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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018135388
(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公開番号】P2020010854
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末竹 佑輔
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-154669(JP,A)
【文献】特開2016-047098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を用いて行われる遊技の進行に応じて演出を実行する演出装置を備えた遊技機において、
前記演出装置は、
支持部と、
複数本の電線を有して前記支持部から延出する配線と、
前記配線を収納する溝部を有し、前記支持部に対して移動可能な可動体と、
前記溝部に収納される前記配線を、前記溝部の幅方向の距離より深さ方向の距離が小さくなるように前記溝部の内部に保持させる保持手段と、を備え、
前記配線は、複数本の電線がそれぞれ独立しており、
前記保持手段は、前記溝部に対して前記幅方向に跨って配置され、前記溝部を覆うカバー体を有する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、弾球式の遊技機(パチンコ機)では、遊技者のハンドル操作により遊技盤内の遊技領域に向かって遊技価値としての遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動口に入球したことを条件に特別図柄に係る抽選が実行される。そして、遊技機では、特別図柄表示器において、特別図柄が変動表示され、さらに、抽選によって決定された特別図柄が停止表示されることで遊技者に抽選結果が報知される。このとき、遊技機では、特別図柄表示器に大当たりであることを示す特定の特別図柄が停止表示されると、通常の遊技に比べて遊技者に有利な特別遊技状態が開始される。特別遊技状態が開始された場合、遊技機では、アタッカー装置が所定回数開閉し、大入賞口への遊技球の入球が可能になるため、遊技者が多くの賞球の払い出しを受けることが可能となる。また、一般に、このような遊技機は、遊技の進行に応じて画像の表示や、発光、移動等の演出を実行する演出装置を備えている。
【0003】
従来、演出装置として、LEDを有して基端部を中心に回動する可動体としての電飾体を有する電動役物ユニットを備えたパチンコ機が知られている(特許文献1参照)。このパチンコ機は、電飾体が、LEDが設置されたLED基板と、LED基板を収容する透明な基板ケースと、を有しており、LED基板に形成された導体パターンにより電飾体の内部の各所に配置されたLEDへ電力が伝達されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-227295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、高価な基板を使用せず、移動する可動体の内部で電力を伝達するには、可動体の内部に配線を通すことにより電力を伝達することになる。しかしながら、可動体は画像表示装置の前方における薄いスペースで移動することが求められ、可動体の厚みを薄く抑えることが必要となるが、可動体の移動に伴い配線に対して伸縮方向の力が作用するため、配線が曲がって可動体の厚みよりも突出することがあると、突出した部分の配線が擦れる等して断線を引き起こす要因となり得るという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、可動体に保持された配線の断線防止を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技価値を用いて行われる遊技の進行に応じて演出を実行する演出装置を備えた遊技機において、
前記演出装置は、
支持部と、
複数本の電線を有して前記支持部から延出する配線と、
前記配線を収納する溝部を有し、前記支持部に対して移動可能な可動体と、
前記溝部に収納される前記配線を、前記溝部の幅方向の距離より深さ方向の距離が小さくなるように前記溝部の内部に保持させる保持手段と、を備え、
前記配線は、複数本の電線がそれぞれ独立しており、
前記保持手段は、前記溝部に対して前記幅方向に跨って配置され、前記溝部を覆うカバー体を有する
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、可動体に保持された配線の断線防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る遊技機であるパチンコ機の斜視図である。
図2】本実施形態に係る遊技盤の正面図である。
図3】本実施形態に係るパチンコ機の各部を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るパチンコ機の演出役物装置を示す前方から視た斜視図で、(a)は、初期状態を示す図、(b)は、第2状態を示す図である。
図5】本実施形態に係るパチンコ機のスライド役物ユニットを示す背面図で、(a)は、演出役物装置の初期状態におけるスライド役物ユニットを示す図、(b)は、演出役物装置の第2状態におけるスライド役物ユニットを示す図である。
図6】本実施形態に係るパチンコ機のスライド役物ユニットを示す後方から視た斜視図である。
図7】本実施形態に係るパチンコ機のスライド役物ユニットを示す後方から視た分解斜視図である。
図8】本実施形態に係るパチンコ機のスライド役物ユニットを示す断面図である。
図9】本実施形態に係るパチンコ機の従動アームユニットを示す後方から視た分解斜視図である。
図10】本実施形態に係るパチンコ機の従動アームユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機であるパチンコ機1の斜視図である。図1に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、中枠4にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0012】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機1では、中枠4の囲繞空間に遊技盤30(図2参照)を保持している。また、前枠6には、ガラス製又は樹脂製の透過板10が保持されている。そして、パチンコ機1では、中枠4及び前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤30の表面である遊技盤面31(図2参照)と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤30が視認可能となる。
【0013】
前枠6の下部には、パチンコ機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。操作ハンドル12には、遊技者によって回転操作可能な発射操作レバー12aが設けられており、遊技者が発射操作レバー12aを回転させて発射操作を行うと、発射操作レバー12aの回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技価値としての遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤30に設けられたレール32,33間を上昇して遊技領域40(図2参照)に導かれることになる。
【0014】
図2は、本実施形態に係る遊技盤30の正面図である。図2に示すように、遊技領域40は、遊技盤30と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤30には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域40に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0015】
