(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】車両用のチェーンガイド及び張力付与装置
(51)【国際特許分類】
F16H 7/08 20060101AFI20230119BHJP
F16H 7/18 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F16H7/08 B
F16H7/18 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021014030
(22)【出願日】2021-01-30
【審査請求日】2021-02-16
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】アラン・エル・モスター
(72)【発明者】
【氏名】福山 敬之
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ケイ・ホワイト
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-97042(JP,A)
【文献】特表2017-525915(JP,A)
【文献】特開平2-11830(JP,A)
【文献】特開2003-329092(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0219190(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/08
F16H 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の従動チェーン(16)と係合するように構成されたチェーンガイド及び張力付与装置(10)であって、
平坦な係合面を有するガイド本体(12)と、
前記ガイド本体(12)を覆うガイド面(14)とを含み、前記ガイド面(14)は、内面(42)と、前記従動チェーン(16)を案内しそれに張力を与えるように構成された反対側の外面(44)とを規定し、前記ガイド面(14)は、少なくとも1つのチャネル(50)を画定するよう
に前記内面(42)から延びて前記ガイド本体(12)
の前記平坦な係合面と係合する複数のスペーサ(46)を含み、前記少なくとも1つのチャネル(50)は、前記従動チェーン(16)と前記ガイド面(14)の係合によって発生した熱及び摩擦を低減するために、前記ガイド本体(12)と前記ガイド面(14)との間の空気
流を促進し、及び/又は潤滑剤の循環を促進するように構成されている、チェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項2】
前記ガイド本体(12)がそれを貫いて延びる少なくとも1つの第1のアパーチャ(70)を含み、前記ガイド面(14)がそれを貫いて延びる少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)を含む、請求項1に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のアパーチャ(70)及び前記少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)が細長い開口部として構成される、請求項2に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項4】
前記ガイド本体(12)及び前記ガイド面(14)は、前記少なくとも1つの第1のアパーチャ(70)及び前記少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)が互いに連通し、潤滑剤が前記ガイド本体(12)を介して前記少なくとも1つのチャネル(50)に入ることを可能にし、前記従動チェーン(16)と前記ガイド面(14)の係合によって発生した熱及び摩擦を低減するように構成される、請求項2に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項5】
前記ガイド面(14)が、第1のチャネル(50i)をそれらの間に画定する第1のスペーサ(46i)及び第2のスペーサ(46ii)を含む、請求項1に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項6】
前記ガイド面(14)が、前記第2のスペーサ(46ii)と第2のチャネル(50ii)を画定する第3のスペーサ(46iii)をさらに含む、請求項5に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項7】
前記ガイド面(14)が反対の第1及び第2の端部(40i、40ii)を含み、それらの間に延びる長さ(Lii)を定め、各スペーサ(46)は、各スペーサ(46)が前記ガイド面(14)の前記長さ(Lii)全体に広がるように、前記ガイド面(14)の前記第1の端部(40i)と軸方向に整列された第1の端部(54i)と、前記ガイド面(14)の前記第2の端部(40ii)と軸方向に整列された反対側の第2の端部(54ii)とを含む、請求項5に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項8】
各スペーサ(46)が連続的な構成である、請求項7に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項9】
