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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】リトラクタプリテンショナアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/46 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
B60R22/46 142
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020076510
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2020183224
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-04-23
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】16/406,285
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ビン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ディー.・ホール
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・イー.・ブロー
(72)【発明者】
【氏名】ケネス・エイチ.・コンドルファ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ダブリュー.・コウニング
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】大谷 光司
【審判官】出口 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0336539(US,A1)
【文献】特開2017-218087(JP,A)
【文献】国際公開第2018/170085(WO,A1)
【文献】特開2018-103947(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037485(WO,A1)
【文献】特開2017-100683(JP,A)
【文献】特表2019-511415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288769(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R22/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリテンショナロッドと、ハウジングと、ガイド板と、プリテンショナチューブと、を有する自動車両のシートベルトプリテンショナ用のプリテンショナホイールであって、
環形状を有する本体部分と、
前記プリテンショナホイールの前記本体部分から半径方向に延在する一対のフランジと、
前記本体部分の回転中心軸から延在する半径に沿って前記一対のフランジの間に延在する複数のベーンであって、前記複数のベーンが、前記中心軸に垂直な前記プリテンショナホイールの断面平面上に三角形として形成された第1の側壁及び第2の側壁を各々有し、前記第1及び第2の側壁が、半径方向外側先端を形成している、複数のベーンと、
前記複数のベーンのうちの隣接する2つの間に形成されたキャビティと、を備え、
前記三角形は、前記回転中心軸から延在する前記半径に対して非対称であり、
前記複数のベーンの各々の前記先端が、前記プリテンショナホイールの前記回転中心軸から延在する前記半径上にあり、前記半径と前記第1の側壁との間に形成された第1の角度と、前記半径と前記第2の側壁との間に形成された第2の角度と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度よりも大きく、前記第1の側壁が前記第2の側壁よりも長く、前記複数のベーンの各々の前記先端が丸みを帯びた形状で形成され、
前記ベーンの前記第2の側壁が、前記プリテンショナロッドが前記プリテンショナチューブから出たときに、前記プリテンショナロッドの遠位端部分の面取り面と接触するように角度付けされている、プリテンショナホイール。
【請求項2】
前記第1の角度が、28度超~38度未満であり、前記第2の角度が、17度超~27度未満である、請求項1に記載のプリテンショナホイール。
【請求項3】
前記第1の角度が30度であり、前記第2の角度が25度である、請求項2に記載のプリテンショナホイール。
【請求項4】
前記半径方向外側先端の先端角度が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に形成され、前記先端角度が35度~65度である、請求項1に記載のプリテンショナホイール。
【請求項5】
各ベーンの前記先端の前記丸みを帯びた形状は、前記プリテンショナロッドが前記プリテンショナホイールと係合したときに、前記プリテンショナロッドを変形させるための外半径を画定する、請求項1に記載のプリテンショナホイール。
【請求項6】
前記先端の半径が0.35mm~0.55mmである、請求項5に記載のプリテンショナホイール。
【請求項7】
前記プリテンショナロッドの変形した深さが、前記プリテンショナホイールの前記ベーンと係合した前記プリテンショナロッドの半径方向厚さの10%~50%である、請求項5に記載のプリテンショナホイール。
【請求項8】
ベーン高さが、前記半径方向外側先端の各々を接続することによって画定される先端円の先端半径から、前記ベーンの根元区分の各々を接続することによって画定される根元円の根元半径を減算することによって画定され、前記ベーン高さが、前記プリテンショナホイールの前記ベーンと係合している前記プリテンショナロッドの半径方向厚さの半分以下であるので、前記プリテンショナホイールの前記ベーンは、プリテンションの間、前記プリテンショナロッドが前記プリテンショナホイールと係合しているときに前記プリテンショナロッドが切断されるのを防止する、請求項1に記載のプリテンショナホイール。
【請求項9】
前記プリテンショナホイールの前記ベーンが、5~13個の奇数個のベーンで形成されている、請求項1に記載のプリテンショナホイール。
【請求項10】
前記プリテンショナホイールが、11個のベーンで形成されている、請求項9に記載のプリテンショナホイール。
【請求項11】
前記キャビティの各々が、前記プリテンショナロッドを受容するためのポケットを形成し、前記キャビティの前記ポケットが、前記中心軸に平行な前記プリテンショナホイールの断面平面上にU字形状として形成されている、請求項1に記載のプリテンショナホイール。
【請求項12】
前記ポケットの底部が、半円形又はアール形状で形成されている、請求項11に記載のプリテンショナホイール。
【請求項13】
プリテンショナロッドと、ハウジングと、ガイド板と、プリテンショナチューブと、を有する自動車両のシートベルトプリテンショナ用のプリテンショナホイールであって、
環形状を有する本体部分と、
前記プリテンショナホイールの前記本体部分から半径方向に延在する一対のフランジと、
前記本体部分の回転中心軸から延在する半径に沿って前記一対のフランジの間に延在する複数のベーンであって、前記複数のベーンが、前記中心軸に垂直な前記プリテンショナホイールの断面平面上に三角形として形成された第1の側壁及び第2の側壁を各々有し、前記第1及び第2の側壁が、半径方向外側先端を形成している、複数のベーンと、
