(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20230120BHJP
F21V 17/10 20060101ALI20230120BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230120BHJP
【FI】
F21V8/00 320
F21V17/10 150
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019233480
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】宮下 猛
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-123317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21V 17/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDと、
前記LEDから出た光の色度を変えて透過させる第1シートフィルタ及び第2シートフィルタと、
前記各シートフィルタを重ねて保持する保持体とを具備し、
前記保持体が、いずれかのシートフィルタを、表裏逆
に変更して、又は
、いずれかのシートフィルタの設置角度を段階的に変更して保持可能に構成してあり、
前記各シートフィルタには、入射した光を色度変換することなく透過させる無変換領域と、入射した光を色度変換する変換領域とが設けてあり、
前記いずれかのシートフィルタの表裏又は設置角度を変えた場合に、該第1シートフィルタの無変換領域と第2シートフィルタの無変換領域との重なり度合いが変わるように構成してあることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記第1シートフィルタの色度変換特性と前記第2シートフィルタの色度変換特性とが互いに異なる請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記色度変換特性を色度座標における色度変換ベクトルで表したときに、前記第1シートフィルタによる色度変換ベクトルの方向と、前記第2シートフィルタによる色度変換ベクトルの方向とが互いに異なる請求項2記載の光照射装置。
【請求項4】
前記シートフィルタの外周形状が正方形状をなし、保持体に対する設置角度を90°ずつ変えられるようにしてある請求項1乃至3いずれか記載の光照射装置。
【請求項5】
導光体をさらに具備し、前記LEDから出た光が、前記各シートフィルタ及び前記導光体を透過して外部に射出されるように構成してある請求項1乃至4いずれか記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品検査や美術品の照明に好適に用いられる、LEDを光源とした光照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光照射装置においては、LEDの個体差や経年使用により、射出される光の色度にややばらつきが生じる場合がある。
他方、特定の製品検査や美術品照明などのように、射出光に一定色度が求められる場合は、前述したばらつきを抑制しなければならない。
そこで、例えば、色度のばらつきが大きい光照射装置については、色度変換フィルタをいれて、そのばらつきを軽減するといったことが単純には考えられる。
【0003】
しかしながら、実際には、色度のばらつきといってもそれほど大きいものではなく、市販されている色度変換フィルタでは、予めラインナップされているいくつかの品番からしか選択できないこともあって、色度が変わり過ぎるといった不具合が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであって、射出される光の色度を微妙に調整でき、かつその調整を簡便にできる光照射装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る光照射装置は、LEDと、前記LEDから出た光の色度を変えて透過させる第1シートフィルタ及び第2シートフィルタと、前記各シートフィルタを重ねて保持する保持体とを具備し、
前記保持体が、いずれかのシートフィルタを、表裏逆又はあらかじめ定めた複数の設置角度のうちのいずれかの角度で保持可能に構成してあり、
前記各シートフィルタには、入射した光を色度変換することなく透過させる無変換領域と、入射した光を色度変換する変換領域とが設けてあり、
前記いずれかのシートフィルタの表裏又は設置角度を変えた場合に、該第1シートフィルタの無変換領域と第2シートフィルタの無変換領域との重なり度合いが変わるように構成してあることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、シートフィルタにおける無変換領域の面積割合を増加させることによって、該シートフィルタの色度変換ベクトルの方向、向きを変えることなく、その長さだけ短くする方向に変えることができる。すなわち、シートフィルタによる色度変換の度合いを小さくなるように自在に変えることができる。したがって、従来のような、色度が変わり過ぎて調整できない、といった不具合を解消することができる。
【0008】
