(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】情報処理装置およびコネクタの切り替え方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/14 20060101AFI20230120BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20230120BHJP
【FI】
G06F3/14 400
G06F3/14 350A
H04N21/436
(21)【出願番号】P 2019567922
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2018046902
(87)【国際公開番号】W WO2019146325
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】P 2018010697
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】植田 弘典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸也
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-014344(JP,A)
【文献】特開2015-011572(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045068(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14
G06F 1/16
H04N 21/436
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を出力可能な複数の出力ポートを有するプロセッサと、
複数の外部ディスプレイと接続し、接続した前記複数の外部ディスプレイに対して前記映像信号を出力する複数のコネクタと、
前記複数の外部ディスプレイに対する前記複数のコネクタの接続状態を検出する複数の検出部と、
前記複数の出力ポートと前記複数のコネクタとの間に介在して、前記複数の出力ポートと前記複数のコネクタ間の経路を切り換える複数のスイッチと、
前記複数のスイッチの切り換え動作を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記複数のコネクタの接続状態と、前記複数のコネクタの中の前記映像信号を出力する少なくとも1つのコネクタとの関係を規定する設定情報を有し、
前記複数の検出部によって検出された前記接続状態と、前記設定情報とに基づき前記複数のスイッチの切り換え動作を制御し、
前記設定情報はユーザにより設定される、情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のコネクタは、
HDMI規格に準拠した映像信号を出力する第1のコネクタと、
VGA規格に準拠した映像信号を出力する第2のコネクタと、
Thunderbolt3規格に準拠した映像信号を出力する第3のコネクタとのうちの少なくとも2つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定情報は、複数のテーブルと、前記複数のテーブルの中の1つのテーブルを指定する指定情報とを含み、
前記複数のテーブルの各々は、前記複数のコネクタの接続状態と、前記複数のコネクタの中の前記映像信号を出力する少なくとも1つのコネクタとの複数の組み合わせを規定し、
前記指定情報はユーザにより設定され、
前記コントローラは、前記複数の検出部によって検出された前記接続状態と、前記指定情報が指定する前記1つのテーブルとに基づき前記複数のスイッチの切り換え動作を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の出力ポートは、第1の出力ポートと、第2の出力ポートを含み、
前記複数のスイッチは、第1のスイッチと、第2のスイッチを含み、
前記複数のコネクタは、第1のコネクタと、第2のコネクタと、第3のコネクタを含み、
前記第1のスイッチは、
前記第1の出力ポートと前記第2のコネクタとの間、および、前記第1の出力ポートと前記第3のコネクタとの間に介在し、
前記第1のスイッチと前記第2のコネクタ間の経路と、前記第1のスイッチと前記第3のコネクタ間の経路とを切り替えるように構成され、
前記第2のスイッチは、
前記第2の出力ポートと前記第1のコネクタとの間、および、前記第2の出力ポートと前記第3のコネクタとの間に介在し、
前記第2のスイッチと前記第1のコネクタ間の経路と、前記第2のスイッチと前記第3のコネクタ間の経路とを切り替えるように構成される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1のコネクタは、HDMI規格に準拠した映像信号を出力し、
前記第2のコネクタは、VGA規格に準拠した映像信号を出力し、
前記第3のコネクタは、Thunderbolt3規格に準拠した映像信号を出力する、請求項4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像信号を出力するためのコネクタを備える情報処理装置およびコネクタの切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、内蔵ディスプレイと、外部ディスプレイが接続可能なデジタルインタフェースコネクタと、外部CRTモニタが接続可能なアナログRGBコネクタとを備えるコンピュータシステムを開示している。特許文献1のコンピュータシステムは、内蔵ディスプレイと、外部ディスプレイ又は外部CRTモニタとの両方に映像信号を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示は、映像信号を出力するインタフェースコネクタの優先順位をユーザが設定することができる情報処理装置および方法を提供する。
【0005】
本開示の一態様の情報処理装置は、映像信号を出力可能な複数の出力ポートを有するプロセッサと、複数の外部ディスプレイと接続し、接続した複数の外部ディスプレイに対して映像信号を出力する複数のコネクタと、複数の外部ディスプレイに対する複数のコネクタの接続状態を検出する複数の検出部と、複数の出力ポートと複数のコネクタとの間に介在して、複数の出力ポートと複数のコネクタ間の経路を切り換える複数のスイッチと、複数のスイッチの切り換え動作を制御するコントローラと、を備える。
【0006】
コントローラは、複数のコネクタの接続状態と、複数のコネクタの中の映像信号を出力する少なくとも1つのコネクタとの関係を規定する設定情報を有し、複数の検出部によって検出された接続状態と、設定情報とに基づき複数のスイッチの切り換え動作を制御する。設定情報はユーザにより設定される。
【0007】
本開示の一態様の、複数の外部ディスプレイと接続する複数のコネクタを備えた情報処理装置における、映像信号を出力するコネクタの切換え方法は、ユーザにより設定される設定情報であって、複数のコネクタの接続状態と、複数のコネクタの中の映像信号を出力する少なくとも1つのコネクタとの関係を規定する設定情報を記録媒体に格納することと、複数の外部ディスプレイに対する複数のコネクタの接続状態を検出することと、検出した接続状態と設定情報に基づき、複数のコネクタの中から映像信号を出力する少なくとも1つのコネクタを決定することと、を含む。