前記複数のベーンのうちの隣接する2つの間に形成されたキャビティと、を備え、
前記三角形は、前記回転中心軸から延在する前記半径に対して非対称であり、
前記複数のベーンの各々の前記先端が、前記プリテンショナホイールの前記回転中心軸から延在する前記半径上にあり、前記半径と前記第1の側壁との間に形成された第1の角度と、前記半径と前記第2の側壁との間に形成された第2の角度と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度よりも大きく、前記第1の側壁が前記第2の側壁よりも長く、前記複数のベーンの各々の前記先端が丸みを帯びた形状で形成され、
前記第1及び前記第2の側壁の各々が、第1及び第2のサムネイル平坦面をそれぞれ形成するプリテンショナホイール。
【請求項14】
前記第2のサムネイル平坦面の領域が、前記第1のサムネイル平坦面の領域よりも大きい、請求項13に記載のプリテンショナホイール。
【請求項15】
前記ベーンの前記第2の側壁が、前記プリテンショナロッドが前記プリテンショナチューブから出たときに、前記プリテンショナロッドの遠位端部分の面取り面と接触するように角度付けされている、請求項13に記載のプリテンショナホイール。
【請求項16】
自動車両のシートベルトプリテンションリトラクタアセンブリであって、
スピンドルと、
フレームと、
ハウジングと、
ガス発生器と流体連通する第1のチューブ端部及び前記ハウジング内で流体連通する出口を有する弓状及び湾曲した形状を有するプリテンショナチューブと、
前記プリテンショナチューブ内に配置され、前記ガス発生器に向かって配置された近位端、及び前記プリテンショナチューブの前記出口に配置された遠位端を有する、プリテンショナロッドと、
前記ハウジングに回転可能に据え付けられ、前記スピンドルに固定的に結合された、プリテンショナホイールと、を備え、
前記プリテンショナホイールが、
環形状を有する本体部分と、
前記プリテンショナホイールの前記本体部分から半径方向に延在する一対のフランジと、
前記本体部分の回転中心軸から延在する半径に沿って前記一対のフランジの間に延在する複数のベーンであって、前記複数のベーンが、前記中心軸に垂直な前記プリテンショナホイールの断面平面上に三角形として形成された第1の側壁及び第2の側壁を各々有し、前記第1及び第2の側壁が、半径方向外側先端を形成する、複数のベーンと、
前記複数のベーンのうちの隣接する2つの間に形成されたキャビティと、を備え、
前記三角形は、前記回転中心軸から延在する前記半径に対して非対称であり、
前記複数のベーンの各々の前記先端が、前記プリテンショナホイールの前記回転中心軸から延在する前記半径上にあり、前記半径と前記第1の側壁との間に形成された第1の角度と、前記半径と前記第2の側壁との間に形成された第2の角度と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度よりも大きく、前記第1の側壁が前記第2の側壁よりも長く、前記複数のベーンの各々の前記先端が丸みを帯びた形状で形成され、
前記ベーンの前記第2の側壁が、前記プリテンショナロッドが前記プリテンショナチューブから出たときに、前記プリテンショナロッドの遠位端部分の面取り面と接触するように角度付けされている、シートベルトプリテンションリトラクタアセンブリ。
【請求項17】
各ベーンの前記先端の前記丸みを帯びた形状は、前記プリテンショナロッドを変形させるための外半径を画定し、前記プリテンションナロッドの変形した深さが、前記プリテンショナロッドの半径方向厚さの10%~50%である、請求項16に記載のシートベルトプリテンションリトラクタアセンブリ。
【請求項18】
前記第1及び第2の側壁の各々が、第1及び第2のサムネイル平坦面をそれぞれ形成し、前記第2のサムネイル平坦面の領域が、前記第1のサムネイル平坦面の領域よりも大きい、請求項16に記載のシートベルトプリテンションリトラクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の乗員を拘束するためのシートベルト拘束装置に関し、より具体的には、シートベルトにプリテンションをかけるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションにおける記述は、単に、本開示に関連する背景情報を提供するものであって、先行技術を構成しない場合がある。
【0003】
車両座席内の乗員を拘束するためのシートベルト拘束システムは、車両衝突状況において乗員の傷害を低減するために重要な役割を果たす。従来のいわゆる「3点」型のシートベルト拘束システムは、乗員の骨盤にわたって延在するラップベルト区分、及び上部胴体と交差するショルダベルト区分を共通して有し、これらは共に締結されるか、又はシートベルトウェビングの連続的な長さによって形成される。ラップ及びショルダベルト区分は、固定具によって車両構造に接続される。
【0004】
ベルトリトラクタは、ベルトウェビングを格納するために典型的に提供され、更に衝突状況においてベルト張力の負荷を管理するために作用し得る。乗員によって手動で展開されるシートベルト拘束システム(いわゆる「アクティブ」タイプ)はまた、固定具によって車体構造に取り付けられたバックルを典型的に含む。ベルトウェビングに取り付けられたラッチ板は、バックルによって受容されて、ベルトシステムが拘束を可能にするために締結されること、及び車両から出入りすることを可能にするために外されることを可能にする。シートベルトシステムは、配備されていると、衝突の間、乗員を効果的に拘束する。
【0005】
OEM車両メーカーは、乗員拘束性能を向上させるために、車両の衝撃中、又は衝撃の前でもシートベルトを引っ張るプリテンション装置(「前プリテンショナ」としても既知である)を伴うシートベルト拘束システムを提供することが多い。プリテンショナは、ウェビング内の緩みを取り除き、衝突シーケンスの早期においてベルト拘束システムが乗員と結合することを可能にする。プリテンショナのうちの1つのタイプは、ベルトを引っ張るためにウェビングリトラクタ上で作用する。
【0006】
リトラクタプリテンショナの種々の設計が、現在存在し、火工電荷を使用して膨張ガスを発生させるためのガス発生器を組み込むロトプリテンショナとして知られるタイプを含む。このようなロトプリテンショナの例は、1995年4月11日に出願された米国特許第5,881,962号、2005年4月27日に出願された米国特許出願公開第2006/0243843号、2010年7月6日に出願された米国特許出願公開第2012/0006925号、及び2011年8月2日に出願された米国特許第7,988,084号において記載され、本出願の譲受人によって共有され、全ての目的上、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。一般に、火工電荷又は他の可燃性材料の点火は、ピストンを有するチャンバ内にガス圧力を作り出して、プリテンショナチューブ内に配置されたピストン、ラックピニオン、あるいは一連の球体又はロッド等の駆動要素に運動を付与し、これがリトラクタスプールプリテンショナホイールと係合し、それを巻いて、ウェビングを格納する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一連の金属球体を使用するプリテンショナの1つの問題は、フルプリテンションストロークに必要とされる一連の球体の重量、並びに厳密な公差を伴う複数の金属球体を供給することに対応するコストである。更に、一連の金属球体、又はラックピニオンに基づくシステムを使用するプリテンショナの場合、一連の球体又はピニオンがリトラクタスプールプリテンショナホイールと十分に係合することを確実とする同期又はクラッチ特徴部が必要である。