他方、いずれかのシートフィルタの表裏又は設置角度を変えた場合に、該第1シートフィルタの無変換領域と第2シートフィルタの無変換領域との重なり度合いが変わるので、そのことによって2枚のシートフィルタによるトータルの色度変換ベクトルが変わる。このことは、上述した無変換領域のあるシートフィルタを予め作成さえしておけば、あとは、各シートフィルタの保持姿勢を、前記表裏逆又はあらかじめ定めた複数の設置角度のうちのいずれかに設定するという簡単な作業によって、2枚のシートフィルタによるトータルの色度変換特性を変化させることができるということである。
【0009】
したがって、この簡単な作業によって、光照射装置の器差や経年変化に起因する色度のばらつきを軽減して、照射光が一定の色度範囲となるように設定することができる。
【0010】
色度調整の幅を広げるには、前記第1シートフィルタの色度変換特性と前記第2シートフィルタの色度変換特性とが互いに異なるものが望ましく、より好適には、前記色度変換特性を色度座標における色度変換ベクトルで表したときに、前記第1シートフィルタによる色度変換ベクトルの方向と、前記第2シートフィルタによる色度変換ベクトルの方向とが互いに異なるものがよい。
【0011】
本発明の実現が容易な具体的実施態様としては、前記シートフィルタの外輪郭形状が正方形状をなし、保持体に対する設置角度を90°ずつ変えられるようにしてあるものを挙げることができる。
【0012】
無変換領域と変換領域とをそれぞれ透過した光が混合されて射出されるようにするには、例えば、導光体をさらに具備し、前記LEDから出た光が、前記各シートフィルタ及び前記導光体を透過して外部に射出されるように構成してあるものが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明によれば、シートフィルタを用いながらも、無変換領域の増減だけで、従来のような、色度が変わり過ぎて調整できない、といった不具合を解消して微妙な色度調整が可能となる。しかも、各シートフィルタの保持姿勢を、前記表裏逆又はあらかじめ定めた複数の設置角度のうちのいずれかに設定するという簡単な作業によって、2枚のシートフィルタによるトータルの色度変換特性を変化させ、光照射装置の器差や経年変化に起因する色度のばらつきを軽減して、照射光が一定の色度範囲となるように設定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る光照射装置の縦断面図。
【
図2】同実施形態における光照射装置の分解斜視図。
【
図3】同実施形態における導光体及び保持体を縦に半割して内部を表示するようにした斜視断面図。
【
図4】各シートフィルタの色度変換ベクトルと、これらシートフィルタを重ねたときのトータルでの色度変換ベクトル(合成色度変換ベクトル)を説明するための説明図。
【
図5】同実施形態において、シートフィルタの重ね方を変えた場合の、色度変換ベクトルの変化を示すシミュレーション結果。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る光照射装置100は、例えば製品等の光照射対象物(以下、ワークWという。)の検査に用いられるものであって、複数のLED1と、これらLED1を搭載する配線基板5と、LED1から出た光を導光して外部に射出する導光体4とを備えたものである。
【0017】
各部について説明する。
LED1としては、ここでは表面実装型のものが用いられている。もちろん砲弾型やCOBタイプのものでも構わない。
【0018】
配線基板5は、
図2等に示すように、平面視において外周形状が正方形状をなすとともに、その中央には外周形状と同心の正方形状の中心孔5aが設けられた正方形環状をなすものである。前記LED1は、この配線基板5の一方の面(以下、LED搭載面ともいう。)に並べ設けられている。
【0019】
導光体4は、
図1~
図3に示すように、光を透過する例えばアクリルやガラス等の部材で作られた角管状のものである。より具体的に説明すると、この導光体4は、横断面外周形状が略正方形状をなすとともに、その中央には外周形状と同心の正方形状の貫通孔4aが形成されたものである。
【0020】
この導光体4の一方の端面は、入光面4bとして設定されている。この入光面4bは正方形環状をなす。また、この導光体4の外側周面4dには白塗装が施されており、前記入光面4bから内部に導入された光は、そこで乱反射して、この導光体4の内側周面4cから射出されるようにしてある。
【0021】
前記配線基板5に搭載されたLED1は、
図1に示すように、この導光体4の入光面4bに臨むように配置され、その内部に向かって光を照射するように構成されている。また、そのために、ここでは、配線基板5及びLED1を保持する保持体3がさらに設けられている。
【0022】
この保持体3は、
図1~
図3に示すように、前記導光体4における入光面4bの内周縁から一体に突出する横断面正方形状をなす柱状体であり、その中央には、前記貫通孔4aと軸線が合致する挿通孔3aが貫通させてある。
この保持体3は、先端に向かうにつれ、外径が小さくなる複数段形状(ここでは3段形状)をなしている。
【0023】
最も基端寄りの第1段部31は、導光体入光面4bの内周縁から立ち上がっており、その厚み寸法は前記LED1の厚み寸法よりもやや大きな寸法に設定してある。
次の第2段部32は、前記配線基板5の中心孔5aがガタなく嵌合する大きさに設定されたものである。
