(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】食品包装容器およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20230120BHJP
C08J 9/04 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
B65D81/38 B
C08J9/04 101
C08J9/04 CFD
(21)【出願番号】P 2019548385
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 KR2019007860
(87)【国際公開番号】W WO2020005000
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2019-09-05
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074663
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518048053
【氏名又は名称】ヒューヴィス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】HUVIS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】(Nonhyeon-dong)343, Hakdong-ro, Gangnam-gu, Seoul 06060 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100080012
【氏名又は名称】高石 橘馬
(74)【代理人】
【識別番号】100168206
【氏名又は名称】高石 健二
(72)【発明者】
【氏名】ホ ミ
(72)【発明者】
【氏名】ハム ジンス
(72)【発明者】
【氏名】イ クァンヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム ウジン
(72)【発明者】
【氏名】ハ サンフン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジョンハン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-047228(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0056906(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0067938(KR,A)
【文献】国際公開第2018/062623(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0073824(KR,A)
【文献】特開2001-277344(JP,A)
【文献】特開平06-179239(JP,A)
【文献】特開2001-018942(JP,A)
【文献】特許第5264176(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 81/18-81/30
B65D 81/38
B65D 85/88
C08J 9/00- 9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル樹脂の発泡シートを含み、
発泡シートの平均厚さは2.0mm以下であり、密度は300~700kg/m
3範囲であり、
下記の数学式1、2および3を満足する、食品包装容器であって、
前記ポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)樹脂であり、
前記ポリエステル樹脂は熱伝導率が1.0~3.0kcal/mh℃である0.5~9.0重量%の炭酸カルシウムを含み、
前記食品包装容器は底部および底部の周りに沿って上端が開放された状態の壁部を含み、
前記底部の平均厚さT
aおよび壁部の平均厚さT
bの比率T
a:T
bは1:0.95~1.05範囲であり
、
食品包装容器の圧縮強度が5kgf/cm
2~40kgf/cm
2であり、
前記発泡シートの融点は238~250℃であり、
加熱後に発泡シートの表面温度が160℃であるとき、10秒の条件で発泡シートの高温伸び率は300~600%であることを特徴とする、食品包装容器:
[数学式1]
0.9 ≦ H/D
≦ 1.1
数学式1において、
収容部および開口部を含む食品包装容器を形成するものの、
Hは収容部の深さを表し、10~20cmであり、
Dは開口部の直径を表したものであり、
[数学式2]
|V
1-V
0|/V
0×100≦5%
前記数学式2において、
V
0は100℃の水に露出する前の発泡シートの体積(mm
3)であり、
V
1は100℃の水に5分の間露出させた後の発泡シートの体積(mm
3)であり、
[数学式3]
0.01% ≦|V
1-V
0|/V
0×100≦5%
前記数学式3において、
V
0は-10℃で3時間の間露出させた後の樹脂発泡シートの体積(mm
