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特許7214008厚い導電層を備える電気パワーアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】厚い導電層を備える電気パワーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20230120BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20230120BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20230120BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/12 501Z
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
H05K3/46 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021558153
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2020002641
(87)【国際公開番号】W WO2020195089
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】19164827.8
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ムラド、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】モロヴ、ステファン
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-249410(JP,A)
【文献】特開2012-028700(JP,A)
【文献】特開2016-058417(JP,A)
【文献】国際公開第2011/016555(WO,A1)
【文献】特開2015-070269(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03148300(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03252812(EP,A2)
【文献】特開2002-246760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/12
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの多層ベース構造体であって、該少なくとも1つの多層ベース構造体に少なくとも1つのパワーデバイスが埋め込まれ、該多層ベース構造体の各側に内部導電層が位置決めされ、各内部導電層は、該多層ベース構造体内に配置された接続部を通して前記パワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続された少なくとも1つのコンタクトパッドを備える、少なくとも1つの多層ベース構造体と、
前記多層ベース構造体の各側に位置決めされた少なくとも1つの外部導電層であって、各外部導電層は、少なくとも1つのスルーホールを備え、前記少なくとも1つの外部導電層は前記内部導電層よりも厚い、少なくとも1つの外部導電層と、
前記多層ベース構造体の少なくとも一方の側に位置決めされた少なくとも1つの内部電気絶縁層であって、前記多層ベース構造体の前記内部導電層とそれぞれの外部導電層との間に位置決めされている、少なくとも1つの内部電気絶縁層と、
少なくとも1つの穴であって、該穴が前記内部導電層のコンタクトパッドによって形成された底部を有するように、前記内部導電層のコンタクトパッドから前記外部導電層の外面まで延在し、各穴の一部分が前記外部導電層のスルーホールによって形成されている、少なくとも1つの穴と、
を備え、
前記少なくとも1つの穴は、前記内部導電層の前記コンタクトパッドを前記それぞれの外部導電層に接続する外部導電ビアを形成するために、前記穴の前記底部から前記外部導電層の前記外面まで導電性材料で充填されている、電気パワーアセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの多層ベース構造体は、
電気絶縁コアと、
前記電気絶縁コアに埋め込まれた少なくとも1つのパワーデバイスであって、各パワーデバイスは、反対の電気接点を有する、少なくとも1つのパワーデバイスと、
前記電気絶縁コアの両面の2つの内部導電層と、
を備え、
各内部導電層は、前記電気絶縁コア内に且つ前記内部導電層内に配置された接続部を通して前記パワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続された少なくとも1つのコンタクトパッドを備える、請求項1に記載の電気パワーアセンブリ。
【請求項3】
前記外部導電層の厚さは、100μm~4mmの範囲である、請求項1又は2に記載の電気パワーアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの穴は、0.4~1.6の範囲の穴の深さ対前記外部導電層の前記穴の直径の比を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリ。
【請求項5】
内部導電層とパワーデバイスの電気接点との前記接続部は導電ビアである、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの穴の直径は、100μm~1500μmの範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパワーデバイスは、ダイオード、MOSFET、JFET又はIGBT等のトランジスタである、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法であって、
