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特許7213883トルク伝達シャフトにおける力および/またはトルクを規定するための測定システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】トルク伝達シャフトにおける力および/またはトルクを規定するための測定システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 25/00 20060101AFI20230120BHJP
   G01L 5/167 20200101ALI20230120BHJP
【FI】
G01L25/00 C
G01L5/167
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020540633
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 AT2019060027
(87)【国際公開番号】W WO2019144171
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】A50064/2018
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】513131176
【氏名又は名称】アーファオエル・リスト・ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】519223125
【氏名又は名称】ピエゾクリスト・アドバンスト・センソリクス・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・シュリッカー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ・ドライジープナー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート・コカール
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・プロープスト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ヒルシュラー
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-231829(JP,A)
【文献】特許第4837940(JP,B2)
【文献】特開2011-257202(JP,A)
【文献】特許第4377651(JP,B2)
【文献】特許第4779246(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第103196594(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102010024806(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルク伝達シャフト(3)における力および/またはトルクを規定するための測定システム(1)であって、
前記測定システム(1)は、それぞれ好ましい方向(V、V、V、V)を有する少なくとも3つ、特に少なくとも4つの圧電素子(4a、4b、4c、4d)を有し、
前記圧電素子はそれぞれ、力伝達経路の力が特に排他的に前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)に印加されるように、前記シャフト(3)を介して伝達される前記力伝達経路において、前記シャフト(3)の回転軸(D)の周りの異なる位置に配置されており、
前記好ましい方向はそれぞれ、回転軸が交差する単一の平面に平行であるか、または、回転軸が交差する単一の平面内にあり、
前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)の少なくとも2つ、特に少なくとも3つの前記好ましい方向(V、V、V、V)は、互いに平行でも逆平行でもないように方向づけられており、
前記測定システム(1)は、個々の前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)の測定信号(S1、S2、S3、S4)に基づいて、力構成要素およびトルク構成要素のための方程式系を用いて、力および/またはトルクを規定するため、個々の前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)の様々な力構成要素およびトルク構成要素への寄与を考慮するために設定された信号処理装置(7)をさらに有する、測定システム(1)。
【請求項2】
前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)が、平面上への投影における互いにそれぞれの相対位置について、ミラー軸および/またはミラー点が存在しないように幾何学的に配置されている、請求項1に記載の測定システム(1)。
【請求項3】
前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)が、少なくとも2つの圧電素子が回転軸(D)から異なる半径方向の距離を有するように、および/またはそれぞれ2つの圧電素子の間の回転軸(D)の周りの2つの扇形(αab、αbc、αca)が、異なる角度で広がるように幾何学的に配置されている、請求項1または2に記載の測定システム(1)。
【請求項4】
前記信号処理装置がさらに、前記測定信号(S1、S2、S3、S4)を、それぞれの規定されるべきパラメータに寄与する構成要素に分解するように設定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項5】
その好ましい方向が前記平面に対してそれぞれ平行であるか、または前記平面内にある全ての圧電素子からの測定信号が、力および/またはトルクを規定するために使用される、請求項1からのいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項6】
前記平面が、少なくとも前記シャフト(3)の回転軸(D)に対して略垂直である、請求項1からのいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項7】
力が導入される前記圧電素子の一方の面(17a、17b、17c、20b、20d)が、前記平面に対して少なくとも略平行に位置している、請求項1からのいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項8】
前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)は、前記力伝達経路について力の主経路を形成し、特に取付手段における力の分流は、前記力伝達経路の力の10%未満、好ましくは5%未満、最も好ましくは2%未満を取る、請求項1からのいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項9】
各圧電素子(4a、4b、4c、4d)に隣接して、前記シャフト(3)の回転軸(D)の方向にさらなる圧電素子(4e、4f)が配置され、この圧電素子の好ましい方向(V、V、V、V)が、前記平面に対して非平行に、特に少なくとも略垂直に方向づけられ、前記圧電素子(4a;4b;4c;4d)は、それぞれ隣接して配置されたさらなる圧電素子(4e;4f)と対(18a、18b、18c、18d)を形成し、前記力伝達経路の力は、特に排他的に、前記対(18a、18b、18c、18d)に印加される、請求項1からのいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項10】
