、
前記第一入力端子と前記接地端子との間に電気接続された第一接地抵抗と、
前記第二入力端子と前記接地端子との間に電気接続された第二接地抵抗と、
前記第一入力端子と前記第二入力端子との間に電気接続された入力側抵抗と、
前記第一入力端子と前記第一出力端子との間に電気接続された第一インピーダンスと、
前記第二入力端子と前記第二出力端子との間に電気接続された第二インピーダンスと、
前記第一出力端子と前記接地端子との間に電気接続された第三接地抵抗と、
前記第二出力端子と前記接地端子との間に電気接続された第四接地抵抗と、
前記第一出力端子と前記第二出力端子との間に電気接続された出力側抵抗と
を備える、電気回路。
【請求項2】
前記第一インピーダンス及び前記第二インピーダンスは、いずれも、抵抗である、
請求項1の電気回路。
【請求項3】
前記第一インピーダンス及び前記第二インピーダンスは、いずれも、抵抗とコンデンサとの並列回路である、
請求項1の電気回路。
【請求項4】
前記第一インピーダンスのコンデンサと、前記第二インピーダンスのコンデンサとは、同一の静電容量値を有する、
請求項3の電気回路。
【請求項5】
前記第一接地抵抗と、前記第二接地抵抗とは、同一の抵抗値R1を有し、
前記第三接地抵抗と、前記第四接地抵抗とは、同一の抵抗値R5を有し、
前記第一インピーダンスの抵抗と、前記第二インピーダンスの抵抗とは、同一の抵抗値R3を有し、
R3/R1=√(R01・R03+R3)/R01-1、かつ、
R3/R5=√(R01・R03+R3)/R03-1、かつ、
R3/r2=√(Z1・Z2+R3)/Z1-1、かつ、
R3/r4=√(Z1・Z2+R3)/Z2-1(ただし、
r2=R1・R2/(2・R1+R2)、
r4=R5・R4/(2・R5+R4)、
Z1=R01・R02/(2・R01+R02)、
Z2=R03・R04/(2・R03+R04)、
R01=2・Wc1、
R02=4・Wd1・Wc1/(4・Wc1-Wd1)、
R03=2・Wc2、
R04=4・Wd2・Wc2/(4・Wc2-Wd2)、
R2は、前記入力側抵抗の抵抗値、
R4は、前記出力側抵抗の抵抗値、
Wc1は、前記第一入力端子及び前記第二入力端子に電気接続される入力側外部回路のコモンモード等価抵抗値、
Wd1は、前記入力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値、
Wc2は、前記第一出力端子及び前記第二出力端子に電気接続される出力側外部回路のコモンモード等価抵抗値、
Wd2は、前記出力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値を、それぞれ示す。)である、
請求項2乃至4いずれかの電気回路。
【請求項6】
前記電気回路を前記第一入力端子及び前記第二入力端子に電気接続される入力側外部回路から見たコモンモード等価抵抗値は、前記入力側外部回路のコモンモード等価抵抗値と整合し、
前記電気回路を前記入力側外部回路から見たディファレンシャルモード等価抵抗値は、前記入力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値と整合し、
前記電気回路を前記第一出力端子及び前記第二出力端子に電気接続される出力側外部回路から見たコモンモード等価抵抗値は、前記出力側外部回路のコモンモード等価抵抗値と整合し、
前記電気回路を前記出力側外部回路から見たディファレンシャルモード等価抵抗値は、前記出力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値と整合している、
請求項1乃至4いずれかの電気回路。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの電気回路を備える、電気コネクタ。
【請求項8】
第一コンタクトと、第二コンタクトとを有する第一電気コネクタと、
第三コンタクトと、第四コンタクトとを有し、前記第一電気コネクタに接続されることにより、前記第三コンタクトが前記第一コンタクトと接触して電気接続され、前記第四コンタクトが前記第二コンタクトと接触して電気接続される第二電気コネクタと
