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特許7213354電源回路及び該電源回路を備えた光起電力発電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】電源回路及び該電源回路を備えた光起電力発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/538 20070101AFI20230119BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230119BHJP
   H02S 40/32 20140101ALI20230119BHJP
【FI】
H02M7/538
H02M7/48 P
H02S40/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021531733
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2019119639
(87)【国際公開番号】W WO2020119408
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201811533242.1
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513236840
【氏名又は名称】▲広▼州金▲昇▼▲陽▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王保均
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107086601(CN,A)
【文献】特表2014-509180(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109742789(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/538
H02M 7/48
H02S 40/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力発電システムに適用される電源回路であって、
スイッチK1と、電流制限デバイスと、コンデンサC1と、スイッチK2と、CCFL変換回路と、を備え、
前記スイッチK1の一端は前記電源回路の正の入力端であり、前記スイッチK1の他端は前記電流制限デバイスの一端に接続し、前記電流制限デバイスの他端は前記コンデンサC1の一端と前記スイッチK2の一端と、に同時に接続し、前記コンデンサC1の他端は前記電源回路の負の入力端であり、前記CCFL変換回路の正の入力端は前記スイッチK2の他端に接続され、前記CCFL変換回路の負の入力端は前記電源回路の負の入力端に接続され、前記CCFL変換回路の第1の出力端は前記電源回路の第1の出力端であり、前記CCFL変換回路の第2の出力端は前記電源回路の第2の出力端であり、
光起電力ストリングのホットエンドは、前記電源回路の前記第1の出力端に電気的に接続され、前記光起電力ストリングの接地端は、前記電源回路の前記第2の出力端に電気的に接続され、
前記光起電力ストリングがアクティブ化されると、最初に前記スイッチK1は閉じられて、前記コンデンサC1を充電し、次に前記スイッチK1を切り、そして前記スイッチK2を閉じて、前記コンデンサC1が前記CCFL変換回路に動作電圧を提供するために使用される、ことを特徴とする電源回路。
【請求項2】
前記電流制限デバイスは、インダクタまたは抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記コンデンサC1は、スーパーキャパシタまたは電解コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項4】
前記CCFL変換回路は、外部駆動式であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項5】
前記CCFL変換回路は、少なくとも始動回路と、インダクタL2と、コンデンサC3と、トライオードTR1と、トライオードTR2と、トランスBと、一次巻線NP1及びNP2と、フィードバック巻線NB1及びNB2と、二次巻線NS1と、を備え、
前記始動回路は少なくとも両端、即ち始動入力端と始動出力端とを備え、
前記始動入力端は前記スイッチK2の他端に接続され、前記始動出力端は前記フィードバック巻線NB1と前記フィードバック巻線NB2の中心タップに接続され、
前記トライオードTR1のエミッタと前記トライオードTR2のエミッタはそれぞれ前記コンデンサC1の他端に接続され、前記トライオードTR1のコレクタと前記トライオードTR2のコレクタは前記一次巻線NP1とNP2の両端子に対応して接続され、前記トライオードTR1のコレクタと前記トライオードTR2のコレクタは前記コンデンサC3の両端に対応して接続され、前記トライオードTR1のベースと前記トライオードTR2のベースは前記フィードバック巻線NB1とNB2の両端子に対応して接続され、
前記一次巻線NP1とNP2の中心タップは前記インダクタL2を介して前記スイッチK2の他端に接続され、
前記二次巻線NS1の一端は前記CCFL変換回路の第一の出力端であり、前記二次巻線NS1の他端は前記CCFL変換回路の第2の出力端である
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項6】
前記始動回路が電流供給デバイスを備え、前記電流供給デバイスが抵抗または定電流源デバイスであることを特徴とする請求項5に記載の電源回路。