(a)多層ベース構造体を形成することであって、該多層ベース構造体に少なくとも1つのパワーデバイスが埋め込まれ、該少なくとも1つの多層ベース構造体の各側に内部導電層が位置決めされ、各内部導電層は、該多層ベース構造体内に配置された接続部を通して前記パワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続された少なくとも1つのコンタクトパッドを備えることと、
(b)2つの外部導電層を準備することであって、該外部導電層は少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールを有することと、
(c)前記多層ベース構造体の各側に外部導電層を位置決めするとともに、前記多層ベース構造体の前記内部導電層と前記多層ベース構造体の少なくとも一方の側の前記外部導電層との間に少なくとも1つの内部電気絶縁層を位置決めすることと、
(d)前記多層ベース構造体と、前記内部電気絶縁層と、前記外部導電層とを積層させることと、
(e)前記内部電気絶縁層の一部分と前記少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールを充填する材料の一部分とを含むスタックを除去することにより、少なくとも1つの穴を、該少なくとも1つの穴が前記内部導電層のコンタクトパッドによって形成された底部を有するように形成することと、
(f)前記多層ベース構造体の前記内部導電層の前記コンタクトパッドを前記外部導電層に接続する前記外部導電ビアを形成するために、前記少なくとも1つの穴を導電性材料で充填することと、
(g)導電パターンを形成するために前記外部導電層の表面層をパターニングすることと、
を含む、電気パワーアセンブリを製造する方法。
【請求項9】
前記多層ベース構造体を形成することは、
電気絶縁コアに少なくとも1つのキャビティを形成することと、
各キャビティ内に少なくとも1つのパワーデバイスを挿入することと、
前記電気絶縁コアの両面に2つの内部導電層を位置決めすることと、
前記電気絶縁コア及び前記内部導電層を積層させることと、
前記電気絶縁コアに且つ前記内部導電層に穴を形成することと、
前記内部導電層の前記少なくとも1つのコンタクトパッドを前記パワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続するために、前記穴をめっきすることと、
導電パターンを形成するために、前記内部導電層の表面層をパターニングすることと、
を含む、請求項8に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法。
【請求項10】
ステップ(b)~(g)のシーケンスは、少なくとも1回繰り返される、請求項8又は9に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法。
【請求項11】
ステップ(b)~(g)のシーケンスは、1mm~100mmを含む、前記多層ベース構造体の各側に前記外部導電層のための所望の総厚さを得るために必要な回数、繰り返される、請求項8~10のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法。
【請求項12】
各外部導電層は、100μm~4mmの範囲の厚さを有する、請求項8~11のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法。
【請求項13】
前記外部導電層の前記少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールは、前記多層ベース構造体の各側に前記外部導電層を位置決めする前にペースト絶縁材料で予め充填される、請求項8~12のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法。
【請求項14】
前記ペースト絶縁材料は、エポキシ樹脂、シリコンからなる群から選択される、請求項13に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法
【請求項15】
前記少なくとも1つの穴は、0.4~1.6の範囲のビアホール深さ対予め穴あけされた穴の直径の比を有する、請求項8~14のいずれか一項に記載の電気パワーアセンブリを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層ベース構造体内に埋め込まれた少なくとも1つのパワーデバイスと、パワーデバイスのより適切な電流伝送及び熱伝達を提供する少なくとも1つの厚い外部導電層とを備える、電気パワーアセンブリに関する。本発明はまた、パワーアセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイオード又は様々なタイプのパワートランジスタ(MOSFET、JFET、IGBT、HEMT)等のパワーダイは、例えば自動車業界、航空業界、鉄道業界等の多くの異なる分野において、電力の制御及び変換に使用される、パワーモジュールの基本コンポーネントである。
【0003】
目下、例えばパワーモジュールにおいて、パワーダイを他のコンポーネントに接続する最も一般的な方法は、少なくとも一方の側が銅の層で覆われているセラミックプレートを備える、直接接合銅(DBC:Direct Bonded Copper)基板等の基板を使用することによる。パワーダイは、DBC基板の一方の側にはんだ付け又は焼結され、ダイメタライゼーション部の上に超音波溶接されるワイヤボンド又はリボンによって、パワーダイの他方の側に接続される。