を備え、
前記第一電気コネクタと、前記第二電気コネクタとが接続されることにより、請求項1乃至6いずれかの電気回路が形成される、
電気コネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記第一電気コネクタは、前記第一接地抵抗と、前記第二接地抵抗と、前記入力側抵抗とを含み、
前記第二電気コネクタは、前記第三接地抵抗と、前記第四接地抵抗と、前記出力側抵抗とを含み、
前記第一インピーダンスは、前記第一コンタクトと前記第三コンタクトとを含む回路の等価インピーダンスによって構成され、
前記第二インピーダンスは、前記第二コンタクトと前記第四コンタクトとを含む回路の等価インピーダンスによって構成される、
請求項8の電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路と、前記電気回路を備える電気コネクタ及び電気コネクタアセンブリとに関する。
【背景技術】
【0002】
10ギガビット毎秒(Gbps)程度又はそれを超える高速大容量伝送では、電磁的両立性(EMC)が重視される。EMCには、電磁気妨害感受(EMS)と、電磁気妨害(EMI)とがある。EMSは、外部からのノイズの影響を意味し、EMIは、外部へのノイズの放射を意味する。
平衡接続方式では、外部からのノイズが二本の信号線に対してほぼ同じ影響を及ぼすため、二本の信号線を介した信号の差分をとることにより、外部からのノイズの影響を低減する。
等価インピーダンスが異なる回路同士を接続すると、信号が反射することが知られている。そこで、インピーダンス整合回路を設けて、インピーダンスを整合させることにより、信号の反射を防ぐ。
平衡接続方式には、二本の信号線の間のインピーダンスであるディファレンシャルモードインピーダンス(ノーマルモードインピーダンスともいう。)と、外部との間のインピーダンスであるコモンモードインピーダンスとがある。
このうち、信号の伝達に関わるのは、ディファレンシャルモードインピーダンスである。ディファレンシャルモードインピーダンスを整合させることにより、伝達される信号の減衰を防ぐことができるので、EMSが改善する。
また、EMIには、ディファレンシャルモードだけでなく、コモンモードも関係する。したがって、ディファレンシャルモードインピーダンスだけでなく、コモンモードインピーダンスも整合させることにより、EMIを改善することができる。
すなわち、二つのモードのインピーダンスをそれぞれ整合させることにより、EMCが改善する。
特許文献1には、ディファレンシャルモードインピーダンスと、コモンモードインピーダンスとを、ともに整合させる回路が開示されている。
また、特許文献2には、平衡接続方式における信号の信頼性を向上させるためのイコライザ回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-044248号公報
【文献】特開2005-235516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された回路は、入力側のディファレンシャルモード等価抵抗値が出力側のディファレンシャルモード等価抵抗値よりも小さい場合には適用できない。
また、特許文献2に記載された回路は、インピーダンス整合を考慮していない。
本発明は、このような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気回路は、第一入力端子と、第二入力端子と、第一出力端子と、第二出力端子と、接地端子と、前記第一入力端子と前記接地端子との間に電気接続された第一接地抵抗と、前記第二入力端子と前記接地端子との間に電気接続された第二接地抵抗と、前記第一入力端子と前記第二入力端子との間に電気接続された入力側抵抗と、前記第一入力端子と前記第一出力端子との間に電気接続された第一インピーダンスと、前記第二入力端子と前記第二出力端子との間に電気接続された第二インピーダンスと、前記第一出力端子と前記接地端子との間に電気接続された第三接地抵抗と、前記第二出力端子と前記接地端子との間に電気接続された第四接地抵抗と、前記第一出力端子と前記第二出力端子との間に電気接続された出力側抵抗とを備える。