【請求項7】
前記始動回路がコンデンサC2をさらに備え、前記コンデンサC2が前記電流供給デバイスと並列に接続されるか、または前記コンデンサC2が前記始動出力端と前記コンデンサC1の他端に接続されることを特徴とする請求項6に記載の電源回路。
【請求項8】
光起電力ストリングを備える光起電力発電システムであって、
請求項1~7のいずれか一項に記載の前記電源回路と、をさらに備え、前記光起電力ストリングのホットエンドが前記電源回路の前記第1の出力端と電気的に接続され、前記光起電力ストリングの接地端が前記電源回路の前記第2の出力端に電気的に接続されていることを特徴とする光起電力発電システム。
【請求項9】
直流電源をさらに備え、前記直流電源は、前記電源回路の出力端と直列に接続され、直列接続方法は、次の2つのいずれかであり、
(1)前記直流電源の負極は前記電源回路の前記第2の出力端に電気的に接続され、前記電源回路の前記第1の出力端は前記光起電力ストリングの正極に電気的に接続され、前記光起電力ストリングの負極は前記直流電源の正極に電気的に接続され、
(2)前記直流電源の負極は前記光起電力ストリングの正極に電気的に接続され、前記光起電力ストリングの負極は前記電源回路の前記第2の出力端に電気的に接続され、前記電源回路の前記第1の出力端は前記直流電源の正極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の光起電力発電システム。
【請求項10】
前記CCFL変換回路によって出力される高周波交流のピーク値は、前記アクティブ化された光起電力ストリングの回路電圧よりも小さいことを特徴とする請求項8または9に記載の光起電力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力発電システムに使用される電源回路、特に、老朽化した光起電力ストリングをアクティブ化させるための電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
化学石油エネルギーの枯渇とそれがもたらす環境汚染の予想に伴って、再生可能クリーンエネルギーの研究と応用は世界中の国々から高く評価されており、その中でも風力と光起電力発電の技術が盛んに研究されている。光起電力発電は太陽光発電の略称である。中国の光起電力発電の開発と研究は20世紀の1970年代に始まり、1990年代には安定した発展を遂げました。21世紀は太陽光の起電力発電の研究に力が注がれている。2000年に、中国の光起電力発電技術が大規模なグリッド接続発電の段階に入った。
【0003】
光起電力発電の分野では、2005年に、米国のサンパワー社(SunPower)がPID効果を初めて発見・提唱した。英語でのPIDの正式名称はPotential Induced Degradation、即ち、潜在的な減衰である。サンパワー社がPID効果を発見したとき、光起電力発電モジュールを直列に接続して、より高いシステム電圧(米国では600V、ヨーロッパでは1000V)を形成できることを提案した。部品は高電圧で長時間動作すると、カバーガラス、封止材、フレームの間にリーク電流が発生する。電池セル表面に大量の電荷が蓄積され、電池セル表面のパッシベーション効果が劣化し、バッキングファクター(FF)、短絡電流(Isc)、及び開路電圧(Voc)を低下することによって、部品の性能が設計基準よりも低くなる。サンパワー社はこの現象を表面分極効果と呼んでいるが、この減衰は可逆的なものである。それ以来、光起電力発電業界のエンジニアや技術者は、PIDの研究と議論に注目するようになった。
【0004】
2012年以降、光起電力発電所ではPIDによる部品の品質問題が頻発しており、PID現象に注目が集まっています。同年12月には、米国の独立系光起電力発電部品試験所であるPV Evolution Labs(PVEL)が中心となり、国際的な一次部品メーカー5社に対してPID試験を実施した。上記の企業には、中国のインリー・グリーンエナジー社、JAソーラー社、トリナ・ソーラー社、日本の京セラ社、ドイツのソーラーワールド社が含まれる。
【0005】
それ以来、ますます多くの光起電力発電部品メーカーがPIDを重視するようになった。 2015年の第2四半期の時点で、パナソニック、カナディアン・ソーラー、ジンネン、ルネサス、ハンファ、チョンシェンオプトエレクトロニクスなど、中国や外国の主流の光起電力発電メーカーは、自社のコンポーネントが第三者メーカーのPIDテストに合格したと発表した。
【0006】
第三者試験機関の紹介によると、PIDとは、太陽電池部品が地面と高強度の負電圧を形成する場合、その結果として生じる電位差が太陽電池セルまたはモジュールに損傷を与えるだけでなく、発電効率低下の問題を引き起こすことを意味する。
【0007】
PIDは、システム全体の発電能力や総出力に影響を与える可能性があり、深刻な場合には、光起電力発電所の投資利回りを直接低下させることになり、近年、海外のバイヤーが国産部品の品質に不満を抱く問題の1つになっている。
【0008】
PID効果を緩和または回避するための従来技術の方法は、主に以下の通りである。
【0009】
1.コンポーネントの接地
コンポーネントに負のバイアスをかけると(電池セル電圧がフレームに対して負になる)、上記の蓄積された負の電荷が地面に放電され、電池セルの性能を回復することができる。これは、電池セル性能が回復できるという分極効果である。
上記の分析に基づいて、コンポーネントを直列に接続して使用する場合の分極効果を回避するために、サンパワー社は、N型前面太陽電池のコンポーネントは正極の接地を採用し、P型前面電池のコンポーネントは負極の接地を採用することを提案している。
【0010】
2. コンポーネントの絶縁・防水性能を高め、リーク電流を低減する