各スペーサ(46)が不連続的な構成であり、複数のギャップ(58)を間に画定するように互いに軸方向に離間された複数のスペーサセグメント(56)を含む、請求項7に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項10】
前記ガイド面(14)が反対の第1及び第2の端部(40i、40ii)を含み、それらの間に延びる長さ(Lii)を定め、各スペーサ(46)は、各スペーサ(46)が前記ガイド面(14)の前記長さ(Lii)の一部に広がるように、前記ガイド面(14)の前記第1の端部(40i)から軸方向に離間された第1の端部(54i)と、前記ガイド面(14)の前記第2の端部(40ii)から軸方向に離間された第2の端部(54ii)とを含む、請求項5に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項11】
各スペーサ(46)が連続的な構成である、請求項10に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項12】
各スペーサ(46)が不連続的な構成であり、複数のギャップ(58)を間に画定するように互いに軸方向に離間された複数のスペーサセグメント(56)を含む、請求項10に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項13】
前記複数のスペーサ(46)がさらに、
前記ガイド面(14)の前記内面(42)から延びて前記ガイド本体(12)と係合する第1のスペーサ(46i)と、
前記第1のスペーサ(46i)と概ね平行な関係で前記ガイド面(14)の前記内面(42)から延びて前記ガイド本体(12)と係合する第2のスペーサ(46ii)であって、前記第1のスペーサ(46i)及び前記第2のスペーサ(46ii)はそれらの間にチャネル(50)を画定し、前記チャネル(50)は、前記ガイド本体(12)及び前記ガイド面(14)の間の空気
流を促進し、及び/又は潤滑剤の循環を促進して、前記従動チェーン(16)と前記ガイド面(14)の係合によって発生した熱及び摩擦を低減するように構成される、第2のスペーサ(46ii)と、
前記ガイド面(14)を貫いて延び、前記チャネル(50)と位置合わせされている少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)であって、前記ガイド本体(12)を貫いて延びる少なくとも1つの第1のアパーチャ(70)と連通し、潤滑剤が前記ガイド本体(12)を介して前記チャネル(50)に入り前記少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)を介して前記ガイド面(14)の前記外面(44)まで伝わることを可能にし、前記従動チェーン(16)と前記ガイド面(14)の係合によって発生される熱及び摩擦をさらに低減する、少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)と
を含む、請求項1に記載のチェーンガイド及び張力付与装置(10)。
【請求項14】
第1の構成要素(12)及び前記第1の構成要素(12)によって受け入れられる第2の構成要素(14)を含むチェーンガイド及び張力付与装置(10)と、車両内の従動チェーン(16)との係合によって発生した熱及び摩擦を低減するための方法であって、
前記第2の構成要素(14)
の内部係合面から延びて前記第1の構成要素(12)
の係合面と係合する第1及び第2のスペーサ(46i、46ii)の間に画定されたチャネル(50)内に潤滑剤が受け入れられるように前記第1の構成要素(12)の少なくとも1つの第1のアパーチャ(70)を介して前記潤滑剤を伝達すること、及び
前記潤滑剤を前記第2の構成要素(14)の少なくとも1つの第2のアパーチャ(68)を介して伝達して前記従動チェーン(16)を冷却及び潤滑すること、
を含む方法。
【請求項15】
前記第1の構成要素(12)と前記第2の構成要素(14)の間で空気を循環すること、及び、前記第1のスペーサ(46i)と前記第2のスペーサ(46ii)の間に画定された前記チャネル(50)を介して空気
流を促進することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年2月3日に提出された係属中の米国特許出願第16/779,795号に付与された優先権を主張する。
【0002】
本開示は、チェーンガイド及び張力付与装置(例えば自動車エンジン用)に関し、特に、エンジンの従動チェーンとの係合によって発生する熱及び摩擦を低減するように構成されたチェーンガイド及び張力付与装置に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車エンジンは、車両を推進するのに必要なエネルギーを生み出す熱的及び化学的反応を伴う機械部品の複雑な相互作用を示す。自動車エンジン内の燃焼サイクルの間、エンジンブロックの各シリンダ内で燃焼サイクルが起こるとエンジンのカムシャフトとエンジンのクランクシャフトとの間に精密な相互作用が生じる。クランクシャフトとカムシャフトは、従動(タイミング)チェーンによって形成される接続を介して協調して作動する。
【0004】
タイミングチェーンはエンジンのクランクシャフトとエンジンのカムシャフトを接続し、回転エネルギーをクランクシャフトからカムシャフトへ伝達し、これによりエンジン内の吸気弁及び排気弁が開閉される。回転エネルギーを伝達するために、タイミングチェーンは、クランクシャフト及びカムシャフトの端部に取り付けられたギヤと係合し、そのサイズは、所定の比率に従ってカムシャフト及びクランクシャフトを作動する回転速度の低減をもたらす(例えばカムシャフトはクランクシャフトの2分の1の速度で回転し得る)。