固定装置(5)、特にベアリングケージを有する測定システムであって、前記固定装置(5)は、前記圧電素子(4a、4b、4c、4d、4e、4f)を担持し、相対的に位置決めする、請求項1から9のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項11】
前記圧電素子が、回転軸(D)の周りに不均等に分布している、請求項1から10のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項12】
全ての圧電素子(4a、4b、4c、4d)および/または対(11a、11b、11c、11d)が、例えば角度α<300°、好ましくはα<240°、より好ましくはα<180°、最も好ましくはα<120°で回転軸の周りに定義された扇形内に配置され、固定装置(5)が、好ましくはこの角度領域を覆うように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項13】
前記シャフト(3)が軸受装置(2)、特にその出力シャフトおよび/または入力シャフトが前記トルク伝達シャフト(3)によって形成された機械によって支承され、
前記固定装置(5)が、前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)および/または対(11a、11b、11c、11d)を担持し、前記圧電素子によって前記軸受装置(2)と前記軸受装置(2)を支持するための支持装置(10)との間の力、特に剪断力が測定可能であるように構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項14】
前記固定装置(5)が、摩擦接合によって前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)および/または対(11a、11b、11c、11d)の端面(17a、17b)に平行に力を導入可能である、請求項10から13のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項15】
トルクに寄与する前記シャフトの回転方向に対して接線方向に作用する力、および、特に平面内の直交する2方向において、前記シャフトの回転方向に対して垂直に作用する横力の両方を測定するように設定されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の測定システム(1)。
【請求項16】
トルク伝達シャフト(3)における力および/またはトルクを規定するための測定機構(9)であって、圧電効果に基づく請求項1から15のいずれか一項に記載の測定システム(1)と、シャフト(3)と、を有し、
前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)が、前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)によって第1の部分と第2の部分との間の力、特に剪断力が測定可能であるように、前記シャフト(3)の第1の部分と前記シャフト(3)の第2の部分との間に配置されている、測定機構(9)。
【請求項17】
前記シャフト(3)が、連結装置を介して接続可能な2つの部分からなり、前記測定システム(1)が、前記2つの部分のうちの1つで力および/またはトルクを規定する、請求項16に記載の測定機構(9)。
【請求項18】
トルク伝達シャフト(3)における力および/またはトルクを規定するための測定機構(9)であって、特に請求項1から15のいずれか一項に記載の圧電効果に基づく測定システム(1)と、シャフト(3)と、軸受装置(2)と、前記軸受装置(2)の支持装置(10)と、を有し、
前記軸受装置(2)が前記シャフト(3)を支承し、
前記測定システム(1)が前記シャフト(3)の回転質量および/または前記シャフト(3)と前記軸受装置(2)のアセンブリの回転部の回転質量を変化させない、測定機構(9)。
【請求項19】
シャフト(3)に印加されるトルクおよび/またはシャフト(3)に印加される力を規定するための方法であって、
それぞれ好ましい方向(V、V、V、V)を有し、力伝達経路の力が特に排他的に前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)に印加されるように、前記シャフト(3)を介して伝達される前記力伝達経路において、前記シャフト(3)の回転軸(D)の周りの異なる位置にそれぞれ配置されている、少なくとも3つ、特に少なくとも4つの圧電素子(4a、4b、4c、4d)を有する、特に請求項1から15のいずれか一項に記載の測定システム(1)を用いる方法であり、
個々の前記圧電素子(4a、4b、4c、4d)の様々な力構成要素およびトルク構成要素への寄与を考慮するために、力構成要素およびトルク構成要素のための方程式系を用いて、個々の圧電素子の測定信号に基づいて、トルクおよび/または力を規定する方法。
【請求項20】
以下の作業ステップ:
- 平面に平行な第1の方向に定義された力を加えるステップ、
- 平面に平行な第2の方向に定義された力を加えるステップ、
- 前記定義された力を加える間、少なくとも第1の圧電センサ(4a;4e)の第1の信号(S1)、第2の圧電センサ(4b;4f)の第2の信号(S2)、および第3の圧電センサ(4c)の第3の信号(S3)を検出するステップ、および
- 検出された前記信号(S1、S2、S3)と、前記定義された力の第1および第2の方向とに基づいて、前記圧電素子(4a、4b、4c)の好ましい方向(V、V、V)を導出するステップ
を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の測定システム(1)を較正するための方法。
【請求項21】
以下の作業ステップ:
- 前記シャフト(3)の回転軸の周りの定義されたトルクを加えるステップ、
- 少なくとも第1の圧電素子(4a)の第1の信号(S1)、第2の圧電素子(4b)の第2の信号(S2)、および第3の圧電素子(4c)の第3の信号(S3)を検出するステップ、および
- 検出された前記信号(S1、S2、S3)と定義された前記トルクに基づいて、回転軸(D)かの前記圧電素子(4a、4b、4c)の距離(r、r、r)を導出するステップ
を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の測定システム(1)を較正するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルク伝達シャフト上における力および/またはトルクを規定するための測定システムに関し、測定システムは、それぞれ好ましい方向を有する少なくとも3つ、特に少なくとも4つの圧電素子を有し、圧電素子はそれぞれ、力伝達経路(Kraftfluss)の力が特に排他的に圧電素子に印加されるように、シャフトを介して伝達される力伝達経路において、シャフトの回転軸の周りの異なる位置に配置されている。
【背景技術】
【0002】
モータ、特に内燃機関や電動機を開発および制御する場合、特に試験台の動作において、モータのシャフトのトルクを可能な限り正確に知ることが重要である。
【0003】
このために、歪ゲージや圧電センサを備えた測定システムを使用することが従来技術から公知である。
【0004】
静的力を測定するためには、一般的に歪ゲージや類似の測定素子が用いられる。しかし、一般的に、この種の測定素子を有する測定システムは、動的力の経過を測定するには反応時間が長すぎる。一方、圧電測定素子または圧電素子は、動的引張力、押圧力、剪断力の測定に適している。これらは、ダイナミックレンジが幅広く、剛性を有し、また、高い動的力を同時に高分解能で測定できる。