例えば、安定性がより高いパッケージ材料を使用し、金属フレームを採用しないと、電池セルのボディ抵抗を高め、パッシベーション膜の厚さや特性を向上させ、デバイス内にバリア層を設けるなどが挙げられる。
【0011】
3.イオン発生源をなくす
石英ガラス、低ナトリウムガラスなどを採用する。
【0012】
4.ストリング電圧を低下する
小規模プロジェクトでは、マイクロインバーターを使用して、ストリング電圧を低下することを検討できる。これは、テスラ会社が家族単位のマイクログリッド光起電力発電システムを提唱する理由でもある。
【0013】
また、公開番号CN107086601Aの中国特許出願は、光起電力発電システム及び電圧補償方法を開示している。当該特許出願は、電圧補償装置によって出力されたパルス電圧を使用して、光起電力発電ストリングに電圧を補償することで、PID効果による弊害を解消している。しかし、電圧補償装置の具体的な実装方法はなく、電圧補償装置の機能としてパルス電圧を出力することが提案されているだけである。具体的な実施形態で与えられるパルス電圧には、方形波、三角波、台形波の3つの形式が含まれ、CN107086601A中の図5Aは本質的にその図5Cと同じである。その理由は、図5Aでは、t1とt2がそれぞれ立ち上がりエッジと立ち下がりエッジであり、理想的な状態を実現することは不可能であるからである。立ち上がりと立ち下がりの両方が短時間存在し、それは、図5Cに示す小さな波形となる。こうように3種類のパルス電圧ΔU/Δtは大きく変化すると、光起電力ストリングの剥離やクラックの原因となり、耐用年数が短くなってしまう。また、パルス電圧は光起電力ストリングに直接作用し、光起電力ストリングは電磁のシールドを達成する実現することは難しいため、電磁波による環境への影響は大きい。周知のように、図5Aに示すように、多くの高調波が存在する。光起電力発電設備は、ほとんどが無人の地域に設置されているが、電磁放射は非常に大きく、大気中の電離層の反射によって、依然として大きな電磁環境汚染が発生しているのである。その上、この3つの波形を得るためのコストも低くはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以上に基づいて、本発明によって解決されるべき技術的課題は、電源回路および当該電源回路を含む光起電力発電システムを提供することである。電源回路の出力電圧のΔU / Δt変化が小さいため、当該電源回路を利用した光起電力発電システムが環境にやさしく、汚染が少ない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の技術的問題を解決するために、本発明によって提供される技術的解決策は以下の通りである。
【0016】
光起電力発電システムに適用される電源回路であって、
スイッチK1と、電流制限デバイスと、コンデンサC1と、スイッチK2と、CCFL変換回路と、を備える。スイッチK1の一端は電源回路の正の入力端であり、スイッチK1の他端は電流制限デバイスの一端に接続され、電流制限デバイスの他端が同時にコンデンサC1の一端とスイッチK2の一端に接続され、コンデンサC1の他端は電源回路の負の入力端であり、 CCFL変換回路の正の入力端はスイッチK2の他端に接続され、CCFL変換回路の負の入力端は電源回路の負の入力端に接続され、CCFL変換回路の第1の出力端は電源回路の第1の出力端であり、CCFL変換回路の第2の出力端は電源回路の第2の出力端である。
光起電力発電ストリングがアクティブ化(起動)されると、スイッチK1はスイッチK2より先に切り、コンデンサC1はCCFL変換回路に動作電圧を提供するために使用される。
【0017】
電流制限デバイスの具体的な実施形態として、電流制限デバイスがインダクタまたは抵抗であることを特徴とする。
【0018】
好ましくは、コンデンサC1は、スーパーキャパシタまたは電解コンデンサである。
【0019】
好ましくは、CCFL変換回路が外部駆動式である。
【0020】
CCFL変換回路の具体的な実施形態として、CCFL変換回路は、少なくとも始動回路と、インダクタL2と、コンデンサC3と、トライオードTR1と、トライオードTR2と、トランスBと、一次巻線 NP1と及びNP2と、フィードバック巻線 NB1及びフィードバック巻線NB2と、二次巻線 NS1を備え、始動回路は少なくとも両端、即ち始動入力端と始動出力端とを備える。始動入力端はスイッチK2の他端に接続され、始動出力端はフィードバック巻線NB1及びフィードバック巻線NB2の中心タップに接続される。トライオードTR1のエミッタとトライオードTR2のエミッタは、それぞれコンデンサC1の他端に接続され、トライオードTR1のコレクタとトライオードTR2のコレクタは、一次巻線NP1とNP2の両端子に対応して接続され、トライオードTR1のコレクタとトライオードTR2のコレクタはまた、コンデンサC3の両端に対応して接続され、トライオードTR1のベースとトライオードTR2のベースは、フィードバック巻線NB1とNB2の両端子に対応して接続されている。そして、一次巻線NP1とNP2の中心タップは、インダクタL2を介してスイッチK2の他端に接続されている。二次巻線NS1の一端はCCFL変換回路の第1の出力端であり、二次巻線NS1の他端はCCFL変換回路の第2の出力端である。
【0021】
好ましくは、始動回路は電流供給デバイスを備え、電流供給デバイスは抵抗または定電流源デバイスである。
【0022】
さらに、始動回路は、コンデンサC2をさらに備え、コンデンサC2は電流供給デバイスと並列に接続されるか、またはコンデンサC2は始動出力端とコンデンサC1の他端に接続されている。
【0023】
それに対応して、本発明はまた、光起電力発電システムを提供し、技術的解決策は以下の通りである。
