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特許7213526著作物管理装置、著作物管理方法、および著作物管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】著作物管理装置、著作物管理方法、および著作物管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20230120BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018162869
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020035303
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】316016058
【氏名又は名称】株式会社パルソラ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】三宅 克
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-182328(JP,A)
【文献】特開2016-110230(JP,A)
【文献】再公表特許第2006/006278(JP,A1)
【文献】特開2017-027310(JP,A)
【文献】特開2008-134633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理装置において、
前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を著作者と関連させて記憶させる著作権者情報記憶手段と、
前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報のうち、1つまたは2つ以上を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成するカード情報生成手段と、
前記カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、前記カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成するためのカード情報連結手段と、
前記カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力するコンテンツ出力手段と、
前記コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、前記コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測するカード情報出力回数計測手段と、
前記コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、前記カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、前記カード情報を構成する前記著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する収益分配手段と、
を備え
前記収益分配手段は、
複数のカード情報が連結されることによって生成されたコンテンツのうち、原著作物を最上位のコンテンツとして収益が算出されていない最下位層にあたるコンテンツの収益を算出する対象とするために該当コンテンツに移動し、
移動した前記該当コンテンツの出力数に閲覧課金額を乗じた物を前記該当コンテンツの売上金額として算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層のコンテンツであるか否かの判断を行い、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層であり、かつ、1つ下位層のコンテンツがあると判断したときは、前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じた利益と、前記該当コンテンツの1つ下位層からの支払金額を足した金額で最上位層である前記該当コンテンツの収益を算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層であり、かつ、1つ下位層のコンテンツがないと判断したときは、前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じたものを最上位層である前記該当コンテンツの収益として算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層ではないと判断したときは、1つ上位層のコンテンツに対する支払額を算出すると共に前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じた利益と、前記1つ下位層のコンテンツからの支払金額を足した金額から前記1つ上位層のコンテンツに支払う金額を減額した金額を収益として算出する、
ことを特徴とする著作物管理装置。
【請求項2】
複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理方法において、
著作権者情報記憶手段が、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を著作者と関連させて記憶させるステップと、
カード情報生成手段が、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報のうち、1つまたは2つ以上を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成するステップと、
カード情報連結手段が、前記カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、前記カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成するステップと、
コンテンツ出力手段が、前記カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力するステップと、
カード情報出力回数計測手段が、前記コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、前記コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測するステップと、
