IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オクジューの特許一覧

特許7213535ハンガー補強具及び連結構造並びに連結構造の補強方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】ハンガー補強具及び連結構造並びに連結構造の補強方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/18 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
E04B9/18 K
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019024879
(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公開番号】P2020133155
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】593123683
【氏名又は名称】株式会社オクジュー
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】熊本 辰視
(72)【発明者】
【氏名】本田 信一
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-050784(JP,A)
【文献】特開2010-121370(JP,A)
【文献】特開平07-324428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーのハンガー補強具であって、
前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、
前記固定板部の裏面から鉛直方向に立設され且つ前記固定板部を前記吊材に固定した際に下端部が前記野縁受に当接する一対の支え板部とを有し、
前記固定板部は、前記一対の支え板部の間でこれらに直交して設けられ且つ前記第一縦板部又は前記第二縦板部に接する縦板留め部を有するハンガー補強具。
【請求項2】
前記縦板留め部は、前記第一縦板部又は前記第二縦板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔と、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部とを備える請求項1記載のハンガー補強具。
【請求項3】
前記縦板留め部は、その下端部に前記下板部の下面に接する折曲片をさらに有する請求項2記載のハンガー補強具。
【請求項4】
前記固定板部は、前記一対の支え板部の本体部から上方に突出する突出片の各々が折り曲げられて形成されている請求項1~3のいずれかに記載のハンガー補強具。
【請求項5】
前記突出片の各々は、重ねられてある請求項4記載のハンガー補強具。
【請求項6】
前記締結部材によって前記固定板部と共に前記吊材に固定される第二の固定板部と、前記第二の固定板部から鉛直方向に沿って設けられる支え板留め部とを有する強化部材をさらに備え、前記支え板留め部は、前記支え板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有する請求項1~5のいずれかに記載のハンガー補強具。
【請求項7】
前記一対の支え板部の下端部には、前記野縁受にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有する野縁受留め部が形成されている請求項1又は2記載のハンガー補強具。
【請求項8】
前記固定板部は、前記吊材を嵌入させるスリットを有し、前記スリットの内側にはねじ溝が形成されている請求項1~7のいずれかに記載のハンガー補強具。
【請求項9】
天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーのハンガー補強具であって、
前記ハンガーに取り付けた際に上部の少なくとも一部が前記上板部の裏面に当接すると共に下端部が前記野縁受に当接する支え板部を有するハンガー補強具。
【請求項10】
前記支え板部は、前記第二縦板部の内面に接する第一板部と、前記第一板部に直交して設けられる第二板部とよりなり、前記第一板部は、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部を有する請求項9記載のハンガー補強具。
【請求項11】
前記第二板部は、一対設けられている請求項10記載のハンガー補強具。
【請求項12】
前記支え板部は、連結部材を介して連結される一対の支え部材よりなり、前記支え部材は、前記第二縦板部の内面に接する第一板部と、前記第一板部に対向し且つ前記第一縦板部の内面に接する第二板部と、前記第一板部と前記第二板部とを接続する第三板部とよりなり、前記第一板部及び前記第二板部は、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部を有し、前記第三板部は、前記連結部材を貫通させる貫通孔を有する請求項9記載のハンガー補強具。