【0005】
特許文献1は、力およびトルク測定のための圧電検出素子に関し、この圧電検出素子は、少なくとも2つの圧電素子と、それらの間に配置された、絶縁材料からなる少なくとも1つの担持板とからなり、圧電素子は、担持板の座標系について結晶学的に予め配向されており、これと固定して接続されている。
【0006】
特許文献2は、複数の力測定セルと、アンプ機構とからなる力およびモーメント測定機構に関し、複数の力測定セルは、組付板の間に固定してネジ止めされて測定ユニットを形成し、モーメント形成が可能なように座標軸に対して配置されており、力測定セルの信号が、評価のためにアンプのグループに伝送され、また、その出力がオペアンプのグループに伝送され、これにより、個々の力構成要素と力モーメントの両方が測定可能になることを特徴としている。
【0007】
特許文献3は、互いに平行に軸方向に対向し、半径方向内側にあるモーメント伝達要素によって互いに強固に接続されている第1および第2の円盤状の取付フランジからなるトルクセンサに関し、第2の取付フランジは、その半径方向外側の取付領域と、同軸方向内側にあるモーメント伝達要素との間の同軸上の周方向領域に、半径方向補強ウェブによって互いに分離された複数の切欠部と、剪断力検出器とを有する測定フランジとして構成されており、切欠部は、一方の面で軸方向外側に開口している少なくとも3つの測定ポケットによって形成されており、測定ポケットの基底面は、一様に薄く、ばね弾性を有する変形体である平坦な閉鎖面として構成されており、剪断力検出器は、基底面、または測定ポケットの軸方向に対向する外面に適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許公開第0266452号明細書
【文献】独国特許出願公開第1952522号明細書
【文献】独国特許第102009014284号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、トルク伝達シャフトに印加されるトルクまたは印加される力の規定の改善を可能にすることである。特に、本発明の課題は、較正が容易な測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、力および/またはトルクを規定するための測定システム、トルク伝達シャフトに印加されるトルクおよび/またはシャフトに印加される力を規定するための方法、および独立請求項にかかる測定システムを較正するための方法によって解決される。有利な構成は、従属請求項で請求される。
【0011】
本発明の第1の態様は、トルク伝達シャフトにおける力および/またはトルクを規定するための測定システムに関し、測定システムは、それぞれ好ましい方向を有する少なくとも3つ、特に少なくとも4つの圧電素子を有し、圧電素子はそれぞれ、力伝達経路の力が特に排他的に圧電素子に印加されるように、シャフトを介して伝達される力伝達経路において、シャフトの回転軸の周りの異なる位置に配置されており、ここで、好ましい方向はそれぞれ、回転軸が交差する単一の平面に平行であるか、または、回転軸が交差する単一の平面内にあり、圧電素子の少なくとも2つ、特に少なくとも3つの好ましい方向は、互いに平行でも逆平行でもないように方向づけられている。平行または逆平行でない2つの好ましい方向がある場合、2つの好ましい方向は、好ましくは互いに垂直である。
【0012】
本発明の第1の態様に関して以下に記載された特徴および利点は、本発明の他の態様にも該当し、またその逆も同様である。
【0013】
本発明の意味での力伝達経路とは、機械システムにおける、作用点、特に導入箇所から、力および/またはトルクが反力および/または反モーメントによって吸収される1つの箇所または複数の箇所までの、力および/またはトルクの経路である。好ましくは、力伝達経路は、力、特にシャフトの回転方向に対する横力と、トルク、特に回転軸の周りのトルクとで構成される。
【0014】
本発明の意味での動力伝達経路(Leistungsfluss)とは、機械システムにおける導入箇所から動力が減少する1つの箇所または複数の箇所までの、動力を伝達する経路である。
【0015】
本発明の意味での固定装置は、好ましくは圧電素子を担持し、特に取り付けるために用いられる。さらに好ましくは、固定装置は個々の圧電素子を接続し、これにより、圧電素子が互いに相対的な位置で保持される。好ましくは、固定装置は取付板、リング要素、測定フランジ、または取付ブラケットである。さらに好ましくは、固定装置は既存の装置、例えばハウジング、ギアまたは機械の構成部材であってよい。
【0016】
本発明の意味での圧電素子は、好ましくは、圧電素子と当接する2つの面を介して作用する力を測定するように設置された測定素子である。好ましくは、圧電素子は、圧電結晶と、電荷放出部または電気回路からなる。
【0017】
本発明の意味での測定システムは、好ましくは圧電センサである。この場合、測定システムは圧電素子のハウジングとして機能する。あるいは、測定システムは、圧電素子が別個のハウジングに配置された個々の圧電センサを有してもよい。
【0018】
本発明の意味での機械は、エネルギー、好ましくは運動エネルギー、特に回転を電気エネルギーに、またはその逆に、または化学エネルギーを運動エネルギーに変換するように設置されている。本発明の意味での機械は、好ましくはハウジングを有する。
【0019】
本発明の意味での軸受装置は、好ましくは、シャフトを回転可能に支承するための装置であり、特に、転がり軸受、玉軸受または滑り軸受である。好ましくは、軸受装置はハウジングも有する。また、好ましくは、軸受装置自体も支持または支承されている。さらに好ましくは、軸受装置は、本発明によれば機械または機械の一部である。
【0020】
本発明の意味での支持装置は、好ましくは、この要素に作用する力および/またはこの要素に作用するトルクに対して要素を支持するための装置である。支持装置は、好ましくは、いわゆる反力または支承反力を与えるように設置されている。本発明の意味での支持装置は、好ましくは、軸受装置を支持するために用いられる。支持装置は、好ましくはベルハウジング、駆動系のハウジング、または基板である。
【0021】
本発明の意味での「支承可能」という用語は、「支承できる」または「支承されている」ことを意味する。
【0022】
本発明の意味での「接続可能」という用語は、「接続できる」または「接続されている」ことを意味する。
【0023】
本発明の意味での「導入可能」という用語は、「導入できる」または「導入されている」ことを意味する。好ましくは、ある本体から別の本体への力の伝達を意味する。
【0024】
本発明の意味での「支持可能」という用語は、「支持できる」または「支持されている」ことを意味する。
【0025】
本発明の意味での「貫通可能」という用語は、「貫通できる」または「貫通されている」ことを意味する。
【0026】
本発明の意味での「負荷可能」という用語は、「負荷できる」または「負荷されている」ことを意味する。
【0027】
本発明の意味での「配置可能」という用語は、「配置できる」または「配置されている」ことを意味する。
【0028】
本発明は特に、個々の測定素子の測定信号に基づいて、力構成要素およびトルク構成要素のための方程式系を用いて、トルク伝達シャフトに印加される力および/またはトルクを規定するというアプローチに基づく。
【0029】