収益分配手段が、前記コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、前記カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、前記カード情報を構成する前記著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配するステップと、
を備え
前記収益分配手段は、
複数のカード情報が連結されることによって生成されたコンテンツのうち、原著作物を最上位のコンテンツとして収益が算出されていない最下位層にあたるコンテンツの収益を算出する対象とするために該当コンテンツに移動し、
移動した前記該当コンテンツの出力数に閲覧課金額を乗じた物を前記該当コンテンツの売上金額として算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層のコンテンツであるか否かの判断を行い、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層であり、かつ、1つ下位層のコンテンツがあると判断したときは、前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じた利益と、前記該当コンテンツの1つ下位層からの支払金額を足した金額で最上位層である前記該当コンテンツの収益を算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層であり、かつ、1つ下位層のコンテンツがないと判断したときは、前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じたものを最上位層である前記該当コンテンツの収益として算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層ではないと判断したときは、1つ上位層のコンテンツに対する支払額を算出すると共に前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じた利益と、前記1つ下位層のコンテンツからの支払金額を足した金額から前記1つ上位層のコンテンツに支払う金額を減額した金額を収益として算出するステップを有する、
ことを特徴とする著作物管理方法。
【請求項3】
複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を著作者と関連させて記憶させる著作権者情報記憶手段、
前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報のうち、1つまたは2つ以上を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成するカード情報生成手段、
前記カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、前記カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成するためのカード情報連結手段、
前記カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力するコンテンツ出力手段、
前記コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、前記コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測するカード情報出力回数計測手段、
前記コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、前記カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、前記カード情報を構成する前記著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する収益分配手段、
として機能させ
前記収益分配手段は、
複数のカード情報が連結されることによって生成されたコンテンツのうち、原著作物を最上位のコンテンツとして収益が算出されていない最下位層にあたるコンテンツの収益を算出する対象とするために該当コンテンツに移動し、
移動した前記該当コンテンツの出力数に閲覧課金額を乗じた物を前記該当コンテンツの売上金額として算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層のコンテンツであるか否かの判断を行い、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層であり、かつ、1つ下位層のコンテンツがあると判断したときは、前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じた利益と、前記該当コンテンツの1つ下位層からの支払金額を足した金額で最上位層である前記該当コンテンツの収益を算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層であり、かつ、1つ下位層のコンテンツがないと判断したときは、前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じたものを最上位層である前記該当コンテンツの収益として算出し、
売り上げを算出した前記該当コンテンツが最上位層ではないと判断したときは、1つ上位層のコンテンツに対する支払額を算出すると共に前記該当コンテンツの売上金額に印税率を乗じた利益と、前記1つ下位層のコンテンツからの支払金額を足した金額から前記1つ上位層のコンテンツに支払う金額を減額した金額を収益として算出するステップを有する、
ことを特徴とする著作物管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理装置、著作物管理方法、著作物管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットを通じて、コンテンツ創作者が閲覧者に対して映像、画像、データ、ウェブサイトなど様々な情報を配信するコンテンツ配信サービスというネットワークサービスが知られている。
【0003】
またコンテンツ創作者がコンテンツを一方的に閲覧者に配信するだけでなく、閲覧した情報に対する感想や意見などを閲覧者がコンテンツ創作者に送信することでコンテンツ創作者とコミュニケーションがとれる参加型のコンテンツ配信サービスもある。