【0004】
スイッチング周波数及び電力密度が絶えず増大することにより、パワーモジュールの熱的強化、体積の低減及び信頼性の向上が必要となる。
【0005】
この観点で、基板上におけるパワーダイのワイヤボンディングによる従来の電力接続には、多くの限界及び欠点があり、とりわけ、ワイヤボンドに起因する寄生レベルが高く信頼性が低いことがある。
【0006】
プリント回路基板(PCB)ラミネートに埋め込まれた少なくとも1つのパワーダイを備える、予めパッケージ化されたパワーセルを製造することからなる新たなパッケージング技術が現れている。パワーダイは、次いで、めっきされたビアを介して導電層に接続される。
【0007】
この新たなパッケージングソリューションにより、基板上のパワーダイのより容易な接続が可能になる。さらに、めっきされたビアによる接続により、信頼性が向上するとともに、相互接続の寄生要素が低減する。
【0008】
パワーデバイスパッケージングを製造する従来の方法は、以下のステップ:
- 電気絶縁コア内にパワーダイのサイズのキャビティを形成するステップと、
- キャビティ内にパワーデバイスを挿入するステップと、
- 電気絶縁層のスタックを得るように、2つの更なる電気絶縁層の間にパワーデバイスを備える電気絶縁層を位置決めするステップと、
- 2つの外部導電層の間に電気絶縁層のスタックを位置決めするステップと、
- 電気絶縁層のスタックと外部導電層とを積層させるステップと、
- レーザーにより複数のビアホールを穴あけするステップと、
- 外部導電層のコンタクトパッドをパワーダイのそれぞれの電気接点に接続するために、ビアホールをめっきするステップと、
- 電力伝送及び熱伝達を増大させるために、パワーエレクトロニック用途の必要性に従って必要な厚さにめっきすることにより、外部導電層の厚さを増大させるステップと、
- 所望のレイアウトを形成するために外部導電層の表面をパターニングするステップと、
を含む。
【0009】
しかしながら、こうしたパワーデバイスパッケージング構造では、パワーデバイスのより高い熱性能及び電気性能を得るために、銅で充填されたビアとパッケージ構造体の上の厚い銅層とがあることが好ましい。したがって、2つの導電層に必要な厚さに達するために、ビアをめっきするステップが長くなる。こうした方法によりプロセスのコストがかかる。
【0010】
他のソリューションは、ビアを穴あけするステップを実施する前に、最初に厚い外部導電層を得ることである。しかしながら、厚い導電層で制限される穴あけレーザー能力に存在する別の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、上記欠点をなくすために改良されたパッケージ構造を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記を考慮して、本発明は、パワーアセンブリに、パワーデバイスの熱的能力及び電力能力を増大させるために厚い導電層を設けることを目的とする。本発明の別の目的は、従来技術におけるよりも製造が容易であるパワーアセンブリを提供することである。
【0013】
したがって、
少なくとも1つの多層ベース構造体であって、当該少なくとも1つの多層ベース構造体に少なくとも1つのパワーデバイスが埋め込まれ、当該多層ベース構造体の各側に内部導電層が位置決めされ、各内部導電層は、多層ベース構造体内に配置された接続部を通してパワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続された少なくとも1つのコンタクトパッドを備える、少なくとも1つの多層ベースと、
ベース構造体の各側に位置決めされた少なくとも1つの外部導電層であって、各外部導電層は、少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールを備える、少なくとも1つの外部導電層と、
ベース構造体の少なくとも一方の側に位置決めされた少なくとも1つの内部電気絶縁層であって、ベース構造体の内部導電層とそれぞれの外部導電層との間に位置決めされている、少なくとも1つの内部電気絶縁層と、
少なくとも1つの穴であって、当該穴が内部導電層のコンタクトパッドによって形成された底部を有するように、内部導電層のコンタクトパッドから外部導電層の外面まで延在し、各穴の一部分が予め穴あけされたスルーホールによって形成されている、少なくとも1つの穴と、
を備え、
少なくとも1つの穴は、内部導電層のコンタクトパッドをそれぞれの外部導電層に接続する外部導電ビアを形成するために、穴の底部から外部導電層の外面まで導電性材料で充填されている、電気パワーアセンブリが開示される。
【0014】
本発明によるパワーアセンブリは、パワーデバイスを内部に埋め込んだ多層ベース構造体の両側に位置決めされる厚い外部導電層により、改良された電力伝送を可能にする。
【0015】
実施の形態では、上記少なくとも1つの多層ベース構造体は、
電気絶縁コアと、
電気絶縁コアに埋め込まれた少なくとも1つのパワーデバイスであって、各パワーデバイスは、反対の電気接点を有する、少なくとも1つのパワーデバイスと、
電気絶縁コアの両面の2つの内部導電層と、
を備え、
各内部導電層は、電気絶縁コア内に且つ内部導電層内に配置された接続部を通してパワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続された少なくとも1つのコンタクトパッドを備える。
【0016】
好ましくは、外部層の厚さは、100μm~4mm、好ましくは400μm~1mmの範囲である。
【0017】
少なくとも1つの穴は、0.4~1.6、好ましくは0.8~1.2の範囲の穴の深さ対予め穴あけされた穴の直径の比を有する。
【0018】
