(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】法面用ハーネス型安全帯
(51)【国際特許分類】
A62B 35/00 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
A62B35/00 A
(21)【出願番号】P 2019002309
(22)【出願日】2019-01-10
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000223687
【氏名又は名称】藤井電工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000115463
【氏名又は名称】ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 政彦
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 勝
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0139419(US,A1)
【文献】特開2017-205216(JP,A)
【文献】特開2017-064294(JP,A)
【文献】米国特許第06253874(US,B1)
【文献】特開平11-333011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の肩掛けベルトと一対の腿掛けベルトとを備える主ベルトと、装着者の臀部に当接するバックサイドベルトと、前記バックサイドベルトの上方で装着者の背面の左右方向に延びる一体化ベルトとを備えており、
前記一体化ベルトと前記バックサイドベルトとが着脱不可の状態で連結されており、
前記一体化ベルトとそれぞれの肩掛けベルトとが着脱不可の状態で連結されて
、前記主ベルトに対して前記一体化ベルトの配置位置が調整可能にされている、法面用ハーネス型安全帯。
【請求項2】
前記一体化ベルトが前記肩掛けベルトと交差する位置に環状に形成されたベルト側重合部を備えており、
前記肩掛けベルトが前記ベルト側重合部に通されて前記肩掛けベルトと前記一体化ベルトとが連結されている、請求項1に記載の法面用ハーネス型安全帯。
【請求項3】
前記肩掛けベルトによって形成されて前記装着者の左右の腰部に位置する側交差部が、前記ベルト側重合部に通されている、請求項2に記載の法面用ハーネス型安全帯。
【請求項4】
前記バックサイドベルトの左右端部に連結され上方に延びる一対の端部吊りベルトを備えており、
それぞれの端部吊りベルトが環状に形成された端部吊り重合部を備えており、
前記端部吊り重合部と前記一体化ベルトの前記ベルト側重合部とが互いに通されている、
請求項2又は3に記載の法面用ハーネス型安全帯。
【請求項5】
前記肩掛けベルトが前記一体化ベルトが交差する位置に縫着されて環状に形成されたハーネス重合部を備えており、
前記ベルト側重合部と前記ハーネス重合部とが互いに通されている、
請求項2から4のいずれかに記載の法面用ハーネス型安全帯。
【請求項6】
前記一対の肩掛けベルトが装着者の背面で交差して後交差部を形成しており、
前記一体化ベルトの背面における左右方向中央部と前記後交差部とを連結する胴吊りベルトを備えており、
前記胴吊りベルトが環状に形成された胴吊り重合部を備えており、
前記一体化ベルトが前記左右方向中央部に位置して環状に形成されたベルト中央重合部を備えており、
前記胴吊り重合部と前記ベルト中央重合部とが互いに通されている、請求項1から5のいずれかに記載の法面用ハーネス型安全帯。
【請求項7】
装着者の胴に巻かれる胴ベルトを備えており、
前記一体化ベルトが一体化ベルト本体と前記一体化ベルト本体の端部に位置して前記胴ベルトが着脱可能に通される一対のベルト通し具を備えており、
前記一体化ベルトが装着者の背面の胴回りに前記胴ベルトに沿って延びており、それぞれのベルト通し具に前記胴ベルトが通されている、請求項1から6のいずれかに記載の法面用ハーネス型安全帯。
【請求項8】
前記一対の肩掛けベルトが装着者の前面で交差して前交差部を形成しており、
少なくとも一方の肩掛けベルトを連結解除可能に連結する連結具を備えている、請求項1から7のいずれかに記載の、法面用ハーネス型安全帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法面用ハーネス型安全帯に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2017-205216号公報)には、法面での作業に使用されるハーネス型安全帯と尻当てとが記載されている。このハーネス型安全帯は、腰ベルトと、腰ベルトに取り付けられた尻当てと共に使用される。この尻当ては、法面での作業において、作業者の臀部に当接する。作業者が装着したハーネス型安全帯が命綱に連結される。このハーネス型安全帯は安全性に優れる。このハーネス型安全帯と尻当てとを使用することで、法面での作業の安全性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハーネス型安全帯と尻当てとを両方装着することは、手間が係る。そこで、このハーネス型安全帯と尻当てとの組み合わせに代えて、腰ベルトと尻当てとを装着して、ハーネス型安全帯を装着せずに、法面作業をすることが考えられる。しかしながら、この様な使用は、安全性に劣る。
