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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019047346
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020148668
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】菊池 孝平
(72)【発明者】
【氏名】丁坪 伸昌
(72)【発明者】
【氏名】小川 知宏
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-215271(JP,A)
【文献】実公平6-32583(JP,Y2)
【文献】実公平3-4902(JP,Y2)
【文献】特開2014-145741(JP,A)
【文献】実用新案登録第2514812(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップコーンに供給される物品を周縁部方向へ搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に配設されると共に、前記分散フィーダの前記トップコーンから前記物品が供給されるトラフを振動させて前記物品を外方へ搬送する複数の直進フィーダと、前記複数の直進フィーダからの前記物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから排出された前記物品を一時保持して前記物品の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記計量ホッパで計量される物品の計量値に基づいて組合せ演算を行う組合せ秤であって、
隣接する前記トラフの境界線上であって、前記トップコーンの外周との交点、又は、該交点の前若しくは後に設けられて、前記トップコーンからの前記物品を前記隣接するトラフへ振分け案内する振分け案内部材を備え、
前記振分け案内部材は、縦軸心周りに正逆回転自在な遊転ガイドローラであり、該遊転ガイドローラが垂下されている、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
トップコーンに供給される物品を周縁部方向へ搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に配設されると共に、前記分散フィーダの前記トップコーンから前記物品が供給されるトラフを振動させて前記物品を外方へ搬送する複数の直進フィーダと、前記複数の直進フィーダからの前記物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから排出された前記物品を一時保持して前記物品の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記計量ホッパで計量される物品の計量値に基づいて組合せ演算を行う組合せ秤であって、
隣接する前記トラフの境界線上であって、前記トップコーンの外周との交点、又は、該交点の前若しくは後に設けられて、前記トップコーンからの前記物品を前記隣接するトラフへ振分け案内する振分け案内部材を備え、
前記振分け案内部材は、横断平面形状が、放射状に配設される前記複数の直進フィーダの前記放射状の中心に向けて山形に形成された屈曲部材であり、該屈曲部材が垂下されている、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項3】
前記振分け案内部材における前記山形の屈曲角度が、90度~150度である、
請求項に記載の組合せ秤。
【請求項4】
環状の支持枠を備え、
複数の前記振分け案内部材が、前記支持枠に垂下支持されている、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記環状の支持枠が、支柱に対して高さ調節可能に連結支持されている
請求項に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の食品などの物品を所定量ずつ計量する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、組合せ秤においては、分散フィーダで分散搬送した物品を、その周囲に配備した複数の直進フィーダに送り込み、直進フィーダで振動搬送した物品を、供給ホッパを介して計量ホッパに送り込んで計量し、計量ホッパの計量値に基づいて組合せ演算を行って、所定重量となる複数の計量ホッパを選択し、選択した複数の計量ホッパから物品を排出し、排出された物品を包装機によって包装するようにしている。
【0003】
上記のような組合せ秤において、計量対象の物品が、自重で変形するような柔軟で細長いような物品である場合には、分散フィーダから直進フィーダに送り込まれた物品が、隣合う直進フィーダの隣接するトラフの境界部位に跨って停滞し易い。
【0004】
このため、例えば、特許文献1では、分散フィーダにおける外周部近くの上方に環状の枠体を配備すると共に、この枠体から棒状に形成された多数の物品接触部材を分散フィーダの上面近くまで垂下している。前記枠体を周方向に往復回動させることで、分散フィーダの外周近くの物品を物品接触部材で撹拌分散させるようにしている。これによって、隣合う直進フィーダの隣接するトラフの境界部位にまとまって物品が送り込まれないようにしている。