【0024】
光起電力発電ストリングを備える光起電力発電システムであり、光起電力発電システムは、請求項1から7のいずれか一項に記載の電源回路をさらに備え、光起電力発電ストリングのホットエンドが電源回路の第1の出力端に電気的に接続され、光起電力発電ストリングの接地端が電源回路の第2の出力端に電気的に接続されている。
【0025】
さらに、上記光起電力発電システムは直流電源をさらに備え、直流電源は前記電源回路の出力端と直列に接続され、直列接続方式は以下のいずれか一つである。
【0026】
(1)直流電源の負極は電源回路の第2の出力端に電気的に接続され、電源回路の第1の出力端は光起電力発電ストリングの正極に電気的に接続され、光起電力発電ストリングの負極は直流電源の正極に電気的に接続されている。
【0027】
(2)直流電源の負極は光起電力発電ストリングの正極に電気的に接続され、光起電力発電ストリングの負極は電源回路の第2の出力端に電気的に接続され、電源回路の第1の出力端は直流電源の正極に電気的に接続されている。
【0028】
好ましくは、CCFL変換回路によって出力される高周波交流のピーク値は、アクティブ化された光起電力ストリングの開路電圧よりも小さい。
【0029】
本発明に含まれる専門用語については、本発明および先行技術は複数の名称を有する場合がある。以下の記事の専門用語は同じ意味を持ち、各記事に記載されている内容は網羅的ではない。
【0030】
(1)ソーラーパネル:多くの文献は、複数の単一のソーラーパネルを並列または直列に接続した後に、これらは、ソーラーパネル、光起電力発電ストリング、または光起電力発電パネルグループとも呼ばれる。
【0031】
(2)光起電力発電ストリングのホットエンドは、さまざまなメーカーの好みが異なるため、光起電力発電ストリングの正極を接地するもの、光起電力発電ストリングの負極を接地するものがあり、ホットエンドは接地していない一端を指し、接地されていないため、人体に電気ショックを与えやすいので、ホットエンドと呼ばれる。通常、ソーラーパネルがアクティブ化する必要のある一端であり、光起電力発電ストリングの正極または負極である。
【0032】
(3)光起電力ストリングの接地端及び光起電力ストリングの接地金属フレームは、上記のように、光起電力ストリングの負極または正極であることができる。
【0033】
(4)コレクタ共振型ロイヤー(Royer)回路、または「CCFLインバータ」(CCFL inverter)であるため、CCFLインバータ、CCFLコンバータ、及びCCFL変換回路とも呼ばれる。CCFLは「冷陰極蛍光灯」(Cold cathode fluorescent lamps)の略で、もともと冷陰極蛍光灯を指し、白色LEDが登場する前は、主に液晶ディスプレイのバックライトとして使用され、以前の液晶ディスプレイは主にノートブックコンピュータで使用されていたため、バックライトはすべて直流で電源が供給される。ロイヤー回路の変形が出て、直流を純粋な交流に変え、冷陰極蛍光ランプを駆動する。従来のロイヤー回路は、磁気コアの飽和特性を使用して発振し、出力は方形波である。詳細な説明については、中国出願番号201110436259.7の特許文献を参照する。CCFL特性変換回路の特徴は、次の通りである。ロイヤー回路へのプッシュプルトランスの一次巻線の中間タップと電源端の間にインダクタを直列に接続され、当該インダクタは、業界では一般に減衰インダクタンスLLC(本発明の図1中のインダクタンスL2に対応)と呼ばれる。このインダクタンス量は一般に一次巻線のインダクタンスの10倍以上である。同時に、プッシュプルトライオードの2つのコレクタの間にコンデンサCL(本発明の図1中のコンデンサC3に対応)が並列に接続され、当該コンデンサとプッシュプルトランスとを既知のLC発振回路に形成され、コンデンサがCLであり、Lがプッシュプルトランスの一次巻線の総インダクタンスである。プッシュプルトランスの総インダクタンスは、一次巻線1または2のインダクタンス量の4倍である。出力は、正弦波または近似正弦波である。方形波を出力すると、高調波成分が多く、環境への電磁汚染が発生する。CCFL変換回路は、中国の出願番号201110242377.4の特許文献に記載されており、当該文献の図3及び対応する背景技術にも詳細な説明がある。
【0034】
以下の専門用語について、本発明で表現される意味は次のとおりである。
【0035】
(1)プッシュプルトライオードは、ロイヤー回路とCCFL変換回路の自励発振を実現し、安定して動作する2つのトライオードであり、一般にペアトライオードとも呼ばれ、プッシュプルトライオードとも呼ばれ、通常はバイポーラ半導体である。単極性電界効果トライオードにすることもできる。
【0036】
(2)始動回路は、CCFL変換回路のプッシュプルトライオードまたは電界効果トライオードに始動電流または電圧を供給して、CCFL変換回路のファストスタートまたはソフトスタートを実現する回路である。
【0037】
本発明の動作原理は、具体的な実施形態で分析され、ここでは繰り返されない。
【発明の効果】
【0038】
本発明の電源回路の有益な効果は次のとおりである。
【0039】
(1)電源回路から出力される電圧波形ΔU/Δtが小さいため、電源回路を使用した光発起電力電システムの光起電力発電ストリングの寿命が長くなり、環境への放射が少なくなる。
【0040】
(2)回路は簡単に実施でき、低コスト、高信頼性、低エネルギー消費を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電源回路の原理図である。
図2】本発明の第1の実施形態の電源回路において、CCFL変換回路によって、単独で動作する場合に出力される電圧波形の図である。