このために、少なくとも3つの圧電素子の好ましい方向は、それぞれ、シャフトの回転軸が交差する平面と平行に、またはシャフトの回転軸が交差する平面内に位置する必要がある。好ましくは、この平面は、シャフトの回転軸に対してほぼ垂直である。さらに、3つの圧電素子の好ましい方向は、異なる力構成要素が異なる箇所で測定されるように方向づけられている必要がある。このため、少なくとも2つ、好ましくは3つの好ましい方向は、互いに平行でも逆平行でもないことが必要である。
【0030】
上述の配置構成により、少なくとも2つの圧電素子の測定信号を直線状の独立した構成要素に分解することができる。特に、このように配置された圧電素子の測定信号によって、シャフトに作用する平面内の各力およびトルクを規定することができる。
【0031】
本発明にかかる測定システムでは、個々の圧電素子の様々な力構成要素およびトルク構成要素への寄与を考慮して、全ての圧電素子を用いて力またはトルクを規定することができる。
【0032】
これにより、様々な力方向および/またはトルクに対してそれぞれ異なる圧電素子または圧電素子グループを設ける必要性を回避することができる。これは、力構成要素またはトルクの測定に寄与しない圧電素子が、これらの力構成要素またはトルクについて、測定結果を歪める力の分流を形成するために有利である。本発明にかかる測定システムでは、力の分流は、圧電素子が取り付けられた取付手段を介して生じる。
【0033】
圧電素子の測定信号のうち、それぞれ対象となる力構成要素やトルクに寄与しない構成要素は、本発明では考慮しない。このため、測定信号の望ましくない部分を除去するための逆平行に方向づけられた好ましい方向を有する圧電素子の対の配置構成は、本発明にかかる測定システムでは不要である。
【0034】
ここで好ましくは、測定システムは、トルクに寄与するシャフトの回転方向に対して接線方向に作用する力、およびシャフトの回転方向に対して垂直に作用する横力、特に平面内の直交する2方向に作用し、シャフトのぐらつきに寄与し得る力の両方を測定するように設定されている。
【0035】
また、本発明によれば、好ましくは、任意の数の圧電素子を用いて、個々の力方向またはトルクを規定することができる。これにより、測定精度を大幅に向上させることができる。
【0036】
測定時に圧電素子を使用することで、高い動的力の変化やトルクの変化を登録することができる。
【0037】
測定に3つ以上の圧電素子を使用すると、測定精度をさらに向上させることができる。圧電素子の2つ以上の好ましい方向が互いに平行でも逆平行でもない場合も同様である。
【0038】
本発明にかかる測定システムの有利な構成では、特に3つ以上の圧電素子を有する場合、圧電素子は、平面上への投影における互いにそれぞれの位置について、ミラー軸および/またはミラー点が存在しないように幾何学的に配置されている。
【0039】
本発明にかかる測定システムによって、特に、鏡面反転された方法で、対で配置する必要のない圧電素子の配置構成が可能である。圧電素子の配置構成が非対称であるため、力やトルクを特に正確に規定することができる。
【0040】
好ましくは、少なくとも1つの圧電素子の好ましい方向は、シャフトの回転方向に対して接線方向ではない。
【0041】
測定システムのさらなる有利な構成では、圧電素子は、少なくとも2つの圧電素子が回転軸から異なる半径方向の距離を有するように、および/またはそれぞれ2つの圧電素子の間の回転軸の周りの2つの扇形が、異なる角度で広がるように幾何学的に配置されている。
【0042】
これにより、圧電素子の配置構成に大きな非対称性が確保され、ひいては測定精度が向上する。
【0043】
さらなる有利な構成では、本発明にかかる測定システムはさらに、圧電素子のそれぞれの好ましい方向、または個々の圧電素子によってそれぞれ測定された力を、少なくとも2つの構成要素に特に直交分解することによって、シャフトへの力および/またはトルクを規定するように設定され、それぞれ平行な構成要素が合計された信号処理装置を有する。好ましくは、第1の構成要素は、シャフトの回転方向に対して少なくとも略接線方向であり、第2の構成要素は、好ましくは、回転方向に対して少なくとも略垂直である。
【0044】
好ましい方向または力を分解することにより、それぞれが定義された方向の測定信号または力に寄与する、圧電素子からの多数の測定信号を考慮することができる。
【0045】
本発明にしたがって配置された3つの圧電素子の方程式系の解が明確な場合であっても、方程式系の中でより多くの圧電素子を考慮することにより、システムのより正確な解を得ることができる。好ましくは、力構成要素および/またはトルクは、このためにそれぞれ3つの測定信号の組み合わせから計算され、その後、組み合わせの数に対する平均化が行われる。
【0046】
さらに、測定信号を好ましい方向または力の構成要素に分解することは、個々の圧電素子の好ましい方向に関する圧電素子の正確な設置状況を知る必要がないという利点を有する。また、シャフトに対する圧電素子の配置構成、特にその半径方向の距離は知る必要がない。この場合、両方のパラメータは、較正測定によって規定することができる。
【0047】
好ましくは、その好ましい方向がそれぞれ平面に対して平行であるか、または平面内にある全ての圧電素子からの測定信号が、力および/またはトルクを規定するために使用される。これにより、測定に関与していないセンサの力の分流によって力伝達経路の一部が失われることを回避できる。
【0048】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、平面は、少なくともシャフトの回転軸に対して略垂直である。
【0049】
このような平面の向きとこれに伴う圧電素子の好ましい方向の向きとにより、トルクと回転方向に対する横力に関して測定の特に高い分解能を実現できる。平面が回転軸に対して垂直でない場合、測定信号は、横力およびトルクを規定するために部分的にのみ考慮される。ここで、この部分は、それぞれ回転軸に対して法線または垂直な架空平面上に各圧電素子の好ましい方向を投影することに対応している。
【0050】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、力が導入される圧電素子の一方の面が、平面に対して少なくとも略平行に位置している。これにより、剪断力を圧電素子に特に良好に導入することができる。
【0051】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、圧電素子は、力伝達経路について力の主経路を形成し、特に取付手段における力の分流は、力伝達経路の力の10%未満、好ましくは5%未満、最も好ましくは2%未満を取る。これにより、力および/またはトルクを特に正確に規定することができる。
【0052】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、各圧電素子に隣接して、シャフトの回転軸の方向にさらなる圧電素子が配置され、この圧電素子は好ましい方向において、平面に対して非平行に、特に少なくとも略垂直に方向づけられ、圧電素子は、それぞれ隣接して配置されたさらなる圧電素子と対を形成し、力伝達経路の力は、特に実質的に、対に印加される。
【0053】
これらの圧電素子をさらに備えることで、平面内の構成要素を2次元で測定するだけでなく、全ての力構成要素を3次元で測定することができる。これは、シャフトの回転軸方向の圧縮力または引張力を決定する場合に特に有益である。その好ましい方向が平面と平行である、または平面内に配置されている圧電素子の、特に有利な対での配置構成により、力の分流が可能な限り低く抑えられ、あるいは完全に排除される。
【0054】
さらなる有利な構成では、測定システムは固定装置、特にベアリングケージを備えており、固定装置は圧電素子を担持し、相対的に位置決めする。
