(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】チェーンブロックシステム
(51)【国際特許分類】
B66D 3/20 20060101AFI20230119BHJP
B66D 1/54 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B66D3/20 K
B66D1/54 H
(21)【出願番号】P 2018122012
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 隆
(72)【発明者】
【氏名】古澤 晋司
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06209852(US,B1)
【文献】特開2000-198679(JP,A)
【文献】特開2016-147726(JP,A)
【文献】特開2013-010634(JP,A)
【文献】特開2017-132560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 3/20
B66D 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り荷を吊る吊りフックが装着されたロードチェーンと、前記ロードチェーンを駆動する駆動部とが備えられ、前記駆動部の駆動によって前記ロードチェーンが移動して前記吊り荷を巻上・巻下する電動チェーンブロックが複数備えられたチェーンブロックシステムであって、
前記電動チェーンブロックは、
少なくとも前記駆動部が収容されたチェーンブロック本体と、
前記チェーンブロック本体から伸びる前記ロードチェーンを収容するチェーン収容部と、
前記ロードチェーンと噛合するとともに、前記ロードチェーンの移動に伴って回転する回転体、及び該回転体の回転を計測する回転計測手段とで構成された駆動計測器とが設けられ、
前記電動チェーンブロックに装着された前記駆動計測器に接続され、前記電動チェーンブロックの前記ロードチェーンの差動を検出する差動検出手段が備えられ
、
前記駆動計測器が、前記チェーンブロック本体と前記チェーン収容部との間に配置された
チェーンブロックシステム。
【請求項2】
複数の前記電動チェーンブロックのうちいずれかを基準電動チェーンブロックとし、
前記差動検出手段は前記基準電動チェーンブロックと、他の電動チェーンブロックとの差動を検出する構成である
請求項
1に記載のチェーンブロックシステム。
【請求項3】
前記電動チェーンブロックの前記駆動部を制御する制御部が備えられ、
前記制御部は、前記差動検出手段が予め設定した差動量を超える前記差動を検出する場合、前記駆動部を制御して前記基準電動チェーンブロックと前記他の電動チェーンブロックとの駆動を同調させる
請求項
2に記載のチェーンブロックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊りフックが装着されたロードチェーンを駆動させて吊り荷を巻上・巻下する電動チェーンブロック、及び駆動計測器を用いたチェーンブロックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工事用仮設設備等では、吊り荷を直接吊り上げたり、簡易リフトとして架台を吊り下げたりするため、設置性や取り扱い性の高い電動チェーンブロックが多用されている。
【0003】
例えば、大型の吊り荷を揚重する際、設置環境の制約により大型の電動チェーンブロックが設置できなかったり、吊り荷の変形防止のために複数台の電動チェーンブロックを用いて揚重する場合がある。このような場合、各電動チェーンブロックの操作者が合図により一斉操作を行うか、操作スイッチを統合して同時に動作させることが一般的であるが、操作タイミングのズレや、いずれかの電動チェーンブロックに動作不良が生じると、吊り荷の姿勢変化や偏荷重による破損、搬器の転位による落下の危険が生じる。
【0004】
そのため、吊り荷の移動量を正確に把握することが重要となり、例えば、特許文献1で提案された電動チェーンブロックのように、電動チェーンブロック本体の保守のためのデータ取得を目的として、ロータリーエンコーダ等を用いて駆動量を計測することはあるものの、あくまでも駆動量を計測しているだけであって、ロードチェーンの移動量、つまり吊り荷の移動量を正確に把握することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、ロードチェーンの移動を計測しながら吊り荷を巻上・巻下することができる電動チェーンブロック及び駆動計測器を用いたチェーンブロックシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、吊り荷を吊る吊りフックが装着されたロードチェーンと、前記ロードチェーンを駆動する駆動部とが備えられ、前記駆動部の駆動によって前記ロードチェーンが移動して前記吊り荷を巻上・巻下する電動チェーンブロックが複数備えられたチェーンブロックシステムであって、前記電動チェーンブロックは、少なくとも前記駆動部が収容されたチェーンブロック本体と、前記チェーンブロック本体から伸びる前記ロードチェーンを収容するチェーン収容部と、前記ロードチェーンと噛合するとともに、前記ロードチェーンの移動に伴って回転する回転体、及び該回転体の回転を計測する回転計測手段とで構成された駆動計測器とが設けられ、前記電動チェーンブロックに装着された前記駆動計測器に接続され、前記電動チェーンブロックの前記ロードチェーンの差動を検出する差動検出手段が備えられ、前記駆動計測器が、前記チェーンブロック本体と前記チェーン収容部との間に配置されたことを特徴とする。
