(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】医療用容器を支持するように構成される包装デバイスおよび前記包装デバイスから医療用容器を取り外すための方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/00 20060101AFI20230120BHJP
A61J 1/06 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
A61M5/00 520
A61M5/00 516
A61J1/06 M
(21)【出願番号】P 2020518667
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(86)【国際出願番号】 EP2018076747
(87)【国際公開番号】W WO2019068688
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクシム ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】グウェン ル ディメ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ガリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】レミ ハモン
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526319(JP,A)
【文献】特表2012-532725(JP,A)
【文献】特表2013-538627(JP,A)
【文献】実開昭63-026594(JP,U)
【文献】特表2014-517741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
A61J 1/06
B65D 67/00-85/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用容器(100)を支持するように構成される包装デバイス(1)であって、
前記医療用容器(100)は、フランジ(104)を備える近位端(105)と、遠位端(106)と、を有する細長い管状のバレル(102)を含み、
前記包装デバイス(1)は、第1の複数の医療用容器(100a)を第1の平面内で支持するように構成される第1の段(2a)の支持ユニット(20)
と、第2の複数の医療用容器(100b)を前記第1の平面と平行な第2の平面内で支持するように構成される第2の段(2b)の支持ユニット(20)
と、を含み、
前記第1の平面および前記第2の平面は、前記第1の複数の医療用容器(100a)の
前記遠位端(106)が前記第2の複数の医療用容器(100b)の医療用容器間に延びるように互いから離間されており、および
前記第1および第2の段(2a、2b)の前記支持ユニット(20)は、前記第1および第2の複数の医療用容器(100a、100b)の前記医療用容器が同一の方向に配向されるように構成され、
前記第1の段(2a)の支持ユニット(20)は、第1のプレート形状のネストによって形成され、および前記第2の段(2b)の支持ユニット(20)は、第2のプレート形状のネストによって形成され
、
前記第1の段(2a)の前記支持ユニット(20)は、第1のアパーチャ(22a)を画定し、前記第2の段(2b)の前記支持ユニット(20)は、第2のアパーチャ(22b)を画定し、各第1のアパーチャ(22a)は、前記第1の複数の医療用容器(100a)の1つの医療用容器を受け入れるように構成され、および各第2のアパーチャ(22b)は、前記第2の複数の医療用容器(100b)の1つの医療用容器を受け入れるように構成され、
前記第1の段(2a)の前記支持ユニット(20)および前記第2の段(2b)の前記支持ユニット(20)は、前記第1の複数の医療用容器(100a)および前記第2の複数の医療用容器(100b)が上面視において互いに対して千鳥配列に配置されるように構成され、
前記第1の段(2a)の前記支持ユニット(20)は、それぞれ、前記第1のアパーチャ(22a)の周りに延びる第1の軸方向止め具(24a)を含み、前記第2の段(2b)の前記支持ユニット(20)は、それぞれ、前記第2のアパーチャ(22b)の周りに延びる第2の軸方向止め具(24b)を含み、