【0055】
そのような固定装置を設けることにより、測定システムは、個々の圧電素子が互いに固定された位置を有する閉鎖されたユニットとして使用することができる。特に、そのような測定システムは事前に較正でき、圧電素子の個々の好ましい方向の向きと、固定装置の基準系における個々の圧電素子の位置が予め定義される。さらに好ましくは、圧電素子は、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%、固定装置の凹部、特に止まり穴に収容されている。
【0056】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、圧電素子は、回転軸の周りに不均等に分布している。これにより、構成上の理由から、回転軸周りの円周上の全ての箇所ではトルクを規定できない測定機構を実現できる。
【0057】
さらなる有利な構成では、全ての圧電素子および/または対は、例えば角度α<300°、好ましくはα<240°、より好ましくはα<180°、最も好ましくはα<120°で回転軸の周りに定義された扇形内に配置され、固定装置は、好ましくはこの角度領域を覆うように構成されている。
【0058】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、シャフトは軸受装置、特にその出力シャフトおよび/または入力シャフトがトルク伝達シャフトによって形成された機械によって支承され、固定装置は圧電素子および/または対を担持し、圧電素子によって軸受装置と軸受装置を支持するための支持装置との間の力、特に剪断力が測定可能であるように構成されている。
【0059】
この構成により、トルク伝達シャフトに印加される力および/またはトルクは、直接このシャフトで測定する必要はない。
【0060】
特に、例えば冒頭に引用した特許文献3に記載されているように、トルク伝達シャフトでネジ止め固定されているか、その他の方法で取り付けられている測定装置を使用する必要はない。これに対し、本構成では、シャフトの軸受装置に反力として印加される力が測定され、この力から、シャフトに加わる力、またはシャフトに印加されるトルクが推測される。換言すると、本発明によれば、力伝達経路におけるトルク伝達シャフト以外の箇所で、かつ動力伝達経路の外側で力が測定され、この力からトルク伝達シャフトに印加されるトルクが規定され、特に計算される。
【0061】
一方で、測定素子として使用される圧電素子の強度および剛性のために、軸受装置は、好ましくは圧電素子によって完全に支持されるか、または支承される。この構成においても、好ましくは全ての負荷または全ての力伝達経路が圧電素子に印加され、力の分流は少なくとも無視することができる。
【0062】
この構成では、測定システムは回転シャフトの構成部材ではないため、測定システムが測定結果を歪めない。特に、測定されるトルク伝達システム、特に試験台で試験されるシステムの運動質量または回転質量は変更されない。また、測定装置は、振動ダンパとして作用し、トルク伝達システムの固有振動数に影響を与え、特に歪めるような弾力をトルク伝達システムに付加しない。これは、圧電素子と比較して構成上比較的柔らかく、被試験システムに影響を与える測定素子としての歪ゲージを有するシステムと比べて特に有利である。
【0063】
この構成ではさらに、トルク伝達シャフトの動きを解析し、シャフトの動きの不規則性や振動を検知することが可能である。特に、シャフトのぐらつき運動を検知して測定することができる。シャフト上に配置された測定フランジのような測定システムでは、これはできないか、または困難である。特に、そのような測定フランジでは、測定フランジが実際にぐらついているシャフトの箇所にあることを保証できない。また、トルク伝達シャフトがその軸受装置または機械、特にモータに及ぼす力は、本発明の手段によって規定することができる。そのような力は、測定フランジで測定することはできず、利用可能な測定では規定することができないか、少なくとも正確には規定できない。
【0064】
この構成により、シャフトに印加される動的トルクと、シャフトの垂直方向と水平方向の振動を規定することができる。
【0065】
固定装置のさらなる有利な構成では、摩擦接合によって圧電素子および/または対の端面に平行に力を導入可能である。
【0066】
この構成では、圧電剪断素子を圧電素子として使用することができる。特にこれにより、2つの反対方向の力は、圧電素子の端面とそれぞれ力を導入する素子との間に材料接合を確立する必要なく、単一の圧電素子によって測定することができる。
【0067】
好ましくは、圧電素子は、固定装置および/または軸受装置および/または支持装置に摩擦結合によって接続され得る。さらに好ましくは、固定装置は、少なくとも回転方向の略接線方向および/またはシャフトの回転軸と平行に力を測定可能であるように構成されている。
【0068】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、圧電素子は、それぞれ中空部、特に中空円筒を有し、これにそれぞれ取付装置、特に止めネジが案内可能である。
【0069】
本発明にかかる測定システムのさらなる有利な構成では、固定装置はまた、圧電センサの中空部と少なくとも部分的に一直線上に並び、止めネジが支承可能な中空部を有する。
【0070】
圧電素子および/または固定装置に中空部を設けることにより、取付装置によって特に予圧または予荷重を圧電素子に加えることができ、これにより、圧電素子の端面とさらなる素子との間に摩擦接合を確立できる。
【0071】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による測定システムを備えた試験台または車両に関する。
【0072】
本発明の第3の態様は、トルク伝達シャフトにおける力および/またはトルクを規定するための測定機構であって、圧電効果に基づく測定システムと、シャフトとを有し、圧電素子は、圧電素子によって第1の部分と第2の部分との間の力、特に剪断力が測定可能であるようにシャフトの第1の部分と第2の部分との間に配置されている。
【0073】
測定機構の有利な構成では、シャフトは、連結装置を介して接続可能な2つの部分からなり、測定システムは、2つの部分のうちの1つで力および/またはトルクを規定する。
【0074】
本発明の第4の態様は、トルク伝達シャフトにおける力および/またはトルクを規定するための測定機構であって、圧電効果に基づく測定システムと、シャフトと、軸受装置と、軸受装置の支持装置とを有し、軸受装置はシャフトを支承し、測定システムはシャフトの回転質量および/またはシャフトと軸受装置のアセンブリの回転部の回転質量を変化させない測定機構に関する。ここで、好ましくは、シャフトの軸受の反力を測定できる測定システムが使用される。
【0075】
ここで、好ましくは、軸受装置は機械、特に負荷および/または駆動機械、好ましくは電気機械または内燃機関である。
【0076】
本発明の第5の態様は、シャフトに印加されるトルクおよび/またはシャフトに印加される力を規定するための方法に関し、力および/またはシャフトに印加されるトルクは、圧電素子のそれぞれの好ましい方向、または個々の圧電素子によって測定された力を構成要素に直交分解することで規定され、それぞれ平行な構成要素が合計される。
【0077】
有利な構成では、方法は以下の作業ステップ:
- 少なくとも第1の圧電センサの第1の信号と、第2の圧電センサの第2の信号と、第3の圧電センサの第3の信号とを検出するステップ、
- この方向の圧電素子の好ましい方向のそれぞれの構成要素に応じて、少なくとも1つの方向の信号を部分的に合計するステップ、および
- 合計された信号からトルクおよび/または力を導出するステップ、または