【0008】
本開示によれば、ユーザは、映像信号を出力するインタフェースコネクタの優先順位を自由に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係る、情報処理装置100と外部ディスプレイとの接続を説明する図である。
【
図2】
図2は、外部ディスプレイの表示切換にかかる、情報処理装置100の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、映像信号を出力するインタフェースコネクタの優先順位を設定するための情報を有するコントローラ102の内部構成を説明する図である。
【
図5】
図5は、
図2のスイッチ103,104の切換制御を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図4のテーブル1が指定されており、かつ、外部ディスプレイ33,34が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。
【
図7】
図7は、
図4のテーブル1が指定されており、かつ、外部ディスプレイ31,33,34が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。
【
図8】
図8は、外部ディスプレイが接続されていない状態から、外部ディスプレイ33,34が接続され、その後に、外部ディスプレイ31が接続されるまでの状態を示すタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、
図4のテーブル1が指定されており、かつ、外部ディスプレイ31,32が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。
【
図10】
図10は、
図4のテーブル1が指定されており、かつ、外部ディスプレイ31,32および外部装置35が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。
【
図11】
図11は、変換装置21を介して1つの外部ディスプレイ33とType-Cコネクタ108が接続された別の実施形態における、接続状態と信号の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0011】
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
(実施の形態1)
[1-1.構成]
図1は、本開示の実施の形態に係る、情報処理装置100と外部ディスプレイ31~34との接続を説明する図である。情報処理装置100は、内蔵ディスプレイ109を備える。さらに、情報処理装置100は、外部ディスプレイ31~34を接続するための複数のインタフェースコネクタ106a,107a,108を備える。情報処理装置100は、インタフェースコネクタ106a,107a,108を介して外部ディスプレイ31~34と接続することによって、外部ディスプレイ31~34に映像信号を出力することができる。
【0013】
具体的には、情報処理装置100は、HDMI(登録商標)規格に準拠した通信が可能なHDMIコネクタ106aと、VGA(登録商標)規格に準拠した通信が可能なVGAコネクタ107aと、Thunderbolt3(以下、TBと称する)規格に準拠した通信が可能なType-Cコネクタ108と、を備える。Type-Cコネクタ108は、USB Type-C規格に準拠したコネクタである。
【0014】
Type-Cコネクタ108には、変換装置20を介して、2つの外部ディスプレイ33,34を接続することができる。変換装置20は、TB規格に準拠した通信が可能なコネクタ20aを備える。変換装置20は、DisplayPort(登録商標)(以下、DPと称する)規格に準拠した通信が可能な、2つのコネクタ20b,20cをさらに備える。情報処理装置100は、TB規格に準拠した信号を、Type-Cコネクタ108を介して、変換装置20に出力する。変換装置20は、入力されたTB規格に準拠した信号を、DP規格に準拠した映像信号に変換する。変換装置20は、DP規格に準拠した映像信号を、コネクタ20b,20cを介して2つの外部ディスプレイ33,34にそれぞれ出力する。
【0015】
HDMIコネクタ106aには、HDMI規格に準拠した映像信号の入力が可能なディスプレイ31が接続される。VGAコネクタ107aには、VGA規格に準拠した映像信号の入力が可能なディスプレイ32が接続される。Type-Cコネクタ108には、変換装置20を介して、DP規格に準拠した映像信号の入力が可能な2つの外部ディスプレイ33,34が接続される。
【0016】
図2は、外部ディスプレイの表示切換にかかる、情報処理装置100の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、プロセッサ101を備える。プロセッサ101は、中央演算処理装置(CPU)、MPU、DSP、マイコン、FPGA、ASIC等で実現できる。プロセッサ101は、OS、アプリケーションプログラム、種々のデータを読み込んで演算処理を実行することにより、種々の機能を実現する。プロセッサ101は、DP規格に準拠した映像信号を出力するための2つの出力ポートPort0,Port1を備える。
【0017】
情報処理装置100はさらに、HDMI接続部106と、VGA接続部107と、TBコントローラ105と、を備える。情報処理装置100はさらに、プロセッサ101と、TBコントローラ105およびVGA接続部107との間に介在するスイッチ103をさらに備える。情報処理装置100はさらに、プロセッサ101と、TBコントローラ105およびHDMI接続部106との間に介在するスイッチ104をさらに備える。
【0018】
HDMI接続部106は、プロセッサ101のPort1からスイッチ104を介して入力されるDP規格に準拠した映像信号を、HDMI規格に準拠した映像信号に変換する変換器を含む(図示せず)。HDMI接続部106は、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続を検出して、HDMI_HPD信号を生成する回路を含む。詳細には、HDMI接続部106は、外部ディスプレイ31から入力されたホットプラグ検出(HPD)シグナルを検出して、HDMI_HPD信号を生成する。以降において、HPDはホットプラグ検出を意味する場合がある。HDMI接続部106は、情報処理装置100を外部ディスプレイ31と接続するためのHDMIコネクタ106aをさらに含む。HDMI接続部106は、HDMI規格に準拠した映像信号を、HDMIコネクタ106aを介して外部ディスプレイ31に出力する。
【0019】
VGA接続部107は、プロセッサ101のPort0からスイッチ103を介して入力されるDP規格に準拠した映像信号を、VGA規格に準拠した映像信号に変換する変換器を含む(図示せず)。VGA接続部107は、VGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出して、VGA_HPD信号を生成する回路を含む。VGA接続部107は、情報処理装置100を外部ディスプレイ32と接続するためのVGAコネクタ107aをさらに含む。VGA接続部107は、VGA規格に準拠した映像信号を、VGAコネクタ107aを介して外部ディスプレイ32に出力する。