実施の形態では、内部導電層とパワーデバイスの電気接点との接続部は導電ビアである。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの穴の直径は、100μm~1500μmの範囲である。
【0020】
実施の形態では、少なくとも1つのパワーデバイスは、ダイオード、MOSFET、JFET又はIGBT等のトランジスタである。
【0021】
また、上記の記載によるパワーアセンブリを製造する方法であって、
(a)多層ベース構造体を形成することであって、当該少なくとも1つの多層ベース構造体に少なくとも1つのパワーデバイスが埋め込まれ、当該少なくとも1つのベース構造体の各側に内部導電層が位置決めされ、各内部導電層は、当該多層ベース構造体内に配置された接続部を通してパワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続された少なくとも1つのコンタクトパッドを備えることと、
(b)2つの外部導電層を準備することであって、当該外部導電層は少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールを有することと、
(c)ベース構造体の各側に外部導電層を位置決めするとともに、ベース構造体の内部導電層とベース構造体の少なくとも一方の側の外部導電層との間に少なくとも1つの内部電気絶縁層を位置決めすることと、
(d)ベース構造体と、内部電気絶縁層と、外部導電層とを積層させることと、
(e)内部電気絶縁層の一部分と少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールを充填する材料の一部分とを含むスタックを除去することにより、少なくとも1つの穴を、当該少なくとも1つの穴が内部導電層のコンタクトパッドによって形成された底部を有するように形成することと、
(f)多層ベース構造体の内部導電層のコンタクトパッドを外部導電層に接続する外部導電ビアを形成するために、少なくとも1つの穴を導電性材料で充填することと、
(g)導電パターンを形成するために外部導電層の表面層をパターニングすることと、
を含む、パワーアセンブリを製造する方法が開示される。
【0022】
実施の形態では、多層ベース構造体を形成するステップは、
電気絶縁コアに少なくとも1つのキャビティを形成することと、
各キャビティ内に少なくとも1つのパワーデバイスを挿入することと、
電気絶縁コアの両面に2つの内部導電層を位置決めすることと、
電気絶縁コア及び内部導電層を積層させることと、
電気絶縁コアに且つ内部導電層に穴を形成することと、
内部導電層の少なくとも1つのコンタクトパッドをパワーデバイスのそれぞれの電気接点に接続するために、穴をめっきすることと、
導電パターンを形成するために、内部導電層の表面層をパターニングすることと、
を含む。
【0023】
方法は、ステップ(b)~(g)のシーケンスが、少なくとも1回繰り返される更なるステップを含むことができる。
【0024】
実施の形態では、ステップ(b)~(g)のシーケンスは、1mm~100mmを含む、ベース構造体の各側に外部導電層のための総厚さを得るために必要な回数、繰り返される。
【0025】
好ましくは、各外部導電層は、100μm~4mm、好ましくは400μm~1mmの範囲の厚さを有する。
【0026】
実施の形態では、外部導電層の少なくとも1つの予め穴あけされたスルーホールは、ベース構造体の各側に外部導電層を位置決めする前にペースト絶縁材料で予め充填される。
【0027】
ペースト絶縁材料は、エポキシ樹脂、シリコンからなる群から選択される。
【0028】
少なくとも1つの穴は、0.4~1.6、好ましくは0.8~1.2の範囲のビアホール深さ対予め穴あけされた穴の直径の比を有する。
【0029】
本発明によるパワーアセンブリは、多層ベース構造体の各側に位置決めされた厚い外部導電層により、優れた放熱と高い電力伝送とを可能にする。
【0030】
さらに、積層の前に厚い導電層に形成された予め穴あけされた穴の使用により、機械的プロセス又は任意の適切なプロセスにより厚い導電層を穴あけし、レーザー穴あけの制限を克服することができる。
【0031】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら非限定的な例を用いて与えられる以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図1B】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図1C】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図1D】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図1E】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図1F】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図1G】本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図3A】本発明の第3の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図3B】本発明の第3の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図3C】本発明の第3の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図3D】本発明の第3の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図4】本発明の第4の実施形態による電気パワーアセンブリの概略断面図である。
