(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/00 20060101AFI20230120BHJP
C08L 23/12 20060101ALI20230120BHJP
C08L 23/26 20060101ALI20230120BHJP
C08L 9/06 20060101ALI20230120BHJP
C08L 1/00 20060101ALI20230120BHJP
C08L 53/02 20060101ALI20230120BHJP
C08K 7/02 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
C08L23/00
C08L23/12
C08L23/26
C08L9/06
C08L1/00
C08L53/02
C08K7/02
(21)【出願番号】P 2018095648
(22)【出願日】2018-05-17
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 啓造
(72)【発明者】
【氏名】野末 章浩
(72)【発明者】
【氏名】福島 直弥
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-231237(JP,A)
【文献】特開2012-107212(JP,A)
【文献】特開2017-137470(JP,A)
【文献】特開2018-048261(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123150(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026258(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物は、熱可塑性エラストマーを除く
疎水性のポリオレフィンと、セルロース繊維と、
無水マレイン酸変性ポリオレフィンと、エラストマーと、を含有し、
前記
ポリオレフィンの含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して60質量%以上90質量%以下の範囲内であり、
前記セルロース繊維の含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して5質量%以上30質量%以下の範囲内であり、
前記
無水マレイン酸変性ポリオレフィンの含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲内であり
、
前記無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量が、20000以下であり、
前記エラストマーの含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して3質量%以上15質量%以下の範囲内である、
樹脂組成物。
【請求項2】
前記セルロース繊維の平均繊維長が、0.001mm以上0.1mm以下の範囲内である、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記エラストマーが、スチレン成分及びブタジエン成分を有するブロックコポリマーを含む、
請求項1
又は2に記載の樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に樹脂組成物に関し、より詳細にはセルロース繊維を含有する樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複合樹脂成型体を開示する。この複合樹脂成型体は、主剤樹脂、有機繊維状フィラー及び分散剤を含有する溶融混練物からなる。ここで、有機繊維状フィラーは、セルロースが含まれたセルロース類である。そして、複合樹脂成型体中には炭化した有機繊維状フィラーが特定の割合で存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の複合樹脂成型体では、濃色化が抑制され、外観性に優れているものの、耐衝撃性については更なる改良の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、剛性及び耐衝撃性を兼備する成形品を得ることができる樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る樹脂組成物は、熱可塑性エラストマーを除く疎水性のポリオレフィンと、セルロース繊維と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと、エラストマーと、を含有する。前記ポリオレフィンの含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して60質量%以上90質量%以下の範囲内である。前記セルロース繊維の含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して5質量%以上30質量%以下の範囲内である。前記無水マレイン酸変性ポリオレフィンの含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲内である。前記無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量が、20000以下である。前記エラストマーの含有量は、前記樹脂組成物の全質量に対して3質量%以上15質量%以下の範囲内である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、剛性及び耐衝撃性を兼備する成形品を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.概要
本実施形態に係る樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを含有する。この樹脂組成物を成形材料として、射出成形等の成形方法を使用することにより成形品が得られる。この成形品は、剛性及び耐衝撃性を兼備する。すなわち、分散剤によって熱可塑性樹脂中におけるセルロース繊維を均一に分散させることで、成形品に剛性を付与することができる。さらにエラストマーによって熱可塑性樹脂の脆化温度を低下させることで、成形品に耐衝撃性を付与することができる。
【0009】
このように、本実施形態に係る樹脂組成物によれば、剛性及び耐衝撃性を兼備する成形品を得ることができる。
【0010】
2.詳細
本実施形態に係る樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを含有する。樹脂組成物の常温での形態は、例えば、球形、円柱形又は角柱形のペレットである。以下、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーについて順に説明する。
【0011】
2.1 熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は特に限定されない。熱可塑性樹脂の具体例として、ポリオレフィン(環状ポリオレフィンも含む)、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリカーボネート及びポリサルフォンが挙げられる。これらの中でも特にポリオレフィンが低比重である点で好ましい。すなわち、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)などのポリオレフィンは比重が小さいため、セルロース繊維との複合化で、軽量かつ高剛性の成形品を成形可能な樹脂組成物を容易に得ることができる。