前記第1の軸方向止め具(24a)の各々は、前記第1の段(2a)の前記第1のアパーチャ(22a)に受け入れられた前記第1の複数の医療用容器(100a)の医療用容器のフランジ(104)を当接によって支持するように構成され、前記第2の軸方向止め具(24b)の各々は、前記第2の段(2b)の前記第2のアパーチャ(22b)に受け入れられた前記第2の複数の医療用容器(100b)の医療用容器のフランジ(104)を当接によって支持するように構成され、
前記第2の段(2b)の支持ユニット(20)は、前記第1の複数の医療用容器(100a)の前記遠位端(106)の半径方向運動を防止するように構成される側方ブロッキング表面(27)を含むことを特徴とする包装デバイス(1)。
【請求項2】
前記第1の段(2a)の支持ユニット(20)は、前記第2の複数の医療用容器(100b)が前記第2の段(2b)の支持ユニット(20)から離れるのを
、前記第2の複数の医療用容器(100b)の医療用容器のフランジ(104)との当接によって防止するように構成される維持表面(28a)を含むことを特徴とする請求項
1に記載の包装デバイス(1)。
【請求項3】
前記包装デバイス(1)は、前記第1および第2の段(2a、2b)の支持ユニット(20)
の互いに対する相対位置を
固定するように前記第1および第2の段(2a、2b)の支持ユニット(20)に取り外し可能に取り付けられる支柱要素(40)を含むことを特徴とする請求項1
または2に記載の包装デバイス(1)。
【請求項4】
前記第1および第2の段(2a、2b)の前記支持ユニット(20)のそれぞれは、前記第1および第2の複数の医療用容器(100a、100b)の半径方向運動を防止するように構成される第1および第2の案内導管(26a、26b)を含むことを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載の包装デバイス(1)。
【請求項5】
前記第1および/または第2の案内導管(26a、26b)は、前記第1および/または第2の段(2a、2b)の底面(28)から突出することを特徴とする請求項
4に記載の包装デバイス(1)。
【請求項6】
前記第1および/または第2の案内導管(26a、26b)は各々、少なくとも1つのスリット(262)
を有することを特徴とする請求項
4または
5に記載の包装デバイス(1)。
【請求項7】
前記第2の段(2b)は、前記第1の複数の医療用容器(100a)の前記遠位端(10
6)を受け入れるように構成される開口(29)、および前記開口(29)の内側で前記遠位端(10
6)を案内するように構成される傾斜壁(30)を含むことを特徴とする請求項1から
6のいずれか一項に記載の包装デバイス(1)。
【請求項8】
前記包装デバイス(1)は、前記第1および第2の段(2a、2b)の支持ユニット(20)を包含するハウジング(60)を含み、前記ハウジング(60)は、前記ハウジング(60)の内側または外側
において前記第1および第2の段(2a、2b)
を互いから分離することなく挿入または取り外しを可能にするように構成される開口(62)
を画定することを特徴とする請求項1から
7のいずれか一項に記載の包装デバイス(1)。
【請求項9】
前記包装デバイス(1)は、
前記ハウジング(60)内における前記段(2a、2b)の
互いに対する単一の所定の位置付けを可能にするように構成される鍵付き要素を含
み、
前記ハウジング(60)は、前記ハウジング(60)の内側に前記鍵付き要素に対応する補完的形状を有するリブを含むことを特徴とする請求項
8に記載の包装デバイス(1)。
【請求項10】
請求項
8または9に記載の包装デバイス(1)から前記複数の医療用容器(100)を取り外すための方法であって、前記第1の段(2a)の支持ユニット(20)
と前記第2の段(2b)の支持ユニット(20)と
を互いから分離することなく一緒に
前記ハウジング(60)から取り外す工程
と、
前記第1の段(2a)の支持ユニット(20)から前記複数の医療用容器(100a)を取り外すおよび/または前記第2の段(2b)の支持ユニット(20)から前記複数の医療用容器(100b)を取り外す工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記前記第1の段(2a)の支持ユニット(20)から前記複数の医療用容器(100a)を取り外すおよび/または前記第2の段(2b)の支持ユニット(20)から前記複数の医療用容器(100b)を取り外す工程の前に、前記第1および第2の段(2a、2b)の支持ユニット(20)を互いから分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の医療用容器(medical containers)を包含するための包装デバイス(Packaging device)およびこの包装デバイスから複数の医療用容器を取り外すための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願において、構成要素またはデバイスの遠位端は、使用者の手から最も遠い端部を意味するように理解されるべきであり、および近位端は、使用者の手から最も近い端部を意味するように理解されるべきである。