(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20230120BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20230120BHJP
【FI】
G06F21/32
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2021531865
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 CN2019124909
(87)【国際公開番号】W WO2020135081
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】201811608294.0
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521240697
【氏名又は名称】巽騰(広東)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】簡 偉明
(72)【発明者】
【氏名】皮 愛平
(72)【発明者】
【氏名】梁 華貴
(72)【発明者】
【氏名】黄 飛鷹
(72)【発明者】
【氏名】陳 秋榕
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062132(JP,A)
【文献】特開2010-108112(JP,A)
【文献】国際公開第2018/026688(WO,A1)
【文献】特開2003-233816(JP,A)
【文献】特開2017-059060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
G06Q 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザの現在位置を追跡して、前記各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するステップと、
サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む前記識別要求を受信するステップと、
前記第1位置情報に基づいて、前記サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するステップと、
前記現在のラスタ領域が前記第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得するステップと、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップとを含
み、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップは、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものかを判断するステップと、
そうである場合、前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、前記対象物体と前記第1ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行うステップと、
前記生物学的特徴照合が成功したか否かを判断するステップと、
そうでない場合、前記第1ラスタ領域に隣接する各第2ラスタ領域を取得し、前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報を取得するステップと、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップとを含むことを特徴とする動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項2】
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップは、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、前記対象物体と前記各第2ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行うステップと、
前記生物学的特徴照合が成功したか否かを判断するステップと、
前記生物学的特徴照合が成功した場合、前記照合に成功したユーザが唯一であるか否かを判断するステップと、
前記照合に成功したユーザが唯一である場合、前記照合に成功したユーザを対象物体に決定して身元識別を完了するステップとを含むことを特徴とする請求項
1に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項3】
前記照合に成功したユーザが唯一でない場合、前記照合に成功した各ユーザの関連端末に身元確認要求を送信するステップと、
前記照合に成功した各ユーザの関連端末から、前記身元確認要求に対して送信した少なくとも1つの身元情報を受信すると、各ユーザの関連端末から送信された身元情報を判断して判断結果を得るステップと、
前記判断結果に基づいて身元識別を完了するステップとを更に含むことを特徴とする請求項
2に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項4】
身元識別が完了した後に、身元識別結果及びサービス要求を決済システムに送信し、前記決済システムに、前記身元識別結果に対応する決済アカウントを検索させ、前記決済アカウント及び前記サービス要求に基づいて決済動作を完了させ、前記決済動作結果を返してもらうステップと、
前記決済システムから返された決済動作結果を受信し、前記決済動作に基づいて、インボイスサービス要求を生成してインボイスシステムに送信し、前記インボイスシステムに、決済インボイスを生成させ、前記決済インボイスを電子メールの方式で前記対象物体の指定の電子メールボックスに送信させ、及び/又は前記サービス端末に送信させるステップとを更に含むことを特徴とする請求項1
~3のいずれかに記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項5】
身元識別が完了した後に、身元識別結果及
びサービス要求を身元認証システムに送信し、前記身元認証システムに、前記身元識別結果を個人身元情報に変換させ、前記個人身元情報及び前記サービス要求に基づいて身元認証を完了させるステップを更に含むことを特徴とする請求項1
~3のいずれかに記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項6】
身元識別ログを生成し、前記身元識別ログを前記対象物体の関連端末に送信して、身元識別の完了を前記対象物体に促すステップを更に含むことを特徴とする請求項
3に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項7】
前記生物学的特徴情報が顔生物学的特徴である場合、前記顔生物学的特徴情報は、前記対象物体の生体顔生物学的特徴情報又は前記対象物体の顔表情情報に関連した生体顔生物学的特徴情報を含むことを特徴とする請求項1
~6のいずれかに記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【請求項8】
各ユーザの現在位置を追跡して、前記各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するように構成される追跡モジュールと、
サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む前記識別要求を受信するように構成される受信モジュールと、
前記第1位置情報に基づいて、前記サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するように構成されるラスタ決定モジュールと、
前記現在のラスタ領域が前記第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得する情報取得モジュールと、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了する身元確認モジュールとを含
み、
前記身元確認モジュールは、前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するとき、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものかを判断し、
そうである場合、前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、前記対象物体と前記第1ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行い、
前記生物学的特徴照合が成功したか否かを判断し、