【0005】
本発明の目的は、安全性に優れる法面用ハーネス型安全帯の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る法面用ハーネス型安全帯は、一対の肩掛けベルトと一対の腿掛けベルトとを備える主ベルトと、装着者の臀部に当接するバックサイドベルトと、前記バックサイドベルトの上方で装着者の背面の左右方向に延びる一体化ベルトとを備えている。前記一体化ベルトと前記バックサイドベルトとは、着脱不可の状態で連結されている。前記一体化ベルトとそれぞれの肩掛けベルトとは、着脱不可の状態で連結されている。
【0007】
好ましくは、前記一体化ベルトは、前記肩掛けベルトと交差する位置に環状に形成されたベルト側重合部を備えている。前記肩掛けベルトが前記ベルト側重合部に通されて、前記肩掛けベルトと前記一体化ベルトとは連結されている。
【0008】
好ましくは、この法面用ハーネス型安全帯は、前記バックサイドベルトの左右端部に連結され上方に延びる一対の端部吊りベルトを備えている。それぞれの端部吊りベルトは、環状に形成された端部吊り重合部を備えている。前記端部吊り重合部と前記一体化ベルトの前記ベルト側重合部とが互いに通されている。
【0009】
好ましくは、前記肩掛けベルトは、前記一体化ベルトが交差する位置に、縫着されて環状に形成されたハーネス重合部を備えている。前記ベルト側重合部と前記ハーネス重合部とが互いに通されている。
【0010】
好ましくは、前記一対の肩掛けベルトは、装着者の背面で交差して後交差部を形成している。この法面用ハーネス型安全帯は、前記一体化ベルトの背面における左右方向中央部と前記後交差部とを連結する胴吊りベルトを備えている。
【0011】
好ましくは、前記胴吊りベルトは、環状に形成された胴吊り重合部を備えている。前記一体化ベルトは、前記左右方向中央部に位置して環状に形成されたベルト中央重合部を備えている。前記胴吊り重合部と前記ベルト中央重合部とは互いに通されている。
【0012】
好ましくは、この法面用ハーネス型安全帯は、装着者の胴に巻かれる胴ベルトを備えている。前記一体化ベルトは、一体化ベルト本体と前記一体化ベルト本体の端部に位置して前記胴ベルトが着脱可能に通される一対のベルト通し具を備えている。前記一体化ベルトが装着者の背面の胴回りに前記胴ベルトに沿って延びており、それぞれのベルト通し具に前記胴ベルトが通されている。
【0013】
好ましくは、前記一対の肩掛けベルトは、装着者の前面で交差して前交差部を形成している。この法面用ハーネス型安全帯は、少なくとも一方の肩掛けベルトを連結解除可能に連結する連結具を備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る法面用ハーネス型安全帯では、一体化ベルトと尻当てとしてのバックサイドベルトとは、着脱不可の状態で連結されている。主ベルトの肩掛けベルトと一体化ベルトとが着脱不可の状態で連結されている。従って、バックサイドベルトが使用される際に、主ベルトが使用される。この法面用ハーネス型安全帯は、法面での作業の安全性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る法面用ハーネス型安全帯が示された説明図である。
【
図2】
図2は、
図1の二点鎖線IIで示された部分の拡大斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の線分III-IIIに沿った断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る法面用ハーネス型安全帯が示された説明図である。
【
図8】
図8は、
図7の線分VIII-VIIIに沿った断面図である。
【
図9】
図9は、
図7の法面用ハーネス型安全帯の使用状態の説明図である。
【
図10】
図10には、
図7の法面用ハーネス型安全帯の他の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0017】
図1には、本発明に係る法面用ハーネス型安全帯2が示されている。
図1には、背面から見た安全帯2が示されている。
図1において、紙面に垂直な方向が安全帯2の前後方向であり、左右方向が安全帯2の左右方向であり、上下方向が安全帯2の上下方向である。
【0018】
この安全帯2は、主ベルト4と、バックサイドベルト6と、一体化ベルト8と、一対の端部吊りベルト10と、中央吊りベルト12、連結ベルト14と、ベルト連結具としての3つのバックル16と、前ベルト固定具としての前D環止め18と、前連結環として前D環20と、後ベルト固定具としての後D環止め22と、後連結環として後D環24と、胴吊りベルト26とを備えている。