これにより、入力側及び出力側のディファレンシャルモード等価抵抗値にかかわらず、二つのモードのインピーダンスをそれぞれ整合させ、EMCを改善することができる。
前記第一インピーダンス及び前記第二インピーダンスは、いずれも、抵抗であってもよいし、抵抗とコンデンサとの並列回路であってもよい。
前記第一インピーダンスのコンデンサと、前記第二インピーダンスのコンデンサとは、同一の静電容量値を有してもよい。
前記第一接地抵抗と、前記第二接地抵抗とは、同一の抵抗値R1を有してもよい。前記第三接地抵抗と、前記第四接地抵抗とは、同一の抵抗値R5を有してもよい。前記第一インピーダンスの抵抗と、前記第二インピーダンスの抵抗とは、同一の抵抗値R3を有してもよい。R3/R1=√[R03/R01+(R3/R01)]-1、かつ、R3/R5=√[R01/R03+(R3/R03)]-1、かつ、R3/r2=√[Z2/Z1+(R3/Z1)]-1、かつ、R3/r4=√[Z1/Z2+(R3/Z2)]-1(ただし、r2=R1・R2/(2・R1+R2)、r4=R5・R4/(2・R5+R4)、Z1=R01・R02/(2・R01+R02)、Z2=R03・R04/(2・R03+R04)、R01=2・Wc1、R02=4・Wd1・Wc1/(4・Wc1-Wd1)、R03=2・Wc2、R04=4・Wd2・Wc2/(4・Wc2-Wd2)、R2は、前記入力側抵抗の抵抗値、R4は、前記出力側抵抗の抵抗値、Wc1は、前記第一入力端子及び前記第二入力端子に電気接続される入力側外部回路のコモンモード等価抵抗値、Wd1は、前記入力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値、Wc2は、前記第一出力端子及び前記第二出力端子に電気接続される出力側外部回路のコモンモード等価抵抗値、Wd2は、前記出力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値を、それぞれ示す。)であってもよい。
前記電気回路を前記第一入力端子及び前記第二入力端子に電気接続される入力側外部回路から見たコモンモード等価抵抗値は、前記入力側外部回路のコモンモード等価抵抗値と整合してもよい。前記電気回路を前記入力側外部回路から見たディファレンシャルモード等価抵抗値は、前記入力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値と整合してもよい。前記電気回路を前記第一出力端子及び前記第二出力端子に電気接続される出力側外部回路から見たコモンモード等価抵抗値は、前記出力側外部回路のコモンモード等価抵抗値と整合してもよい。前記電気回路を前記出力側外部回路から見たディファレンシャルモード等価抵抗値は、前記出力側外部回路のディファレンシャルモード等価抵抗値と整合してもよい。
これにより、二つのモードのインピーダンスがそれぞれ整合するので、EMCを改善することができる。
電気コネクタは、上述した電気回路を備えてもよい。
電気コネクタアセンブリは、第一コンタクトと、第二コンタクトとを有する第一電気コネクタと、第三コンタクトと、第四コンタクトとを有し、前記第一電気コネクタに接続されることにより、前記第三コンタクトが前記第一コンタクトと接触して電気接続され、前記第四コンタクトが前記第二コンタクトと接触して電気接続される第二電気コネクタとを備えてもよい。前記第一電気コネクタと、前記第二電気コネクタとが接続されることにより、上述した電気回路が形成されてもよい。
前記第一電気コネクタは、前記第一接地抵抗と、前記第二接地抵抗と、前記入力側抵抗とを含んでもよい。前記第二電気コネクタは、前記第三接地抵抗と、前記第四接地抵抗と、前記出力側抵抗とを含んでもよい。前記第一インピーダンスは、前記第一コンタクトと前記第三コンタクトとを含む回路の等価インピーダンスによって構成されてもよい。前記第二インピーダンスは、前記第二コンタクトと前記第四コンタクトとを含む回路の等価インピーダンスによって構成されてもよい。