【0005】
タイミングチェーンは、特定の割合でカムシャフトを回すことによってクランクシャフトの位置に関連して吸気弁及び排気弁が開放するときを制御する。正確に、弁が開閉するときは、クランクシャフトの位置に関連してカムシャフトの位置によって決定され、その同期はタイミングチェーンによって維持される。
【0006】
いくつかのタイミングチェーンはクランクシャフト及びカムシャフトのギヤに固定位置で取り付けられ、調整することはできない。タイミングチェーンが摩耗するにつれ、タイミングチェーンの弛みが増大し、エンジンのバルブタイミングを変える。これらのタイミングチェーンは過度な弛みが現れると交換しなければならない。他のタイミングチェーンは、チェーンが摩耗するにつれてタイミングチェーン内で一定の張力量を維持するテンショナを使用し、タイミングチェーンの弛みがエンジンのバルブタイミングに及ぼす影響を低減する。チェーンガイドがタイミングチェーンに隣接して取り付けられ、タイミングチェーンと係合することによってタイミングチェーンを案内しタイミングチェーンに張力を与える。
【0007】
タイミングチェーンの適切な張力を維持するために、手動及び自動両方のチェーンガイド及びテンショナが開発されてきた。手動チェーンガイド及びテンショナでは、チェーンガイドはタイミングチェーンの適切な張力量を提供するために手動で調整される。自動チェーンガイド及びテンショナでは、タイミングチェーンの張力を適切に調整するためにばね張力又は油圧を利用することができる。そのようなチェーンガイド及びテンショナは、タイミングチェーンと係合しタイミングチェーンを案内する自動調整可能なチェーンガイドを利用し得る。例えば、ピストンテンショナはばね荷重又は油圧制御式ピストンの使用を介してチェーンガイドを回動式に調整し得る。調整可能なチェーンガイドをタイミングチェーンに対して内側にタイミングチェーンの内側ループに向けて回動することによって、タイミングチェーンの張力を増大することができ、それによりタイミングチェーンの延長された使用により引き起こされる弛みを補償する。
【0008】
調整可能なチェーンガイド及びテンショナは、タイミングチェーンと係合しタイミングチェーンを案内するガイド面を含む。調整可能なチェーンガイド及びテンショナのガイド面は、様々な金属材料から予め作製される。しかしながら、そのような金属材料は、タイミングチェーンと係合するときに過剰量のノイズを生成し、タイミングチェーンを過度に摩耗する可能性がある。他の設計は、プラスチックなどの様々なポリマー材料から作製されたガイド面を利用し、それによりガイド面がタイミングチェーンと係合するときに生成されるノイズ及び摩擦の量を低減するようにする。しかしながら、そのようなポリマー材料は、ガイド面と係合するタイミングチェーンによって生成される高レベルの熱の影響を受けやすい可能性があり、そのような高レベルの熱はガイド面材料の溶融をもたらし得る。以前の設計は、ガイド面材料の溶融を防止するために耐高熱材料から作製されたガイド面を開発することによってこの問題を解決してきた。しかしながら、そのような耐高熱材料は高価であり、それによりそのようなガイド面の製造コストは増大する。調整可能なチェーンガイド及びテンショナのガイド面の以前の設計に関連する上記の問題は、産業環境において望ましくない。
【0009】
したがって、コスト及びノイズ、並びにタイミングチェーンと係合することによって生成される熱及び/又は摩擦をさらに低減するガイド面は望ましいだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様において、従動チェーン(例えば自動車エンジンの)と係合(接触)するように構成されたチェーンガイド及び張力付与装置が開示される。チェーンガイド及び張力付与装置は、平坦な係合面を有するガイド本体と、ガイド本体を覆うガイド面とを含む。ガイド面は内面と、従動チェーンを案内しそれに張力を与えるように構成された反対側の外面とを規定する。ガイド面は、前記内面から延びてガイド本体と係合(接触)し、少なくとも1つのチャネルを画定する複数のスペーサを含み、少なくとも1つのチャネルは、従動チェーンとガイド面の係合によって発生した熱及び摩擦を低減するためにガイド本体とガイド面との間の空気流を促進し、及び/又は潤滑剤の循環を促進するように構成されている。
【0011】
特定の実施形態において、ガイド本体はそれを貫いて延びる少なくとも1つの第1のアパーチャを含み得、ガイド面はそれを貫いて延びる少なくとも1つの第2のアパーチャを含み得る。
【0012】
特定の実施形態において、少なくとも1つの第1のアパーチャ及び少なくとも1つの第2のアパーチャは、細長い開口部として構成され得る。
【0013】
特定の実施形態において、ガイド本体及びガイド面は、少なくとも1つの第1のアパーチャ及び少なくとも1つの第2のアパーチャが互いに連通し、潤滑剤がガイド本体を介して少なくとも1つのチャネルに入ることを可能にし、従動チェーンとガイド面の係合によって発生した熱及び摩擦を低減するように構成され得る。
【0014】
特定の実施形態において、ガイド面は、第1のチャネルをそれらの間に画定する第1のスペーサ及び第2のスペーサを含み得る。
【0015】