【0008】
プリテンショナに伴う別の問題は、低抵抗状態として知られており、つまり駆動要素が、実質的な抵抗を経験することなく、ストロークの端部に達することになる。これは、シートベルトウェビング内に過剰な緩みがある場合に発生し得る。これらの場合において、低抵抗は、駆動要素からのより低い背圧量をもたらす。背圧は、駆動要素とプリテンショナホイールとの間の係合によって生成されるので、より低い背圧は、駆動要素につながる封止要素上の圧力を低減させる。封止要素の圧力が低下すると、封止要素が周方向に圧縮される量が低減され、その結果、封止力が低下し、一連の球体の周りのチューブからガスが漏れる可能性がある。
【0009】
プリテンショナに伴う更なる問題は、プリテンションストロークの端部で、リトラクタ及びシートベルトウェビングを係止された状態に維持する必要性である。リトラクタスプールが係止されたままでないとき、払い戻しが発生し得、それによりシートベルトが巻き取られず、シートベルト内に緩みを再導入させる。係止位置を維持するための1つの方法は、プリテンションストロークに必要とされる量を超えてガス発生器からの圧力を維持することを含む。しかしながら、これは重量及びコストを増加させ、より高い容量のガス発生器を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、スピンドルと、車両に使用するためのフレームとを含む、シートベルトプリテンションリトラクタアセンブリに関する。具体的には、本開示は、自動車両のシートベルトプリテンショナ用のプリテンショナホイールに関し、プリテンショナホイールには、プリテンショナロッドと、ハウジングと、ガイド板と、プリテンショナチューブと、を含む。
【0011】
本開示の一態様によれば、プリテンショナロッドは、環形状を有する本体部分と、プリテンショナホイールの本体部分から半径方向に延在する一対のフランジと、本体部分の回転中心軸から延在する半径に沿って一対のフランジ間に延在する複数のベーンと、複数のベーンのうちの隣接する2つの間に形成されたキャビティと、を含むプリテンショナホイールと係合するために使用される。複数のベーンは、中心軸に垂直なプリテンショナホイールの断面平面上に三角形として形成された第1の側壁及び第2の側壁を各々有し、第1の側壁及び第2の側壁は、半径方向外側先端を形成する。複数のベーンの各々の先端は、プリテンショナホイールの回転中心軸から延在する半径上にあり、半径と第1の側壁との間に形成された第1の角度と、半径と第2の側壁との間に形成された第2の角度と、を有する。第1の角度は、第2の角度よりも大きい。ベーンの第2の側壁は、プリテンショナロッドがプリテンショナチューブから出たときに、プリテンショナロッドの遠位端部分の面取り面と接触するように角度付けされている。すなわち、第2の角度で形成された第2の側壁は、プリテンショナロッドの面取り面と接触するように角度付けされている。
【0012】
本開示の更なる態様によれば、半径方向外側先端の先端角度は、第1の側壁と第2の側壁との間に形成され、先端角度は、35度~65度である。
【0013】
本開示の更なる態様によれば、各ベーンの先端は、プリテンショナロッドがプリテンショナホイールと係合したときに、プリテンショナロッドを変形させるための外半径を画定する、アール形状として形成される。先端の半径は、好ましくは0.35mm~0.55mmである。プリテンショナロッドの変形した深さは、好ましくは、プリテンショナホイールのベーンと係合したプリテンショナロッドの半径方向厚さの10%~50%である。
【0014】
本開示の更なる態様によれば、ベーンの第1の角度は、好ましくは28度超~38度未満であり、第2の角度は、好ましくは17度超~27度未満である。第1の角度は、好ましくは約30度であり、第2の角度は、好ましくは約25度である。
【0015】
本開示の更なる態様によれば、ベーンの第1の側壁及び第2の側壁の各々は、第1及び第2のサムネイル平坦面をそれぞれ形成する。第2のサムネイル平坦面の領域は、プリテンショナロッドが最初にプリテンショナチューブから出るときに、第2の側壁のより大きいサムネイル平坦領域上のプリテンショナチューブと係合するために第1のサムネイル平坦面の領域よりも大きい。
【0016】
本開示の更なる態様によれば、先端円は、中心軸に垂直なプリテンショナホイールの断面平面上で、半径方向外側ベーン先端の各々を接続することによって画定される。複数のベーンの各々は、中心軸に垂直なプリテンショナホイールの断面平面上の根元区分の各々を接続することによって、根元円を画定する根元区分を形成する。ベーン高さは、先端円の先端半径から根元円の根元半径を減算することによって画定され、ベーン高さは、好ましくは、プリテンションの間、プリテンショナロッドがプリテンショナホイールと係合しているときに、プリテンショナロッドがプリテンショナホイールベーンによって切断されるのを防止するための手段として、プリテンショナホイールのベーンと係合するプリテンショナロッドの断面の半径方向厚さの半分以下になる。
【0017】
本開示の更なる態様によれば、プリテンショナホイールのベーンは、5~13個の奇数個のベーンで形成されている。例示的な実施形態において、プリテンショナホイールは、11個のベーンで形成されている。
【0018】
本開示の更なる態様によれば、ベーンキャビティの各々は、プリテンショナロッドがプリテンショナホイールと係合したときにプリテンショナロッドを受容するポケットとして形成されている。キャビティのポケットは、中心軸に平行なプリテンショナホイールの断面平面上にU字形状として形成されている。ポケットは、本体部分から半径方向に延在する両方のフランジを有する、変形したプリテンショナロッドを収容するための大きな空間を備えて形成されている。加えて、ポケットの底部は、半円形又はアール形状で形成されている。
【0019】
本開示の一態様によれば、自動車両のシートベルトプリテンションリトラクタアセンブリは、スピンドルと、フレームと、ハウジングと、ガス発生器と流体連通する第1のチューブ端部及びハウジング内で流体連通する出口を有する、弓状及び湾曲した形状を有するプリテンショナチューブと、プリテンショナチューブ内に配置され、ガス発生器に向かって配置された近位端及びプリテンショナチューブの出口に配置された遠位端を有するプリテンショナロッドと、ハウジングに回転可能に据え付けられ、スピンドルに固定的に結合されたプリテンショナホイールと、を含む。
【0020】
更なる詳細及び利益は、添付の図面の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。図面は、単に例示目的で提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に記載する図面は、単に例示のためのものであり、いかなる形でも本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0022】
図1】乗員拘束システムの斜視図を示す。
【0023】
図2図1のプリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリを示すために種々の構成要素を取り除いた乗員拘束システムの斜視図である。
【0024】
図3】本開示の例示的な形態による、プリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリの平面図である。
【0025】
図4図3に示すプリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリの分解図である。
【0026】
