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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/34 20200101AFI20230119BHJP
   H02P 9/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G01R31/34 E
H02P9/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022571171
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 JP2022033663
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2021198398
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205860(JP,A)
【文献】特開2020-169966(JP,A)
【文献】国際公開第2021/070461(WO,A1)
【文献】特開2020-173179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/34
H02P 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置を含む発電部と、
抵抗部と、遮断部とを有し、前記発電部と別体で構成される、負荷試験部と、
前記発電部に設けられ、前記発電部の特定情報を検知する発電側検知装置と、前記発電側検知装置で得られた情報と前記発電側検知装置で得られた情報に基づいて生成された集計情報の少なくとも一方を送信する第1通信部とを含む第1情報取得部と、
前記負荷試験部に設けられ、前記発電側検知装置で得られた情報と前記集計情報の少なくとも一方を受信する第2通信部を含む第2情報取得部と、を備え、
前記遮断部は、前記発電装置から前記抵抗部への電力供給を制御し、
前記第2情報取得部は、少なくとも、前記発電側検知装置で得られた情報に基づく前記遮断部の制御と、前記集計情報の出力の少なくとも一方を実行するものであり
前記第1通信部は、前記発電装置から前記抵抗部への電力供給に使用される電力線を使った電力線通信で、前記第2通信部に前記情報を送信する、発電システム。
【請求項2】
前記第1通信部は、無線通信と、前記電力線通信とで、前記第2通信部に前記情報を送信する、請求項に記載の発電システム。
【請求項3】
発電装置を含む発電部と、
抵抗部と、遮断部とを有し、前記発電部と別体で構成される、負荷試験部と、
前記発電部に設けられ、前記発電部の特定情報を検知する発電側検知装置と、前記発電側検知装置で得られた情報と前記発電側検知装置で得られた情報に基づいて生成された集計情報の少なくとも一方を送信する第1通信部とを含む第1情報取得部と、
前記負荷試験部に設けられ、前記発電側検知装置で得られた情報と前記集計情報の少なくとも一方を受信する第2通信部を含む第2情報取得部と、を備え、
前記遮断部は、前記発電装置から前記抵抗部への電力供給を制御し、
前記第2情報取得部は、少なくとも、前記発電側検知装置で得られた情報に基づく前記遮断部の制御と、前記集計情報の出力の少なくとも一方を実行するものであり、
前記抵抗部は、複数の抵抗装置を有し、
前記発電側検知装置は、前記発電装置の電力を検知し、
前記第2情報取得部は、前記抵抗部の電力を検知する負荷試験側検知装置を有し、
前記発電装置は、前記負荷試験部と、前記負荷試験部とは別の負荷部と電気的に接続され、
前記発電装置から前記負荷試験部と前記負荷部の両方への電力供給が可能な状態で、前記第2情報取得部は、少なくとも前記発電側検知装置で得られた前記発電装置の電力に関する情報と前記負荷試験側検知装置で得られた前記抵抗部の電力に関する情報とに基づいて、前記複数の抵抗装置の中から、前記発電装置から電力供給する抵抗装置を制御する、発電システム。
【請求項4】
前記発電側検知装置は、前記発電装置の電流と電圧と周波数を検知し、
前記負荷試験側検知装置は、前記抵抗部の電流と電圧と周波数を検知し、
前記発電装置から前記負荷部への電力供給を行わず、且つ前記発電装置から前記負荷試験部への電力供給が可能な状態で、前記第2情報取得部は、前記発電側検知装置で得られた前記発電装置の電流と電圧と周波数に関する情報と、前記負荷試験側検知装置で得られた前記抵抗部の電流と電圧と周波数に関する情報とに基づいて、前記遮断部を制御する、請求項に記載の発電システム。
【請求項5】
前記発電装置の電流と前記抵抗部の電流との差異が電流差異閾値よりも小さく、前記発電装置の電圧と前記抵抗部の電圧との差異が電圧差異閾値よりも小さく、前記発電装置の周波数と前記抵抗部の周波数との差異が周波数差異閾値よりも小さい場合に、前記第2情報取得部は、前記複数の抵抗装置の中から、前記発電装置から電力供給する抵抗装置を制御する、請求項または請求項に記載の発電システム。
【請求項6】
発電装置を含む発電部と、
抵抗部と、遮断部とを有し、前記発電部と別体で構成される、負荷試験部と、
前記発電部に設けられ、前記発電部の特定情報を検知する発電側検知装置と、前記発電側検知装置で得られた情報と前記発電側検知装置で得られた情報に基づいて生成された集計情報の少なくとも一方を送信する第1通信部とを含む第1情報取得部と、
前記負荷試験部に設けられ、前記発電側検知装置で得られた情報と前記集計情報の少なくとも一方を受信する第2通信部を含む第2情報取得部と、を備え、
前記遮断部は、前記発電装置から前記抵抗部への電力供給を制御し、
前記第2情報取得部は、少なくとも、前記発電側検知装置で得られた情報に基づく前記遮断部の制御と、前記集計情報の出力の少なくとも一方を実行するものであり、
前記発電側検知装置は、前記発電装置の電流と電圧と周波数を検知し、
前記第2情報取得部は、前記抵抗部の電流と電圧と周波数を検知する負荷試験側検知装置を有し、
前記発電装置から前記負荷試験部への電力供給が可能な状態で、前記第2情報取得部は、前記発電側検知装置で得られた前記発電装置の電流と電圧と周波数に関する情報と、前記負荷試験側検知装置で得られた前記抵抗部の電流と電圧と周波数に関する情報とに基づいて、前記遮断部を制御する、発電システム。
【請求項7】
発電装置を含む発電部と、
抵抗部と、遮断部とを有し、前記発電部と別体で構成される、負荷試験部と、
前記発電部に設けられ、前記発電部の特定情報を検知する発電側検知装置と、前記発電側検知装置で得られた情報と前記発電側検知装置で得られた情報に基づいて生成された集計情報の少なくとも一方を送信する第1通信部とを含む第1情報取得部と、