【0004】
さらに閲覧者がコンテンツに参加するだけではなく、コンテンツの著作権者の許諾があれば、配信されるコンテンツをコンテンツ創作者と共にユーザーが編集できるサービスもある(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
例えば、特許文献1の発明では、創作するコンテンツの例をテレビ番組として、複数のコンテンツ創作装置が通信ネットワークにより接続された通信環境において、複数のコンテンツ創作装置が協力して1つのテレビ番組を創作している。
またこのような装置を用いることで、複数のコンテンツ創作者が共同で小説、音楽、マンガなどのコンテンツを創作したりすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-251920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、複数のコンテンツ創作者が共同でコンテンツを創作すると、コンテンツの配信や販売により得られた収益の分配が複雑になる問題があった。
例えば、複数のコンテンツ創作者により共同で創作されたコンテンツには著作権がそれぞれのコンテンツ創作者にあり、創作されたコンテンツを配信や販売することで収益が得られた場合には、その収益を創作されたコンテンツの創作に携わった著作権者であるコンテンツ創作者に分配しなければならないため非常に複雑であるという問題があった。
【0008】
具体的には、コンテンツの一例として1つの小説を複数の創作者で創作する場合、場面によって創作者が変わる場合もある。また、1つのストーリーから分岐して、違うストーリーを創作し、二次的著作物、三次的著作物として副次的な著作物を創作する場合も考えられる。
このような場合において、著作物の権利範囲が複雑化し、権利者に正しく収益を分配することは容易ではなかった。
【0009】
また、例えばマンガのような著作物を創作する場合においては、絵の表現力だけでなく、文章の表現力やマンガのストーリーの構成力などが要求される。ところが、絵の表現力やストーリーの構成力や文章による表現力などすべての能力を備えた創作者は限られてくる。
【0010】
そこで、絵が得意な人、文章による表現力が豊かな人、ストーリーの構成力に長けている人など複数の創作者が集まることで、ひとつの作品を創作することもできる。このようにすることで、創作者の窓口が広くなり、様々な得意分野の人が集まってひとつの作品を共同で創作することにより、多彩な作品が生まれることになる。
【0011】
例えばマンガを例とすると、ストーリーの構成が得意な人にはストーリーの構成を、文章の表現力が豊かな人はコマ毎の文章を、男性の人物画が得意な人は男性キャラクターの描画を、女性の人物画が得意な人は女性キャラクターの描画を、背景画像が得意な人は背景の描画を、というように様々な得意分野の人が集まって、ひとつのストーリーを完成させることもできる。
【0012】
このような場合には、さら創作物の権利が複雑化し、収益を正しく分配することは容易ではない。絵と文章とが異なる創作者によって創作されたマンガに対して、複数の著作者が音楽を付加しようとするなら、さらに複雑化してしまう。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、著作物を複数の創作者で創作することで、共同著作物や副次的な創作物が複数創作されても著作物の著作権者に収益を正しく分配できる著作物管理装置、著作物管理方法、および著作物管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では上記問題を解決するために、複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理装置において、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を著作者と関連させて記憶させる著作権者情報記憶手段と、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成するカード情報生成手段と、前記カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、前記カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成するためのカード情報連結手段と、前記カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力するコンテンツ出力手段と、前記コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、前記コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測するカード情報出力回数計測手段と、前記コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、前記カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、前記カード情報を構成する前記著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する収益分配手段とを備えることを特徴とする著作物管理装置が提供される。
【0015】
これにより、著作権者情報記憶手段が、文字情報、画像情報、および音情報を著作者と関連させて記憶し、カード情報生成手段が、文字情報、画像情報、および音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成し、カード情報連結手段が、カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成し、コンテンツ出力手段が、カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力し、カード情報出力回数計測手段が、コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測し、収益分配手段が、コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、カード情報を構成する著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する。
【0016】