最も先端寄りの第3段部33は、前述したように、第2段部32よりも小径の正方角柱状をなすものである。
【0024】
そして、
図1等に示すように、このような保持体3の第2段部32に、前記配線基板5の中心孔5aがガタなく嵌合し、かつ、該保持体3の第1段部31の表面にLED搭載面の内側部分が当接した状態で、配線基板5が保持体3に保持されている。
【0025】
さらに、この実施形態では、LED1と導光体入光面4bとの間に、シート状をなす2枚の色度変換フィルタ(第1シートフィルタ21及び第2シートフィルタ22)が重ねて配置されている。
【0026】
各シートフィルタ21、22は、
図2等に示すように、それぞれ、平面視においてその外周形状が前記導光体4の横断面外周形状とほぼ等しい正方形状をなすとともに、その中央に、前記第1段部31の外周と接する大きさの正方形状の中心孔21c、22cが設けられた、正方形環状をなすものである。
【0027】
そして、該第1段部31に、各シートフィルタ21、22の中心孔21c、22cが順次嵌め込まれることによって、各シートフィルタ21、22が、当該第1段部31にガタなく、重なって保持される。
【0028】
このような構成によって、LED1から出た光は、各シートフィルタ21、22による色度変換を経た後、導光体4の入光面4bからその内部に導入され、白塗装によって内側に乱反射して、導光体4の内側周面4cから均一な拡散光として射出される。
【0029】
ワークWは、
図1に示すように、この導光体4の軸線上におけるやや下方、すなわち、導光体4の他方の端面よりもやや外側に配置されており、前記導光体4の内側周面4cから内側に射出される拡散光によって、周囲からローアングル照明される。
【0030】
そして、カメラ等の観察手段Vを、導光体4の軸線上における上方、すなわち、導光体4の一方の端面よりも外側に配置することにより、ローアングル照明された前記ワークWを、前記挿通孔3a及び貫通孔4aを介して上方から観察することができる。
【0031】
しかして、この実施形態では、
図2、
図3等に示すように、前記第1シートフィルタ21及び第2シートフィルタ22として、カラーシート21b、22bに複数(多数)の孔21a、22aを空けたものを用いている。
【0032】
すなわち、これらシートフィルタ21、22には、入射した光を色度変換することなく透過させる無変換領域(前記孔21a、22a)と、入射した光を色度変換する変換領域(前記カラーシート21b、22b)とが交互に形成されている。なお、この実施形態での孔21a、22aは、いずれも円形状であり、規則的にあるいは不規則に間欠的に設けられている。なお、
図2、
図4、
図5で、孔21a、22aの大きさや位置は、例示のため、合致させていない。
次に、このような構成のシートフィルタ21、22の色度変換特性について説明する。
【0033】
例えば第1シートフィルタ21を透過した光には、前記孔21aを透過した色度変換されない光と、カラーシート21bを透過して色度変換された光とが含まれることとなる。第2シートフィルタ22も同様である。この実施形態では、これらシートフィルタ21、22を透過した光は、前記導光体4で混ざり合うようにしてあるので、ここでのシートフィルタ21(又は22)の色度変換特性とは、透過前の光の色度に対する、透過して混ざり合った光の色度の変化をいうものとする。
【0034】
これを前提理解として、この実施形態では、各シートフィルタ21、22の色度変換特性を互いに異ならせている。より具体的に説明すると、色度変換特性とは、XY色度座標で説明すれば、透過前の光の色度座標から透過後の光の色度座標に移動させる色度変換ベクトルで表されるところ、この実施形態では、第1シートフィルタ21による色度変換ベクトルの方向と、第2シートフィルタ22による色度変換ベクトルの方向とが少なくとも異なるようにしてある。
【0035】
ここで、色度変換ベクトルの方向は、カラーシート21b、22bの素材で決まり、他方、孔21a、22aの全体に対する面積比で、色度変換ベクトルの長さが決まる。孔21a、22aの面積比を大きくすれば、色度変換ベクトルの長さが短くなる。
【0036】
ところで、上述したように、各シートフィルタ21、22は、正方形環状をなすから、左右対称であり、上下対称であり、かつ、90°毎の回転対称でもある。したがって、各シートフィルタ21、22を元の姿勢から、左右反転(左右に表裏逆転)、上下反転(上下に表裏逆転)、90°180°または270°回転させたいずれの変更姿勢に変えても、外形的に変わることなく、前記保持体3に取り付けることができる。
【0037】
すなわち、第2シートフィルタ22に対して、第1シートフィルタ21を、元の姿勢及び7つの変更姿勢を含めた8つの相対的に異なる姿勢で重ねることができる。
【0038】
これは要するに、第1シートフィルタ21と第2シートフィルタ22との重ね合わせ方を8つ選べるということであるが、この実施形態では、前記各シートフィルタ21、22にそれぞれ設けられた孔21a、22aの位置、数、大きさ又は形状の設定によって、前記8つの重ね合わせ方のうちの少なくとも2つの重ね合わせ方において、第1シートフィルタ21の孔21aと、第2シートフィルタ22の孔22aとの重なり度合いが変化するようにして、第1シートフィルタ21と第2シートフィルタ22とによるトータルの色度変換特性(合成色度変換ベクトル)が変わるようにしてある。