図3】本発明の第1の実施形態において、コンデンサC1の両端のCCFL変換回路によって出力される電圧波形の図である。
図4】本発明の第2の実施形態の電源回路に適用される改良された光起電力発電システムの概略図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る電源回路の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の好ましい実施形態
【0043】
光起電力発電システムの作業は、主に日光の当たる昼間であり、太陽の天頂角が最大になると、現地時間の12時として記録される。現地時間の10:00~14:00時の間で、光起電力発電システムは効果的に電気エネルギーを出力することができる。現地時間の10:00前または14:00以降は発電量が減少し、実用的な価値はない。光起電力発電ストリングの出力特性は定電圧源ではないが、ほとんどの特性は定電流源に似ている。より大きな出力電力を得るために、出力端の電圧はシステム効率を確保する前提として、通常、最大電力出力の原理が可能な限り使用され、可能な限り高くする必要がある。光起電力発電ストリングの両端の出力電圧曲線は、ほとんど無負荷であるため、朝に急激に上昇し、グリッドに接続すると、負荷のため最初は低下し、太陽光が最も強い正午に最大値に達し、その後ゆっくりと低下し、現地時間の14:00頃にグリッドが切断されると、負荷の減少により、電圧が再び対応する照明の下での開路電圧まで上昇し、その後、夜にゼロに近づくまで時間の経過に従って低下する。雨が降っている場合、光起電力ストリング電圧は1日を通してゼロに近い低電圧状態にある。
【0044】
本発明は、電源回路を提供することであり、コンデンサ放電によって出力電圧が時間とともに減少する直流電圧であり、CCFL変換回路がコンデンサの後ろに接続され、CCFL変換回路は時間とともに減少する入力直流電圧を正弦波交流に変換して出力し、CCFL変換回路は開ループで動作するため、出力された正弦波交流のピークツーピーク値はCCFL変換回路の動作電圧に正比例し、この電圧は時間とともに減少し、つまり、CCFL変換回路から出力される正弦波交流のピークツーピーク値も時間とともに減少する。そして、正弦波交流の実効値も時間とともに減少し、減衰された正弦波交流の電圧が得られる。アクティブ化された光起電力ストリングの両端に作用するため、電源回路から出力される電圧波形ΔU/Δtは小さく、正弦波は単一周波数であるため、高調波成分や空気放射が少なく、環境にやさしい。本発明の電源回路は、当該電源回路が適用された光起電力発電システムにおける光起電力ストリングの寿命を延ばし、環境への放射が少なく、実施が容易であり、コストが低い。
【0045】
当業者が本発明を理解することを容易にするために、本発明を具体的な実施形態と併せて以下に説明する。
第1の実施形態
【0046】
図1に示すように、図1は本発明の第1の実施形態に係る電源回路の概略図である。そのコンポーネントと接続は次のとおりである。
【0047】
図1に示す電源回路は、スイッチK1と、インダクタL1と、コンデンサC1と、スイッチK2と、CCFL変換回路と、を備える。
【0048】
スイッチK1の一端は電源回路の正の入力端であり、スイッチK1の他端はインダクタL1の一端に接続され、インダクタL1の他端は同時にコンデンサC1の一端とスイッチK2の一端とに接続され、コンデンサC1の他端は電源回路の負の入力端であり、CCFL変換回路の正の入力端はスイッチK2の他端に接続され、CCFL変換回路の負の入力端は電源回路の負の入力端に接続され、CCFL変換回路の第1の出力端は電源回路の第1の出力端であり、CCFL変換回路の第2の出力端は電源回路の第2の出力端である。
【0049】
本実施形態のCCFL変換回路は、抵抗R1及びコンデンサC2からなる始動回路と、コンデンサC3と、インダクタL2と、トライオードTR1と、トライオードTR2と、トランスBと、一次巻線NP1及びNP2と、フィードバック巻線NB1及びフィードバック巻線NB2と、二次巻線NS1と、を備え、始動回路は少なくとも両端を備え、抵抗R1の一端は始動入力端であり、抵抗R2の他端とコンデンサC2の一端との接続点は始動出力端であり、本実施形態では、2つのプッシュプルトライオードTR1とプッシュプルトライオードTR2に始動電流を供給するデバイスは抵抗R1である。
【0050】
CCFL変換回路の接続関係は次のとおりである。始動入力端はスイッチK2の他端に接続され、始動出力端はフィードバック巻線NB1及びフィードバック巻線NB2の中心タップに接続され、コンデンサC2の他端はコンデンサC1の他端に接続されている。トライオードTR1のエミッタとトライオードTR2のエミッタは、それぞれコンデンサC1の他端に接続され、トライオードTR1のコレクタとトライオードTR2のコレクタは、一次巻線NP1とN P2の両端子に対応して接続され、トライオードTR1のコレクタとトライオードTR2のコレクタは、コンデンサC3の両端に対応して接続され、トライオードTR1のベースとトライオードTR2のベースは、フィードバック巻線NB1とNB2の両端子に対応して接続され、一次巻線NP1とNP2の中心タップは、インダクタL2を介して、スイッチK2の他端に接続されている。二次巻線NS1の一端は、CCFL変換回路の第1の出力端であり、二次巻線NS1の他端はCCFL変換回路の第2出力端である。
【0051】
本発明のコンデンサC1は、好ましくは、直列および並列接続によって得られる、スーパーキャパシタまたはリーク電流が小さい大型電解コンデンサである。
【0052】
CCFL変換回路の出力は交流であるため、本発明の電源回路の第1の出力端と第2の出力端を交換することができる。