【0008】
この発明により、複数台の電動チェーンブロックの差動を検出することができる。
詳述すると、複数の前記電動チェーンブロックのそれぞれに装着された複数台の前記駆動計測器に前記差動検出手段が接続されているため、差動検出手段は駆動計測器の計測結果に基づいて、複数の電動チェーンブロックにおける前記ロードチェーンの差動を検出することができる。
【0009】
また、前記電動チェーンブロックには、前記チェーンブロック本体から伸びる前記ロードチェーンを収容するチェーン収容部が設けられ、前記駆動計測器が、前記チェーンブロック本体と前記チェーン収容部との間に配置されことにより、例えば、チェーンブロック本体と吊りフックとの間に前記駆動計測器を配置する場合のように、吊り荷の巻上げに前記駆動計測器が支障し、巻き上げ量が低下するようなことがなく、正確にロードチェーンの移動を計測することができる。
【0010】
またこの発明の態様として、複数の前記電動チェーンブロックのうちいずれかを基準電動チェーンブロックとし、前記差動検出手段は前記基準電動チェーンブロックと、他の電動チェーンブロックとの差動を検出する構成であってもよい。
【0011】
この発明により、差動を検出する基準を明確に設定できるため、つまりロードチェーンの駆動の比較対象を設定できるため、仮に3台以上の電動チェーンブロックを設けた場合であっても容易に差動を検出することができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記電動チェーンブロックの前記駆動部を制御する制御部が備えられ、前記制御部は、前記差動検出手段が予め設定した差動量を超える前記差動を検出する場合、前記駆動部を制御して前記基準電動チェーンブロックと前記他の電動チェーンブロックとの駆動を同調させてもよい。
【0013】
この発明により、複数の電動チェーンブロックを同調させて、前記吊り荷を巻上・巻下することができる。
詳述すると、前記電動チェーンブロックの前記駆動部を制御する制御部が、前前記差動検出手段が予め設定した差動量を超える前記差動を検出する場合、前記駆動部を制御して前記基準電動チェーンブロックと前記他の電動チェーンブロックとの駆動を同調させるため、例えば、基準電動チェーンブロックに対して移動が遅い電動チェーンブロックの移動速度を速める、あるいは基準電動チェーンブロックの移動を速度低下させるなど、複数の電動チェーンブロックを同調させて、前記吊り荷を巻上・巻下することができる。
【0014】
なお、上記差動量は、移動量、移動速度、及び移動加速度のうち少なくとも一つの差であり、上述の予め設定した差動量は、複数段階の差動量を設定してもよいし、ひとつの設定値であってもよい。また、上述の前記駆動部を制御して前記基準電動チェーンブロックと前記他の電動チェーンブロックとの駆動を同調させるとは、前記基準電動チェーンブロックと他の電動チェーンブロックとのうち少なくとも一方の移動を調整して同調させたり、一方を停止させて同調させたりしてもよい。さらに、差動量について複数の設定値を設定し、初期は移動を調整し、その後の設定値で停止するように構成してもよい。また、電動チェーンブロックの駆動を停止して同調する場合は、一方を停止してもよいし、すべてを停止するように構成してもよい。
【0015】
この発明は、吊り荷を吊る吊りフックが装着されたロードチェーンと、前記ロードチェーンを駆動する駆動部とが備えられ、前記駆動部の駆動によって前記ロードチェーンが移動して前記吊り荷を巻上・巻下する電動チェーンブロックであって、少なくとも前記駆動部が収容されたチェーンブロック本体と、該チェーンブロック本体から伸びる前記ロードチェーンを収容するチェーン収容部と、前記ロードチェーンと噛合するとともに、前記ロードチェーンの移動に伴って回転する回転体、及び該回転体の回転を計測する回転計測手段とで構成された駆動計測器とが設けられ、該駆動計測器が、前記チェーンブロック本体と前記チェーン収容部との間に配置されたことを特徴とする。
【0016】
またこの発明は、吊り荷を吊る吊りフックが装着されたロードチェーンと、前記ロードチェーンを駆動する駆動部とが備えられ、前記駆動部の駆動によって前記ロードチェーンが移動して前記吊り荷を巻き上げ下げする電動チェーンブロックにおける少なくとも前記駆動部が収容されたチェーンブロック本体と、該チェーンブロック本体から伸びる前記ロードチェーンを収容するチェーン収容部との間に装着可能に構成され、前記ロードチェーンと噛合するとともに、前記ロードチェーンの移動に伴って回転する回転体、及び該回転体の回転を計測する回転計測手段とで構成され、駆動計測器であることを特徴とする。
