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  • 特許-包装用容器の中皿 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】包装用容器の中皿
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20230120BHJP
   B65D 25/10 20060101ALI20230120BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
B65D85/50 150
B65D25/10
B65D81/26 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017224555
(22)【出願日】2017-11-22
(65)【公開番号】P2019094092
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-11-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 申請の原因:特許出願に係る発明の公開 販売した日:平成29年10月13日、及び平成29年10月20日 販売した場所: マルエツ調布店(平成29年10月13日 東京都調布市) マルエツ大久保駅前店(平成29年10月20日 千葉県習志野市) 公開者:リスパック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永吉 彰太
(72)【発明者】
【氏名】河本 圭一
(72)【発明者】
【氏名】河合 玲二
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-030013(JP,U)
【文献】特開2005-067675(JP,A)
【文献】実開平04-097045(JP,U)
【文献】実開昭58-107314(JP,U)
【文献】実開昭56-075175(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0073141(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第02804412(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 25/10
B65D 81/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装用容器の容器本体に収納する中皿であって、
中皿底面よりも上方に傾斜すると共に、食品を盛り付け可能な盛台と、
当該盛台の下端側に、前記食品に付着したドリップを受ける受け部と、を備え、
前記受け部には、前記ドリップを流し落とすことができるように、孔に向けて僅かに傾斜した平坦面が形成されており、
前記盛台は、前記受け部より上方へ盛り上がっており、
前記中皿の外周の全部又は一部に、前記食品を含む前記中皿を前記容器本体の底面から浮かした状態で支持できるように、前記中皿底面よりも下方へ延びる壁部を備えることを特徴とする包装用容器の中皿。
【請求項2】
包装用容器の容器本体に収納する中皿であって、
中皿底面よりも上方に傾斜すると共に、食品を盛り付け可能な盛台と、
当該盛台の下端側に、前記食品に付着したドリップを受ける受け部と、を備え、
前記受け部には、前記ドリップを流し落とすことができるように、孔が形成されており、
前記中皿の外周の全部又は一部に、前記食品を含む前記中皿を前記容器本体の底面から浮かした状態で支持できるように、前記中皿底面よりも下方へ延びる壁部を備え、
前記受け部の一部から下方へ膨出した脚部は、前記壁部の外壁の下端と同一平面となっていることを特徴とする包装用容器の中皿。
【請求項3】
前記壁部は、前記容器本体の底面に載置されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器の中皿。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、刺身等の食品を盛りつける包装用容器の中皿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、刺身等の食品を立体的に見栄え良く盛りつけるために、工夫を凝らした種々の容器が開発されてきた。例えば、特許文献1の食品盛り付け用トレー容器は、底部上面に、食品載置面を有する盛り付け用膨出部と、当該盛り付け用膨出部の前側に略平坦な麓面部が形成されており、さらに、前記盛り付け用膨出部は、食品載置面として、麓面部から後側に向けて上昇していく傾斜面を備えている。そして、当該傾斜面に食品を盛り付けることで、立体的に見栄え良く盛りつけることが出来る。また、食品に付着したドリップは、傾斜面に沿って麓面部に溜まるようになっている。ただ、麓面部にはみ出た食品の一部は、溜まったドリップに浸かるため、食品の品質劣化等の問題があった。また、食品盛り付け用トレー容器が傾いたりした場合は、麓面部に溜まったドリップが、傾斜面に沿って移動して、食品に再び付着するおそれもあった。