前記負荷試験部に設けられ、前記発電側検知装置で得られた情報と前記集計情報の少なくとも一方を受信する第2通信部を含む第2情報取得部と、を備え、
前記遮断部は、前記発電装置から前記抵抗部への電力供給を制御し、
前記第2情報取得部は、少なくとも、前記発電側検知装置で得られた情報に基づく前記遮断部の制御と、前記集計情報の出力の少なくとも一方を実行するものであり、
前記特定情報は、前記発電部の所定の箇所の温度、音、湿度、気圧、空気中の二酸化炭素含有率、空気中の酸素含有率、空気中の特定物質(例えば、焦げた物質)の有無の少なくとも1つの情報を含み、
前記第1情報取得部は、前記所定の箇所の少なくとも一部を含む領域の画像情報を取得し、
前記集計情報の出力には、前記画像情報が含まれる、発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、内部の情報に基づいてオフ制御を行う負荷試験装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5551324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、試験対象電源(発電装置)側に不具合があった場合のことが考慮されていない。
【0005】
したがって本発明の目的は、発電装置の状態を考慮した負荷試験などが可能な発電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発電システムは、発電装置を含む発電部を備え、抵抗部と、遮断部とを有し、発電部と別体で構成される、負荷試験部を備え、発電部に設けられ、発電部の特定情報を検知する発電側検知装置と、発電側検知装置で得られた情報と発電側検知装置で得られた情報に基づいて生成された集計情報の少なくとも一方を送信する第1通信部とを含む第1情報取得部を備え、負荷試験部に設けられ、発電側検知装置で得られた情報と集計情報の少なくとも一方を受信する第2通信部を含む第2情報取得部を備える。
遮断部は、発電装置から抵抗部への電力供給を制御する。
第2情報取得部は、少なくとも、発電側検知装置で得られた情報に基づく遮断部の制御と、集計情報の出力の少なくとも一方を実行する。
【0007】
発電部の不具合に関する情報(少なくとも発電側検知装置で得られた情報)に基づいて、負荷試験部のオフ制御を行う。これにより、不具合が生じている発電部の負荷を軽減して、当該不具合の悪化を防ぐことが可能になる。
発電部の不具合に関する情報に基づいて、集計情報の出力を行う。これにより、使用者に不具合が生じていることを早期に認識させることが可能になる。
【0008】
好ましくは、第1通信部は、発電装置から抵抗部への電力供給に使用される電力線を使った電力線通信で、第2通信部に前記情報を送信する。
【0009】
発電装置と抵抗部の間に接続される電力線を用いて、情報の送信が行われるので、配線を簡素化出来る。
【0010】
さらに好ましくは、第1通信部は、無線通信と、電力線通信とで、第2通信部に情報を送信する。
【0011】
電力線通信と無線通信の両方で情報送信を行うことで、一時的に電力線通信と無線通信の一方での情報通信が行えなかった場合でも、電力線通信と無線通信の他方を用いて、情報送信を継続させることが可能になる。
【0012】
さらに好ましくは、抵抗部は、複数の抵抗装置を有する。
発電側検知装置は、発電装置の電力を検知する。
第2情報取得部は、抵抗部の電力を検知する負荷試験側検知装置を有する。
発電装置は、負荷試験部と、負荷試験部とは別の負荷部と電気的に接続される。
発電装置から負荷試験部と負荷部の両方への電力供給が可能な状態で、第2情報取得部は、少なくとも発電側検知装置で得られた発電装置の電力に関する情報と負荷試験側検知装置で得られた抵抗部の電力に関する情報とに基づいて、複数の抵抗装置の中から、発電装置から電力供給する抵抗装置を制御する。
【0013】
負荷試験部を負荷試験以外の時にも活用出来る。発電システムの負荷率が所定の値(負荷率基準値)に近い状態を維持しやすくなり、発電部を効率良く動作させることが可能になる。
【0014】
さらに好ましくは、発電側検知装置は、発電装置の電流と電圧と周波数を検知する。
負荷試験側検知装置は、抵抗部の電流と電圧と周波数を検知する。
発電装置から負荷部への電力供給を行わず、且つ発電装置から負荷試験部への電力供給が可能な状態で、第2情報取得部は、発電側検知装置で得られた発電装置の電流と電圧と周波数に関する情報と、負荷試験側検知装置で得られた抵抗部の電流と電圧と周波数に関する情報とに基づいて、遮断部を制御する。
【0015】
不具合があると、電流、電圧、周波数の少なくとも1つの差異が多くなる。このため、これらの検出結果に基づいて、負荷試験部のオフ制御を行って、不具合を使用者に認識させることが出来る。
【0016】
さらに好ましくは、発電装置の電流と抵抗部の電流との差異が電流差異閾値よりも小さく、発電装置の電圧と抵抗部の電圧との差異が電圧差異閾値よりも小さく、発電装置の周波数と抵抗部の周波数との差異が周波数差異閾値よりも小さい場合に、第2情報取得部は、複数の抵抗装置の中から、発電装置から電力供給する抵抗装置を制御する。
【0017】
不具合のない正常な状態で、負荷量の調整に負荷試験部を活用出来る。
【0018】
また、好ましくは、発電側検知装置は、発電装置の電流と電圧と周波数を検知する。
第2情報取得部は、抵抗部の電流と電圧と周波数を検知する負荷試験側検知装置を有する。
発電装置から負荷試験部への電力供給が可能な状態で、第2情報取得部は、発電側検知装置で得られた発電装置の電流と電圧と周波数に関する情報と、負荷試験側検知装置で得られた抵抗部の電流と電圧と周波数に関する情報とに基づいて、遮断部を制御する。
【0019】
さらに好ましくは、特定情報は、発電部の所定の箇所の温度、音、湿度、気圧、空気中の二酸化炭素含有率、空気中の酸素含有率、空気中の特定物質(例えば、焦げた物質)の有無の少なくとも1つの情報を含む。
第1情報取得部は、所定の箇所の少なくとも一部を含む領域の画像情報を取得する。
集計情報の出力には、画像情報が含まれる。
【0020】
発電部の所定の箇所(発電装置など)の温度情報から、不具合の有無を判断することが出来る。
また、発電部の所定の箇所の温度情報と、負荷試験部の所定の箇所の温度情報から、発電部と負荷試験部のいずれかの不具合の有無を判断することが出来る。