【0017】
この発明により、ロードチェーンの移動を計測しながら吊り荷を巻上・巻下することができる。
詳述すると、電動チェーンブロックに装着された該駆動計測器が、前記ロードチェーンと噛合するとともに、前記ロードチェーンの移動に伴って回転する回転体、及び該回転体の回転を計測する回転計測手段とで構成されているため、移動するロードチェーンによる前記吊り荷の巻上・巻下を計測することができる。したがって、前記吊り荷の移動を正確に把握しながら巻上・巻下することができる。
【0018】
また、前記駆動計測器が、少なくとも前記駆動部が収容されたチェーンブロック本体と、該チェーンブロック本体から伸びる前記ロードチェーンを収容するチェーン収容部との間に配置されたことにより、例えば、チェーンブロック本体と吊りフックとの間に前記駆動計測器を配置する場合のように、吊り荷の巻上げに前記駆動計測器が支障し、巻き上げ量が低下するようなことがなく、正確にロードチェーンの移動を計測することができる。
なお、上述の前記回転体の回転を計測する回転計測手段は、回転体の回転数、回転速度、及び回転加速度のうち少なくともひとつを検出するように構成してもよい。
【0019】
この発明の態様として、前記チェーンブロック本体と前記チェーン収容部との間において、前記駆動計測器が着脱自在に構成されてもよい。
この発明により、ロードチェーンの計測が不要な場合は前記駆動計測器を取り外しておき、ロードチェーンの計測を要する場合に前記駆動計測器を装着するなど、所望の態様で前記駆動計測器を利用することができる。また、前記駆動計測器が装着されていない電動チェーンブロックに対して後付けで前記駆動計測器を装着することができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記回転計測手段が、前記回転体の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダで構成され、前記ロードチェーンの移動量を検出してもよい。
この発明により、前記回転体の回転を正確に計測することができる。
【0021】
さらにまた、この発明は、複数の上述の駆動計測器と、複数の前記駆動計測器に接続され、前記電動チェーンブロックの前記ロードチェーンの差動を検出する差動検出手段とが備えられた差動検出システムであることを特徴とする。
【0022】
この発明により、複数台の電動チェーンブロックの差動を検出することができる。
詳述すると、複数の前記電動チェーンブロックのそれぞれに装着された複数台の前記駆動計測器に前記差動検出手段が接続されているため、差動検出手段は駆動計測器の計測結果に基づいて、複数の電動チェーンブロックにおける前記ロードチェーンの差動を検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、ロードチェーンの移動を計測しながら吊り荷を巻上・巻下することができる電動チェーンブロック及び駆動計測器を用いたチェーンブロックシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図5】チェーンブロックシステムの概略構成ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
電動チェーンブロック1、駆動計測器10並びにこれらを用いたチェーンブロックシステム100の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は電動チェーンブロック1の概略正面断面図を示し、
図2は電動チェーンブロック1の左側面図を示し、
図3は駆動計測器10の説明図を示し、
図4は電動チェーンブロック1の説明図を示している。
【0026】
詳しくは、
図3(a)は
図1に示すa-a矢視断面図を示し、
図3(b)は駆動計測器10の左側面図を示し、
図4(a)は駆動計測器10を備えていない電動チェーンブロック1aの正面図を示し、
図4(b)は電動チェーンブロック1の正面図を示している。
また、
図5はチェーンブロックシステム100の概略構成図を示し、
図6は同調動作についての概要図を示し、
図7は動作異常判定フロー図を示している。
【0027】
電動チェーンブロック1は、吊り荷(図示省略)を吊る吊りフック4が装着されたロードチェーン3を駆動する駆動部として機能するロードシーブ5を内部に備えたチェーンブロック本体2と、ロードシーブ5の回転駆動によって移動して吊り荷を巻上・巻下するロードチェーン3を収容するチェーン収容部6と、ロードチェーン3の移動を計測する駆動計測器10とで構成している。
【0028】
なお、チェーンブロック本体2は一般的な電動チェーンブロックと同じ構成であり、詳細な説明や図示を省略するが、チェーンブロック本体2は、内部に回転駆動するロードシーブ5を備え、上部にチェーンブロック本体2を所望の場所に設置する設置フック7を備えている。
【0029】