遊技領域40は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域40L及び第2遊技領域40Rを備えている。第1遊技領域40Lは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域40の左側に位置し、第2遊技領域40Rは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域40の右側に位置している。パチンコ機1では、レール33が遊技領域40の左側の上部で途切れていることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域40Lに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域40Rに進入することになる。
【0016】
また、遊技領域40には、遊技球が入球可能な第1始動口51、第2始動口52、複数の第1一般入賞口58、第2一般入賞口59、が設けられており、詳細には、第1遊技領域40Lに進入した遊技球は、第1始動口51、複数の第1一般入賞口58に入球可能であり、第2遊技領域40Rに進入した遊技球は、第2始動口52、第2一般入賞口59に入球可能とあるように構成されている。第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれに遊技球が入球すると、それぞれに設定された所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機1において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機1では、第1始動口51に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口52に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0017】
本実施形態のパチンコ機1では、第1始動口51内に第1始動領域が設けられ、第2始動口52内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機1では、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための内部抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の抽選の機会を獲得することとなる。
【0018】
また、第2始動口51には、可動片52aが開閉可能に設けられており、可動片52aの状態に応じて、第2始動口52への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片52aが閉状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となり、可動片52aが開き、遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が可能となっている。
【0019】
パチンコ機1では、第2遊技領域40Rに設けられたゲート53内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片52aが所定時間、開状態に制御される。可動片52aが開状態に制御されることで、本実施形態のパチンコ機1では、可動片52aが遊技球を第2始動口52に導く受け皿として機能し、第2始動口52への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機1は、可動片52aが閉状態にあるときに、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口52が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
【0020】
なお、第2遊技領域40Rの上部には、ワープ導入口56及びワープ排出口57が設けられており、第2遊技領域40Rに進入した遊技球のうち、右側を流下する遊技球はワープ導入口56から遊技盤30の背面側を通過してワープ排出口57に導かれ、再度、ゲート53の上部で第2遊技領域40Rに戻される。
【0021】
第2遊技領域40Rの下方側には、遊技球が入球可能な大入賞口65を有する大入賞口装置60が設けられている。大入賞口装置60には、開閉扉61が大入賞口65を開閉可能となるように設けられており、通常、開閉扉61が大入賞口65を閉鎖して、大入賞口65への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機1では、大当り遊技が実行されると、開閉扉61が開放されて、大入賞口65への遊技球の入球が可能となる。なお、大入賞口装置60には、開閉扉61の開閉と連動して上下に回動する回動部材62が設けられており、開閉扉61が開放された際に回動部材62が上方に回動して、上方から流下してくる遊技球を受け止めて大入賞口65に導き易くなる入賞補助を行うように構成されている。
【0022】
そして、大入賞口65に遊技球が入球すると、大入賞口検出センサ67により遊技球の通過が検出され、所定の賞球が遊技者に払い出される。そして、大入賞口65に入球した遊技球は、詳しくは後述する第1形態のパチンコ機1では、下方側に配置された排出孔69を通過して大入賞口装置60の背面側から外部に排出される。なお、上記大入賞口検出センサ67を通過した遊技球は、遊技球検出センサである大入賞口排出検出センサ68により通過が検出され、所定時間以内に大入賞口装置60の排出孔69から遊技盤30の背面に適切に排出されたか否かが検出される。
【0023】
また、第2始動口52及び大入賞口65に入球しなかった遊技球は、大入賞口装置60をそのまま通過して、第2一般入賞口59の上方に導かれ、第2一般入賞口59に入賞するか、或いはそのまま下方に流下する。なお、第2一般入賞口59は、例えば賞球を1個に設定し、第1遊技領域40Lを狙って遊技球を発射すべき状態で入賞を検出した際に、第1遊技領域40Lを狙うべき旨(つまり左打ちの推奨)を報知するように構成しておくことが可能である。
【0024】
そして、遊技領域40の最下部には、第1一般入賞口58、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口65、第2一般入賞口59、のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域40から遊技盤30の背面側に排出する排出口55が設けられている。
【0025】
また、図1及び図2に示すように、パチンコ機1には、遊技状態の変化や、各種抽選結果等の遊技の進行に応じた演出を実行する演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置400、演出役物装置410、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置420、スピーカからなる楽曲出力装置430、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置450が設けられている。
【0026】
演出表示装置400は、遊技盤30の略中央部分において、パチンコ機1の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示部400aを備えている。演出表示装置400は、図2に示すように、画像表示部400aに左側、中央、右側にそれぞれ配置された演出図柄401L、401C,401Rが変動表示され、演出図柄401L、401C,401Rの停止表示態様によって大当り抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
【0027】
演出役物装置410は、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるLED等のランプや、詳細は後述する移動可能なスライド役物ユニット412(図4参照)等を有して構成され、演出表示装置400の画像表示部400aよりも前方に配置されている。演出役物装置410は、通常、画像表示部400aの表示を邪魔しないように縮退しているが、遊技の進行に応じて演出図柄401L、401C,401Rの変動表示中等に、画像表示部400aの前方に進出するようにスライド役物ユニット412が移動したり、ランプが点灯したりして、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0028】
図1及び図2に示すように、演出照明装置420は、例えば光源としてのLEDやLEDから照射される光を拡散するレンズ等を有して構成され、演出役物装置410や遊技盤30等に設けられており、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0029】