- この方向における圧電素子の好ましい方向のそれぞれの構成要素に応じて、少なくとも1つの方向における個々の各信号に対するトルクおよび/または力を導出するステップ、および
- トルクおよび/または力を合計するステップ
を有する。
【0078】
本発明の第6の態様は、以下の作業ステップ:
- 平面に平行な第1の方向に定義された力を加えるステップ、
- 平面に平行な第2の方向に定義された力を加えるステップ、
- 少なくとも第1の圧電素子の第1の信号、第2の圧電素子の第2の信号、および第3の圧電素子の第3の信号を検出するステップ、および
- 検出された信号と、定義された力の第1および第2の方向とに基づいて、圧電素子の好ましい方向を導出するステップ
を有する測定システムを較正するための方法に関する。
【0079】
本発明の第7の態様は、以下の作業ステップ
- シャフトの回転軸の周りの定義されたトルクを加えるステップ、
- 少なくとも第1の圧電センサの第1の信号、第2の圧電センサの第2の信号、および第3の圧電センサの第3の信号を検出するステップ、および
- 検出された信号と定義されたトルクに基づいて、特に圧電素子のシャフトの回転軸に関して圧電素子の距離を導出するステップ
を有する測定システムを較正するための方法に関する。
【0080】
本発明のさらなる態様は、コンピュータによって実行されると、本発明にかかる方法のステップをコンピュータに実行させるように設定されたコンピュータプログラム、および対応するコンピュータ読取り可能な媒体に関する。したがって、本発明にかかる方法は、コンピュータによって実行することができる。
【0081】
さらなる利点および特徴は、図に関連した好ましい実施例の以下の説明から明らかである。図は、以下の少なくとも一部を模式的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】トルク伝達シャフトにおける力および/またはトルクを規定するための測定機構の第1の実施例を示す。
図2】測定システムの第1の実施例の圧電素子の配置構成を示す。
図3】測定システムの第2の実施例の圧電素子の配置構成を示す。
図4】測定システムの第3の実施例の圧電素子の配置構成を示す。
図5】測定システムの第4の実施例の斜視図を示す。
図6】測定機構の第2の実施例を示す。
図7】測定機構の第3の実施例を示す。
図8】測定機構の第4の実施例を示す。
図9図8による第4の実施例にかかる測定装置を有する測定機構の部分斜視図である。
図10a】測定システムの第5の実施例の平面図および側面断面図である。
図10b】測定システムの第5の実施例の平面図および側面断面図である。
図11a】測定システムの第6の実施例の平面図および側面断面図である。
図11b】測定システムの第6の実施例の平面図および側面断面図である。
図12】全ての実施例の測定システムの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、駆動試験台15上のトルク伝達シャフト3a、3bにおける力および/またはトルクを測定するための測定機構9の第1の実施例を示す平面図である。ここで、シャフト3a、3bは、特にシャフト3a、3bの軸受装置として機能するモータ2を、ギアと、車軸部を介してホイールダイナモメータ14a、14bと接続されている差動装置13とに接続する。
【0084】
シャフトの第1の部分3aとシャフトの第2の部分3bとの間には、固定装置として2つの部分からなる測定フランジ5a、5bを有する測定システム1が配置されている。シャフトの第1の部分3aは測定フランジの第1の部分5aに接続され、シャフトの第2の部分3bは測定フランジの第2の部分5bに回転不能に接続されている。3つの圧電素子4a、4b、4cは、測定フランジの2つの部分5a、5bの間に配置されており、また、測定フランジの部分5a、5bに、特に摩擦接合によって固定的に接続されている。
【0085】
この測定機構9により、支持装置10(図示せず)から、モータ2、シャフトの第1の部分3a、測定フランジの第1の部分5a、3つの圧電素子4a、4b、4c、測定フランジの第2の部分5b、シャフトの第2の部分3b、ギアおよび差動装置13、および車軸部分を介して、その側で適切な手段によって支持されているホイールダイナモメータ14a、14bに対して力伝達経路を実現することができる。ここで可能な動力伝達経路は、モータ2からシャフト3a、3bおよび測定フランジ5a、5bならびにギアおよび差動装置13を介して、ホイールダイナモメータ14a、14bへ延びる。
【0086】
測定フランジ5a、5bの部分を介して、特に圧電素子4a、4b、4cの端面を介して印加される力が圧電素子に導入されるか、または圧電素子4a、4b、4cに印加される。測定システム1は図1において、基準系のY軸とZ軸に広がる平面を上から見た平面図で示される。
【0087】
図2は、例えば図1による測定機構9の第1の実施例に使用可能な測定システム1の第1の実施例の圧電素子4a、4b、4cの配置構成を示す。
【0088】
ここで、圧電素子4a、4b、4cの配置構成は、図1による基準系のY軸とX軸に広がる平面で示されている。よって、圧電素子の端面17a、17b、17cは視認可能となる。
【0089】
圧電素子4a、4b、4cの中心点は全て、シャフト3(図示せず)の回転軸Dが通る中心点からの距離dに配置されている。圧電素子4a、4b、4cは、それぞれ回転軸Dまたは中心点の周りに異なる位置をとる。破線の円は、シャフトまたは中心点の周りに延び、シャフト3(図示せず)の回転時の回転軸Dまたは中心点の周りの各点における圧電素子4a、4b、4cの回転方向を示す。
【0090】
各圧電素子4a、4b、4cは、X軸とY軸に広がる平面上に位置する、異なる好ましい回転方向V、V、Vをそれぞれ有する。好ましくは、3つの好ましい方向V、V、Vは異なる方向を有し、よって、平行でも逆平行でもない向きである。しかし、さらに好ましくは、3つの好ましい方向のうちの2つV、Vのみが平行でも逆平行でもない向きである。この場合、第3の好ましい方向Vは、他の2つの好ましい方向V、Vのいずれかと平行であってもよい。
【0091】
回転軸Dに関して個々の圧電素子4a、4b、4cの位置の間に角度領域19a、19b、19cが広がっている。第1の圧電素子4aと第2の圧電素子4bとの間の角度領域19aは角度αabを有し、第2の圧電素子4bと第3の圧電素子4cとの間の角度領域19bは角度αbcを有し、第3の圧電素子4cと第1の圧電素子4aとの間の角度領域19cは角度αcaを有する。
【0092】
好ましくは、角度領域の角度αab、αbc、αcaのうち少なくとも2つは、異なる値を有する。
【0093】
全ての圧電素子4a、4b、4cは、取付手段、特にボルトまたはネジ(図示せず)が通過可能な穴21a、21b、21cを有する。端面17a、17b、17cを介して剪断力を導入できる。
【0094】
図3は、測定システム1の第2の実施例の圧電素子4a、4b、4cの配置構成を示す。
【0095】
図2と同様に、圧電素子の端面17a、17b、17c、17dの平面図が示されている。図3でも、基準系(αab、αbc、αca)のX軸とY軸に広がる平面に対して垂直の視線方向であり、図2による配置構成も図1の測定機構9に使用できる。
【0096】
個々の圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vは、圧電素子4a、4b、4c、4dの配置構成の中で異なる方向を指しており、点線の円で示される回転方向に接線していないが、図2のように、基準系のX軸とY軸とに広がる平面内にあり、したがって、回転軸Dが像平面の外側の中心点を通るシャフト3(図示せず)に垂直に延びる。
