(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】発電プラントにおける蒸気再加熱のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F22B 21/26 20060101AFI20230119BHJP
F22B 1/16 20060101ALI20230119BHJP
F22B 37/10 20060101ALI20230119BHJP
F22B 37/12 20060101ALI20230119BHJP
G21D 1/00 20060101ALI20230119BHJP
F01K 7/44 20060101ALI20230119BHJP
F01K 7/38 20060101ALI20230119BHJP
F01K 19/00 20060101ALI20230119BHJP
F01K 11/02 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F22B21/26
F22B1/16 C
F22B37/10 M
F22B37/12
G21D1/00 S
F01K7/44 Z
F01K7/38 Z
F01K19/00
F01K11/02
(21)【出願番号】P 2020536263
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(86)【国際出願番号】 US2018050318
(87)【国際公開番号】W WO2019133080
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー-ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE-HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(74)【代理人】
【識別番号】100186831
【氏名又は名称】梅澤 崇
(72)【発明者】
【氏名】ローウェン,エリック・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ラスムッセン,スコット・イー
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-048894(JP,A)
【文献】特開平08-152281(JP,A)
【文献】特公昭61-022721(JP,B2)
【文献】特開昭47-021501(JP,A)
【文献】特開昭59-217498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0240267(US,A1)
【文献】特開昭61-262501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 21/26
F22B 1/16
F22B 37/10 - 37/18
G21D 1/00
F01K 7/44
F01K 7/38
F01K 19/00
F01K 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電プラント内の複数の供給源の間でエネルギーを伝達する蒸気発生器であって、
一次流入口と、
一次流出口と、
前記蒸気発生器の内部に、前記蒸気発生器を通って流れる一次熱交換流体と直接接触するように構成され、
二次熱交換流体を運ぶように構成される複数の第1の熱交換管を含む第1の二次導管
と、
前記蒸気発生器内の、前記第1の二次導管から分離して、前記蒸気発生器を通って流れる前記一次熱交換流体と直接接触するように構成され、前記第1の熱交換管内の前記二次熱交換流体とは異なるエネルギーを有する前記二次熱交換流体を運ぶように構成される複数の第2の熱交換管を含み、前記第1の熱交換管は前記第2の熱交換管とは異なる流れ領域を有する、第2の二次導管と
を備え、
前記一次流入口および前記一次流出口が、熱源および前記蒸気発生器を通る前記一次熱交換流体のループを形成するように、
前記蒸気発生器から離され、熱源の異なる端部に接合するように構成される、
蒸気発生装置。
【請求項2】
前記第1の二次導管は、第1の入口および
第1の出口を含み、