【0019】
主ベルト4は、一対の肩掛けベルト28と一対の腿掛けベルト30を備えている。それぞれの肩掛けベルト28は、左右方向いずれか一方の腿掛けベルト30から左右方向他方の装着者の肩位置で折り返されて、左右方向一方の腿掛けベルト30まで延びる。この上方での折り返しにより、肩掛けベルト28には、前肩掛けベルト部28a及び後肩掛けベルト部28bが形成されている。
【0020】
前肩掛けベルト部28aと後肩掛けベルト部28bとは、折り返し位置と腿掛けベルト30との間で交差している。この交差によって、側交差部28cが形成されている。一対の前肩掛けベルト28aは、左右方向いずれか一方の腿掛けベルト30から左右方向他方の装着者の肩位置まで互いに逆向きに傾斜して延びている。一対の前肩掛けベルト28aは、互いに交差して前交差部28dを形成している。一対の後肩掛けベルト28bは、左右方向いずれか一方の装着者の肩位置から左右方向他方の腿掛けベルト30まで互いに逆向きに傾斜して延びている。一対の後肩掛けベルト28bは、互いに交差して後交差部28eを形成している。
【0021】
この安全帯2では、一方の肩掛けベルト28で、その前肩掛けベルト部28aが前交差部28dと側交差部28cとの間で分割されている。分割された前肩掛けベルト部28aの一方の端部にバックル16の本体16aが取り付けられている。その他方の端部にバックル16のタングプレート16bが取り付けられている。この本体16aにタングプレート16bが差し込まれることで、分割された前肩掛けベルト部28aの一方の端部と他方の端部とが連結される。この本体16aからタングプレート16bが抜かれることで、この前肩掛けベルト部28aの一方の端部と他方の端部とは、連結解除される。
【0022】
一方の肩掛けベルト28の前肩掛けベルト部28aの下端部と後肩掛けベルト部28bの下端部とは、一方の腿掛けベルト30に連結されている。他方の肩掛けベルト28の前肩掛けベルト部28aの下端部と後肩掛けベルト部28bの下端部とは、他方の腿掛けベルト30に連結されている。
【0023】
それぞれの腿掛けベルト30の一端部にバックル16の本体16aが取り付けられている。その他端部にバックル16のタングプレート16bが取り付けられている。この本体16aにタングプレート16bが差し込まれることで、腿掛けベルト30の一端部と他端部とが連結解除可能に連結されている。腿掛けベルト30は、このバックル16によって一端部と他端部とが連結され環状にされる。この環状にされた腿掛けベルト30は、装着者の腿に巻かれる。
【0024】
前D環止め18は、一対の肩掛けベルト28が形成する前交差部28dに、位置している。この前D環止め18に、一対の前肩掛けベルト28aが交差して通されている。この前D環止め18は、一対の前肩掛けベルト28aに取り付けられている。この前D環止め18に一対の肩掛けベルト28が交差して通される。この交差した一対の肩掛けベルト28と前D環20とが連結されている。
【0025】
後D環止め22は、一対の肩掛けベルト28が形成する後交差部28eに、位置している。この後D環止め22に、一対の後肩掛けベルト部28bが交差して通されている。この後D環止め22は、一対の後肩掛けベルト部28bに取り付けられている。この後D環止め22に一対の肩掛けベルト28が交差して通される。この交差した一対の肩掛けベルト28と後D環24とが連結されている。
【0026】
バックサイドベルト6は、幅広のベルト本体6aと、一対の取付バンド6bと、一対の連結環としての一対の側D環32とを備えている。それぞれの取付バンド6bは、ベルト本体6aの左右方向端部に縫着されている。この縫着によって、縫着部6cが形成されている。側D環32は、取付バンド6bの縫着によって、ベルト本体6aの左右方向端部に連結されている。このバックサイドベルト6は、法面作業において、装着者の臀部に当接する。側D環32に例えば支持ロープが連結されて、支持ロープの張力でバックサイドベルト6が装着者の臀部を支持する。
【0027】
それぞれの端部吊りベルト10は、上下方向に延びる本体10aと、本体10aの上端に連続する端部吊り重合部10bとを備えている。本体10aの下端部はバックサイドベルト6に縫着されている。ここでは、この下端部は縫着部6cに縫着されている。端部吊り重合部10bは、環状の形状を備えている。この安全帯2では、端部吊りベルト10は、一本のベルトで形成され、上方で折り返されている。この折り返し部の先端部が本体10aに縫着されて、縫着部10cを形成している。この折り返しと縫着とによって、端部吊り重合部10bが形成されている。この端部吊りベルト10は、この端部吊り重合部10bで、一体化ベルト8に連結されている。
【0028】