【0012】
好ましくは、熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物の全質量に対して60質量%以上90質量%以下の範囲内である。熱可塑性樹脂の含有量が60質量%以上であることで、成形品の軽量化を実現し得る。この場合、熱可塑性樹脂は、低比重素材であるポリオレフィンを含むことがより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が90質量%以下であることで、成形品の剛性の低下を抑制することができる。なお、剛性は、例えば曲げ剛性である。
【0013】
2.2 セルロース繊維
セルロース繊維は、成形品に剛性を付与する。セルロース繊維は、木材類、パルプ類、紙類、植物茎・葉類及び植物殻類から選ばれる1種又は2種以上のセルロース含有原料を粉砕機で処理して得ることができる。具体的には、セルロース含有原料を、必要により、シュレッダー等の裁断機を利用して粗粉砕を行ってから、衝撃式の粉砕機又は押出機による処理を行ったり、乾燥処理を行ったりした後、媒体式の粉砕機を用いて攪拌することで、セルロース繊維を得ることができる。
【0014】
好ましくは、セルロース繊維の平均繊維長は、0.001mm以上0.1mm以下の範囲内である。平均繊維長が0.001mm以上であることで、成形品の剛性を向上させることができる。平均繊維長が0.1mm以下であることで、セルロース繊維の分散性の低下を抑制することができる。なお、セルロース繊維の平均繊維長は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(50%累積粒径:d50)を意味する。
【0015】
好ましくは、セルロース繊維の含有量は、樹脂組成物の全質量に対して5質量%以上30質量%以下の範囲内である。セルロース繊維の含有量が5質量%以上であることで、成形品の剛性を向上させることができる。セルロース繊維の含有量が30質量%以下であることで、成形品の耐衝撃性の低下を抑制することができる。
【0016】
2.3 分散剤
分散剤は、疎水性の熱可塑性樹脂と親水性のセルロース繊維とを均一に分散させる機能を有する。このような機能を有するものであれば、分散剤は、特に限定されない。好ましくは、分散剤は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンである。無水マレイン酸変性ポリオレフィンの好適例として、三洋化成工業株式会社製「ユーメックスシリーズ」及びBYK社製「PRIEXシリーズ」及び「SCONAシリーズ」が挙げられる。無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、疎水性のポリオレフィンセグメントと親水性の無水マレイン酸セグメントとを有する。ポリオレフィンセグメントは、熱可塑性樹脂(特にポリオレフィン)との親和性があり、無水マレイン酸セグメントは、セルロース繊維との親和性がある。したがって、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを熱可塑性樹脂に添加することによって、セルロース繊維の分散性を向上させることができる。このように、熱可塑性樹脂中におけるセルロース繊維同士の相互作用による凝集が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンによって抑制されることで、成形品の剛性が向上する。
【0017】
無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量が、好ましくは45000以下、より好ましくは20000以下である。このことにより、セルロース繊維の分散性を更に向上させることができる。特に限定されないが、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量の下限値は5000である。なお、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により得られるポリスチレン換算の相対値である。
【0018】
好ましくは、分散剤の含有量は、樹脂組成物の全質量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲内である。分散剤の含有量が1質量%以上であることで、熱可塑性樹脂とセルロース繊維との相容性を向上させることができ、成形品の剛性を向上させることができる。分散剤の含有量が10質量%以下であることで、成形品の剛性の低下を抑制することができる。
【0019】
2.4 エラストマー
エラストマーは、成形品に耐衝撃性を付与する。エラストマーは、熱硬化性エラストマーと熱可塑性エラストマーとに大別されるが、好ましくは熱可塑性エラストマーである。
【0020】
熱可塑性エラストマーは、加熱すると軟化して流動性を示し、冷却するとゴム状に戻る性質を持つエラストマーである。熱可塑性エラストマーの具体例として、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)及びブタジエン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0021】
熱可塑性エラストマーの中でも、低温物性に優れている点で、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン成分及びブタジエン成分を有するブロックコポリマーである。このスチレン系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂との相容性に優れているので、成形品の耐衝撃性の改良に効果がある。
【0022】
さらにスチレン系熱可塑性エラストマーの中でも、水添スチレン系熱可塑性エラストマーがより好ましい。水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン及びブタジエンからなるブロックコポリマーを水素添加したポリマーである。この水添スチレン系熱可塑性エラストマーの好適例として、旭化成株式会社製「タフテックHシリーズ」及び「タフテックPシリーズ」が挙げられる。これらのエラストマーは、幅広い温度領域でゴム弾性を示す。したがって、このエラストマーが樹脂組成物に含有されていると、仮に熱可塑性樹脂が低温で脆いものであったとしても、その熱可塑性樹脂の脆化温度を低下させることで、成形品の耐衝撃性の低下を抑制することができる。特にポリプロピレンの改質に有効である。
【0023】
好ましくは、エラストマーの含有量は、樹脂組成物の全質量に対して3質量%以上15質量%以下の範囲内である。エラストマーの含有量が3質量%以上であることで、成形品の耐衝撃性を向上させることができる。エラストマーの含有量が15質量%以下であることで、成形品の剛性の低下を抑制することができる。
【0024】
2.5 樹脂組成物の製造方法
樹脂組成物(ペレット)は、次のように乾式法により製造することができる。すなわち、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを2軸混練押出機等の混練押出機内に投入する。混練押出機内で熱可塑性樹脂が溶融し、溶融した熱可塑性樹脂内に分散剤によってセルロース繊維が分散し、エラストマーも分散する。さらに混練押出機内でセルロース繊維が剪断作用を受けて凝集塊の解繊が促進され、セルロース繊維が熱可塑性樹脂中に更に均一に分散される。混練押出機から押し出された溶融混練物は、例えば水冷され、ペレットとなる。ペレットの寸法は特に限定されない。