図1に示すように、楽曲出力装置430は、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置に設けられた、いわゆるスピーカであって、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、パチンコ機1の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
【0030】
演出操作装置450は、遊技者の押下操作を受け付ける演出押下ボタン451と、遊技者の演出操作装置450全体を回動させる回動操作を受け付ける演出回動レバー452を有しており、パチンコ機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置に設けられている。演出操作装置450は、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、演出表示装置400や演出役物装置410を用いた様々な演出が実行される。
【0031】
また、演出操作装置450の後方には、パチンコ機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿22が設けられ、上皿22の下方に下皿24が設けられている。パチンコ機1では、上皿22が遊技球で一杯になると、上皿22に進入できない遊技球が下皿24に導かれることとなる。また、下皿24の底面には、下皿24から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きボタン24aを押下操作することにより、上記開閉板がスライド移動する等して球抜き孔が開放され、球抜き孔から下皿24の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0032】
そして、図2に示すように、遊技盤30には、遊技領域40の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、及び右打ち報知表示器77(図3参照)を有する情報表示装置70が設けられている。
【0033】
図3は、本実施形態に係るパチンコ機1の各部を示すブロック図である。主制御基板で構成される主制御部100は、遊技の進行を制御し、メインCPU100aと、メインROM100bと、メインRAM100cと、を備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチや払出・発射制御部300からの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部100で生成したコマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0034】
主制御部100には、第1一般入賞口58に遊技球が入球したことを検出する第1一般入賞口検出スイッチ58sと、第2一般入賞口59に遊技球が入球したことを検出する第2一般入賞口検出スイッチ59sと、第1始動口51に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ51sと、第2始動口52に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ52sと、ゲート53を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ53sと、大入賞口65に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ67(図2参照)に設けられた大入賞口検出スイッチ65sと、大入賞口65から遊技球が排出されたことを検出する大入賞口排出検出センサ68(図2参照)に設けられた大入賞口排出検出スイッチ68sとが接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部100に入力されるよう構成されている。
【0035】
また、主制御部100には、第2始動口52の可動片52aを作動する普通電動役物ソレノイド52soと、大入賞口65を開閉する開閉扉61を作動する大入賞口ソレノイド61soと、回動部材62を作動する大入賞口補助ソレノイド62soとが接続されており、主制御部100によって、第2始動口52及び大入賞口65の開閉制御、大入賞口65への入賞補助制御が実行されるよう構成されている。
【0036】
また、主制御部100には、第1特別図柄表示器71と、第2特別図柄表示器72と、第1特別図柄保留表示器73と、第2特別図柄保留表示器74と、普通図柄表示器75と、普通図柄保留表示器76と、右打ち報知表示器77と、が接続されており、主制御部100によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
【0037】
本実施形態のパチンコ機1では、主に第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート53を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部100のメインROM100bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0038】
メインCPU100aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る内部抽選、普通電動役物ソレノイド52soに信号を出力し可動片52aを作動させる制御、大入賞口ソレノイド61soに信号を出力し開閉扉61を作動させる制御、大入賞口補助ソレノイド62soに信号を出力し回動部材を作動させる制御、内部抽選における特別図柄の当選確率を変更する制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。メインCPU100aは、各制御の結果や、各検出スイッチから入力された検出信号をコマンド(主制御コマンド)に変換し、払出・発射制御部300や副制御部200に送信する。なお、特別図柄の当選確率を変更する制御とは、大当り遊技の終了後の遊技状態を、内部抽選における特別図柄の当選確率を、通常の確率とする通常状態と、通常の確率よりも上昇する確変状態と、のいずれかに決定する遊技状態決定制御のことを指している。
【0039】
払出・発射制御部300は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部300も、主制御部100と略同様に、図示を省略したCPU、ROM、RAMを備えており、主制御部100に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部300には、遊技情報出力端子板311が接続されており、主制御部100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部300及び遊技情報出力端子板311を介して、外部カウンタや遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0040】
また、払出・発射制御部300には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ312が接続されている。払出・発射制御部300は、主制御部100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ312を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機1では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ313sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
【0041】
また、払出・発射制御部300には、下皿24の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ314sが接続されている。皿満タン検出スイッチ314sは、遊技球を上皿22から下皿24に導く通路に設けられており、皿満タン検出スイッチ314sにおける遊技球の有無を遊技球検出信号として払出・発射制御部300に出力するように構成されている。即ち、払出・発射制御部300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿24が満タン状態であると判断し、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断する。なお、下皿24が満タン状態であると判断される場合、例えば副制御部200が演出表示装置400や楽曲出力装置430等を用いて遊技者に下皿24が満タン状態であることを報知する。