3)であり、
V
1は110℃で3時間の間露出させた後の樹脂発泡シートの体積(mm
3)である。
【請求項2】
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分またはヒドロキシカルボン酸から合成された芳香族および脂肪族ポリエステル樹脂からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の食品包装容器。
【請求項3】
前記底部の平均厚さおよび壁部の平均厚さはそれぞれ0.8~2.0mm範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の食品包装容器。
【請求項4】
下記の数学式4を満足することを特徴とする、請求項1に記載の食品包装容器:
[数学式4]
|T
2-T
1|≧10℃
前記数学式4において、
T
1は20℃、1atm条件で、食品包装容器に100℃の水を入れて、1分経過した時に測定した食品包装容器の外側の表面温度であり、
T
2は20℃、1atm条件で、食品包装容器に100℃の水を入れて、1分経過した時に測定した食品包装容器の内部の水の温度である。
【請求項5】
食品医薬品安全処の器具および容器包装とその原材料に関する規格を基準として、
溶出規格の測定時、総溶出量が30ppm以下であり、アンチモンゲルマニウム、テレフタル酸、イソフタル酸、アセトアルデヒド物質が検出されず、
残留規格の測定時、揮発性物質が検出されない、請求項1に記載の食品包装容器。
【請求項6】
請求項1に記載した食品包装容器の製造方法であって、
300~700kg/m
3密度の発泡シートを食品包装容器成形装置の雌型金型と雄型金型の間に配置する配置段階;および
雄型金型を加圧して食品包装容器を成形する成形段階;を含み、
前記成形段階は前記雌型金型の表面温度を60℃以上に設定することを特徴とする、食品包装容器の製造方法。
【請求項7】
雌型金型は、一側に内部空間を減圧する減圧ホールが形成された構造であることを特徴とする、請求項6に記載の食品包装容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品包装容器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の食品包装容器に使われている製品は発泡式と非発泡式に分かれる。発泡式食品包装容器はポリスチレンを発泡ガスと混合させて押出した製品が使われているが、これは厚さを比較的厚く維持できるため、形態の維持、断熱性、価格競争力が高い長所がある。その反面、このような発泡式製品は高温で有害物質が検出される短所がある。
【0003】
非発泡式食品包装容器の場合、熱に安定したポリプロピレンをフィルムの形態で製作した製品が使われている。一方、このような非発泡式食品包装容器は高温で形態の変化率が少なく、有害物質が検出されない長所がある。しかし、前記非発泡式食品包装容器は断熱が悪く、高温の食品を取り扱う時に包装容器自体が熱いため使用が不便な問題点がある。
【0004】
一方、現代社会で次第に生活が便利になるにつれて、使い捨て用品の使用が増加し、単独世帯の増加による出前の食べ物および簡便料理製品の需要が次第に増えている。これに伴い、食品包装容器の需要も増加しており、有害物質から安全かつ用途に合う機能が付与された新しい容器の素材に対する消費者のニーズがますます大きくなっている。
【0005】
これと関連して、食品包装容器関連業者では便利さ、安全性、環境親和性および価格競争力を兼ね備えた食品包装容器について研究開発中であり、本出願人は耐寒性が優秀な樹脂発泡体およびこれを含む包装容器(韓国登録特許第10-1826785号)等を開発したことがある。前記包装容器は樹脂発泡体としてポリエステル樹脂を利用して製造することによって、環境に優しく、軽量かつ高強度を具現することができ、温度変化による耐久性が優秀な効果がある。
【0006】
しかし、前述した包装容器は収容部の深さが深い製品の成形時に、包装容器の成形過程で成形シート(発泡シート)が破断する問題があり、特に、気泡が多く形成されている軽量の発泡シートが破断して包装容器を容易に成形することができなかった。
【0007】
このため、収容部の深さが深い食品包装容器を成形することができなかった。
【0008】
したがって、収容部の深さが深い食品包装容器の成形時に発泡シートが破断することを防止できる食品包装容器の研究が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述した問題点を解決するためのものであって、所定厚さおよび所定範囲の密度の発泡シートを含み、H/D≧0.7(H:収容部の深さ、D:開口部の直径)を満足する食品包装容器およびその製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ポリエステル樹脂の発泡シートを含み、発泡シートの平均厚さは2.0mm以下であり、密度は300~700kg/m3範囲であり、下記の数学式1、2および3を満足し、前記ポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)樹脂であり、前記ポリエステル樹脂は熱伝導率が1.0~3.0kcal/mh℃である0.5~9.0重量%の炭酸カルシウムを含み、前記食品包装容器は底部および底部の周りに沿って上端が開放された状態の壁部を含み、前記底部の平均厚さTaおよび壁部の平均厚さTbの比率Ta:Tbは1:0.95~1.05範囲であり、食品包装容器の圧縮強度が5kgf/cm2~40kgf/cm2であり、前記発泡シートの融点は238~250℃であり、加熱後に発泡シートの表面温度が160℃であるとき、10秒の条件で発泡シートの高温伸び率は300~600%である食品包装容器を提供する:
【0011】
[数学式1]
0.9 ≦ H/D ≦ 1.1
数学式1において、収容部および開口部を含む食品包装容器を形成するものの、Hは収容部の深さを表し、10~20cmであり、Dは開口部の直径を表したものであり、
[数学式2]
|V1-V0|/V0×100≦5%
前記数学式2において、V0は100℃の水に露出する前の発泡シートの体積(mm3)であり、V1は100℃の水に5分の間露出させた後の発泡シートの体積(mm3)であり、
[数学式3]
0.01% ≦|V1-V0|/V0×100≦5%
前記数学式3において、V0は-10℃で3時間の間露出させた後の樹脂発泡シートの体積(mm3)であり、V1は110℃で3時間の間露出させた後の樹脂発泡シートの体積(mm3)である。
【0012】
また、本発明は、上記の食品包装容器の製造方法であって、300~700kg/m3密度の発泡シートを食品包装容器成形装置の雌型金型と雄型金型の間に配置する配置段階;および
【0013】
雄型金型を加圧して食品包装容器を成形する成形段階;を含み、
【0014】
前記成形段階は前記雄型金型の表面温度を60℃以上に設定することを特徴とする食品包装容器の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る食品包装容器は300~700kg/m3範囲の密度を有する発泡シートを含むことによって、H/D≧0.7(H:収容部の深さ、D:開口部の直径)を満足する食品包装容器およびその製造方法を提供できる利点がある。
【0016】
特に、本発明に係る食品包装容器は厚さが均一であり、耐熱性および熱遮断性が優秀な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明に係る食品包装容器の製造方法を順次図示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して詳細な説明に詳細に説明する。
【0019】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0020】
本発明で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0021】
したがって、本明細書に記載された実施例に図示された構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例が存在し得る。
【0022】
本発明は所定厚さ以下の発泡シートを含み、H/D≧0.7(H:収容部の深さ、D:開口部の直径)を満足する食品包装容器およびその製造方法に関する。
【0023】
図1は本発明に係る食品包装容器の断面図であり、
図2は本発明に係る食品包装容器の製造方法を順次図示した図面である。以下、
図1~
図2を参照して本発明に係る食品包装容器およびその製造方法について詳細に説明する。
【0024】
本発明は、ポリエステル樹脂の発泡シートを含み、発泡シートの平均厚さは2.0mm以下であり、密度は300~700kg/m3範囲であり、下記の数学式1を満足する食品包装容器10を提供する:
【0025】
[数学式1]
H/D≧0.7
数学式1において、収容部および開口部を含む食品包装容器10を形成するものの、Hは収容部の深さを表し、10~20cmであり、Dは開口部の直径を表したものである。
【0026】
まず、ポリエステル樹脂は酸成分とジオール成分から誘導される繰り返し単位を含むことができる。具体的には、ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分またはヒドロキシカルボン酸から合成された芳香族および脂肪族ポリエステル樹脂からなる群から選択された1種以上であり得る。前記ポリエステル樹脂は例えば、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephthalate、PBT)、ポリ乳酸(Poly Lactic acid、PLA)、ポリグリコール酸(Polyglycolic acid、PGA)、ポリエチレンアジパート(Polyehtylene adipate、PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(Polyhydroxyalkanoate、PHA)、ポリトリメチレンテレフタレート(Polytrimethylene Terephthalate、PTT)およびポリエチレンナフタレン(Polyethylene naphthalate、PEN)からなる群から選択された一つ以上であり得る。具体的には、本発明ではポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)が使われ得る。