そうでない場合、前記第1ラスタ領域に隣接する各第2ラスタ領域を取得し、前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報を取得し、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了することを特徴とする動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置。
【請求項9】
プロセッサとメモリを含み、
前記メモリには、前記プロセッサによって実行されると、請求項1~
7のいずれかに記載の方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されていることを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項1~
7のいずれかに記載の方法に用いられるコンピュータソフトウェア命令を記憶するように構成されていることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年12月26日に中国特許庁に出願された出願番号201811608294.0、「動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバ」という名称の中国特許出願の優先権を主張し、その内容のすべては、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本願は、身元識別の技術分野に関し、特に動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク技術や自動化機器技術のますますの発展に伴い、モバイル決済や身元認証などの多くのサービスに適用されている身元識別技術が発展している。現在、従来の身元識別技術では、ユーザがパスワード、QRコード(登録商標)又は身元証明書などの情報を提供する必要があり、それによって、サービス端末が上記情報に基づいてユーザの身元識別をする。しかしながら、このような方式で身元識別を行う場合、識別プロセスが煩雑であるとともに、一定のリスクが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、身元識別のプロセスをより簡略化し、身元識別の際のユーザ体験を向上させるとともに、身元識別のリスクを低減することができる動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様として、本願の実施例は、動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法を提供し、各ユーザの現在位置を追跡して、各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するステップと、サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む識別要求を受信するステップと、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するステップと、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得するステップと、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップとを含む。
【0006】
第1の態様に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第1の可能な実施形態を提供する。ここで、上記の対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップは、対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものかを判断するステップと、そうである場合、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、対象物体と第1ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行うステップと、生物学的特徴照合が成功したか否かを判断するステップと、そうでない場合、第1ラスタ領域に隣接する各第2ラスタ領域を取得し、各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報を取得するステップと、対象物体の生体生物学的特徴情報と各第2ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップとを含む。
【0007】
第1の態様の第1の可能な実施形態に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第2の可能な実施形態を提供する。ここで、上記の対象物体の生体生物学的特徴情報と各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップは、対象物体の生体生物学的特徴情報と各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、対象物体と各第2ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行うステップと、生物学的特徴照合が成功したか否かを判断するステップと、生物学的特徴照合が成功した場合、照合に成功したユーザが唯一であるか否かを判断するステップと、照合に成功したユーザが唯一である場合、照合に成功したユーザを対象物体に決定して身元識別を完了するステップとを含む。
【0008】
第1の態様の第2の可能な実施形態に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第3の可能な実施形態を提供する。ここで、上記方法は、照合に成功したユーザが唯一でない場合、照合に成功した各ユーザの関連端末に身元確認要求を送信するステップと、照合に成功した各ユーザの関連端末から、身元確認要求に対して送信した少なくとも1つの身元情報を受信すると、各ユーザの関連端末から送信された身元情報を判断して判断結果を得るステップと、判断結果に基づいて身元識別を完了するステップとを更に含む。
【0009】
第1の態様に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第4の可能な実施形態を提供する。ここで、上記方法は、身元識別が完了した後に、身元識別結果及びサービス要求を決済システムに送信し、決済システムに、身元識別結果に対応する決済アカウントを検索させ、決済アカウント及びサービス要求に基づいて決済動作を完了させ、前記決済動作結果を返してもらうステップと、前記決済システムから返された決済動作結果を受信し、決済動作に基づいて、インボイスサービス要求を生成してインボイスシステムに送信し、インボイスシステムに、決済インボイスを生成させ、決済インボイスを電子メールの方式で対象物体の指定の電子メールボックスに送信させ、及び/又はサービス端末に送信させるステップとを更に含む。
【0010】
第1の態様に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第5の可能な実施形態を提供する。ここで、上記方法は、身元識別が完了した後に、身元識別結果及びサービス要求を身元認証システムに送信し、身元認証システムに、身元識別結果を個人身元情報に変換させ、個人身元情報及びサービス要求に基づいて身元認証を完了させるステップを更に含む。
【0011】
第1の態様の第3の可能な実施形態に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第6の可能な実施形態を提供する。ここで、上記方法は、身元識別ログを生成し、身元識別ログを対象物体の関連端末に送信して、身元識別の完了を前記対象物体に促すステップを更に含む。
【0012】
第1の態様に関連し、本願の実施例は、第1の態様の第7の可能な実施形態を提供する。ここで、生物学的特徴情報が顔生物学的特徴である場合、顔生物学的特徴情報は、対象物体の生体顔生物学的特徴情報又は対象物体の顔表情情報に関連した生体顔生物学的特徴情報を含む。
【0013】
第2の態様として、本願の実施例は、動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置を更に提供し、各ユーザの現在位置を追跡して、各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するように構成される追跡モジュールと、サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む識別要求を受信するように構成される受信モジュールと、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するように構成されるラスタ決定モジュールと、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得する情報取得モジュールと、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了する身元確認モジュールとを含む。
【0014】