【0042】
また、払出・発射制御部300には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路301が設けられている。払出・発射制御部300には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12sと、発射操作レバー12aの操作角度を検出する操作ボリューム12vと、が接続されている。そして、タッチセンサ12s及び操作ボリューム12vから信号が入力されると、払出・発射制御回路301において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド12soを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
【0043】
副制御基板で構成される副制御部200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU200aと、サブROM200bと、サブRAM200cと、を備えている。なお、パチンコ機1においては、主制御部100に対して、不正防止の観点により、当該主制御部100から副制御部200への一方向にのみ通信可能に接続されている。
【0044】
サブCPU200aは、主制御部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置400に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置410を駆動させる駆動制御、演出役物装置410や演出照明装置420を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置430から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0045】
また、副制御部200には、演出操作装置450の演出押下ボタン451への遊技者の押下操作を検出する押下操作検出スイッチ451sと演出回動レバー452への遊技者の回動操作を検出する回動操作検出スイッチ452sとが接続されている。押下操作検出スイッチ451sは、遊技者による演出押下ボタン451の押下操作を検出すると、演出押下操作検出信号を副制御部200に出力し、また、回動操作検出スイッチ452sは、遊技者による演出回動レバー452の回動操作を検出すると、演出回動操作検出信号を副制御部200に出力する。そして、副制御部200は、これら演出押下操作検出信号や演出回動操作検出信号の副制御部200への入力や遊技の進行に応じて、演出表示装置400、演出役物装置410、演出照明装置420、楽曲出力装置430等に演出を実行させる。
【0046】
なお、パチンコ機1には、例えば100Vの電圧からなる商用電源の電力を入力し、電源として機能する不図示の電源ユニットが備えられており、電源ユニットは、商用電源の100Vの電圧を、例えば24V(或いは12Vでもよい)の電圧に降圧して各部に供給する第1降圧回路と、例えば5Vの電圧に降圧して各部に供給する第2降圧回路とを有している。なお、島設備に供給されている例えば24Vの電圧からなる電力をそのまま入力するものでもよく、その場合は第1降圧回路は不要である。
【0047】
第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力は、主制御部100、副制御部200、普通電動役物ソレノイド52so、大入賞口ソレノイド61so、大入賞口補助ソレノイド62so、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、右打ち報知表示器77、払出モータ312、発射用ソレノイド12so、演出表示装置400、演出役物装置410、演出照明装置420、楽曲出力装置430等に送電され、それらの駆動電力や発光電力として用いられる。
【0048】
また、第2降圧回路からの例えば5Vの電圧の電力は、第1一般入賞口検出スイッチ58s、第2一般入賞口検出スイッチ59s、第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s、ゲート検出スイッチ53s、大入賞口検出スイッチ65s、大入賞口排出検出スイッチ68s、払出球計数スイッチ313s、皿満タン検出スイッチ314s、タッチセンサ12s、操作ボリューム12v、押下操作検出スイッチ451s、回動操作検出スイッチ452s等に送電され、それらのセンサやスイッチの駆動電力として用いられる。
【0049】
また、主制御部100においては、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば5Vの電圧の電力に降圧し、この例えば5Vの電圧の電力は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100c、払出・発射制御回路301の駆動電力として用いられる。
【0050】
そして、副制御部200においても、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば3.3V(或いは1.2Vでもよい)の電圧の電力に降圧し、この例えば3.3Vの電圧の電力は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cの駆動電力として用いられる。
【0051】
2.演出役物装置の構成
次に、演出役物装置410の概略構成について説明する。図4(a)に示すように、演出役物装置410は、遊技盤面31(図2参照)と相対的に固定されているスライド役物ベース411と、スライド役物ベース411に支持されているスライド役物ユニット412と、副制御部200により制御されて、スライド役物ユニット412を移動させる図示しない第1モータと、を有している。スライド役物ユニット412は、図示しないガイドレールに沿ってスライド可能にスライド役物ベース411に連結されており、第1モータの駆動により、スライド役物ベース411に対してスライドするように構成されている。スライド役物ユニット412は、スライド役物ベース411に連結されている第1スライド役物(支持部)510と、第1スライド役物510に支持されて、第1スライド役物510に対して平行移動が可能な第2スライド役物(第2可動体)520と、を有している。
【0052】
すなわち、演出役物装置410は、副制御部200により制御されて、図4(a)に示す初期状態と、第1スライド役物510と第2スライド役物520との相対位置が初期状態と同じで、かつスライド役物ユニット412がスライド役物ベース411に対してスライドした状態である第1状態と、スライド役物ベース411と第1スライド役物510との相対位置が初期状態と同じで、かつ第2スライド役物520が第1スライド役物510に対して平行移動した状態である第2状態と、スライド役物ユニット412がスライド役物ベース411に対してスライドし、かつ第2スライド役物520が第1スライド役物510に対して平行移動した状態である第3状態と、の4つの状態間で遷移する演出を実行可能に構成されている。初期状態は、演出役物装置410が、画像表示部400aの表示を邪魔しないように縮退した状態であり、スライド役物ユニット412が演出表示装置400(図2参照)の下端部に位置している。第1状態、第2状態及び第3状態は、第1スライド役物510や第2スライド役物520が、演出表示装置400の前面に進出した状態である。
【0053】
図4(b)は、演出役物装置410の第2状態を示す。演出役物装置410は、副制御部200により制御されて、第2スライド役物520が第1スライド役物510に対して平行移動し、初期状態から第2状態に遷移する。
【0054】