【0027】
また、発泡シートの密度(KS M ISO 845)は平均300~700kg/m3であり得る。具体的には、発泡シートの密度は平均325~650kg/m3、350~600kg/m3、375~550kg/m3、400~500kg/m3または425~450kg/m3であり得る。
【0028】
一方、発泡シートの密度が300kg/m3未満であり得るが、このような場合、発泡シート内に気泡が多くて食品包装容器のディープ加工時に発泡シートが破断され得るため、本発明の技術的特徴であるH/D≧0.7(H:収容部の深さ、D:開口部の直径)を満足させることができない。または前記H/D≧0.7を満足させることはできるものの、平均厚さ2.0mm以下の食品包装容器を具現することが難しく、食品包装容器の底部と壁部の厚さ偏差が激しくなり得る。これに伴い、食品包装容器の圧縮強度、耐熱性または熱遮断性などの効率が低くなり得る。
【0029】
併せて、発泡シートの密度が700kg/m3を超過する場合、食品包装容器自体の重さが重いため、使い捨てとして使われる食品包装容器には適さず、製造工程時の費用が上昇する問題がある。
【0030】
したがって、食品包装容器をなす発泡シートの密度は平均300~700kg/m3が好ましく、これに伴い、前記発泡シートは薄い厚さを満足しつつ、向上した圧縮強度、耐熱性、熱遮断性などを具現することができる。
【0031】
前記のような発泡シートを含むことによって、本発明に係る食品包装容器は優秀な加工性を表すことができる。例えば、下記の数学式1を満足することができる。
【0032】
[数学式1]
H/D≧0.7
数学式1において、収容部および開口部を含む食品包装容器10を形成するものの、Hは収容部の深さを表し、10~20cmであり、Dは開口部の直径を表したものである。
【0033】
例えば、前記数学式1において、H/Dの値は0.7以上であり得、具体的には、H/Dの範囲は0.7~1.5、0.75~1.4、0.8~1.3、0.85~1.2、0.9~1.1または1であり得る。前記のようなH/D値を有することから、本発明の食品包装容器10は成形性が優秀であるためディープ成形が可能であることが分かる。
【0034】
一つの例示において、本発明に係る発泡シートの融点は238~250℃であり得る。具体的には、発泡シートの融点は238~250℃、238~248℃、239~246℃、239~244℃または242℃であり得る。
【0035】
他の一つの例示において、本発明に係る発泡シートは接触あるいは非接触加熱後に発泡シートの表面温度が160℃であるとき、10秒の条件で高温伸び率は300~600%であり得る。具体的には、発泡シートは160℃であるとき、10秒の条件で300~600%、320~550%、340~500%、360~450%、380~400%であり得る。
【0036】
本発明に係る食品包装容器の発泡シートは前記のようなポリエステルおよび炭酸カルシウムを含むことによって、本発明に係る発泡シートは優秀な加工性を示すことができる。
【0037】
一つの例として、本発明に係る食品包装容器10は底部11および底部11の周りに沿って上端が開放された状態の壁部12を含み、前記底部11の平均厚さおよび壁部12の平均厚さはそれぞれ2.0mm以下であり得る。より具体的には、前記底部11の平均厚さおよび壁部12の平均厚さはそれぞれ0.8~2.0mm、0.9~1.8mm、1.0~1.6mm、1.1~1.4mmまたは1.2~1.3mmであり得る。一方、食品包装容器10の底部11および壁部12が前記範囲であるとき、軽量化を具現するとともに強度および剛性が低下することを防止することができる。
【0038】
また、前記底部11の平均厚さTaおよび壁部12の平均厚さTbの比率Ta:Tbは1:0.95~1.05範囲であり得る。一例として、前記底部11の平均厚さTaおよび壁部12の平均厚さTbの比率Ta:Tbは1:0.95~1.0範囲または1:0.97~0.99の範囲であり得る。
【0039】
すなわち、本発明に係る食品包装容器10はディープ成形によって製造されたにもかかわらず、底部11と壁部12の厚さが略一定であり得る。
【0040】
一つの例示において、本発明の食品包装容器10はH/D値が1である場合、圧縮強度が8~25kgf/cm2であり得る。具体的には、本発明の食品包装容器10はH/D値が1である場合、圧縮強度が8~22kgf/cm2または8kgf/cm2~18kgf/cm2であり得る。一例として、食品包装容器10はH/D値が1である場合、圧縮強度が12kgf/cm2または9kgf/cm2であり得る。前記のような圧縮強度を有することによって、本発明の食品包装容器10は耐久性が優秀となり得る。一方、前記食品包装容器10は通常の容器の形状であり得、具体的には、円筒状の食品包装容器または四角状の食品包装容器であり得る。
【0041】
併せて、本発明の食品包装容器10はポリエステル樹脂を含み、前記ポリエステル樹脂は0.5~9.0重量%の炭酸カルシウム(CaCO3)を含むことができる。