【0005】
また、特許文献2では、隣合う直進フィーダにおける始端側の隣接するトラフとの境界部位に、分散フィーダの半径方向に軸心を沿わせたローラを正逆に回転駆動可能に配備している。前記直進フィーダにおける始端側の隣接するトラフとの境界部位に跨ってくる物品を、正逆に回転するローラによって強制的に振分け分散させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭62-146929号公報
【文献】実開平4-34633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1,2は、いずれも、枠体やローラなどの可動部材をアクチュエータによって駆動することで強制的に物品を分散させるものであるため、構造が複雑で製造コストが高くなるのみならず、メンテナンスに手間がかかるものとなる。また、モータなどのアクチュエータに対する電気配線には厳重な防水構造を備えなければならず、一層コストが嵩むものとなる。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであって、簡単かつ安価な構造で、隣接するトラフの境界部位に、物品が跨って停滞するのを抑制できる組合せ秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る組合せ秤は、トップコーンに供給される物品を周縁部方向へ搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に配設されると共に、前記分散フィーダの前記トップコーンから前記物品が供給されるトラフを振動させて前記物品を外方へ搬送する複数の直進フィーダと、前記複数の直進フィーダからの前記物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから排出された前記物品を一時保持して前記物品の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記計量ホッパで計量される物品の計量値に基づいて組合せ演算を行う組合せ秤であって、
隣接する前記トラフの境界線上であって、前記トップコーンの外周との交点、又は、該交点の前若しくは後に設けられて、前記トップコーンからの前記物品を前記隣接するトラフへ振分け案内する振分け案内部材を備え、前記振分け案内部材は、縦軸心周りに正逆回転自在な遊転ガイドローラであり、該遊転ガイドローラが垂下されている。
【0011】
「交点の前」とは、隣接するトラフの境界線上であって、前記交点よりも手前側であるトラフ側をいい、「交点の後」とは、隣接するトラフの境界線上であって、前記交点よりも後(奥)側であるトップコーン側をいう。
【0012】
本発明によると、分散フィーダによって、周縁部方向に向けて搬送される物品の内、直進フィーダの隣接するトラフの始端側の境界部に搬送されてきた物品は、隣接するトラフの境界線上であって、トップコーンの外周との交点、又は、該交点の前若しくは後に設けられる振分け案内部材で受止められて、隣接するトラフのいずれかへ振分け案内されるので、物品が隣接するトラフの境界部位に跨って停滞するのを抑制することができる。
また、本発明によると、振分け案内部材である遊転ガイドローラに物品が跨ったような場合、跨った物品に後続の物品が、隣接するトラフのいずれかのトラフ側へ偏って接触して振動移動する際に、遊転ガイドローラが回転し、跨った物品はその回動方向に導かれることになり、物品が遊転ガイドローラに跨ったままで長く停滞することはない。
【0015】
)本発明は、トップコーンに供給される物品を周縁部方向へ搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に配設されると共に、前記分散フィーダの前記トップコーンから前記物品が供給されるトラフを振動させて前記物品を外方へ搬送する複数の直進フィーダと、前記複数の直進フィーダからの前記物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから排出された前記物品を一時保持して前記物品の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記計量ホッパで計量される物品の計量値に基づいて組合せ演算を行う組合せ秤であって、
隣接する前記トラフの境界線上であって、前記トップコーンの外周との交点、又は、該交点の前若しくは後に設けられて、前記トップコーンからの前記物品を前記隣接するトラフへ振分け案内する振分け案内部材を備え、前記振分け案内部材は、横断平面形状が、放射状に配設される前記複数の直進フィーダの前記放射状の中心に向けて山形に形成された屈曲部材であり、該屈曲部材が垂下されている。
【0016】
本発明によると、分散フィーダによって、周縁部方向に向けて搬送される物品の内、直進フィーダの隣接するトラフの始端側の境界部に搬送されてきた物品は、隣接するトラフの境界線上であって、トップコーンの外周との交点、又は、該交点の前若しくは後に設けられる振分け案内部材で受止められて、隣接するトラフのいずれかへ振分け案内されるので、物品が隣接するトラフの境界部位に跨って停滞するのを抑制することができる。
また、本発明によると、振分け案内部材は、横断平面形状が山形の屈曲部材であるので、安価に構成することができる。