同様に、本願において、「遠位方向(distal direction)」は、本発明の包装デバイス内に包含される容器に関して、投入(injection)の方向を意味するように理解されるべきであり、および「近位方向(proximal direction)」は、前記投入の方向とは反対側の方向、すなわち言うならば、投入操作に関して容器を保持する使用者の手に向かう方向を意味するように理解されるべきである。
【0003】
事前充填可能なまたはプレフィルドシリンジのような医療用容器は、多くの場合、1つの現場から別の現場に、例えば、製造現場から医療用容器がワクチン、薬または治療剤のような剤で充填されることのできる第2の現場に、輸送される必要がある。それほど多くはないが、医療用容器は、同一の第1の現場で製造および充填され、および次いで保管現場に輸送されてもよい。輸送の間、医療用容器は、大抵、世界的な(global)包装内へ入れられ、この世界的な包装は、医療用容器を支持するネスト、ネストを包含するハウジングまたはタブ、タブを閉鎖する密封カバー(sealing cover)、および滅菌状態(sterility)を保証するいわゆるヘッダーバッグ(header bag)を含む。
【0004】
ネストは、100を超える医療用容器を支持するように概して構成される、プレート形状のトレイである。ネストは、密封カバーによって密封される1つの開口を有する箱形状のタブまたはハウジングの内側に置かれる。箱形状のハウジングまたはタブは、複数の医療用容器のための単純および効果的な保管および輸送問題解決法を提供する。医療用容器を保持するネストのハブからの取り外しは、ただ、密封カバーの取り外し、およびハブの開口を通してこのネストを変形(translating)させることによるハブからのプレート形状のネストの引き抜き(extraction)を必要とする。このプロセスは、単純であるという利点を有し、およびこのようにして、限られた器具しか必要としない。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、保管または輸送費用を制限する恒常的な必要性がある。加えて、医療用容器の取り外しを複雑にしない必要性がある。
【0006】
本発明の態様は、複数の医療用容器を包含するように構成される包装デバイスであり、前記包装デバイスは、保管および輸送費用の削減を可能にする。
【0007】
本発明の態様は、医療用容器を支持するように構成される包装デバイスであり、包装デバイスは、第1の複数の医療用容器を第1の平面内で支持するように構成される第1の段の支持ユニット、第2の複数の医療用容器を前記第1の平面に平行な第2の平面内で支持するように構成される第2の段の支持ユニットを含み、第1の平面および第2の平面は、第1の複数の医療用容器の遠位端が第2の複数の医療用容器の医療用容器間に延びるように互いから離間され、および第1および第2の段の支持ユニットは、第1および第2の複数の医療用容器の医療用容器が同一の方向に配向されるように構成される。
【0008】
この2段(two-stage)包装デバイスは、容積単位あたりの(per volume unit)医療用容器の数を増大させることを可能にし、およびこのようにして、保管および輸送費用を低減させる。加えて、同一方向に配向される2つの複数の医療用容器を有することは、高い設備投資なしに、医療用容器の容易な取り外しを提供する。
【0009】
実施形態において、第1の段の支持ユニットおよび第2の段の支持ユニットは、第1の複数の医療用容器および第2の複数の医療用容器が互いに対して千鳥配列に(in staggered rows)配置されるように構成される。
【0010】
第2の複数の医療用容器の医療用容器に関して五の目配置(quincunx)にある第1の複数の医療用容器の医療用容器を有することは、包装デバイスの容積を低減させ、およびしたがって保管および輸送費用を限定することを可能にする。
【0011】
実施形態において、第1の段の支持ユニットは、第1の複数の医療用容器の近位端を支持するように構成され、および第2の段の支持ユニットは、第1の複数の医療用容器の遠位端の半径方向運動(radial movement)を防止するように構成される側方ブロッキング表面(lateral blocking surface)を含む。
【0012】