次に、スライド役物ユニット412の概略構成について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。なお、図5(a)及び図5(b)は、第1スライド役物510及び第2スライド役物520の後方を覆う、後述する第1カバー501及び第2カバー502を取り外した状態におけるスライド役物ユニット412を示す背面図である図5(a)に示すように、スライド役物ユニット412は、揺動する駆動アーム550と、駆動して駆動アーム550を揺動させる第2モータ530と、駆動アーム550の揺動に従動して揺動する従動アーム(可動体、第1可動体)570を有する従動アームユニット560と、を有している。駆動アーム550は、第1スライド役物510及び第2スライド役物520の後方に配置され、第1スライド役物510に対して遊技盤面31(図2参照)に沿う方向に回動可能に連結される基端部551から、第2スライド役物520に対して遊技盤面31に沿う方向に回動可能に連結される先端部552まで、延びるように形成されている。同様に、従動アーム570は、第1スライド役物510及び第2スライド役物520の後方に配置され、第1スライド役物510に対して遊技盤面31に沿う方向に回動可能に連結される基端部571から、第2スライド役物520に対して遊技盤面31に沿う方向に回動可能に連結される先端部572まで、延びるように形成されている。このように、第2スライド役物520が、駆動アーム550及び従動アーム570を介し、第1スライド役物510に対して遊技盤面31に沿う方向への平行移動が可能に連結されており、第1スライド役物510、駆動アーム550、従動アーム570及び第2スライド役物520は、第2モータ530の駆動により作動する平行リンク機構を形成している。
【0055】
図5(b)に示すように、スライド役物ユニット412は、第2モータ530の駆動により、駆動アーム550が駆動アーム550の基端部551を中心に第1スライド役物510に対して遊技盤面31(図2参照)に沿う方向かつ背面視における時計回り方向であるB方向へ傾動し、従動アーム570が従動アーム570の基端部571を中心に第1スライド役物510に対して遊技盤面31に沿う方向かつ背面視における時計回り方向であるC方向へ初期位置(第1位置)から作動位置(第2位置)まで傾動し、第2スライド役物520が駆動アーム550及び従動アーム570の傾動に伴って遊技盤面31に沿う方向であるD方向へ平行移動可能に構成されている。なお、従動アーム570は、演出役物装置410が初期状態及び第1状態のいずれかである場合、初期位置に位置し、演出役物装置410が第2状態及び第3状態のいずれかである場合、作動位置に位置する。
【0056】
次に、スライド役物ユニット412の詳細構成について、図6乃至図8を用いて説明をする。図6に示すように、スライド役物ユニット412は、第1スライド役物510の背面を覆うとともに第2モータ530保持する第1カバー501と、第2スライド役物520の背面を覆う第2カバー502と、を有している。
【0057】
図7に示すように、第1スライド役物510は、第1スライド役物510の後側から後方へ向けて延設されて駆動アーム550を軸支する駆動アーム軸511、及び第1スライド役物510の後側から後方へ向けて延設されて従動アーム570を軸支する従動アーム軸512と、複数のLEDが設置されている第1LED基板513と、第1LED基板513の前面側を覆って、第1LED基板513のLEDから照射される光を拡散させて遊技者に視認させる第1装飾カバー515と、を有している。
【0058】
駆動アーム550は、基端部551に駆動アーム軸511に挿通される基端孔553が形成されているとともに、先端部552に先端孔554が形成されている。
【0059】
従動アームユニット560は、上述した従動アーム570と、従動アーム570に保持されるとともに一端が第1LED基板513に接続されて第1スライド役物510から延出するLEDハーネス(配線)590と、を有している。従動アーム570は、基端部571に従動アーム軸512が挿通される基端孔573が形成されているとともに、先端部572に先端孔574が形成されている。
【0060】
第2スライド役物520は、第2スライド役物520の後側から後方へ向けて延設され、駆動アーム550の先端孔554に挿通されて駆動アーム550を揺動可能に軸支する駆動アーム軸521と、第2スライド役物520の後側から後方へ向けて延設され、従動アーム570の先端孔574に挿通されて従動アーム570を揺動可能に軸支する従動アーム軸522と、前面側に複数のLEDが設置され、LEDハーネス590の他端が接続されている第2LED基板523と、第2LED基板523の前面側を覆って、第2LED基板523のLEDから照射される光を拡散させて遊技者に視認させる第2装飾カバー525と、を有している。
【0061】
また、第2モータ530は、前後方向に延設されて、回転することにより駆動力を外部へ出力する駆動軸531を有し、第2カバー501に形成されているモータ固定孔501aに固定されているとともに、図示しないモータハーネスにより第1LED基板513と電気的に接続されている。駆動軸531には、駆動アーム550の基端部551に形成されているギヤ部555と歯合するギヤ532が固定されており、駆動軸531の回転に伴いギヤ532が回転し、駆動アーム550が揺動する。
【0062】
第1カバー501は、第1スライド役物510、駆動アーム550の基端部551側及び従動アームユニット560の基端部571側を後方から覆うように第1スライド役物510に固定されている。また、第2カバー502は、第2スライド役物520、駆動アーム550の先端部552側及び従動アームユニット560の先端部572側を後方から覆うように第2スライド役物520に固定されている。第1スライド役物510と第1カバー501との間、及び第2スライド役物520と第2カバー502との間には、駆動アーム550及び従動アーム570が揺動する空間である隙間M1(図8参照)が形成されている。
【0063】
図8に示すように、駆動アーム550及び従動アーム570は、第1スライド役物510と第1カバー501との間、及び第2スライド役物520と第2カバー502との間(図7参照)において、前後方向への移動が規制されている。すなわち、駆動アーム550及び従動アーム570は、隙間M1において遊技盤面31(図2参照)に沿う方向へ揺動する際に、前方側が第1スライド役物510及び第2スライド役物520と摺動し、後方側が第1カバー501及び第2カバー502と摺動するように構成されている。また、駆動アーム550及び従動アーム570は、それぞれの移動範囲内のいずれの位置に位置している状態においても、第1スライド役物510、第2スライド役物520、第1カバー501及び第2カバー502と、近接して対向するように構成されている。
【0064】
3.従動アームユニットの詳細構成
次に、従動アームユニット560の詳細な構成について図9及び図10を用いて説明する。図9に示すように、従動アームユニット560は、上述したLEDハーネス590及び従動アーム570に加え、両面に接着剤を有してLEDハーネス590を従動アーム570に保持するシート状の両面テープ(接着部材)561と、透明な合成樹脂製であるハーネスカバー(カバー体)562と、を有している。なお、接着剤とは、固化して接触させたもの同士の接触を強固に維持するものであってもよいし、粘性を有して接触させたもの同士の着け剥がしが可能なものであってもよい。
【0065】
LEDハーネス590は、第1LED基板513(図7参照)に接続される基端部コネクタ592と、第2LED基板523(図7参照)に接続される先端部コネクタ593と、それぞれ独立して並列するように設けられた所謂バラ線と呼ばれる断面同径の複数本の電線594からなり、基端部コネクタ592と先端部コネクタ593とを電気的に接続する配線部591と、を有している。このように構成されて、LEDハーネス590は、第1LED基板513と第2LED基板523とを電気的に接続して、第1LED基板513から第2LED基板523へ、第2LED基板523に設置されているLEDが発光するための電力を伝達している。なお、配線部591は、従動アーム570の基端部571から先端部572までの長さより、長いように形成されており、従動アーム570の基端部571及び先端部572から、配線部591の長手方向へ配線部591の両端部が延出するように構成されている。
【0066】
従動アーム570は、遊技盤面31(図2参照)に沿う方向に、第1カバー501及び第2カバー502(それぞれ図7参照)と対向する後面(側面)576が形成されており、LEDハーネス590を保持する部分の断面形状がコ字状となるように、基端部571から先端部572に亘って後面576にLEDハーネス590を収納する溝部M2が形成されている。溝部M2は、遊技盤面31に沿う方向に基端部571から先端部572まで延設された底板577と、底板577から後方へ向けて立設されて、互いに対向する一対の起立板578と、により区画されて形成されている。また、後面576は、従動アーム570が初期位置から動作位置までのいずれの位置に位置している状態においても、第1カバー501及び第2カバー502と、近接して対向するように構成されている。
【0067】