前記第2の二次導管は、第2の入口および第2の出口を含み、前記第1の入口および
第1の出口および前記第2の入口および
第2の出口は、前記蒸気発生器の端部上で互いに完全に異なる、請求項
1に記載の蒸気発生器。
【請求項3】
前記第2の熱交換管の内径は、
前記第1の熱交換管の内径よりも約50%~100%大きい、請求項
1に記載の蒸気発生器。
【請求項4】
前記第1の二次導管及び前記第2の二次導管は
同じ軸方向レベルにあり、前記第1の二次導管が前記第2の二次導管よりも前記蒸気発生器の中心に
ある、請求項
3に記載の蒸気発生器。
【請求項5】
前記第2の二次導管が、前記第2の二次導管を通って流れる二次熱交換流体を旋回させるように前記
第2の二次導管の内壁に固定された螺旋翼を含む、請求項1に記載の蒸気発生器。
【請求項6】
前記第2の二次導管は、前記第2の二次導管を通って流れる二次熱交換流体中の細流を破壊するように、前記
第2の二次導管の中心に向かって内向きに延在する細流止めを含む、請求項1に記載の蒸気発生器。
【請求項7】
前記一次熱交換流体が液体ナトリウムであり、前記熱源が高速原子炉であり、前記二次熱交換流体が水である、請求項
1に記載の
蒸気発生器。
【請求項8】
前記第1の熱交換管と前記第2の熱交換管とは、前記蒸気発生器の内においてコイル状であり、前記第2の熱交換管は前記第1の熱交換管よりも大きい曲率半径を有する、請求項1に記載の蒸気発生器。
【請求項9】
前記蒸気発生器は、複数の前記第1の二次導管を含み、前記蒸気発生器は、第2の二次導管前よりも多くの第1の二次導管を含む、請求項1に記載の蒸気発生器。
【請求項10】
請求項1に記載の蒸気発生器において、
前記第1の二次導管に液体の水を供給するステップと、
前記第2の二次導管に蒸気を供給するステップと、
前記一次流入口に液体金属、又は溶融塩を供給するステップと
を備える、蒸気発生器の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発電プラントにおける蒸気再加熱のためのシステム及び方法
【背景技術】
【0002】
図1は、発電のために関連する発電プラント内の一次熱伝達媒体ループおよび二次熱伝達媒体ループの概略図である。
図1に見られるように、熱源1は、熱伝達媒体に伝達されるエネルギーを発生させる。熱源1は、石炭燃焼ボイラ又は圧力容器、軽水炉、液体ナトリウム高速反応器である。熱伝達媒体は、熱源1と熱交換器10との間のコールドレッグ又は出口2及びコールドレッグ又はフィード3を含む1次ループ内を流れる。軽水炉用の蒸気発生器である交換器10の例では、水は、核分裂を介して反応器1内で加熱され、出口2を形成するパイプ内に駆動され、次いで、熱交換器10として蒸気発生器に送られる。この例では、交換器10の出口からの冷却された給水は、主給水ポンプによってフィード3を介して反応器1に戻され、サイクルを繰り返すことができる。
【0003】
二次熱伝達媒体ループは、熱交換器入口13および熱交換器10を通って流れる出口12によって形成される。一次ループからのエネルギーは、熱交換器10内の二次ループに伝達される。熱交換器10としての蒸気発生器の例では、凝縮された給水は、凝縮器または他の供給源から入口13を通って送られ、蒸気発生器内の一次ループの熱から伝達された蒸気に変換され、次いで、タービンまたは他の用途に供給される。凝縮または他の冷却された熱伝達媒体は、湖または川などのヒートシンクに過剰な熱を排出する凝縮器を介してタービンから入口13に供給することができる。
【0004】
1つ以上のタービンは、出口12を介して熱交換器10を出る熱伝達媒体からエネルギーを抽出することができる。例えば、多くのプラントは、熱伝達流体および駆動発電機50からエネルギーを連続的に抽出するために、中間圧力タービン30および低圧タービン40などの直列の段階タービンを使用する。高圧タービン20はまた、出口12からの飽和流体が各タービン20、30、40において複数の効率的な抽出を受けることができる場合に、中間及び低圧タービン30及び40と共に使用することができる。図示されていないが、各タービンから最終的に流出する熱伝達媒体は、凝縮器又は他のヒートシンクを通過し、入口13を介してループ内に戻されてもよい。
【0005】
図2 A及び2 Bは、