これは、隣接する医療用容器間における衝突の危険性(risks of impact)を限定し、一方、医療用容器によって占められる容積を限定し、およびしたがって、包装デバイスの容積を限定する。
【0013】
実施形態において、第1の段の支持ユニットは、第2の複数の医療用容器が第2の段の支持ユニットから離れることを防止するように構成される維持表面(maintaining surface)を含む。
【0014】
これは、輸送の間における包装デバイス内部での医療用容器の落下および破損を防止することを可能にする。
【0015】
実施形態において、第1の段の支持ユニットは、第1のプレート形状のネストによって形成され、および第2の段の支持ユニットは、第2のプレート形状のネストによって形成される。
【0016】
これは、2つの複数の(two pluralities of)医療用容器を輸送および保管するための費用効率の高い問題解決法を提供する。
【0017】
実施形態において、包装デバイスは、第1および第2の段の支持ユニットを一緒に固定(fix together)するように第1および第2の段の支持ユニットに取り外し可能に取り付けられる支柱要素(strut element)を含む。
【0018】
結果として、2つの複数の医療用容器は、一緒に取り扱われることができる。これは、包装デバイスの内部または外部における医療用容器の迅速な挿入または取り外しを可能とする。
【0019】
実施形態において、第1および第2の段の支持ユニットは、それぞれ、第1および第2のアパーチャの境界を定め、各第1のアパーチャは、前記第1の複数の医療用容器のうちの1つの医療用容器を受け入れるように構成され、および各第2のアパーチャは、前記第2の複数の医療用容器のうちの1つの医療用容器を受け入れるように構成される。
【0020】
これは、包装デバイスの内側または外側における医療用容器の迅速な挿入または取り外しを提供する
【0021】
実施形態において、第1および第2の段の支持ユニットは、それぞれ、第1および第2の軸方向止め具(axial stops)を含み、第1の軸方向止め具の各々は、前記第1の複数の医療用容器の医療用容器のフランジを支持するように構成され、および第2の軸方向止め具の各々は、前記第2の複数の医療用容器の医療用容器のフランジを支持するように構成される。
【0022】
これは、包装デバイスの容積を増大させることなく医療用容器を支持するための費用効率の高い問題解決法である。
【0023】
実施形態において、第1および第2の段の支持ユニットは、それぞれ、第1および第2の複数の医療用容器の半径方向運動を防止するように構成される第1および第2の案内導管(guiding conduits)を含む。
【0024】
これは、支持ユニットに対する医療用容器の運動を軸方向運動(axial movement)のような並進運動(translational movement)に限定する。医療用容器は、したがって、より安定的な方法で支持される。
【0025】
実施形態において、包装デバイスは、第1および第2の段の支持ユニットを包含するハウジングを含み、前記ハウジングは、ハウジングの内側または外側における第1および第2の段の一緒の挿入および取り外しを可能にするように構成される開口の境界を定める。
【0026】
結果として、1つの開口は、全ての医療用容器を全体として挿入または取り外すことを可能にする。
【0027】
本発明の別な態様は、上述されたような包装デバイスから複数の医療用容器を取り外すための方法であり、第1の段の支持ユニットを第2の段の支持ユニットと一緒に取り外す工程を含む。
【0028】
結果として、この方法は、多数の(high number of)医療用容器の急速な取り外しを可能とする。
【0029】
実施形態において、方法は、第1および第2の段の支持ユニットを互いから分離する工程をさらに含む。
【0030】
これは、第1および第2の段および複数の医療用容器を別々に取り扱うことを可能にする。この工程は、支柱要素の取り外しによって実施されてもよい。
【0031】
方法は、第1および/または第2の複数の医療用容器の検査工程をさらに含んでいてもよい。
【0032】
方法は、第1の段の支持ユニットから第1の複数の医療用容器を取り外す工程および/または第2の段の支持ユニットから第2の複数の医療用容器を取り外す工程を含んでいてもよい。この取り外し工程は、好ましくは、第1および第2の段の支持ユニットの分離工程の後に生じる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明およびそれから生じる利点は、次のような添付図面を参照して以下に示される詳細な説明から明確に浮かび上がる。