図5A】本発明の一実施形態による電気パワーアセンブリの製造方法の主なステップを概略的に表す図である。
図5B】本発明の一実施形態による電気パワーアセンブリの製造方法の主なステップを概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示において、「電気パワーアセンブリ」という用語は、パワーモジュールを形成するためにPCBラミネートのような多層構造体に埋め込められた少なくとも1つのパワーデバイスを備えるパッケージ構造体を指す。本開示において、「絶縁層」又は「絶縁コア」という用語は、熱伝導性且つ電気絶縁材料から作製された層又はコアを指す。本開示において、「導電層」という用語は、導電性且つ熱伝導性材料から作製された層を指す。
【0034】
ここで、図1A図1Gを参照して、本発明の第1の実施形態による電気パワーアセンブリ100について説明する。
【0035】
図1A図1Cを参照すると、パワーアセンブリ100は、パワーデバイス20が埋め込まれている絶縁コア30を備える。パワーデバイスは、ダイオード、又はMOSFET、JFET若しくはIGBT、HEMTとすることができる。いくつかの実施形態では、パワーデバイスは、ワイドバンドギャップ半導体、すなわち、2eV~4eVの範囲のバンドギャップを有する半導体から作製される。例えば、パワーデバイスは、炭化ケイ素SiC又は窒化ガリウムGaNで作製することができる。
【0036】
パワーデバイスは、アルミニウム、金、銅、銀等の金属パッドである少なくとも2つの電気接点(図示せず)を有する。
【0037】
例えば、パワーデバイスは、ダイオードであり、2つの両側の電気接点を有する。別の例では、パワーデバイスは、トランジスタであり、トランジスタのタイプに従って、ゲート、ソース及びドレイン、又はゲート、エミッタ及びコレクターを含む3つの電気接点を有する。パワーデバイスは、3よりも多い電気接点を有することもできる。
【0038】
さらに、パワーアセンブリ100は、図2に示すような少なくとも1つの追加のパワーデバイス、及び/又は第1のパワーデバイスに接続された、抵抗器、コンデンサ等、電子受動コンポーネントを備えることができる。
【0039】
非限定的な例では、絶縁コア30は、より適切な放熱を提供するように、樹脂又は熱伝導率の高い他の任意の適切な絶縁材料から作製される。絶縁コアは、FR-4ガラスエポキシから、ポリイミドから、又はHTCC(高温同時焼成セラミック)若しくはLTCC(低温同時焼成セラミック)等のセラミックから作製することができる。
【0040】
さらに、電気パワーアセンブリ100は、上部内部導電層40と底部内部導電層40’とを更に備える。上部内部導電層40は、絶縁コア30の上面31に配置されている。底部内部導電層40’は、絶縁コア30の底面31’に配置されている。これらの導電層の材料は、金属、好ましくは銅である。
【0041】
さらに、絶縁コア30内に且つ上部内部導電層40及び底部内部導電層40’内に、一組の上部導電ビア12及び一組の底部ビア12’が形成されている。上部内部導電層40のコンタクトパッドは、一組の上部ビア12によりパワーデバイス20の上面の電気接点に接続されている。底部内部導電層40’のコンタクトパッドは、一組の底部ビア12’によりパワーデバイスの底面の電気接点に接続されている。したがって、パワーデバイス20は、電気パッド、一組の上部ビア12及び一組の底部ビア12’を通して、上部内部導電層40及び底部内部導電層40’に接続されている。
【0042】
上部ビア12及び底部ビア12’を形成する方法は、当業者には既知である。中実アセンブリを得るために、絶縁コア30と2つの内部導電層40、40’とを含むスタックを上に積層させた後、スタックの各側においてレーザー穴あけプロセスにより、一組の底部ビアホール11と一組の底部ビアホール11’とが形成され、パワーデバイス20の電気接点の曝露を可能にする。次いで、ビアホール11、11’は、導電ビア12、12’を形成するために、電気めっきプロセス若しくは無電解めっき又は両方により、銅等の導電性材料で充填される。
【0043】
さらに、上部導電パターン及び底部導電パターンをそれぞれ得るために、上部導電層40の表面と底部導電層40’の表面とに、エッチングステップが適用される。したがって、上部導電パターン及び底部導電パターンは、上部内部導電層40及び底部内部導電層40’のコンタクトパッドとしての役割を果たす。
【0044】
非限定的な実施形態によれば、内部導電層40、40’は、約20μm~50μmの厚さを有することができる。
【0045】
ビアの数は、電力伝送に従って選択される。これらの数は、レーザー又は機械的な穴あけ技法によっても決まる。例えば、パワーデバイスの電気接点を内部導電層に接続するビアの密度は、例えば0.8のビアホール深さ対ドリル径の比で、少なくとも4ビア/mm、例えば15ビア/mmとすることができる。パワーデバイスがMOSFET又はIGBTである別の例では、1つのビアのみが、ゲートパッドを内部導電層に接続する。
【0046】
上述したようなパッケージ構造体は、絶縁コア30と、絶縁コア30の両側の面を覆う2つの薄い内部導電層40、40’とを備える多層ベース構造体10の一例を形成し、絶縁コア30は少なくとも1つのパワーデバイス20を埋め込んでいる。
【0047】
図1D図1Gを参照すると、パワーアセンブリ100は、ベース構造体10の各側に位置決めされた厚い上部外部導電層60と厚い底部外部導電層60’とを更に備える。厚い上部外部導電層及び底部外部導電層は、パッケージ構造体の電流能力及び熱能力を向上させるために、ベース構造体の内部導電層40、40’の厚さよりも大きい厚さを有する。非限定的な実施形態によれば、厚い外部導電層60、60’は、約100μm~4mm、好ましくは約400μm~1mmの厚さを有することができる。したがって、厚い層は、100μm以上の厚さを有する層である。これらの層の材料は、金属、好ましくは銅である。