特定の実施形態において、ガイド面は、第2のスペーサと第2のチャネルを画定する第3のスペーサをさらに含み得る。
【0016】
特定の実施形態において、ガイド面は反対の第1及び第2の端部を含み得、それらの間に延びる長さを定め得る。
【0017】
特定の実施形態において、各スペーサは、スペーサがガイド面の長さ全体に広がるように、ガイド面の第1の端部と軸方向に整列された第1の端部と、ガイド面の第2の端部と軸方向に整列された反対側の第2の端部とを含み得る。
【0018】
特定の実施形態において、各スペーサは、スペーサがガイド面の長さの一部にわたって広がるように、ガイド面の第1の端部から軸方向に離間された第1の端部と、ガイド面の第2の端部から軸方向に離間された第2の端部とを含み得る。
【0019】
特定の実施形態において、スペーサのそれぞれは連続的な構成であり得る。或いは、スペーサのそれぞれは不連続的な構成であり得、複数のギャップを間に画定するように互いに軸方向に離間された複数のスペーサセグメントを含み得ることが考えられる。
【0020】
本開示の別の態様において、少なくとも1つの第1のアパーチャが貫通して延びているガイド本体と、ガイド本体によって受け入れられるガイド面とを含む車両用のチェーンガイド及び張力付与装置が開示される。ガイド面は、車両の従動チェーンと係合(接触)するように構成された外面と、反対側の内面と規定する。ガイド面は、内面から延びてガイド本体と係合(接触)する第1のスペーサと;第1のスペーサと概ね平行な関係で内面から延びてガイド本体と係合し、その結果チャネルが第1のスペーサと第2のスペーサとの間に画定される第2のスペーサと;チャネルと位置合わせした状態でガイド面を貫いて延びる少なくとも1つの第2のアパーチャとを含む。チャネルは、従動チェーンとガイド面の係合によって発生した熱及び摩擦を低減するためにガイド本体とガイド面との間の空気流を促進し、及び/又は潤滑剤の循環を促進するように構成され、少なくとも1つの第2のアパーチャは、ガイド本体を貫いて延びる少なくとも1つの第2のアパーチャと連通し、潤滑剤がガイド本体を介してチャネルに入り少なくとも1つの第2のアパーチャを介してガイド面の外面まで伝わることを可能にし、従動チェーンとガイド面の係合によって発生した熱及び摩擦をさらに低減する。
【0021】
特定の実施形態において、ガイド面は反対の第1及び第2の端部を含み得、それらの間に延びる長さを定め得る。
【0022】
特定の実施形態において、各スペーサは、各スペーサがガイド面の長さ全体にわたって広がるように、ガイド面の第1の端部と軸方向に整列される第1の端部と、ガイド面の第2の端部と軸方向に整列される反対の第2の端部とを含み得る。
【0023】
特定の実施形態において、各スペーサは、各スペーサがガイド面の長さの一部にわたって広がるように、ガイド面の第1の端部から軸方向に離間された第1の端部と、ガイド面の第2の端部から軸方向に離間された第2の端部とを含み得る。
【0024】
特定の実施形態において、各スペーサは、不連続的な構成であり得、複数のギャップを間に画定するために互いに軸方向に離間された複数のスペーサセグメントを含み得る。
【0025】
本開示の別の態様において、第1の構成要素及び第1 の構成要素によって受け入れられる第2の構成要素を含むチェーンガイド及び張力付与装置と、車両内の従動チェーンとの係合によって発生した熱及び摩擦を低減するための方法が開示される。方法は、第2の構成要素の内部係合面から延びて第1の構成要素の係合面と係合する第1及び第2のスペーサの間に画定されたチャネル内に潤滑剤が受け入れられるように第1の構成要素の少なくとも1つの第1のアパーチャを介して潤滑剤を伝達すること、及び潤滑剤を第2の構成要素の少なくとも1つの第2のアパーチャを介して伝達して従動チェーンを冷却及び潤滑することを含む。
【0026】
特定の実施形態において、方法はさらに、第1の構成要素と第2 の構成要素の間で空気流を促進することを含み得る。
【0027】
特定の実施形態において、第1の構成要素と第2の構成要素の間で空気流を促進することは第1のスペーサと第2のスペーサの間に画定されたチャネルを介して空気流を促進することを含み得る。
【0028】
本明細書の記載は添付の図面を参照する。同様の参照番号はいくつかの図を通して同様の部品を指している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の原理によるガイド面及びガイド本体を含むチェーンガイド及び張力付与装置の正面図である。
【
図2】
図1でみられるチェーンガイド及び張力付与装置の斜視図である。
【
図3A】ガイド本体から分離されたガイド面の斜視図であり、ガイド面をガイド本体から分離し、それらの間にチャネルを画定する一対のスペーサを示している。
【
図3B】
図3Aの線3B-3Bに沿って取られたガイド面の断面図である。
【
図3C】
図3Aでみられるガイド面の代替実施形態の斜視図であり、2つのチャネルを間に画定する3つのスペーサを示している。
【
図3D】
図3Aでみられるガイド面の代替実施形態の斜視図であり、スペーサはガイド面の長さの一部のみに広がっている。
【
図3E】
図3Aでみられるガイド面の代替実施形態の斜視図であり、スペーサは不連続的な構成である。
【
図3F】