【0025】
2.6 成形品の製造方法
樹脂組成物(ペレット)を成形材料として、射出成形、押出成形及び注型成形等の公知の成形方法を使用することにより、各種の成形品を製造することができる。樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを含有しているので、得られた成形品は、剛性及び耐衝撃性を兼備している。成形品は、例えばハンディタイプの家電製品の部品などとして好適である。
【0026】
3.まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを含有する。
【0027】
この態様によれば、剛性及び耐衝撃性を兼備する成形品を得ることができる。
【0028】
第2の態様に係る樹脂組成物は、第1の態様において、前記セルロース繊維の平均繊維長が、0.001mm以上0.1mm以下の範囲内である。
【0029】
この態様によれば、成形品の剛性を向上させることができる。さらにセルロース繊維の分散性の低下を抑制することができる。
【0030】
第3の態様に係る樹脂組成物は、第1又は2の態様において、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンである。
【0031】
この態様によれば、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)などのポリオレフィンは比重が小さいため、セルロース繊維との複合化で、軽量かつ高剛性の成形品を成形可能な樹脂組成物を容易に得ることができる。
【0032】
第4の態様に係る樹脂組成物は、第1~3のいずれかの態様において、前記分散剤が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンである。
【0033】
この態様によれば、セルロース繊維の分散性を向上させることができる。
【0034】
第5の態様に係る樹脂組成物は、第4の態様において、前記無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量が、45000以下である。
【0035】
この態様によれば、セルロース繊維の分散性を更に向上させることができる。
【0036】
第6の態様に係る樹脂組成物は、第1~5のいずれかの態様において、前記エラストマーが、スチレン成分及びブタジエン成分を有するブロックコポリマーである。
【0037】
この態様によれば、成形品の耐衝撃性の改良に効果がある。
【実施例】
【0038】
以下、本開示を実施例によって具体的に説明するが、本開示は、以下の実施例に限定されない。
【0039】
(実施例1)
以下に示す熱可塑性樹脂、セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを、表1に示す比率(質量%)となるように秤量し、ドライブレンドした。次に、2軸混練押出機(株式会社テクノベル製、型式:KZW15TW)にて、混練温度を200℃、排出量を2kg/時間として溶融混練分散した後、水冷して、ペレットを製造した。
【0040】
熱可塑性樹脂:BC03B(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
セルロース繊維:NBKP Celgar(三菱製紙株式会社製、綿状針葉樹パルプ、平均繊維長0.05mm)
分散剤:ユーメックス1001(三洋化成工業株式会社製、重量平均分子量45000)
エラストマー:タフテックH1062(旭化成株式会社製)
【0041】
(実施例2)
表1に示す比率となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0042】
(実施例3)
以下に示す熱可塑性樹脂及び分散剤に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0043】
熱可塑性樹脂:BC03C(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
分散剤:ユーメックス100TS(三洋化成工業株式会社製、重量平均分子量9000)
【0044】
(実施例4)
表1に示す比率となるように秤量した以外は、実施例3と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0045】
(実施例5)
以下に示す熱可塑性樹脂、分散剤及びエラストマーに変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0046】
熱可塑性樹脂:BC03C(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
分散剤:PRIEX 25097(BYK社製、重量平均分子量20000)
エラストマー:タフテックP2000(旭化成株式会社製)
【0047】
(実施例6)
表1に示す比率となるように秤量した以外は、実施例5と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0048】
(比較例1)
セルロース繊維、分散剤及びエラストマーを使用せず、以下の熱可塑性樹脂のみを使用して、実施例1と同様に2軸混練押出機により、ペレットを製造した。
【0049】
熱可塑性樹脂:BC03C(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
【0050】
(比較例2)
以下に示す熱可塑性樹脂に変更し、分散剤及びエラストマーを使用せず、表1に示す比率となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0051】
熱可塑性樹脂:BC03C(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
【0052】
(比較例3)
以下に示す熱可塑性樹脂に変更し、エラストマーを使用せず、表1に示す比率となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0053】
熱可塑性樹脂:BC03C(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
【0054】
(比較例4)
以下に示す熱可塑性樹脂に変更し、分散剤を使用せず、表1に示す比率となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなるペレットを製造した。
【0055】
熱可塑性樹脂:BC03C(日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン)
【0056】
(曲げ弾性率)
各実施例及び比較例のペレットを用いてISO178に規定の試験片を作製した。各試験片について、JIS K 7171に規定の曲げ試験を行った。曲げ弾性率の測定結果を表1に示す。
【0057】
(耐衝撃性)
各実施例及び比較例のペレットを用いて70mm×70mm×2mmtの大きさの試験片を作製し、室温23℃で3時間保持した。その後、所定の高さから250gの錘を試験片に落下させた。この操作を、試験片が破壊されるまで高さを変えて行った。試験片が破壊されない最大高さを測定し、以下の基準で耐衝撃性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0058】
A:最大高さが100cmを超え、耐衝撃性が高い。
B:最大高さが60cm以上100cm以下であり、耐衝撃性がやや低い。
C:最大高さが60cm未満であり、耐衝撃性が低い。
【0059】