中央吊りベルト12は、上下方向に延びる本体12aと、本体12aの上端に連続する中央吊り重合部12bとを備えている。本体12aの下端部はベルト本体6aの左右方向中央部に縫着されている。中央吊り重合部12bは、環状の形状を備えている。この安全帯2では、中央吊りベルト12は、本体12aを形成するベルトが上方で折り返されている。この折り返し部の先端部が着脱可能な留め具に通されて固定されている。この折り返しによって、中央吊り重合部12bが形成されている。この中央吊りベルト12は、この中央吊り重合部12bで、一体化ベルト8に連結されている。
【0029】
一体化ベルト8は、一体化ベルト本体34と、ベルト通し具としての一対の通し環36とを備えている。一体化ベルト本体34は、バックサイドベルト6の上方に位置して、装着者の背面で左右方向に延びる。この一体化ベルト本体34の左右端部に、それぞれ通し環36が取り付けられている。
【0030】
この安全帯2では、一体化ベルト本体34には、左右方向中央に位置するベルト中央重合部34aと、ベルト中央重合部34aを間にして左右に位置する一対のベルト側重合部34bとが形成されている。一体化ベルト本体34は、左右方向一方の端部から他方の端部まで延びる外ベルト部34cと内ベルト部34dとが重ね合わされて形成されている(
図2参照)。外ベルト部34cと内ベルト部34dとが縫着されて、一体化ベルト本体34を形成している。この縫着によって、複数の縫着部34eが形成されている。この縫着によって、外ベルト部34cと内ベルト部34dとが、ベルト中央重合部34a及び一対のベルト側重合部34bを形成している。
【0031】
連結ベルト14は、連結ベルト本体14a、取付バンド14b及び連結環14cを備えている。連結ベルト本体14aの基端部は前D環20に連結されている。連結ベルト本体14aの先端部に連結環14cが取り付けられている。この先端部に取付バンド14bが取り付けられている。この取付バンド14bによって、連結ベルト本体14aの先端部は肩掛けベルト28に取り付け取り外し可能である。この安全帯2は、例えば、連結環14cに命綱が連結されて使用される。
【0032】
胴吊りベルト26は、胴吊りベルト本体26a及び胴吊り重合部26bを備えている。胴吊りベルト本体26aの上端部は、後D環24に連結されている。胴吊り重合部26bは、環状の形状を備えている。この安全帯2では、胴吊りベルト26は、一本のベルトで形成され、下方で折り返されている。この折り返し部が胴吊りベルト本体26aに留め具で着脱可能に固定されている。この折り返しによって、胴吊り重合部26bが形成されている。この胴吊りベルト26は、この胴吊り重合部26bで、一体化ベルト8に連結されている。
【0033】
図2には、
図1の二点鎖線IIで表した部分の斜視図が示されている。
図2に示される様に、一体化ベルト8では、一体化ベルト本体34は、外ベルト部34cと内ベルト部34dとが重ね合わされて形成されている。外ベルト部34cと内ベルト部34dとが縫着されて、ベルト側重合部34bが形成されている。ベルト側重合部34bは環状の形状を備えている。
【0034】
前肩掛けベルト部28aは、外ベルト部28fと内ベルト部28gとが重ね合わされて形成されている。この外ベルト部28fと内ベルト部28gとは、側交差部28cを間にして、その上方と下方とで縫着されている。これらの縫着によって、ハーネス重合部としての前ハーネス重合部28hが形成されている。前ハーネス重合部28hは、環状の形状を備えている。
【0035】
後肩掛けベルト部28bは、外ベルト部28jと内ベルト部28kとが重ね合わされて形成されている。この外ベルト部28jと内ベルト部28kとは、側交差部28cを間にして、その上方と下方とで縫着されている。これらの縫着によって、ハーネス重合部としての後ハーネス重合部28mが形成されている。後ハーネス重合部28mは、環状の形状を備えている。
【0036】
ベルト側重合部34bと端部吊り重合部10bとが互いに通されて、一体化ベルト8と端部吊りベルト10とが連結されている。このベルト側重合部34b及び端部吊り重合部10bは、それぞれ縫着によって形成されている。この一体化ベルト8と端部吊りベルト10とは、ベルト側重合部34b及び端部吊り重合部10bの少なくともいずれか一方を破壊せずに、連結を解除できない状態にされている。本発明では、破壊することなしに取り外しができない状態で連結されることを、着脱不可の状態で連結されると称する。
【0037】
このベルト側重合部34bと前ハーネス重合部28hとが互いに通されている。これにより一体化ベルト8と前肩掛けベルト部28aとが着脱不可の状態で連結されている。ベルト側重合部34bと後ハーネス重合部28mとが互いに通されている。これにより、一体化ベルト8と後肩掛けベルト部28bとが着脱不可の状態で連結されている。更に、前ハーネス重合部28hと後ハーネス重合部28mとが互いに通されている。これにより、前肩掛けベルト部28aと後肩掛けベルト部28bとが着脱不可の状態で連結されている。
【0038】