【請求項13】
前記支え板部は、前記第二縦板部の内面に接する第一板部であり、前記第一板部に対向し且つ前記第一縦板部の外面に接する第二板部と、前記第一板部と前記第二板部とを接続する第三板部とをさらに備え、前記第一板部及び前記第二板部は、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部を有し、前記第二板部は、前記第一縦板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有する請求項9記載のハンガー補強具。
【請求項14】
前記第一板部に直交し且つ前記第二板部に対向する第三板部と、前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、前記固定板部と前記第三板部とを接続させる接続部とをさらに備え、前記固定板部は、前記吊材を嵌入させるスリットを有する請求項10記載のハンガー補強具。
【請求項15】
前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、前記固定板部と前記第三板部とを接続させる接続部とをさらに備え、前記固定板部は、前記吊材を嵌入させるスリットを有する請求項13記載のハンガー補強具。
【請求項16】
前記上部は、前記支え板部の上端である請求項9~15のいずれかに記載のハンガー補強具。
【請求項17】
前記上部は、前記支え板部の上部から内方に向けて突出又は延長された突部である請求項9~15のいずれかに記載のハンガー補強具。
【請求項18】
天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーと前記野縁受との連結構造であって、
前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、
前記固定板部の裏面から鉛直方向に立設され且つ前記固定板部を前記吊材に固定した際に下端部が前記野縁受に当接する一対の支え板部とを有し、
前記固定板部は、前記一対の支え板部の間でこれらに直交して設けられ且つ前記第一縦板部又は前記第二縦板部に接する縦板留め部を有するハンガー補強具を備え、
前記ハンガー補強具を前記吊材に固定した連結構造。
【請求項19】
天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーと前記野縁受との連結構造であって、
前記ハンガーに取り付けた際に上部の少なくとも一部が前記上板部の裏面に当接すると共に下端部が前記野縁受に当接する支え板部を有するハンガー補強具を備え、
前記ハンガー補強具を前記支え板部の上部の少なくとも一部を前記上板部の裏面に当接させる共に前記支え板部の下端部を前記野縁受に当接させた連結構造。
【請求項20】
請求項1~8のいずれかに記載のハンガー補強具を用いたハンガーと野縁受との連結構造の補強方法であって、
前記固定板部を前記締結部材によって前記吊材に固定すると共に、
前記一対の支え板部の下端部を前記野縁受に当接させる連結構造の補強方法。
【請求項21】
請求項9~17のいずれかに記載のハンガー補強具を用いたハンガーと野縁受との連結構造の補強方法であって、
前記支え板部の上部の少なくとも一部を前記上板部の裏面に当接させる共に前記支え板部の下端部を前記野縁受に当接させる連結構造の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンガー補強具及び連結構造並びに連結構造の補強方法に関する。さらに詳しくは、天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーのハンガー補強具及び連結構造並びに連結構造の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上述の如きハンガー補強具として、例えば特許文献1~3に記載の如きものが知られている。これらの補強具は、主に、野縁受を含む天井下地の重量(鉛直方向下向きの荷重)を支えるハンガーの上記重量による開き(変形)を抑制し、野縁受の脱落を防止するものである。しかし、近年、天井下地の耐震性の向上のため、鉛直方向下向きの荷重のみならず鉛直方向上向きの荷重(圧縮)にも対応するべく、ハンガーの更なる強度向上が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-25271号公報
【文献】特開平8-13682号公報
【文献】特開2007-23737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、鉛直方向上向きの荷重に対するハンガーの強度を向上させることが可能なハンガー補強具及び連結構造並びに連結構造の補強方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るハンガー補強具の特徴は、天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーのハンガー補強具において、前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、前記固定板部の裏面から鉛直方向に立設され且つ前記固定板部を前記吊材に固定した際に下端部が前記野縁受に当接する一対の支え板部とを有し、前記固定板部は、前記一対の支え板部の間でこれらに直交して設けられ且つ前記第一縦板部又は前記第二縦板部に接する縦板留め部を有することにある。