【0020】
TBコントローラ105は、Type-Cコネクタ108への外部ディスプレイ33,34の接続を検出して、SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号を生成する回路を含む。TBコントローラ105は、プロセッサ101のPort0からスイッチ103を介して入力されるDP規格に準拠した映像信号と、プロセッサ101のPort1からスイッチ104を介して入力されるDP規格に準拠した映像信号とを、必要に応じて多重化する。TBコントローラ105は、入力されたDP規格に準拠した映像信号を、TB規格に準拠した信号に変換する。TBコントローラ105は、当該変換した信号を、Type-Cコネクタ108を介して、変換装置20に出力する。
【0021】
情報処理装置100は、スイッチ103,104を切換制御するコントローラ102をさらに備える。コントローラ102は、マイコン、FPGA、ASIC等で実現できる。
【0022】
以上のように、スイッチ103は、プロセッサ101のPort0とVGAコネクタ107aとの間、および、プロセッサのPort0とType-Cコネクタ108との間に介在している。スイッチ103は、スイッチ103とVGAコネクタ107a間の経路と、スイッチ103とType-Cコネクタ108間の経路とを切り替えるように構成されている。また、スイッチ104は、プロセッサ101のPort1とHDMIコネクタ106aとの間、および、プロセッサ101のPort1とType-Cコネクタ108との間に介在している。スイッチ104は、スイッチ104とHDMIコネクタ106a間の経路と、スイッチ104とType-Cコネクタ108間の経路とを切り替えるように構成されている。
【0023】
以下、各種信号について説明する。TBコントローラ105から出力されるSNK0_HPD信号は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方が、変換装置20を介して、Type-Cコネクタ108に接続されたことを示す信号である。SNK1_HPD信号は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方が、変換装置20を介して、Type-Cコネクタ108に接続されたことを示す信号である。
【0024】
SNK0_HPD信号は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方が、変換装置20を介してType-Cコネクタ108に接続されているときは、Highレベル(以下、Hレベルと称する)の電圧を有する。2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方が、変換装置20を介してType-Cコネクタ108に接続されていないときは、SNK0_HPD信号は、Lowレベル(以下、Lレベルと称する)の電圧を有する。
【0025】
同様に、SNK1_HPD信号は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方が、変換装置20を介してType-Cコネクタ108に接続されているときは、Hレベルの電圧を有する。2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方が、変換装置20を介してType-Cコネクタ108に接続されていないときは、SNK1_HPD信号は、Lレベルの電圧を有する。
【0026】
HDMI接続部106から出力されるHDMI_HPD信号は、外部ディスプレイ31が、HDMIコネクタ106aに接続されたことを示す信号である。VGA_HPD信号は、外部ディスプレイ32が、VGAコネクタ107aに接続されたことを示す信号である。
【0027】
外部ディスプレイ31がHDMIコネクタ106aに接続されているときに、HDMI_HPD信号はHレベルである。一方、外部ディスプレイ31がHDMIコネクタ106aに接続されていないときに、HDMI_HPD信号はLレベルである。
【0028】
同様に、外部ディスプレイ32がVGAコネクタ107aに接続されているときに、VGA_HPD信号はHレベルである。一方、外部ディスプレイ32がVGAコネクタ107aに接続されていないときに、VGA_HPD信号はLレベルである。
【0029】
TBコントローラ105からのSNK0_HPD信号およびVGA接続部からのVGA_HPD信号は、コントローラ102およびスイッチ103に入力される。TBコントローラ105からのSNK1_HPD信号およびHDMI接続部からのHDMI_HPD信号は、コントローラ102およびスイッチ104に入力される。
【0030】
スイッチ103は、TBコントローラ105からのSNK0_HPD信号またはVGA接続部107からのVGA_HPD信号を、DP_HPD0信号としてプロセッサ101に選択的に出力する。スイッチ104は、TBコントローラ105からのSNK1_HPD信号またはHDMI接続部106からのHDMI_HPD信号を、DP_HPD1信号としてプロセッサ101に選択的に出力する。
【0031】
コントローラ102は、映像信号を出力するコネクタを選択するために、スイッチ103,104を切換制御する。ユーザは、当該映像信号を出力するコネクタの優先順位を自由に設定することができる。当該優先順位を設定する方法については、後述する。
【0032】
コントローラ102は、入力されるHDMI_HPD信号、VGA_HPD信号、SNK0_HPD信号、およびSNK1_HPD信号の信号レベルを検出することによって、各インタフェースコネクタ106a,107a,108に外部ディスプレイが接続されているか否かを判断する。
【0033】
コントローラ102は、映像信号を出力するコネクタを選択するために、SEL0信号およびOE0信号をスイッチ103に出力する。同様に、コントローラ102は、映像信号を出力するコネクタを選択するために、SEL1信号およびOE1信号をスイッチ104に出力する。
【0034】
ここで、OE0信号は、スイッチ103の出力を有効または無効にする信号である。OE0信号がHレベルのときに、スイッチ103は有効である。スイッチ103が有効であれば、スイッチ103は、入力されているSNK0_HPD信号またはVGA_HPD信号を、DP_HPD0信号として選択的に出力する。OE0信号がLレベルのときに、スイッチ103は無効である。スイッチ103が無効であれば、DP_HPD0信号はLレベルである。
【0035】
また、SEL0信号はスイッチ103を切り換える信号である。OE0信号がHレベルでありかつSEL0信号がLレベルであるときに、スイッチ103は、SNK0_HPD信号を選択してDP_HPD0信号として出力する。一方、OE0信号およびSEL0信号がHレベルであるときに、スイッチ103は、VGA_HPD信号を選択してDP_HPD0信号として出力する。
【0036】
さらに、OE0信号がHレベルでありかつSEL0信号がLレベルであるときに、プロセッサ101のPort0からの信号は、スイッチ103を介して、DisplayPort0信号としてTBコントローラ105に入力される。一方、OE0信号およびSEL0信号がHレベルであるとき、Port0からの信号は、スイッチ103を介して、DisplayPort_VGA信号としてVGA接続部107に入力される。
【0037】