また、集計情報に画像情報が含まれるので、画像情報を使って、不具合の有無を視認することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、発電装置の状態を考慮した負荷試験などが可能な発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態の発電システムの構成図である。
図2】第2実施形態の発電システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0024】
(発電システム1)
第1実施形態の発電システム1は、発電部10、負荷試験部30、第1情報取得部50、第2情報取得部60、負荷部90を備える(図1参照)。
【0025】
(発電部10)
発電部10は、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17を有する。
【0026】
エンジン11は、ガソリンなどガスの爆発力に基づいて回転力を発生させ、発電装置17に当該回転力を与える。
ラジエーター15は、エンジン11の内部を流れる冷却水の熱交換を行う。
ファン13は、ラジエーター15に冷却用の空気を送る。
発電装置17は、エンジン11で得られた回転力を電気に変換する。
発電により得られた電力は、発電装置17に接続された電気機器(負荷試験部30、負荷部90)に供給される。
【0027】
(負荷試験部30)
負荷試験部30は、抵抗部31、冷却部33、遮断部35、リレー部37、操作部39を有する。
第1実施形態では、負荷試験部30は、発電部10の負荷試験のために用いられるだけでなく、負荷試験以外の通常運転の際の負荷率調整のためにも用いられる。
【0028】
(抵抗部31)
抵抗部31は、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31cを有する。
第1抵抗群31aは、抵抗体を1以上含む抵抗装置を複数有する。
第2抵抗群31bは、抵抗体を1以上含む抵抗装置を複数有する。
第3抵抗群31cは、抵抗体を1以上含む抵抗装置を複数有する。
【0029】
第1実施形態では、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31cの各抵抗装置に含まれる抵抗体は、抵抗器で構成される。
ただし、当該抵抗体は、発電装置17から供給された電力を蓄積するバッテリーなどの蓄電装置で構成されてもよい。
また、抵抗部31は、発電装置17から供給された電力に基づいて電解液の電気分解を行う電気分解装置で構成されてもよい。
【0030】
第1抵抗群31aのそれぞれの抵抗装置の一方の端子は、遮断部35を介して、発電装置17のR相端子と接続される。
第2抵抗群31bのそれぞれの抵抗装置の一方の端子は、遮断部35を介して、発電装置17のS相端子と接続される。
第3抵抗群31cのそれぞれの抵抗装置の一方の端子は、遮断部35を介して、発電装置17のT相端子と接続される。
第1抵抗群31aのそれぞれの抵抗装置の他方の端子、第2抵抗群31bのそれぞれの抵抗装置の他方の端子、それぞれの第3抵抗群31cの抵抗装置の他方の端子は短絡する。
【0031】
発電装置17から電力を供給する抵抗装置の数を変えることで、負荷量が調整される。
なお、抵抗装置と他の抵抗装置の接続形式を、直列と並列とで切り替えることで、当該負荷量が調整されてもよい。
【0032】
当該負荷量が変化することにより。発電システム1の負荷率が変動する。
第1実施形態でいう負荷率は、抵抗部31の電力を発電装置17の電力(若しくは電力基準値)で割って100倍した値を言うものとする(抵抗部31の電力÷発電装置17の電力×100)。
抵抗部31の電力は、後述する第21検知装置61で検出される。
発電装置17の電力は、後述する第11検知装置51で検出される。
【0033】
(冷却部33)
冷却部33は、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cを有する。
第1冷却装置33aは、第1抵抗群31aに冷却風を供給する。
第2冷却装置33bは、第2抵抗群31bに冷却風を供給する。
第3冷却装置33cは、第3抵抗群31cに冷却風を供給する。
【0034】
第1実施形態では、3つの冷却装置(第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33c)が、3つの抵抗群(第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c)を冷却する例を説明する。しかしながら、冷却部33は、1つの冷却装置を含み、当該1つの冷却装置が、3つの抵抗群を冷却してもよい。
【0035】
第1実施形態では、冷却部33は、発電装置17から供給される電力で駆動する。
しかしながら、冷却部33は、商用電源など他の電源から供給される電力で駆動してもよい。
【0036】
(遮断部35)
遮断部35は、真空遮断器など、発電装置17から抵抗部31への電力供給を制御する。
遮断部35のオンオフ制御は、操作部39のモードスイッチの操作に対応して行われる。
操作部39のモードスイッチを後述する第1オンモード若しくは第2オンモードの操作位置に合わせた場合には、遮断部35はオン状態にされる。このとき、発電装置17からの電力が抵抗部31に供給され得る状態になる。
操作部39のモードスイッチをオフの操作位置に合わせた場合には、遮断部35はオフ状態にされる。このとき、発電装置17から抵抗部31への電力供給は遮断部35で遮断される。
ただし、第1実施形態では、第1情報取得部50で得られた情報(第1検知情報)と第2情報取得部60で得られた情報(第2検知情報)とに基づいて、第2情報取得部60の第2集計部66も、遮断部35のオンオフ制御を行う。
【0037】
(リレー部37)
リレー部37は、リレーを含む。
リレー部37のリレーは、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31cの各抵抗装置に設けられ、発電装置17から遮断部35を介した当該各抵抗装置への電力供給のオンオフ制御を行う。
リレー部37のリレーのオンオフ制御は、操作部39の操作スイッチの操作に対応して行われる。
ただし、第1実施形態では、後述する第2オンモードの場合に、第1情報取得部50で得られた情報と第2情報取得部60で得られた情報とに基づいて、第2情報取得部60の第2集計部66も、リレー部37のリレーのオンオフ制御を行う。
【0038】
(操作部39)
操作部39は、モードスイッチ、ファンスイッチ、操作スイッチを有する(不図示)。
【0039】
(操作部39のモードスイッチ)
モードスイッチは、回転式、スライド式、トグル式、押しボタン式などの操作スイッチである。
モードスイッチは、負荷試験部30のオンオフを選択するために使用される。