【0006】
上記構成によれば、吊材に固定された固定板部の裏面から鉛直方向に立設された支え板部の下端部が野縁受に当接するので、地震等の振動や揺れによって野縁受を介してハンガーに鉛直方向上向きの荷重として圧縮荷重が負荷された場合、一対の支え板部が固定板部と野縁受との間で支え(つっかえ)となって圧縮荷重に対抗する。これにより、ハンガーの第一縦板部等の圧縮変形を防止でき、ハンガーの強度を向上させることができる。
【0007】
上記構成において、前記縦板留め部は、前記第一縦板部又は前記第二縦板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔と、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部とを備えるとよい。固定板部は、第一縦板部又は第二縦板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有するので、支え板部とハンガーとを一体化でき、さらに強度が向上する。
【0008】
係る場合、前記縦板留め部は、その下端部に前記下板部の下面に接する折曲片をさらに有するとよい。地震等の振動や揺れによってハンガーに鉛直方向下向きの荷重として引張荷重がさらに負荷された場合、折曲片が引張荷重に対抗する。これにより、上述の圧縮変形のみならずハンガーの上板部等の引張変形をも防止でき、更なる強度の向上が可能となる。
【0009】
また、上記いずれかの構成において、前記固定板部は、前記一対の支え板部の本体部から上方に突出する突出片の各々が折り曲げられて形成されていてもよい。係る場合、前記突出片の各々は、重ねられてあるとよい。各突出片を折り曲げてそれらを重ねて固定板部を形成することで、ハンガーの上板部をより強固に補強できる。
【0010】
また、前記締結部材によって前記固定板部と共に前記吊材に固定される第二の固定板部と、前記第二の固定板部から鉛直方向に沿って設けられる支え板留め部とを有する強化部材をさらに備え、前記支え板留め部は、前記支え板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有するとよい。これにより、ハンガーの上板部が固定板部及び第二の固定板部でより強固に補強される。しかも、ハンガーに引張荷重が負荷された場合、強化部材が引張荷重に対抗する。よって、上述の圧縮変形のみならず引張変形をも防止でき、更なる強度の向上が可能となる。
【0011】
また、前記一対の支え板部の下端部には、前記野縁受にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有する野縁受留め部が形成されていてもよい。支え板部が一対設けられているので、圧縮荷重及び引張荷重により強固に対抗することができる。しかも、野縁受留め部は野縁受にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有するので、引張荷重が負荷された場合、この野縁受留め部が引張荷重に対抗する。よって、ハンガーの圧縮変形のみならずハンガーの上板部等の変形をも防止でき、更なる強度の向上が可能となる。
【0012】
上記いずれかに構成において、前記固定板部は、前記吊材を嵌入させるスリットを有し、前記スリットの内側にはねじ溝が形成されているとよい。これにより、既存のハンガーにも容易に取り付け可能となり、固定板部をねじ溝により係止させることができ、作業性もよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るハンガー補強具の他の特徴は、天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えたハンガーのハンガー補強具において、前記ハンガーに取り付けた際に上部の少なくとも一部が前記上板部の裏面に当接すると共に下端部が前記野縁受に当接する支え板部を有することにある。
【0014】
上記構成によれば、支え板部の上部の少なくとも一部がハンガーの上板部の裏面に当接すると共に支え板部の下端部が野縁受に当接するので、地震等の振動や揺れによって野縁受を介してハンガーに鉛直方向上向きの荷重として圧縮荷重が負荷された場合、支え板部がハンガーの上板部と野縁受との間で支え(つっかえ)となって圧縮荷重に対抗する。これにより、ハンガーの第一縦板部等の圧縮変形を防止でき、ハンガーの強度を向上させることができる。
【0015】
上記構成において、前記支え板部は、前記第二縦板部の内面に接する第一板部と、前記第一板部に直交して設けられる第二板部とよりなり、前記第一板部は、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部を有するとよい。さらに、前記第二板部は、一対設けられているとよい。第一板部及び第二板部により、圧縮荷重にさらに強固に対抗することができる。