図5】本開示による、プリテンショナロッド及びストッパの側面切欠図である。
【0027】
図5A図5に示すプリテンショナロッドの遠位端部分の詳細図である。
図5B】本開示の別の例示的な形態による、プリテンショナロッドの遠位端部分の詳細図である。
【0028】
図5C図5の線5C-5Cに沿って取られた、プリテンショナロッドの断面図である。
図5D図5の線5D-5Dに沿って取られた、プリテンショナロッドの断面図である。
図5E図5の線5E-5Eに沿って取られた、プリテンショナロッドの断面図である。
【0029】
図6】本開示による、キャビティを有する複数のベーンを有するプリテンショナホイールの斜視図である。
【0030】
図7図6に示すプリテンショナホイールの平面図である。
図7A図7のX-Z平面上のプリテンショナホイールの断面図である。
【0031】
図8図7の線8-8に沿って取られた、プリテンショナホイールの断面図である。
【0032】
図9A】プリテンショナシステムの第1の非作動状態にあるプリテンショナロッド及びプリテンショナホイールの側断面図である。
図9B】プリテンショナシステムの作動状態にあるプリテンショナロッドが最初にプリテンショナホイールに接触するときのプリテンショナロッド及びプリテンショナホイールの側断面図である。
図9C】プリテンションの間、プリテンショナロッドがプリテンショナホイールの一対のベーンと係合するときのプリテンショナロッド及びプリテンショナホイールの側断面図である。
図9D図9Bの線9D-9Dに沿って取られた、プリテンショナロッドとベーンとの間の係合の断面図である。
【0033】
図10】本開示によるガイド板の斜視図である。
【0034】
図11図3の線A-Aに沿って取られた、第3の状態のプリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリの断面図である。
【0035】
図12図3の線A-Aに沿って取られた、第1の非作動状態にあるプリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリの断面図である。
【0036】
図13図3の線A-Aに沿って取られた、第2の状態の封止部を有するプリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリの断面図である。
【0037】
図14図3の線A-Aに沿って取られた、第3の状態の封止部を有するプリテンショナシステムを含むシートベルトリトラクタアセンブリの断面図である。
【0038】
図面を通じて、対応する参照数字は、同様の又は対応する部品及び特徴部を示すことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示又はその応用若しくは用途を限定することは意図されない。図面を通じて、対応する参照数字は、同様の又は対応する部品及び特徴部を示すことを理解されたい。
【0040】
図1は、本開示の例示的な形態による車両座席10及び車両用シートベルトアセンブリ12を示す。シートベルトアセンブリ12は、上部ガイドループ又は固定具18からラッチ板20まで延在するショルダベルト部分16及びラッチ板20から下部固定具24まで延在するラップベルト部分22を有するシートベルトウェビング14を含む。ラッチ板20は、ループ部分26を含むことができ、それを通じてウェビング14が延在する。ラッチ板20は、シートベルトアセンブリ12を係止及び解除するために、シートベルトバックル28内に挿入されることが可能である。シートベルトバックルのケーブル又はストラップ30は、直接か、又は他の構成要素と協働するかのいずれかで、シートベルトバックル28を車両フレームの一部分に固定する。ラッチ板20及びシートベルトバックル28に対する変更、並びにウェビング14及びそれに関連付けられた車両構造へのそれらの取り付けを含む、シートベルトウェビング14を車両に取り付ける他の様式も使用され得ることが理解されるであろう。
【0041】
シートベルトウェビング14は、車両座席10内に(一体化された構造的座席設計において)位置付けられるか、又は車体に構造的に結合されたリトラクタアセンブリ32(図2及び図3に示される)から巻き出し可能であり、そのためシートベルトウェビング14の有効長が調節可能である。バックルラッチ板20がシートベルトバックル28に締結されると、シートベルトアセンブリ12は、上部固定具18と、バックルラッチ板20と、下部固定具24との間に3点拘束を画定する。リトラクタアセンブリ32、バックルラッチ板20、及び下部固定具24のための代替的な場所等、任意の他の好適な構成が、本開示で使用されてもよい。
【0042】
図2を参照すると、車両から取り外され、リトラクタアセンブリ32を示す、記載された実施形態のシートベルトアセンブリ12の等角図が示されている。リトラクタアセンブリ32は、共通のフレーム38に据え付けられたスプールアセンブリ34及びガス発生器36を含む。スプールアセンブリ34は、ショルダベルト部分16のウェビング14と接続されウェビング14を収容し、一方でウェビング14のラップベルト部分22の端部が、固定点、例えば、フレーム38、又は座席10若しくはフロアパン等の車両の別の部分と固定的に係合される。
【0043】
また図3を参照すると、スプールアセンブリ34は、シートベルトウェビング14のショルダベルト部分16と係合し、シートベルトウェビング14を巻き取り又は巻き出しするために回転するスピンドル40を含む。捩り「クロック」又は「モータ」タイプばねは、ばねエンドキャップ42内に搬送され、スピンドル40がシートベルトウェビング14を格納するように回転的に付勢する。スプールアセンブリ34は、プリテンショナ、慣性及びウェビング感知係止装置、トーションバー荷重リミッタ、又は他のベルト制御装置を含む、先行技術に従って既知の他のスプール制御機構を更に組み込んでもよい。本明細書内で言及される「スプール制御システム」は、ウェビングスプールの回転移動を制御し、このためシートベルトウェビングの引き出し及び格納を制御するいずれのシステムを含み得る。このようなスプール制御システムの1つが、電動アシストリトラクタである。スプール係止装置は、転動球体又は振り子等の慣性感知要素を有する車両感知係止機構を典型的に組み込み、スプール制御システムのプリテンショナホイールを係合させて、シートベルトウェビング14のスピンドル40からの更なる引き出しを防止する。ウェビング感知係止装置は、シートベルトウェビング14の急速な巻き出しを感知して、リトラクタアセンブリ32を係止する。シートベルトウェビング14の引き出し及び/又はラッチ板20のシートベルトバックル28への接続を検出する種々の電子感知機構がまた、リトラクタアセンブリ32内に組み込まれてもよい。
【0044】
車両の通常運転中、リトラクタアセンブリ32は、シートベルトウェビング14の巻き出しを可能にして、乗員に一定量の移動の自由度を与える。しかしながら、衝撃、又は潜在的な衝撃状況が検出された場合、リトラクタアセンブリ32は、係止されて、巻き出しを防止し、乗員を座席10内に固定する。例えば、車両が所定の割合で減速する場合、リトラクタアセンブリ32は係止される。シートベルトウェビング14の自由な巻き出しに部分的に起因して、シートベルトアセンブリ12は、通常の使用中に緩みを生じることが多い。
【0045】
図4は、本発明の例示的な形態による、プリテンショナシステム44を含むリトラクタアセンブリ32の分解図を示す。図3図4を参照すると、リトラクタアセンブリ32は、スプールアセンブリ34に操作可能に接続され、プリテンションのためにスピンドル40を回転させるように操作可能なプリテンショナシステム44を更に組み込む。当業者に既知であるように、リトラクタプリテンショナは、検出された車両衝撃の初期段階において、乗員に対してよりきつい状態へとシートベルトウェビングを巻く。これは、車両の衝撃又は転覆による減速力に応じて、乗員の前方運動又は偏移を低減させるために提供される。