このとき、DP_HPD0信号がHレベルであるときに、Port0からの信号はDP規格に準拠した映像信号を有する。一方、DP_HPD0信号がLレベルであるときに、Port0からの信号はLレベルである。DP_HPD0信号がLレベルからHレベルに変化すると、プロセッサ101は、接続先の外部ディスプレイとの間でLinkTrainingを行う。ここで、LinkTrainingは、プロセッサ101と外部ディスプレイとの間で相互に信号を送受信して、転送速度やSkewのタイミング等を調整する仕組みをいう。LinkTrainingを終えると、プロセッサ101は接続先の外部ディスプレイに映像信号を送信する。
【0038】
同様に、OE1信号は、スイッチ104の出力を有効または無効にする信号である。OE1信号がHレベルのときに、スイッチ104は有効である。スイッチ104が有効であれば、スイッチ104は、入力されているSNK1_HPD信号またはHDMI_HPD信号を、DP_HPD1信号として選択的に出力する。OE1信号がLレベルのときに、スイッチ104は無効である。スイッチ104が無効であれば、DP_HPD1信号はLレベルである。
【0039】
また、SEL1信号はスイッチ104を切り換える信号である。OE1信号がHレベルでありかつSEL1信号がLレベルであるときに、スイッチ104は、SNK1_HPD信号を選択してDP_HPD1信号として出力する。一方、SEL1信号およびOE1信号がHレベルであるときに、スイッチ104は、HDMI_HPD信号を選択してDP_HPD1信号として出力する。
【0040】
さらに、OE1信号がHレベルでありかつSEL1信号がLレベルであるときに、プロセッサ101のPort1からの信号は、スイッチ104を介して、DisplayPort1信号としてTBコントローラ105に入力される。一方、OE1信号およびSEL1信号がHレベルであるときに、Port1からの信号は、スイッチ104を介して、DisplayPort_HDMI信号としてHDMI接続部106に入力される。
【0041】
このとき、DP_HPD1信号がHレベルであるときに、Port1からの信号はDP規格に準拠した映像信号を有する。一方、DP_HPD1信号がLレベルであるときに、Port1からの信号はLレベルである。DP_HPD1信号がLレベルからHレベルに変化すると、プロセッサ101は、接続先の外部ディスプレイとの間でLinkTrainingを行う。LinkTrainingを終えると、プロセッサ101は接続先の外部ディスプレイに映像信号を送信する。
【0042】
情報処理装置100は、操作部110をさらに備える。操作部110は、キーボード、マウス、内蔵ディスプレイ109に重畳してユーザのタッチ操作を受付可能なタッチパネル等を含む。
【0043】
情報処理装置100のコントローラ102は、インタフェースコネクタ106a,107a,108に複数のディスプレイが接続されているときに、インタフェースコネクタ106a,107a,108のうちのどのコネクタに対して映像信号を出力するかを決定する。コントローラ102のメモリ102aは、
図3に示すように、テーブル情報102bと、テーブル指定情報102cを格納している。コントローラ102は、テーブル情報102bを用いて、映像信号を出力するコネクタを決定する。テーブル情報102bは、複数(N個)のテーブルを有する。各テーブルには、映像信号を出力するコネクタを決定するための情報が設定されている。すなわち、各テーブルは、インタフェースコネクタ106a、107a、108の接続状態と、インタフェースコネクタ106a、107a、108の中の映像信号を出力する少なくとも1つのコネクタとの関係を規定している。
【0044】
複数のテーブルのうちのどのテーブルを選択するかは、テーブル指定情報102cに基づいて決定される。テーブル指定情報102cは、ユーザにより、操作部110を介して自由に設定することができる。本実施形態において、メモリ102aに格納されているテーブル情報102bおよびテーブル指定情報102cは、設定情報の一例である。
【0045】
図4は、テーブル情報に含まれるテーブルを例示した図である。テーブル1は、HDMIコネクタ106aに、外部ディスプレイ31が接続されているときに、HDMIコネクタ106aへの映像信号の出力を優先するテーブルである。テーブル2は、Type-Cコネクタ108に、外部ディスプレイ33,34が接続されているときに、Type-Cコネクタ108への映像信号の出力を優先するテーブルである。
【0046】
各テーブルの「接続状態」の欄において、「○」は、各コネクタと外部ディスプレイが接続されていることを示す。「-」は、各コネクタと外部ディスプレイが接続されていないことを示す。
【0047】
また、「映像出力」の欄において、「2画面」は、情報処理装置100が、Type-Cコネクタ108を介して、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力することを示す。「1画面」は、情報処理装置100が、Type-Cコネクタ108を介して、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方だけに映像信号を出力することを示す。「○」は、情報処理装置100が、該当する外部ディスプレイに映像信号を出力することを示す。「×」は、各コネクタと外部ディスプレイは接続されているが、情報処理装置100は当該外部ディスプレイには映像信号を出力しないことを示す。「-」は、各コネクタと外部ディスプレイが接続されていないので、情報処理装置100は対応するコネクタに映像信号を出力しないことを示す。
【0048】
「TBモード」は、情報処理装置100が、Type-Cコネクタ108からの2つの外部ディスプレイ33,34への映像信号の出力を優先するモードである。「HDMIモード」は、情報処理装置100が、HDMIコネクタ106aからの映像信号の出力を優先するモードである。「VGAモード」は、情報処理装置100が、VGAコネクタ107aからの映像信号の出力を優先するモードである。
【0049】
テーブル指定情報102cがテーブル1を指定した場合、情報処理装置100のコントローラ102は、HDMIコネクタ106a、Type-Cコネクタ108、VGAコネクタ107aの順番で優先順位が低くなるように動作する。すなわち、HDMIコネクタ106aの優先順位が最も高く、VGAコネクタ107aの優先順位が最も低くなるように、コントローラ102はスイッチ103,104を制御する。
【0050】
接続状態No.1は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続を検出していない。さらに、コントローラ102は、VGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出していない。コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するように、スイッチ103,104を切り換える。
【0051】