第3の態様として、本願の実施例は、プロセッサとメモリを含むサーバを更に提供し、メモリには、プロセッサによって実行されると、第1の態様~第1の態様の第7の可能な実施形態のいずれかの方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0015】
第4の態様として、本願の実施例は、第1の態様~第1の態様の第7の可能な実施形態のいずれかの方法に用いられるコンピュータソフトウェア命令を記憶するように構成されているコンピュータ記憶媒体を更に提供する。
【発明の効果】
【0016】
本願の実施例は、以下の利点をもたらす。
本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバは、ユーザの現在位置をリアルタイムで追跡して各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定し、サービス端末から送信された識別要求を受信することにより第1位置情報を取得し、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定し、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である全てのユーザの生物学的特徴情報を取得し、対象物体の生体生物学的特徴情報と上記各ユーザの生物学的特徴情報に基づいて身元識別を完了する。本願の実施例は、ユーザの生体生物学的特徴情報によってユーザの身元識別をし、ユーザがパスワード、QRコード又は身元証明書などの情報を提供する必要がなく、身元識別のプロセスを効率的に簡略化し、ユーザの身元識別の際の体験感を向上させることができる。また、ユーザが上記情報を提供する必要がないため、パスワードやQRコードの盗用や身元証明書の紛失等のリスクを低減して、身元識別の安全性をより高めることができるとともに、生体生物学的特徴情報を用いて、身元識別の安全性をより高めることができる。
【0017】
本願の他の特徴及び利点は、以下の説明において記載され、一部は、明細書から明らかとなるか、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面に具体的に示された構造によって実現及び達成される。
【0018】
本願の上記目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下に好ましい実施例を挙げ、添付図面と合わせて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の具体的な実施形態又は従来技術の技術手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記載に必要される図面を簡単に説明する。明らかに、以下の記載における図面は、本願の実施形態の一部であり、当業者であれば、創造性のある作業を付することなく、これらの図面から他の図面を取得することもできる。
【0020】
【
図1】本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートである。
【
図2】本願の実施例によって提供される別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートである。
【
図3】本願の実施例によって提供される別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例によって提供される別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートである。
【
図5】本願の実施例によって提供されるシステムの構造図である。
【
図6】本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置の構造図である。
【
図7】本願の実施例によって提供されるサーバの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の実施例の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、添付図面と併せて本願の技術手段を明確且つ完全に説明するが、記載された実施例は、本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことが明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な作業を付することなく得られる全ての他の実施例は、本願の保護範囲に属するものである。
【0022】
現在、モバイル決済や身元認証などの複数のサービスに身元識別技術が適用されている。従来の身元識別技術は、ユーザがパスワード、QRコード又は身元証明書等の情報を提供することを必要とし、それによってサービス端末が上記情報に基づいてユーザの身元識別を行い、更にモバイル決済や身元認証を完了する。しかし、モバイル決済の場合、その決済アカウントは、通常、携帯電話アカウントに関連付けられ、その結果、他人が携帯電話アカウントを盗むことによって決済アカウントを盗用し、ユーザに財産損失をもたらす。身元認証の場合、身元認証を完了するには、ユーザが身元証明書を提供する必要があり、身元証明書を携帯していないとき、ユーザ体験に影響を与える。これに基づいて、本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバは、身元識別のプロセスを更に簡略化し、身元識別の際のユーザ体験を向上させると同時に、身元識別に存在するリスクを低減させる。また、生物学的特徴情報が顔生物学的特徴である場合、顔表情情報を用いることにより、非本人の意思によるなりすましのリスクを大幅に低減することができ、双子等の似た顔を有する人の身元混同を効果的に防止することができる。
【0023】
本実施例の理解を容易にするために、まず、本願の実施例に開示された動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法を詳細に紹介する。
図1に示す動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャート図を参照し、この方法は、以下のステップを含む。
【0024】
ステップS102において、各ユーザの現在位置を追跡して、各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定する。
【0025】
具体的には、まず、あるエリアを複数のラスタ領域に分割し、各ラスタ領域内に、対応するラスタサーバを設定し、その後、各ラスタ領域を複数のサブ領域に分割し、更に各サブ領域を複数の孫領域に分割してもよい。広くて人がまばらの領域について、複数のラスタを1つのラスタサーバに配置し、ラスタサーバの利用率を上げることが好ましい。ユーザが位置する現在のラスタ領域をリアルタイムで決定するために、ユーザの現在位置を追跡する。具体的には、ユーザの関連端末から送信される位置情報をリアルタイムで取得し、ここで、BDS(BeiDou Navigation Satellite System、中国北斗衛星ナビゲーションシステム)、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)、LBS(Location Based Service、基地局測位)、AGPS(Assisted Global Positioning System、補助全地球衛星測位システム)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications、全地球移動通信システム)、IP(Internet Protocol、インターネットプロトコル)アドレス測位、WIFI(Wireless Fidelity、移動ホットスポット)、ジャイロスコープ測位などの1又は複数の測位技術に基づいてユーザの関連端末の位置を測位し、ユーザの位置情報を取得し、ユーザの位置情報からユーザが位置する現在のラスタ領域を決定する。ユーザの関連端末機器は、携帯電話機の他、ノートパソコン、タブレット、スマートウォッチ、スマートリング、スマートグラス、スマートイヤホン、及びスマートボタン型装置などのパーソナルモバイル機器であってもよい。
【0026】
対象物体が位置する領域で人口が密集している場合、ユーザのより正確な測位が必要であり、対象物体が位置する領域の人口が比較的疎な場合、正確に測位する必要がないことを考慮する。具体的には、第1ラスタ領域のユーザ密度が高い場合、高精度の位置要求を生成し、対象ユーザの関連端末が高精度の位置要求に基づいて高精度の位置情報を返信し、該高精度の位置情報を、上記第1ラスタ領域に対応するラスタサーバに送信し、該ラスタサーバが高精度の位置情報に基づいて、対象物体が位置するサブラスタ領域又は孫ラスタ領域を決定する。第1ラスタ領域のユーザ密度が小さい場合、低精度の位置要求を生成し、対象ユーザの関連端末が低精度の位置要求に基づいて、低精度の位置情報を返信する。また、この方法によれば、対象物体の関連端末は、消費電力の高い高精度の測位サービスを長期に亘って立ち上げる必要がなく、高精度の位置要求を受信したときにのみ立ち上げるだけでよく、測位サービスの消費電力を極力低減することができる。