【0003】
一方、特許文献2の容器は、容器本体部と中敷体とを有し、前記中敷体には凹部が形成されると共に、前記凹部の低い位置に孔が形成されている。そして、中敷体の凹部に食品を収容した際に、食品に付着したドリップは、凹部の低い位置へと集められ、孔から排出されるのである。そのため、ドリップが溜まることがなく、食品の品質劣化等の問題を抑えることができる。しかしながら、この容器では、食品を収容するための凹部が形成されているだけで、食品を立体的に見栄え良く盛りつける工夫がなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-224040
【文献】特開2006-151400
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、刺身等の食品を立体的に見栄え良く盛りつけることが出来ると共に、食品に付着したドリップを流し落とすことができる包装用容器の中皿を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器の中皿は、包装用容器の容器本体に収納する中皿であって、中皿底面よりも上方に傾斜すると共に、食品を盛り付け可能な盛台と、当該盛台の下端側に、前記食品に付着したドリップを受ける受け部と、を備え、前記受け部には、前記ドリップを流し落とすことができるように、孔に向けて僅かに傾斜した平坦面が形成されており、前記盛台は、前記受け部より上方へ盛り上がっていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、刺身等の食品を盛台上に立体的に見栄え良く盛りつけることが出来ると共に、食品に付着したドリップは、傾斜した盛台の表面をつたって受け部に集められ、受け部の孔から流れ落ちるのである。
【0008】
さらに、本願発明の請求項1に係る包装用容器の中皿は、前記中皿の外周の全部又は一部に、前記食品を含む前記中皿を前記容器本体の底面から浮かした状態で支持できるように、前記中皿底面よりも下方へ延びる壁部を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、壁部によって中皿の剛性が高められているので、食品を含む中皿の自重によって、中皿底面が下方へ沈み込むことを効果的に防止できる。また、壁部は、中皿を容器本体の底面から浮かした状態で支持しているため、中皿底面と底面が密着して、孔が塞がれてしまうことを防止でき、受け部に集まったドリップを孔から容器本体へ確実に流し落とすことができる。また、底面上に溜まったドリップが、孔を介して受け部に逆流することも防止できる。
【0010】
さらに、本願発明の請求項に係る包装用容器の中皿は、前記壁部は、前記容器本体の底面に載置されるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、中皿の壁部は、容器本体の底面に載置されているので、中皿の位置姿勢がより安定する。また、中皿と容器本体の底面との間に余分な隙間が生じないため、包装用容器の高さ方向において、中皿の上に食品を盛り付ける空間をより多く確保でき、より一層、食品を立体的に見栄え良く盛りつけられる。
【0012】
さらに、本願発明に係る包装用容器の中皿は、前記中皿底面よりも上方に立設した仕切壁によって、仕切られた空間を備えることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、空間につまや醤油等の任意の収容物を入れることができる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の包装用容器の中皿は、刺身等の食品を立体的に見栄え良く盛りつけることが出来ると共に、食品に付着したドリップを流し落とすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は中皿の平面図、(b)は中皿の正面図、(c)はA-A端面図である。
図2】(a)は、図1(a)に示すB-B端面図、(b)は、図1(c)に示す中皿の受け部周辺を拡大した端面図である。
図3】(a)は、容器本体の平面図、(b)はC-C端面図、(c)はD-D端面図である。