接続状態No.2は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続、およびHDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、VGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出していない。コントローラ102は、外部ディスプレイ31への映像信号の出力を優先するように動作する。したがって、コントローラ102は、外部ディスプレイ31に映像信号を出力するように、スイッチ104を切り換える。また、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方に映像信号を出力するようにスイッチ103を切り換える。
【0052】
接続状態No.3は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続、およびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出している状態を示す。コントローラ102は、外部ディスプレイ31への映像信号の出力を優先する。したがって、コントローラ102は、外部ディスプレイ31に映像信号を出力するように、スイッチ104を切り換える。また、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方に映像信号を出力するようにスイッチ103を切り換える。
【0053】
接続状態No.4は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続、およびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続を検出していない。コントローラ102は、優先順位がHDMIコネクタ106aの次に高い、Type-Cコネクタ108に接続されている2つの外部ディスプレイ33,34への映像信号の出力を優先する。したがって、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するようにスイッチ103,104を切り換える。
【0054】
接続状態No.5は、コントローラ102が、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続およびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108への外部ディスプレイの接続を検出していない。コントローラ102は、外部ディスプレイ31および外部ディスプレイ32に映像信号を出力するようにスイッチ103,104を切り換える。
【0055】
テーブル指定情報102cがテーブル2を指定した場合、情報処理装置100のコントローラ102は、Type-Cコネクタ108、HDMIコネクタ106a、VGAコネクタ107aの順番で優先順位が低くなるように動作する。すなわち、Type-Cコネクタ108の優先順位が最も高く、VGAコネクタ107aの優先順位が最も低くなるように、コントローラ102はスイッチ103,104を制御する。
【0056】
接続状態No.1は、コントローラ102がType-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aおよびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイの接続を検出していない。コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するように、スイッチ103,104を切り換える。
【0057】
接続状態No.2は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続、およびHDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、VGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出していない。コントローラ102は、Type-Cコネクタ108に接続されている2つの外部ディスプレイ33,34への映像信号の出力を優先するように動作する。したがって、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するように、スイッチ103,104を切り換える。
【0058】
接続状態No.3は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続、およびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出している状態を示す。コントローラ102は、Type-Cコネクタ108に接続されている2つの外部ディスプレイ33,34への映像信号の出力を優先するように動作する。したがって、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するように、スイッチ103,104を切り換える。
【0059】
接続状態No.4は、コントローラ102が、Type-Cコネクタ108への2つの外部ディスプレイ33,34の接続、およびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイの接続を検出していない。コントローラ102は、Type-Cコネクタ108に接続されている2つの外部ディスプレイ33,34への映像信号の出力を優先するように動作する。したがって、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するように、スイッチ103,104を切り換える。
【0060】
接続状態No.5は、コントローラ102が、HDMIコネクタ106aへの外部ディスプレイ31の接続およびVGAコネクタ107aへの外部ディスプレイ32の接続を検出している状態を示す。このとき、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108への外部ディスプレイの接続を検出していない。コントローラ102は、外部ディスプレイ31,32に映像信号を出力するようにスイッチ103,104を切り換える。
【0061】
なお、図には示していないが、情報処理装置100は、
図2に示す構成に加えて、コンピュータとしての通常の機能を実現するために、揮発性記憶装置(RAM)、不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)、バッテリ等をさらに備えている。
【0062】
[1-2.動作]
以上のように構成される情報処理装置100における映像信号の出力先の切換制御を説明する。
【0063】
図5は、コントローラ102による、スイッチ103,104の切換制御を示すフローチャートである。ユーザが情報処理装置100の電源をオンすると、コントローラ102は、外部ディスプレイが接続されているコネクタを検出する(S401)。
【0064】
次に、コントローラ102は、テーブル指定情報102cに基づいて、テーブル情報102bにおける複数のテーブルの中の1つのテーブルを選択する(S402)。各テーブルには、映像信号を出力するコネクタの優先順位が規定されている。前述のとおり、テーブル指定情報102cは、ユーザによって事前に入力される。
【0065】
その後、コントローラ102は、選択したテーブルを参照して、外部ディスプレイの接続を検出したコネクタの中から、映像信号を出力するコネクタを決定する(S403)。
【0066】
コントローラ102は、プロセッサ101のPort0およびPort1から出力される映像信号を、決定したコネクタから出力するために、スイッチ103,104を切換制御する(S404)。