図3Eでみられるガイド面の代替実施形態の斜視図であり、スペーサはガイド面の長さの一部のみに広がっている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示はエンジン(例えば自動車エンジン)用のチェーンガイド及び張力付与装置の様々な実施形態及び実践形態を記載する。本明細書に記載のチェーンガイド及び張力付与装置は、ガイド本体と、ガイド本体によって支持されるガイド面とを含む。ガイド面は、エンジンの従動チェーン(又は他のそのような部材)(例えばタイミングチェーン)と係合(接触)するように構成された外面を画定し、ガイド本体及びガイド面の間に延びる1つ又は複数のチャネルを画定するようにガイド本体と係合(接触)するように延在する複数のスペーサ(例えばリブ)を含む。作動中、チャネルはガイド本体とガイド面の間の空気流を促進し、及び/又は潤滑剤の循環を促進し、従動チェーンとガイド面の係合によって生成される熱及び/又は摩擦を低減する。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、ガイド本体(第1の構成要素)12と、ガイド本体12に分離可能に接続される(且つそれによって受け入れられる)ガイド面(第2の構成要素)14とを含む装置10が示されている。装置10は、従動チェーン(部材)16(例えばエンジン(図示せず)のタイミングチェーン)を案内し且つそれに張力を与えるように構成される。従動チェーンはエンジンのカムシャフトとクランクシャフトを同期するために利用することができる。そのような使用を促すために、1つ又は複数のギヤ(スプロケット、又は他のそのような部材)18が、カムシャフトの端部に接続され、1つ又は複数のギヤ(スプロケット、又は他のそのような部材)20がクランクシャフトに接続される。より具体的には、示される構成では、ギヤ18は互いに概ね隣接した関係で位置付けられ、ギヤ20はギヤ18の下に位置付けられる。2つのギヤ18及び単一のギヤ20が示されているが、ギヤ18、20の特定の数及び/又は向きは本開示の範囲から逸脱することなく(例えばエンジンの種類、エンジンの意図する利用等に依存して)代替実施形態では変更できることを理解されたい。
【0032】
特定の実施形態では、装置10が回動軸22の周りで移動できるように、装置10をギヤ18、20の間でエンジンブロックなどの支持構造体(図示せず)に回動可能に取り付けることができることが考えられる。そのような実施形態では、手動又は自動であり得るテンショナ24を装置10に隣接して取り付けて、装置10を従動チェーン16に向けて、及び離れる方に変位(回動)し、従動チェーン16に与えられる張力の調整を促し、したがってカムシャフトとクランクシャフトの適切な同期を促すことができる。装置10は自動車用途において利用できることが考えられるが、装置10はそのような使用に限定されず、装置10はさらなるチェーン駆動式タイミングシステム、バランサードライブ、オイルポンプドライブ等に関連して利用できることを理解されたい。さらに、従動チェーン16は本明細書において車両のタイミングチェーンとして記載されているが、従動チェーン16の特定の構成及び/又は意図する使用は本開示の範囲から逸脱することなく代替実施形態において変更できることを理解されたい。例えば、従動チェーン16がベルト(又は他のそのような構造)を含み得る実施形態も本明細書において考えられる。
【0033】
同様に
図3A~
図5を参照すると、ガイド本体12及びガイド面14がさらに詳細に記載されている。それらの図を通して示されるものなどの特定の実施形態において、ガイド本体12は、実質的に円弧状(曲線状)の構成を含み得る。ガイド本体12はその反対端部26i、26ii間に延びる全長Li(
図4)を定め、平坦な曲線構成を有する(外側)係合面28を定める。ガイド本体12は、互いに概ね平行な関係で係合面28から外側に延びる一対の対向するガイド壁30を含み、それにより、以下でさらに詳述するように、従動チェーン16を適所に、ガイド面14と係合(接触)するように案内する。ガイド本体12はさらに、ガイド本体12の長さLiに概ね直交する関係で横方向に延びるアパーチャ32(
図2)を含む。アパーチャ32は、回動軸22周りのガイド本体12の回動運動を可能にする回動ピン(図示せず)を受け入れるように構成される。ガイド本体12が、例えばアルミニウム又はガラス繊維入りのポリマーなどの任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含み得る(例えばそれから部分的又は全体的に形成され得る)ことが考えられる。ガイド本体12の全体重量を低減するために、特定の実施形態において、キャビティ34(
図2)が製造中に形成され得る。
【0034】
ガイド本体12はさらに、以下でさらに詳述するように、ガイド面14のガイド本体12への接続を促すためにガイド係合面28を通って延びる1つ又は複数のアパーチャ(例えばスロット)を含む。示される実施形態において、例えば、ガイド本体12は、ガイド本体12の反対側に配置され、ガイド本体12の長さLiに沿って互いに軸方向に分離された一対のアパーチャ36、38(
図4)を含む。示される開示の特定の実施形態において、アパーチャ36、38は互いにサイズが異なる。しかしながら、アパーチャ36、38が同一であり得る実施形態は、本開示の範囲を超えないだろう。
【0035】
ガイド面14は、ガイド面14が係合面28を覆うようにガイド本体12によって受け入れられる。そのような位置決めを容易にするために、図全体に示されるような特定の実施形態では、ガイド面14は、ガイド本体12によって規定されるものに対応する実質的に円弧状(曲線状)の構成を含み得る。ガイド面14は、その反対端部40i、40ii間に延びる全長Lii(