また、従動アーム570は、底板577と対向する向きとなるように底板577より後面576側に配置されている保持板581と、底板577に沿って一方の起立板578から他方の起立板578に向けて延設された規制リブ582と、底板577に形成されて両面テープ561が貼り付けられる目印となるガイドリブ583と、を有している。従動アーム570は、保持板581と底板577との前後方向の離間距離が、配線部591の電線594の直径以上、かつ電線594の直径の2倍以下となるように形成されている。保持板581は、底板577との間で配線部591を挟み、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持している。従動アーム570は、規制リブ582により、溝部M2の後面576に沿う幅方向Xの距離X1(図10参照)が、部分的に小さくなるように形成されている。規制リブ582は、溝部M2の幅方向Xの距離X1を部分的に小さくして、配線部591の幅方向Xの位置を規制している。
【0068】
底板577の溝部M2の内部には、ガイドリブ583に対応する位置に、両面テープ561の一方の面が接着されている。LEDハーネス590は、配線部591が両面テープ561の他方の面に接着されており、両面テープ561が、LEDハーネス590の配線部591を溝部M2の内部に平らになるように保持している。このように、両面テープ561は、配線部591が平らになるように溝部M2の内部に保持して収納しているので、通常はまとめると互いに厚み方向に重なって平らになりにくいバラ線からなる複数本の電線594が互いに厚み方向に重なることを防ぎ、従動アームユニット560の厚み方向の距離が大きくなることを防止している。なお、上述したように、LEDハーネス590が溝部M2に収納されている、とは、LEDハーネス590の少なくとも一部、具体的には配線部591の両端部を除く長手方向の一部及び電線594の径方向の一部が、溝部M2の内部に位置していることを含む。
【0069】
ハーネスカバー562は、溝部M2に対して後面576に沿う幅方向Xに跨って配置され、溝部M2と、溝部M2の内部に保持されている配線部591とを、配線部591の両端部を除く部分において覆っており、従動アーム570とハーネスカバー562とにより配線部591の周囲が筒状に覆われている。ハーネスカバー562は、幅方向Xの寸法が、溝部M2の幅方向Xの距離X1より僅かに小さくなるように形成されており、溝部M2の内部に配置された状態で、従動アーム570に対して着脱可能な着脱位置と、従動アーム570に対して着脱不能な固定位置と、の間で、後面576に沿う方向かつ溝部M2が延びる方向に沿って従動アーム570に対してスライド可能に構成されている。ハーネスカバー562は、固定位置に位置している状態で、底板577と対向するように後面576側に形成されている固定部585と、底板577と、の間で挟まれることにより、従動アーム570に対する前後方向の移動が規制されている。このように、ハーネスカバー562が配線部591を溝部M2の内部に保持しており、ハーネスカバー562と従動アーム570とにより配線部591を筒状に覆って保護しているので、配線部591が溝部M2から突出することを防止して、配線部591が第1カバー501及び第2カバー502と擦れることを防いでいる。
【0070】
なお、従動アーム570が、溝部M2ではなく、両端に開口が形成された筒状であった場合、従動アーム570を薄く形成するとLEDハーネス590の基端部コネクタ592や先端部コネクタ593を通すことができず、また、配線部591を開口に挿通した後で基端部コネクタ592又は先端部コネクタ593を取り付けると作業性が低下してしまう。また、上述したように、両面テープ561が配線部591を溝部M2の内部に保持しているので、配線部591のハーネスカバー562に対する長手方向への移動が規制され、配線部591がハーネスカバー562の内部で曲がったり擦れたりすることを防いでいる。なお、配線部591の両端部は、従動アーム570の基端部571及び先端部572から配線部591の長手方向へ延出しているため、両面テープ561やハーネスカバー562によって保持されておらず、従動アーム570が第1スライド役物510(図7参照)に対して揺動する際に、遊技盤面31に沿う方向へ屈曲するように構成されている。仮に、配線部591がバラ線ではなく、並列する複数本の電線同士が離れないように互いに固着して帯状に形成されている所謂フラットケーブルにより構成されている場合、配線部591の両端部が遊技盤面31に沿う方向、すなわち電線が並列する方向へは屈曲しにくいため、従動アーム570の動きが妨げられてしまう。本実施形態におけるパチンコ機1は、配線部591の両端部における複数本の電線594がそれぞれ独立して移動や屈曲をすることができるので、従動アーム570の動きが妨げられることを防止している。
【0071】
また、ハーネスカバー562には、前後方向に貫通する貫通孔562aが形成されている。ハーネスカバー562は、固定位置に位置している状態で、貫通孔562aを貫通する規制ねじ(規制手段)563が、従動アーム570に形成されている固定孔586に固定されており、従動アーム570に対してスライド不能に規制されている。このように、ハーネスカバー562は、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持している。なお、スライド不能とは、ハーネスカバー562が従動アーム570に対して全く移動できないものに限定されない。ハーネスカバー562は、規制ねじ563により、固定位置から着脱位置まで移動しないように構成されていればよい。
【0072】
図10は、従動アームユニット560を示す断面図である。図10に示すように、溝部M2は、後面576に沿う幅方向Xの距離である距離X1より、後面576に交差する深さ方向Y、すなわち前後方向の距離である距離Y1が小さい断面形状となるように形成されている。配線部591は、複数本の電線594が互いに重ならないように、両面テープ561に接着されている。また、ハーネスカバー562が従動アーム570に取り付けられて、固定位置に位置している状態では、底板577のLEDハーネス590に対向するテープ貼付面577aと、ハーネスカバー562のLEDハーネス590に対向する保持面562bと、の離間距離Lは、配線部591の電線594の直径以上、かつ電線594の直径の2倍以下となるように構成されている。具体的には、離間距離Lは、溝部M2の深さ方向Yの距離Y1より小さいように、構成されている。このように構成されて、LEDハーネス590は、配線部591の断面形状が、幅方向Xの距離より深さ方向Yの距離が小さくなるように、両面テープ561、底板577及びハーネスカバー562により、溝部M2の内部に保持されている。より具体的には、LEDハーネス590は、配線部591の断面形状の深さ方向Yの距離が、溝部M2の深さ方向Yの距離Y1より小さくなるように、また、底板577に対して平たくなるように、両面テープ561、底板577及びハーネスカバー562により、溝部M2の内部に保持されている。なお、溝部M2の内部に保持されている配線部591の幅方向Xの距離は、溝部M2の幅方向Xの距離X1より小さいので、両面テープ561及びハーネスカバー562は、溝部M2に収納される配線部591を、溝部M2の幅方向の距離X1より配線部591の深さ方向Yの距離が小さくなるように溝部M2の内部に保持させている、といえる。また、上述した、両面テープ561及びハーネスカバー562が、本実施形態における保持手段を構成する。
【0073】
次に、従動アームユニット560の組立手順について図9を用いて説明をする。まず、作業者は、従動アーム570の底板577の内部側に、ガイドリブ583を目印として両面テープ561の一方の面を接着して貼り付ける。その後、作業者は、配線部591の電線594が互いに深さ方向Yに重ならないように、また、LEDハーネス590の長手方向の位置が適当な位置となるように、従動アーム570に貼り付けた両面テープ561の他方の面に配線部591を接着して貼り付ける。その後、作業者は、LEDハーネス590を保持板581と底板577との間に挟み込ませる。
【0074】