【0027】
ステップS104において、サービス端末から送信された識別要求を受信する。
【0028】
ここで、サービス端末は、モバイル決済端末及び身元認証端末である。具体的には、モバイル決済端末は、キャッシュレジスタ、POS(point of sale、販売端末)機、スマートスキャンガン、ハンドヘルド機器、タブレット、スマートテレビ、携帯電話、クレーンゲーム機、ゲーム機、スマートロボット、セルフ料金決済機、セルフチャージ機、及びスマート決済機などを含む。身元認証端末は、セルフ取扱端末(電子政務セルフ取扱端末、電子銀行セルフ取扱端末、電子税務セルフ取扱端末、ホテル入居セルフ取扱端末、ATM(Automatic Teller Machine、現金自動支払機)、順番待ち機、受付順番発券機、セルフタンパ、セルフ伝票発行機、セルフチケットマシン等)、共有デバイス、スマートロボット、スマート自動車、無人機、身元認証機、会員及び貴賓確認デバイス、スマートゲート、スマートビジュアルインターフォン、及びスマートシャッター等を含む。
【0029】
サービス端末は、対応するサービスを実行する際に、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報とを含む識別要求を生成する。第1位置情報は、サービス端末が位置する位置情報であり、手動設定、BDS、GPS、LBS、AGPS、IPアドレス、WIFI等の1又は複数の測位技術によりサービス端末の位置を測位して、サービス端末の第1位置情報を得ることができる。また、上記の方法を併用することにより、より正確なサービス端末の第1位置情報を取得することができる。
【0030】
また、生物学的特徴情報は、顔情報、虹彩情報、強膜情報、目の紋情報、掌静脈情報、掌紋情報、指静脈情報、声紋情報のうちの1つ又は複数であり、ユーザの生物学的特徴情報は、対応する生物学的特徴収集技術をサービス端末に実装して収集される。顔識別技術を選択してユーザの身元特徴情報を取得することが好ましい。顔識別技術の精度が向上するにつれて、現在の顔識別技術は、1000万分の1の誤り率のレベルまで進歩しているので、顔識別技術によって身元識別の精度を向上させることができる。生体の顔識別技術を組み合わせることにより、他人が携帯電話の画像、動画、写真、マスク、3D(3 Dimensions、3次元)印刷頭部などの手段でユーザに成りすますことを防止し、ユーザの安全性を高めることができる。また、兄弟、姉妹、双子、血縁関係がない場合には2つの顔が似た状態で出現することが考えられ、いわば顔が一意性を持たないことを考慮し、顔識別技術と顔姿勢識別技術とを組み合わせることも可能となる。ユーザは、自分の好みで身元識別に必要な表情をカスタマイズすることができるので、似た顔であるにも関わらず、表情が異なることから、双子など似た顔であるユーザの身元混同を更に防止することができる。
【0031】
ステップS106において、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定する。
【0032】
1つの実施形態では、サービス端末によって送信されたサービス要求を受信すると、動的ラスタライズ管理技術によって、第1位置情報からサービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定する。
【0033】
ステップS108において、現在のラスタ領域が前記第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得する。
【0034】
第1ラスタ領域にサービス端末が位置しているため、対象ユーザの位置とサービス端末の位置とが一定距離以下であると、生体生物学的特徴情報の取得などの一連の動作を完了することができない。一方、遠隔からの成りすましを防ぐために、対象ユーザの位置とサービス端末の位置とが離れていると、身元識別ができなくなる。従って、第1ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報を取得することが好ましい。
【0035】
ステップS110において、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了する。
【0036】
まず、対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものであるか否かを判断し、対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体に直接由来するものでなければ、身元認証を完了することができない。生体識別がサービス端末機に設定されていれば、サービス要求を送信しない。生体識別がサーバ側に設定されている場合、サービス端末に「ユーザが見つからない」を送信する。対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものである場合、対象物体の生体生物学的特徴情報と、各ユーザの生物学的特徴情報とを比較し、比較類似閾値が、予め設定された所定の閾値よりも高い場合、そのユーザを対象物体に決定し、該ユーザに対応する身元情報をシステムで検索する。
【0037】
生物学的特徴情報が顔情報である場合、対象物体と上記各ユーザの顔情報とを比較することにより、システムにおいて対象物体に対応するユーザを検索することができ、対象物体の身元情報を決定することができる。また、顔識別技術と顔姿勢識別技術を組み合わせる場合、対象物体の生物学的特徴情報が顔情報と表情情報を含むべきである。顔情報と表情情報の両方が照合に成功した場合に対象物体の身元情報を決定することができ、本人の意図しない身元なりすましのリスクを防止することができ、更に双子などの似た顔を持つユーザの身元混同を防止することができる。
【0038】
本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法は、ユーザの現在位置をリアルタイムで追跡して各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定し、サービス端末から送信された識別要求を受信することにより第1位置情報を取得し、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定し、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である全てのユーザの生物学的特徴情報を取得し、対象物体の生体生物学的特徴情報と上記各ユーザの生物学的特徴情報に基づいて身元識別を完了する。本願の実施例は、ユーザの生体生物学的特徴情報によってユーザの身元識別をし、ユーザがパスワード、QRコード又は身元証明書などの情報を提供する必要がなく、身元識別のプロセスを効率的に簡略化し、ユーザの身元識別の際の体験感を向上させることができる。また、ユーザが上記情報を提供する必要がないため、パスワードやQRコードの盗用や身元証明書の紛失等のリスクを低減して、身元識別の安全性をより高めることができるとともに、生体生物学的特徴情報を用いて、身元識別の安全性をより高めることができる。
【0039】
上記の実施例の理解を容易にするために、本願の実施例は、別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法を更に提供する。
図2に示す別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートを参照すると、この方法は、以下のステップを含む。
【0040】
ステップS202において、各ユーザの現在位置を追跡して、各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定する。
【0041】
ステップS204において、サービス端末から送信された識別要求を受信する。
【0042】
ステップS206において、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定する。
【0043】
ステップS208において、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得する。
【0044】
ステップS210において、目標物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものか否かを判断する。そうであれば、ステップS212を実行するが、そうでなければ、終了する。
【0045】
他人が写真や動画などで本人なりすましを行うことを防ぐために、まず対象物体の身元情報が真の生体から直接由来するものか否かを調べ、そうでなければそのまま身元識別を終了し、サービス端末に確認失敗情報を返す。
【0046】
ステップS212において、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、対象物体と第1ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行う。
【0047】