図1のシステムにおける熱交換器として使用可能な従来の液体ナトリウム蒸気発生器10の図である。ナトリウムまたは他の液体金属および塩は、高速反応器内の一次ループ熱交換流体として使用され得、一方、水/蒸気は、電気生成のために二次ループ内に提供され得る。
図2 Aに見られるように、高温ナトリウムは、反応器から来るナトリウム出口2を介して蒸気発生器10の頂部に入り、より低温のナトリウムは、蒸気発生器10の底部を出て、反応器に戻る入口3に入る。水は、凝縮された液体として蒸気発生器入口13の底部に流入し、蒸気発生器10の頂部で蒸気発生器出口12から飽和又は超飽和蒸気として流出する逆の経路をとることができる。
【0006】
図2 Bに見られるように、蒸気発生器10の内部では、いくつかのチャンネル31により、流入する液体水を、流入口13から同じ数の熱交換チューブ32に流れる数百の異なる個別の流れに分割することができる。液体水は、熱交換チューブ32を通って真っ直ぐに流れ、蒸気発生器10内のチューブ32の周りを下方に通過する液体ナトリウムから熱を吸収する際に沸騰する。管32は均一であり、均一な設計による熱伝達および容易な製造および交換を確実にする。液体ナトリウムは、熱交換チューブ32を介して本体11内を下方に通過する際に同時に冷却され、最終的には冷却液ナトリウムとして蒸気発生器10を出る。蒸気は出口12を出て、1つ以上のタービンに動力を供給する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態は、石炭燃焼ボイラ、加圧水型原子炉、高速ナトリウム反応器等のような主熱源および熱交換流体からのエネルギーを、蒸気によって駆動されるタービンなどによってエネルギーが抽出される二次熱交換流体に熱交換および発電する。熱交換器は、二次熱交換流体が水であり、一次熱交換流体用の1つ以上の一次導管と、二次熱交換流体用の1つ以上の二次導管とを含む場合、蒸気発生器とすることができる。導管は、流体が混合しないように完全に分離することができ、別個の一次ループおよび二次ループで使用可能な別個の入口および出口を有する。したがって、二次導管は、異なる流体源と目的地とを区別することができる。例えば、二次導管のうちの1つが復水器または環境源から給水を取り込む場合、二次導管の別のものは、タービン出口または他の供給源から蒸気を取り込むことができる。水は、第1の導管内の過熱蒸気に沸騰され得、蒸気は、第2の導管内で乾燥機またはより高品質の蒸気に再加熱され、次いで、より高い圧力タービンおよびより低い作動圧力を有するタービンなどの同じまたは別個のタービンに送出され得る。二次導管内の異なるタイプの流体の選択的接続に加えて、プラントは、バルブおよび他のセレクタを使用して、所望の体積または量、蒸気および/または水を蒸気発生器または他のタービンまたは負荷分散のための環境に分流することができる。
【0008】
二次導管は、一次熱交換流体中に浸漬された蒸気発生器の内周の周りに巻かれた又は螺旋形状であり、流体源又は目的地に基づいて特別に構成することができる。例えば、沸騰のために水を摂取する導管は、再加熱のために蒸気を取り込む導管として、流れ面積の半分しか持たないことがある。同様に、再加熱のための蒸気を搬送する導管は、任意の二相流でより良好に混合するためにその内部周囲に固定螺旋翼を含むことができ、又は水を高温外部表面に破壊又は再配向するために向心的方向に内向きに延びる。あるいは、例えば、2つの導管を軸方向に重なりまたは入れ子にすることができ、より小さい曲率半径を有する蒸気を運ぶ導管は、より大きな曲率半径を有する蒸気を再加熱するための蒸気導管よりも、蒸気発生器内でより中心になる。
例示的な実施形態は、添付の図面を詳細に説明することによってより明らかになり、同様の要素は、例示のみを目的として与えられ、したがって、それらが示す用語を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2B】
図2 Aの従来の蒸気発生器の内部断面図である。
【
図3A】例示的な実施形態の蒸気発生器の底部断面図である。
【
図3B】
図3 Aの例示的な実施形態の蒸気発生器のプロファイル断面図である。
【
図4A】例示的な実施形態の蒸気発生器のプロファイル断面図である。
【
図4B】
図4 Aの例示的な実施形態の蒸気発生器の詳細図である。
【
図5A】