この安全帯2では、一体化ベルト8と前肩掛けベルト部28a及び後肩掛けベルト部28bとが着脱不可の状態で連結されていればよい。従って、この安全帯2では、ハーネス重合部として、前ハーネス重合部28hと後ハーネス重合部28mとが形成されているが、いずれか一方であってもよい。更には、この安全帯2では、前ハーネス重合部28hと後ハーネス重合部28mとを形成せずに、前肩掛けベルト部28aと後肩掛けベルト部28bとがベルト側重合部34bに通されてもよい。
【0039】
図3には、
図2のIII-IIIに沿った断面が示されている。
図3に示される様に、端部吊り重合部10bにベルト側重合部34bを形成する外ベルト部34cが通されている。端部吊り重合部10bは、ベルト側重合部34bを形成する縫着部34eの間で、外ベルト部34cに沿って移動可能である。前ハーネス重合部28hにベルト側重合部34bを形成する内ベルト部34dが通されている。前ハーネス重合部28hは、ベルト側重合部34bを形成する縫着部34eの間で、内ベルト部34dに沿って移動可能である。同様に、後ハーネス重合部28mにベルト側重合部34bを形成する内ベルト部34dが通されている。後ハーネス重合部28mは、ベルト側重合部34bを形成する縫着部34eの間で、内ベルト部34dに沿って移動可能である。
【0040】
更に、前ハーネス重合部28hに後ハーネス重合部28mを形成する内ベルト部28kが通されている。前ハーネス重合部28hは、後ハーネス重合部28mを形成する縫着部の間で、内ベルト部28kに沿って移動可能である。後ハーネス重合部28mに前ハーネス重合部28hを形成する外ベルト部28fが通されている。後ハーネス重合部28mは、前ハーネス重合部28hを形成する縫着部の間で、外ベルト部28fに沿って移動可能である。
【0041】
この安全帯2では、前ハーネス重合部28hと後ハーネス重合部28mと端部吊り重合部10bとは、一体化ベルト8の長手方向において、重なる位置に配置されている。この重なる位置で、前ハーネス重合部28hと後ハーネス重合部28mと端部吊り重合部10bとは、相対的に移動可能である。
【0042】
図4には、
図2のIV-IVに沿った断面が示されている。ベルト側重合部34bは、前ハーネス重合部28hを形成する縫着部の間で、外ベルト部28fに沿って移動可能である。ベルト側重合部34bは、後ハーネス重合部28mを形成する縫着部の間で、外ベルト部28jに沿って移動可能である。更に、ベルト側重合部34bは、端部吊り重合部10bにおいて、外ベルト部34cの幅方向に移動可能である。
【0043】
図5には、
図1の線分V-Vに沿った断面が示されている。
図5に示される様に、ベルト中央重合部34aは環状の形状を備えている。このベルト中央重合部34aと胴吊り重合部26bとが互いに通されている。これにより、一体化ベルト8と胴吊りベルト26とが連結されている。胴吊りベルト26は、ベルト中央重合部34aを形成する縫着部34eの間で、外ベルト部34cに沿って移動可能である。
【0044】
このベルト中央重合部34aと中央吊り重合部12bとが互いに通されている。これにより、一体化ベルト8と中央吊りベルト12とが連結されている。中央吊りベルト12は、ベルト中央重合部34aを形成する縫着部34eの間で、内ベルト部34dに沿って移動可能である。
【0045】
この安全帯2では、胴吊り重合部26bと中央吊り重合部12bとは、一体化ベルト8の長手方向において、重なる位置に配置されている。胴吊り重合部26bと中央吊り重合部12bと一体化ベルト8とは、相対的に移動可能である。
【0046】
図6には、
図1の線分VI-VIに沿った断面が示されている。ベルト中央重合部34aの外ベルト部34cが胴吊り重合部26bに通されている。胴吊り重合部26bにおいて、一体化ベルト本体34は、上下方向に移動可能である。ベルト中央重合部34aの内ベルト部34dが中央吊り重合部12bに通されている。中央吊り重合部12bにおいて、一体化ベルト本体34は、上下方向に移動可能である。
【0047】
この安全帯2では、一体化ベルト8とバックサイドベルト6とが着脱不可の状態で連結されている。一体化ベルト8と主ベルト4の肩掛けベルト28とが着脱不可の状態で連結されている。この安全帯2は、一体化ベルト8を介して、主ベルト4とバックサイドベルト6とが着脱不可の状態で連結されている。これにより、バックサイドベルト6を装着するときに、主ベルト4が装着される。即ち、バックサイドベルト6を必要とする法面作業を行う場合、着脱不可の状態で連結されている主ベルト4も装着されることとなる。このことは、墜落、転落災害を防止するための主ベルト4を必ず装着することとなる。この安全帯2は、安全性に優れている。
【0048】
この安全帯2では、一体化ベルト8は、それぞれの肩掛けベルト28と交差する位置にベルト側重合部34bを備えている。肩掛けベルト28は、ベルト側重合部34bに通されて、連結されている。ベルト側重合部34bの開口幅は肩掛けベルト28の幅より大きい。ベルト側重合部34bの開口幅と肩掛けベルト28の幅との差の範囲で、肩掛けベルト28をベルト側重合部34bに対して移動可能である。これにより、主ベルト4に対して一体化ベルト8の配置位置が調整可能である。主ベルト4に対してバックサイドベルト6の配置位置が調整可能である。これにより、着脱不可の状態で連結されているにも関わらず、装着者の体型に合わせてバックサイドベルト6の位置の微調整が容易にされている。