図4】(a)は、図1(c)に示す中皿を、図3(b)に示す容器本体に収容した状態の包装用容器の端面図、(b)は、図2(a)に示す中皿を、図3(c)に示す容器本体に収容した状態の包装用容器の端面図である。
【符号の説明】
【0016】
100 中皿
101 中皿底面
110 盛台
130 受け部
131 孔
200 容器本体
300 包装用容器
W ドリップ
X 食品
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、中皿の盛台を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0018】
まず、図1には、本願発明の包装用容器300の容器本体200に収納する中皿100を示す。なお、図1(a)は、中皿100の平面図、図1(b)は、中皿100の正面図、図1(c)はA-A端面図である。
【0019】
図1に示すように、中皿100は上方に開口した浅皿型形状であり、複数の盛台110と、つまや醤油等を収容できる複数の空間120を備える。この盛台110は、中皿底面101よりも上方に向けて傾斜した傾斜面111を有しており、この傾斜面111に刺身等の食品を載置することができる。また、各盛台110は、中皿100の手前側に向けて傾斜面111が揃うように、同じ向きに上下左右に整列されている。そのため、各盛台110に載置された食品は、すべて同じ方向に向けて美しく整列されることになる。また、傾斜面111の表面には、傾斜方向と略直交する方向へ延びる複数の凸状のリブ113が形成されており、このリブ113が滑り止めとなって、傾斜面111の上の食品が安定して載置できるようになっている。さらに、隣接する盛台110の間には、凸状又は凹状の補強リブ112が形成されており、盛台110が食品の自重によって下方へ撓むことを防止している。
【0020】
さらに、盛台110の下端側には、食品に付着したドリップを受ける平面視略直方形の受け部130が形成されている。そして、この受け部130の略中央には、受け部130の上下方向に貫通する孔131が形成されている。また、受け部130の表面132は、孔131に向けて僅かに傾斜している。
【0021】
さらに、中皿100は、中皿100の外周の全周に連続するように形成された壁部140を備える。この壁部140の内壁141は、中皿100の中皿底面101を囲むように立設しており、一方の壁部140の外壁142は、中皿底面101よりも下方へ延びるように形成されている。なお、盛台110の傾斜面111の頂部114と隣接する壁部140(図2(a)参照)には、内壁141は存在せず、外壁142が、傾斜面111の頂部114から下方へ連続するように形成されている。
【0022】
また、中皿100の空間120は、中皿底面101よりも上方に立設した仕切壁150によって、仕切られている。具体的には、この仕切壁150は、中皿100の相対する壁部140の間を横断する第一仕切壁151と、当該第一仕切壁151に交わる第二仕切壁152から構成されており、この第一仕切壁151及び第二仕切壁152によって、中皿底面101上に仕切られた空間120が形成されている。
【0023】
なお、壁部140は、中皿100の外周の全周に連続するように形成されているが、これに限定されず、壁部140は、中皿100の外周の一部のみに形成されてもよい。例えば、盛台110に載せる食品の重量が重たく、盛台110周辺が下方へ撓む虞がある場合は、盛台110周辺を補強するために、盛台110の周辺における中皿100の外周の一部に壁部140を形成してもよい。
【0024】
では、次に図2を参照して、盛台110に刺身等の食品を載置した状態について説明する。なお、図2(a)は、図1(a)に示すB-B端面図、図2(b)は、図1(c)の中皿の受け部130周辺を拡大した端面図である。
【0025】
図2(a)に示すように、刺身等の食品Xは、盛台110の傾斜面111の上に寝かすよう載置されている。そして、この傾斜面111は、弧を描くように外側に向けて膨らむように傾斜しているので、載置された食品Xは、ボリューム感溢れるように、見栄え良く盛り付けられることになる。そして、食品Xに付着したドリップWは、傾斜面111に沿って下方へ流れてゆき、傾斜面111に連続している受け部130へと辿り着く。すると、図2(b)に示すように、ドリップWは、孔131に向けて傾斜した表面132に沿って流れてゆき、孔131を介して下方へ流し落とされるのである。なお、後述するように、中皿100は容器本体200に収納されるので、流れ落とされたドリップWは容器本体200に溜まるようになっている。
【0026】