これにより、信号の減衰を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的な電気回路10Aを示す電気回路図。
図2】例示的な電気コネクタアセンブリ80を示す電気回路図。
図3】例示的な電気回路10Bを示す電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すとおり、電気回路10Aは、一対の入力端子21,22と、一対の出力端子23,24と、接地端子25と、八個の抵抗31~38とを有する。
入力端子21,22には、平衡接続方式の電気回路(例えば、パドルカード基板、カードエッジ基板、フレキシブル基板などの基板上に形成された電気回路や、信号ケーブルなど)が電気接続される。
出力端子23,24には、平衡接続方式の電気回路(例えば、パドルカード基板、カードエッジ基板、フレキシブル基板などの基板上に形成された電気回路や、信号ケーブルなど)が電気接続される。
接地端子25は、グランド又はアースに電気接続される。
抵抗31は、抵抗値がR1であり、入力端子21と接地端子25との間に電気接続されている。抵抗32は、抵抗値が抵抗31と同じR1であり、入力端子22と接地端子25との間に電気接続されている。抵抗33は、抵抗値がR5であり、出力端子23と接地端子25との間に電気接続されている。抵抗34は、抵抗値が抵抗33と同じR5であり、出力端子24と接地端子25との間に電気接続されている。抵抗35は、抵抗値がR2であり、入力端子21と入力端子22との間に電気接続されている。抵抗36は、抵抗値がR4であり、出力端子23と出力端子24との間に電気接続されている。抵抗37は、抵抗値がR3であり、入力端子21と出力端子23との間に電気接続されている。抵抗38は、抵抗値が抵抗37と同じR3であり、入力端子22と出力端子24との間に電気接続されている。
【0008】
電気回路10Aは、入力端子21,22に接続される信号線を含む入力側外部回路と、出力端子23,24に接続される信号線を含む出力側外部回路との間で、ディファレンシャルモードインピーダンス及びコモンモードインピーダンスをそれぞれ整合させる。
【0009】
入力側外部回路のディファレンシャルモードインピーダンスをWd1、入力側外部回路のコモンモードインピーダンスをWc1、出力側外部回路のディファレンシャルモードインピーダンスをWd2、出力側外部回路のコモンモードインピーダンスをWc2とすると、以下の条件をすべて満たすとき、ディファレンシャルモードインピーダンス及びコモンモードインピーダンスがともに整合する。
【0010】
(条件1)R3/R1=√(R01・R03+R3)/R01-1、
(条件2)R3/R5=√(R01・R03+R3)/R03-1、
(条件3)R3/r2=√(Z1・Z2+R3)/Z1-1、
(条件4)R3/r4=√(Z1・Z2+R3)/Z2-1。
ただし、
r2=R1・R2/(2・R1+R2)、
r4=R5・R4/(2・R5+R4)、
Z1=R01・R02/(2・R01+R02)、
Z2=R03・R04/(2・R03+R04)、
R01=2・Wc1、
R02=4・Wd1・Wc1/(4・Wc1-Wd1)、
R03=2・Wc2、
R04=4・Wd2・Wc2/(4・Wc2-Wd2)。
【0011】
上記条件1~4を満たすR1~R5が存在するためには、以下の条件を満たす必要がある。
(条件5)R01・R03+R3>R01
(条件6)R01・R03+R3>R03
(条件7)Z1・Z2+R3>Z1
(条件8)Z1・Z2+R3>Z2
【0012】
条件5,6より、R3>√(R0max・ΔR0)。ただし、R0maxは、R01とR03とのうち、どちらか大きいほうを示し、ΔR0は、R01とR03との差の絶対値を示す。
条件7,8より、R3>√(Zmax・ΔZ)。ただし、Zmaxは、Z1とZ2とのうち、どちらか大きいほうを示し、ΔZは、Z1とZ2との差の絶対値を示す。
【0013】
すなわち、R01がR03より小さい場合だけでなく、R01がR03より大きい場合であっても、上記の条件を満たすようR1~R5の値を設定すれば、二つのモードのインピーダンスをそれぞれ整合させることができる。
【0014】