【0016】
また、前記支え板部は、連結部材を介して連結される一対の支え部材よりなり、前記支え部材は、前記第二縦板部の内面に接する第一板部と、前記第一板部に対向し且つ前記第一縦板部内面に接する第二板部と、前記第一板部と前記第二板部とを接続する第三板部とよりなり、前記第一板部及び前記第二板部は、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部を有し、前記第三板部は、前記連結部材を貫通させる貫通孔を有するとよい。ハンガーに圧縮荷重が負荷された場合、一対の支え部材がハンガーの上板部と野縁受との間で支え(つっかえ)となって圧縮荷重に対抗する。これにより、圧縮変形を防止でき、ハンガーの強度を向上させることができる。
【0017】
また、前記支え板部は、前記第二縦板部の内面に接する第一板部であり、前記第一板部に対向し且つ前記第一縦板部の外面に接する第二板部と、前記第一板部と前記第二板部とを接続する第三板部とをさらに備え、前記第一板部及び前記第二板部は、前記第一縦板部及び前記第二縦板部を接続する接続部材を挿通させる挿通部を有し、前記第二板部は、前記第一縦板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有してもよい。ハンガーに圧縮荷重が負荷された場合、第一板部がハンガーの上板部と野縁受との間で支え(つっかえ)となって圧縮荷重に対抗する。これにより、圧縮変形を防止でき、ハンガーの強度を向上させることができる。しかも、第二板部は、第一縦板部にビス留めするビスを貫通させるビス孔を有するので、支え板部とハンガーとを一体化でき、さらに強度が向上する。
【0018】
前記第一板部に直交し且つ前記第二板部に対向する第三板部と、前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、前記固定板部と前記第三板部とを接続させる接続部とをさらに備え、前記固定板部は、前記吊材を嵌入させるスリットを有するとよい。これにより、地震等の振動や揺れによってハンガーに鉛直方向下向きの荷重として引張荷重がさらに負荷された場合、第三板部に接続された固定板部が引張荷重に対抗する。よって、上述の圧縮変形のみならずハンガーの上板部等の引張変形をも防止でき、更なる強度の向上が可能となる。
【0019】
また、前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、前記固定板部と前記第三板部とを接続させる接続部とをさらに備え、前記固定板部は、前記吊材を嵌入させるスリットを有してもよい。ハンガーに引張荷重が負荷された場合、第三板部に接続された固定板部が引張荷重に対抗する。よって、上述の圧縮変形のみならず引張変形をも防止でき、更なる強度の向上が可能となる。
【0020】
上記いずれかの構成において、前記上部は、前記支え板部の上端であってもよい。また、前記上部は、前記支え板部の上部から内方に向けて突出又は延長された突部であってもよい。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明に係る連結構造の特徴は、天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えた構成において、前記吊材に螺合する締結部材によって前記吊材に固定される固定板部と、前記固定板部の裏面から鉛直方向に立設され且つ前記固定板部を前記吊材に固定した際に下端部が前記野縁受に当接する一対の支え板部とを有し、前記固定板部は、前記一対の支え板部の間でこれらに直交して設けられ且つ前記第一縦板部又は前記第二縦板部に接する縦板留め部を有するハンガー補強具を備え、前記ハンガー補強具を前記吊材に固定したことにある。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明に係る連結構造の他の特徴は、天井スラブから垂下する吊材に固定される上板部と、前記上板部に対し鉛直方向に設けられる第一縦板部と、野縁受を挟んで前記第一縦板部に対向する第二縦板部と、前記第一縦板部と前記第二縦板部とを接続し且つ前記野縁受が載置される下板部とを備えた構成において、前記ハンガーに取り付けた際に上部の少なくとも一部が前記上板部の裏面に当接すると共に下端部が前記野縁受に当接する支え板部を有するハンガー補強具を備え、前記ハンガー補強具を前記支え板部の上部の少なくとも一部を前記上板部の裏面に当接させる共に前記支え板部の下端部を前記野縁受に当接させたことにある。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明に係る連結構造の補強方法の特徴は、上記いずれかに記載のハンガー補強具を用いたハンガーと野縁受との連結構造の補強方法において、前記固定板部を前記締結部材によって前記吊材に固定すると共に、前記一対の支え板部の下端部を前記野縁受に当接させることにある。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明に係る連結構造の補強方法の他の特徴は、上記いずれかに記載のハンガー補強具を用いたハンガーと野縁受との連結構造の補強方法において、前記支え板部の上部の少なくとも一部を前記上板部の裏面に当接させる共に前記支え板部の下端部を前記野縁受に当接させることにある。