また、チェーンブロック本体2は、図示省略する本体操作部が有線または無線で接続され、本体操作部の操作によってロードシーブ5の駆動を制御する本体制御部(図示省略)と、本体制御部に制御され、ロードシーブ5を回転駆動する電動モータ(図示省略)を内蔵している。
【0030】
ロードチェーン3は、一端がチェーンブロック本体2の内部に固定され、チェーンブロック本体2の下方に向かって一旦延出し、チェーンブロック本体2の下方に配置された吊りフック4に内蔵された回転歯車に噛合するとともに、曲げ返され、再度チェーンブロック本体2の内部に挿入される。
【0031】
このようにして再度内部に挿入されたロードチェーン3は、チェーンブロック本体2の内部でロードシーブ5と噛合したうえで、チェーンブロック本体2の外部に導出される。チェーンブロック本体2の内部でロードシーブ5に噛合したうえで外部に導出されたロードチェーン3の他端側は、後述する駆動計測器10を通り、チェーン収容部6に収容される。
【0032】
駆動計測器10は、チェーンブロック本体2とチェーン収容部6との間に配置され、内部から導出され、チェーン収容部6に向かって延出するロードチェーン3と噛合するとともに、ロードチェーン3の移動に伴って回転するチェーンホイール11と、チェーンホイール11の回転を計測するロータリーエンコーダ12と、チェーンホイール11とでロードチェーン3を挟み込んで、チェーンホイール11とロードチェーン3とを噛合させるチェーンガイド13と、チェーンホイール11とチェーンガイド13とを内部で軸支する筐体14とで主要構成されている。
【0033】
詳しくは、ロードシーブ5に噛合し、チェーンブロック本体2の外部に導出され、チェーンブロック本体2から略鉛直方向下向きに延出するロードチェーン3に対して、ロードシーブ5とは反対側に配置されたチェーンガイド13の下方にチェーンホイール11が配置され、それぞれが筐体14を貫通する回転軸15(15a,15b)で軸支される。
【0034】
チェーンホイール11は、
図3(a)に示すように、長楕円状の金属環を連ねて構成されたロードチェーン3が噛合するため、ロードチェーン3の横幅と厚みに対応する幅及び深さの嵌合溝11aの中央に、ロードチェーン3の横幅と厚みに対応する深さ及び幅の中央溝11bが外周に形成されたホイール体である。なお、このように構成したチェーンホイール11は、ロードシーブ5と同様の形状となる。
【0035】
チェーンガイド13は、チェーンホイール11の嵌合溝11aに嵌り込んだロードチェーン3が外れることを防止するナイロン製のホイール体であり、外周面の中央に、中央溝11bに嵌り込んだロードチェーン3の反対側が嵌り込む中央溝13aが形成されている。
【0036】
このように構成されたチェーンガイド13は、チェーンホイール11の嵌合溝11aにロードチェーン3が嵌り込んだ際にロードチェーン3とわずかなクリアランスを設けられ、中央溝11bにロードチェーン3が嵌り込んだ際に中央溝13aに嵌り込むように位置に配置されている。
【0037】
このように構成されたチェーンホイール11及びチェーンガイド13は、筐体14から回転軸15(15a,15b)によって回転自在に軸支され、上下方向から挟み込むように配置したロードチェーン3の移動によって回転するように構成されている。
【0038】
また、チェーンホイール11を軸支する回転軸15aは、チェーンホイール11とともに回転するよう構成されるとともに、筐体14を貫通し、筐体14の外部に配置したロータリーエンコーダ12までのびている。そのため、回転軸15aの回転として、チェーンホイール11の回転をロータリーエンコーダ12で計測することができる。
【0039】
このように構成された駆動計測器10は、
図3に示すように、ユニット化されており、ロードチェーン3が延出するチェーンブロック本体2に対して筐体14を取付け、筐体14の反対側にチェーン収容部6を取り付けることでチェーンブロック本体2とチェーン収容部6との間に配置される。
【0040】
また、このようにユニット化された駆動計測器10は、
図4(b)に示すような、チェーンブロック本体2とチェーン収容部6とで構成する、駆動計測器10を備えていない電動チェーンブロック1aに対し、チェーンブロック本体2に取り付けられたチェーン収容部6を一旦取り外し、その固定ボルトと、本体側のチェーン収容部6の取付座を利用して、上述の組み付けることでいわゆるアタッチメントとして装着することもできる。
【0041】
なお、同一型式の電動チェーンブロック1あるいはロードチェーン3の規格、取付構造及び寸法が一致すれば容易に付替えが可能であることから、故障やメンテナンスによるチェーンブロック本体2の入替えにも容易に対応することができる。
【0042】
このように、駆動計測器10が装着された電動チェーンブロック1や、電動チェーンブロック1aに後付けで駆動計測器10を組み付けた電動チェーンブロック1は、図示省略する本体操作部を操作し、本体操作部が接続された本体制御部の制御によって図示省略する電動モータが駆動し、ロードシーブ5が回転駆動する。
【0043】