図3A)を定め、反対側の内面及び外面42、44を定める。一連のスペーサ46が、ガイド面14の内面42からガイド本体12に向かって延びる。例えば、示される実施形態では、スペーサ46は、ガイド本体12の係合面28と係合(接触)するように延びるリブ48として構成される。スペーサ46は、それらの間に少なくとも1つのチャネル50を画定し、ガイド面14の内面42をガイド本体12の係合面28から分離して、ガイド面14とガイド本体12との間の空気流を促すだけでなく、それらの間の潤滑剤(例えば、スプラッシュオイル)の循環も促して、以下でさらに詳述するように、従動チェーン16とガイド面14との間の係合(接触)によって発生する熱及び/又は摩擦を低減する。
【0036】
各スペーサ46は、ガイド本体12の係合面28と係合(接触)するように構成された端面52(
図3B)を規定する。より具体的には、各スペーサ46の端面52は構成が概ね平坦であり、それによりガイド本体12に対してガイド面14を安定させ、それらの間の望ましくない相対運動(例えば、振動、がたつき、ぐらつき等)を(完全に防止しないとしても)抑制するようにする。
【0037】
示されている実施形態では、スペーサ46のそれぞれは実質的に約1mmから約5mm(例えば約2mmから約3mm)の範囲内の高さHを規定する。しかしながら、スペーサ46の高さHは、必要に応じて又は要望通りに(例えば、ガイド本体12及びガイド面14の構造に使用される特定の材料、エンジンの特定の用途等に依存して)ガイド本体12とガイド面14との間の空気流を促進し、及び/又は潤滑剤の循環を増減するために、本開示の範囲から逸脱することなく変更されてもよいことを理解されたい。
【0038】
示されている実施形態では、スペーサ46は概ね直線状の構成として示され、互いに、及びガイド本体12及びガイド面14のそれぞれの長さLi、Liiに概ね平行の関係で延びるものとして示されているが、本開示の代替実施形態では、スペーサ46の構成及び/又は向きは変更できることが考えられる。例えば、スペーサ46の構成が非直線状(例えば円弧状又は正弦曲線状)であり得る実施形態は、本開示の範囲を超えないだろう。さらに、2つのスペーサ46i、46iiがそれらの間に単一のチャネル50を画定するように示されているが、この特定数のスペーサ46及びチャネル50は本開示の範囲から逸脱することなく代替実施形態において変更できることを理解されたい。例えば、
図3Cは、ガイド面14が2つのチャネル50i、50iiを間に画定する3つのスペーサ46i、46ii、46iiiを含む本開示の実施形態を示している。より多くの数のスペーサ46及びチャネル50(例えば3つのチャネル50を間に画定する4つのスペーサ46)を含むさらなる実施形態も本明細書において考えられる。
【0039】
示されている実施形態では、スペーサ46は、ガイド面14のそれぞれの端部40i、40iiと軸方向に整列される(例えばそれに概ね隣接して配置される)反対端部54i、54ii(
図3A)を含むものとして示され、それによりスペーサ46はガイド面14の全長Liiにわたって広がる。しかしながら、本開示の代替実施形態では、スペーサ46はガイド面14の長さLiiの一部のみに広がり得ることも考えられる。例えば、
図3Dでみられるように、スペーサ46i、46iiの端部54i、54iiはそれぞれガイド面14の端部40i、40iiから軸方向内側に離間され得る。
【0040】
さらに、連続した構成で示されているが、スペーサ46のそれぞれは本開示の代替実施形態では不連続的な(中断した)構成を含み得ることも考えられる。例えば、
図3Eでみられるように、スペーサ46は、それぞれギャップ58を間に画定するように互いに軸方向に離間された一連の離散したスペーサセグメント56を含み得る。スペーサセグメント56間のギャップ58はガイド本体12とガイド面14との間の(例えばガイド本体12及びガイド面14のそれぞれの長さLi(
図4)及びLii(
図3A)に対するある角度での)空気及び/又は潤滑剤の横方向の(例えば直交する)連通を促し得ることが考えられる。そのような実施形態では、スペーサ46は
図3Eでみられるようにガイド面14の全長Liiにわたって広がり得ること、又はスペーサ46は
図3Fでみられるようにガイド面14の長さLiiの一部のみに広がり得ることが考えられる。
【0041】
図3Aでみられるように、ガイド面14はさらに、ガイド本体12のアパーチャ36、38(
図4)に挿入するように構成された一対のラッチ部材60、62(例えば歯、フック等)を含む。したがって、示される実施形態では、ガイド面14は、ガイド面14の反対側に配置され且つガイド面14の長さLiiに沿って互いに軸方向に離間される一対のラッチ部材60、62を含む。ラッチ部材60、62はガイド面14に固定式に接続され、示される実施形態では、それと一体的に形成され、その結果、ラッチ部材60、62は内面42から延びる。示されている本開示の特定の実施形態において、ラッチ部材60、62は、ガイド本体12のアパーチャ36、38の寸法と対応して互いにサイズが異なる。しかしながら、ラッチ部材60、62が同一であり得る実施形態は、本開示の範囲を超えないだろう。
【0042】
ガイド面14の端部40iiは概ねU字形(フック状)の構成を備える。より具体的には、ガイド面14の端部40iiは、ガイド本体12とガイド面14の接続を促すためにガイド本体12の端部26iiを受け入れるように構成された受け入れスペース64(