【0046】
図3及び図4に示されるように、プリテンショナシステム44は、プリテンショナチューブ52の第1のチューブ端部51においてガス発生器36と連通するプリテンショナチューブ52を含む。ガス発生器36は、発射信号に応じて膨張用ガスを提供するために使用される。当該技術分野で既知のように、例えば、車両は、衝撃事象、衝突、又は転覆等の緊急事象を示す信号を送るセンサアレイを含む。車両センサは、特定の衝撃センサであってもよく、又は従来型の車両センサ(例えば、長手方向又は横方向の加速度センサ、若しくは別様に、一式の複数のセンサを有する制御システムの一部であってもよい。当業者に既知の、又は当業者に既知となるであろう他のいずれの衝撃センサもまた、本開示のシートベルトアセンブリ12と連動して容易に用いられ得る。中央処理ユニット(central processing unit、CPU)又は他のコントローラ等の電子制御ユニットは、信号を受信し、シートベルトアセンブリ12を、(例えば、プリテンショナの起動を介して)車両のシートベルトウェビング14を締めることによって応答するように制御する。
【0047】
図4において、プリテンショナチューブ52は、例えば、細長い形状を有し、チューブ52内部で可撓性である、その中に配置された(図5にも示されている)ポリマーロッド又は塑性変形可能なポリマーロッド等の、プリテンショナロッド200を有する。より具体的に及び以下で更に詳細に考察されるように、ポリマーロッド200は、その中への挿入より前にプリテンショナチューブ52の外側に配置されるときは、略直線形状を有し、チューブ52内に挿入されると、図4の分解図に示すようにチューブ52の蛇行形状に従って屈曲及び撓むことになる。
【0048】
図3及び図4に示されるように、リトラクタアセンブリ32は、共通のフレーム38に据え付けられたスプールアセンブリ34を含む。より具体的には、スプールアセンブリ34は、共通のフレーム38に対して回転して、スプールアセンブリ34に取り付けられたシートベルトウェビング14を巻くことになる。共通のフレーム38は、プリテンショナシステム44の構成要素をハウジング54の内側に収容するためのハウジング54を含む。
【0049】
図4において、スプールアセンブリ34は、ハウジング54内に配置されたプリテンショナホイール56を含む。プリテンショナホイール56は、スピンドル40に取り付けられる。プリテンショナホイール56の回転は、取り付けられたスピンドル40を回転させて、スピンドル40に取り付けられたシートベルトウェビング14を巻くようにする。
【0050】
図5を参照すると、プリテンショナロッド200は、例示的な実施形態の形態で略円形の断面を有する。他の例示的な実施形態によれば、ロッド200は、ロッド200がチューブ52内に挿入され、挿入されたとき、チューブ52の蛇行形状に適合することを可能にする、矩形断面、三角形断面、又は他の多角形断面等の、非円形断面を有することができる。多角形断面は、ロッド200の長さに沿って回転して螺旋形状を形成してもよい。加えて、ロッド200は、長手方向のレール若しくは周方向のリングなどの突出部、又は長手方向若しくは周方向の溝などの凹部を含んでもよい。
【0051】
図5において、プリテンショナロッド200は、プリテンショナチューブ52の外側に配置されたとき、略直線形状を有し、近位端部分202から遠位端部分204まで長手方向300に延在する。近位端部分202は、プリテンショナロッド200がプリテンショナシステム44内に設置されたとき、ガス発生器36に向かって配置される。例示的な実施形態によれば、プリテンショナロッド200は、非凹設部分206、及び凹部(第1の凹部)210を画定する凹設部分208を画定するために、その長さに沿って変化する断面を有する。図5に示すように、凹設部分208は、近位端部分202から遠位端部分204まで、かつ遠位端部分204を含んで、プリテンショナロッド200の全長の大部分に沿って延在する。実施例では、凹設部分208は、プリテンショナロッド200の遠位端部分204の最遠位端205まで延在する。加えて、近位端部分202は、非凹設部分206を含み、凹部210は、非凹設部分206の最遠位区分で終了する。
【0052】
プリテンショナロッド200はまた、例えば、近位端部分202から近位に延在する、突起又は柱等の、突出部212を含む。ストッパ55は、ストッパ55をプリテンショナロッド200の近位端部分202に結合するための突出部212を受容する、その中に形成された負の特徴部214を有する。本開示の形態によれば、負の特徴部214及び突出部212は、ストッパ55が、ストッパ55をプリテンショナロッド200に固定的に結合するための突出部212上に、例えば、締まり嵌め等の、圧縮締めであるようにサイズ決定される。ストッパ55を突出部212及び/又は近位端部分202に結合及び/又は固定する他の形状は、例えば、接着剤、機械的手段、又は同様のもの等を使用し得る。
【0053】
図5図5A及び図5Bを参照すると、例示的な実施形態に従って、プリテンショナロッド200は、その遠位端部分204に、方向300の最遠位端205の長さに沿って内向きに先細りになる1つ以上の面取り部216a及び216bを更に含む。実施例では、プリテンショナロッド200は、凹部210が位置付けられているときにプリテンショナロッドの同じ側上に配置された面取り部216aを含む。面取り部216aは、プリテンショナロッド200をチューブ52内で前進させるのに必要な力を有利に低減して、プリテンショナシステム44内のプリテンショナロッド200の設置を容易にする。しかしながら、図5Bに示すように、面取り部216aは、本開示の他の形態による直線状の端面218として形成されてもよい。別の実施例では、プリテンショナロッド200は、面取り部216aと反対側のプリテンショナロッド200の側上に配置された面取り部216bを含む。面取り部216bは、有利には、プリテンションの間、プリテンショナロッド200のプリテンショナホイール56との係合を容易にする。
【0054】
図5図5A及び図5Bに示すように、面取り部216bは、湾曲を有する凹形状として形成されている。しかしながら、他の例示的な実施形態による面取り部216bの他の形状が実装されてもよい。面取り部216bの凹形状は、プリテンショナロッド200上の面取り部216aの凹形状がプリテンショナホイール56の外周に沿って形成されるため、プリテンションの間、プリテンショナホイール56とより良好に係合するように構成される。プリテンショナホイール56の外周に沿ったロッド200の凹形状により、プリテンショナロッド200の面取り部216bは、プリテンショナホイール56との一定の隙間をプリテンション前に維持し得る(図9Aを参照)。
【0055】