このロードシーブ5の回転駆動によってロードチェーン3は、巻上時には吊りフック4の側からチェーン収容部6の側に移動し、チェーン収容部6の内部に貯留される。ロードチェーン3は、巻下時にはチェーン収容部6の内部から吊りフック4の側に移動する。
【0044】
このロードチェーン3の送り動作(移動)を、チェーンブロック本体2とチェーン収容部6の間に取り付けた駆動計測器10によってその向きと移動量に従った電気信号に変換して出力するため、例えば、ロータリーエンコーダ12からの信号をパルスカウンタ等により数値化する計数器を用いることで正確にロードチェーン3の移動量を把握することができる。
【0045】
続いて電動チェーンブロック1を複数台用いて同調させるチェーンブロックシステム100について説明する。
通常、大型の吊り荷を揚重する際、設置環境の制約により大型の電動チェーンブロック1aが設置できない場合や、吊り荷の変形を防ぐという理由で複数台の電動チェーンブロック1aを連動させて使用する場合がある。例えば、工事用仮設備とし、吊り荷を直接吊り上げるか、搬器を吊り下げて簡易リフトとして使用されることが多いが、取扱いの容易さの点から電動チェーンブロック1aを用いることが多い。
【0046】
一般的に、これらの操作は各電動チェーンブロック1aの操作者が合図により一斉操作を行うか、操作スイッチを統合して同時に動作させることが一般的であるが、操作タイミングの不均一や、いずれかの電動チェーンブロック1aに動作不良が生じると、吊り荷の姿勢変化や偏荷重による破損、搬器の転位による落下の危険が生じる。
【0047】
詳しくは、電動チェーンブロック1aの巻上・巻下速度が電源周波数に依存し変動が小さいことから、各動作量の計測・照合は省略されることが多く、動作量に差異が生じた場合は手動で個別に補正操作がおこなわれる。すべての電動チェーンブロック1aが健全に作動すれば、前記の電動チェーンブロック1aの動作特性により動作量に差は生じにくいが、操作系統、電源系統に断線・接触不良等がある場合には大きな動作量差(以下において、差動という)が生じ、操作者による異常の認識が遅れると、吊り荷の大きな傾斜や、搬器からの吊り荷の落下が発生する。
【0048】
以下で説明するチェーンブロックシステム100は、上述のような課題を解消するため、複数台の電動チェーンブロック1と、各電動チェーンブロック1の動作を制御する制御装置110とで構成されている。
【0049】
制御装置110は、各電動チェーンブロック1に備えた本体制御部及び駆動計測器10と接続され、駆動計測器10によって検出されたロードチェーン3の移動量から、各電動チェーンブロック1の動作不良の判定及び複数台の電動チェーンブロック1の動作量を総括的に比較・調節する構成である。
【0050】
そのため、制御装置110は、
図5に示すように、ロータリーエンコーダ12からの信号を数値化する計数器111、数値化された動作量(移動量)を比較判定する演算器112、計測間隔を決定するタイマ113、電動動作スイッチ運転状況や設定値を表示する表示部114、設定値および巻上・巻下・停止などの動作指示を入力する入力操作部115、並びにチェーンブロックシステム100に備えた駆動計測器10に対して制御情報を出力する出力部116で構成している。なお、SSDなどの不揮発性メモリやHDDで構成し、各種要素を制御する制御プログラムや計測結果、あるいはログ等を記憶するような記憶部(図示省略)も備えている。
【0051】
計数器111は、チェーンブロックシステム100に設けられる駆動計測器10の台数に応じて複数設けられるとともに、各ロータリーエンコーダ12にそれぞれ接続され、ロータリーエンコーダ12からの信号を受信して数値化するパルスカウンタ等で構成される。また、計数器111は、数値化した結果を演算器112に送信するように、演算器112に接続されている。
【0052】
演算器112は、CPU等で構成され、計数器111から受信した数値化された動作量を比較判定する比較器として機能するとともに、各種要素を制御するように構成されている。
タイマ113は計測間隔を決定するように構成され、演算器112に接続されている。
【0053】
表示部114は液晶ディスプレイやタッチパネルで構成されるとともに、演算器112に接続され、入力操作部115による動作スイッチの運転状況や設定値を表示するよう構成されている。
【0054】
入力操作部115は、各種設定値の入力操作や、駆動計測器10の巻上・巻下・停止などの動作指示を入力する操作部であり、キーボードやマウスなどの物理的な入力装置で構成してもよいし、表示部114を構成するタッチパネル等で構成してもよい。
【0055】
出力部116は、演算器112に接続され、演算器112の制御に基づいて、制御情報を各駆動計測器10に対して出力するよう構成され、電動チェーンブロック1の動作を総括する動作総括リレー117と、各駆動計測器10の巻上げ・巻下げ駆動させるための駆動リレー118(118a,118b)とで構成されている。
【0056】
電動チェーンブロック1の動作を総括する動作総括リレー117は、演算器112に接続され、演算器112からの制御信号を直接受信する。