図3A)を画定する。ガイド面14をガイド本体12に接続するために、ガイド本体12の端部26iiは、ガイド面14の端部40iiで受け入れスペース64に挿入され、ラッチ部材60、62は、それぞれ、ガイド本体12に形成されたアパーチャ36、38に挿入される。ラッチ部材60、62は、ガイド面14をガイド本体12に取り外し可能に固定するためにアパーチャ36、38内の相補的部材(図示せず)と係合する。
【0043】
ガイド面14の外面44は従動チェーン16への張力の付与を促すために従動チェーン16と係合(接触)するように構成されている。より具体的には、外面44は、ガイド本体12の係合面28及びガイド面14の内面42と実施的に平行な関係で延びる平坦な曲線構成を含む。ガイド面14はさらに、互いに、及びガイド面14の長さLiiと概ね平行な関係で延びる一対の対向する側壁66を含む。示される実施形態では、側壁66は、ガイド面14の外面44に一体的に接続され、そこから外方に延び、従動チェーン16を適所へ案内するのを助ける。外面44と従動チェーン16の間の係合(接触)により発生するノイズ及び摩擦を低減するために、ガイド面14は、例えばポリマー材料、1種又は複数種のプラスチック、その他など、軽量の高強度材料を含み得る(例えばそれから部分的又は全体的に形成され得る)。
【0044】
ガイド面14は、それを貫いて延びる1つ又は複数のアパーチャを含む。例えば、示される実施形態では、ガイド面14は、ガイド面14を貫いて延びる一対のアパーチャ68(
図3A)を含む。ガイド面14のアパーチャ68は、ガイド本体12を貫いて延びる1つ又は複数の対応するアパーチャ70(
図4、
図5)と連通する。より具体的には、アパーチャ68、70は、互いに、及びスペーサ46によって画定されたチャネル50と整列して配置され、それぞれ、ガイド面14及びガイド本体12を貫いて延びる導管を提供し、それにより、ガイド本体12を介してガイド面14の外面44へ至る、したがって従動チェーン16へ至る潤滑剤の連通を促す。しかしながら、アパーチャ68、70が正しく整列されていない実施形態(例えば、アパーチャ68、70が横方向に及び/又は軸方向に互いに離間されている実施形態)も本明細書において考えられる。アパーチャ68、70のそれぞれは、示される実施形態においては細長い概ね矩形の開口部(スロット)として構成されているものとして示されているが、アパーチャ68及び/又はアパーチャ70の代替構成が本明細書において考えられ、同じく本開示の範囲内にあるだろう。
【0045】
装置10の使用中、潤滑剤は潤滑剤源からガイド本体12のアパーチャ70に供給され、その結果、潤滑剤はアパーチャ70を介してスペーサ46によって画定されたチャネル50に入り、最終的にアパーチャ68を介してガイド面14の外面44に伝達され、それによりガイド面14及び従動チェーン16を冷却し潤滑する。示される実施形態では、例えば、潤滑剤はピストンテンショナ24によって供給される。ピストンテンショナ24はガイド本体12の内面(下側)72(
図5)に隣接して取り付けられ、その結果、ピストンテンショナ24のピストン(図示せず)はアパーチャ70の1つに隣接して(例えばそれの隣に)配置される。ピストンはその端部に形成されたアパーチャ(図示せず)を含み、ピストンテンショナ24は潤滑剤ポンプ(図示せず)によって潤滑剤で満たされ、その結果、潤滑剤は前述のようにピストンを通ってアパーチャ70へ入り、チャネル50に入り、アパーチャ68を通ってガイド面14の外面44まで移動する。しかしながら、本開示は、潤滑剤がピストンテンショナ24によって供給される使用に限定されず、潤滑剤の源は、エンジンの任意の適切な構造又は機構であってよく、例えば、潤滑剤を装置10に供給するように構成された取り付けボス(図示せず)、又は潤滑剤をエンジンのシリンダヘッド(図示せず)から向け直すための手段などであってよいことを理解されたい。
【0046】
ガイド本体12及びガイド面14は装置10の別個の構成要素として本明細書で記載されているが、ガイド本体12及びガイド面14が単一の一体型本体として一体的に(例えばモノリシックに)形成され得る実施形態も想定される。そのような実施形態では、潤滑剤を受け入れてガイド面14を冷却するために、一体化されたガイド本体12及びガイド面14の全体を通って延びる潤滑剤の流路を形成することができる。さらに、その任意の実施形態において、潤滑剤スプラッシュ冷却がガイド面14とガイド本体12の間で生じることを可能にするために、冷却フィン(図示せず)がガイド面14に含まれてもよいことが想定される。
【0047】
作動中、装置10は
図1に示されるように従動チェーン16を案内しそれに張力を提供するようにエンジンに取り付けることができる。そのように取り付けられると、ピストンテンショナ24はガイド本体12と係合し、それにより装置10を従動チェーン16に向かって回動し従動チェーン16への適切な張力の付与を促す。示される実施形態では、ピストンテンショナ24はまた、潤滑剤をガイド本体12のアパーチャ70に分配及び提供し、その結果、潤滑剤はアパーチャ70を介して、スペーサ46の間に画定されたチャネル50に入り、ガイド面14のアパーチャ68を介してガイド面14の外面44及び従動チェーン16まで伝達可能である。潤滑剤は従動チェーン16とガイド面14の外面44との間に適切な潤滑を提供するだけでなく、上で考察したように、従動チェーン16とガイド面14の間の係合(接触)を介して発生する熱及び/又は摩擦を低減し、これはガイド面14の構成においてより安価なポリマー材料の使用を可能にし得る。
【0048】