また、本願発明では、複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理方法において、著作権者情報記憶手段が、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を著作者と関連させて記憶させるステップと、カード情報生成手段が、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成するステップと、カード情報連結手段が、前記カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、前記カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成するステップと、コンテンツ出力手段が、前記カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力するステップと、カード情報出力回数計測手段が、前記コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、前記コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測するステップと、収益分配手段が、前記コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、前記カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、前記カード情報を構成する前記著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配するステップとを備えることを特徴とする著作物管理方法が提供される。
【0017】
これにより、著作権者情報記憶手段が、文字情報、画像情報、および音情報を著作者と関連させて記憶し、カード情報生成手段が、文字情報、画像情報、および音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成し、カード情報連結手段が、カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成し、コンテンツ出力手段が、カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力し、カード情報出力回数計測手段が、コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測し、収益分配手段が、コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、カード情報を構成する著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する。
【0018】
また本願発明では、複数の著作者によって作成された文字情報、動画を含む画像情報、または音声を含む音情報を、単独または組み合わせて出力することで作成される連続したコンテンツを著作物として管理する著作物管理プログラムにおいて、コンピュータを、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を著作者と関連させて記憶させる著作権者情報記憶手段、前記文字情報、前記画像情報、および前記音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成するカード情報生成手段、前記カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、前記カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成するためのカード情報連結手段、前記カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力するコンテンツ出力手段、前記コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、前記コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測するカード情報出力回数計測手段、前記コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、前記カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、前記カード情報を構成する前記著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する収益分配手段として機能させることを特徴とする著作物管理プログラムが提供される。
【0019】
これにより、著作権者情報記憶手段が、文字情報、画像情報、および音情報を著作者と関連させて記憶し、カード情報生成手段が、文字情報、画像情報、および音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成し、カード情報連結手段が、カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成し、コンテンツ出力手段が、カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力し、カード情報出力回数計測手段が、コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測し、収益分配手段が、コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、カード情報を構成する著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の著作物管理装置、著作物管理方法、および著作物管理プログラムによれば、著作権者情報記憶手段が、文字情報、画像情報、および音情報を著作者と関連させて記憶し、カード情報生成手段が、文字情報、画像情報、および音情報を組み合わせて1つの領域内に収めたカード情報を生成し、カード情報連結手段が、カード情報生成手段によって生成されたカード情報と、カード情報生成手段によって生成された他のカード情報とを連結または分岐させたコンテンツを生成し、コンテンツ出力手段が、カード情報連結手段によって連結されたカード情報を、コンテンツとして出力し、カード情報出力回数計測手段が、コンテンツ出力手段によって出力されたコンテンツ上で、コンテンツを構成するカード情報が出力された回数をカード情報毎に計測し、収益分配手段が、コンテンツ出力手段が出力することで得られる収益を、カード情報出力回数計測手段が計測した回数に基づいて、カード情報を構成する著作権者情報記憶手段に記憶された各著作者に分配するので、著作物を複数の創作者で創作することで、共同著作物や副次的な創作物が複数創作されても著作物の著作権者に収益を正しく分配ができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施の形態に係る著作物管理装置を示すブロック図である。