【
図1】本発明の実施形態による包装デバイスの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態による包装デバイスの側面図である。
【
図3】本発明の実施形態による包装デバイスの上面図である。
【
図4】本発明の実施形態による包装デバイスの第1および第2の段の支持ユニットの斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による包装デバイスの第1および第2の段の支持ユニットの側面図である。
【
図6】本発明の実施形態による包装デバイスの第1および第2の段の支持ユニットの上面図である。
【
図7】本発明の実施形態による包装デバイスの第1および第2の段の支持ユニットの概略図である。
【
図8】本発明の実施形態による包装デバイスのネストの斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態による包装デバイスのネストの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1から
図7を参照して、本発明の包装デバイス1が示される。本発明の包装デバイス1は、複数の医療用容器100を包含することが意図される。医療用容器100は、バイアルまたは好ましくは事前充填可能なまたはプレフィルドシリンジのようなシリンジであってもよい。医療用容器100は、充填後に、ワクチン、薬または治療剤のような医療用の剤を包含することが意図される。
【0035】
図5に示されるように、医療用容器100は、典型的には、前記ワクチン、薬または治療剤を含有するためのリザーバを画定する細長いバレル102を含む。管状の(tube-shaped)バレル102は、円筒状であってもよい。医療用容器100は、バレル102の近位端105にフランジ104を、および医療用容器100の遠位端106に針および/またはキャップ107によって閉鎖される先端(tip)を含む。
【0036】
図4から
図7を参照して、包装デバイス1は、前記医療用容器100が互いにおよび縦軸(longitudinal axis)Aに平行に配置されるように医療用容器100を支持するように構成される。
【0037】
包装デバイス1は、2つの段2a、2bの支持ユニット20を含み、第1の段2aは、第1の複数の医療用容器100aを前記縦軸Aに直交する第1の平面内で支持するように構成され、および第2の段2bは、第2の複数の医療用容器100bを第1の平面に平行且つ第1の平面から遠位に離れた第2の平面内で支持するように構成される。例えば、各段2a、2bは、少なくとも100個または160個の医療用容器100を支持するように構成されてもよい。
【0038】
医療用容器を平面内に支持するように構成される支持ユニットの段によって、この段の支持ユニットによって支持される医療用容器の近位端およびそれぞれに対応する(respectively)遠位端105、106は、実質的に、同一レベルに位置付けられ、およびこのようにして、実質的に、同一平面内に包含されることが意味される。
【0039】
第1の段2aおよび第2の段2bは、第1の段2aによって支持される医療用容器100aの遠位端106が第2の段2bによって支持される少なくとも2つの隣接する医療用容器100b間に位置するように、互いから所定の距離にある。第1の段2aおよび第2の段2bは、第1の段2aによって支持される少なくとも1つの医療用容器100aが第2の段2bによって支持される少なくとも2つの医療用容器100bおよび好ましくは4つの医療用容器100bの間に少なくとも部分的に挿入されるように、互いから離間されていてもよい。
【0040】
例えば
図7に示されるように、第1の医療用容器100aの遠位端106は、第2の医療用容器100bの近位端105と遠位端106との間、好ましくは、それらの近位端105よりもそれらの遠位端106の近くに含まれるレベルに位置する。これは、多数の医療用容器100を低減された容積で保管および輸送することを可能にする。
【0041】
加えて、各第1および第2の段2a、2bの支持ユニット20は、医療用容器100a、100bが軸Aに関して同一の方向に配向されるように構成される。これは、第1および第2の複数の医療用容器100a、100bの両方の単純な取り扱いを提供する。
【0042】
各段2a、2bの支持ユニット20は、対応する医療用容器100a、100bもまた平行な列内に配置されるように、平行な列によって位置合わせされてもよい。好ましくは、第1の段2aの支持ユニット20および第2の段2bの支持ユニット20は、互いに対してオフセットされる。したがって、第1の段2aの支持ユニット20は、第2の段2bの支持ユニット20と、対向せず、縦軸Aに関して位置合わせされない。これは、医療用容器をより小さい容積内に保管することを可能にする。