なお、抵抗37,38は、信号の伝達経路に挿入されているので、R3が大きいと、信号の減衰が大きくなる。したがって、R3の値は、上述した条件を満たす範囲内で、なるべく小さい値に設定することが好ましい。
【0015】
図2に示すとおり、電気コネクタアセンブリ80は、二つの電気コネクタ81,82を有する。
電気コネクタ81は、一対の入力端子21,22と、接地端子25と、三個の抵抗31,32,35と、二つのコンタクト61,62とを有する。コンタクト61は、内部抵抗を有し、入力端子21に電気接続されている。コンタクト62は、内部抵抗を有し、入力端子22に電気接続されている。
電気コネクタ82は、一対の出力端子23,24と、接地端子25と、三個の抵抗33,34,36と、二つのコンタクト63,64とを有する。コンタクト63は、内部抵抗を有し、出力端子23に電気接続されている。コンタクト64は、内部抵抗を有し、出力端子24に電気接続されている。
【0016】
電気コネクタ81と電気コネクタ82とを接続すると、コンタクト61とコンタクト63とが接触して電気接続し、コンタクト62とコンタクト64とが接触して電気接続する。コンタクト61の内部抵抗とコンタクト63の内部抵抗とが直列に電気接続されることにより形成された直列回路は、上述した電気回路10Aの抵抗37に相当する。同様に、コンタクト62の内部抵抗とコンタクト64の内部抵抗とが直列に電気接続されることにより形成された直列回路は、上述した電気回路10Aの抵抗38に相当する。これにより、全体として、上述した電気回路10Aに相当する回路が形成される。
【0017】
上述したように、抵抗37,38は、信号の伝達経路に挿入されているので、信号の減衰を生じる。コンタクト61~64の内部抵抗についても同様である。コンタクト61~64の内部抵抗を抵抗37,38として利用することにより、信号の伝達経路に挿入される抵抗を減らすことができるので、信号の減衰を抑えることができる。
【0018】
なお、コンタクト61の内部抵抗とコンタクト63の内部抵抗とによる直列回路の等価抵抗値が、上述した条件を満たすR3の値よりも小さい場合には、コンタクト61と入力端子21との間、及び、コンタクト63と出力端子23との間のうち少なくともいずれかに、抵抗を介在させ、等価抵抗値を大きくしてもよい。コンタクト62とコンタクト64とについても、同様である。
【0019】
言うまでもなく、このように電気回路10Aの一部を、電気コネクタ81と電気コネクタ82とに分けて設けるのではなく、電気回路10Aの全部を、電気コネクタ81及び電気コネクタ82のいずれか一方に設けてもよい。
あるいは、電気コネクタ81及び電気コネクタ82の両方に電気回路10Aを設けてもよい。
また、電気回路10Aを、電気コネクタに設けるのではなく、電気コネクタが装着される基板上に設けてもよい。
【0020】
図3に示すとおり、電気回路10Bは、上述した電気回路10Aと同様であるが、更に、二つのコンデンサ47,48を有する。
コンデンサ47は、入力端子21と出力端子23との間に、抵抗37と並列に電気接続されている。
コンデンサ48は、入力端子22と出力端子24との間に、抵抗38と並列に電気接続されている。
【0021】
信号の伝達経路に挿入された抵抗とコンデンサとの並列回路は、イコライザ回路として機能し、アイパターンを改善することができる。これにより、信号の品質が向上する。
【0022】
アイパターン改善のためのイコライザ回路を、インピーダンス整合のための回路とは別に設けるのではなく、抵抗37,38を、インピーダンス整合のための回路と、イコライザ回路とで兼用することにより、信号の伝達経路に挿入される抵抗を減らすことができるので、信号の減衰を抑えることができる。
【0023】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0024】
10A,10B 電気回路、21,22 入力端子、23,24 出力端子、25 接地端子、31,32,33,34,35,36,37,38 抵抗、47,48 コンデンサ、61,62,63,64 コンタクト、80 電気コネクタアセンブリ、81,82 電気コネクタ。
図1
図2
図3