図2】情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図3】文字情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図4】画像情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図5】音情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図6】著作権者情報記憶部が記憶する著作権者情報のデータ構造例を示す図である。
図7】カード情報記憶部に記憶されるカード情報の概念を示すブロック図である。
図8】カード連結情報記憶部に記憶されるカード連結情報の概念を示すブロック図である。
図9】連結されたカード情報によるストーリーの構成概念を示す図である。
図10】端末機器に表示されたカード情報を示す図である。
図11】複数の創作者が創作したストーリーを構成するカード情報の関係図を示す図である。
図12】出力回数計測手段が計測した閲覧数を示したグラフ図である。
図13】収益分配手段が行なう収益分配処理を示すフローチャートである。
図14】各情報の創作者が異なったカード情報が端末機器に表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る著作物管理装置を示すブロック図である。
図1に示すように、著作物管理装置100は例えばインターネットなどのネットワーク200を介して閲覧者が有する端末機器300に接続されている。
【0023】
著作物管理装置100は、複数の創作者により創作されたコンテンツを閲覧者に向けて配信し、配信することで得られる収益に基づいて、コンテンツを創作した複数の創作者に対して正確に収益を分配するための装置である。
【0024】
なお、本実施の形態では著作物管理装置100を用いて、文字、画像、音などによる情報からひとつのストーリーを生成し、閲覧者が有する端末機器300にコンテンツとしてストーリーを提供し、閲覧者が課金した閲覧課金を著作者に分配する例で示すこととする。
【0025】
なお、ここでは著作物管理装置100が出力するコンテンツの例として、連続したストーリーを挙げるが、このほかにコンテンツの例として、小説(長編・短編・連載・読み切り・シリーズなど)、エッセイ(随筆・日記・雑感など)、詩(散文詩・短歌・俳句・川柳など)、童話または児童文学、アンサー(人生相談・回答・情報提供、など)、コント(洒落・漫才・落語・大喜利、など)、言葉遊び(しりとり・掛け言葉・なぞなぞ・絵探し、謎解き、など)、絵合わせ(イラストや写真の組み合わせ、など)、言葉と絵の組み合わせ(絵解き・吹き出し合わせ・図解、など)、図鑑(写真や絵による収集と整理及び解説、など)、ハウツー(アイディア・レシピ・図面、など)など様々な形態が挙げられる。
【0026】
端末機器300は、例えば閲覧者が利用するパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの携帯端末機器である。閲覧者は著作物管理装置100に所望のストーリーを閲覧するためのリクエストを送信することで、著作物管理装置100は著作物管理装置100に記憶されたストーリー情報を端末機器300に送信し、端末機器300が要求したコンテンツを受信することで、閲覧者は所望のストーリーを閲覧することができる。
【0027】
次に、著作物管理装置100の詳細を示していく。
著作物管理装置100は、情報記憶部110、カード情報生成手段120、カード情報連結手段130、ストーリー出力手段140、出力回数計測手段150、および収益分配手段を備えている。
【0028】
情報記憶部110は、カード情報生成手段120、カード情報連結手段130、およびストーリー出力手段140に接続されており、後に説明するように、閲覧者が有する端末機器300にストーリーを提供するための文字情報、画像情報、音情報などを記憶するための記憶媒体である。
【0029】
情報記憶部110に記憶される情報は、図示しない入力手段によって入力され、情報記憶部110内の領域に記憶される。情報記憶部110は後述するように、文字情報記憶部111、画像情報記憶部112、音情報記憶部113、著作権者情報記憶部114、カード情報記憶部115、およびカード連結情報記憶部116を備えている。
【0030】
文字情報記憶部111には、ストーリーを構成する一定の文字数で表現された文字情報のみが記憶されている。画像情報記憶部112には、ストーリーを構成する1つの画像情報のみが記憶されている。音情報記憶部113には、ストーリーを構成する一定の情報量内の音情報のみが記憶されている。
【0031】
著作権者情報記憶部114には、文字情報記憶部111、画像情報記憶部112、および音情報記憶部113に記憶された文字情報、画像情報、音情報などに係る著作権者の情報が記憶されている。
【0032】
カード情報記憶部115には、文字情報記憶部111、画像情報記憶部112、および音情報記憶部113に記憶された文字情報、画像情報、音情報などの情報を組み合わせた情報を1つのカード情報として記憶されている。
カード連結情報記憶部116には、カード情報記憶部115に記憶されたカード情報を連結してストーリーを構成するための情報が記憶されている。
【0033】
カード情報生成手段120は、情報記憶部110に接続されており、文字情報、画像情報、音情報などを組み合わせたカード情報を生成するためのものである。カード情報生成手段120は、図示しない入力手段により入力されたカード情報を生成するための情報により、情報記憶部110に記憶された文字情報、画像情報、音情報などを単独または組み合わせて1つのカード情報を生成する。
【0034】
例えば、文字情報記憶部111に記憶された1つの文字情報と、画像情報記憶部112に記憶された1つの画像情報とを組み合わせた1つのカード情報を生成する。生成されたカード情報は、カード情報記憶部115に1つのカード情報として記憶される。またカード情報記憶部115に記憶された文字情報と画像情報とからなるカード情報に対して、後ほどカード情報生成手段120が音情報記憶部113に記憶された音情報を付加するなど編集することもできる。