【0017】
)本発明の更に他の実施態様では、前記振分け案内部材における前記山形の屈曲角度が、90度~150度である。
【0018】
この実施態様によると、柔軟で細長い物品を、山形の頂部での引っ掛かりなく好適に振分け案内することができる。
【0019】
)本発明の好ましい実施態様では、環状の支持枠を備え、複数の前記振分け案内部材が、前記支持枠に垂下支持されている。
【0020】
この実施態様によると、予め振分け案内部材を環状の支持枠に取り付けておくことで、環状の支持枠の内側に分散フィーダへの物品の投入経路を確保した状態で、多数の振分け案内部材を一挙に所定位置に設置したり、取り外したりすることが容易となる。
【0021】
)本発明の他の実施態様では、前記環状の支持枠が、支柱に対して高さ調節可能に連結支持されている。
【0022】
この実施態様によると、全ての振分け案内部材を同時に高さ調節して、振分け案内部材の下端位置を適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る組合せ秤によれば、簡単かつ安価な構造で、隣接するトラフの境界部位に、物品が跨って停滞するのを抑制して、柔軟で細長い物品の計量を、好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。
図2図2図1の組合せ秤の上部を示す平面図である。
図3図3図1の分散フィーダと直進フィーダの一部を示す斜視図である。
図4図4図1の振分け案内部材の設置構造を示す斜視図である。
図5図5は本発明の他の実施形態における分散フィーダと直進フィーダの一部を示す斜視図である。
図6図6は振分け案内部材を支持する構造の別実施形態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態の組合せ秤の概略構成を示す模式図であり、図2は、組合せ秤の上部を示す平面図であり、図3は、要部の斜視図である。
【0027】
この実施形態の組合せ秤は、菓子などの物品を所定重量になるように計量して袋詰めする計量包装ラインなどに利用される。
【0028】
この実施形態の組合せ秤の上部中央には、供給装置1によって搬送されて落下供給された物品wを振動によって周縁部方向に分散搬送する円錐状のトップコーン6を有する分散フィーダ2が設けられている。分散フィーダ2の中心上方には、供給装置1の終端から排出される物品を、トップコーン6上の所定範囲内に落下案内する投入ファネル8が設けられている。
【0029】
なお、投入ファネル8は、4本の支柱9に亘って装着固定された井桁状の支持枠10に連結支持されている。この支持枠10を、支柱9に対して高さ調節することで、投入ファネル8の下端とトップコーン6の上面との間隔を調節できるようになっている。
【0030】
分散フィーダ2の周囲には、分散フィーダ2の周縁から搬出された物品を更に外方に向けて直線的に搬送する多数台(この例では14台)の直進フィーダ3が、放射状に配設されている。
【0031】
直進フィーダ3は、分散フィーダ2から受け取った物品wを、矢符Fで示す搬送方向へ搬送する。
【0032】
更に、各直進フィーダ3の搬送方向の終端部の下方には、ゲート4aが開閉制御される供給ホッパ4が配設されると共に、各供給ホッパ4の下方には、ゲート5aが開閉制御される計量ホッパ5がそれぞれ配設されている。
【0033】
分散フィーダ2のトップコーン6は、加振機構7によって振動駆動される。
【0034】
直進フィーダ3は、物品を載置して搬送するトラフ11と、このトラフ11を振動駆動する加振機構12とを備えている。
【0035】
供給ホッパ4は、直進フィーダ3の終端から落下排出された物品を受け取って一時保持し、その下方に配置された計量ホッパ5が空になると、物品を落下排出して計量ホッパ5へ投入する。また、各計量ホッパ5には、ホッパ内の物品の重量を計測するロードセル等の重量センサ13が連結され、各重量センサ13による計量データは制御装置26へ出力される。
【0036】
計量ホッパ5から排出された物品は、集合シュート14によって装置中心下方へ案内され、そのシュート下端に配備された集合ファネル15を介して集合ホッパ16に集められ、一時保持される。
【0037】
各部を制御する制御装置26は、計量ホッパ5で計量される物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って、所定重量範囲となる複数の計量ホッパ5を選択し、選択された計量ホッパ5から物品が排出されて集合ホッパ16に一旦保持される。図示しない包装機から制御装置26へ排出要求信号の入力があると、集合ホッパ16のゲート16aが開放制御され、保持されている物品が排出されて包装機へ投入される。
【0038】
この実施形態では、細長く自重で変形するような柔軟な物品w、例えば、紐状のグミ(ガミーワーム)や生パスタのような、主として細長くて柔軟な物品wを計量対象としている。
【0039】
この実施形態では、かかる物品wが、隣合う直進フィーダ3の隣接するトラフ11の境界部位に跨って停滞するのを抑制するために、以下のように構成している。
【0040】
分散フィーダ2におけるトップコーン6の外周近くには、隣接する直進フィーダ3における搬送方向の始端部の隣接するトラフ11の境界部、この実施形態では、図2の平面図に示されるように、隣接するトラフ11の境界線上であって、トップコーン6の外周との交点に、物品を周方向に振分け案内する振分け案内部材18が設けられている。この振分け案内部材18は、隣接するトラフ11の境界線上であって、前記交点よりも前側であるトラフ11寄りに設けてもよいし、あるいは、隣接するトラフ11の境界線上であって、前記交点よりも後(奥)側であるトップーン6の中心寄りに設けてもよい