【0043】
好ましい実施形態において、第1の段2aの支持ユニット20および第2の段2bの支持ユニット20は、第1の段2aによって支持される医療用容器100aおよび第2の段2bによって支持される医療用容器100bが互いに対して千鳥配列に配置されるように、配置される。
【0044】
互いに対して千鳥配列または五の目配置に配置される医療用容器100a、100bによって、第1の複数の医療用容器100の4つの隣接する医療用容器100aの間に第2の複数の医療用容器100の医療用容器100bが延び、および逆に、第2の複数の医療用容器100の4つの医療用容器100bの間に第1の複数の医療用容器100の医療用容器100aが延びることが意図される。
【0045】
両方の段2a、2bの支持ユニット20は、好ましくは、第1の複数の医療用容器100aおよび第2の複数の医療用容器100bが、縦軸Aに関して同一の方向に沿って包装デバイス1から取り外し可能であるように構成される。
【0046】
図1から
図7を参照して、包装デバイス1は、第1の複数の医療用容器100aおよび第2の複数の医療用容器100bを支持する第1および第2の段2a、2bの両方を包含するハウジング60を含んでいてもよい。包装デバイス1は、また、第1の段2aおよび第2の段2bを接続する少なくとも1つ、好ましくは2つの支柱要素40を含んでいてもよい。包装デバイス1は、また、医療用容器100を包含するように構成される容積の滅菌状態を保つために、包装デバイス1を閉鎖するように構成される少なくとも1つの密封要素(不図示)を含んでいてもよい。
【0047】
第1の段2aおよび第2の段2bは、プレート形状であってもよい。例えば、第1および第2の段2a、2bは、2つの別々のプレート形状のネストであってもよい。ネストは、所定の列によって位置合わせされる貫通穴(through-holes)、以下、アパーチャ22を備えるプレートまたはトレイであり、各穴は、1つの医療用容器のバレルを受け入れるように構成される。これらの2つの段2a、2bは、同様であってもよい。段2a、2bは、正方形または長方形の形状を有していてもよい。段2a、2bは、少なくとも1つ、好ましくは2つの反対側の(opposite)接続側部(connecting sides)21、少なくとも1つ、好ましくは2つの反対側の支持側部(supporting sides)23を有する。段2a、2bは、上面(top face)25および底面28を有する。
【0048】
第1および第2の段2a、2bの支持ユニット20は、以下の特徴のうちのいくつかまたは全てを含んでいてもよい:アパーチャ22は医療用容器100a、100bのうちの1つを受け入れるように構成され、軸方向止め具24は医療用容器100a、100bのうちの1つのフランジ104を支持するように構成され、および/または案内導管26は、隣接する医療用容器100間の衝突を回避するように、支持ユニット20によって支持される医療用容器100の半径方向運動を防止または少なくとも制限するように構成される。
【0049】
アパーチャ22は、対応する段2a、2bの上面25から底面28に延びる貫通穴であってもよい。アパーチャ22および医療用容器100は、補完的な形状を有していてもよい。アパーチャ22は、対応する案内導管26内に通じている。
【0050】
軸方向止め具24は、案内導管26の近位端に設けられていてもよい。軸方向止め具24は、アパーチャ22の周りに延びていてもよい。第1の段2aの軸方向止め具24および第2の段2bの軸方向止め具24は、第1の複数の医療用容器100aの医療用容器の遠位端106が第2の複数の医療用容器100bの医療用容器間に位置するように、互いから離間されていてもよい。第2の軸方向止め具24bは、第1の医療用容器100aの近位端105と遠位端106との間の、第1の医療用容器100aの中間部(intermediate portion)に、好ましくは、遠位端106よりも近位端105の近くに位置していてもよい。第1および第2の段2a、2bの軸方向止め具24は、好ましくは、同様の方法で配向される。
【0051】
案内導管26は、管状(tubular)スリーブのような案内管(guiding tube)、または側壁であってもよく、前記スリーブまたは側壁および医療用容器100は、補完的な形状、例えば、円筒形状を有する。案内導管26は、を維持するように構成される。医療用容器100の近位端105。案内導管26は、縦軸Aの周りに縦軸Aに沿って延びる。案内導管26は、対応する段2a、2bの上面25から突出していてもよい。