駆動リレー118はそれぞれ、チェーンブロックシステム100に設けられる駆動計測器10の台数に応じて複数設けられるとともに、動作総括リレー117に接続されている。
【0057】
また、チェーンブロックシステム100に設けられる駆動計測器10の台数に応じて複数設けられた駆動リレー118は、巻上げリレー118a及び巻下げリレー118bをワンセットとして各駆動計測器10の本体制御部に接続され、各電動チェーンブロック1における本体操作部の代わりに、電動チェーンブロック1を操作する操作部として機能することとなる。
【0058】
なお、上述のような構成要素を備えた制御装置110は、PLC(プログラマブルコントローラ)やマイクロコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、タッチパネルディスプレイ等とソフトウェアとの組合せで実現することもできる。もちろん、インターネットなどのネットワークを介して外部のサーバ等を利用して実現してもよい。
【0059】
なお、制御装置110は、計数器111、演算器112及び出力部116が設けられていれば、チェーンブロックシステム100に設けた複数台の電動チェーンブロック1の差動を検出するとともに、同調制御でき、タイマ113、表示部114及び入力操作部115はそれぞれ、仕様等に応じて設ければよい。
【0060】
つづいて、このように構成されたチェーンブロックシステム100の動作について説明する。
なお、複数台の電動チェーンブロック1のうち1台の電動チェーンブロック1を比較の基準とする基準電動チェーンブロック1xとする。また、以下の説明で、特に説明しなければ電動チェーンブロック1に基準電動チェーンブロック1xは含まれる。
【0061】
まず、入力操作部115を用いて、複数台の電動チェーンブロック1を動作させる入力操作を行うと、演算器112の制御に基づいて、動作総括リレー117及び駆動リレー118を介して各駆動計測器10の本体制御部が電動モータを駆動させ、ロードシーブ5の回転によってロードチェーン3は、巻上時には吊りフック4の側からチェーン収容部6の側へ送られチェーン収容部6の内部に貯留される。
【0062】
逆に、巻下時にはチェーン収容部6の内部から吊りフック4の側に送られる。このようなロードチェーン3の送り動作を、チェーンブロック本体2とチェーン収容部6の間に取り付けた駆動計測器10によってその向きと移動量に従った電気信号に変換する。
【0063】
駆動計測器10によってパルス等の電気信号に変換されたロードチェーン3の動作は、チェーンブロックシステム100における計数器111にロータリーエンコーダ12から送信され、チェーンブロックシステム100において、電動チェーンブロック1毎に、チェーンブロック本体2から吊りフック4までの長さとして数値化され、演算器112に送信される。
【0064】
計数器111より数値化され情報を受信した演算器112は、受信した数値と、入力操作部115を操作して予め入力された設定値を比較し、比較結果に基づいて出力部116を介して各電動チェーンブロック1の動作制御を行い,各電動チェーンブロック1が動作する。
【0065】
このような動作制御において、複数台の電動チェーンブロック1の動作を同調させるため、
図6に示すように、基準電動チェーンブロック1xの動作量を基準として他の電動チェーンブロック1の動作量を演算器112で比較する。
【0066】
演算器112による比較結果において先行する他の電動チェーンブロック1毎の動作量と基準電動チェーンブロック1xの動作量との動作量差(差動量)が、予め設定した上限値(ΔLmax)を超える差動が検出されると、差動量を超える電動チェーンブロック1の動作を一時停止させる。
【0067】
そして、そのまま基準電動チェーンブロック1xは動作しているため、停止した電動チェーンブロック1と基準電動チェーンブロック1xとの差動量が下限値(ΔLmin)にまで回復することで、停止した電動チェーンブロック1の動作を再開させる。
【0068】
逆に、差動量が下限値を下回り遅れすぎた電動チェーンブロック1が生じた場合、基準電動チェーンブロック1xの動作を一時停止させ、他のすべての電動チェーンブロック1の差動量が下限値を上回ることで、停止した基準電動チェーンブロック1xの動作を再開させる。
【0069】
このように、複数台の電動チェーンブロック1と基準電動チェーンブロック1xとの動作を同調させることにより吊り荷の姿勢を変化させること無く、安定させたまま、均等に巻上・巻下することができる。
【0070】
なお、チェーンブロックシステム100において、電動チェーンブロック1の動作中にもかかわらず、ロータリーエンコーダ12が計測する計測値が変化しない場合、操作系統、電源系統、駆動計測器10のいずれかに異常が生じていることがわかる。
【0071】
このようなチェーンブロックシステム100の異常を検知するとともに、異常検知に基づく動作制御について説明する。
チェーンブロックシステム100の異常検知は、チェーンブロックシステム100の異常検知及び停止制御のフロー図である