【0053】
従来技術におけるパルス電圧の欠陥を克服するために、本発明は、光起電力ストリングをアクティブ化するために印加される電圧は正弦波交流であり、交流の取得は非常に複雑である。スイッチング電源によって得られた直接に出力電圧の波形エッジは非常に急勾配です。例えば、プッシュプルコンバータによって出力される電圧波形は正弦波であり、そのΔU/Δtは無限大に近いため、背景技術に記載されている欠陥もある。デジタルオーディオパワーアンプ方式、スイッチング電源方式、出力フィルタを採用した場合、コストと制御回路が非常に複雑になる。
【0054】
本実施形態における正弦波交流を得るための回路は、CCFL変換回路を使用し、そして1MHzの高周波交流の波長が30メートルであるとすると、対応する半波長ダイポールアンテナの長さは、1/4波長の7.5メートルである。即ち、本発明の電源回路出力高周波交流の周波数が1MHz未満の場合、その放射は比較的容易に制御できる。例えば、出力された高周波交流の周波数は100KHzであると、1/4波長は75メートルであり、75メートルをはるかに下回っているルーチングに対して、放射効率は非常に低いため、本実施形態では、CCFL変換回路が1MHz未満の比較的「低周波数」で動作する必要がある。明細書では高周波交流または正弦波交流と呼ばれている。
【0055】
CCFL変換回路は一種の自励式プッシュプルコンバータであり、正弦波出力電圧波形の実現の動作原理は次のように分析される。
【0056】
図1のコンデンサC1の右側の回路を参照し、即ちCCFL変換回路である。CCFL変換回路と自励式プッシュプルコンバータの違いは、コンデンサC3とインダクタンスL2の追加である。回路の発振原理と自励式プッシュプルコンバータコンバータは似ているが、CCFL変換回路はプッシュプル発振に磁気コア飽和特性を使用せず、コンデンサC3とカップリングトランスBの巻線NP1及びカップリングトランスBの巻線NP2の総インダクタンスを使用して、LC回路発振を実行する。回路の出力波形は正弦波で、もはや方形波ではない。インダクタL2の役割は次のとおりである。1.トランスに大きな交流入力インピーダンスを提供する。2.完璧な正弦波出力、CCFL変換回路が独立して動作する場合の出力の電圧波形は図2を参照し、図2は完璧ではない。これは単なる例であり、インダクタL2をさらに増やした場合、図2の波形歪みTHDは10%未満であり、その時では実用性を有する。このタイプの発振には、デバイスの選択に関する厳しい要件がある。図2の波形歪みTHDが小さいほど、本発明の電源回路のエネルギー消費は少ない。
【0057】
CCFL変換回路の特徴は、LC直列共振回路を使用して発振し、周波数が比較的安定しており、出力が正弦波または近似正弦波であり、効率が低い。従って、効率を改善するため電源回路にインダクタL2を直列に接続する必要がある。
【0058】
本発明は、インダクタL2のインダクタンスが巻線NP1または巻線NP2のインダクタンスの10倍以上であることを必要とする。このとき、インダクタンスL2およびコンデンサC3によって発振されたのは完璧な正弦波である。
【0059】
CCFL変換回路の動作電圧はコンデンサC1の端子電圧であるため、CCFL変換回路から出力された高周波数交流の正の半サイクルピーク値が繋がって包絡線が形成される。該包絡線の形状は、コンデンサC1の端子電圧の変化に似ている。同様に、CCFL変換回路から出力された高周波交流の負の半サイクルピーク値が繋がって包絡線が形成される。通常座標にX軸をミラーリングした後の包絡線の形状はコンデンサC1の端子電圧の変化に似ている。
【0060】
本発明において光起電力ストリングをアクティブ化させる必要がある場合、本発明の電源回路に電源を供給する外部電源は、電池または市販電流から整流された直流であってもよい。最初にスイッチK1は閉じられて、コンデンサC1を充電する。次にスイッチK1を切り、スイッチK2を閉じる。コンデンサC1を使用して徐々に放電する。つまり、光起電力ストリングがアクティブ化電圧を提供する。
【0061】
光起電力発電所の効率を向上させるための最善のアクティブ化計画は、午後2時のグリッド接続発電が意味を失ったときに、光起電力発電ストリング自体を外部電源として使用し、スイッチK1を閉じて、コンデンサC1を充電し、太陽が沈んだらスイッチK1を切り、次にスイッチK2を閉じ、コンデンサC1の段階的放電端の電圧を徐々に減衰させる特徴を利用して、 CCFL変換回路に徐々に減衰された動作電圧を提供し、CCFL変換回路の出力端は、減衰された正弦波交流電圧を獲得し、アクティブ化された光起電力ストリングの両端に作用する。アクティブ化が不十分な場合は、コンデンサC1の容量を増やす。この逆もまた然りである。
【0062】
図3は、本発明の第1の実施形態において、コンデンサC1の両端とCCFL変換回路によって出力される電圧波形の図である。コンデンサC1の両端の電圧波形は、図3において直線S1として示されている。指数降下法である。このとき、CCFL変換回路出力電圧波形は、曲線S2を参照して、減衰した高周波交流である。直線S3は、正の半サイクルにおける曲線S2の包絡線です。直線S4は負の半サイクルの曲線S2の包絡線であり、直線S3と直線S4はX軸に沿って鏡面対称になる。
【0063】
本実施形態における電源回路は光起電力発電システムに適用する方式は以下のとおりである。
【0064】
アクティブ化する必要のある光起電力ストリングのホットエンドは、電源回路の第1の出力端に電気的に接続され、アクティブ化する必要のある光起電力ストリングの接地端は、電源回路の第2の出力端に電気的に接続される。
【0065】