【0067】
コントローラ102は、ユーザによる情報処理装置100の電源オフの指示があるまで上記の処理を繰り返す。すなわち、コントローラ102は、電源オフの指示を検出しないと(S405にてNO)、ステップS401の処理を再び行う。コントローラ102は、電源オフの指示を検出すると(S405にてYES)、本処理を終了する。
【0068】
以下、情報処理装置100の表示切換動作の具体例を説明する。
図6は、テーブル指定情報102cによって
図4のテーブル1が指定されており、かつ、Type-Cコネクタ108に外部ディスプレイ33,34が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。このとき、HDMIコネクタ106aおよびVGAコネクタ107aには、外部ディスプレイは接続されていない。この接続状態は、テーブル1の接続状態No.1に対応している。
【0069】
Type-Cコネクタ108には2つの外部ディスプレイ33,34が接続されているので、SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号はHレベルである。HDMIコネクタ106aには外部ディスプレイが接続されていないので、HDMI_HPD信号はLレベルである。VGAコネクタ107aには外部ディスプレイが接続されていないので、VGA_HPD信号はLレベルである。
【0070】
SNK0_HPD信号、SNK1_HPD信号がHレベルであるので、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108に2つの外部ディスプレイ33,34が接続されている状態を検出している。このとき、HDMI_HPD信号がLレベルであるので、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aに外部ディスプレイが接続されていることを検出していない。また、VGA_HPD信号がLレベルであるので、コントローラ102は、VGAコネクタ107aに外部ディスプレイが接続されていることを検出していない。
【0071】
コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.1にしたがって、映像出力モードをTBモードに設定する。すなわち、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方に映像信号を出力するようにスイッチ103を設定する。すなわち、OE0信号はHレベルであり、SEL0信号はLレベルである。
【0072】
また、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方に映像信号を出力するようにスイッチ104を設定する。すなわち、OE1信号はHレベルであり、SEL1信号はLレベルである。
【0073】
プロセッサ101は、Port0からスイッチ103を介して、DP規格に準拠した映像信号を有するDisplayPort0信号をTBコントローラ105に出力する。TBコントローラ105は、DP規格に準拠した映像信号をTB規格に準拠した信号に変換する。TBコントローラ105は、TB規格に準拠した信号を、Type-Cコネクタ108を介して変換装置20に出力する。変換装置20は、TB規格に準拠した信号をDP規格に準拠した映像信号に変換する。変換装置20は、DP規格に準拠した映像信号を2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方に出力する。
【0074】
また、プロセッサ101は、Port1からスイッチ104を介して、DP規格に準拠した映像信号を有するDisplayPort1信号をTBコントローラ105に出力する。TBコントローラ105は、DP規格に準拠した映像信号をTB規格に準拠した信号に変換する。TBコントローラ105は、TB規格に準拠した信号を、Type-Cコネクタ108を介して変換装置20に出力する。変換装置20は、TB規格に準拠した信号をDP規格に準拠した映像信号に変換する。変換装置20は、DP規格に準拠した映像信号を2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方に出力する。
【0075】
図7は、
図6に示す状態から、さらに、HDMIコネクタ106aに外部ディスプレイ31が接続されたときの、接続状態と信号の流れを示す図である。この接続状態は、テーブル1の接続状態No.2に対応している。
【0076】
Type-Cコネクタ108には2つの外部ディスプレイ33,34が接続されているので、SNK0_HPD信号はHレベルである。同様に、SNK1_HPD信号はHレベルである。HDMIコネクタ106aには外部ディスプレイ31が接続されているので、HDMI_HPD信号はHレベルである。なお、VGAコネクタ107aには外部ディスプレイが接続されていないので、VGA_HPD信号はLレベルである。
【0077】
SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号がHレベルであるので、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108に2つの外部ディスプレイ33,34が接続されている状態を検出する。さらに、HDMI_HPD信号がHレベルであるので、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aに外部ディスプレイ31が接続されている状態を検出する。このとき、VGA_HPD信号はLレベルであるので、コントローラ102は、VGAコネクタ107aに外部ディスプレイが接続されていることを検出しない。
【0078】
コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.2にしたがって、映像出力モードをHDMIモードに設定する。すなわち、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108を介して、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方に映像信号を出力するようにスイッチ103を設定する。すなわち、OE0信号はHレベルであり、SEL0信号はLレベルである。
【0079】
また、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aを介して、外部ディスプレイ31に映像信号を出力するようにスイッチ104を設定する。すなわち、OE1信号はHレベルであり、SEL1信号はHレベルである。
【0080】
プロセッサ101は、Port0からスイッチ103を介して、DP規格に準拠した映像信号を有するDisplayPort0信号をTBコントローラ105に出力する。TBコントローラ105は、DP規格に準拠した映像信号をTB規格に準拠した信号に変換する。TBコントローラ105は、TB規格に準拠した信号を、変換装置20に出力する。変換装置20は、TB規格に準拠した信号をDP規格に準拠した映像信号に変換する。変換装置20は、DP規格に準拠した映像信号を2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方(
図7においては、外部ディスプレイ33)に出力する。