【0035】
なおカード情報は、2以上の情報を組み合わせたものだけではなく、例えば文字情報のみを1つのカード情報としてカード情報生成手段120が生成し、カード情報記憶部115に記憶することもできる。
【0036】
カード情報連結手段130は、情報記憶部110に接続されており、カード情報記憶部115に記憶されたカード情報を連結するためのカード連結情報を生成するためのものである。生成されたカード連結情報は、カード連結情報記憶部116に記憶される。
【0037】
カード情報連結手段130が生成する情報は、たとえばカード情報を連結した際に、特定のカード情報の前後に連結されるカード情報を特定のカード情報に関連させてカード連結情報記憶部116に記憶させる。
【0038】
ストーリー出力手段140は、情報記憶部110、およびネットワーク200に接続されており、ネットワーク200を介して接続される端末機器300から要求されるストーリーの閲覧要求情報に基づいて、情報記憶部110に記憶されたカード情報を連結して、1つのストーリーを出力するためのものである。
【0039】
出力回数計測手段150は、ストーリー出力手段140に接続されており、ストーリー出力手段140が、閲覧者のリクエストに応じて出力したストーリーを構成するカード情報の出力回数を計測するためのものである。
【0040】
収益分配手段160は、情報記憶部110、出力回数計測手段150に接続されており、出力回数計測手段150が計測したカード情報の出力回数に基づいて、そのストーリーから得られた収益を、ストーリーを構成する各情報の著作権者に分配するためのものである。分配された収益の情報は、接続された符号を付さない収益情報出力手段などによって出力される。
【0041】
なおストーリー出力手段140が出力したストーリーから得られる収益とは、例えば、閲覧者がストーリーを閲覧するために支払う購読料による収益、ストーリーを構成するカード情報に関連づけられた広告が端末機器300に表示されることで得られる広告収益、などが考えられ、これらの収益額は図示しない入力手段によって著作物管理装置100に入力され、著作物管理装置100は入力された収益を著作権者に分配することもできる。
【0042】
このように、出力回数計測手段150は、ストーリーを構成するカード情報の出力回数に応じて収益を著作権者に分配するので、ストーリーを複数の創作者で創作することで、共同の創作物や副次的な創作物が複数創作されたとしても創作者に収益を正しく分配できる。
【0043】
図2は、情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図2に示すように、情報記憶部110は、文字情報記憶部111、画像情報記憶部112、音情報記憶部113、著作権者情報記憶部114、カード情報記憶部115、およびカード連結情報記憶部116を備えている。
【0044】
文字情報記憶部111には、ストーリーを構成する文字情報を細分化し、140文字以内など一定の文字数で表現された文字情報のみが記憶されている。
画像情報記憶部112には、ストーリーを構成する1つの画像情報のみが記憶されている。具体的には、ストーリーを構成する文字情報に対して挿入される登場人物の人物像や、背景画像などが考えられる。画像情報の例としては、楽譜などの譜面情報も画像情報として記憶してもよい。
【0045】
音情報記憶部113には、ストーリーに対して挿入される音声情報や音情報などが記憶される。例えば、文字情報と画像情報とで構成されるカード情報が表示された際に同時に出力される効果音や、音声などが挙げられる。
【0046】
著作権者情報記憶部114には、文字情報記憶部111、画像情報記憶部112、および音情報記憶部113に記憶された文字情報、画像情報、音情報などに係る著作権者の情報が記憶されている。
【0047】
カード情報記憶部115には、文字情報記憶部111、画像情報記憶部112、および音情報記憶部113に記憶された文字情報、画像情報、音情報などの情報を組み合わせた情報を1つのカード情報として記憶されている。
カード連結情報記憶部116には、カード情報記憶部115に記憶されたカード情報を連結してストーリーを構成するための情報が記憶されている。
【0048】
図3は、文字情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図3に示すように、文字情報記憶部111には、複数の文字情報が記憶されている。
具体的には、ストーリーを構成する文字情報が細分化され、その細分化された文字情報を識別するための識別情報である文字情報固有の文字列が、txt001、txt002のように文字情報に対して設定されて記憶されている。
文字情報記憶部111に記憶された文字情報は、txt001、txt002のような識別情報をキーとして文字情報記憶部111から呼び出され、適宜利用される。
【0049】
図4は、画像情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図4に示すように、画像情報記憶部112には、複数の画像情報が記憶されている。
具体的には、ストーリーを構成する文字情報に対して挿入される人物像や背景画像などに対して、その画像情報を識別するための識別情報である画像情報固有の文字列が、pic001、pic002のように設定されて記憶されている。
画像情報記憶部112に記憶された画像情報は、pic001、pic002のような識別情報をキーとして画像情報記憶部112から呼び出され、適宜利用される。
【0050】
図5は、音情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図5に示すように、音情報記憶部113には、複数の音声情報を含む音情報が記憶されている。
【0051】
具体的には、ストーリーを構成する文字情報に対して挿入される音声情報や音情報などに対して、その音情報を識別するための識別情報である音情報固有の文字列が、snd001、snd002のように設定されて記憶されている。
画像情報記憶部112に記憶された画像情報は、snd001、snd002のような識別情報をキーとして音情報記憶部113から呼び出され、適宜利用される。
【0052】
図6は、著作権者情報記憶部が記憶する著作権者情報のデータ構造例を示す図である。