本発明が光起電力ストリング自体を利用して電源回路に動作電圧を提供する場合、動作電圧を提供する光起電力ストリングとアクティブ化された光起電力ストリングとは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0066】
なお、光起電力発電ストリングの正極が接地されている場合は、光起電力発電ストリングの負極がホットエンドとなる。光起電力発電ストリングの負極が接地されている場合は、光起電力発電ストリングの正極がホットエンドとなる。どちらの接続方法でも光起電力発電ストリングのアクティブ化を実現できる。
【0067】
「電気的接続」とは、直接接続に加えて、間接接続(つまり、他のコンポーネントを2つの電気接続オブジェクト間で接続できる)も含み、誘導結合による接続を含むことを意味する。
【0068】
本発明の第2の実施形態は、間接接続であり、以下の場合も間接接続である。
【0069】
アクティブ化された光起電力発電ストリングの両端に電圧が安定的に出力された電解コンデンサバンクを並列に接続する場合、本発明の電源回路から出力される高周波交流を電解コンデンサバンクが吸収して、光起電力発電ストリングをアクティブ化できなくなることを防ぐために、光起電力発電ストリングのホットエンドと電解コンデンサバンクに接続された接続ポイントとの間にインダクタを直列に接続して、電解コンデンサバンクの両端に高周波交流をインダクタンスの絶縁効果により、光起電力発電ストリングの両端に加えることによって、光起電力発電ストリングのアクティブ化を実現する。この時では、光起電力ストリングのホットエンドは電源回路の第1の出力端に直接接続されていないが、それでも本発明の保護範囲に該当する。
【0070】
本発明での光起電力ストリングのアクティブ化は、夜間に数日ごとに実行することをお勧め、アクティブ化に必要な時間は、光起電力ストリングのエージング度合いに関連する。エージング度合いが高いほど、必要な時間は長くなる。より良いアクティブ化効果を達成するために、電源回路内のBUCK回路の電圧降下が遅いほど良く、累積降下時間は20分以上である。
【0071】
アクティブ化回路の効果をテストするために、淘宝網から公称出力電力がわずか2KWの光起電力発電装置のセットを購入し、既に6年間使用され、元々は、実際の測定は広州の晴天下で行われており、実際に出力電力はわずか690W、開路電圧は377Vである。本発明の電源回路パラメータは以下の通りである。作動電圧が上記の開路電圧377Vであり、光起電力発電設備の光起電力発電ストリングが午後15:00に出力し、コンデンサC1は2200uF/450Vの二つが並列に接続し、午後17:00にスイッチK1が切り、夕方20:00にスイッチK2が閉じ、CCFL変換回路の動作周波数は3.4KHzであり、1分43秒間しか動作せず、コンデンサC1の電圧は約60Vに低下し、翌日の発電量を757Wに上昇したと測定し、その夜1分43秒間再アクティブ化し、3日目の発電は823Wに上昇し、21回のアクティブ化した後、1986Wに上昇し、公称出力電力に近づき、良い結果が得られた。
【0072】
また、光起電力発電ストリングの内部は、最も基本的なユニットである定電流源に相当するため、内部にPN接合ダイオードがあり、光起電力発電ストリングが正常に動作しているときはダイオードをオンにできない。それ以外の場合、電流短絡によりCCFL変換回路が焼損される。巧妙な設計と電流制限回路による保護を行っても、電気エネルギーが無駄になる。光起電力発電ストリングの安全性を確保するために、本発明は、CCFL変換回路が出力された高周波交流のピーク値が、アクティブ化された光起電力発電ストリングの開路電圧より小さいことを要求することによって、光起電力発電ストリング内のダイオードが導通することを効果的に防ぐことができる。また、周波数が高いほどアクティブ化効果は高くなるが、光起電力ストリングはある程度の静電容量を示し、電気エネルギーも消費しすぎるため、電力の異なる光起電力ストリングでは、異なる高周波交流の周波数を選択する必要がある。一般的に、セル面積が大きいほど出力電力が大きくなり、PN接合の接合容量が大きくなり、周波数が低くなり、800Hzより低く、このとき、本発明のアクティブ化に使用される電源回路はエネルギー消費が低く、周波数がさらに低い場合、アクティブ化時間は長くなり、それは電気エネルギー消費を増加させる。
【0073】
例えば、光起電力発電ストリングに直列に接続された単一セルである基本ユニットは、単一セルの数が24である場合(光起電力発電ストリング内の単一セルの最小数は24であり、得られる開路電圧は約14.4V~16.8Vである)、光起電力ストリングの電気的特性もPN接合式に従うため、ダイオードの電圧降下は0.7Vであり、光起電力ストリングの両端の最大開路電圧は0.7V×27=16.8Vであり、CCFL変換回路が出力された高周波交流のピーク値は、光起電力発電ストリングの安全性を確保するために、16.8Vよりわずかに低くする必要がある。さらに、例えば米国の600V光起電力発電ストリング(その内部は直列の1008個の基本ユニットで構成されている)の場合、アクティブ化電圧は600Vよりわずかに低くなってもよい。
【0074】
光起電力ストリングはアクティブ化において容量性であるため、この接合容量は最終的に次のものと同等になる。コンデンサC3と並列で、CCFLコンバータは正弦波の共振状態で動作し、そのLC回路は光起電力ストリングの接合容量エネルギーを吸収することによって、低エネルギー消費の接合容量を達成し、特にCCFLコンバータは、自励式プッシュプル発振動作モードを採用せず、外部駆動式を使用して、トライオードTR1またはトライオードTR2は正弦波がピークに近い時にオンになり、変換効率がより高くなっている。これはまた、本発明がコンデンサC1を使用してCCFL変換コンデンサに電力を供給し、本発明の目的を達成することができる原因である。