1つの実施形態において、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報との類似値を計算し、類似閾値を予め設定し、類似値が予め設定された類似閾値より大きい場合にのみ生物学的特徴照合が成功する。
【0048】
ステップS214において、生物学的特徴照合が成功したか否かを判断する。そうであれば、身元識別が完了し、そうでなければ、ステップS216を実行する。
【0049】
照合が成功すると、上記ユーザに対象物体の対応関係が存在することを示し、照合に成功したユーザの情報を対象物体の情報として確認し、身元識別を完了する。また、照合に成功したユーザが唯一であるか否かを判断し、唯一でない場合には、更に対象物体の身元を更に識別する必要がある。
【0050】
ステップS216において、第1ラスタ領域に隣接する各第2ラスタ領域を取得し、前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報を取得する。
【0051】
第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報が全て一致していない場合、ユーザ位置情報の誤差により、第1ラスタ領域に隣接するラスタ領域内に対象物体を区分した可能性がある。従って、第1ラスタ領域に隣接する各第2ラスタ領域を取得し、前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報を取得して、更に生物学的特徴照合を行う。
【0052】
ステップS218において、対象物体の生体生物学的特徴情報と、第2ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、身元認証を完了する。
【0053】
本願の実施例は、対象物体の生体生物学的特徴情報及び各第2ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報に基づいて、身元識別を行うステップを更に提供し、具体的には、以下のステップを参照する。
(1)対象物体の生体生物学的特徴情報と各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、対象物体と各第2ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行う。
(2)生物学的特徴照合が成功したか否かを判断する。照合に失敗した場合、身元識別を終了し、身元識別失敗をサービス端末に返す。
(3)生物学的特徴照合が成功すると、照合に成功したユーザが唯一であるか否かを判断する。なお、対象物体の生物学的特徴情報に近いユーザが複数マッチされる可能性があるため、更に複数のユーザをマッチしたか否かを判断する。
(4)照合に成功したユーザが唯一である場合、照合に成功したユーザを対象物体に決定し、身元識別を完了する。対象物体の生物学的特徴情報に近いユーザが一人しかマッチされた場合、該ユーザを対象物体として確認し、身元識別を完了する。
(5)照合に成功したユーザが唯一でない場合、照合に成功したユーザの関連端末に身元確認要求を送信する。照合結果として複数のユーザが対象物体の生物学的特徴情報に近い場合、さらなる身元識別が必要となる。具体的には、照合に成功した各ユーザの関連端末に身元確認要求を送信し、各ユーザが該身元確認要求に基づいて身元識別情報を返信する。
(6)照合に成功した各ユーザの関連端末から、身元確認要求に対して送信された少なくとも1つの身元情報を受信すると、各ユーザの関連端末から送信された身元情報を判断して、判断結果を得る。ここで、判断結果は、情報エラーと情報正解である。幼い子供、お年寄り、又は身体的理由により携帯電話機を携帯するのに適していない人々に対して、別の人の携帯電話機によって測位し、次いで、本人に顔をスイープさせて照合する。これに基づいて、関連端末は、少なくとも1つの第1身元情報を送信する。
(7)判断結果に基づいて身元識別を完了する。判断結果が情報エラーである場合、該関連端末から返された身元確認情報が対象物体の身元情報と一致しないことを意味する。判断の結果、情報が正しい場合には、該関連端末のユーザを対象物体として確認することができる。これにより、身元識別が完了する。
この時点でまだ対象物体に対応するユーザにマッチしない場合、身元識別が完了できず、身元識別失敗をサービス端末に返す。
【0054】
本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法は、ユーザの現在位置をリアルタイムで追跡して各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定し、身元識別プロセスにおいて、まず、サービス端末が位置する第1ラスタ領域に基づいて生物学的特徴照合を行い、照合が成功しなかった場合、隣接領域内で生物学的特徴照合を行い、身元識別を完了する。また、照合の際には、まず、サービス端末から送信された生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものであるか否かを判断し、更に他人が写真や動画などで身元をなりすますことを防止する。本願の実施例は、ユーザの生体生物学的特徴情報によってユーザの身元識別をし、ユーザがパスワード、QRコード又は身元証明書などの情報を提供する必要がなく、身元識別のプロセスを効率的に簡略化し、ユーザの身元識別の際の体験感を向上させることができる。また、ユーザが上記情報を提供する必要がないため、パスワードやQRコードの盗用や身元証明書の紛失等のリスクを低減し、身元識別の安全性をより高めることができる。
【0055】
更に、身元識別ログを生成し、身元識別ログを対象物体の関連端末に送信して、身元識別完了を対象物体に促す。身元識別完了を対象物体に知らせるために、身元識別ログを生成して対象物体の関連端末に送信する。同時に、身元識別ログを対象物体の関連端末に送信することによって、対象物体による身元識別結果の後続の照会も容易にする。
【0056】
上記の実施例の理解を容易にするために、本願の実施例は、別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法を更に提供する。身元識別に基づくモバイル決済を例とし、
図3に示す動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートを参照すると、この方法は、以下のステップを含む。
【0057】
身元識別が完了すると、身元識別結果及びサービス要求を決済システムに送信する。決済システムは、身元識別結果に対応する決済アカウントを検索し、決済アカウント及びサービス要求に基づいて決済動作を完了し、前記決済動作結果を返す。そして、前記決済システムから返された決済動作結果を受信し、決済動作に基づいて、インボイスサービス要求を生成してインボイスシステムに送信する。インボイスシステムは、決済インボイスを生成し、決済インボイスを電子メールの方式で対象物体の指定の電子メールボックスに送信し、又は、サービス端末に送信してその場でインボイスを印刷する。
【0058】
具体的には、ユーザの関連端末は、ユーザの位置情報をリアルタイムにシステムに送信する。システムは、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが位置するラスタ領域を更新する。ユーザが消費活動を行う場合、マーチャントのサービス端末は、まず、ユーザの生体検出を行い、ユーザの生体顔画像を収集し、ユーザの請求書情報、マーチャント機器ID、マーチャント位置情報、及び生体顔からサービス要求パケットを生成してシステムに送信する。システムは、サービス要求パケットを受信すると、サービス要求パケット中のマーチャント機器IDから対応する有効ユーザを取得し、サービス要求パケット中の生体顔とシステム中の顔とを照合し、照合が成功しない場合、マーチャントのサービス端末に「ユーザアカウントが見つからない」と返信し、決済を終了する。照合が成功した場合、照合結果が唯一であるか否かを判断し、唯一であれば、照合が成功した有効ユーザを今回の決済ユーザとして決定する。また、唯一でなければ、全ての照合に成功したユーザに情報を送信する。各ユーザは、決済請求書の確認を行うかを判断し、今回の決済ユーザを決定し、そして、今回の決済ユーザに応じて決済動作を実行してログを記録し、マーチャントのサービス端末に「決済成功」を送信し、ユーザの関連端末に「決済請求書」を送信する。ユーザがインボイスを必要とする場合、決済が完了した後にインボイスサービス要求を生成してインボイスシステムに送信する。インボイスシステムは、決済インボイスを生成して、決済インボイスを電子メールの方式でユーザの指定の電子メールボックスに送信し、又は、サービス端末に送信してその場でインボイスを印刷する。
【0059】
更に、対応する決済ログを生成して対象物体の関連端末に送信して、決済完了を対象物体に促す。対象物体支払完了を知らせるために、決済ログを生成して対象物体の関連端末に送信する。同時に、対象物体の関連端末に決済ログを送信することによって、対象物体による決済結果の後続の照会を容易にする。
【0060】