図6に示すように、著作権者情報には、キーとして著作権者ID(identification)欄が設けられ、著作権者の氏名情報を示す著作権者名欄、著作権者が創作した著作物1、著作物2・・・の各欄が設けられている。各欄の縦方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられ、著作権者情報に関するレコードを構成している。このほか、著作権者に対して支払われる収益や連絡先などの個人情報を記憶させるようにしてもよい。
【0053】
図7は、カード情報記憶部に記憶されるカード情報の概念を示すブロック図である。
図7に示すように、カード情報記憶部115には、複数のカード情報が、カード情報を構成する文字情報、画像情報または音情報などと関連づけられて記憶されている。
【0054】
カード情報記憶部115にはカード情報を識別するための識別情報であるカード情報固有の文字列が、crd001、crd002にように設定されて記憶されている。
crd001では、文字情報であるtxt001と画像情報であるpic001とが1つのカード情報crd001に関連づけられている。
【0055】
またcrd002では、文字情報であるtxt002と画像情報であるpic002と音情報であるsnd001とが1つのカード情報crd002に関連づけられている。
さらにcrd003では、文字情報であるtxt003のみが1つのカード情報crd003に関連づけられている。カード情報crd003は、カード情報生成手段120が後から画像情報や音情報を追加することもできる。
【0056】
これらカード情報記憶部115に記憶されたカード情報は、カード情報単位で閲覧者が有する端末機器300に出力され、端末機器300の表示画面では、出力されたカード情報がカード情報単位で表示される。
また、カード情報に端末機器300に表示させる広告情報を関連づけて記憶させることもできる。このようにカード情報に広告情報を関連づけて記憶させることで、カード情報が端末機器300に表示されるに伴い、あらかじめ設定された広告も表示され、広告表示による収益を得ることもできる。
【0057】
図8は、カード連結情報記憶部に記憶されるカード連結情報の概念を示すブロック図である。
図8に示すように、カード連結情報記憶部116には、カード情報が連結される情報が記憶されている。
【0058】
カード連結情報記憶部116にはカード連結情報を識別するための識別情報であるカード情報固有の文字列が、L-crd010、L-crd020・・・にように設定されて記憶されている。
【0059】
1つのカード連結情報には、特定のカード情報を基準として、その特定カード情報の前に連結されるカード情報と、特定カード情報の後に連結されるカード情報とが関連づけて記憶されている。
【0060】
例えば、図8では、左から右に向かってストーリーが進行するとして、カード連結情報L-crd010では、カード情報crd010の前にはカード情報crd009が連結され、カード情報crd010の後にはカード情報crd011が連結されている。
【0061】
これによりストーリーの進行は、crd009、crd010、crd011の順番に進行していくことになる。
またカード連結情報L-crd020では、カード情報crd020の前にはカード情報crd019が連結され、カード情報crd020の後にはカード情報crd021とcrd051とが連結されている。
【0062】
これにより、ストーリーの進行は、crd019、crd020、crd021というストーリーと、crd019、crd020、crd051というストーリーとが生成される。
【0063】
これらのカード連結情報に基づいて、カード情報を連結してストーリー出力手段140がカード情報を出力することで、ストーリーが端末機器300に向けて出力される。
またカード連結情報L-crd020のように、複数のカード情報を後ろに連結することで、ストーリーを分岐した新たなストーリーを生成することができる。
【0064】
例えば、発表された1つのストーリーに対して、そのストーリーの続きを創作することや、発表された1つのストーリーに対して、そのストーリーの主人公以外のキャラクターを主人公とした別のストーリーを創作することもできる。
【0065】
さらに各カード連結情報には、公開日を関連づけて記憶させておくこともできる。このように公開日を関連付けて記憶させることで、あらかじめ設定された公開日にカード情報を連結させて、ストーリーの続きを閲覧者に公開させるなど公開日を制御することができる。
【0066】
図9は、連結されたカード情報によるストーリーの構成概念を示す図である。
図9に示すように、カード情報連結手段130によって連結されたカード情報に基づいて、ストーリー出力手段140がカードを連結して出力することで、端末機器300に向けてストーリーが出力される。
【0067】
図9の上段では、カード情報crd001から始まる1つのストーリーが展開されており、カード情報crd003から分岐したカード情報crd050に続く別のストーリーが展開され、さらにカード情報crd052から分岐したカード情報crd100に続く別のストーリーが展開されている。
このようにカード情報を連結させることで、容易に新たな別のストーリーを創作することができる。
【0068】
図10は、端末機器に表示されたカード情報を示す図である。
図10に示すように、カード情報は閲覧者が有する端末機器300の表示画面の一定の領域に一つのカード情報が表示される。
【0069】
ここでは例として端末機器300の表示画面にカード情報crd002が表示される例で示す。
カード情報crd002は、文字情報txt002、画像情報pic002、および音情報snd001で構成されており、各情報が端末機器300の表示画面で表示されている。
【0070】
ここで端末機器300を閲覧者が操作し、表示画面を払うように素早く動かすフリック操作を左から右に向けて行なうと、カード情報crd002の前に連結されたカード情報がカード連結情報から呼び出されて表示され、ストーリーが前に戻る。
【0071】
また端末機器300の表示画面を閲覧者が、右から左に向けてフリック操作を行なうと、カード情報crd002の後に連結されたカード情報がカード連結情報から呼び出されて表示されてストーリーが前に進む。
【0072】
さらに端末機器300の表示画面を閲覧者が、上から下または下から上に向けてフリック操作を行なうと、カード情報crd002に別のストーリーが連結されている場合は、そのカード情報crd002に連結された別ストーリーのカード情報がカード連結情報から呼び出されて表示され、別のストーリーが展開される。
【0073】
このほか端末機器300には、各カード情報に関連づけられた広告表示などを表示させることもできる。これによりユーザーが端末機器300を介してストーリーを表示するたびに広告が表示され、それに応じた広告収入を得ることができる。