【発明の効果】
【0025】
上記本発明に係るハンガー補強具及び連結構造並びに連結構造の補強方法の特徴によれば、鉛直方向上向きの荷重に対するハンガーの強度を向上させることが可能となった。
【0026】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係るハンガー補強具を用いた連結構造を示す斜視図である。
図2】(a)は図1のハンガー補強具の平面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(b)は(a)のB-B線断面図である。
図3図1の正面図である。
図4A】ハンガーを吊材に取り付ける状態を示す斜視図である。
図4B】ハンガーに野縁受を架設する状態を示す斜視図である。
図4C】ハンガーにハンガー補強具を固定する状態を示す斜視図である。
図4D】ナットでハンガー補強具を締付固定する状態を示す斜視図である。
図5A】本発明の第2実施形態に係る図1相当図である。
図5B】本発明の第2実施形態に係るハンガー補強具の取付前の斜視図である。
図5C図5Bの正面図である。
図6A】本発明の第3実施形態に係る図5B相当図である。
図6B】本発明の第3実施形態に係る図1相当図である。
図7A】本発明の第4実施形態に係る図5B相当図である。
図7B】本発明の第4実施形態に係る図1相当図である。
図8A】本発明の第5実施形態に係る図5B相当図である。
図8B】本発明の第5実施形態に係る図1相当図である。
図9】第5実施形態に係るハンガー補強具の改変例を示す斜視図である。
図10A】本発明の第6実施形態に係る図5B相当図である。
図10B】本発明の第6実施形態に係る図1相当図である。
図11A】本発明の第6実施形態の改変例に係る図5B相当図である。
図11B】本発明の第6実施形態の改変例に係る図1相当図である。
図12A】本発明の第7実施形態に係る図5B相当図である。
図12B】本発明の第7実施形態に係る図1相当図である。
図13A】本発明の第8実施形態に係る図5B相当図である。
図13B】本発明の第8実施形態に係る図1相当図である。
図14A】本発明の第9実施形態に係る図5B相当図である。
図14B】本発明の第9実施形態に係る図1相当図である。
図15】第9実施形態に係るハンガー補強具の改変例を示す斜視図である。
図16A】本発明の第10実施形態に係る図5B相当図である。
図16B】本発明の第10実施形態に係る図1相当図である。
図17A】本発明の第11実施形態に係る図5B相当図である。
図17B】本発明の第11実施形態に係る図1相当図である。
図18A】本発明の第12実施形態に係る図5B相当図である。
図18B】本発明の第12実施形態に係る図1相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係るハンガー補強具1は、図1,4Cに示すように、天井仕上材を取り付けた野縁と連結固定された野縁受101と、天井スラブから垂下する吊材102に固定されるハンガー110との連結構造10に用いられ、この連結構造10を補強する。野縁受101は、例えば、ウェブ101aとウェブ101aの上下に設けられた上下フランジ101b,101cよりなるチャンネル材である。
【0029】
ハンガー110は、図4A~Cに示すように、大略、吊材102に締結部材103によって固定される上板部111と、上板部111に対し鉛直方向Zに設けられる第一縦板部112と、第一縦板部112に野縁受101を挟んで対向する第二縦板部113と、第一縦板部112と第二縦板部113とを接続し且つ野縁受101が載置される下板部114とを備える。第一縦板部112及び第二縦板部113には、これらを接続し野縁受101の脱落を防止するボルト等の接続部材115を挿通させる挿通孔116が設けられている。
【0030】
図1~3に示すように、本発明の第1実施形態に係るハンガー補強具1Aは、大略、吊材102に螺合するナット等の第二の締結部材2と、締結部材103と第二の締結部材2によって吊材102に固定される固定板部3と、野縁受101の上フランジ101bに当接する支え板部4と、第一縦板部112にビス留めされる縦板留め部5としての第一縦板留め部5aよりなる。
【0031】
固定板部3は、吊材102を嵌入させるスリット31を備える。スリット31は、野縁受101の長手方向Xに直交する直交方向Yに沿って形成されている。また、スリット31の内側には、吊材102のねじ山と螺合するねじ溝32が形成されている。
【0032】
支え板部4は、固定板部3の裏面3aから鉛直方向Zに立設されている。本実施形態において、支え板部4は、固定板部3を挟んで一対設けられている。
【0033】