本願の実施例は、顔識別技術によってユーザの身元識別をし、更に決済動作を完了する。このプロセスは、ユーザが決済パスワードを入力すること又はQRコードをマーチャントに提供することを必要とせずに顔情報の収集に協力することのみを必要とし、ユーザ決済のプロセスを更に簡略化する。また、ユーザアカウントがユーザの携帯番号に関連付けられないため、携帯電話番号によってユーザアカウントが盗用されるリスクが低減され、ユーザアカウントの安全性が向上する。
【0061】
好ましくは、生物学的特徴情報が顔生物学的特徴である場合、顔生物学的特徴情報は、対象物体の生体顔生物学的特徴情報又は対象物体の顔表情情報に関連した生体顔生物学的特徴情報を含み、即ち、顔生物学的特徴情報には、対象物体の顔表情情報を含む。ユーザの生体検出において、生体顔識別技術と顔姿勢識別技術とを組み合わせた方式が用いられる。具体的な実施に際して、ユーザが協力して相応の表情を作り出す必要がある。ここで、生体顔識別技術には、生体顔識別技術と顔識別技術とが含まれる。対象物体の顔表情情報を含む生体顔生物学的特徴情報によって身元識別を行う場合、まず、生体顔識別技術により対象物体が真の生体であるか否かを判断し、顔識別技術により、対象物体に対応するユーザを照合し、更に、顔姿勢識別技術により、顔表情情報を照合し、その照合結果に基づいて身元識別を完了する。
【0062】
更に、生体顔識別技術と顔姿勢識別技術とを組み合わせることにより、携帯電話の画像、動画、写真、マスク、3D(3 Dimensions、三次元)印刷頭部などの手段を用いて、他人がユーザになりすますことを防ぐことができる。無防備で他人に資金が盗まれるリスクを更に低減することができるとともに、顔が似たような2人以上のユーザを効果的に区別することができる。非本人の意思による身元の成りすましリスクを大きく防止することができる。かつ、双子等の似た顔の人の身元が混同することを効果的に防止することができる。
【0063】
更に、ユーザのアラーム表情を設定することもできる。ユーザが資産を移転するように脅威を与えられたときに、顔情報を収集するときにアラート表情を使用することによって、システムは、アラート表情に基づいてアラート動作を実施し、ユーザの身体の安全及び財産の安全を向上させることができる。
【0064】
図4に示す別の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法のフローチャートを参照すると、この方法は、身元識別に基づく身元認証を例として、以下のステップを含む。
【0065】
身元識別が完了すると、身元識別結果とサービス要求とを身元認証システムに送信する。身元認証システムは、身元識別結果を個人身元情報に変換し、個人身元情報とサービス要求とに基づいて身元認証を完了する。
【0066】
具体的には、ユーザの関連端末は、ユーザの位置情報をリアルタイムにシステムに送信する。システムは、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが位置するラスタ領域を更新する。ユーザが身元認証を必要とする場合、認証を行うように構成されたサービス端末は、まずユーザの生体検出を行い、その後ユーザの生体顔画像を収集し、デバイスID(Identity、身元識別番号)、デバイス種別、位置情報、生体顔情報に基づいてサービス要求パケットを生成し、該サービス要求パケットをシステムに送信する。システムは、サービス要求パケットを受信すると、サービス要求パケット中の位置情報に基づいて、周辺の有効ユーザを探索し、サービス要求パケット中の生体顔とシステム中の顔とを照合し、照合が成功しない場合、「ユーザアカウントが見つからない」をマーチャントのサービス端末に返信し、認証を終了する。照合が成功した場合、照合結果が唯一であるか否かを判断し、唯一であれば、生物学的特徴情報に対応する身元情報を取得する。唯一でなければ、次の身元識別を行い、全ての照合に成功したユーザに身元確認情報を送信する。ユーザの関連端末から返信された身元情報を受信した後、上記各ユーザの身元情報と照合する。照合に成功しなければ、サービス端末に「身元情報が一致しない」と送信して、身元認証を終了する。照合が成功すると、ユーザの関連端末から送信された身元情報をサービス端末に送信する。サービス端末は、該身元情報に基づいて身元認証を完了する。
【0067】
本発明の実施例は、顔識別技術を用いてユーザの身元を認証し、ユーザが実体的な身元証明書等を提供する必要がなく、身元認証プロセスを更に簡略化する。同時に、身元証明書を携帯する必要がないので、ユーザの出行を容易にしつつ、身元証明書の紛失のリスクを低減することができる。
【0068】
更に、
図5に示すシステムの構造図を参照すると、該システムは、総合サーバと、総合サーバにそれぞれ接続された動的ラスタサービスクラウド、顔識別サービスクラウド、決済サーバ、身元認証サーバ及びインボイスサーバを含む。ここで、総合サーバは、決済サーバ、身元認証サーバ、インボイスサーバ、各サービスクラウドと、サービス端末及びユーザ関連端末との間の通信を可能にする。動的ラスタサービスクラウドは、ユーザ及びサービス端末が位置するラスタ領域を決定するように構成される。顔識別クラウドは、ユーザに対応する顔情報を照合するように構成される。決済サーバは、他の決済プラットフォームと接続し、決済を完了するように構成される。身元認証サーバは、関係部署と接続し、身元認証を完成するように構成される。インボイスサーバは、関係部署と接続し、インボイス発行作業を完成するように構成される。
【0069】
以上をまとめると、本願の実施例は、以下の特徴の少なくとも1つを達成することができる。
(1)操作が簡単になる。システム内で唯一の有効ユーザにマッチした場合、ユーザが携帯電話を取り出す必要がなく、生物学的特徴をスキャンするだけで身元識別が可能となり、操作ステップが低減され、より簡単で便利で迅速に行われる。
(2)精度を保証する。本願の実施例は、従来の高精度生体識別技術に依存し、リアルタイムの動的ラスタライズ領域管理によって、検索すべき生物学的特徴の数を大幅に削減し、比較の正確性を大きく保障して、誤判定による経済的なトラブルを防止する。
(3)速度が上がり、コストが低減する。リアルタイムの動的ラスタライズ領域管理により、検索すべき生物学的特徴の数を大幅に低減し、比較速度が大幅に向上し、ミリ秒レベルが達成される。設備の投入を低減し、投入コスト及びメンテナンスの困難性を大きく低減する。
(4)地域を跨いで随時決済が行われる。位置情報及び動的ラスタ管理技術を用いて、ユーザがある領域から別の領域に移動すると、動的ラスタライズ管理によって、ユーザをあるラスタ領域から別のラスタ領域に自動的に移動させる。ユーザは、すぐに別の領域内で決済を行うことができ、手動で設定することなく、モバイル決済をいつでもどこでも実現できる。
(5)遠隔の成りすましを防止する。AGPSの精度は、最大2キロメートル、GPSの精度は、10メートルであるので、AGPSでは、有効範囲を半径3キロメートル以内に、GPSを用いると有効範囲を半径15メートル以内に制御することで、有効範囲外の不審者によるユーザ情報の盗用を有効に防止し、大量のなりすまし情報の不正行為を回避することができる。
(6)警察の速やかな事件解決に協力する。動的ラスタライズ管理技術を用いることにより、資産移転の脅迫を受けたり追いかけられたりすると、ユーザ位置情報により最短時間でユーザを見つけることができ、迅速な事件解決が可能となる。
(7)ラスタ内の携帯電話なしのライフサイクルを実現する。ユーザの携帯電話が位置するラスタ領域及びその隣接のラスタ領域において、ユーザは、携帯電話を携帯することなく、決済及び身元認証を完了することができる。
(8)ユーザの出行を容易にする。動的ラスタライズ管理及び生体生物確認技術の組み合わせによって身元認証を行うことにより、実の身元証明書を携帯することなく身元認証を実現することができ、実の身元証明書なしの交通券購入、空港入場、ホテル入居及び入国通行等が実現され、ユーザの出行が大幅に促進される。
(9)身元のなりすましを防止する。生体生物技術を用いることにより、身元の成りすましを防止することができる。例えば、人の顔を例にとると、生体顔識別技術を用いて、携帯画像、動画、写真、マスク、及び3D(3 Dimensions)印刷頭部などの手段を用いて、他人がユーザに成りすましをすることを防止することができる。
(10)資金盗難防止を図る。使用される生体識別が顔識別である場合、顔姿勢識別技術と組み合わせて、決済操作に関連付けられた顔表情をユーザが意識的に作って収集される以外、そのユーザのモバイル決済動作は、行われないようにする。ユーザの正常状態、睡眠、酔い、迷い、及び死亡状態などで、本人と成りすまし、資金を盗むことを効果的に防止することができる。
(11)双子の身元混同を効果的に防止することができる。顔姿勢識別技術によれば、人々が自分の好みに合わせて自分の決済表情をカスタマイズできるので、顔が似ているにもかかわらず決済表情が異なることになり、双子など顔が似る人物の身元混同を更に効果的に防止することができる。
(12)口座資金の安全を保証する。携帯電話の紛失時や他人に携帯電話番号を入手された時などには、生体生物識別技術を併用することにより、顔姿勢識別技術も併用して、本人が自ら操作しない限り決済動作を行うことができず、口座の資金安全性をより保証することができる。