【0081】
また、プロセッサ101は、Port1からスイッチ104を介して、DP規格に準拠した映像信号を有するDisplayPort_HDMI信号をHDMI接続部106に出力する。HDMI接続部106は、DP規格に準拠した映像信号をHDMI規格に準拠した信号に変換する。HDMI接続部106は、HDMI規格に準拠した信号を、外部ディスプレイ31に出力する。
【0082】
このとき、スイッチ104は、Port1からの映像信号をHDMI接続部106に出力するように設定されているので、DisplayPort1信号は、Port1からの映像信号を有しない。したがって、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方(
図7においては、外部ディスプレイ34)には、映像信号は出力されない。
【0083】
図8は、情報処理装置100に外部ディスプレイが接続されていない状態から、
図6に示すように、外部ディスプレイ33,34がType-Cコネクタ108に接続され、その後、
図7に示すように、さらに外部ディスプレイ31がHDMIコネクタ106aに接続されたときのタイミングチャートである。
図8の例では、テーブル1が指定されている。以下、タイミングチャートについて詳細に説明する。
【0084】
時刻t0において、情報処理装置100はいずれの外部ディスプレイとも接続されていない。したがって、HDMI_HPD信号、VGA_HPD信号、SNK0_HPD信号、およびSNK1_HPD信号はLレベルである。
【0085】
SNK0_HPD信号およびVGA_HPD信号がLレベルであるので、コントローラ102は、OE0信号をLレベルにして、スイッチ103の出力を無効にする。スイッチ103が無効であるので、DP_HPD0信号はLレベルである。また、コントローラ102は、SEL0信号をLレベルにする。
【0086】
同様に、SNK1_HPD信号およびHDMI_HPD信号がLレベルであるので、コントローラ102は、OE1信号をLレベルにして、スイッチ104の出力を無効にする。スイッチ104が無効であるので、DP_HPD1信号はLレベルである。また、コントローラ102は、SEL1信号をLレベルにする。
【0087】
時刻t1において、
図6に示すように、外部ディスプレイ33,34が接続された変換装置20がType-Cコネクタ108に接続されると、TBコントローラ105は、SNK0_HPD信号をHレベルにし、SNK1_HPD信号をHレベルにする。
【0088】
SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号がHレベルになると、コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.1にしたがって、映像出力モードをTBモードに設定する。すなわち、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108を介して、外部ディスプレイ33,34に映像信号を出力するようにスイッチ103,104を設定する。
【0089】
すなわち、コントローラ102は、時刻t1から遅延した時刻t2において、OE0信号をHレベルにして、スイッチ103の出力を有効にする。このとき、コントローラ102は、SEL0信号をLレベルのままに維持する。同時に、コントローラ102は、OE1信号をHレベルにして、スイッチ104の出力を有効にする。このとき、コントローラ102は、SEL1信号をLレベルのままに維持する。
【0090】
その後、スイッチ103は、HレベルのSNK0_HPD信号を受けて、DP_HPD0信号をHレベルにする(時刻t3)。同時に、スイッチ104は、HレベルのSNK1_HPD信号を受けて、DP_HPD1信号をHレベルにする。
【0091】
DP_HPD0信号がLレベルからHレベルに変化すると、プロセッサ101は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの一方の外部ディスプレイ33に対してLinkTrainingを開始する(時刻t4)。LinkTrainingを終えると、プロセッサ101は、映像信号(DisplayPort0)の出力を開始する。これにより、Type-Cコネクタ108及び変換装置20を介して接続された外部ディスプレイ33にて映像が表示される。
【0092】
同時に、DP_HPD1信号がLレベルからHレベルに変化すると、プロセッサ101は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方の外部ディスプレイ34に対してLinkTrainingを開始する。LinkTrainingを終えると、プロセッサ101は、映像信号(DisplayPort1)の出力を開始する。これにより、Type-Cコネクタ108及び変換装置20を介して接続された外部ディスプレイ34にて映像が表示される。
【0093】
その後、時刻t5において、
図7に示すように、外部ディスプレイ31がHDMIコネクタ106aに接続されると、HDMI_HPD信号はHレベルになる。
【0094】
HDMI_HPD信号がHレベルになると、コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.2にしたがって、映像出力モードをTBモードからHDMIモードに切り換える。そして、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aに映像信号を出力するようにスイッチ104を設定する。
【0095】
時刻t5においてHDMI_HPD信号がHレベルになると、コントローラ102は、時刻t5から遅延した時刻t6において、OE1信号をLレベルにする。OE1信号がLレベルになると、時刻t6からやや遅延した時刻t7において、スイッチ104は、DP_HPD1信号をLレベルにする。DP_HPD1信号がLレベルになると、コントローラ102は、2つの外部ディスプレイ33,34のうちの他方(すなわち、外部ディスプレイ34)への映像信号の出力を停止する(時刻t8)。
【0096】
その後、時刻t9において、コントローラ102は、SEL1信号をHレベルにして、DP_HPD1信号として出力する信号を、SNK1_HPD信号からHDMI_HPD信号に切り換える。その後、時刻t10において、OE1信号がHレベルになる。時刻t10からさらにやや遅延した時刻t11において、スイッチ104は、HレベルのHDMI_HPD信号を受けて、DP_HPD1信号をHレベルにする。DP_HPD1信号がLレベルからHレベルに変化すると、プロセッサ101は、外部ディスプレイ31とのLinkTrainingを開始する(時刻t12)。LinkTrainingを終えると、プロセッサ101は、HDMI接続部106に映像信号(DisplayPort_HDMI信号)の出力を開始する。これにより、HDMIコネクタ106aに接続された外部ディスプレイ31にて映像が表示される。
【0097】
ここで、時刻t6~t10にかけて、OE1信号をLレベルにして、スイッチ104を無効にする理由を説明する。時刻t9において、SNK1_HPD信号およびHDMI_HPD信号は、ともにHレベルである。したがって、OE1信号をHレベルのままに維持してスイッチ104をどちらに切り換えても、DP_HPD1信号はHレベルのままで変化しない。それ故に、プロセッサ101は、スイッチ104が切り換わったことを検出することができない。そこで、時刻t6~t10にかけて、OE1信号をLレベルにして、スイッチ104を無効にすることで、時刻t7~t11にかけて、DP_HPD1信号をLレベルにする。これにより、プロセッサ101は、スイッチ104が切り換わったことを検出できる。