この振分け案内部材18は、鉛直の支軸19に遊転自在に装着支持された、縦軸心p周りに正逆回転自在な遊転ガイドローラで構成されている。支軸19は、図4に示すように、投入ファネル支持用の支柱9に連結支持された環状の支持枠20に、支持ブラケット21を介して垂下されている。また、環状の支持枠20は、井桁状の支持枠22を介して支柱9に高さ調節可能に支持されている。この支持枠22の高さを調節することで、全ての振分け案内部材18を同時に高さ調節し、振分け案内部材18の下端とトップコーン6上面との間隔を、物品が通過することがなく、かつ、振動するトップコーン6が振分け案内部材18の下端に接触しない大きさに設定することができる。
【0041】
以上の構成を有する本実施形態の組合せ秤では、供給装置1から分散フィーダ2に投下供給された物品wは、投入ファネル8の下端を潜って外方に分散搬送され、トップコーン6の外周から直進フィーダ3に送り出されてゆく。この際、トップコーン6の外周近くまで搬送された物品wの内、隣接する直進フィーダ3の隣接するトラフ11の搬送方向始端側の境界部に臨む物品wは、正逆に遊転自在な振分け案内部材18によって周方向左右に振分け案内され、隣接する直進フィーダ3の各トラフ11のいずれかに送り込まれる。
【0042】
振分け案内部材18に物品wが跨るような場合、跨った物品wに後続の物品wが左右いずれかに偏って接触して振動移動することで、振分け案内部材18が回転し、跨った物品wが、その回転方向に導かれることになり、物品wが振分け案内部材18に跨ったままで長く停滞することはない。
【0043】
以上のように本実施形態によれば、振分け案内部材18を、隣接するトラフ11の境界部に垂下するという、簡単かつ安価な構造で、柔軟で細長い物品wが、直進フィーダ3の隣接するトラフ11の境界部位に跨って停滞するのを抑制することができるので、かかる柔軟で細長い物品wを円滑に計量することができる。
【0044】
これによって、柔軟で細長い物品wが、隣接するトラフ11の境界部位に跨って停滞した場合に、作業者が、境界部位に跨って停滞している物品を、いずれかのトラフ11に手作業で振分ける必要がない。また、柔軟で細長い物品wが、隣接するトラフ11の境界部位に、多量に跨って停滞したときのように、組合せ秤の運転を一旦停止させて、作業者が、境界部位に跨って停滞している多量の物品wを、いずれかのトラフ11に手作業で振分ける必要がない。
【0045】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0046】
(1)振分け案内部材18としての遊転ガイドローラは、金属材、滑性の優れた硬質樹脂材、硬質樹脂でコーティングした金属材、などを、物品に応じて任意に選択するとよい。
【0047】
(2)振分け案内部材18としての遊転ガイドローラはできるだけ軽く遊転できることが望ましく、転がり軸受けや滑り軸受けを介して振分け案内部材18を支軸に遊嵌するとよい。
【0048】
(3)図5に示すように、支持ブラケット21に垂下した振分け案内部材18を、横断平面形状が、トップコーン6の中心、すなわち、放射状に配設された複数の直進フィーダ3の放射状の中心に向かう山形、例えば、頂角θの二等分線が前記中心に向かう二等辺三角形の二つの等辺に対応する山形に屈曲形成された棒状の屈曲部材とした簡易な構成で実施することもできる。この場合、山形の頂角θは、物品wの性状に対応して90度~150度に設定することが望ましい。
【0049】
また、振分け案内部材18の頂部外面を適度の曲率で湾曲させておくことで、物品wの引っ掛かりを防止して、左右への振分けを円滑に行うことができる。
【0050】
(4)図6に示すように、支持ブラケット21を、環状の支持枠20に片持ち状に固定された基部21aと、振分け案内部材18を垂下装着した先端部21bとに分割すると共に、基部21aに形成したレール部23に先端部21bを差し込み、所定位置まで挿入した先端部21bを、基部21aに備えたハンドル付きのボルト24で締め込み固定するようにすれば、洗浄、等に際して、振分け案内部材18を簡単に脱着することができる。
【0051】
なお、支持枠22を上下して全ての振分け案内部材18を同時に高さ調節した後、先端部21bの挿入固定位置を変更することで、振分け案内部材18の下端とトップコーン6の傾斜上面との間隔を、振分け案内部材18ごと個別に微調節することもできる。
【0052】
(5)振分け案内部材18を、トップコーン6の外周部上面に取り付けて同様な振分け案内機能を発揮させることも可能であるが、分散フィーダ2を囲んで多数の直進フィーダ3群の各境界始端部に対応させて多数個の振分け案内部材18を配備することになるので、振分け案内部材18を含めたトップコーン6全体の重量が大きいものになり、トップコーン6を振動駆動する加振機構を駆動能力の大きいものにする必要が生じる。
【符号の説明】
【0053】
2 分散フィーダ
3 直進フィーダ
4 供給ホッパ
5 計量ホッパ
9 支柱
18 振分け案内部材
20 環状の支持枠
w 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6