【0042】
具体的には、前記炭酸カルシウム(CaCO3)は無機粒子であって、前記のような無機粒子を含むことによって、本発明の発泡シートはシートの表面が均一であり、優秀な熱成形性を示すことができる。
【0043】
前記炭酸カルシウムの熱伝導率は1.0~3.0kcal/mh℃であり得る。具体的には、炭酸カルシウムの熱伝導率は1.2~2.5kcal/mh℃、1.5~2.2kcal/mh℃または1.8~2.0kcal/mh℃であり得る。より具体的には、炭酸カルシウムの熱伝導率は1.5~2.5kcal/mh℃または1.8~2.3kcal/mh℃であり得る。前記のように、炭酸カルシウムを含む発泡シートは優秀な熱伝導率を示すことによって、均一な表面を有し、優秀な熱成形性を示すことができる。
【0044】
例えば、前記炭酸カルシウムの含量は0.5~9重量%であり得る。具体的には、炭酸カルシウムの含量は0.5~8重量%、0.6~7重量%、0.7~6重量%、0.8~5重量%、0.9~4重量%、1.0~3.0重量%、2重量%~3.5重量%であり得る。一例として、1.0重量%または3重量%であり得る。
【0045】
本発明は前記のようなポリエステル樹脂および炭酸カルシウムを含むことによって、本発明に係る食品包装容器は優秀な耐熱性を示すことができる。例えば、下記の数学式2を満足することができる。
【0046】
[数学式2]
|V1-V0|/V0×100≦5%
前記数学式2において、V0は100℃の水に露出する前の発泡シートの体積(mm3)であり、V1は100℃の水に5分の間露出させた後の発泡シートの体積(mm3)である。
【0047】
具体的には、前記食品包装容器の試片を100℃で5分の間露出させる前と後の寸法変化率を測定して表すことができる。
【0048】
これは、前記発泡シートを含む食品包装容器の熱に実際の使用環境と対応する測定値である。例えば、前記体積は、発泡シートの長さ、幅および厚さのそれぞれの長さをかけて計算された値を意味し得る。例えば、前記数学式1による寸法変化率は0.01~5%、0.01~3%または0.01~1%の範囲であり得る。前記範囲内の数学式2の値を満足することによって、本発明に係る発泡シートは高い温度環境での使用にも形態の変化がほとんど発生しないことが分かる。その結果、本発明に係る発泡シートは耐熱性が優秀であることが分かる。
【0049】
併せて、本発明に係る食品包装容器10は下記の数学式3を満足することができる。
【0050】
[数学式3]
0.01%≦|V1-V0|/V0×100≦5%
前記数学式3において、V0は-10℃で3時間の間露出させた後の樹脂発泡シートの体積(mm3)であり、V1は110℃で3時間の間露出させた後の樹脂発泡シートの体積(mm3)である。
【0051】
具体的には、前記数学式3は食品包装容器の発泡シートのサンプルを-10℃で3時間の間露出させた時と110℃で3時間の間露出させた時の寸法変化率を意味し得る。前記体積は前述した通り、樹脂発泡体の長さ、幅および厚さのそれぞれの長さをかけて計算された値を意味し得る。例えば、前記数学式3による寸法変化率は0.01~5%、0.01~3%または0.01~1%の範囲であり得る。前記範囲内の数学式3の値を満足することによって、本発明に係る樹脂発泡体は大きな温度差がある電子レンジまたは冷凍庫などの使用にも、形態の変化がほとんど発生しないことが分かる。その結果、本発明に係る樹脂発泡体は温度差による耐久性が優秀であることが分かる。
【0052】
それだけでなく、本発明に係る食品包装容器10は下記の数学式4を満足することができる。
【0053】
[数学式4]
|T2-T1|≧10℃
前記数学式4において、T1は20℃、1atm条件で、食品包装容器に100℃の水を入れて、1分経過した時に測定した食品包装容器の外側の表面温度であり、T2は20℃、1atm条件で、食品包装容器に100℃の水を入れて、1分経過した時に測定した食品包装容器の内部の水の温度である。
【0054】
本発明に係る食品包装容器10は常温(20℃)、1気圧条件で、容器内部に100℃の水を70%(v/v)入れた状態で、1分経過した時点で、容器内部の水の温度と容器外部の表面温度差が10℃以上であり得る。これは本発明に係る食品包装容器が熱遮断性が優秀であることを示すものであるが、具体的には、製造された食品包装容器に100℃の水を70%(v/v)入れた状態で1分経過した時点で、容器内部の水と容器外部の表面温度差を測定することができる。
【0055】
一つの例として、本発明に係る食品包装容器10に100℃の水を70%(v/v)入れた状態で、1分経過した時点で容器内部に収容された水の温度は95℃であり、容器外部の表面温度は40℃であり得る。本発明に係る食品包装容器10は前記条件で容器内部と外部の温度差を比較的高く維持することによって、熱遮断性が優秀であることが分かり、これによって食品の保温を効果的に向上させる効果を示す。
【0056】
本発明に係る食品包装容器10はポリエステル樹脂の発泡シートを含むことができ、前記ポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)樹脂であり得る。前記PET樹脂を使うことによって、環境に優しく、再使用に容易となり得る。