第一縦板留め部5aは、一対の支え板部4,4の間で固定板部3及び一対の支え板部4,4の双方に直交して設けられている。また、第一縦板留め部5aには、第一縦板部112にビス留めするビス9を貫通させるビス孔51と、接続部材115を挿通させる挿通孔52とが設けられている。ビス孔51の内面には、ビス9のねじ部9aと螺合するねじ溝53が刻設されている。また、挿通孔52の内面にも接続部材115と螺合するねじ溝54が刻設されている。
【0034】
ここで、図4A~4Dを参照しながら、ハンガー補強具1Aの取付手順について説明する。
まず、締結部材103の上に第二の締結部材2を吊材102に螺合させて、ハンガー110を締結部材103で吊材102に取り付ける(図4A)。そして、ハンガー110の下板部114に野縁受101を載置させて架設する(図4B)。
【0035】
次に、スリット31に吊材102を嵌入させると共にハンガー補強具1Aを第一縦板部112側からハンガー110に装着し、第一縦板留め部5aをビス9で第一縦板部112に固定する(図4C)。そして、締結部材103及び第二の締結部材2で固定板部3をハンガー110に締付固定する(図4D)。
【0036】
ここで、図3に示すように、ハンガー補強具1Aをハンガー110に締付固定すると、支え板部4の下端部4aが野縁受101の上フランジ101bに当接する。一方、支え板部4の上端は固定板部3の裏面3bに位置する。これにより、ハンガー110に圧縮荷重F1がかかると、一対の支え板部4,4が吊材102に固定された固定板部3と野縁受101との間で支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗するので、第一縦板部112等の圧縮変形が抑制される。よって、ハンガー110及び連結構造10の強度を向上させることができる。
【0037】
次に、図5A~Cを参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、上記第1実施形態と同様の部材等には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0038】
第2実施形態に係るハンガー補強具1Bは、上述のハンガー補強具1Aと同一構成の本体部60に加えて、その本体部60の上部に被せて取り付けられる強化部材6をさらに備える。強化部材6は、締結部材103及び第二の締結部材2によって固定板部3と共に吊材102に固定される第二の固定板部61と、第二の固定板部61に対し鉛直方向Zに設けられ且つ支え板部4にビス留めされる支え板留め部62とを有する。
【0039】
第二の固定板部61は、吊材102を嵌入させるスリット63を有する。スリット63は、直交方向Yに沿って形成されている。また、支え板留め部62は、支え板部4にビス留めするビス9を貫通させるビス孔64を有し、その内面にはビス9のねじ部9aと螺合するねじ溝が刻設されている。支え板留め部62は、第二の固定板部61を挟んで一対設けられている。
【0040】
強化部材6は、スリット63に吊材102を嵌入させて固定板部3の上に装着し、支え板留め部62をビス9で一対の支え板部4に固定する。強化部材6と本体部60とをビス留めして一体化させることで、強度を向上させる。そして、締結部材103及び第二の締結部材2で本体部60と共にハンガー110に締付固定する。
【0041】
強化部材6を本体部60に締付固定すると、図5Cに示すように、第二の固定板部61が固定板部3を介して上板部111に覆い被さる。これにより、ハンガー110に引張荷重F2がかかると、第二の固定板部61が引張荷重F2に対抗するので、上板部111等の引張変形が抑制される。よって、強化部材6を本体部60(ハンガー補強具1A)と組み合わせることにより、圧縮荷重F1のみならず引張荷重F2にも対抗でき、ハンガー110及び連結構造10の強度をさらに向上させることができる。
【0042】
上記第1実施形態において、ハンガー補強具1Aを第一縦板部112側からハンガー110に装着した。しかし、第3実施形態に係るハンガー補強具1Cは、第二縦板部113側からハンガー110に装着する。
ハンガー補強具1Cは、図6に示すように、第1実施形態の第一縦板留め部5aに代えて、第二縦板部113にビス留めされる第二縦板留め部5bを有する。第二縦板留め部5bは、一対の支え板部4,4の間で固定板部3及び一対の支え板部4,4の双方に直交して設けられている。また、第二縦板留め部5bのビス孔51は、挿通孔52の下方に設けられている。本実施形態においても、一対の支え板部4,4が、支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形が抑制する。
【0043】
図7に示す第4実施形態では、第二縦板留め部5bの下端部に下板部114に接する折曲片55を設けた点で、上記第3実施形態と異なる。この折曲片55により、ハンガー110に引張荷重F2がかかると、折曲片55が引張荷重F2に対抗し、上板部111等の引張変形等が抑制する。よって、圧縮荷重F1のみならず引張荷重F2にも対抗でき、更なる強度向上が可能となる。
【0044】