【0098】
以上説明したように、コントローラ102は、インタフェースコネクタ106a,107a,108に外部ディスプレイが接続されているか否かを検出する。そして、コントローラ102は、外部ディスプレイの接続状態とテーブル情報102bに基づき、映像信号を出力するコネクタを決定する。
【0099】
図9は、使用するテーブルとしてテーブル1が指定されており、かつ、HDMIコネクタ106aに外部ディスプレイ31が接続され、VGAコネクタ107aに外部ディスプレイ32が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。このとき、Type-Cコネクタ108には、外部ディスプレイは接続されていない。この接続状態は、テーブル1の接続状態No.5に対応しており、映像出力モードとしてVGAモードが設定される。
【0100】
HDMIコネクタ106aには外部ディスプレイ31が接続されているので、HDMI_HPD信号はHレベルである。また、VGAコネクタ107aには外部ディスプレイ32が接続されているので、VGA_HPD信号はHレベルである。なお、Type-Cコネクタ108には外部ディスプレイが接続されていないので、SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号はLレベルである。
【0101】
HDMI_HPD信号がHレベルであるので、コントローラ102は、HDMIコネクタ106aに外部ディスプレイ31が接続されている状態を検出している。また、VGA_HPD信号がHレベルであるので、コントローラ102は、VGAコネクタ107aに外部ディスプレイ32が接続されている状態を検出している。このとき、SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号はLレベルであるので、コントローラ102は、Type-Cコネクタ108に外部ディスプレイが接続されていることを検出していない。
【0102】
コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.5にしたがって、VGAコネクタ107aを介して、外部ディスプレイ32に映像信号を出力するようにスイッチ103を設定している。すなわち、OE0信号はHレベルであり、SEL0信号はHレベルである。
【0103】
また、コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.5にしたがって、HDMIコネクタ106aを介して、外部ディスプレイ31に映像信号を出力するようにスイッチ104を設定している。すなわち、OE1信号はHレベルであり、SEL1信号はHレベルである。
【0104】
プロセッサ101は、Port0からスイッチ103を介して、DP規格に準拠した映像信号(DisplayPort_VGA)をVGA接続部107に出力している。VGA接続部107は、DP規格に準拠した映像信号をVGA規格に準拠した映像信号に変換する。これにより、VGAコネクタ107aに接続された外部ディスプレイ32において映像が表示される。
【0105】
また、プロセッサ101は、Port1からスイッチ104を介して、DP規格に準拠した映像信号(DisplayPort_HDMI)をHDMI接続部106に出力している。HDMI接続部106は、DP規格に準拠した映像信号をHDMI規格に準拠した信号に変換する。これにより、HDMIコネクタ106aに接続された外部ディスプレイ31において映像が表示される。
【0106】
図10は、使用するテーブルとしてテーブル1が指定されており、かつ、HDMIコネクタ106aに外部ディスプレイ31が接続され、VGAコネクタ107aに外部ディスプレイ32が接続されているときの、接続状態と信号の流れを示す図である。ここで、Type-Cコネクタ108には、映像出力機能を持たないデバイスの例として外部装置35が接続されている。外部装置35は、例えばハードディスクドライブである。
【0107】
HDMIコネクタ106aには外部ディスプレイ31が接続されているので、HDMI_HPD信号はHレベルである。また、VGAコネクタ107aには外部ディスプレイ32が接続されているので、VGA_HPD信号はHレベルである。ここで、Type-Cコネクタ108に接続されている外部装置35は、映像出力機能を持たない。したがって、SNK0_HPD信号およびSNK1_HPD信号はLレベルである。すなわち、この接続状態は、テーブル1の接続状態No.5に対応しており、映像出力モードとしてVGAモードが設定される。
【0108】
コントローラ102は、テーブル1の接続状態No.5にしたがって、スイッチ103,104を設定する。このとき、プロセッサ101は、Port0からスイッチ103を介して、DP規格に準拠した映像信号(DisplayPort_VGA)をVGA接続部107に出力する。同時に、プロセッサ101は、Port1からスイッチ104を介して、DP規格に準拠した映像信号(DisplayPort_HDMI)をHDMI接続部106に出力する。これにより、HDMIコネクタ106a及びVGAコネクタ107aにそれぞれ接続された外部ディスプレイ31、32において映像が表示される。しかし、Type-Cコネクタ108に接続された外部装置35には映像は表示されない。
【0109】
[1-3.効果]
以上述べたように、メモリ102a(
図3参照)は、映像信号を出力するコネクタの優先順位が規定された複数(N個)のテーブルを有するテーブル情報102bを含む。メモリ102aは、テーブル情報102bが有する複数(N個)のテーブルのうちの1つのテーブルを指定する、テーブル指定情報102cをさらに含む。コントローラ102は、テーブル指定情報102cによって指定されたテーブルにしたがって、映像信号を出力するコネクタを設定する。
【0110】
以上の構成により、ユーザは、映像信号を出力するコネクタの優先順位を自由に設定することができる。
【0111】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0112】
実施の形態1では、変換装置20は、最大2つの外部ディスプレイ33,34を情報処理装置100のType-Cコネクタ108に接続するものであった。変換装置は、
図11に示すように、1つの外部ディスプレイ33のみを情報処理装置100のType-Cコネクタ108に接続するものであってもよい。
【0113】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0114】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0115】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【符号の説明】
【0116】
31~34 外部ディスプレイ
100 情報処理装置
101 プロセッサ
102 コントローラ
103,104 スイッチ
105 TBコントローラ
106a HDMIコネクタ
107a VGAコネクタ
108 Type-Cコネクタ