【0057】
食品医薬品安全処の器具および容器包装とその原材料に関する規格を基準として、溶出規格の測定時、総溶出量が30ppm以下であり、アンチモンゲルマニウム、テレフタル酸、イソフタル酸、アセトアルデヒド物質が検出されず、残留規格の測定時、揮発性物質が検出されないことを特徴とする。
【0058】
具体的には、本発明に係る耐熱材は前記のように、環境に優しい素材であるポリエステル樹脂を使うことによって、食品医薬品安全処で発行している器具および容器包装の基準および規格告示全文告示第2015-7号に記載された憂慮物質を許容範囲内に調節することができる。
【0059】
このような素材を利用した発泡シートを利用して食品包装容器を製造することによって、環境に優しい食品容器を提供することができる。
【0060】
一つの例として、本発明に係る食品包装容器は、バリアー(Barrier)性能、親水化機能または防水機能を有することができ、界面活性剤、親水化剤、熱安定剤、防水剤、セル大きさ拡大剤、赤外線減衰剤、可塑剤、防火化学薬品、顔料、弾性ポリマー、押出補助剤、酸化防止剤、空転防止剤およびUV吸収剤からなる群から選択される一つ以上の機能性添加剤をさらに含むことができる。具体的には、本発明の樹脂発泡シートは増粘剤、熱安定剤および発泡剤を含むことができる。
【0061】
前記増粘剤は特に限定はしないが、本発明では例えばピロメリット酸二無水物(PMDA)が使われ得る。
【0062】
前記熱安定剤は、有機または無機リン化合物であり得る。前記有機または無機リン化合物は、例えば、リン酸およびその有機エステル、亜リン酸およびその有機エステルことであり得る。例えば、前記熱安定剤は商業的に入手可能な物質であって、リン酸、アルキルホスフェートまたはアリールホスフェートであり得る。具体的には、本発明で熱安定剤はトリフェニルホスフェートであり得るが、これに制限されるものではなく、前記樹脂発泡シートの熱的安定性を向上させることができるものであれば、通常の範囲内で制限なく使用可能である。
【0063】
前記発泡剤の例としては、N2、CO2、フレオン、ブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、メチルクロライドなどの物理的発泡剤またはアゾジカルボンアミド(azodicarbonamide)系化合物、P,P’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)[P,P’-oxy bis(benzene sulfonyl hydrazide)]系化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(N、N’-dinitroso pentamethylene tetramine)系化合物などの化学的発泡剤があり、具体的には、本発明ではCO2が使われ得る。
【0064】
また、本発明は食品包装容器の製造方法を提供する。
【0065】
図2は本発明に係る食品包装容器の製造方法を順次図示した図面であって、
図2を参照すると、本発明は、300~700kg/m
3密度の発泡シート1を食品包装容器成形装置20の雌型金型21と雄型金型22の間に配置する配置段階(a);および雄型金型22を加圧して食品包装容器10を成形する成形段階(b、c);を含み、前記成形段階は前記雄型金型22の表面温度を60℃以上に設定することを特徴とする食品包装容器の製造方法を提供する。
【0066】
具体的には、雌型金型21と雄型金型22の間に配置された発泡シート1は,熱成形されることによってカップ状の食品包装容器10に成形され得る。前記熱成形としては、真空成形、圧空成形または真空成形と圧空成形を組み合わせた真空圧空形成、雄型金型(プラグ)を用いつつ、または雄型金型22を使った後、真空および/または圧空成形するなどの熱成形がある。
【0067】
図2を参照すると、
図2の(a)は発泡シート1を成形する前、発泡シート1を成形装置の雌型金型21と雄型金型22の間に配置する配置段階を示す。
図2(b)は延伸工程および熱工程を示す図面であり、
図2(b)のように、雄型金型22を下降させて発泡シート1を延伸し、雌型金型21からの真空吸引によって雌型金型21のキャビティの形状に賦形され、熱が加えられる。
図2(c)は雄型金型22の加圧と雌型金型21から圧縮空気によって、成形されている発泡シート1が雄型金型22の形状に賦形されて最終成形品である食品包装容器10が成形されることを示す。次いで、成形された食品包装容器10は冷却後に雄型金型22を上昇させて取り出され得る。
【0068】
一方、発泡シート1は押出機に導入されたポリエステル樹脂を溶融させて押出発泡して製造した発泡シート1を使うことができる。
【0069】
具体的には、食品包装容器10の製造方法は、発泡シートを製造する段階を含むことができ、これは炭酸カルシウムを含むポリエステル樹脂チップを溶融させて溶融物を形成した後、押出発泡することができる。例えば、ポリエステル樹脂を溶融する過程は260℃~300℃の温度で遂行され得る。
【0070】