図4 Bの熱交換チューブの断面プロファイル図である。
【
図5B】
図5 Aの熱交換チューブの断面軸方向図である。
【
図6A】漸進的な軸方向位置における熱交換チューブの断面軸方向図である。
【
図6B】漸進的な軸方向位置における熱交換チューブの断面軸方向図である。
【
図6C】漸進的な軸方向位置における熱交換チューブの断面軸方向図である。
【
図6D】漸進的な軸方向位置における熱交換チューブの断面軸方向図である。
【
図7】
図3- 4の例示的な実施形態の蒸気発生器の外観斜視図である。
【
図8】例示的な実施形態の蒸気発生器を使用する例示的な実施形態の発電プラントの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これは、特許文献であるため、一般的に、それを読むときに構築の広範な規則が適用されるべきである。本明細書に記載され示された全ては、以下に添付される特許請求の範囲に含まれる主題の一例である。本明細書で開示される任意の特定の構造的および機能的詳細は、単に例を作成および使用する方法を説明するためのものにすぎない。本明細書に具体的に開示されていないいくつかの異なる実施形態および方法は、請求項の範囲内に入り得る。したがって、特許請求の範囲は、多くの代替形態で実施され得、本明細書に記載の例のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0011】
第1、第2、の序数は、様々な要素を説明するためであることが理解されるであろう。本明細書では、これらの要素は、これらの用語による任意の順序に限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。複数の第2のまたはより高い規則がある場合、単に、任意の差または他の関係なしに、多くの数の要素が存在するだけでなければならない。例えば、例示的な実施形態または方法の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。
【0012】
本明細書で使用されるように、「および/または」という用語は、単一の項目、項目のサブグループ、またはすべての項目のみが存在することが明確に示されない限り、関連するリストされた項目のうちの1つまたは複数のすべての組合せを含む。複数の(1つまたは複数の)任意の信号および/または(複数の)組合せにおける、上記の項目の同じグループに属する他のすべての要素の包含を示し、また、複数の他のすべての要素が含まれることを示す。
【0013】
要素が「接続」されると言及されるとき、「結合された」 、「組合された」 、「付加された」、「固定された」、等であることが理解されるであろう。別の要素には、他の要素に直接接続されてもよいし、介在要素が存在してもよい。対照的に、要素が他の要素に「直接接続される」「直接結合された」と呼ばれる場合、別の要素には、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の語は、同様の形で解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間に」、「隣接する」対「直接隣接する」 等)。同様に、「通信可能に接続された」のような用語は、ワイヤレスに接続される中間デバイス、ネットワーク、等を含む、2つの電子デバイス間の情報交換およびルーティングのすべての変形を含む。
【0014】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、明示的に別段の指示がない限り、単数形および複数形の両方を含むことが意図される。「a」、「an」のような不定冠詞は、以前に導入された用語とそうでない場合の両方を導入または参照し、一方、「the」のような定冠詞は、同じ以前に導入された用語を指す。このように、「a」、「an」は、以前に導入された又は新規であると認められた項目を修正するものであり、一方で定冠詞は、過去に導入されたものとまさに同じ項目を修正するものである。「備える」 、「含む」という用語は、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、それ自体は、1つまたは複数の他の特徴、特性、ステップ、動作、要素、成分および/またはその基の存在または追加を排除しないことが理解されよう。