【0052】
医療用容器100のフランジ104は、対応する軸方向止め具24に当接するように設計されてもよい。具体的には、医療用容器100のフランジ104の外径は、案内導管26または受入アパーチャ22の直径よりも大きい。
【0053】
図7に見えるように、第1の段2aは、第1の複数の医療用容器100aの近位端105を支持するように構成され、一方、第2の段2bは、第1の複数の医療用容器100aの中間部のまたは遠位端106の側方運動(lateral movements)を防止または少なくとも制限するように構成される側方ブロッキング表面27を含む。側方ブロッキング表面27は、第2の段2bを通って延びる開口29の境界を定めてもよい。開口29および医療用容器100は、補完的な形状を有していてもよい。開口29は、第1の段2aのアパーチャ22と対向していてもよい。 開口29は、好ましくは、第2の段2bのアパーチャ22に関して千鳥配列に配置される。
【0054】
第1の段2aは、好ましくは、第2の複数の医療用容器100bが第2の段2bの支持ユニット20を離れることを防止するように構成される維持表面28aを含んでいてもよい。この維持表面28aは、好ましくは、第1の段2aの底面28に相当する。
【0055】
図4に示されるように、支柱要素40は、第1の段2aおよび第2の段2bに取り外し可能に取り付けられる。より正確には、各支柱要素40は、第1の段2aの接続側部21を第2の段2bの接続側部21に接続する。支柱要素40は、第1および第2の段2a、2b間の所定の距離を維持する。第1および第2の段2a、2bが全体として取り扱われてもよいように、支柱要素40は、また、第1および第2の段2a、2bを一緒に固定する。支柱要素40、および段2a、2bの接続側部21は、補完的なT字形状のような補完的な形状を有していてもよい。例えば、支柱要素40は、第1の段2aの接続側部21を嵌合(fit)するように構成される第1の溝42a、および第2の段2bの接続側部21を嵌合するように構成される第2の溝42bを含む。第1および第2の段2a、2bを分離するために、使用者は、ただ、接続側部21に平行な軸に沿って支柱要素40を摺動させることを必要とする。
【0056】
図1および
図3に示されるように、ハウジング60は、2つの複数の医療用容器100a、100bを支持する2つの段の支持ユニット20を包含するように構成される内部保管容積(internal storage volume)を画定する。
【0057】
ハウジング60は、ハウジング60に関する縦軸Aに沿った第1および第2の段2a、2bの並進運動によってハウジング60の内側または外側における第1および第2の段2a、2bの一緒の挿入または取り外しを可能にするように構成される開口62の境界を定める。開口62は、このようにして、前記内部容積24に通じている。開口62は、好ましくは、縦軸Aに直交する。開口62および段2a、2bは、補完的な形状を有していてもよく、開口62は、段2a、2bの寸法よりも大きい寸法を有する。
【0058】
ハウジング60は、2つの段2a、2bのうちの1つ、より正確には、少なくとも、これらの2つの段2a、2bのうちの1つの支持側部23を支持するように構成される、少なくとも肩部68、好ましくは2つの肩部68を含んでいてもよい。
【0059】
密封要素は、内部容積を滅菌状態に保つように、開口62を閉鎖するように構成される。密封要素は、したがって、微生物のバリア(microbial barrier)を含んでいてもよい。密封要素は、また、密封要素が開口62を閉鎖する一方で包装デバイス1の内部が滅菌され得るように、滅菌ガスに対して透過性であってもよい。滅菌ガスは、例えば、エチレンオキサイド(EO)であってもよい。例えば、密封要素は、タイベック(Tyvek)(登録商標)シート、または気密であるが例えばエチレンオキサイドのような滅菌ガスに対して透過性である任意の材料を含んでいてもよい。密封要素は、2つの段2a、2bを取り外す前に取り外されるように構成されてもよい。密封要素は、ハウジング60の取付面(attachement surface)66に取り付けられ、例えば、接着(glued)または熱接着(thermo-glued)されてもよい。取付面66は、開口62の周りに延びていてもよい。
【0060】
密封要素の底面は、第1の複数の医療用容器100aが第1の段2aの支持ユニット20から不注意に離れるのを防止するように構成されていてもよい。したがって、密封要素が適所に保持されている限り、密封要素は、第1の複数の医療用容器100aを第1の段2aの支持ユニット20の内側に保持することを可能にする。