一つの例示において、発泡シート1を製造する段階は無機粒子を含むポリエステル樹脂を発泡させて発泡シート1を製造する発泡工程を含むことができる。前記発泡工程は、多様な形態の押出機を利用して遂行可能である。発泡工程は、大きくビーズ発泡または押出発泡を通じて遂行することができ、押出発泡が好ましい。前記押出発泡は、樹脂溶融物を連続的に押出および発泡させることによって、工程の段階を単純化させることができ、大量生産が可能であり、ビーズ発泡時のビーズの間で亀裂と粒状破壊現象などを防止して、より優秀な圧縮強度を具現することができる。
【0071】
一つの例として、本発明に係る発泡シートを製造する段階は、多様な形態の添加剤が投入され得る。前記添加剤は必要に応じて、流体連結ライン中に投入されたり、あるいは発泡工程中に投入され得る。添加剤の例としては、バリアー(Barrier)性能、親水化機能または防水機能を有することができ、増粘剤、界面活性剤、親水化剤、熱安定剤、防水剤、セル大きさ拡大剤、赤外線減衰剤、可塑剤、防火化学薬品、顔料、弾性ポリマー、押出補助剤、酸化防止剤、核化剤、空転防止剤およびUV吸収剤からなる群から選択される一つ以上の機能性添加剤を含むことができる。具体的には、本発明の発泡シート製造方法は、増粘剤、核化剤、熱安定剤および発泡剤のうち1種以上を投入することができ、前記列挙された機能性添加剤のうち1種以上をさらに含むことができる。
【0072】
例えば、本発明の発泡シートを製造する段階は増粘剤、親水化剤、熱安定剤、防水剤、セル大きさ拡大剤、赤外線減衰剤、可塑剤、防火化学薬品、顔料、弾性ポリマー、押出補助剤、酸化防止剤、空転防止剤およびUV吸収剤からなる群から選択される一つ以上の添加剤を流体連結ライン中に投入することができる。発泡シート製造時に必要な添加剤のうち、流体連結ライン中に投入されない添加剤は、押出工程中に投入可能である。
【0073】
特に、成形段階で雄型金型22の表面と雌型金型21のキャビティの表面温度は互いに異なり得る。好ましくは、雄型金型22の表面温度はそれぞれ60~150℃、70~140℃、80~90℃または100~120℃であり得、雌型金型のキャビティの表面温度は60~200℃、80~190℃、100~180℃、120~170℃または130~160℃であり得る。
【0074】
一つの例示において、雄型金型22の表面温度が110℃であり得、雌型金型21の表面温度が145℃であり得、雄型金型22は0.5~15秒の間雌型金型22に接触させることが好ましい。併せて、雌型金型21は一側に内部空間であるキャビティを減圧するための減圧ホール23が形成された構造であり得る。
【0075】
これに伴い、前述した食品包装容器の製造方法によって所定厚さ以下および所定範囲の密度の発泡シートを含み、H/D≧0.7(H:収容部の深さ、D:開口部の直径)を満足する食品包装容器を製造することができる。
【0076】
以下、本発明を実施例および実験例によってより詳細に説明する。
【0077】
ただし、下記の実施例および実験例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容は下記の実施例および実験例に限定されるものではない。
【発明の実施のための形態】
【0078】
製造例1
炭酸カルシウム3重量%とポリエステル樹脂を混合し、ポリエステル樹脂100重量部を基準として、ピロメリチックジアンヒドリド0.5重量部およびIrganox(IRG 1010)0.1重量部を混合し、280℃で加熱して樹脂溶融物を製造した。その後、第1押出機に発泡剤としてブタンをPET樹脂100重量部を基準として1.5重量部投入して押出発泡したし、平均1.5mm厚さのポリエステル樹脂発泡シートを製造した。この時、製造されたポリエステル樹脂発泡シートの密度は380kg/m3であった。
【0079】
製造例2
発泡ガスであるブタンを1重量部を使ったことを除いては製造例1と同様にして発泡シートを製造した。この時、製造されたポリエステル樹脂発泡シートの密度は460kg/m3であり、平均厚さは1.0.mmであった。
【0080】
実施例1
製造例1で製造された発泡シートをIR方式のセラミックHeaterゾーンを通過し、上部Heater 400℃、下部Heater 280℃、滞留時間30秒にSettingして発泡シートの表面温度が160℃となるようにした後、雄型金型(Plug)の温度を60℃、雌型金型(Mold)の温度を120℃で10秒間Pressして容器を製造した。
金型のH/Dは1.0であり、収容部の深さHは10cm、開口部の直径Dは10cmであるカップ容器デザインを適用した。
【0081】
実施例2
製造例2で製造した発泡シートを実施例1と同じ方法で成形して食品容器を製造した。
【0082】
比較例1
発泡ガスであるブタンを2重量部を使ったことを除いては製造例1と同様にして発泡シートを製造した。この時、製造されたポリエステル樹脂発泡シートの密度は200kg/m3、厚さは1.5mmであった。
そして、製造された発泡シートを食品包装容器に成形した。この時、H/Dの値が0.7であり、直径Dが10cmであることを除いては実施例1と同じ方法で成形して食品包装容器を製造した。
【0083】
比較例2