図5図5C図5D及び図5Eに示すように、更に、プリテンショナロッド200は、プリテンショナホイール56に向かって平行移動する間に、チューブ52を通じてプリテンショナロッド200を屈曲させること、及びプリテンショナロッド200の捩れを防止又は最小化することを更に容易にするための凹設区分220を含む。特に、プリテンショナロッド200の凹部210の反対側の側面上には、凹設区分220が凹部(第2の凹部)222を画定し、それは長手方向300に延在する。凹設区分220は、プリテンショナロッド200の全長の大部分に沿って延在する。本開示の形態では、図5図5C図5D及び図5Eに示すように、遠位端部分204を通じて凹部222を延在させないことによって、平行移動の間にプリテンショナホイール56と係合するために比較的大きい又は広い断面積を有し、それによってプリテンショナホイール56との第1の接触で生じ得るプリテンショナロッド200の剥離量を低減させ、それによってプリテンショナシステム44の性能を向上させることが見いだされた。更に、凹部/溝210を、近位端部分202を通じて延在させないことによって、近位端部分202は、ガス発生器36の作動中にプリテンショナロッド200上の初期圧縮量を低減させるためにストッパ55が接触する比較的大きな又は広い断面積を有し、それによってプリテンショナシステム44の性能を向上させることが見いだされた。本発明の実施形態によれば、プリテンショナロッド200がプリテンショナチューブ52の外側に配置されるとき、凹設区分220は、凹部222を画定する実質的に平坦な平面を有する。しかしながら、凹設区分220の他の形状は、本開示の他の形態に従って実装され得る。
【0056】
図4及び図5を参照すると、プリテンショナロッド200は、好ましくは、他のロトプリテンショナの金属球体駆動要素に対して低減した重量を有する、ポリマー材料から作製される。特定のポリマー材料が、ユーザの特定の要望に適合するように選択されることができる。ポリマー材料は、初期設置を可能にし、並びにガス発生器36による作動に応じてチューブ52を通じて屈曲及び撓むことができるように十分な可撓性を有するものが好ましい。ポリマー材料は、ロッド200がプリテンショナシステム44のプリテンショナホイール56に負荷を十分に伝達するように、作動に応じてチューブ52を通って押されることを可能にするのに十分な剛性を有するものが好ましい。
【0057】
また、ロッド200は、変形可能なポリマー材料から作製されることが好ましい。作動中及び作動後、ロッド200は、作動及びプリテンショナシステム44の他の構成要素との接触に応じて、変形されることになる。したがって、プリテンショナホイール56のベーン102により、プリテンショナロッド200は、ロッド200の材料分離(切断)を伴わすに凹む(弾性的かつ塑性的に変形される)ため、システム44の作動ガス圧力によって加えられる負荷は、プリテンショナロッド200の変形を通じてプリテンショナホイール56に完全に伝達される。この変形は、システム44の使用を参照して更に説明されるが、塑性変形は、システム内の維持された作動ガス圧力に完全に依存することなく、ロッド200の払い戻しを防止又は制限するようにシステムが係止されるようにする。また塑性変形により、ロッド200が変形し、プリテンショナホイール56のベーンと係合することができる。
【0058】
1つの手法において、プリテンショナロッド200は、ナイロン熱可塑性材料から作製される。ロッド200は、脂肪族ポリアミド熱可塑性材料から作製することもできる。別の手法において、ロッド200は、アセタール材料又はポリプロピレン材料等、同様の熱可塑性材料から作製することができる。
【0059】
図6及び図7を参照すると、プリテンショナホイール56は、略環形状を有する本体部分100を含む。プリテンショナホイール56は、一方の側110でプリテンショナホイール56をスピンドル40に動作可能に接続するためにスピンドル40と回転可能に結合するように構成され、他方の側112でばねエンドキャップ42と動作可能に係合するように構成されている。図4及び図6に示すように、プリテンショナホイール56は、ベーン102が本体部分100の中心から延在するように、本体部分100から半径方向に各々突出する複数のベーン102を含む。加えて、プリテンショナホイール56は、図6に示すように、ロッド200がプリテンショナホイール56の複数のベーン102と係合したときにロッド200をガイドするためのフランジ108を更に含む。プリテンショナホイール56のフランジ108は、ベーン102の半径方向外側先端106と比較して、両側110及び112で本体部分100から更に延在する。したがって、ベーン102は、本体部分100の回転中心軸Xから延在する半径に沿って一対のフランジ108の間に延在する。加えて、フランジ108は、プリテンショナホイール56のベーン102上の係合ロッド200が横方向に係合解除されることを防止する。
【0060】
図8を参照すると、ベーン102の各々は、均一なサイズ及び形状を有することができ、プリテンショナホイール56の周りに均一に分布することができる。ベーン102は、ベーン102が本体部分100から半径方向外向きに延在するときに先端106の中に先細になる根元区分114を有する、中心軸Xに垂直なプリテンショナホイール56の断面平面上に略三角形を有する。ベーン102の具体的な幅及びピッチは、所望により選択することができる。複数のベーン102は、複数のベーン102のうちの隣接する2つの間に配置される半球形のキャビティ104を形成するように組み合わされる。
【0061】
図8において、プリテンショナホイール56は、5~13個のベーンのうちの奇数個のベーン102で形成されている。例えば、プリテンショナホイール56は、好ましくは11個のベーンで形成されている。しかしながら、ベーン102の数は、プリテンショナシステム44の所望の負荷及びサイズに従って調整される。図8に示すように、プリテンショナホイール56が11個のベーンで形成されているとき、ベーン102は、プリテンショナホイール56の周囲に約32.73度の間隔で等間隔に配置される。したがって、奇数個のベーン102の配置は、プリテンショナホイール56が回転し、プリテンショナロッド200と係合するときのピンチポイントを回避するように構成される。すなわち、奇数個のベーン102は、奇数個のベーンがあり、ポリマーロッドを圧縮している正反対のベーンがないので、プリテンショナロッド200がプリテンショナホイール56と係合しているときに変形したプリテンショナロッド200に起因してプリテンショナホイール56が係止されるのを防止する。
【0062】
加えて、プリテンショナホイール56の根元円132は、ベーン102の根元区分114の各々を接続することによって画定され、根元円132の直径(根元直径)は、例示的な実施形態では、約28.35mmである。加えて、プリテンショナホイール56の先端円134は、ベーン102の各先端106を接続することによって画定され、先端円134の直径(先端直径)は、例示的な実施形態では、約38.4mmである。したがって、ベーン102のベーン高さ136は、先端円134の半径から根元円132の半径を減算することによって判定される。一般に、ベーン高さ136は、プリテンショナロッド200の半径方向厚さtの半分以下である(図5Dを参照)。しかしながら、上述のベーン102の特定の寸法は、本開示の他の形態に従って変更されている。
【0063】
図6図7及び図8に示すように、ベーン102は、第1の側壁116及び第2の側壁118を形成する。図8において、断面平面上のベーン102の三角形は、2つの側壁116及び118と根元区分114とによって形成されている。図8に示すように、ベーン102の三角形上の第1の側壁116は、第2の側壁118よりも長い。ベーン102の第2の側壁118は、プリテンションの間、プリテンショナホイール56の回転方向に向かって傾斜している(すなわち、第2の側壁118は、プリテンショナチューブ52の出口53に面している)。第1の側壁116は、プリテンションの間、プリテンショナホイール56の回転の反対方向に向かって傾斜している。ロッド200がチューブ52からプリテンショナホイール56に向かって最初に出るとき、ロッド200は、第2の側壁118に最初に接触し、次いで第1の側壁116と係合する。すなわち、プリテンショナロッド200上の面取り部216bの表面は、ベーン102の第2の側壁118に最初に接触し、プリテンショナホイール56を押して回転を駆動する。その後、プリテンショナロッド200は、複数のベーン102と連続的に係合し、ベーン102によって変形される。(図9A図9Cを参照)。