また、モードスイッチは、試験対象電源(発電装置17)の種類(高圧若しくは低圧)、抵抗装置の接続形式(直列若しくは並列)などを選択する(モード切替する)ために使用される。
なお、モードスイッチに抵抗装置の接続形式の選択用のものは設けずに、試験対象電源(発電装置17)の種類を選択することで、自動的に抵抗装置の接続形式が決定されてもよい。
【0040】
発電部10の負荷試験を行う場合には、モードスイッチを負荷試験(第1オンモード)の操作位置に合わせる。
発電システム1の負荷率調整を行う場合には、モードスイッチを負荷率調整(第2オンモード)の操作位置に合わせる。
負荷試験部30をオフにする場合には、モードスイッチをオフの操作位置に合わせる。
【0041】
(操作部39のファンスイッチ)
ファンスイッチは、スライド式、トグル式、押しボタン式などの操作スイッチである。
モードスイッチを第1オンモード若しくは第2オンモードの操作位置に合わせた状態で、冷却部33のオンオフ制御を行うためのスイッチである。
なお、ファンスイッチを省略し、モードスイッチを第1オンモード若しくは第2オンモードの操作位置に合わせた時に、冷却部33が動作してもよい。
【0042】
(操作部39の操作スイッチ)
操作スイッチは、スライド式、トグル式、押しボタン式などの操作スイッチである。
操作スイッチは、負荷量の調整、すなわち、リレー部37の各リレー(第1抵抗群31aの抵抗装置のスイッチング装置、第2抵抗群31bの抵抗装置のスイッチング装置、第3抵抗群31cの抵抗装置のスイッチング装置)のオンオフ制御を行うためのスイッチである。
【0043】
(第1情報取得部50)
第1情報取得部50は、発電部10に設けられる。
第1情報取得部50は、発電部10の各部の情報を検知し、第2情報取得部60に送信する。
第1情報取得部50は、発電側検知装置(第11検知装置(電気情報検知装置)51、第12検知装置(温度情報検知装置)52、第13検知装置(環境情報検知装置)53、第14検知装置(画像情報検知装置)54)、第1集計部56、第1通信部57を有する。
【0044】
(第11検知装置51)
第11検知装置51は、発電装置17の電気に関する情報(電気的特性に関する情報)を取得する。
具体的には、第11検知装置51は、発電装置17の電流、電圧、電力、周波数を検知する。すなわち、第11検知装置51は、発電装置17から抵抗部31への電力供給を行うための電力線Cの発電装置側に流れる電気の電流、電圧、電力、周波数を検知する。
第11検知装置51は、発電部10の内部、若しくは、発電部10の近傍(発電部10の外部で負荷試験部30よりも近い領域)に設けられる。
【0045】
第11検知装置51は、電力線Cと電気的な接続を行った状態で、電気的特性に関する情報を取得する。
若しくは、第11検知装置51は、変流器とホール素子の少なくとも一方と磁気コアを含み、当該磁気コアが電力線Cの一部を囲んだ状態で(クランプした状態で)、電気的特性に関する情報を取得してもよい。
【0046】
(第12検知装置52)
第12検知装置52は、発電部10の各部の温度情報を取得する。
具体的には、第12検知装置52は、発電部10の各部に配置され、例えば、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17のそれぞれの近傍に配置され、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17のそれぞれの温度を検知する。
【0047】
第12検知装置52~第14検知装置54は、一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
また、第12検知装置52~第14検知装置54の少なくとも1つが、第1集計部56と第1通信部57の少なくとも1つと一体的に構成されてもよい。
【0048】
(第13検知装置53)
第13検知装置53は、発電部10の各部の周囲情報を取得する。
具体的には、第13検知装置53は、発電部10の各部に配置され、例えば、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17のそれぞれの近傍に配置され、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17のそれぞれの周囲の特定情報を検知する。当該特定情報は、音、湿度、気圧、空気中の二酸化炭素含有率、空気中の酸素含有率、空気中の特定物質(例えば、焦げた物質)の有無の少なくとも1つの情報を含む。
【0049】
(第14検知装置54)
第14検知装置54は、発電部10の各部の画像情報を取得する。
具体的には、第14検知装置54は、発電部10の各部に配置され、例えば、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17のそれぞれの近傍に配置され、エンジン11、ラジエーター15、ファン13、発電装置17のそれぞれの少なくとも一部を含む領域の画像情報を取得する。
【0050】
(第1集計部56)
第1集計部56は、第1情報取得部50の各部を制御する。
第1集計部56は、第11検知装置51~第14検知装置54で得られた情報を、第1通信部57に送信させる。
第1集計部56と、第11検知装置51~第14検知装置54、第11通信装置57a、第12通信装置57bとの間の接続は、RS485シリアルインターフェイスに基づくケーブル接続などで行われる。
【0051】
(第1通信部57)
第1通信部57は、第11通信装置57a、第12通信装置57bを有する。
【0052】
(第11通信装置57a)
第11通信装置57aは、第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報を、無線通信で、第21通信装置67aに送信する。
第11通信装置57aと第21通信装置67aの間の無線通信の無線通信手段は、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信する手段(IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))、IEEE802.11(無線LAN)など)が考えられる。
【0053】
(第12通信装置57b)
第12通信装置57bは、電力線Cに接続される。
電力線C上で、第11検知装置51が、第12通信装置57bと電力線Cの接続点(第1接続ポイントP1)と、発電装置17との間に位置するように、第12通信装置57bが電力線Cに接続される。