(13)アラーム表情を設定できる。顔姿勢識別技術を用いて、有効な支払表情を設定しながらアラート表情を設定し、決済時にアラート表情が提示された場合には、該支払動作に対応する処理を実行しながら、近所アラート処理を実行することで、悪党の脅迫による資産移転を防止し、人身の安全に害を及ぼすことを防止することができる。
【0070】
前述の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法に関して、本願の実施例は、動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置をさらに提供する。
図6に示す動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置の構造図を参照し、該装置は、各ユーザの現在位置を追跡して、各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するように構成される追跡モジュール602と、サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む識別要求を受信するように構成される受信モジュール604と、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するように構成されるラスタ決定モジュール606と、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得する情報取得モジュール608と、対象物体の生体生物学的特徴情報と第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了する身元確認モジュール610とを含む。
【0071】
本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置において、追跡モジュールは、ユーザの現在位置をリアルタイムで追跡して各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定し、受信モジュールは、サービス端末から送信された識別要求を受信することにより第1位置情報を取得し、ラスタ決定モジュールは、第1位置情報に基づいて、サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定し、情報取得モジュールは、現在のラスタ領域が第1ラスタ領域である全てのユーザの生物学的特徴情報を取得し、身元確認モジュールは、対象物体の生体生物学的特徴情報と上記各ユーザの生物学的特徴情報に基づいて身元識別を完了する。本願の実施例は、ユーザの生体生物学的特徴情報によってユーザの身元識別をし、ユーザがパスワード、QRコード又は身元証明書などの情報を提供する必要がなく、身元識別のプロセスを効率的に簡略化し、ユーザの身元識別の際の体験感を向上させることができる。また、ユーザが上記情報を提供する必要がないため、パスワードやQRコードの盗用や身元証明書の紛失等のリスクを低減して、身元識別の安全性をより高めることができるとともに、生体生物学的特徴情報を用いて、身元識別の安全性をより高めることができる。
【0072】
本願の実施例によって提供される装置は、その実現の原理及び技術的効果が前述の方法の実施例と同一であり、装置の実施例の部分で言及されていない点は、簡潔な説明のために、前述の方法の実施例の対応する内容を参照することができる。
【0073】
本機器は、サーバであり、具体的には、該サーバは、プロセッサと、記憶装置とを含む。記憶装置には、前記プロセッサによって実行されると、上述の実施形態のいずれかに記載の方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0074】
図7は、本願の実施例によって提供されるサーバの構成図である。該サーバ100は、プロセッサ70と、メモリ71と、バス72と、通信インターフェイス73とを含む。前記プロセッサ70と、通信インターフェイス73及びメモリ71は、バス72を介して接続される。プロセッサ70は、メモリ71に格納されたコンピュータプログラム等の実行モジュールを実行するように構成されている。
【0075】
ここで、メモリ71は、高速ランダムアクセスメモリRAM(Random Access Memory)を含んでもよく、また、非不安定メモリ(non-volatile memory)、例えば少なくとも1つのディスクメモリを含んでもよい。該システムネットワーク要素と少なくとも1つの他のネットワーク要素との間の通信接続は、有線又は無線の少なくとも1つの通信インターフェイス73を介して達成され、インターネット、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、及びメトロポリタン領域ネットワークなどが使用される。
【0076】
バス72は、ISAバス、PCIバス、EISAバス等である。前記バスは、アドレスバス、データバス及び制御バスなどに分類される。
図7では、表示の便宜上、双方向の矢印を1つだけ示しているが、バスの数は1つだけ、あるいは1種類だけを示しているわけではない。
【0077】
ここで、メモリ71は、実行命令を受信した後に前記プロセッサ70によって実行されるプログラムを記憶するように構成され、前述の本願の実施例のいずれかによって開示されるフロープロセスで定義される装置によって実行される方法は、プロセッサ70に適用され、又はプロセッサ70によって実現される。
【0078】
プロセッサ70は、信号の処理能力を有する集積回路チップであってもよい。実現の過程で、上記方法の各ステップは、プロセッサ70内のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形態の命令によって実行される。上記プロセッサ70は、中央プロセッサCPU(Central Processing Unit)及びネットワークプロセッサNP(Network Processor)などを含む汎用プロセッサであってもよく、デジタル信号プロセッサDSP(Digital Signal Processing)、決定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、既存のプログラマブルゲートアレイFPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、及びディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。本願の実施例に開示された各方法、ステップ、及び論理ブロック図は、実現されるか、又は実行される。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、該プロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本願の実施例に関連して開示される方法のステップは、ハードウェアデコーディングプロセッサ実行として直接的に、又は、デコーディングプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせで実行されるとして具現化される。ソフトウェアモジュールは、ランダムメモリ、フラッシュメモリ及び/又は読み取り専用メモリ、プログラム可能読み取り専用メモリ、又は電気的に消去可能なプログラム可能メモリ、及びレジスタなどの当技術分野で熟練した記憶媒体内に配置される。この記憶媒体は、メモリ71に位置し、プロセッサ70は、メモリ71の情報を読み取り、そのハードウェアとともに上述した方法のステップを完成する。
【0079】
本願の実施例によって提供される動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法、装置及びサーバのコンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行可能な不揮発性のプログラムコードを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含み、コンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、先の方法の実施例で説明した方法を実行するコンピュータプログラムが格納されている。具体的な実現について、方法の実施例を参照し、ここでその説明を省略する。
【0080】
当業者には明らかなように、説明の便宜及び簡潔にするために、上記で説明したシステムの具体的な動作プロセスは、前述の実施例における対応するプロセスを参照してもよく、ここでその説明が省略される。
【0081】
本願の実施例によって提供される可読記憶媒体のコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記プログラムコードは、先の方法の実施例において説明された方法を実行するように構成された命令を含み、具体的な実現について、方法の実施例を参照して、ここでその説明が省略される。
【0082】