比較例1で製造された発泡シートを実施例1と同じ方法で成形して食品容器を製造した。
【0084】
比較例3
比較例1で製造した発泡シートを、雄型金型(Plug)の温度を60℃、雌型金型(Mold)の温度を60℃の条件に変更したことを除いては実施例1と同じ方法で成形して食品容器を製造した。
【0085】
比較例4
厚さ1mmのPP非発泡シートを利用して上部Heater 200℃、下部Heater 150℃、滞留時間30秒にSettingしてシートの表面温度が100℃となるようにした後、雄型金型(Plug)の温度40℃、雌型金型(Mold)の温度40℃で10秒間Pressして容器を製造した。
【0086】
実施例および比較例でシートの種類および成形条件を下記の表1のように異ならせて食品包装容器を製造した。
【0087】
【0088】
前記表1を参照すると、本発明に係る食品包装容器は高密度の発泡シートを利用して食品包装容器を成形する場合、破断がなく、成形が優秀であることを確認した。しかし、比較例1と比較例2において、密度が200kg/m3の発泡シートを利用して食品包装容器を成形する場合、成形時に発泡シートが破断して食品包装容器を成形することができなかった。
【0089】
実験例1.耐熱性測定
実施例と比較例で製造した食品包装容器を利用して、耐熱性測定実験を遂行した。測定方法は下記に記載したし、その結果は表2に表した。
【0090】
下記の数学式2による寸法変化率を測定した。
【0091】
[数学式2]
|V1-V0|/V0×100≦5%
前記数学式2において、V0は100℃の水に露出する前の発泡シートの体積(mm3)であり、V1は100℃の水に5分の間露出させた後の発泡シートの体積(mm3)である。
【0092】
この時、実施例1および比較例3に係る食品包装容器の100℃露出前の試片の体積(mm3)は100×100×1.5(横×縦×高さ)であり、実施例2および比較例4に係る食品包装容器の100℃露出前の試片の体積(mm3)は100×100×1(横×縦×高さ)であった。
【0093】
【0094】
前記表2を参照すると、本発明に係る食品包装容器は高密度の発泡シートを成形した時、破断なく、成形が優秀であることを確認した。まず、実施例1に係る食品包装容器は高い温度で長時間露出しても寸法変化率がそれぞれ1%、2%と表れることによって、優秀な耐熱性を具現できることが分かる。これと比較して、比較例1と比較例2に係る食品包装容器の場合、食品包装容器の成形時に発泡シートが破断してH/D値がそれぞれ0.7、1である食品包装容器を成形することができなかったし、比較例3の場合、寸法変化率が8%であって、優秀な耐熱性を具現できないことが分かる。これを通じて、本発明の食品包装容器は高温で使う場合に形態の変形が現れないが、比較例に係る食品包装容器の場合は容易に形態が変形され得ることが分かる。
【0095】
実験例2.圧縮強度測定
圧縮強度は引張強度試験機を利用して、容器の底面が上に行くように位置させた後、Test Speed 50mm/minで圧縮した時の最大荷重を測定した。そして、その結果を表3に示した。
【0096】
【0097】
実験例3.熱遮断性測定
実施例と比較例に係る成形体の熱遮断性を評価するために、食品包装容器の内部に100℃の水を70%(v/v)入れた状態で、1分経過した時点で、容器内部の任意の地点と容器外部の任意の地点の温度を測定した。そして、その結果を表4に示した。
【0098】
下記の数学式4による容器の表面と容器内部の水の温度を測定して熱遮断性を測定した。
【0099】
[数学式4]
|T2-T1|≧10℃
前記数学式4において、T1は20℃、1atm条件で、食品包装容器に100℃の水を入れて、1分経過した時に測定した食品包装容器の外側の表面温度であり、T2は20℃、1atm条件で、食品包装容器に100℃の水を入れて、1分経過した時に測定した食品包装容器の内部の水の温度である。
【0100】
【0101】
前記表4を参照すると、実施例に係る食品包装容器は食品包装容器の内部の水の温度と食品包装容器の外部の表面温度差が10℃以上と示され、優秀な熱遮断性を示すことが分かる。これと比較して、比較例3および4に係る成形体は|T2-T1|がそれぞれ40℃と0℃と表れた。比較例3は熱遮断性は優秀であるものの、実験例2で詳述したように耐熱性が優秀でなく、非発泡製品である比較例4の場合、高密度の樹脂を利用して食品包装容器を成形することによって、破断がなく、成形は優秀であったものの、熱遮断性が優秀でないことを確認することができた。
【0102】
これを通じて、本発明に係る食品包装容器は300~700kg/m3範囲の密度を有する発泡シートを含むことによって、H/Dが0.7以上を満足することができる。併せて、このような食品包装容器は耐熱性、圧縮強度および熱遮断性などが優秀であることが分かる。
【0103】
本発明に係る食品包装容器は300~700kg/m3範囲の密度を有する発泡シートを含むことによって、H/D≧0.7(H:収容部の深さ、D:開口部の直径)を満足する食品包装容器およびその製造方法を提供できる利点がある。
【0104】
特に、本発明に係る食品包装容器は厚さが均一であり、耐熱性および熱遮断性が優秀な利点がある。