また、図1(a)に示すように、中皿100を平面視した状態で、受け部130の表面132の傾斜する向き(図1及び図2の傾斜方向Nを参照)は、盛台110の傾斜面111の傾斜する向き(図1及び図2の傾斜方向Mを参照)と交差するようになっているので、食品Xの一部が受け部130にはみ出した場合に、食品XがドリップWによって劣化することを効果的に防止できる。
【0027】
その理由について説明すると、まず、傾斜面111に載置された食品Xの一部(例えば、食品Xの先端)が、受け部130にもはみ出るように載置されている場合は、当該食品Xの一部が、受け部130の表面132上に一時的に集められたドリップWに付着する可能性がある。そこで、食品Xと表面132との接触面積をできるだけ減少させて、食品XにドリップWが付着する可能性を減らすため、受け部130の表面132の傾斜する向き(図1及び図2の傾斜方向Nを参照)を、盛台110の傾斜面111の傾斜する向き(図1及び図2の傾斜方向Mを参照)と異なるように交差させ、傾斜面111と表面132との連続部分の表面形状が複雑になるようにした。すると、食品Xは傾斜面111に沿って密着するように載置されるものの、食品Xの先端側は、表面132全体に密着することなく、部分的に浮いた状態で、表面132に載置されることになる。その結果、食品Xが受け部130の表面132上でドリップWに触れる可能性を低くでき、食品XがドリップWによって劣化することを効果的に防止できるのである。
【0028】
また、受け部130の表面132の傾斜する向きは、盛台110の傾斜面111の傾斜する向きと交差することから、受け部130と盛台110の周辺部分の剛性が高くなり、盛台110に載せる食品Xの重量によって、盛台110及び受け部130が下方へ撓むことを効果的に防止できる。
【0029】
また、図2(a)に示すように、各盛台110は同じ高さで配置されるように、同一平面上に整列している。これにより、各盛台110に載置された食品Xの自重が、隣接する他の盛台110側に集中することなく、中皿100全体に均等に分散され、盛台110が下方へ沈むことを効果的に防止できる。なお、各盛台110は、同一平面上に配置されることに限定されず、例えば、手前側の盛台110よりも、後側の盛台110を高く配置するなど、適宜変更することもできる。
【0030】
また、図2(b)に示すように、受け部130の表面132は、孔131に向けて僅かに傾斜した平坦面であるが、これに限定されることはなく、表面132は水平方向に延びる平坦面としてもよい。
【0031】
では次に、図3を参照して、中皿100を収納する容器本体200について説明する。なお、図3(a)は、容器本体200の平面図、図3(b)はC-C端面図、図3(c)はD-D端面図である。
【0032】
図3に示すように、容器本体200は、上方に開口した浅皿型形状であり、平面視略長方形の平坦な底面210と、当該底面210の縁部から斜め上方に立ち上がるように形成された側壁220と、当該側壁220の上端から横方向へ延びるフランジ部230を備える。この底面210は、底面210の上に中皿100を載置できるように、中皿100と同じか、又は中皿100より大きく形成されている。そして、側壁220、及びフランジ部230は、容器本体200の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0033】
では次に、図4を参照して、中皿100を容器本体200に収容した状態の包装用容器300について説明する。なお、図4(a)は、図1(c)に示す中皿100を、図3(b)に示す容器本体200に収容した状態の包装用容器300の端面図、図4(b)は、図2(a)に示す中皿100を、図3(c)に示す容器本体200に収容した状態の包装用容器300の端面図である。
【0034】
図4に示すように、中皿100は、包装用容器300の容器本体200に収納されており、壁部140の外壁142の下端部が容器本体200の底面210に当接している。そして、外壁142は、中皿底面101より下方へ延びているので、中皿底面101は、底面210から浮いた状態で支持されている。また、受け部130の一部から下方へ膨出した脚部133は、壁部140の外壁142の下端と同一平面となっている。そのため、脚部133が容器本体200の底面210に当接し、受け部130を支持するので、盛台110や受け部130上に載置された食品Xの重みによって、受け部130が下方へ沈むことを効果的に防止している。
【0035】
そして、食品Xに付着したドリップWは、盛台110に沿って下方へ流れてゆき、受け部130の孔131を介して、容器本体200の底面210上へ流し落とされる。さらに、中皿100は容器本体200から浮いた状態で収納されているので、容器本体200の底面210に溜まったドリップWが、孔131を介して、受け部130上に逆流しないようになっている。