【0015】
以下で説明する構造および動作は、図面に記載および/または記載された順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示される2つの動作および/または図は、関与する機能/動作に応じて、実際には同時に実行されてもよく、ときには逆の順序で実行されてもよい。同様に、以下で説明する例示的な方法内の個々の動作は、以下で説明する単一の動作とは別に、ループまたは他の一連の動作を提供するために、個々にまたは順次に実行され得る。以下で説明する特徴および機能を有する任意の実施形態または方法は、任意の実行可能な組合せで、例示的な実施形態の範囲内に入ると推定されるべきである。
【0016】
本発明者らは、典型的な蒸気発生器が、一次流体からの熱を使用して、通常加熱された凝縮水を加熱して飽和または過熱蒸気に沸騰させる単一のタイプの入力または二次流体を収容することを認識した。この目的のために、内部伝熱管32(
図2B)は、同一の種類の流体を受け、他の任意の管と同様の方法でそれを加熱することができるように、同一で交換可能である。蒸気発生器のための単一のタイプの二次流体入力では、本発明者らは、エネルギー抽出のための高品質又は過熱蒸気に戻る低圧蒸気を再加熱するなど、他のタイプの入力のために一次熱を使用する機会がないことを認識した。その代わりに、二次ループ内のこれらの他のタイプの蒸気は、漸進的に低圧タービンに供給される。1つ以上の高圧タービンを既に通っている蒸気の凝縮の前に使用されるタービン40のような低圧タービンは、一般に、より低いエネルギー抽出及び低圧蒸気内で発生する凝縮によって生じるタービンブレードへの頻繁な損傷のため、より安価である。この非効率は、発電機から二次流体のための漸進的に低い圧力発生器への単一経路と組み合わされ、典型的には、大量の低圧蒸気から十分なエネルギーを得るために、いくつかの高価な低圧タービン40を必要とする。これらの問題ならびに他の問題を克服するために、発明者らは、例示的な実施形態によって可能にされる固有の解決策を本発明者らによって認識されたこれらおよび他の問題に対処するために以下に説明する例示的な実施形態および方法を開発した。
【0017】
本発明は、蒸気発生器及びそれを使用する方法を用いる蒸気発生器及び発電システムである。本発明とは対照的に、以下で説明するいくつかの例示的な実施形態および例示的方法は、本発明と一緒におよび/またはそれに関連して使用され得る様々な異なる構成のほんの一部を例示する。
【0018】
図3 Aは、発電プラント内で使用可能な例示的な実施形態の蒸気発生器100の底部断面図である。例えば、発電機100は、プリズムナトリウム冷却式反応器を含む、液体金属または溶融塩冷却剤を有する高温高速反応器を設置することができる。
図3 A及び
図3 Bに示すように、例示的な実施形態の蒸気発生器100は、典型的な蒸気発生器及び熱交換器に匹敵する外形及びサイズを有し、例えば関連蒸気発生器10(
図2 A及び2 B)に直接取って代わることができる。例示的な実施形態の蒸気発生器100は、潜在的に、一次冷却材入口2を含む外装体111の上端にいくつかの入口2(
図7)を含む。例えば、一次入口は、蒸気発生器10に接続する
図2 Aおよび2 Bからのナトリウム出口2によって示されるのと同じ構成で、反応器などの液体金属源に接続することができる。同様に、
図3 A及び3 Bに示すように、例示的な実施形態の蒸気発生器は、反応器又は他の熱源に戻る入口成形原料3とは反対側の外装体111の底端部に、潜在的に出口3を含む。液体ナトリウムまたは溶融塩などの熱交換流体は、入口から本体111内部の出口に流れることができ、例示的な実施形態の蒸気発生器100は、反応器を含む典型的な一次冷却剤ループ内の蒸気発生器を交換するために使用可能であり得る。
【0019】
例示的な実施形態の蒸気発生器100は、
図2 A及び2 Bからの入口13と同様の水入口13を含み、凝縮水は、潜在的に本体111の下端に発生器100に入ることができる。複数の水流路133は、入口13から幾つかの、潜在的には約100の異なる流れに流れ、それぞれ1つの流路133内に流れる。分割されると、チャネル133は、蒸気発生器100内に上昇し、液体ナトリウムなどの高温の一次冷却材が熱交換チューブ134の周りを反対方向に流れることを可能にする第1の熱交換チューブ134に流入する。水チャネル133を有する単一の水入口13のみが