図7に示すように、駆動リレー118がON制御されているにもかかわらず(ステップs1:Yes)、ロータリーエンコーダ12からの計測結果を受信できず、あるいは計数器111で計数化できない等、演算器112が動作量の変化を検知できない場合(ステップs2:Yes)、タイマ113で動作量変化を検知できない時間を計測し、予め設定した判定時間t(秒)を超えると(ステップs3:Yes)チェーンブロックシステム100の動作異常と判定する。
【0072】
当該判定は、各電動チェーンブロック1別に行われ、チェーンブロックシステム100に設けられた基準電動チェーンブロック1xを含む電動チェーンブロック1のうちいずれか1台でも動作異常を検知した場合、その検知結果を表示部114に表示するとともに、動作総括リレー117をOFF制御して、すべて電動チェーンブロック1の動作を停止する(ステップs4参照)。これにより、チェーンブロックシステム100は、いずれかの異常発生によってすべての電動チェーンブロック1の動作を停止することができる。
【0073】
このように、吊り荷を吊る吊りフック4が装着されたロードチェーン3と、ロードチェーン3を駆動するロードシーブ5とが備えられ、ロードシーブ5の駆動によってロードチェーン3が移動して吊り荷を巻上・巻下する電動チェーンブロック1であって、少なくともロードシーブ5が収容されたチェーンブロック本体2と、チェーンブロック本体2から伸びるロードチェーン3を収容するチェーン収容部6と、ロードチェーン3と噛合するとともに、ロードチェーン3の移動に伴って回転するチェーンホイール11、及びチェーンホイール11の回転を計測するロータリーエンコーダ12とで構成された駆動計測器10とが設けられ、駆動計測器10が、チェーンブロック本体2とチェーン収容部6との間に配置した電動チェーンブロック1、及び駆動計測器10は、ロードチェーン3の移動を計測しながら吊り荷を巻上・巻下することができる。
【0074】
詳述すると、電動チェーンブロック1に装着された駆動計測器10が、ロードチェーン3と噛合するとともに、ロードチェーン3の移動に伴って回転するチェーンホイール11、及びチェーンホイール11の回転を計測するロータリーエンコーダ12とで構成されているため、移動するロードチェーン3による吊り荷の巻上・巻下を計測することができる。したがって、吊り荷の移動を正確に把握しながら巻上・巻下することができる。
【0075】
また、駆動計測器10が、少なくともロードシーブ5が収容されたチェーンブロック本体2と、チェーンブロック本体2から伸びるロードチェーン3を収容するチェーン収容部6との間に配置されたことにより、例えば、チェーンブロック本体2と吊りフック4との間に駆動計測器10を配置する場合のように、吊り荷の巻上げに駆動計測器10が支障し、巻き上げ量が低下するようなことがなく、正確にロードチェーン3の移動を計測することができる。
【0076】
また、チェーンブロック本体2とチェーン収容部6との間において、駆動計測器10が着脱自在に構成しているため、ロードチェーン3の計測が不要な場合は駆動計測器10を取り外しておき、ロードチェーン3の計測を要する場合に駆動計測器10を装着するなど、所望の態様で駆動計測器10を利用することができる。また、駆動計測器10が装着されていない電動チェーンブロック1aに対して後付けで駆動計測器10を容易に装着することができる。
【0077】
また、ロータリーエンコーダ12が、チェーンホイール11の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダで構成され、ロードチェーン3の移動量を検出しているため、チェーンホイール11の動作を正確に計測することができる。
【0078】
このように、電動チェーンブロック1aに駆動計測器10を取り付けたり、駆動計測器10が装着された電動チェーンブロック1を用いることにより、電動チェーンブロック1の動作量を数値化できるため、自動制御が可能になる。
さらに、動作(巻上・巻下)指令信号に対して応答が無いなど、異常の検出も可能で、即座に自動停止・警告を発することができるので安全性の向上を期待することができる。
【0079】
また、駆動計測器10はチェーンブロック本体2やチェーン収容部6に対する取付性が高いため、つまり電動チェーンブロック1aに対する駆動計測器10の脱着が容易であるため、メンテナンスによる交換時や、レンタル品を使用する際にも対応できる。
【0080】
また、電動チェーンブロック1の動作量による制御を行なう際に、動作量出力機能を付加した特別仕様の電動チェーンブロック1やそのための改造を必要としないため、調達時の納期、コストを圧縮することができる。
【0081】
さらに、ロードチェーン3の動作量を検出するために、ワイヤー式変位計やその他の駆動計測器を吊り荷に着脱する必要が無く、また、チェーンブロック本体2から吊りフック4あるいは吊り荷の間の伸縮箇所に計測用ワイヤーや信号線を設置する必要が無く、揚重時の作業性を低下させることがない。
【0082】
また、上述の複数台の電動チェーンブロック1と、電動チェーンブロック1に装着された駆動計測器10に接続され、電動チェーンブロック1のロードチェーン3の差動を検出する演算器112が備えられたチェーンブロックシステム100、及び制御装置110は、複数台の電動チェーンブロック1の差動を検出することができる。