【0036】
なお、図4では、中皿100の外壁142が容器本体200の底面210上に載置されているが、これに限定されない。例えば、容器本体200の底面210が中皿100より小さい場合は、中皿100の外壁142の下端が、容器本体200の側壁220又はフランジ部230上に載置される。つまり、本願の中皿100は、様々な大きさの容器本体200に収納可能であり、例えば、容器本体200の底面210が中皿100と同じか、又は中皿100より大きい場合は、中皿100の壁部140が底面210に載置され、容器
本体200の底面210が中皿100より小さい場合は、中皿100が側壁220又はフランジ部230上に載置されるのである。
【0037】
なお、包装用容器300は、中皿100と容器本体200から構成されているが、これに限定されず、図4に示す包装用容器300の上方から、不図示の蓋体を被せるようにしてもよい。この蓋体は、中皿100を中間に挟むようにして、容器本体200の一部と嵌合して閉じられる。また、本実施形態に係る中皿100は、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)可能な、厚さが0.2~1.0mm程度のシート状の素材を用いるものであり、例えば、中皿100の素材としては、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を用いることができる。また、中皿100は、平面視長方形であるが、この他にも、平面視多角形、平面視円形等、適宜変更することができる。
【0038】
このように、本願発明の中皿100によれば、図2に示すように、中皿底面101よりも上方に傾斜すると共に、刺身等の食品Xを載置可能な盛台110と、ドリップWを受ける受け部130とを備え、当該受け部130にはドリップWを流し落とすことのできる孔131が形成されているので、刺身等の食品Xを盛台110上に立体的に見栄え良く盛りつけることが出来ると共に、食品Xに付着したドリップWは、傾斜した盛台110の表面をつたって受け部130に集められ、受け部130の孔131から流れ落ちるのである。
【0039】
さらに、本願発明の中皿100によれば、中皿100の外周の全部又は一部に壁部140を備えており、当該壁部140によって中皿100の剛性が高められているので、食品Xを含む中皿100の自重によって、中皿底面101が下方へ沈み込むことを効果的に防止できる。また、壁部140は、容器本体200の一部に、例えば、容器本体200の底面210又は側壁220に当接して、中皿100を容器本体200の底面210から浮かした状態で支持している。そのため、中皿底面101と底面210とが密着して、孔131が塞がれてしまうことを防止でき、受け部130に集まったドリップWを孔131から容器本体200へ確実に流し落とすことができる。また、底面210上に溜まったドリップWが、孔131を介して、受け部130に逆流することも防止できる。
【0040】
さらに、本願発明の中皿100によれば、壁部140が容器本体200の底面210に載置されるように構成してもよく、その場合は、壁部140が側壁220に載置される場合に比べて、中皿100の位置姿勢がより安定する。例えば、容器本体200の側壁220は、底面210から立ち上がるように形成された部分なので、刺身等の食品Xを盛り付けた際の中皿100の自重や、蓋体の着脱時の外力等によって、変形し易い部分でもある。そのため、壁部140を側壁220に載置する場合は、側壁220が変形することによって、中皿100がズレたりして不安定になる可能性がある。しかしながら、側壁220よりも変形し難い底面210に壁部140を直接載置すれば、中皿100がズレることなく、安定して収納されるのである。
【0041】
さらに、容器本体200の底面210は側壁220よりも低い位置に存在する。そのため、中皿100の壁部140を底面210へ直接載置すれば、壁部140を側壁220に載置する場合に比べて、中皿100を底面210により近づけて収納でき、中皿100と底面210との間に余分な隙間が生じない。その結果、包装用容器300の高さ方向において、中皿100の上に食品Xを盛り付ける空間をより多く確保でき、より一層、食品Xを立体的に見栄え良く盛りつけられるのである。
【0042】
さらに、本願発明の中皿100によれば、仕切壁150によって仕切られた空間120を備えているので、当該空間120につまや醤油等の収容物を入れることができる。
【0043】
なお、本願発明の中皿は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4