【0097】
示された配置構成における第2の圧電素子4bの好ましい方向Vは、第4の圧電素子4dの好ましい方向Vと逆平行の向きである。
【0098】
全ての圧電素子4a、4b、4c、4dは、図2に示すように、取付手段、特にボルトまたはネジ(図示せず)が通過できる穴21a、21b、21c、21dを有する。端面17a、17b、17c、17dを介して剪断力を導入することができる。
【0099】
図4は、図1による測定機構9にも使用できる、測定システムの第3の実施例の4つの圧電素子4a、4b、4c、4dの配置構成を示す。
【0100】
図2および図3の配置構成とは対照的に、圧電素子4a、4b、4c、4dは、測定システムにおいてシャフト3(図示せず)が通るだろう配置構成の中心点Dから異なる距離R、R、R、Rで配置されている。回転軸Dまたは中心点を中心とした圧電素子4a、4b、4c、4dの回転方向を点線の円で示す。
【0101】
圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vは、回転方向に対して接線方向である。
【0102】
さらに、圧電素子4a、4b、4c、4dは、図3とは異なり、回転軸Dまたは中心点の周りに円周にわたって不均等に配置されている。
【0103】
図5は、測定システム1の第4の実施例のセンサのさらなる配置構成を示す。
【0104】
示された測定システム1では、個々の圧電素子4a、4b、4c、4dは固定装置5によって支承されている。圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vは、好ましくは固定装置5の進路において方向づけられているが、各好ましい方向V、V、V、Vのそれぞれが単一の平面、特に、固定装置5によっても定義される各平面に位置するか、または平行である限り、他の方向を向いていてもよい。
【0105】
力および/またはトルクが印加される(図示せず)シャフト3(図示せず)の回転軸Dは、本実施例では図5に関して、固定装置5の左側の領域に配置されている。点線は考えられる回転軸Dを示す。
【0106】
ここで、回転軸Dは、各圧電素子4a、4b、4c、4dから同じ距離で配置される必要はなく、また、回転軸Dは、固定装置5の曲率によって定義され得る中心点を通過する必要もない。
【0107】
図6は、試験台15上の測定機構9の第2の実施例を示す。
【0108】
図1による測定機構9とは異なり、図6の測定機構9はまた、連結部6a、6bを有する。ここで、第1の連結部6aは、測定フランジの第2の部分5bに回転不能に接続されており、第2の連結部6bと着脱可能に摩擦接合式に接触できる。
【0109】
連結板6a、6bの相対位置と、モータ2からホイールダイナモメータ14a、14bへの力伝達経路で伝達される動力に応じて、測定フランジ5a、5bには、規定されるべきトルクが印加される。
【0110】
図7は、試験台15上の測定機構9の第3の実施例を示す。
【0111】
図1および図6による測定機構9とは異なり、力および/またはトルクの測定は、モータ2とホイールダイナモメータ14a、14bとの間、またはモータ2とギアおよび差動装置13との間の動力伝達経路の中では行われない。代わりに、トルク伝達シャフト3に印加されるトルクおよび/または力は、支持装置10によってモータ2が試験台上に支持される反力を介して動力伝達経路の外側で規定される。
【0112】
したがって、圧電素子は、支持装置10とモータ2との間の力伝達経路に配置されている。
【0113】
シャフト3に測定フランジ5a、5bを設けた他の実施例と同様に、圧電素子4a、4b、4c、モータ2および支持装置10の間には、圧電素子4a、4b、4cまたはその端面は、モータ2と支持装置10の対応する部分と摩擦係合を形成することにより、トルク伝達接続が確立される。
【0114】
図8は、特に車両で使用することができる測定機構9の第4の実施例を示す。
【0115】
図7による実施例とは異なり、本実施例の支持装置10は、ベルハウジングの一種として構成されている。したがって、モータ2は、ギアおよび差動装置13のハウジング8に支持されている。
【0116】
よって、この実施例における力伝達経路は、ギアハウジング13からベルハウジング10を介してモータ2へ、そしてそこからトルク伝達シャフト、ギアおよび差動装置13を介してホイールダイナモメータ14a、14bへと延びる。
【0117】
反力および/または反トルクを伝達するために、圧電素子4a、4b、4cはここでも、モータ2とベルハウジング10との間の動力伝達経路の外側に配置されている。ここでも、モータ2とベルハウジング10の対応する面と圧電素子4a、4b、4cとの間には摩擦係合が形成されている。
【0118】
好ましくは、図2から図5に示した測定システム1の様々な実施例の圧電素子4a、4b、4c、4dの配置構成のいずれかを、図6から図8に示した測定機構9の実施例に使用することができる。
【0119】
一例として、図9は、図8による測定機構9の第4の実施例における図5による測定システムの使用を示す。固定装置5と圧電素子4a、4b、4c、4dを備えた測定システム1は、この平面図ではベルハウジング10上に配置されている。
【0120】
好ましくは、測定システム1はここで、取付手段16a、16b、16c、16dによってベルハウジング10に支持されている。さらに、取付手段16a、16b、16c、16dは、圧電素子4a、4b、4c、4dのそれぞれの端面がベルハウジング10の表面とモータ2の表面とに接触して摩擦係合式の接続を形成するように、モータ2(図示せず)とベルハウジング10との間に予圧を確立するのに用いられる。
【0121】
圧電素子4a、4b、4c、4dとモータ2と支持装置10との間の摩擦係合により、圧電素子4a、4b、4c、4dの端面を介して圧電素子に剪断力を導入でき、圧電素子4a、4b、4c、4dに電荷分離を生じさせることができる。これにより、剪断力に依存した電位が電荷放出部または電線22に印加される。
【0122】
ベルハウジング10の開口部11を通り、シャフト3(図示せず)がベルハウジング10を貫通して、ギアおよび差動装置13に向かって延びることができる。
【0123】
図10aおよび図10bは、固定装置5に支承された圧電素子対18a、18b、18c、18dを有する測定システム1の第5の実施例を示す。
【0124】
ここで、図10aは、測定システム1の平面図であり、図10bは、線Y-Yに沿った断面図である。圧電素子対18a、18b、18c、18dは、それぞれ、印加される力および/または印加されるトルクが規定されるべきトルク伝達シャフト3(図示せず)の回転軸Dの方向に隣接して配置された、2つの圧電素子4b、4e;4d、4fによって形成されている。
【0125】
ここで、各圧電素子対18a、18b、18c、18dの第1の圧電素子4b、4dは、シャフト3の回転軸Dが交差する単一の平面に平行である、または単一の平面内にある好ましい方向を有し、平面は、図10bに示すように、好ましくは回転軸Dに対して垂直である。これらの第1のセンサ4b、4dによって、好ましくはこの平面に作用する力および/またはトルクを規定できる。
【0126】
圧電素子対18a、18b、18c、18dの他の圧電素子4e、4fは、好ましくは、平面に平行ではなく、さらに好ましくはこの平面に垂直な方向を有する。よって、他の圧電素子4e、4fによって、好ましくは、回転方向Dに対して略垂直である圧縮力または引張力を測定することができる。
【0127】
図10bに示すように、各圧電素子対は、圧電素子4b、4e;4d、4fのそれぞれ1つによって形成される2つの端面17b、20b;17d、20dを有する。
【0128】