【0048】
図1Dに示すように、各厚い外部導電層60、60’は、機械的プロセス又は放電加工等の他のプロセスによって形成される、複数の予め穴あけされたスルーホール61、61’を備える。これらの予め穴あけされたスルーホール61、61’は、後により詳細に説明するように、厚い外部導電層60、60’を内部導電層40、40’のコンタクトパッドに接続する導電性ビアホールとしての役割を果たす。
【0049】
予め穴あけされたスルーホールにより、その穴が、パワーアセンブリを形成するためにスタックに厚い層を位置決めする前に、例えばスタックの積層のステップの前に、厚い導電層に形成されることが理解される。したがって、穴あけ技法に対する制限はない。このように且つ有利には、穴は、深い穴を形成するために機械的穴あけプロセスによって形成される。典型的には、予め穴あけされたスルーホールは、100μm~1500μmを含む穴径を有することができる。
【0050】
一実施形態では、これらの予め穴あけされたスルーホール61、61’は、導電ビアを形成する電気めっきプロセスのステップの前に、スクリーン印刷により、後に除去される絶縁材料で予め充填される。
【0051】
さらに、パワーアセンブリ100は、上部内部絶縁層50と底部内部絶縁層50’とを更に備え、上部内部絶縁層50は、厚い上部外部導電層60とベース構造体10の薄い上部内部導電層40との間に配置され、底部内部絶縁層50’は、厚い底部外部導電層60’とベース構造体10の底部内部導電層40’との間に配置される。例えば、内部絶縁層50、50’は、樹脂、又は熱伝導率の高い任意の適切な絶縁材料から作製される。
【0052】
図1Eを参照すると、上部絶縁層50及び底部絶縁層50’と、厚い上部外部導電層60及び底部外部導電層60’と、ベース構造体10とを含むスタックの積層のステップ中、絶縁層50、50’内に存在するエポキシ樹脂は、流れて、厚い外部導電層60、60’の予め穴あけされたスルーホール61、61’を充填する。
【0053】
次いで、内部導電層40、40’から内部絶縁層50、50’を通って厚い外部導電層60、60’の外面65、65’まで延在する穴62、62’を形成するために、予め穴あけされたスルーホール内の且つ予め穴あけされたスルーホールのすぐ下の絶縁材料が除去される。
【0054】
図1Fに示すように、電気パワーアセンブリ100はまた、上部内部導電層40から、上部絶縁層50及び厚い上部外部導電層60を通って延在する一組の上部穴62と、底部内部導電層40’から、底部絶縁層50’及び厚い底部外部導電層60’を通って延在する一組の底部穴62’とを備える。
【0055】
各穴62、62’は、底部66、66’及び開放端部67、67’を有する。穴の底部は、内部導電層40、40’のコンタクトパッドの一部分によって形成され、したがって、内部導電層40、40’は露出している。開放端部67、67’は、厚い外部導電層60、60’の表面65、65’に形成される。
【0056】
各穴62、62’は、一部には、内部絶縁層50、50’に形成された穴によって形成され、一部には、厚い外部導電層60、60’に形成された予め穴あけされたスルーホール61、61’によって形成される。穴62、62’は、0.4~1.6、好ましくは0.8~1.2の範囲のビアホール深さ対予め穴あけされた直径の比を有する。
【0057】
図1Gを参照すると、次いで、上部穴62及び底部穴62’は、一組の上部導電ビア64と一組の底部導電ビア64’とを形成するために、銅又はペースト導電性材料等の導電性材料63で充填される。好ましくは、穴は、穴の底部から厚い外部導電層の表面まで導電性材料で完全に充填することができる。別の実施形態によれば、穴62、62’は、導電性材料でめっきされる。アセンブリは2つの槽に浸漬され、第1の槽は、内部導電層を外部導電層に接続するための銅無電解めっき槽であり、第2の槽は、穴62、62’を完全に充填するための電気めっき槽である。
【0058】
したがって、上部内部導電層40のコンタクトパッドは、上部内部絶縁層50に且つ上部外部導電層60に配置された上部ビア64により、厚い外部導電層60に接続される。底部内部導電層40’のコンタクトパッドは、底部内部絶縁銅50’に且つ底部外部導電層60’に配置された底部ビア64’により、厚い底部外部導電層60’に接続される。
【0059】
したがって、パワーデバイス20は、厚い上部外部導電層60と厚い底部外部導電層60’とに電気的に接続される。
【0060】
図2は、本発明の第2の実施形態による電気パワーアセンブリ400を示す概略断面図である。図1Gに示す第1の実施形態と比較すると、電気パワーアセンブリは、複数のパワーデバイス、例えば、図2に示すような4つのパワーデバイス421、422、423及び424を備える。パワーデバイスは、互いに同じである場合もあれば異なる場合もある。各パワーデバイスの電気接点の数は、パワーデバイスのタイプに従って決定される。例えば、図2に示すように、パワーアセンブリは、電気絶縁コア430のそれぞれのキャビティに埋め込まれた2つのダイオード及び2つのIGBTを備える。ダイオードは、2つの電気接点、すなわちアノード及びカソードを有し、IGBTは、3つの電気接点、すなわちエミッタ、ゲート及びコレクターを有する。
【0061】
各パワーデバイスの上側の電気接点は、電気絶縁コア430に形成された上部ビア412と、薄い内部導電層440と、上部内部絶縁層450に且つ上部外部導電層460に形成された外部上部ビア464とを通して、厚い上部外部導電層460に接続される。各パワーデバイスの底側の電気接点は、電気絶縁コア430に形成された底部ビア412’と、薄い底部内部導電層440’と、底部内部絶縁層450’に且つ底部外部導電層460’に形成された外部底部ビア464’とを通して、厚い底部外部導電層460’に接続される。