図3 A及び3 Bに示されているが、幾つかの異なる入口が蒸気発生器100の周りに離間されてもよいことが理解される。
【0020】
図4 Aに見られるように、第1の熱交換チューブ134は、蒸気発生器100の中心軸の周りに螺旋状又はコイル状であってもよい。管134は蒸気発生器100の中央部分を占有することができ、ここで向流一次冷却剤の温度は最も高温であり得、螺旋の曲率半径は密試験であり得、液体水に最大の遠心運動を与える。第1の熱交換チューブ134は、チューブ132(後述)よりも相対的に小さい断面流路を有することができるが、コイル配列はチューブ壁の外側に液体水を強制し、熱伝達を強化するので、チューブ32よりも大きくてもよい。例えば、第1の熱交換器管134は、直径が約30ミリメートル~50ミリメートルであってもよい。
【0021】
第1の熱交換チューブ134を通って移動した後、入口13からの液体水は、液体ナトリウム、加圧された水などの、伝熱管134の周囲を流れる一次冷却材からかなりのエネルギーを吸収した超加熱蒸気であってもよい。蒸気発生器100の本体111の別の端部において、高品質蒸気は、高圧蒸気タービン及び発電機への供給のために、いくつかの異なるタイプのプラントで使用可能な
図2 A及び2 Bに示す出口12と同様に、1つ以上の出口12を出る。例えば、3つの出口12を、それぞれ過熱蒸気および液体水のための3つの入口13と組み合わせて使用することができる。
【0022】
図3 A及び
図3 Bに示すように、例示的な実施形態の蒸気発生器100は、蒸気入口113を含み、蒸気入口113は、1つ又は複数のタービンを既に通過した蒸気などのより低圧又は低品質の蒸気を、液体水と並行して水入口13に流入させることができる。複数の蒸気流路131は、入口113から幾つかの、潜在的には100以上の異なる流れに分流し、各々が1つの蒸気流路131内に流れる。一旦分割されると、蒸気チャネル131は、蒸気発生器100内へと上昇する第2の熱交換管132に流入し、液体ナトリウム、溶融塩、などの高温一次冷却材が、第2の熱交換管132の周りを反対方向に流れるようにする。
【0023】
蒸気チャネル131を有する単一の蒸気入口113のみが
図3 A及び3 Bに示されているが、幾つかの異なる入口が蒸気発生器100の周りに離間されてもよいことが理解される。蒸気発生器100の本体111の別の端部において、再加熱された蒸気は、中間または高圧蒸気タービンおよび発電機を送達するために、いくつかの異なるタイプのプラントで使用可能な1つまたは複数の出口112(
図7)を出る。例えば、3つの出口112を、再加熱蒸気及び低圧蒸気のための3つの入口113と組み合わせて使用することができる。
【0024】
図4 Aに見られるように、第2の熱交換チューブ132は、蒸気発生器100の中心軸の周りに螺旋状又はコイル状であってもよい。第2の熱交換チューブ132は、蒸気発生器100の外側部分を占有し、蒸気を再飽和および/または過熱するために必要とされ得、螺旋の曲率半径はより広くなり得、より速い蒸気流が、遠心運動を通じてより高温のエッジに推進することを可能にする。第2の熱交換チューブ132の半径は、第1の熱交換チューブ134の半径より大きくてもよく、例えば、蒸気の圧力低下を低減し、より高圧の蒸気出力を可能にするために、直径約45~100ミリメートルなど、より大きくてもよい。
図4 Bは、
図4 Aの詳細Aの詳細図であり、蒸気発生器の中心の周りを上方に進む第2の熱交換チューブ132のためのコイル形状へのチャネル131の移行を示す。
【0025】
第2の熱交換チューブ132および蒸気チャネル131は、同じを通って流れる低品質の蒸気の再加熱および乾燥を促進するための1つまたは複数の特徴を含むことができる。
図5 Aおよび5 Bに見られるように、1つまたは複数の細流止め142は、各第2の熱交換チューブ132内に突出して、蒸気流中の水滴細流を止めることができる。例えば、細流止め142は、管132の外半径から流路内に15 %まで突出する管132内の溶接継手135における鈍的挿入部であってもよい。
図5Bは、コイルの外縁から管132内の流れ領域の約15 %を占める細流止め142を示す、