【0039】
シミュレーションした具体例を
図5に示す。ここでは、(1)そのままの重ね合わせ、(2)左右反転、(3)上下反転、(4)180°回転の4つの重ね合わせ方で、第1シートフィルタ21と第2シートフィルタ22とを重ね合わせた場合の合成色度変換ベクトルがどのように変化するかをシミュレーションした。
【0040】
図5のグラフから明らかように、(1)~(3)の合成色度変換ベクトルを比較すると、それぞれの方向及び向きは変わらないが、長さが変わっている。このことから、色度変換の度合いを重ね合わせ方によって変えることができることがわかる。なお、(3)と(4)は、重なり方は異なるが重なり度合いが等しいので、合成色度変換ベクトルは等しくなる。
【0041】
次に、このようなシートフィルタ21、22の作成方法及び使用方法について説明する。
光照射装置100における器差や経年変化による色度のばらつき範囲は、LED1の仕様や実測により、ある程度予測できるから、そのばらつき範囲を抑制し、要求されている色度範囲にするために必要な色度変換特性も、計算により求めることができる。
【0042】
そこで、まず、色度変換ベクトルの方向が異なる2つの素材(カラーシート21b、22b)をそれぞれ選択する。そして、各カラーシート21b、22bに穿孔し、シートフィルタ21、22を作成する。
【0043】
このとき、前述したように、穿孔によっては元々の色度変換ベクトルの方向は変わらず、孔21a、22aの面積割合によって、色度変換ベクトルの長さだけが変わるので、シートフィルタ21、22による合成色度変換ベクトルが所望の色度変換特性の近傍となるように、孔21a、22aの面積割合を定める。
次に、重ね合わせ方によって、色度変換の所望の調整範囲が得られるように、各孔21a、22aの数、位置、大きさをシミュレーションなどによって定める。
【0044】
このようにシートフィルタ21、22を作成した後、例えば、色度のばらつきが小さい光照射装置100に対しては、色度変換ベクトルが小さい重ね合わせ方(
図5であれば(1))にして、色度のばらつきが大きい光照射装置100に対しては、色度変換ベクトルが大きい重ね合わせ方(
図5であれば(3)又は(4))にする。このことによって、器差による色度のばらつきを低減できる。また、経年変化の度合いによっても、シートフィルタ21、22の重ね合わせ方を変えるだけで、経年変化による色度の変化を補正できる。
【0045】
以上の光照射装置100によれば、シートフィルタ21、22における孔21a、22aの面積割合が大きくなれば、色度変換ベクトルの長さが短くなる方向に変わる、すなわち、色度変換の度合いが小さくなるように変わるので、各シートフィルタ21、22の基本となる色度変換特性を、色度が変わり過ぎないような、所望の特性範囲となるように自在の調整できる。
【0046】
そして、このようなシートフィルタ21、22を予め作成さえしておけば、あとは、各シートフィルタ21、22の重ね合わせ方を、予め定めた複数通りのうちのいずれかに設定するという簡単な作業だけで、光照射装置100の器差や経年変化に起因する色度のばらつきを軽減して、その照射光が一定の色度範囲となるように設定することができる。
【0047】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、無変換領域は、前記実施形態では、カラーシートに穿孔して設けていたが、透明シートに、部分的に色度変換塗料を塗布してその部分を変換領域とするとともに、塗布していない部分を無変換領域としてもよい。その場合、前記実施形態では無変換領域である孔が変換領域中に点在していたが、その逆となってもよい。
【0048】
異なる重ね合わせ方の全てにおいて、各シートフィルタの合成色度変換ベクトルがそれぞれ異なるようにする必要はなく、少なくともいずれか2つの異なる重ね合わせ方で、合成色度変換ベクトルが変わればよい。
【0049】
各シートフィルタの色度変換特性は、同一でもよいが、異なっていてもよい。特に、色度変換ベクトルの方向が互いに異なっていれば、合成色度変換ベクトルを自在に作成できるので非常に好適である。
無変換領域及び変換領域の形状は、円形のみならず、四角形状や多角形状、星形、又はその他の異形状であってもよいし、線状などであってもよい。
【0050】
シートフィルタも、中央に孔が空いた形状のみならず、光照射装置の発光面の種類に合わせて、四角い形状であってもよいし、多角形状や円形状であってもよい。ただし、保持体による保持態様として、段階的に姿勢を変えられるものに限られる。というのも、連続的に姿勢を変化させて取り付けられるものは、再現性が悪く、調整に手間取るという不具合が生じるからである。
【0051】
導光体は、必ずしも必要ないが、シートフィルタを透過した、色度を変換された光と色度を変換されていない光とが混ざり合うことが好ましいので、導光体に代表される光混合手段を設けておくことが好ましい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行ってもかまわない。
【符号の説明】
【0052】
100・・・光照射装置
1・・・LED
21・・・第1シートフィルタ
22・・・第2シートフィルタ
3・・・保持体
21a、22a・・・孔(無変換領域)
21b、22b・・・カラーシート(変換領域)
4・・・導光体