上記各実施形態における固定板部3の形成に関し、図8,9に示す第5実施形態の如く、支え板部4の本体部40から上方に突出する突出片を折り曲げて固定板部3を形成しても構わない。例えば、図8に示す如く、支え板部4の突出片40xの各々を折り曲げて1つの固定板部3としてもよい。また、図9に示す如く、支え板部4の突出片40yを固定板部3の形状に形成しておき、それらを折り重ねて固定板部3としてもよい。折り重なることで、固定板部3が肉厚に形成されるので、上板部111に対する強度が増す。本実施形態においても、一対の支え板部4,4が、支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形が抑制する。
【0045】
上記各実施形態において、一対の支え板部4,4の間に縦板留め部5として第一縦板留め部5aや第二縦板留め部5bを設けた。しかし、図10に示す第6実施形態では、この縦板留め部5を省略している。一方、支え板部4の下端部には、野縁受101の上フランジ101bにビス留めするビス9を貫通させるビス孔42を有する野縁受留め部41が形成されている。これにより、ハンガー110に圧縮荷重F1及び/又は引張荷重F2が掛かる場合、固定板部3及び/又は野縁受留め部41が各荷重F1,F2に対抗するので、第一縦板部112や上板部111の変形が抑制される。よって、圧縮荷重F1のみならず引張荷重F2にも対抗でき、更なる強度向上が可能となる。もちろん、図11に示す如く、第一縦板留め部5aを設けても構わない。
【0046】
上記各実施形態は、いずれも吊材102に固定される固定板部3と野縁受101の上フランジ101b間に設けた支え板4によって、圧縮荷重F1に対抗した。しかし、以下の第7~12実施形態では、固定板部3を省略し、上部7bの少なくとも一部が上板部111の裏面111aに当接すると共に下端部7aが野縁受101の上フランジ101bに当接する支え板部7によって圧縮荷重F1に対抗する。
【0047】
図12に示す第7実施形態に係る支え板部7Aは、第二縦板部113の内面に接する第一板部71と、第一板部71に直交して設けられる一対の第二板部72,72とよりなる。第一板部71は、接続部材115を挿通させる挿通部74を有する。第一板部71及び一対の第二板部72,72の各上端71b,72bが、上板部111の裏面111aに当接する。これにより、ハンガー110に圧縮荷重F1がかかると、支え板部7Aが上板部111と野縁受101との間で支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗するので、第一縦板部112等の圧縮変形が抑制される。よって、ハンガー110及び連結構造10の強度を向上させることができる。
【0048】
図13に示す第8実施形態に係る支え板部7Bは、連結部材75を介して連結される一対の支え部材70,70よりなる。支え部材70は、第二縦板部113の内面に接する第一板部71Bと、第一板部71Bに対向し且つ第一縦板部112の内面に接する第二板部72Bと、第一板部71Bと第二板部72Bとを接続する第三板部73とよりなる。第一板部71B及び第二板部72Bは挿通部74を有し、第三板部73は連結部材75を貫通させる貫通孔76を有する。支え部材70の上端70bが、上板部111の裏面111aに当接する。よって、支え板部7Bが支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形を抑制する。
【0049】
図14に示す第9実施形態に係る支え板部7Cは、第二縦板部113の内面に接する第一板部71Cであり、第一板部71Cに対向し且つ第一縦板部112の外面112bに接する第二板部72Cと、第一板部71Cと第二板部72Cとを接続する第三板部73Cとをさらに備える。第一板部71C及び第二板部72Cは挿通部74を有し、第二板部72Cは第一縦板部112にビス留めするビスを貫通させるビス孔77を有する。ビス孔77の内面には、ビス9のねじ部9aと螺合するねじ溝が刻設されている。第一板部71Cの上端71bが、上板部111の裏面111aに当接する。よって、第一板部71Cが支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形を抑制する。なお、挿通部74の形状は、図14の形状に限られるものではなく、例えば、図15(a)の如き、長手方向Xに沿うスリット74’や、同図(b)の如き切欠部74’’でも構わない。
【0050】
図16に示す第10実施形態に係る支え板部7Dは、第二縦板部113の内面に接する第一板部71Dと、第一板部71Dに直交して設けられる第二板部72Dとよりなる。さらに、ハンガー補強具1Kは、この支え板部7Dに加え、第一板部71Dに直交し且つ第二板部72Dに対向する第三板部73Dと、締結部材103及び第二の締結部材2によって吊材102に固定される固定板部8と、固定板部8と第三板部73Dとを接続させる接続部81とを備える。固定板部8は、吊材102を嵌入させるスリット82を有する。
【0051】
第一板部71D及び第二板部72Dの各上端71b,72bが、上板部111の裏面111aに当接する。これにより、第一板部71D及び第二板部72Dが、支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形を抑制する。さらに、ハンガー110に引張荷重F2がかかると、接続部81を介して支え板部7Dに接続された固定板部8が引張荷重F2に対抗し、上板部111等の変形を抑制する。よって、圧縮荷重F1のみならず引張荷重F2にも対抗でき、ハンガー110及び連結構造10の強度をさらに向上させることができる。