【0061】
包装デバイス1は、ハウジング60を完全に包み込む密封袋(sealing bag)(不図示)を含んでいてもよい。密封袋は、内部容積を滅菌状態に保つように構成される。この密封袋は、密封要素を形成してもよい。この密封袋、またはヘッダーバッグは、タイベック(登録商標)のような、滅菌ガスに対して透過性である材料を含んでいてもよい。密封袋は、また、プラスチック袋、またはプラスチックおよびガス滅菌に対して透過性の両方の材料の組み合わせであってもよい。
【0062】
図8および
図9を参照して、別の実施形態による包装デバイス1の第1または第2の段2a、2bが示される。上述される実施形態と同様の特徴は、同一の参照番号によって指定される。
【0063】
図8に示されるように、案内導管26は、よりコンパクトな保管を可能にするために、段2a、2bの底面28から突出していてもよい。
【0064】
さらに、
図1および
図8に示されるように、案内導管26は、有利には、少なくとも2つの案内タブ(guiding tabs)260を含んでいてもよく、スリット262は、前記少なくとも2つの案内タブ260の間の境界を定める。これは、原材料費を低減させ、および包装デバイス1を軽くすることを可能にする。スリット262は、 段2a、2bに直交する方向に沿って延びる。スリット262は、好ましくは、案内導管26の全長に沿って延びる。
【0065】
有利には、少なくとも、第2の段2bは、前記第2の段2bの開口29の内側において第1の段2aによって支持される医療用容器100の遠位端107を案内するように構成される傾斜壁(slanted walls)30を含んでいてもよい。傾斜壁30は、好ましくは、案内導管26の反対側で、第2の段2bの上面25から突出する。傾斜壁30は、材料費を低減させるように、リブ31の端部に配置されていてもよい。リブ31は、第2の段2bを強化するように、平行な列内に位置合わせされていてもよい。前記リブ31の両端は、傾斜壁30を備えていてもよい。加えて、リブ31は、好ましくは、対応する段2a、2bに直交して延びる。
【0066】
図9に見えるように、包装デバイス1は、ハウジング60の内側において段2a、2bの単一の所定の位置付けを可能にするように構成される鍵付き要素(keyed elements)を含んでいてもよい。鍵付き要素は、補完的な形状を有するリブと係合するように構成されるスリット32を含んでいてもよい。例えば、段2a、2bの1つまたはいくつかの側部21、23は、スリット32を備え、一方、ハウジング60の内壁は、補完的なリブを備える。
図9に見えるように、鍵付きスリット32は、スリット32が有利には第1の鉛直正中面(vertical median plane)P1および/または第2の鉛直正中面P2に関して非対称であるように、異なる形状または位置を有する。第1の鉛直正中面P1は、中央において支持側部23に直交して延び、一方、第2の正中面P2は、中央において接続側部21に直交して延びる。
【0067】
本発明の別な態様は、上述されたような包装デバイスから複数の医療用容器100a、100bを取り外すための方法である。この方法は、第1の段2aの支持ユニットを第2の段2bの支持ユニット20と一緒に取り外す工程を含む。第1および第2の段2a、2bは、軸Aに平行な並進運動によって取り外されてもよい。第1および第2の段2a、2bの取り外しは、第1および第2の段2a、2bを全体としてハウジング60の開口62を通過させることによって、操作される。
【0068】
第1および第2の段2a、2bを取り外す前に、方法は、開口62を閉鎖する密封要素を取り外す工程を含んでいてもよい。この密封要素は、剥離されてもよい。
【0069】
2つの段2a、2bをハウジング60から取り外した後、方法は、第1および第2の段2a、2bを互いから分離させる工程を含んでいてもよい。この工程は、2つの段2a、2bを接続する少なくとも1つまたは2つの支柱要素40を、例えば、少なくとも1つまたは2つの支柱要素40の第1および第2の段2a、2bに対する摺動運動によって取り外す工程を含んでいてもよい。
【0070】
第1および第2の段4a、4bを分離させた後、方法は、第1および/または第2の複数の医療用容器100a、100bの検査工程をさらに含んでいてもよい。
【0071】
方法は、第1の段4aの支持ユニットから第1の複数の医療用容器100aを取り外す工程および/または第2の段2bの支持ユニットから第2の複数の医療用容器100bを取り外す工程をさらに含んでいてもよい。この工程は、好ましくは、第1および第2の段2a、2bの支持ユニット20の分離の後に生じる。