【0075】
外部駆動式は、即ち他励式である。なお、CCFLコンバータは自励式プッシュプル発振動作モードを採用しており、フィードバック巻線と一次巻線の巻数比を調整することにより、正弦波のピーク値が近いときにトライオードTR1またはトライオードTR2をオンにすることもでき、変換効率も非常に高い。BUCK回路の出力電圧が低いときにCCFLコンバータが発振を停止するのを防ぐために、始動回路の抵抗R1を定電流源に置き換えると、前述のように、動作電圧が377Vから60Vに低下するとき、定電流源からトライオードTR1またはトライオードTR2に供給されるベース電流は減少しないため、CCFLコンバータは振動を停止しない。これは、第3の実施形態で示される。
【0076】
従来の技術では、電子銃を使用してガラスキネコスコープをスキャンする従来のカラーテレビ受信機は、減衰した正弦波交流を使用してキネスコープを消磁し、その動作原理は非常に単純で、PTCサーミスタを消磁コイルと直列に接続し、時間の経過とともに、PTCサーミスタの抵抗は約10オームから220K以上に上昇し、消磁電流も10アンペア以上から1mA未満に低下したが、この技術は、光起電力ストリングは容量性であるので、PTCサーミスタを直列に接続することはできないため、直接光起電力ストリングのアクティブ化に使用することはできない。さらに、光起電力ストリングは長いアクティブ化時間を必要とし、PTCサーミスタは選択できない。
第2の実施形態
【0077】
図4は、光起電力発電システムに適用される本発明の第2の実施形態の改良された電源回路の概略図である。光起電力発電ストリングは、それと直列に接続されたダイオードと同等であるため、アクティブ化効果を改善するために、電源回路の出力端に一組の直流電源Eが直列に接続される。つまり、光起電力発電ストリングと一組の直流電源Eを直列に接続し、直列接続方法は、次の2つのいずれかである。
【0078】
(1)直流電源の負極は、電源回路の第2の出力端に電気的に接続され、電源回路の第1の出力端は、光起電力発電ストリングの正極に電気的に接続され、光起電力発電ストリングの負極は、直流電源の正極に電気的に接続されている。
【0079】
(2)直流電源の負極は、光起電力発電ストリングの正極に電気的に接続され、光起電力発電ストリングの負極は、電源回路の第2の出力端に電気的に接続され、電源回路の第1の出力端は、直流電源の正極に電気的に接続されている。
【0080】
本実施形態は、また、「電気的接続」を使用して接続関係を説明する。同様に、「電気的接続」とは、直接接続に加えて、間接接続(つまり、他のコンポーネントを2つの電気接続オブジェクト間で接続できる)も含み、誘導結合による接続を含むことを意味する。これは既に第1の実施形態で説明した。
【0081】
電源回路に動作電圧を提供する図4の光起電力ストリングPV1とアクティブ化された光起電力ストリングPV2とは、同じ光起電力ストリングであってもよく、異なっていてもよい。
【0082】
従って、光起電力発電ストリングのホットエンドと接地端との間で得られるアクティブ化電圧は、正の半サイクルが小さく、負の半サイクルが大きい交流電圧波形になる。正の半サイクルが小さいと、アクティブ化ときに光起電力発電ストリング内部のダイオードが導通しないことを確実にし、負の半サイクルの負圧が高いと、よりよいアクティブ化効果が得られる。
第3の実施形態
【0083】
図5は、本発明の第3の実施形態の電源回路の概略図である。第3の実施形態と第1の実施形態との違いは、抵抗R1が定電流源に置き換えられ、電流方向が同じであるということである。よって、CCFL変換回路の入力電圧を下げるときに、定電流源が存在するため、2つのプッシュプルトライオードTR1のベースとプッシュプルトライオードTR2のベースに供給される電流は一定であるため、電源回路の入力電圧を広くすることができる。前述のように、動作電圧が377Vから60Vに低下した場合、定電流源からトライオードTR1またはトライオードTR2に供給されるベース電流が減少しないため、CCFLコンバータは振動を止めず、光起電力発電ストリングの広範囲の端子電圧に適応する。本実施形態の動作原理及び光起電力発電システムにおけるその適用は、第1の実施形態と同じであり、ここでは繰り返さない。
【0084】
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎない。上記の好ましい実施形態は、本発明を限定するものと見なされるべきではない。当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかの改善および修正を行うことができる。例えば、図1のインダクタL1を抵抗に置き換え、図1のコンデンサC2の他端を抵抗R1の一端に接続し、またはCCFL回路が開路動作していることを確認した状態で、図1の自励式を他励式に変更し、CCFL変換回路の出力電圧を検出することによってBUCK回路のデューティを制御する。これらの改善及び修正も本発明の保護範囲と見なされるべきであり、ここでは実施形態で繰り返されず、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義される範囲に従うべきである。さらに、本発明に係るすべての「電気的接続」および「接続」関係は、単にコンポーネントの直接接続を指すのではなく、具体的な実施状況に従って接続アクセサリを追加することによってより良い接続構造を形成できる。本発明における「電気的接続」の明示的な使用は、この意味を強調することのみであり、「接続」の使用もこの意味を有することを排除するものではない。本発明の様々な技術的特徴は、互いに衝突しない前提でインタラクティブに組み合わせることができる。

図1
図2
図3
図4
図5