そして、作業者は、LEDハーネス590が規制リブ582に乗り上げていないこと、及び電線594同士が深さ方向Yに重なっていないことを目視で確認しながら、溝部M2にハーネスカバー562を被せて、ハーネスカバー562を着脱位置から固定位置へスライドさせる。なお、一般に、パチンコ機1のような遊技機においては、機種ごとに演出役物装置の形状が異なるが、例えば、機種ごとに異なる自動組立機により組み立てを行うことは採算性が低化する虞が高いため、手作業で組み立てを行う場合が多い。仮に、両面テープ561を使用することなく手作業で従動アームユニット560を組み立てようとすると、ハーネスカバー562を取り付ける際に、配線部591が溝部M2から飛び出してしまったり、電線594同士が深さ方向Yに重なってしまったりして、溝部M2に配線部591を平たい状態にしておくことが難しく、作業性が著しく低い。本実施形態におけるパチンコ機1は、ハーネスカバー562を取り付ける際、既にLEDハーネス590の配線部591が、両面テープ561及び保持板581によって溝部M2から突出しないよう、平らになるように保持されているので、ハーネスカバー562を取り付ける際における作業者の作業負荷を軽減し、短時間で正確に組み立てることを可能としている。また、ハーネスカバー562は、透明な合成樹脂製であるため、ハーネスカバー562を従動アーム570に取り付けた状態であっても、溝部M2の内部に保持されている電線594同士が重なることなく正しく収納されているか否かを作業者が目視で確認することを可能として、作業性の向上を図っている。最後に、作業者は、ハーネスカバー562の貫通孔562aを貫通させて従動アーム570の固定孔586に規制ねじ563を取り付けて、ハーネスカバー562の従動アーム570に対するスライドを規制する。
【0075】
4.本実施の形態のまとめ
以上説明した遊技機(1)は、
遊技価値を用いて行われる遊技の進行に応じて演出を実行する演出装置(410)を備えた遊技機(1)において、
前記演出装置(410)は、
支持部(510)と、
複数本の電線(594)を有して前記支持部(510)から延出する配線(590)と、
前記配線(590)を収納する溝部(M2)を有し、前記支持部(510)に対して移動可能な可動体(570)と、
前記溝部に収納される前記配線(590)を、前記溝部の幅方向(X)の距離(X1)より深さ方向(Y)の距離が小さくなるように前記溝部(M2)の内部に保持させる保持手段(561,562)と、を備えた。
【0076】
これにより、両面テープ561及びハーネスカバー562が、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるので、従動アーム570が移動する際にLEDハーネス590が溝部M2から後方へ飛び出すことを防ぎ、LEDハーネス590が擦れる等により断線することの防止を図ることができる。また、両面テープ561及びハーネスカバー562が、LEDハーネス590の断面を、溝部M2の幅方向Xの距離X1よりLEDハーネス590の深さ方向Yの距離が小さくなるように、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるので、従動アーム570の移動に伴いLEDハーネス590が曲がって従動アームユニット560の厚みより深さ方向Yに突出することを防ぎ、LEDハーネス590が断線することの防止を図ることができる。また、両面テープ561及びハーネスカバー562が、LEDハーネス590の断面を幅方向Xの距離より深さ方向Yの距離が小さくなるように、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるので、深さ方向Yにおいて演出役物装置410の厚みを薄く抑えることができる。
【0077】
また、遊技機(1)は、
前記可動体(570)は、第1可動体(570)であり、
前記演出装置(410)は、前記支持部(510)及び前記第1可動体(570)に対して移動可能に、前記第1可動体(570)を介して前記支持部(510)に連結され、かつ前記配線(590)により前記支持部(510)と電気的に接続された第2可動体(520)を備えた。
【0078】
これにより、従動アーム570は、第1スライド役物510と第2スライド役物520とを連結する連結部材として機能し、第2スライド役物520は、第1スライド役物510及び従動アーム570に対して相対的に移動して、遊技者の演出に対する興趣の向上を図ることができる。また、従動アーム570は、第1スライド役物510から延出して第1スライド役物510と第2スライド役物520とを電気的に接続するLEDハーネス590の架け渡し部材として機能し、LEDハーネス590が特定の経路を通るように保持することができる。
【0079】
また、遊技機(1)は、
前記可動体(570)は、第1位置から第2位置まで前記側面(576)に沿う方向(C)へ移動可能であり、
前記可動体(570)が前記第1位置から前記第2位置までのいずれかの位置で、前記側面(576)に対向した状態となる対向部材(501,502)を備えた。
【0080】
これにより、従動アーム570の後面576に対向した状態となる対向部材としての、第1カバー501及び第2カバー502を備えている場合には、第1カバー501及び第2カバー502とLEDハーネス590との接触を防ぎ、LEDハーネス590が第1カバー501及び第2カバー502に擦れる等により断線することの防止を図ることができる。
【0081】
また、遊技機(1)は、
前記配線(590)は、複数本の電線(594)がそれぞれ独立している。
【0082】
これにより、例えば、LEDハーネス590の両端部における従動アーム570に保持されていない部位、すなわち従動アーム570が移動する毎に屈曲する部位においては、両面テープ561やハーネスカバー562にLEDハーネス590を保持させず、それぞれの電線594が独立して移動可能に構成することにより、フラットケーブル等で配線部591が構成されている場合と比較して、配線部591が引っ張られることを防止して、LEDハーネス590の耐久性の向上を図ることができる。
【0083】
また、遊技機(1)は、
前記保持手段(561,562)は、前記溝部(M2)に対して前記幅方向(X)に跨って配置され、前記溝部(M2)を覆うカバー体(562)を含む。
【0084】
これにより、ハーネスカバー562が、溝部M2からの配線部591の後方への飛び出しを防ぎ、LEDハーネス590が擦れる等により断線することの防止を図ることができる。
【0085】
また、遊技機(1)は、
前記カバー体(562)は、前記側面(576)に沿う方向にスライドさせて前記可動体(570)に取り付けられ、
前記カバー体(562)をスライド不能に規制する規制手段(563)を有する。
【0086】
これにより、LEDハーネス590を配置するスペースを確保しながら、従動アーム570の後面576と交差する方向における、演出役物装置410の厚みを薄く抑えることができる。
【0087】
また、遊技機(1)は、
前記保持手段(561,562)は、両面に接着剤を有し、一方の面が前記溝部(M2)の内部に接着され、かつ他方の面が前記配線(590)に接着されるシート状の接着部材(561)を含む。
【0088】
これにより、両面テープ561が、LEDハーネス590の断面形状が幅方向Xの距離より深さ方向Yの距離が小さくなるように、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるので、従動アーム570やLEDハーネス590の深さ方向Yの距離を小さくすることができ、深さ方向Yにおいて演出役物装置410の薄型化を図ることができる。また、LEDハーネス590の断面が幅方向Xの距離より深さ方向Yの距離が小さくなるように、LEDハーネス590が両面テープ561により溝部M2の内部に保持されている状態で、ハーネスカバー562を従動アーム570に取付けることができるので、ハーネスカバー562を取り付ける際における作業者の作業負担を軽減し、組立作業性の向上を図ることができる。
【0089】
5.変形例
なお、本実施形態において、パチンコ機1は、演出役物装置410が、第1スライド役物510及び従動アーム570に対して移動可能に、従動アーム570を介して第1スライド役物510に連結され、かつLEDハーネス590により第1スライド役物510と電気的に接続された第2スライド役物520を備えるように構成されているが、これに限定されない。パチンコ機1は、例えば、第2スライド役物520を備えていなくてもよく、従動アーム570が先端部にLED基板を有して、当該LED基板と第1スライド役物510とを電気的に接続するLEDハーネス590が、従動アーム570に形成された溝部M2に保持されるように構成されていてもよい。また、例えば、パチンコ機1は、従動アーム570が基端部571と先端部572との間に基板を有して、当該基板と第1スライド役物510とを接続する配線が、従動アーム570の基端部571付近に形成された溝部M2の内部に保持され、当該基板と第2スライド役物520とを接続する配線が、従動アーム570の先端部572付近に形成された溝部M2の内部に保持されるように構成されていてもよい。