【0062】
パワーアセンブリ内に配置されるパワーデバイスは、図2に示す構成に限定されず、パワーアセンブリに必要な電子機能に従って変更することができる。
【0063】
ベース構造体の各側に配置された外部導電層は、400μmよりも大きい厚さを有するため、電力伝送効率は大幅に向上する。さらに、導電ビアを形成する厚い外部導電層の穴は、厚い導電層において機械的プロセスにより予め穴あけされるため、パワーアセンブリの製造コストが削減される。
【0064】
ここで、図3A図3Dを参照して、本発明の第3の実施形態による電気パワーアセンブリ200について説明する。図1A図1Gに示す実施形態と比較すると、薄い底部内部導電層40’と厚い底部外部導電層60’との間に底部電気絶縁層がない。この実施形態では、厚い底部外部導電層60’は、薄い底部内部導電層40’の上に直接位置決めされる。したがって、第1の実施形態のものに対応するコンポーネント部品及び要素は同じ参照番号で示し、したがって、詳細な説明は省略する。このため、この実施形態のベース構造体は、第1の実施形態のベース構造体と同様であり、以下重複して説明しない。
【0065】
パワーアセンブリ200は、ベース構造体10の各側に位置決めされた厚い上部外部導電層60と厚い底部外部導電層60’とを備える。厚い上部外部導電層及び底部外部導電層は、パッケージ構造体の電流能力及び熱能力を向上させるために、ベース構造体の内部導電層の厚さよりも大きい厚さを有する。非限定的な実施形態によれば、厚い外部導電層60、60’は、約100μm~4mm、好ましくは約400μm~1mmの厚さを有することができる。これらの層の材料は、金属、好ましくは銅である。
【0066】
図3Aに示すように、各厚い外部導電層60、60’は、機械的プロセス又は他の適切な技法によって形成される、複数の予め穴あけされたスルーホール61、61’を備える。これらの予め穴あけされたスルーホールは、後により詳細に説明するように、厚い外部導電層60、60’を内部導電層40、40’のコンタクトパッドに接続する導電性ビアホールとしての役割を果たす。
【0067】
さらに、パワーアセンブリ200は、上部内部絶縁層50を更に備え、上部内部絶縁層50は、厚い上部外部導電層60とベース構造体10の薄い上部内部導電層40との間に配置される。例えば、内部絶縁層50は、樹脂、又は熱伝導率の高い任意の適切な絶縁材料から作製される。
【0068】
図3Cを参照すると、電気パワーアセンブリ200は、上部内部層40から上部絶縁層50及び厚い上部外部層60を通って延在する一組の上部穴62を備える。したがって、各上部穴62は、底部66及び開放端部67を有する。穴の底部は、上部内部導電層40のコンタクトパッドの一部分によって形成される。開放端部67は、厚い上部外部導電層60の表面65に形成される。各上部穴62は、一部には、上部内部絶縁層50に形成された穴によって形成され、一部には、厚い上部外部導電層60に形成された予め穴あけされたスルーホール61によって形成される。
【0069】
図3Cを参照すると、電気パワーアセンブリ200はまた、底部内部導電層40’から厚い底部外部導電層60’まで延在する一組の底部穴62’も備える。したがって、底部穴62’は、厚い底部外部導電層60’に形成された予め穴あけされた穴61’によって直接形成される。
【0070】
次いで、上部穴62及び底部穴62’は、上部導電ビア64と底部導電ビア64’とを形成するために、導電性材料で充填される。好ましくは、穴62,62’は、図3Dに示すように、穴の底部から厚い外部導電層の表面まで導電性材料で完全に充填することができる。この充填するステップにより、内部導電層40、40’とそれぞれの厚い導電層60、60’との間を機械的に接着することができる。
【0071】
したがって、上部内部導電層40のコンタクトパッドは、上部内部絶縁層50に且つ厚い上部外部導電層60に配置された上部ビア64により、厚い上部外部導電層60に接続される。底部内部導電層40’のコンタクトパッドは、底部ビア64’により、厚い底部外部導電層60’に直接接続される。
【0072】
さらに、上部ビア64及び底部ビア64’は、パワーデバイスの放熱用の熱経路を提供する。
【0073】
図4は、本発明の第4の実施形態によるパワーアセンブリ500を示す概略断面図である。図3Dに示すような第3の実施形態と比較すると、この実施形態のパワーアセンブリは、複数のパワーデバイス、例えば、4つのパワーデバイス521、521、523、524と、2つのダイオードと、2つのIGBTとを備える。パワーデバイスの構成は、図2に示す実施形態と同様である。
【0074】
各パワーデバイスの上側の電気接点は、電気絶縁コア530に形成された上部ビア512と、薄い内部導電層540と、上部内部絶縁層550に且つ上部外部導電層560に形成された外部上部ビア564とを通して、厚い上部外部導電層560に接続される。各パワーデバイスの底側の電気接点は、電気絶縁コア530に形成された底部ビア512’と、薄い底部内部導電層540’と、底部外部導電層560’の予め穴あけされた穴によって形成された外部底部ビア564’とを通して、厚い底部外部導電層560’に接続される。
【0075】
ここで、図5A及び図5Bを参照して、本発明の一実施形態による図1A図1Gに示すような電気パワーアセンブリの製造方法300について説明する。図2図3及び図4に示すような電気アセンブリを形成する方法は、同様であり、重複して説明しない。
【0076】
図5Aは、多層ベース構造体10の形成301の一例を示す。
【0077】
ステップ302において、絶縁コアに少なくとも1つのキャビティが形成される。キャビティは、例えば、機械的穴あけによって得ることができる。キャビティの形状は、パワーデバイスに適合される。
【0078】