ピストンテンショナ24によって提供される潤滑剤は、エンジンの作動中、スプラッシュ効果によって補うことができる(例えば、スプロケットの方に向けられた潤滑剤ジェット、車両の潤滑剤ポンプ及び/又は潤滑剤溜め等から装置10に間接的に伝達される潤滑剤)。追加のスプラッシュ潤滑剤は、循環させることができる、又は別の方法で、スペーサ46によって画定されたチャネル50によってガイド本体12とガイド面14との間に保持及び/又は分配することができ、それにより従動チェーン16とガイド面14との間の係合(接触)によって発生する熱及び/又は摩擦をさらに低減するようにする。熱の散逸はさらに、スペーサ46によって画定されたチャネル50を介したガイド本体12とガイド面14との間の周囲空気流の促進を介して増強することができる。
【0049】
当業者は、本明細書に記載され、添付の図に示される本開示の様々な実施形態が非限定的な例を構成すること、及び本開示の範囲から逸脱することなく追加の構成要素及び特徴が本明細書で考察された実施形態のいずれかに追加できることを理解するであろう。さらに、当業者は、一実施形態に関連して示された又は記載された要素及び特徴が、本開示の範囲から逸脱することなく別の実施形態のものと組み合わせることができることを理解するであろうし、また当業者は、提供された記載に基づいて本開示の主題のさらなる特徴及び利点を理解するであろう。当業者の能力の範囲内である、本明細書に記載の実施形態及び/又は実施形態の特徴のいずれかに対する変形、組み合わせ、及び/又は修正もまた、本開示の範囲内にあり、開示された実施形態のいずれかから特徴を組み合わせ、統合し、及び/又は省略した結果として生じ得る代替実施形態も同様である。
【0050】
特許請求の範囲の任意の要素に関する「任意選択的に」という用語の使用は、要素が含まれても省略されてもよく、両方の選択肢が請求項の範囲内にあることを意味する。さらに、「備える」、「含む」、及び「有する」などのより広い用語の使用は、「からなる」、「本質的にからなる」、「及び実質的にからなる」などのより狭い用語に対するサポートを提供するように理解されるべきである。したがって、保護の範囲は、上記の記載によって制限されるのではなく、以下の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の主題のすべての均等物を含む。
【0051】
前述の記載において、添付の図面に示されている様々な構造間の空間的関係、及び構造の空間的な向きに対する言及がなされる場合がある。しかしながら、本開示を完全に読んだ後に当業者によって認識されるように、本明細書に記載の構造は、それらの意図された目的に適した任意の方法で配置及び向けることができる。したがって、「上」、「下」、「より上」、「より下」、「内側」、「外側」、「左」、「右」、「上向き」、「下向き」、「内向き」、「外向き」などの用語の使用は、構造間の相対的な関係及び/又は構造の空間的な向きを記載するように理解されるべきである。当業者はまた、そのような用語の使用が、対応する図によって提供される絵との関連において提供され得ることを認識するであろう。
【0052】
さらに、「約」、「概ね」、「実質的に」及びそれらに類する用語などの用語は、それらが関連する任意の数値範囲又は概念の変化を許容するように理解されるべきである。例えば、「約」や「概ね」などの用語の使用は、25%程度の変動を含むように、又は製造公差及び/又は設計上の逸脱を許容するように理解されるべきであることが意図される。
【0053】
「第1」、「第2」などの用語が、本明細書中、様々な動作、要素、構成要素、領域、及び/又はセクションを記載するために使用され得るが、これらの動作、要素、構成要素、領域、及び/又はセクションは、これらの用語が、ある動作、要素、構成要素、領域、又はセクションを別の動作、要素、構成要素、領域、又はセクションと区別するために使用されるため、これらの用語の使用によって制限されるべきではない。したがって、特に明記しない限り、第1の動作、要素、構成要素、領域、又はセクションは、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の動作、要素、構成要素、領域、又はセクションと呼ぶことができる。
【0054】
すべての請求項は、さらなる開示として明細書に組み込まれ、本開示の実施形態を表す。また、「A、B、及びCの少なくとも1つ」及び「A及び/又はB及び/又はC」という句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はA、B及びCの任意の組み合わせを含むと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0055】
10 チェーンガイド及び張力付与装置
12 ガイド本体
14 ガイド面
16 従動チェーン
20 ギヤ
22 回動軸
24 ピストンテンショナ
26i 反対端部
26ii 反対端部
28 係合面
30 ガイド壁
32 アパーチャ
34 キャビティ
36 アパーチャ
38 アパーチャ
40i 第1の端部
40ii 第2の端部
42 内面
44 外面
46 スペーサ
46i スペーサ
46ii スペーサ
46iii スペーサ
48 リブ
50 チャネル
50i 第1のチャネル
50ii 第2のチャネル
52 端面
54i 反対端部
54ii 反対端部
56 スペーサセグメント
58 ギャップ
60 ラッチ部材
62 ラッチ部材
64 受け入れスペース
66 側壁
68 アパーチャ
70 アパーチャ
72 内面
H 高さ
Li 全長