図5Aの線B-B’に沿った軸方向の断面図である。このようにして、細流止め142は、水滴細流を破壊するか、または、それらをチューブ132の高温表面にリダイレクトする。
【0026】
図6A~
図6Dに示すように、1つ以上の蒸気チャネル131内の固定螺旋翼141は、内部を流れる蒸気に内部回転又はスワールを与えることができる。固定旋回器141は、2つの薄い、溶接された仕切り板であってもよく、これは、図柄131の流れ区域を4つのフロー1~4に分離し、
図6 A~6Dに見られる。固定螺旋翼141は、約3~約6のピッチ対直径比を有して、任意の水滴をチャネル131の外周囲に駆動し、より低い品質又は飽和蒸気が蒸気入口113に入る場合であっても、熱伝達及び再蒸発を改善することができる。後続の下流位置としての
図6A~6Dから分かるように、螺旋翼141の軸方向距離の回転は、チャネル131内の旋回翼141を出る前に完全な回転を介して別個のフロー1-4を回転させることができる。このようにして、より高密度の水滴が、蒸発及び蒸気品質を改善するために、二相蒸気流からチャネル131の高温端部に遠心駆動され得る。
【0027】
図7は、いくつかの入口および出口を示す、例示的な実施形態の蒸気発生器100の外部の斜視図である。
図7に示すように、例示的な実施形態の蒸気発生器100は、凝縮した液体水及び蒸気の両方を含む複数の供給源からの二次冷却剤を、より効率的な非低圧タービンを含む適切なタービンで使用するために過熱蒸気などの高品質流体に同時に加熱することができる。より狭い曲率螺旋を有する内部位置において凝縮水のようなより多くの熱を吸収することができる二次流体と、より緩い曲率螺旋を有する外部位置で低い熱を吸収する流体とを配置することによって、蒸気発生器100は、高圧タービンで使用可能な複数の供給源からより高い品質の蒸気を効率的に生成することができる。図
3-4に見られるように、螺旋構成は、従来の蒸気タービンと比較して、より少ない管132及び134の使用を可能にし得、そのような管132及び134は、より少ない管による蒸気管障害の製造の複雑さ、コスト及び危険性を低減し得る。
【0028】
図7に示すように、例示的な実施形態の蒸気発生器100は、液体水から生成された過熱蒸気を分配するために、
図2 A及び2 Bからの出口12と同様のいくつかの出口12を含むことができる。蒸気発生器100はまた、潜在的に予想蒸気タイプに基づいて、低圧蒸気から生成された再熱蒸気を所望の目的地に接続するための出口112を含むことができる。例えば、各出口12及び112は、高圧タービンに接続することができ、又はそれぞれ異なるタービンに接続することができる。同様に、出口は、発電機100を通る予想蒸気の種類または経路に基づいて接続されてもよい。例えば、液体凝縮器水から生成された過熱蒸気を
高圧タービンへ運ぶ3つの出口12毎に、1つの出口112は、例示的な実施形態の蒸気発生器100から、中間又は低圧タービンへ潜在的に低品質又は低圧蒸気を運ぶことができる。
【0029】
例示的な実施形態の蒸気発生器100は、実質的に放射性、溶融、脆化、および/または放射性微粒子の保持/吸着などの物理的特性を実質的に変化させることなく、原子炉環境と適合する弾性材料から製造され得る。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼304または316およびマルテンサイト系ステンレス鋼9Cr-1 Moおよび2.25Cr-1 Moを含むいくつかの既知の構造材料が、実施形態の蒸気発生器の構成要素の任意の要素に対して選択され得る。接合構造および直接接触要素は、ファウリングを防止するために、異なるおよび適合性のある材料から選択されてもよい。
【0030】
図8は、例示的な実施形態の蒸気発生器100を使用する二次ループエネルギー発生システム200を有する例示的な実施形態の発電プラントの概略図である。例示的なシステム200では、蒸気発生器100は、異なるタービンへの異なる供給源及び出口蒸気から液体水及び低圧蒸気の両方を受け取ることができる。例えば、