【0074】
図11は、複数の創作者が創作したストーリーを構成するカード情報の関係図を示す図である。
なお、ここでは分かりやすいように、各ストーリーの創作者はカード情報を構成する情報をすべて自ら創作したこととして説明する。
【0075】
図11に示すように、創作者AによるストーリーAはカード情報a、a、a・・・aから構成されている。
また創作者Bは、ストーリーAを構成するカード情報aから別のストーリーを展開させてカード情報a、a、a、b、b、b・・・bからなるストーリーBを創作している。
【0076】
さらに創作者Cは、ストーリーAを構成するカード情報aから別のストーリーを展開させたストーリーBを構成するカード情報bから別のストーリーを展開させてカード情報a、a、a、b、b、b、C、C、C・・・CからなるストーリーCを創作している。
【0077】
このとき、創作者Aが創作したストーリーAは原著作物となり、創作者Bおよび創作者Cが創作したストーリーBおよびストーリーBはストーリーAの副次的な二次的著作物または三次的著作物となる。
このように展開された原著作物と副次的な二次的著作物や三次的著作物の収益を、本願発明の著作物管理装置100がカード情報の表示数に応じて正しく分配する。
【0078】
図11を例とすると、各創作者の収益は次の式で表される。
【数1】
【0079】
図12は、出力回数計測手段が計測した閲覧数を示したグラフ図である。
図12に示すように、出力回数計測手段150は、ストーリー出力手段140が出力したカード情報の出力回数を計測し、カード情報毎の出力数を計測する。
【0080】
ここで創作者Cのみによる創作物の総出力回数は次の式で表される。
【数2】
【0081】
また創作者CのみによるストーリーCを閲覧するための課金収入は、例えば次の式で表される。
【数3】
【0082】
次に創作者Bから創作者Aに支払われるべき金額は次の式で表される。
【数4】
【0083】
また創作者Cから創作者Bに支払われるべき金額は次の式で表される。
【数5】
【0084】
図13は、収益分配手段が行なう収益分配処理を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
〔ステップS11〕収益分配手段160は、収益が算出されていないストーリーの最下位層のストーリーに移動する。具体的には、複数のカード情報が連結されることによって生成されたストーリーのうち、原著作物を最上位のストーリーとして収益が算出されていない最下位層にあたるストーリーの収益を算出する対象とするために該当ストーリーに移動する。
【0085】
〔ステップS12〕収益分配手段160は、ステップS11で移動したストーリーの売上金額を算出する。具体的な例としては、図11で最下位層にあたる創作者CによるストーリーCの売上金額を算出する。
さらに具体的な例としては、ストーリーCの出力数に閲覧課金額を乗じた物をストーリーCの売上金額として算出する。
【0086】
〔ステップS13〕収益分配手段160は、ステップS12で売り上げを算出したストーリーが最上位層であるか否かの判断を行なう。
ステップS12で売り上げを算出したストーリーが最上位層であると収益分配手段160が判断したときは、処理をステップS14に進め、ステップS12で売り上げを算出したストーリーが最上位層ではないと収益分配手段160が判断したときは、処理をステップS15に進める。
【0087】
〔ステップS14〕収益分配手段160は、収益算出を行なう。具体的には、ステップS12で算出された売上金額に印税率を乗じた利益と、ステップS12で算出されたストーリーの1つ下位層からの支払金額を足した金額で収益を算出する。なお、1つ下位層のストーリーがない場合においては、ステップS12で計測した売上金額に印税率を乗じたものが収益として算出される。
【0088】
〔ステップS15〕収益分配手段160は、上位層のストーリー創作者に対する支払額を算出する。具体的には、数式4または数式5のように、1つ上位層のストーリー創作者に支払う金額を算出する。
【0089】
〔ステップS16〕収益分配手段160は、収益を算出する。具体的には、ステップS12で計測した売上金額に印税率を乗じた金額から、ステップS15で算出された上位層のストーリー創作者への支払額を減額した金額が収益として算出される。
【0090】
図14は、各情報の創作者が異なったカード情報が端末機器に表示された状態を示す図である。
図11の例では、カード情報を構成する各情報の創作者が同一の場合を例にして説明したが、場合によっては1つのカード情報の中で文字情報と画像情報との創作者が異なる場合がある。
【0091】
具体的な例としては、図14に示すように、文字情報txt002は創作者Dによる著作物、画像pic002は創作者Eによる著作物、音情報snd001は創作者Fによる著作物である。
【0092】
このように1つのカード情報が複数の創作者による情報で構成された場合においては、図13の処理で算出された収益を、カード情報の出力数の割合に応じて分割し、そのカード情報毎の収益をさらに創作者で分配するようにしてもよい。
【0093】
なお、本実施の形態では著作物管理装置100を用いて、収益を創作者に分配する例で示したが、ここでいう収益の分配とは創作者に対する権利配分により収益を分配する例を具体的に示すものであり、分配するのは収益だけではなく、創作者に対する権利の割合を数値化して算出するようにしてもよい。
【0094】
また、本実施の形態では、あらかじめ情報記憶部110に記憶された文字情報、画像情報、音情報などを単独または組み合わせて1つのカード情報を生成し、カード情報の出力回数に基づいて収益を分配したが、複数の創作者により完成されたコンテンツ、例えば小説やマンガなどを一定の文字数やコマ毎に細分化し、これらを文字情報、画像情報、音情報として単独または組み合わせることでカード情報を作成し、これらのカード情報の出力回数に基づいて収益を分配するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
100 著作物管理装置
110 情報記憶部
111 文字情報記憶部
112 画像情報記憶部
113 音情報記憶部
114 著作権者情報記憶部
115 カード情報記憶部
116 カード連結情報記憶部
120 カード情報生成手段
130 カード情報連結手段
140 ストーリー出力手段
150 出力回数計測手段
160 収益分配手段
200 ネットワーク
300 端末機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14