【0083】
詳述すると、複数の電動チェーンブロック1のそれぞれに装着された複数台の駆動計測器10に演算器112が接続されているため、演算器112は駆動計測器10の計測結果に基づいて、複数の電動チェーンブロック1におけるロードチェーン3の差動を検出することができる。
【0084】
また、複数の電動チェーンブロック1のうちいずれかを基準電動チェーンブロック1xとし、演算器112は基準電動チェーンブロック1xと、他の電動チェーンブロック1との差動を検出する構成であるため、差動を検出する基準を明確に設定できるため、つまりロードチェーン3の駆動の比較対象を設定できるため、3台以上の電動チェーンブロック1が設けられたチェーンブロックシステム100において容易に差動を検出することができる。
【0085】
また、電動チェーンブロック1のロードシーブ5を制御する制御装置110は、演算器112が予め設定した差動量を超える差動を検出する場合、ロードシーブ5を制御して基準電動チェーンブロック1xと他の電動チェーンブロック1との駆動を同調させるため、複数の電動チェーンブロック1を同調させて、吊り荷を巻上・巻下することができる。
【0086】
詳述すると、電動チェーンブロック1のロードシーブ5を制御する制御装置110が、演算器112が予め設定した差動量を超える差動を検出する場合、ロードシーブ5を制御して基準電動チェーンブロック1xと他の電動チェーンブロック1との駆動を同調させるため、例えば、基準電動チェーンブロック1xに対して移動が早く先行した電動チェーンブロック1を停止させるなど、複数の電動チェーンブロック1を同調させて、吊り荷を巻上・巻下することができる。
【0087】
また、チェーンブロックシステム100では、各電動チェーンブロック1の動作速度に不均一が生じても動作量を自動的に補正できるため、吊り荷を傾斜させること無く昇降させることができる。
さらに、いずれかの電動チェーンブロック1に動作異常が検出された場合、すべての電動チェーンブロック1を即座に停止できるため、吊り荷の異常傾斜、特定の電動チェーンブロック1に負荷が集中することを防止することができる。
【0088】
さらにまた、予めプログラム化したパターンどおりに各電動チェーンブロック1を動作させることで、吊り荷の反転作業などを、偏荷重の発生を防止しながら高精度に揚重作業を安全に行なうことができる。
【0089】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本発明の吊りフックは吊りフック4に対応し、
以下同様に、
ロードチェーンはロードチェーン3に対応し、
駆動部はロードシーブ5に対応し、
電動チェーンブロックは電動チェーンブロック1に対応し、
チェーンブロック本体はチェーンブロック本体2に対応し、
チェーン収容部はチェーン収容部6に対応し、
回転体はチェーンホイール11に対応し、
回転計測手段はロータリーエンコーダ12に対応し、
駆動計測器は駆動計測器10に対応し、
差動検出手段は演算器112に対応し、
チェーンブロックシステムはチェーンブロックシステム100に対応し、
基準電動チェーンブロックは基準電動チェーンブロック1xに対応し、
制御部及び差動検出システムは制御装置110に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
【0090】
例えば、ロータリーエンコーダ12で、チェーンホイール11の回転数、回転速度、及び回転加速度のうちいずれかひとつを検出してもよいし、これらを組み合わせて検出するように構成してもよい。
【0091】
また、電動チェーンブロック1に、インバータによる速度制御(駆動用電源の周波数制御)を付加することで起動・停止時の衝撃を低減した動作が可能になる。
吊り荷の揚重作業用途以外では、機械、設備の構成要素として巻上げ機の代わりに組み込まれた電動チェーンブロック1の動作量検出や、それらの制御の高度化に利用することができる。
【0092】
チェーンブロックシステム100を構成する電動チェーンブロックとしては、駆動計測器10がチェーンブロック本体2とチェーン収容部6との間に配置された電動チェーンブロック1を用いたが、チェーンブロックシステム100を構成する電動チェーンブロックの全部あるいは一部が、チェーンホイール11、ロータリーエンコーダ12、チェーンガイド13及び筐体14で構成する駆動計測器10のうち一部または筐体14を備えない駆動計測器10の全部がチェーンブロック本体2内部に配置された電動チェーンブロックを用いてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…電動チェーンブロック
1x…基準電動チェーンブロック
2…チェーンブロック本体
3…ロードチェーン
4…吊りフック
5…ロードシーブ
6…チェーン収容部
10…駆動計測器
11…チェーンホイール
12…ロータリーエンコーダ
100…チェーンブロックシステム
110…制御装置
112…演算器