【0049】
装着者が作業時に前屈したり身体を捻ったりして体勢を変えるときに、身体に沿って配置された前肩掛けベルト部28a又は後肩掛けベルト部28bが肩の方向に引っ張られる。このとき、主ベルト4の交差部が縫着され固定されている安全帯では、引っ張られる前肩掛けベルト部28a又は後肩掛けベルト部28bによって、主ベルト4の交差部が肩の方向に引っ張られる。この様な安全帯は、装着感を損ない、装着者の体勢変更を抑制し、装着者に煩わしさを感じさせる。これに対して、この安全帯2では、前ハーネス重合部28hと後ハーネス重合部28mとが互いに通されているので、前肩掛けベルト部28a又は後肩掛けベルト部28bが装着者の体勢変更に追随して移動する。この安全帯2は、装着感を損なわない。
【0050】
この安全帯2では、バックサイドベルト6に連結された端部吊りベルト10は端部吊り重合部10bを備えている。この端部吊り重合部10bとベルト側重合部34bとが互いに通されて、バックサイドベルト6と一体化ベルト8とが連結されている。これにより、着脱不可の状態で連結されていても、一体化ベルト8に対して、バックサイドベルト6の位置調整が容易にされている。
【0051】
主ベルト4は、一体化ベルト8と交差する位置に縫着されて環状に形成された前ハーネス重合部28h及び後ハーネス重合部28mを備えている。ベルト側重合部34bと前ハーネス重合部28h及び後ハーネス重合部28mとが互いに通されている。これにより、一体化ベルト8と主ベルト4とは、互いに相対的に移動可能な範囲を規制する。これにより、主ベルト4と一体化ベルト8との位置関係が所定の範囲に規制される。この安全帯2では、主ベルト4と一体化ベルト8との位置関係を調整可能にしつつ、その位置関係を所定の範囲に保持している。この位置関係を所定の範囲に保持することで、この安全帯2の着脱が容易にされている。
【0052】
この安全帯2は、一体化ベルト8の左右方向中央部と後交差部28eとを連結する、胴吊りベルト26を備えている。この胴吊りベルト26を備えることで、主ベルト4に対して、一体化ベルト8が所定の位置からずれることが抑制されている。
【0053】
更に、胴吊り重合部26bとベルト中央重合部34aとが互いに通されて、胴吊りベルト26と一体化ベルト8とが連結されている。この胴吊りベルト26と一体化ベルト8との位置関係を調整可能にしつつ、その位置関係が所定の範囲に保持されている。
【0054】
この安全帯2では、連結ベルト14の連結環14cに命綱が連結される。この前交差部28dを備えているので、連結ベルト14が引かれたときに、主ベルト4では、肩掛けベルト28の長手方向に張力が生じる。これにより、一対の肩掛けベルト28が互いに左右方向内側に引き寄せられることが抑制されている。これにより、主ベルト4が連結ベルト14によって引かれても、一対の肩掛けベルト28が左右方向内側に引き寄せられることによって装着者の身体が圧迫されることが抑制されている。
【0055】
この安全帯2の装着者は、作業中において前屈したり身体を捩ったりする。この様な作業中に、装着者の腰部は動作する身体の中心位置にある。このため、装着者の腰部の移動量は、他の部位のそれに比べて小さい。この安全帯2では、側交差部28cが装着者の左右の腰部に位置するので、この側交差部28cの移動量は小さい。この安全帯2では、装着者が動作するときに、側交差部28cが大きく位置を変えることが、抑制されている。この安全帯2では、装着者の動作によって、主ベルト4が引っ張られ装着感が損なわれることが抑制されている。また、主ベルト4が装着者の体勢変更の妨げになることが抑制されている。
【0056】
この安全帯2は、バックサイドベルト6の左右端部から上方に延びる一対の端部吊りベルト10を備えている。それぞれの端部吊りベルト10では、端部吊り重合部10bが左右の側交差部28cと重なる様に配置されている。これにより、この安全帯2では、バックサイドベルト6は、法面作業で体重を預ける装着者の臀部の背面から側面までを包み込むように配置されうる。
【0057】
この安全帯2では、端部吊りベルト10の端部吊り重合部10bは、一体化ベルト8の外ベルト部34cに通されている。主ベルト4の前ハーネス重合部28h及び後ハーネス重合部28mは、一体化ベルト8の内ベルト部34dに通されている。これにより、端部吊り重合部10bと前ハーネス重合部28h及び後ハーネス重合部28mとは、重なる位置に配置されうる。端部吊り重合部10bと前ハーネス重合部28h及び後ハーネス重合部28mとは、一体化ベルト本体34の長手方向において、互いの移動を規制しない。この安全帯2は、装着感に優れている。
【0058】