【0064】
図7に示すように、第1の側壁116は、第1のサムネイル平坦面120を有し、第2の側壁118は、第2のサムネイル平坦面122を有する。サムネイル平坦面120及び122は、平坦面上の略半円形である。しかしながら、サムネイル平坦面の形状は、本発明の他の実施形態に従って変化してもよい。第2のサムネイル平坦面122は、中心軸X(一対のフランジ108の間)に沿って第1のサムネイル平坦面120よりも横方向に幅広である。したがって、第2のサムネイル平坦面122の第2の領域は、第1のサムネイル平坦面120の第1の領域よりも概して大きい。第2のサムネイル平坦面122のより大きな領域は、ロッド200が最初に第2の側壁118に接触し、プリテンショナロッド200が摺動することなくプリテンショナホイール56と係合するとき、プリテンショナロッド200の最初に接触した表面の外周(例えば、図9Dを参照して、プリテンショナロッド200の面取り面216bの半分の周り)を囲むように構成されている。
【0065】
図8に示すように、ベーン102は、更に、断面に略三角形を有し、断面平面上のベーン102の三角形は、ベーン102が、2つの異なる角度で傾斜した2つの異なる側壁116及び118を有するため、半径方向外側先端106と、プリテンショナホイール56の中心軸Xとの間の半径方向線Lに対して対称ではない。したがって、半径方向線Lと第1の側壁116との間の第1の角度124が画定され、例えば、例示的な一実施形態における第1の角度124は、28度~38度である。半径方向線Lと第2の側壁118との間の第2の角度126が画定され、例えば、第2の角度126は、17度~27度である。好ましくは、図8に示すように、例示的な実施形態では、第1の角度は30度であり、第2の角度は25度である。したがって、第1の角度124は、プリテンショナロッド200が第2の側壁118に最初に接触するとき、プリテンショナロッド200の遠位端部分204で面取り面216bとより良好に係合するために第2の側壁118が第1の側壁116よりも急勾配であるため、第2の角度126よりも大きい。
【0066】
図7Aは、X-Z平面におけるプリテンショナホイール56の断面図を示す。図7Aに示すように、中心軸Xに平行なプリテンショナホイール56の断面平面上で、複数のベーン102のうちの隣接する2つの間に形成されたキャビティ104は、ポケット138を有し、キャビティ104のポケット138は、好ましくはU字形状として形成される。しかしながら、キャビティ104のポケット138は、本発明の他の形態に従って変化してもよい。加えて、ポケット138のU字形状の底部は、半円形又はアール形状として形成されている。一般に、アール型のU字形状の半径範囲は、3mm~7mmであり、好ましくは、U字形状の半径は5mmである。
【0067】
図9A図9Cは、プリテンショナロッド200がプリテンションのためにチューブ52からちょうど出たとき、プリテンショナロッド200がどのようにプリテンショナホイール56と係合するかを示す。図9Aにおいて、上述のように、プリテンショナロッド200は、プリテンショナチューブ52内に配置され、面取り部216bの湾曲面は、プリテンションの間、プリテンショナホイール56とのより良好な係合のために、プリテンショナホイール56の環状本体部分100の外周に沿って平行に配列される。この状態では、ベーン102の第2の側壁118は、ロッド200を最初に受容するためのプリテンショナチューブ52の出口53に面している。図9Bに示すように、プリテンションの間、プリテンショナロッド200がプリテンショナホイール56に向かって進むとき、ロッド200は、プリテンション方向Pに沿って移動し、プリテンション方向Pでベーン102の第2の側壁118に最初に接触するので、プリテンショナロッド200は、プリテンショナホイール56を中心軸Xに対して回転させる。図9Cに示すように、プリテンショナホイール56の回転により、プリテンショナロッド200は、プリテンショナホイール56のベーン102と連続的に係合される。したがって、プリテンショナロッド200がチューブ52から完全に出て、プリテンショナホイール56と係合するとき、プリテンショナロッド200は、図11に示すように、プリテンショナホイール56の周りに180度を超えて係合され、これにより、システム44はプリテンションされる。
【0068】
図9Cに示すように、プリテンショナロッド200がプリテンショナホイール56と係合するとき、プリテンショナロッド200は、係合したベーン102及びキャビティ104に従って変形される。プリテンショナロッド200は、ベーン102の非対称三角形に沿って変形されるか又は凹み、ロッド200は、キャビティ104内に充填されるように変形されるため、ロッド200の充填部分は、キャビティ104内で略半球体又は楕円形になる。図9に示すように、プリテンショナホイール56のベーン102により、ロッド200の変形した形状は、ベーン102の形状と同様である。したがって、ベーン102のために、ロッド200の変形した区分の変形した深さDは、ベーン102のベーン高さ136の50%~90%となる。加えて、変形した深さDは、プリテンショナロッド200の半径方向厚さtの半分以下である。好ましくは、変形した深さDは、プリテンショナロッド200の半径方向厚さtの10%~50%である。プリテンショナロッド200がプリテンショナホイール56と係合したとき、プリテンショナロッド200は、プリテンションの間、プリテンショナロッド200の材料の分離(切断)を全く伴わずに、プリテンショナホイール56との係合を維持する。したがって、プリテンショナロッド200が変形するか、又は凹んでも、プリテンショナロッド200がロッド材料のいずれかの分離(切断)を伴わずに完全に係合されるので、ガス圧力によって加えられる負荷は、プリテンショナホイール56に完全に伝達される。加えて、ベーン102の先端106は、プリテンショナロッド200が切断されるのを防止するために外半径を画定する丸みを帯びた形状で形成されるので、プリテンショナロッド200は、切断される代わりに変形される。先端の半径範囲は、0.35mm~0.55mmであり、好ましくは先端の半径は0.47mmである。
【0069】
図7及び図8に戻って参照すると、ベーン102は、プリテンションの間、先端106の領域を構造的に補強するために、厚化される。上述のように、第1の角度は、約30度であり、第2の角度は、約25度である。したがって、ベーン102の先端106の角度は、第1の角度124及び第2の角度125を組み合わせることによって約55度となり、その結果、ベーン102は破断されず、プリテンショナロッド200によって加えられる力を支持する。図8に示すように、第1の角度124及び第2の角度126を備えた第1の側壁116及び第2の側壁118を有するベーン102構造が改善されているため、プリテンショナシステム44のトルク伝達は、プリテンショナロッド200と、プリテンショナホイール56の構造的に改善されたベーン102との間の係合によって効果的に改善される。
【0070】
図4図10及び図11を参照すると、プリテンショナシステム44は、ハウジング54の内側に配設されたガイド板58を更に含む。ガイド板58は、プリテンショナホイール56と同様にハウジング54内に配置されたガイド部分90を含む。略弓状の着陸面92を有するガイド部分90は、チューブ52の出口53の反対側に配置され、プリテンショナホイール56は、ガイド部分90とチューブ52との間に配置される。したがって、図11に示すように、チューブ52を出るプリテンショナロッド200は、ガイド板58のガイド部分90に接触する前にプリテンショナホイール56と接触することになる。