図8に示すように、発電機50又は個々の発電機と直列に接続された高圧タービン20、中間圧力タービン30及び低圧タービン40を含む幾つかの異なるタービンを使用することができる。各タービン20、30、及び40は、異なる圧力範囲の蒸気からエネルギーを最も良く抽出するために、容積、速度、及びタービンブレード特性を用いて構成される。タービン20、30、および40は、エネルギー抽出のためにもはや使用可能でないより低い圧力でタービンから出る蒸気のための蒸気出口を含むことができ、これらの蒸気流は、次の低圧タービンに蒸気を供給することができる。例えば、高圧タービン20は、中間圧力タービン30に流入する蒸気の出口を含むことができ、中間タービン30は、低圧タービン40に流入する蒸気の出口を含むことができる。蒸気は、任意の点で凝縮器に循環させ、水入口13のための液体水に凝縮させることができる。
【0031】
システム200内の例示的な実施形態の蒸気発生器100は、約500 ℃までの温度に到達し得るより速い反応器内の一次液体ナトリウムループであり得る反応器1、出口2、および供給物3を含む一次冷却剤ループに接続される。蒸気発生器100はまた、水入口13及び低圧蒸気入口113に接続されて、ナトリウムからの熱を用いてこれらの流れから過熱、高圧、及び/又はより高品質の蒸気を生成する。例えば、凝縮器及び1つの蒸気入口113からの3つの水入口13は、蒸気発生器100に流入することができ、3つの蒸気出口12及び1つの再熱出口112は、それらを出る。
図7に示すように、蒸気発生器100は、高圧タービン20及び中間圧力タービン30のそれぞれの異なる目的地に向かう出口12及び112を含む。例えば、入口113からの再加熱された蒸気は、出口112を介して蒸気発生器100から中間タービン30に向け直されてもよい。入口13からの水は、出口12を介して蒸気発生器100から高圧タービン20に向け直されてもよい。
【0032】
このようにして、より多くの蒸気を中圧タービン40に通してもよい。より高品質なレベル又は過熱状態に蒸気を再加熱し、高圧タービンでエネルギーを抽出することは、単に出口蒸気を連続的に低圧タービンに通過させるよりも効率的である。したがって、例示的な実施形態のプラントシステム200は、例えば、
図1のプラントよりも高い効率を有することが分かる。さらに、より中間の圧力タービン30に有利な、より少ない低圧タービン40が、高圧タービン20および中間圧力タービン30と比較して、より低い効率およびより低い圧力タービンのサイズを所与として有利であり得るシステム200において必要または使用され得る。同様に、蒸気発生器100からの生成または再加熱された蒸気は、高圧タービン20および中間圧力タービン30からの蒸気出口よりも高品質であり、したがって、タービン翼を迅速に劣化させないより良好な作動媒体を提供することができる。
【0033】
例示的な実施形態のシステム200におけるいくつかの弁は、特定のタービンにおける蒸気発生器100、凝縮、またはエネルギー抽出のための、再加熱のための蒸気の選択的な方向を可能にし得る。例えば、
図8に示すように、三方弁210は、高圧タービン20からの蒸気を中圧タービン30、入口113に導いて蒸気発生器100に流入させてもよく、凝縮器を介してシステムを出る、及び/又は凝縮後に水入口13に再循環させてもよい。同様に、蒸気発生器100への入口113上のマスタ弁231は、蒸気発生器100を通る任意の蒸気の再加熱を防ぐことができ、システム200はより少ないエネルギースループットを必要とする。このように、オペレータは、発電機100、中間圧力タービン30、及び/又は凝縮器を介して環境に向け直された蒸気のレベルを変化させることによって、タービン20、30及び40の各々の負荷並びに蒸気発生器100を瞬時に且つ可逆的に変化させることができる。そのような変更は、原子炉1または他の電源から出力される電力を変更することを必要とせず、制御システムまたはそのデューティ制限に対する要求をより少なくする。
【0034】
したがって、例示的な実施形態および方法が説明されるが、例示的な実施形態は、以下の特許請求の範囲内に依然として含まれながら、ルーチン実験を通じて変更および置換され得ることを、当業者に理解されよう。例えば、ナトリウム一次冷却材および水二次冷却材が記載されているが、他の冷却剤型および熱源は、単に例示的な実施形態の適切な材料選択および構成を通して使用することができ、特許請求の範囲に含まれる。そのような変形は、これらの特許請求の範囲から逸脱するものと見なされるべきではない。