この安全帯2は、前交差部28dと後交差部28eとを備えている。この安全帯2は、前述の様に、連結ベルト14が引かれても、一対の肩掛けベルト28の位置がずれ難い。同様に、後交差部28eに位置する連結環を後方に引かれても、一対の肩掛けベルト28の位置がずれ難い。これにより、主ベルト4が前後いずれの方向に引かれても、一対の肩掛けベルト28によって装着者の身体が圧迫されることが抑制されている。更に、前交差部28dと後交差部28eとを備えることで、この安全帯2は脱げ難くなっている。この安全帯2は、安全性に優れている。
【0059】
この安全帯2は、一方の肩掛けベルト28を連結解除可能に連結するバックル16を備えている。一方の肩掛けベルト28は、前交差部28dと一体化ベルト8のベルト側重合部34bとの間で、連結解除可能に連結されている。このバックル16で一方の肩掛けベルト28の連結を解除することで、前交差部28dと後交差部28eとの間で、一対の肩掛けベルト28の間に装着者が頭部を入れることが容易になっている。安全帯2は、前述に様に脱げ難くなっている一方で、装着が容易にされている。
【0060】
このバックル16は、装着を容易にする観点から、少なくともいずれか一方の肩掛けベルト28に設けられることが好ましい。着脱を容易にする観点から、バックル16は、好ましくは前肩掛けベルト部28aに、更に好ましくは前交差部28dと一体化ベルト8のベルト側重合部34bとの間で前肩掛けベルト部28aに、設けられる。
【0061】
また、このバックル16は、肩掛けベルト28の折り返し部よりも、側交差部28cと前交差部28dとの間の前肩掛けベルト部28aに設けられることが好ましい。このバックル16で肩掛けベルト28の連結を解除した状態でも、前交差部28dと後交差部28eとの間の一対の肩掛けベルト28によって、安全帯2は装着者の肩で支持されうる。これにより、安全帯2の着脱が容易にできる。この観点から、このバックル16は、側交差部28cと後交差部28eとの間の後肩掛けベルト部28bに設けられてもよい。
【0062】
この安全帯2では、一対の肩掛けベルト28の一方で連結が解除され、他方で連結された状態で、装着される。これにより、安全帯2は装着者の肩で支持されうる。一対の肩掛けベルト28の両方の連結を解除した状態では、安全帯2は装着者の肩で支持され得ない。また、一対の肩掛けベルト28の一方で連結が解除された安全帯2は、装着時にも装着状態に近い形態を保持しうる。この安全帯2は、いずれか一方の連結を解除した状態の方が、装着し易い。装着時に、誤って、一対の肩掛けベルト28の両方の連結を解除しない観点から、バックル16は、肩掛けベルト28のいずれか一方に設けることが好ましい。
【0063】
図7には、本発明の他の実施形態に係る法面用ハーネス型安全帯42が示されている。この
図7は、背面から見た安全帯42が示されている。ここでは、安全帯2と異なる構成について説明がされる。安全帯2と同様に構成については、その説明が省略される。ここでは、安全帯2と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。この安全帯42は、胴ベルト44を備えている。この安全帯42は、前述の安全帯2に、胴ベルト44が装着されたものである。
【0064】
この胴ベルト44は、胴ベルト本体44a及びバックル44bを備えている。このバックル44bは、胴ベルト本体44aの基端部に取り付けられている。この胴ベルト44は、一体化ベルト8の外側に、一体化ベルト8に沿って重ねられて延びている。この胴ベルト本体44aが一対の通し環36に通されて、一体化ベルト8に着脱可能に取り付けられている。
【0065】
この胴ベルト44は、バックル44bに胴ベルト本体44aが通されて、環状にされる。この環状にされた胴ベルト44では、装着者の腰に巻かれる。このバックル44bに固定される胴ベルト本体44aの長手方向位置が調整可能である。この長手方向位置が調整されることで、環状部分の長さが調整可能である。これにより、この胴ベルト44は、装着者の腰周りに合わせて装着される。
【0066】
図8には、
図7の線分VIII-VIIIに沿った断面が示されている。
図8に示される様に、この胴ベルト本体44aは、胴吊りベルト26の胴吊り重合部26bに通されている。
【0067】
図9には、前面から見た安全帯42が示されている。
図9では、肩掛けベルト28のバックル16の本体16aにタングプレート16bが差し込まれている。分割された肩掛けベルト28が、バックル16によって連結されている。腿掛けベルト30では、バックル16によって一端部と他端部とが連結され環状にされる。
【0068】
図9に示される様に、この安全帯42では、前肩掛けベルト28aの下端部と後肩掛けベルト28bの下端部とが腿掛けベルト30に縫着されている。この縫着によって、肩掛けベルト28と腿掛けベルト30とが連結されている。
図1の安全帯2では、図示されなかったが、この安全帯42と同様に、肩掛けベルト28と腿掛けベルト30とが縫着されている。
【0069】
図10には、安全帯42と共に、腰袋46及びペンチケース48が示されている。
図10には、背面から見た安全帯42が示されている。
【0070】