第12通信装置57bは、第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報を、電力線通信(Power Line Communication)で、第21通信装置67aに送信する。
具体的には、第12通信装置57bは、第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報を含む高周波搬送波信号を、電力線Cに重畳させる。
【0054】
電力線Cのうち、発電装置17のR相端子に接続されるR相用線、発電装置17のS相端子に接続されるS相用線、発電装置17のT相端子に接続されるT相用線のいずれに当該情報が重畳される。
第1実施形態では、第12通信装置57bがT相用線に接続され、当該T相用線に、当該情報が重畳される例を示す。
【0055】
(検知、送信の間隔)
発電側検知装置(第11検知装置51~第14検知装置54)の情報取得は、第1時間t1(例えば、t1=1秒)ごとに行われる。
第1通信部57の情報送信は、第1時間t1ごとに行われる。
ただし、第1通信部57の情報送信は、第2時間t2(t1×2≦t2)ごとに行われてもよい。この場合には、複数回分の情報がまとめて、送信される。
【0056】
(第2情報取得部60)
第2情報取得部60は、負荷試験部30に設けられる。
第2情報取得部60は、負荷試験側検知装置(第21検知装置(電気情報検知装置)61、第22検知装置(温度情報検知装置)62、第23検知装置(環境情報検知装置)63、第24検知装置(画像情報検知装置)64)、第2集計部66、第2通信部67(第21通信装置67a、第22通信装置67b)を有する。
【0057】
(第21検知装置61)
第21検知装置61は、抵抗部31の電気に関する情報(電気的特性に関する情報)を取得する。
具体的には、第21検知装置61は、抵抗部31の電流、電圧、電力、周波数を検知する。すなわち、第21検知装置61は、発電装置17から抵抗部31への電力線Cの抵抗部側に流れる電気の電流、電圧、電力、周波数を検知する。
第21検知装置61は、負荷試験部30の内部、若しくは、負荷試験部30の近傍(負荷試験部30の外部で発電部10よりも近い領域)に設けられる。
電力線C上で、遮断部35が、抵抗部31と第21検知装置61の間に位置するように、第21検知装置61が配置される。
【0058】
第21検知装置61は、電力線Cと電気的な接続を行った状態で、電気的特性に関する情報を取得する。
若しくは、第21検知装置61は、変流器とホール素子の少なくとも一方と磁気コアを含み、当該磁気コアが電力線Cの一部を囲んだ状態で(クランプした状態で)、電気的特性に関する情報を取得してもよい。
【0059】
(第22検知装置62)
第22検知装置62は、負荷試験部30の各部の温度情報を取得する。
具体的には、第22検知装置62は、負荷試験部30の各部に配置され、例えば、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cのそれぞれの近傍に配置され、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cのそれぞれの温度を検知する。
【0060】
第22検知装置62~第24検知装置64は、一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
また、第22検知装置62~第24検知装置64の少なくとも1つが、第2集計部66と第2通信部67の少なくとも1つと一体的に構成されてもよい。
【0061】
(第23検知装置63)
第23検知装置63は、負荷試験部30の各部の周囲情報を取得する。
具体的には、第23検知装置63は、負荷試験部30の各部に配置され、例えば、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cのそれぞれの近傍に配置され、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cのそれぞれの周囲の特定情報を検知する。当該特定情報は、音、湿度、気圧、空気中の二酸化炭素含有率、空気中の酸素含有率、空気中の特定物質(例えば、焦げた物質)の有無の少なくとも1つの情報を含む。
【0062】
(第24検知装置64)
第24検知装置64は、負荷試験部30の各部の画像情報を取得する。
具体的には、第24検知装置64は、負荷試験部30の各部に配置され、例えば、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cのそれぞれの近傍に配置され、第1抵抗群31a、第2抵抗群31b、第3抵抗群31c、第1冷却装置33a、第2冷却装置33b、第3冷却装置33cのそれぞれの少なくとも一部を含む領域の画像情報を取得する。
【0063】
(第2集計部66)
第2集計部66は、第2情報取得部60の各部を制御する。
特に、第2集計部66は、第11検知装置51~第14検知装置54で得られた情報、及び第21検知装置61~第24検知装置64で得られた情報などに基づいて、負荷試験部30の負荷量の調整(発電システム1の負荷率の調整)、集計情報の生成、遮断部35の制御(オフ制御)を行う。
第2集計部66と、遮断部35、リレー部37、第21検知装置61~第24検知装置64、第21通信装置67a、第22通信装置67bとの間の接続は、RS485シリアルインターフェイスに基づくケーブル接続などで行われる。
【0064】
(第1データベースの生成)
具体的には、第2集計部66は、第11通信装置57aから送信され、第21通信装置67aで受信した情報と、第12通信装置57bから送信され、第22通信装置67bで受信した情報とに基づいて、第11検知装置51と第12検知装置52と第13検知装置53と第14検知装置54で得られた情報と、当該情報の取得日時を含む第1データベースを生成する。
【0065】
ただし、第11通信装置57aから送信され、第21通信装置67aで受信した情報と、第12通信装置57bから送信され、第22通信装置67bで受信した情報とで、取得日時と種別の両方が重複する情報については、いずれか一方だけが第1データベースに含められる。ここで言う種別は、電流、電圧、周波数、電力、温度、湿度などの検知項目である。
【0066】
(第2データベースの生成)
また、第2集計部66は、第21検知装置61と第22検知装置62と第23検知装置63と第24検知装置64で得られた情報と、当該情報の取得日時を含む第2データベースを生成する。
【0067】
(比較)
第2集計部66は、第1データベースと第2データベースに含まれる情報で、同じ種別の情報で、情報取得日時が同じ時間帯に含まれるものを比較する。