【0071】
図10及び図11において、ガイド板58は、ガイド部分90の反対側に配置されるオーバーフローキャビティ98を更に画定する。オーバーフローキャビティ98はまた、チューブ52の屈曲部に隣接して配置され、プリテンショナホイール56は、ガイド部分90とオーバーフローキャビティ98との間に配置される。オーバーフローキャビティ98は、必要に応じて、プリテンショナシステム44の作動中にロッド200の一部分がその中に受容されることを可能にするようにサイズ決定、及び構成される。例えば、ロッド200がチューブ52を出た後、ロッド200がオーバーフローキャビティ98に向かって最終的に方向付けられるように、ガイド部分90に接触し、ガイド部分90に対応する弓状の経路において方向付けられることになる。ロッド200は、オーバーフローキャビティ98内に延在することができ、オーバーフローキャビティ98に隣接するチューブ52の屈曲部に沿って更にガイドされ得る。しかしながら、ロッド200が作動中に必ずしも、オーバーフローキャビティ98に最終的に達するほど十分に進まない場合があることが理解されるであろう。
【0072】
図10及び図11に示すように、ガイド板58は、チューブ52の出口53に配置されたロッドガイド60を更に含む。ロッドガイド60は、ガイド面62と、停止面64と、漏斗形状部分66と、段差部分68と、を含む。図10において、チューブ52に面するガイド面62は、チューブ52の出口53付近に設置されたチューブ52の外表面70と共に湾曲しており、ロッド200がチューブ52から押し出されるときにロッド200をガイドするように構成されている。停止面64は、オーバーフローキャビティ領域98に面し、ロッド200がプリテンション後にオーバーフローキャビティ98に到達したときにロッド200を停止するように構成されている。図10に示すように、ガイド面62と停止面64との間の漏斗形状部分66が形成されている。ロッドガイド60の漏斗形状部分66は、ロッド200を効果的に停止してもよく、ロッド200の遠位端部分204が、プリテンション後にオーバーフローキャビティ98に到達したときに、ロッド200がチューブ52とプリテンショナホイール56との間で圧迫されるのを防止するように構成されてもよい。したがって、ロッドガイド60は、一般に、プリテンショナホイール56のベーン102と係合する前にロッド200がオーバーフローキャビティ98内に進入することを防止し、ロッド200をベーン102と強制的に係合させるように構成されている。
【0073】
図4に戻って参照すると、上述のように、リトラクタアセンブリ32は、発射信号に応じて膨張用ガスを提供するガス発生器36を含む。膨張用ガスは、チューブ52内部の圧力の増加をもたらし、これにより最終的にロッド200が、ガス発生器36からチューブ52を通じて強制的に引き離される。
【0074】
図4において、プリテンショナチューブ52は、ピストン又は封止部72を含む。封止部72は、図4に最もよく示すように、円筒状の外表面を有する円筒形状を有することができる。しかしながら、本開示の他の形態によるピストン又は封止部72の他の好適な形状が実施されてもよい。ガス発生器36の起動により、封止部72がガス漏れに抵抗できるようになる。ガスチャンバ74内部の加圧ガスが、封止部72を膨張させ、これが、封止部72を通過してガスが逃げることを防止するのに役立つ。したがって、本開示の封止部72は、高い封止圧力を保持し、並びにチューブ52内に残留ガス圧力を維持するように動作可能である。
【0075】
図13及び図14を参照すると、例えば、封止部72は球形状に形成されている。封止部72はチューブ52内に摺動可能に配置され、チューブ52に沿った作動経路に沿ってプリテンショナロッド200を駆動するように動作可能である。当業者には理解されるように、封止部72は、チューブ52の内部に圧入されるか、ないしは別の方法で嵌合されてもよい。加えて、封止部72は、略弾性構造を画定し、任意の好適なプラスチック又はポリマー(例えば、ポリエステル、ゴム、熱可塑性、又は他の弾性若しくは変形可能な材料)等の、当該技術分野で既知の種々の材料からなってもよい。更に、封止部72は、金属、プラスチック、又は他の好適な材料からダイカスト、鍛造、又は成形されてもよい。本開示の更なる態様によれば、封止部72は、ツーキャビティ射出成形プロセス又はツーショット(2K)射出成形プロセスを使用して形成され得る。略弾性構造は、封止部72の形状が圧力に応じて僅かに変化することを可能にし、それによってそれが提供する封止を向上させる。
【0076】
図12図14に示すように、ここで、プリテンショナシステム44の一般的な機能について説明する。
【0077】
プリテンショナは、図12に示すように、プリテンショナロッド200がチューブ52内に位置付けられる第1の初期又は公称状態を有する。封止部72は、ロッド200の上流に位置付けられる。ガス発生器36は、ガス発生器36と封止部72との間にガスチャンバ74が画定されるように、チューブ52の第1のチューブ端部51に取り付けられる(図4を参照)。
【0078】
プリテンションを作動させる事象又は信号に応答して、ガス発生器36はガスをガスチャンバ74内に排出する。チャンバ74内の増加した圧力は、封止部72及びロッド200をガス発生器36から、チューブ52によって画定された経路に沿って強制的に引き離す。ロッド200の遠位端部分204は、プリテンショナホイール56に向かって平行移動し、最終的にプリテンショナホイール56のベーン102の1つと接触する。ベーン102に対して加えられるロッド200からの力は、プリテンショナホイール56をその中心軸Xの周りで回転させ、それによって、最終的には、スピンドル40の周りにウェビング14を巻き付ける。この点で、ロッド200は、図13に示すように、その初期の公称位置に対して第2の作動位置にある。
【0079】
プリテンショナロッド200は、ガイド部分90と接触し、ガイド部分90の表面92に対応する弓状の経路に向けられるように、駆動され続ける。ロッド200は、ガイド部分90に沿って平行移動するときにプリテンショナホイール56を回転させ続ける。ロッド200の遠位端部分204は、最終的には、オーバーフローキャビティ98の中に進み、プリテンショナホイール56から係合解除され、図14に示すようにロッドガイド60に接触する。プリテンショナホイール56は、ロッド200とプリテンショナホイール56との間の係合によって駆動され続ける。ロッド200がプリテンショナホイール56と部分的に係合解除された状態で、ロッド200は第3の位置にある。
【0080】
作動中、封止部72はまた、チューブ52に沿って進み、封止部の前進が、チューブ52を通してロッド200を駆動するのを支援する。封止部72は、同様に、図12図14に示すように、第1、第2、及び第3の位置を有する。図13及び図14に示すように、ロッド200の第2及び第3の位置において、封止部72は、その位置に周方向に拡張された状態を有する。
【0081】
上記は、本発明の好ましい実施形態を構成するが、発明は、添付の特許請求の範囲の適切な範囲及び正当な意味から逸脱することなく、修正、変形、及び変更が可能であることが認識されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図7A
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13
図14