ステップ303において、キャビティ内にパワーデバイス20が挿入される。パワーデバイスは、ダイオード、又はMOSFET、JFET若しくはIGBT等のトランジスタとすることができ、様々な構成の電気接点を有することができる。さらに、パワーデバイスの数もまた、電子機能要件に従って変更することができる。各パワーデバイスは、キャビティ内で、パワーデバイスの電気接点が上向き及び下向きに面しているように向けられる。ステップ304において、パワーデバイスを備える絶縁コアは、2つの更なる絶縁層と2つの薄い内部導電層40、40’との間に位置決めされて、スタックが得られる。
【0079】
ステップ305において、中実多層構造体を形成するために、絶縁層と導電層40、40’とのスタックが積層し、そこで、スタックの絶縁層は融合されて、図1Aに示すような絶縁コア30を形成する。したがって、パワーデバイス20は絶縁コア30内部に埋め込まれる。
【0080】
次いで、方法は、絶縁コア30内に且つ上部内部導電層40内に一組の上部穴11を形成するとともに、絶縁コア30内に且つ底部導電層40’内に一組の底部穴11’を形成するステップ306を含む。穴11、11’は、パワーデバイスの電気接点を露出させるために、レーザー穴あけプロセスによって形成される。
【0081】
ステップ307において、穴は、導電ビア12、12’を形成するために、電気めっきプロセスにより銅等の導電性材料でめっきされる。めっきは、無電解めっき及び/又は電気めっきによって形成することができる。好ましくは、導電性材料は銅である。例えば、中実多層構造体は、穴を完全に充填するために、2つのめっき槽に浸漬される。
【0082】
ステップ308において、ベース構造体の両側に所望の導電パターンを形成するために、上部内部導電層40及び底部内部導電層40’の表面にエッチングステップが適用される。これらの導電パターンは、コンタクトパッドとして使用される。
【0083】
ステップ309において、予め穴あけされたスルーホールを有する2つの厚い導電層60、60’が準備される。厚い導電層は、約400μm~4mmの厚さを有する。従来の方法とは対照的に、外部導電層は、約500μm~1000μmの直径を有する予め穴あけされたスルーホールを備える。穴は、スタックの作成のステップの前に厚い導電層に形成されるため、任意の適切な穴あけ技法を使用することができる。好ましい実施形態によれば、厚い導電層の穴は、機械的プロセスによって形成される。
【0084】
ステップ310において、ベース構造体10が、2つの更なる内部電気絶縁層50、50’と2つの厚い外部導電層60、60’との間に位置決めされて、新たなスタックが形成される。
【0085】
本発明の別の実施形態によれば、ステップ310において、パワーアセンブリの底部において、厚い底部外部導電層60’は、図3Aに示すような薄い底部内部導電層40’の表面に直接位置決めされる。
【0086】
ステップ311において、ベース構造体と、2つの更なる内部電気絶縁層と、2つの更なる厚い導電層とを含むスタックが、中実多層構造体を形成するために積層する。絶縁層に存在するエポキシ樹脂が、流れて、厚い外部導電層60、60’の予め穴あけされたスルーホール61、61’を充填する。
【0087】
別の実施形態では、ステップ308中に、予め穴あけされたスルーホール61、61’に、ペースト絶縁材料で予め充填することができる。この材料は、エポキシ、シリコン、又はめっきステップのために容易に洗浄することができる他の任意の適切な材料とすることができる。
【0088】
ステップ312において、内部導電層40、40’から内部絶縁層50、50’を通って厚い外部導電層60、60’の外面65、65’まで延在する穴62、62’を形成するために、予め穴あけされたスルーホール内の且つ予め穴あけされたスルーホールのすぐ下の絶縁材料が除去される。したがって、各穴62、62’は、内部導電層40、40’のコンタクトパッドの一部分によって形成された底部66、66’と、厚い外部導電層60、60’の表面の開放端部67、67’とを有する。この除去するステップは、レーザープロセス、化学的プロセス、機械的プロセス、プラズマプロセス等、任意の適切なプロセスによって実施することができる。
【0089】
ステップ313において且つ図1Gを参照すると、穴62、62’は、内部導電層40、40’のコンタクトパッドを厚い外部導電層60、60’に接続する導電ビア64、64’を形成するために、導電性材料63で充填される。例えば、この構造体は2つのめっき槽に浸漬される。第1のめっき槽は、薄い内部導電層を厚い外部導電層に接続するための無電解めっき槽である。第2の槽は、穴を導電性材料で完全に充填するために用いられる。
【0090】
ステップ314において、厚い上部導電層及び厚い底部導電層の表面が、エッチング又はフライス加工のいずれかによってパターニングされる。導電パターンは、パワーアセンブリのためのコンタクトパッドとしての役割を果たすことができる。したがって、いくつかのパワーアセンブリを別の多層構造体内に挿入するか又は組み込んでパワーモジュールを形成することができる。
【0091】
さらに、図示しないが、方法は、ステップ309~313のシーケンスが少なくとも1回繰り返される更なるステップを含むことができる。したがって、図1G図2図3D及び図4に示すようなパワーアセンブリを、2つの更なる絶縁層と予め穴あけされた穴を備える厚い導電層との間に再度位置決めすることができる。別の実施形態では、ステップ309~313のシーケンスを、ベース構造体の各側において外部導電層のための所望の総厚さを得るために必要な回数繰り返すことができる。電力伝送及び熱伝達を増大させるためにも必要なこの厚さは、1mm~100mmの範囲であり得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B