例えば、第2集計部66は、第11検知装置51で得られた発電装置17の電力と第21検知装置61で得られた負荷試験部30の電力で、情報の取得日時が同じ時間帯に含まれるものを比較する。
また、第2集計部66は、第1データベース若しくは第2データベースに含まれる情報と、同じ種別の情報の基準値とを比較する。
例えば、第2集計部66は、第11検知装置51で得られた発電装置17の電力と電力基準値を比較する。
【0068】
(比較結果に基づく制御1)
発電部10の負荷試験を行う場合には、第2集計部66は、当該比較の結果に基づく集計情報の生成、当該集計情報の出力、及び、当該集計情報に基づく、発電装置17から抵抗部31への電力供給の遮断(オフ制御)を行う。集計情報の詳細については、後述する。
【0069】
例えば、現時点に近い日時情報に対応した、電気的特性の異常情報、そして/若しくは、温度、湿度などの異常情報が当該集計情報に含まれる場合には、第2集計部66は、遮断部35をオフ状態にする。これにより、発電装置17から抵抗部31への電力供給は遮断される。ただし、抵抗部31への電力供給が遮断された後、一定時間が経過するまで、冷却部33への電力供給は維持される。
また、例えば、現時点に近い日時情報に対応した、電気的特性の異常情報、そして/若しくは、温度、湿度などの異常情報が当該集計情報に含まれる場合には、集計情報の出力として、第21通信装置67aに当該集計情報の外部機器への送信を行わせる。
なお、集計情報に電気的特性などの異常情報が1つだけ含まれた場合に、オフ制御などを行ってもよいし、現時点から第3時間t3(例えば、t3=1分)だけ過去の時点までの間に、所定以上の数だけ、異常情報が含まれる場合に、オフ制御などを行ってもよい。
【0070】
(比較結果に基づく制御2)
発電システム1の負荷率調整を行う場合には、第2集計部66は、負荷試験部30の負荷量の調整、集計情報の生成、当該集計情報の出力、及び、当該集計情報に基づく、発電装置17から負荷試験部30への電力供給の遮断(オフ制御)を行う。
例えば、負荷部90の電気機器が殆ど使用されていない場合には、負荷が小さい状態で発電部10の運転が行われ、発電装置17の電力は高くなり、負荷率は低くなる。負荷部90の電気機器が殆ど使用されている場合には、負荷が大きい状態で発電部10の運転が行われ、発電装置17の電力は低くなり、負荷率は高くなる。
発電システム1の負荷率が負荷率基準値よりも低い場合には、抵抗部31における電力供給する対象となる抵抗装置の数を増やすように、第2集計部66はリレー部37を制御する。
発電システム1の負荷率が負荷率基準値よりも高い場合には、抵抗部31における電力供給する対象となる抵抗装置の数を減らすように、第2集計部66はリレー部37を制御する。
【0071】
負荷試験部30の負荷量の調整は、発電装置17の電流が抵抗部31の電流と略一致し、発電装置17の電圧が抵抗部31の電圧と略一致し、発電装置17の周波数が抵抗部31の周波数と略一致する場合に行われる。
すなわち、発電装置17の電流と抵抗部31の電流との差異が電流差異閾値よりも小さく、発電装置17の電圧と抵抗部31の電圧との差異が電圧差異閾値よりも小さく、発電装置17の周波数と抵抗部31の周波数との差異が周波数差異閾値よりも小さい場合に、少なくとも発電側検知装置で得られた発電装置17の電力に関する情報と負荷試験側検知装置で得られた抵抗部31の電力に関する情報とに基づいて、複数の抵抗装置の中から、発電装置17から電力供給する抵抗装置の制御が行われる。
【0072】
(集計情報)
第2集計部66が生成する集計情報は、発電システム1の負荷率に関する情報、電気的特性の異常情報、温度や湿度などの異常情報、異常箇所の画像情報などが含まれる。
【0073】
(発電システム1の負荷率に関する情報)
発電システム1の負荷率に関する情報は、第11検知装置51で得られた発電装置17の電力と第21検知装置61で得られた負荷試験部30の電力との比較に基づいて算出される。
例えば、第11検知装置51で得られた発電装置17の電力が1000Wで、第21検知装置61で得られた負荷試験部30の電力が200Wである場合には、発電システム1の負荷率は20%となる。
【0074】
(電気的特性の異常情報)
電気的特性の異常情報は、第11検知装置51で得られた発電装置17の電流/電圧/周波数と第21検知装置61で得られた抵抗部31の電流/電圧/周波数との比較に基づいて算出される。
例えば、発電装置17と電流と、抵抗部31の電流との差異が電流差異閾値以上に大きい場合には、電気的特性の異常情報が当該集計情報に含まれる。
この場合、第14検知装置54で得られた画像情報、及び第24検知装置64で得られた画像情報が、当該集計情報に含まれる。第14検知装置54で得られた画像情報、及び第24検知装置64で得られた画像情報のうち、電流の差異の算出に使用された箇所の画像情報だけが、当該集計情報に含まれてもよい。
【0075】
電気的特性の異常情報は、第11検知装置51で得られた発電装置17の電流/電圧/周波数と、予め設定された電流基準値/電圧基準値/周波数基準値との比較に基づいて算出されてもよい。
電気的特性の異常情報は、第21検知装置61で得られた抵抗部31の電流/電圧/周波数と、予め設定された電流基準値/電圧基準値/周波数基準値との比較に基づいて算出されてもよい。
例えば、発電装置17と電流と、電流基準値との差異が電流差異閾値以上に大きい場合には、電気的特性の異常情報が当該集計情報に含まれる。
この場合、第14検知装置54で得られた画像情報が、当該集計情報に含まれる。第14検知装置54で得られた画像情報のうち、電流の差異の算出に使用された箇所の画像情報だけが、当該集計情報に含まれてもよい。
【0076】
(温度の異常情報)
温度の異常情報は、第12検知装置52で得られた発電部10の各部の温度と、第22検知装置62で得られた負荷試験部30の各部の温度との比較に基づいて算出される。
例えば、第12検知装置52で得られた発電部10の発電装置17の近傍の温度と、第22検知装置62で得られた負荷試験部30の第1抵抗群31aの近傍の温度との差異が温度差異閾値以上に大きい場合には、温度の異常情報が当該集計情報に含まれる。
この場合、第14検知装置54で得られた画像情報、及び第24検知装置64で得られた画像情報が、当該集計情報に含まれる。第14検知装置54で得られた画像情報、及び第24検知装置64で得られた画像情報のうち、温度の差異の算出に使用された箇所の画像情報だけが、当該集計情報に含まれてもよい。
【0077】
温度の異常情報は、第12検知装置52で得られた発電部10の各部の温度と、予め設定された温度基準値との比較に基づいて算出されてもよい。