【0052】
図17に示す第11実施形態に係る支え板部7Eは、上述の支え板部7Cと同様の構成である。ハンガー補強具1Lは、この支え板部7Eに加え、先の実施形態と同様の固定板部8と、固定板部8と第三板部73Eとを接続させる接続部81とをさらに備える。第一板部71Eの上端71bが上板部111の裏面111aに当接する。これにより、第一板部71Eが圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形を抑制する。しかも、固定板部8が引張荷重F2に対抗し、上板部111等の変形を抑制する。よって、圧縮荷重F1のみならず引張荷重F2にも対抗でき、更なる強度向上が可能となる。
【0053】
上記第7~11実施形態において、支え板部7の上端7bを上板部111の裏面111aに当接させることで、支え板部7により圧縮荷重F1に対抗した。しかし、上板部111の裏面111aに当接する部分は、上端7bに限られるものではなく、支え板部7の上部から内方に向けて突出又は延長された突部79であってもよい。
【0054】
例えば、図18に示すように、第12実施形態に係るハンガー補強具1Mは、第一縦板部112の外面に接する第一板部71Fと、この第一板部71Fに直交して設けられた一対の第二板部材72F,72Fよりなる支え板部7Fである。第一板部71Fは、上記実施形態と同様に挿通部74及びビス孔77を有する。また、第二板部72Fの上部には、対向する他方の第二板部に向かって突出する突部79が設けられている。一対の突部79,79の間は、吊材102が挿通可能となるように間隙が設けられている。一対の突部79,79が、上板部111の裏面111aに当接するので、一対の第二板部材72F,72Fが支え(つっかえ)となって圧縮荷重F1に対抗し、第一縦板部112等の圧縮変形を抑制する。
【0055】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。
上記第1実施形態において、支え板部4を一対設けたが、圧縮荷重F1に十分に対抗し得る強度が確保できるのであれば、一対でなくても構わない。但し、圧縮荷重F1に対するバランスを考慮するなら、上記実施形態の如く、一対の支え板部4,4を設けるのが好ましい。
【0056】
上記第2実施形態において、強化部材6は、上記第1実施形態に係るハンガー補強具1Aに適用したが、他の実施形態に係るハンガー補強具1に用いることも可能である。なお、上記実施形態の強化部材6には、支え板留め部62を一対設けたが、引張荷重F2に十分に対抗し得る強度が確保できるのであれば、一対でなくても構わない。但し、引張荷重F2に対するバランスを考慮するなら、上記実施形態の如く、一対の支え板留め部62,62を設けるのが好ましい。
【0057】
上記第4実施形態において、第二縦板留め部5bに下板部114の下面に接する折曲片55を形成した。しかし、このような折曲片55は、他の実施形態における縦板留め部5に適用することが可能である。例えば、第1実施形態の第一縦板留め部5aに折曲片55を形成することも可能である。
【0058】
上記第6実施形態において、支え板部4の下端部に野縁受留め部41を設けた。しかし、野縁受留め部41は、他の実施形態に係る支え板部4,7に設けることも可能である。さらに、第6実施形態に係るハンガー補強具1Fは、他のハンガー補強具1の強化部材6として用いることも可能である。このように、上記各実施形態を組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:ハンガー補強具、2:第二の締結部材(ナット)、3:固定板部、4:支え板部、4a:下端部、5:縦板留め部、5a:第一縦板留め部、5b:第二縦板留め部、6:強化部材、7:支え板部、7a:下端部、7b:上部、8:固定板部、9:ビス、9a:ねじ部、10:連結構造、31:スリット、32:ねじ溝、40:本体部、40x,40y:突出片、41:野縁受留め部、42:ビス孔、51:ビス孔、52:挿通孔、53:ねじ溝、54:ねじ溝、55:折曲片、60:本体部、61:第二の固定板部、62:支え板留め部、63:スリット、64:ビス孔、70:支え部材、71:第一板部、72:第二板部、73:第三板部、74:挿通部、75:連結部材、76:貫通孔、77:ビス孔、79:突部、81:接続部、82:スリット、101:野縁受、101a:ウェブ、101b:上フランジ(上面)、101c:下フランジ(下面)、102:吊材、103:締結部材(ナット)、110:ハンガー、111:上板部、111a:裏面、112:第一縦板部、112b:外面、113:第二縦板部、113b:外面、114:下板部、115:接続部材(ボルト)、116:挿通孔、X:長手方向、Y:直交方向、Z:鉛直方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B