腰袋46は、工具や部品が収納される袋である。腰袋46は、本体46a及びベルト通し46bを備えている。この腰袋46のベルト通し46bに胴ベルト本体44aが通されている。胴ベルト本体44aがベルト通し46bの一方の開口から他方の開口まで挿入されて、この腰袋46は装着される。胴ベルト本体44aがベルト通し46bから引き出されて、この腰袋46は取り外される。この腰袋46は、胴ベルト本体44aを通し環36から外さなければ、胴ベルト本体44aに着脱できない構成にされている。
【0071】
ペンチケース48は、ペンチなどの工具を収容するケースである。ペンチケース48は、本体48a及びベルト通し48bを備えている。このベルト通し48bは、ベルト通し46bと同様に、胴ベルト本体44aを通し環36から外さなければ、胴ベルト本体44aに着脱できない構成にされている。
【0072】
図10では、胴吊りベルト26の胴吊り重合部26bと通し環36との間で、胴ベルト本体44aに腰袋46及びペンチケース48が装着されている。
【0073】
この安全帯42は、胴ベルト44を備えている。この胴ベルト44は、一体化ベルト8の通し環36に通されている。この胴ベルト44に一体化ベルト8が取り付けられている。この胴ベルト44が装着者の腰回りに装着される。これにより、一体化ベルト8は、装着者の腰回りに確りと位置決めされる。胴ベルト44が腰回りに締められることで、定まった主ベルト4と一体化ベルト8との位置関係のずれが抑制される。
【0074】
この安全帯42では、胴ベルト44は胴吊り重合部26bに通されている。これにより、胴ベルト44に、腰袋46やペンチケース48等を取り付けても、胴ベルト44が重みで下がることが抑制されている。更に、この安全帯42では、中央吊りベルト12を備えることで、バックサイドベルト6が下方に下がることが抑制されている。
【0075】
この胴ベルト44は、胴吊り重合部26bと通し環36との間に、腰袋46やペンチケース48等を取り付けうる。この安全帯42では、側交差部28cの制約を受けることなく、腰袋46やペンチケース48等を取り付けることができる。この安全帯42ででは、腰袋46やペンチケース48の取り付け可能範囲が広くなっている。
【0076】
この安全帯42では、腰袋46やペンチケース48が、胴ベルト本体44aを通し環36から外さなければ、胴ベルト本体44aに着脱できない構成にされている。これにより、高所作業中に、腰袋46やペンチケース48が胴ベルト44から外れることが防止される。
【0077】
一方で、この胴ベルト44は、一体化ベルト8の通し環36と胴吊り重合部26bに通されて、取り付けられている。この胴ベルト44だけを取り付け、取り外しできる。この胴ベルト44の取り付け取り外しにより、腰袋46やペンチケース48の取り付け取り外しが容易にできる。
【0078】
腰袋46やペンチケース48が取り付けられた安全帯42は、重量が増加している。この安全帯42は、肩掛けベルト28の連結を解除するバックル16を備えている。前述の様に、このバックル16の連結を解除することで、この安全帯42は装着が容易にされている。この安全帯42は、装着時に装着者の肩で支持される。装着時に肩で支持することで、重量が増加した状態でも、この安全帯42の装着が比較的に容易にされている。この安全帯42は、腰袋46やペンチケース48に工具や部品等を入れた状態でも、容易に装着しうる。
【0079】
この安全帯42は、主ベルト4とバックサイドベルト6と一体化ベルト8とが着脱不可の状態で連結されている。縫着によって、着脱不可の状態で連結されつつ、主ベルト4とバックサイドベルト6と一体化ベルト8とがそれぞれ互いに相対的に移動可能である。更に、主ベルト4の前肩掛けベルト部28aと後肩掛けベルト部28bとも相対的に移動可能である。これにより、この安全帯42は、装着者の動作を制約することが抑制されている。この安全帯42は、装着性に優れている。更に、主ベルト4とバックサイドベルト6と一体化ベルト8とが相互に移動できる範囲を所定の範囲に規制しているので、形態が崩れることが抑制されている。形態が崩れることが抑制されているので、この安全帯42は着脱が容易にされている。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明された法面用ハーネス型安全帯は、法面作業に用いられる安全帯に広く適用されうる。
【符号の説明】
【0081】
2、42・・・安全帯
4・・・主ベルト
6・・・バックサイドベルト
8・・・一体化ベルト
10・・・端部吊りベルト
10b・・・端部吊り重合部
12・・・中央吊りベルト
12b・・・中央吊り重合部
16・・・バックル
26・・・胴吊りベルト
26b・・・胴吊り重合部
28・・・肩掛けベルト
28c・・・側交差部
28d・・・前交差部
28e・・・後交差部
28h・・・前ハーネス重合部
28m・・・後ハーネス重合部
30・・・腿掛けベルト
34・・・一体化ベルト本体
34a・・・ベルト中央重合部
34b・・・ベルト側重合部
36・・・通し環
44・・・胴ベルト