温度の異常情報は、第22検知装置62で得られた負荷試験部30の各部の温度と、予め設定された温度基準値との比較に基づいて算出されてもよい。
例えば、第12検知装置52で得られた発電部10の発電装置17の近傍の温度と、温度基準値との差異が温度差異閾値以上に大きい場合には、温度の異常情報が当該集計情報に含まれる。
この場合、第14検知装置54で得られた画像情報が、当該集計情報に含まれる。第14検知装置54で得られた画像情報のうち、温度の差異の算出に使用された箇所の画像情報だけが、当該集計情報に含まれてもよい。
【0078】
(湿度の異常情報)
湿度の異常情報は、第13検知装置53で得られた発電部10の各部の湿度と、第23検知装置63で得られた負荷試験部30の各部の湿度との比較に基づいて算出される。
例えば、第13検知装置53で得られた発電部10の発電装置17の近傍の湿度と、第23検知装置63で得られた負荷試験部30の第1抵抗群31aの近傍の湿度との差異が湿度差異閾値以上に大きい場合には、湿度の異常情報が当該集計情報に含まれる。
この場合、第14検知装置54で得られた画像情報、及び第24検知装置64で得られた画像情報が、当該集計情報に含まれる。第14検知装置54で得られた画像情報、及び第24検知装置64で得られた画像情報のうち、湿度の差異の算出に使用された箇所の画像情報だけが、当該集計情報に含まれてもよい。
【0079】
湿度の異常情報は、第13検知装置53で得られた発電部10の各部の湿度と、予め設定された湿度基準値との比較に基づいて算出されてもよい。
湿度の異常情報は、第23検知装置63で得られた負荷試験部30の各部の湿度と、予め設定された湿度基準値との比較に基づいて算出されてもよい。
例えば、第13検知装置53で得られた発電部10の発電装置17の近傍の湿度と、湿度基準値との差異が湿度差異閾値以上に大きい場合には、湿度の異常情報が当該集計情報に含まれる。
この場合、第14検知装置54で得られた画像情報が、当該集計情報に含まれる。第14検知装置54で得られた画像情報のうち、湿度の差異の算出に使用された箇所の画像情報だけが、当該集計情報に含まれてもよい。
【0080】
(第2通信部67)
第2通信部67は、第21通信装置67a、第22通信装置67bを有する。
第21通信装置67aは、第11通信装置57aからの第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報を、無線通信で、受信する。
【0081】
第21通信装置67aは、第21検知装置61、第22検知装置62、第23検知装置63、第24検知装置64で得られた情報、及び第11通信装置57aからの第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報、及び/若しくは、これらの情報に基づいて生成された集計情報を、外部機器(不図示)に送信する。
【0082】
第22通信装置67bは、電力線Cに接続される。
電力線C上で、第21検知装置61が、第22通信装置67bと電力線Cの接続点(第2接続ポイントP2)と、遮断部35との間に位置するように、第22通信装置67bが電力線Cに接続される。
第22通信装置67bは、第12通信装置57bからの第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報を、電力線通信で、受信する。
具体的には、第22通信装置67bは、第12通信装置57bからの第11検知装置51、第12検知装置52、第13検知装置53、第14検知装置54で得られた情報を含む高周波搬送波信号を、電力線Cから取り出す。
【0083】
電力線Cのうち、第12通信装置57bに接続された電力線に、第22通信装置67bが接続される。
第1実施形態では、第12通信装置57bがT相用線に接続され、当該T相用線に、第22通信装置67bが接続される例を示す。
【0084】
(検知、送信の間隔)
負荷試験側検知装置(第21検知装置61~第24検知装置64)の情報取得は、第1時間t1ごとに行われる。
第2集計部66の負荷量の調整、集計情報の生成、オフ制御は、第1時間t1ごとに行われる。
ただし、第2集計部66の負荷量の調整などは、第2時間t2ごとに行われてもよい。
第2通信部67の情報送信は、第1時間t1ごとに行われる。
ただし、第2通信部67の情報送信は、第2時間t2ごとに行われてもよい。
【0085】
(負荷部90)
負荷部90は、空調機、照明器具など、発電部10からの電力で動作する電気機器(負荷)を有する。
負荷試験を行う際には、発電装置17から負荷部90への電力供給は遮断される。
すなわち、発電部10の負荷試験を行う場合には、発電装置17から負荷部90への電力供給を行わず、且つ発電装置17から負荷試験部30への電力供給が可能な状態にされる。
発電装置17から負荷部90への電力供給の遮断は、ケーブル接続を解除すること、発電装置17と負荷部90の間に設けられたスイッチ(配電盤など、不図示)をオフ状態にすることなどにより行われる。
発電システム1の負荷率調整を行う場合には、発電装置17から負荷試験部30と負荷部90の両方への電力供給が可能な状態にされる。
【0086】
(発電装置の不具合に基づく負荷試験部のオフ制御などを行うことの効果)
発電部10の不具合に関する情報(少なくとも発電側検知装置で得られた情報)に基づいて、負荷試験部30のオフ制御を行う。これにより、不具合が生じている発電部10の負荷を軽減して、当該不具合の悪化を防ぐことが可能になる。
発電部10の不具合に関する情報に基づいて、集計情報の出力を行う。これにより、使用者に不具合が生じていることを早期に認識させることが可能になる。
【0087】
(電力線通信を行うことの効果)
発電装置17と抵抗部31の間に接続される電力線を用いて、情報の送信が行われるので、配線を簡素化出来る。
【0088】
(無線通信と電力線通信の両方を行うことの効果)
発電部10と負荷試験部30の間には高電圧の電気が流れるため、一時的に情報送信が行えないことが起こり得る。電力線通信と無線通信の両方で情報送信を行うことで、一時的に電力線通信と無線通信の一方での情報通信が行えなかった場合でも、電力線通信と無線通信の他方を用いて、情報送信を継続させることが可能になる。
【0089】
(負荷率を調整することの効果)
負荷試験部30を負荷試験以外の時にも活用出来る。発電システム1の負荷率が所定の値(負荷率基準値)に近い状態を維持しやすくなり、発電部10を効率良く動作させることが可能になる。
【0090】
(電流/電圧/周波数の差異でオフ制御を行うことの効果)
不具合があると、電流、電圧、周波数の少なくとも1つの差異が多くなる。このため、これらの検出結果に基づいて、負荷試験部30のオフ制御を行って、不具合を使用者に認識させることが出来る。