また、前記機能がソフトウェア的な機能単位で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合には、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよい。このような理解に基づいて、本願の技術的手段の本質又は従来技術に寄与する部分、又は該技術手段の部分は、1つのコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなどである)に本願の各実施例に記載の方法のステップの全て又は一部を実行させるための複数の命令を含む1つの記憶媒体に記憶されたソフトウェア製品の形態で具現化される。前記記憶媒体としては、U-ディスク、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリROM(Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリRAM(Random Access Memory)、磁気ディスク、光ディスク等のプログラムコードを記憶できる種々の媒体を含む。
【0083】
最後に、上述の実施例は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の技術手段を説明するためのものであって、本願を限定するものではなく、本願の保護範囲は、これに限定されるものではない。上述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、本願によって開示された技術範囲内で、上述の実施例に記載された技術手段に対して修正や容易に想到できる変更を行い、又はそのうちの一部の技術的特徴に対して等価な置換を行うことができる。これらの修正、変更又は置換によって、対応する技術手段の本質は、本願の実施例の技術手段の趣旨や範囲から逸脱することがなく、本願の保護範囲に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は、請求項の保護範囲を基準とするべきである。
【0084】
(付記)
(付記1)
各ユーザの現在位置を追跡して、前記各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するステップと、
サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む前記識別要求を受信するステップと、
前記第1位置情報に基づいて、前記サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するステップと、
前記現在のラスタ領域が前記第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得するステップと、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップとを含むことを特徴とする動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0085】
(付記2)
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップは、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報が真の生体から直接由来するものかを判断するステップと、
そうである場合、前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、前記対象物体と前記第1ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行うステップと、
前記生物学的特徴照合が成功したか否かを判断するステップと、
そうでない場合、前記第1ラスタ領域に隣接する各第2ラスタ領域を取得し、前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報を取得するステップと、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内のユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップとを含むことを特徴とする付記1に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0086】
(付記3)
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了するステップは、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記各第2ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて、前記対象物体と前記各第2ラスタ領域内の各ユーザに対して生物学的特徴照合を行うステップと、
前記生物学的特徴照合が成功したか否かを判断するステップと、
前記生物学的特徴照合が成功した場合、前記照合に成功したユーザが唯一であるか否かを判断するステップと、
前記照合に成功したユーザが唯一である場合、前記照合に成功したユーザを対象物体に決定して身元識別を完了するステップとを含むことを特徴とする付記2に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0087】
(付記4)
前記照合に成功したユーザが唯一でない場合、前記照合に成功した各ユーザの関連端末に身元確認要求を送信するステップと、
前記照合に成功した各ユーザの関連端末から、前記身元確認要求に対して送信した少なくとも1つの身元情報を受信すると、各ユーザの関連端末から送信された身元情報を判断して判断結果を得るステップと、
前記判断結果に基づいて身元識別を完了するステップとを更に含むことを特徴とする付記3に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0088】
(付記5)
身元識別が完了した後に、身元識別結果及びサービス要求を決済システムに送信し、前記決済システムに、前記身元識別結果に対応する決済アカウントを検索させ、前記決済アカウント及び前記サービス要求に基づいて決済動作を完了させ、前記決済動作結果を返してもらうステップと、
前記決済システムから返された決済動作結果を受信し、前記決済動作に基づいて、インボイスサービス要求を生成してインボイスシステムに送信し、前記インボイスシステムに、決済インボイスを生成させ、前記決済インボイスを電子メールの方式で前記対象物体の指定の電子メールボックスに送信させ、及び/又は前記サービス端末に送信させるステップとを更に含むことを特徴とする付記1に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0089】
(付記6)
身元識別が完了した後に、身元識別結果及び前記サービス要求を身元認証システムに送信し、前記身元認証システムに、前記身元識別結果を個人身元情報に変換させ、前記個人身元情報及び前記サービス要求に基づいて身元認証を完了させるステップを更に含むことを特徴とする付記1に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0090】
(付記7)
身元識別ログを生成し、前記身元識別ログを前記対象物体の関連端末に送信して、身元識別の完了を前記対象物体に促すステップを更に含むことを特徴とする付記4に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0091】
(付記8)
前記生物学的特徴情報が顔生物学的特徴である場合、前記顔生物学的特徴情報は、前記対象物体の生体顔生物学的特徴情報又は前記対象物体の顔表情情報に関連した生体顔生物学的特徴情報を含むことを特徴とする付記1に記載の動的ラスタライズ管理に基づく身元識別方法。
【0092】
(付記9)
各ユーザの現在位置を追跡して、前記各ユーザが位置する現在のラスタ領域を決定するように構成される追跡モジュールと、
サービス端末から送信された識別要求であって、第1位置情報と対象物体の生体生物学的特徴情報を含む前記識別要求を受信するように構成される受信モジュールと、
前記第1位置情報に基づいて、前記サービス端末が位置する第1ラスタ領域を決定するように構成されるラスタ決定モジュールと、
前記現在のラスタ領域が前記第1ラスタ領域である各ユーザの生物学的特徴情報を取得する情報取得モジュールと、
前記対象物体の生体生物学的特徴情報と前記第1ラスタ領域内の各ユーザの生物学的特徴情報とに基づいて身元識別を完了する身元確認モジュールとを含むことを特徴とする動的ラスタライズ管理に基づく身元識別装置。
【0093】
(付記10)
プロセッサとメモリを含み、
前記メモリには、前記プロセッサによって実行されると、付記1~8のいずれかに記載の方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されていることを特徴とするサーバ。
【0094】
(付記11)
付記1~8のいずれかに記載の方法に用いられるコンピュータソフトウェア命令を記憶するように構成されていることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。