ここで、一方の端面20b、20dは、それぞれ固定装置5に支承されている。他方の端面17b、17dは、それに関して力が測定されるべき部品に接触することができる。端面17b、17dおよび第2の端面20b、20dの両方は、好ましくは、固定装置と他の部品との間に摩擦接合式の、特に摩擦係合式の接続を形成する。
【0129】
既に説明したように、取付手段、特に止めネジは、圧電素子対18a、18b、18c、18dの穴21a、21b、21c、21dを通って圧電素子の穴に案内され、それによって、固定装置と、それぞれの他の部品、ひいては圧電素子対18a、18b、18c、18dを固定することができる。好ましくは、固定装置5も取付手段を収容するための中空部12を有する。
【0130】
各圧電素子4a、4b、4c、4d、4e、4fは、電荷放出部22を介して減少できる測定信号S1、S2、S3、S4、S5、S6を生成する。
【0131】
図11aおよび図11bは、本発明にかかる測定システム1の第6の実施例を示す図であり、ここで、図11aは斜視平面図、図11bは側面断面図である。
【0132】
本実施例の測定システム1は、圧電素子4a、4b、4c、4dがフランジ5aの第1の部分と測定フランジ5bの第2の部分との間に配置されており、回転軸Dに対して半径方向に予圧が加えられていることを特徴としている。これは、予圧、ひいては摩擦接合が回転軸Dの方向に発生する図1から図5および図10a/図10bの実施例とは対照的である。
【0133】
各圧電素子4a、4b、4c、4dは、電荷放出部を介して減少できる測定信号S1、S2、S3、S4を生成する。
【0134】
測定フランジ5a、5bに代わるものとして、圧電素子4a、4b、4c、4dにそれぞれ接合する図示された部品は、軸受装置2およびシャフト3の支持装置10(図示せず)であってもよい。
【0135】
図12に示すように、測定システム1は、好ましくは、第1の圧電素子4aの測定信号S1、第2の圧電素子4bの測定信号S2、第3の圧電素子4cの測定信号S3、および第4の圧電素子4dの測定信号S4を処理するための信号処理装置7を有する。
【0136】
シャフト上のトルクMzと横力Fx、Fyを計算できるようにするために、信号処理装置7は、好ましくは、測定信号S1、S2、S3、S4、および/または測定された力の圧電素子4a、4b、4c、4dのそれぞれの好ましい方向Va、Vb、Vc、Vdの直交分解を行う。
【0137】
ここで、規定されるパラメータMz、Fx、Fyは方程式系の解であり、各測定信号に対して以下のような方程式が有効である。
S1=a11・Mz+a12・Fx+a13・Fy

S2=a21・Mz+a22・Fx+a13・Fy

S3=a31・Mz+a32・Fx+a23・Fy



SN=aN1・Mz ...
【0138】
各係数aは、ここでは、センサのそれぞれの位置および基準系における好ましい方向V、V、V、Vの向き、それぞれの圧電素子4a、4b、4c、4dの感度、および取付手段を介した力の分流による信号損失の可能性などのいくつかの要因に依存する。
【0139】
トルク構成要素Mz、第1の横力構成要素Fxおよび第2の横力構成要素Fyのためのこのような方程式系を解くために、測定信号は、好ましい方向V、V、Vが単一の平面内に位置するように方向づけされた少なくとも3つの圧電素子4a、4b、4cから必要とされる。さらに、好ましい方向V、V、Vのうち少なくとも2つの方向は、平行でも逆平行でもない向きであることが必要である。
【0140】
ここに記載したN=3の一般的な場合、すなわち3つの圧電素子4a、4b、4cを有する場合には、上述の方程式系の解は明らかである。測定システム1にさらに圧電素子を追加すると、規定されるべき3つのパラメータMz、Fx、Fyを有する方程式系が過大に規定されるが、再度測定精度を向上させることができる。
【0141】
N=4の場合、4つの異なる方程式系F(S1、S2、S3)、F(S1、S2、S4)、F(S1、S3、S4)、F(S2、S3、S4)を設定することができる。規定されるべき個々のパラメータMz、Fx、Fyに対して規定された値は、その後、加算され、平均化され、すなわち、この場合4つの圧電素子4a、4b、4c、4dを4で割ることができる。同様に、最小化タスクによって解かれる過規定方程式F(S1、S2...、SN)を設定することができる。
【0142】
方程式系の一般的な解が見つかった場合、規定されるべき構成要素Fx、Fy、Mzの計算は、行列の乗算に還元することができる。これは、3つの行と、測定信号S1、S2、S3、SNが利用可能な数だけの列を持つ。行列の要素または係数は、規定されるパラメータFx、Fy、Mzに対する個々のセンサのそれぞれの寄与を表す。
【0143】
【数1】
【0144】
測定信号S1、S2、S3、S4をそれぞれの規定されたパラメータMz、Fx、Fyに寄与する構成要素に分解するためには、圧電素子4a、4b、4cの位置と好ましい方向V、V、V、Vの向きを知る必要がある。
【0145】
幾何学的パラメータは、測定システム1の構築図から、および圧電素子4a、4b、4dの好ましい方向を知ることで規定できる。
【0146】
しかし、圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vの向きは、較正測定を用いて好ましい方向V、V、V、Vを測定することにより規定することもできる。好ましくは、測定システム1は、このために2つの平板の間にクランプされる。次のステップでは、公知の方向を有する外部横力がかかる。導入された横力の大きさおよび方向に対する個々の測定信号S1、S2、S3、S4の大きさから、圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vに広がる平面内での圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vを規定することができる。
【0147】
同様に、個々の圧電素子4a、4b、4c、4dの好ましい方向V、V、V、Vが公知であれば、定義されたトルクMzを加え、個々の測定信号S1、S2、S3、S4を測定することにより、回転軸Dからの圧電素子4a、4b、4c、4dの距離r、r、r、rを規定することができる。
【0148】
記載されている実施例は単なる例であり、保護範囲、用途、構造を何ら制限することを意図したものではない。むしろ、上記説明は、少なくとも一つの実施例を実施するためのガイドラインを当業者に提供するものであり、それによって、特に記載された構成部材の機能および配置構成に関して様々な変更が、特許請求の範囲およびこれらの同等の特徴の組み合わせから生じる保護範囲から離れることなく行われることが可能である。特に、個々の実施例は、互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0149】
1 測定システム
2 軸受装置/モータ
3 シャフト
4a、4b、4c、4d、4e、4f 圧電素子
5、5a、5b、5c、5d 固定装置
6a、6b 連結部
7 信号処理装置
8 ハウジング
9 測定機構
10 支持装置
11 開口部
12 中空部
13 ギアおよび差動装置
14a、14b ホイールダイナモメータ
15 試験台
16a、16b、16c、16d 取付手段
17a、17b、17c、17d 第1の端面
18a、18b 圧電素子対
19a、19b、19c 角度領域
20b、20d 第2の端面
21a、21b、21c、21d 穴
22、22a、22b、22c、22d 電荷放出部/電線
、V、V、V 好ましい方向
S1、S2、S3、S4 測定信号
D 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図12