【0091】
(不具合の有無を判断した上で、負荷率を調整することの効果)
不具合のない正常な状態で、負荷量の調整に負荷試験部30を活用出来る。
【0092】
(温度情報などから不具合を判断すること、画像情報を含めることの効果)
発電部10の所定の箇所(発電装置17など)の温度情報から、不具合の有無を判断することが出来る。
また、発電部10の所定の箇所の温度情報と、負荷試験部30の所定の箇所(第1抵抗群31aなど)の温度情報から、発電部10と負荷試験部30のいずれかの不具合の有無を判断することが出来る。
また、集計情報に画像情報が含まれるので、画像情報を使って、不具合の有無を視認することが可能になる。
【0093】
(集計情報の生成の主体の応用例)
第1実施形態では、第1データベースの生成、第2データベースの生成、集計情報の生成は、負荷試験部30に設けられた第2情報取得部60の第2集計部66が行う例を説明した。
ただし、発電部10に設けられた第1情報取得部50の第1集計部56が、第1データベースの生成、第2データベースの生成、集計情報の生成などを行ってもよい。
この場合は、第2通信部67から第1通信部57に、負荷試験側検知装置(第21検知装置61など)で得られた情報の送信が行われる。
第1集計部56は、第11検知装置51~第14検知装置54で得られた情報、及び第21検知装置61~第24検知装置64で得られた情報などに基づいて、第1データベースの生成、第2データベースの生成、集計情報の生成などを行う。
また、第1通信部57から第2通信部67に、当該集計情報の送信、そして/若しくは、当該集計情報に基づくオフ制御などの指示信号の送信が行われる。
第2情報取得部60は、第1通信部57からの集計情報若しくは指示信号に基づいて、負荷試験部30の負荷量の調整(発電システム1の負荷率の調整)、遮断部35の制御(オフ制御)などを行う。
【0094】
また、他の外部機器が、第1データベースの生成、第2データベースの生成、集計情報の生成などを行ってもよい。
この場合は、第1通信部57から当該外部機器に、発電側検知装置(第11検知装置51など)で得られた情報の送信が行われ、第2通信部67から当該外部機器に、負荷試験側検知装置(第21検知装置61など)で得られた情報の送信が行われる。
当該外部機器は、第11検知装置51~第14検知装置54で得られた情報、及び第21検知装置61~第24検知装置64で得られた情報などに基づいて、第1データベースの生成、第2データベースの生成、集計情報の生成などを行う。
また、当該外部機器から第2通信部67に、当該集計情報の送信、そして/若しくは、当該集計情報に基づくオフ制御などの指示信号の送信が行われる。
第2情報取得部60は、当該外部機器からの送信された集計情報若しくは指示信号に基づいて、負荷試験部30の負荷量の調整(発電システム1の負荷率の調整)、遮断部35の制御(オフ制御)などを行う。
【0095】
(集計情報の出力の応用例)
第1実施形態では、当該比較結果に基づいて、すなわち、少なくとも発電側検知装置(第11検知装置51など)で得られた情報に基づいて、第2情報取得部60から外部機器へ集計情報が送信される例を説明した。
しかしながら、集計情報の出力は、外部機器への情報送信に限らず、表示装置や音声出力装置などで、集計情報を画像出力したり音声出力したりしてもよい。例えば、集計情報に
例えば、発電装置17と電流と、抵抗部31の電流との差異に基づいて、発電装置17若しくは負荷試験部30の不具合があると判断された場合には、電流の値が正常でなく、発電装置17若しくは負荷試験部30の少なくとも一方に不具合がある旨を含む情報を集計情報として、第2情報取得部60が出力する。
【0096】
(負荷率の定義の応用例)
第1実施形態でいう負荷率は、抵抗部31の電力と負荷部90の電力の和を発電装置17の電力(若しくは電力基準値)で割って100倍した値を言うものとしてもよい((抵抗部31の電力+負荷部90の電力)÷発電装置17の電力×100、第2実施形態)。
この場合、第21検知装置61は、抵抗部31の電力と、負荷部90の電力とを検知する。すなわち、第21検知装置61は、発電装置17から抵抗部31への電力線Cの抵抗部側に流れる電気の電流、電圧、電力、周波数、及び発電装置17から抵抗部31への電力線Cの負荷部側に流れる電気の電流、電圧、電力、周波数を検知する(図2参照)。
この場合、発電装置17から電力供給する負荷の全てを使って負荷率を算出することが可能になる。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
1 発電システム
10 発電部
11 エンジン
13 ファン
15 ラジエーター
17 発電装置
30 負荷試験部
31 抵抗部
31a 第1抵抗群
31b 第2抵抗群
31c 第3抵抗群
33 冷却部
33a 第1冷却装置
33b 第2冷却装置
33c 第3冷却装置
35 遮断部
37 リレー部
39 操作部
50 第1情報取得部
51 第11検知装置(電気情報検知装置)
52 第12検知装置(温度情報検知装置)
53 第13検知装置(環境情報検知装置)
54 第14検知装置(画像情報検知装置)
56 第1集計部
57 第1通信部
57a 第11通信装置
57b 第12通信装置
60 第2情報取得部
61 第21検知装置(電気情報検知装置)
62 第22検知装置(温度情報検知装置)
63 第23検知装置(環境情報検知装置)
64 第24検知装置(画像情報検知装置)
66 第2集計部
67 第2通信部
67a 第21通信装置
67b 第22通信装置
90 負荷部
C 電力線
P1 第1接続ポイント
P2 第2接続ポイント
t1 第1時間
t2 第2時間
t3 第3時間
【要約】
発電装置の状態を考慮した負荷試験などが可能な発電システムを提供する。
発電システム1は、発電装置17を含む発電部10を備え、抵抗部31と、遮断部35とを有し、発電部10と別体で構成される、負荷試験部30を備え、発電部10に設けられ、発電部10の特定情報を検知する発電側検知装置と、発電側検知装置で得られた情報と発電側検知装置で得られた情報に基づいて生成された集計情報の少なくとも一方を送信する第1通信部57とを含む第1情報取得部50を備え、負荷試験部30に設けられ、発電側検知装置で得られた情報と集計情報の少なくとも一方を受信する第2通信部67を含む第2情報取得部60を備える。遮断部35は、発電装置17から抵抗部31への電力供給を制御する。第2情報取得部60は、少なくとも、発電側検知装置で得られた情報に基づく遮断部35の制御と、集計情報の出力の少なくとも一方を実行する。
図1
図2