【0090】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、遊技盤面31に沿う方向、すなわち後面576に沿う方向へ回動する従動アーム570が第1可動体(可動体)を構成しているが、これに限定されない。パチンコ機1は、例えば、駆動アーム550にLEDハーネス590を収納する溝部M2が形成されているように構成されていてもよい。また、第1可動体(可動体)はアーム状に形成されて回動するものに限定されず、LEDハーネス590を収納する溝部M2が形成されている可動体としては、多様な形状や多様な移動方向に移動するものが考えられる。
【0091】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させる保持手段として、両面テープ561及びハーネスカバー562を備えるように構成されているが、これに限定されない。パチンコ機1は、例えば、保持手段として、両面テープ561及びハーネスカバー562の代わりに、接着剤を有して、接着剤によりLEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるように構成されていてもよいし、保持手段として、溝部M2内に充填された合成樹脂によりLEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるように構成されていてもよい。また、パチンコ機1は、例えば、保持手段として、ハーネスカバー562のみによりLEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させるように構成されていてもよい。このように構成された場合、従動アーム570が移動する際に、従動アーム570のテープ貼付面577aとハーネスカバー562の保持面562bとの間でLEDハーネス590が移動して、LEDハーネス590がテープ貼付面577a及びハーネスカバー562の保持面562bと擦れることになるが、テープ貼付面577aと保持面562bとの離間距離Lが電線594の直径に対して2倍以下となっているのでLEDハーネス590は強く擦れることがなく、LEDハーネス590が断線することの防止を図ることができる。また、パチンコ機1は、保持板581が、配線部591の断面形状が幅方向Xの距離より深さ方向Yの距離が小さくなるように、LEDハーネス590を溝部M2の内部に保持させる保持手段を構成してもよい。
【0092】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、テープ貼付面577aと保持面562bとの離間距離Lが、電線594の直径以上、かつ電線594の直径の2倍以下となるように構成されているが、これに限定されない。パチンコ機1は、例えば、両面テープ561の他方の面と保持面562bとの離間距離Lが、電線594の直径以上、かつ電線594の直径の2倍以下となるように構成されていてもよい。また、例えば、パチンコ機1は、LEDハーネス590を保持していない状態における離間距離Lが、電線594の直径より僅かに小さくなるように構成されていてもよい。このように構成された場合、LEDハーネス590と保持面562bとの間に摩擦力が発生し、LEDハーネス590を、テープ貼付面577aと保持面562bとの間でより確実に保持することが可能となる。また、このように構成された場合、従動アームユニット560が両面テープ561を有していなくても、ハーネスカバー562が、LEDハーネス590と従動アーム570やハーネスカバー562とが擦れることによるLEDハーネス590の損傷を軽減し、LEDハーネス590が断線することの防止を図ることができる。
【0093】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、従動アーム570が第1位置から第2位置までのいずれの位置に位置している状態においても、後面576が第1カバー501及び第2カバー502と、近接して対向するように構成されているが、これに限定されない。パチンコ機1は、従動アーム570が第1位置から第2位置までのいずれかの位置で、後面576と対向した状態となる可能性がある対向部材を備えていればよく、例えば、従動アーム570とは独立して移動する第3可動体(対向部材)を備えて、従動アーム570が第1位置に位置してかつ第3可動体が動作した位置に位置している状態で、後面576が、第3可動体と対向するように構成されていてもよいし、従動アーム570が第1位置に位置している状態で、後面576が、スライド役物ベース(対向部材)411と対向するように構成されていてもよい。また、対向部材は、上述したものに限定されず、遊技盤30でもよいし、透過板10でもよいし、演出表示装置400でもよいし、演出照明装置420でもよいし、制御基板やLED基板等を収納する基板ケースでもよいし、外枠2でもよいし、中枠4でもよい。
【0094】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、配線部591が所謂バラ線から構成されているが、これに限定されない。パチンコ機1は、例えば、配線部591が、フラットケーブルから構成されていてもよい。このように構成された場合、LEDハーネス590の配線部591を両面テープ561に保持させる際や、ハーネスカバー562を従動アーム570に取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0095】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、スライド役物ベース411が遊技盤面31に対して固定されているものに限定されない。パチンコ機1は、例えば、スライド役物ベース411が、遊技盤面31に対して移動可能に支持されて構成されていてもよい。
【0096】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、第1LED基板513と第2LED基板523とを電気的に接続して、第2LED基板523に設置されているLEDが発光するための電力を伝達するLEDハーネス590が、配線を構成しているが、これに限定されない。パチンコ機1は、例えば、制御信号や駆動源等の駆動電力、LED以外の発光源が発光するための電力等を伝達するハーネスが、配線を構成してもよい。
【0097】
また、本実施形態において、パチンコ機1は、規制ねじ563が、ハーネスカバー562を従動アーム570に対してスライド不能に規制する規制手段を構成しているが、これに限定されない。パチンコ機1は、ハーネスカバー562が規制手段により固定位置から着脱位置まで移動しないように移動を規制されていればよく、例えば、ハーネスカバー562を従動アーム570に対してスライド不能に規制するスナップフィット構造が、規制手段を構成してもよいし、ハーネスカバー562を従動アーム570に対してスライド不能に規制する接着剤が、規制手段を構成してもよいし、ハーネスカバー562を従動アーム570に対してスライド不能に規制する図示しない押さえ部品等が、規制手段を構成してもよい。
【0098】
また、本実施形態においては、遊技機の一例である、遊技球が流下、転動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射するパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明は、外周面に図柄が配列されている複数のリールを備え、遊技者の操作に応じて複数のリールを回転させ、抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させるスロットマシンや、遊技球を遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンや、有形の遊技媒体を用いず遊技価値を有する電子データを用いた遊技を行う遊技機等の各種の遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…遊技機(パチンコ機)
410…演出装置(演出役物装置)
510…支持部(第1スライド役物)
520…第2可動体(第2スライド役物)
561…保持手段(接着部材、両面テープ)
562…保持手段(カバー体、ハーネスカバー)
570…可動体(第1可動体、従動アーム)
590…配線(LEDハーネス)
594…電線
M2…溝部
X…幅方向
X1…距離
Y…深さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10