IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベクトル メディカル インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】シミュレート心拍動曲線の較正
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/346 20210101AFI20230123BHJP
   A61N 1/362 20060101ALI20230123BHJP
   G16H 50/50 20180101ALI20230123BHJP
【FI】
A61B5/346
A61N1/362
G16H50/50
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021509962
(86)(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019029184
(87)【国際公開番号】W WO2019210092
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-25
(31)【優先権主張番号】62/663,049
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/760,561
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/042,984
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/042,953
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/042,973
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/042,993
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/043,011
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/043,022
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/043,034
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/043,041
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/043,050
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/043,054
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/162,695
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/206,005
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/247,463
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520414837
【氏名又は名称】ベクトル メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ヴィロンコ クリストファー
【審査官】▲瀬▼戸井 綾菜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0161896(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0294082(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0178403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
A61N 1/00-1/44
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓のモデル化電磁出力の生成をブートストラップするための1つ以上のコンピューティングシステムであって、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のプロセッサとを備え、
前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、第1のシミュレーション間隔に対応する前記心臓の第1の不整脈モデルの第1のモデル化電磁出力と、コンピュータ実行可能命令とを格納し、
前記第1のモデル化電磁出力は、心臓の計算モデルを使用して生成され、前記第1の不整脈モデルは、前記心臓の解剖構造的及び電気的特性を特定する心臓の発生源構成に基づくものであり
前記コンピュータ実行可能命令は、実行されると前記1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、心臓の異なる発生源構成に基づく複数の第2の不整脈モデルのそれぞれに関して、
前記心臓の前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を、前記第1のシミュレーション間隔の前記第1のモデル化電磁出力に基づいて初期化し、
複数の第2のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、前記計算モデルを使用して前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力をシミュレートし、ここで、第2のシミュレーション間隔の各第2のモデル化電磁出力は、前の第2のシミュレーション間隔の前記第2のモデル化電磁出力に基づいて初期化され、前記第2のシミュレーション間隔の初期シミュレーション間隔は、前記初期化された第2のモデル化電磁出力に基づくものであり
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納された前記コンピュータ実行可能命令を実行する、
前記1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項2】
前記第1の不整脈モデル及び前記第2の不整脈モデルは、前記心臓内の異なる瘢痕位置に基づくものである、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記第1の不整脈モデル及び前記第2の不整脈モデルは、前記心臓内の異なる線維症位置に基づくものである、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記第1の不整脈モデル及び前記第2の不整脈モデルは、前記心臓内の異なる催不整脈性基質位置に基づくものである、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記第1の不整脈モデルの前記第1のモデル化電磁出力及び前記第2の不整脈モデルの前記第2のモデル化電磁出力の各々は、複数のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、電磁メッシュの複数の頂点のそれぞれにモデル化電磁値を有する前記電磁メッシュを含む、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記心臓の前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を、前記第1のシミュレーション間隔の前記第1のモデル化電磁出力に基づいて初期化する前記コンピュータ実行可能命令は、前記第2のモデル化電磁出力のモデル化電磁値を前記第1のモデル化電磁出力のモデル化電磁値に設定する命令を含む、請求項5に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項7】
前記コンピュータ実行可能命令は、複数の前記第1のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、前記計算モデルを使用して前記第1の不整脈モデルの前記第1のモデル化電磁出力を生成する命令をさらに含む、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項8】
前記コンピュータ実行可能命令は、前記第1のモデル化電磁出力が、前記心臓の特定の領域に特定された支配的な不整脈発生源の心拍間の一貫性の観点において安定化した後、前記第2のモデル化電磁出力を、第1のシミュレーション間隔の前記第1のモデル化電磁出力に初期化する、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項9】
前記第1の不整脈モデルは第1の形状を有し、前記第2の不整脈モデルは、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項10】
前記心臓の前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を、前記第1のシミュレーション間隔の前記第1のモデル化電磁出力に基づいて初期化する前記コンピュータ実行可能命令は、前記第1の不整脈モデルを前記第2の形状を有するように修正することに基づいて前記第2の不整脈モデルを生成する命令を更に含む、請求項に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項11】
前記第2の不整脈モデルは、アブレーションパターンが追加された前記第1の不整脈モデルを表す、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項12】
前記第1のモデル化電磁出力は第1の三次元(3D)メッシュによって表され、前記第2のモデル化電磁出力は第2の3Dメッシュによって表され、各3Dメッシュは、関連する値を有する頂点を有し、前記心臓の前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を、前記第1のシミュレーション間隔の前記第1のモデル化電磁出力に基づいて初期化する前記コンピュータ実行可能命令は、前記第2の3Dメッシュの頂点の値を前記第1の3Dメッシュの頂点の値に設定する命令を含む、請求項1に記載の1つ以上のコンピューティングシステム。
【請求項13】
心臓のモデル化電磁出力の生成をブートストラップするための1つ以上のコンピューティングシステムによって実行される方法であって、
第1のシミュレーション間隔での前記心臓の第1の不整脈モデルの第1のモデル化電磁出力にアクセスすることであって、ここで、前記第1のモデル化電磁出力は、前記心臓の解剖構造的及び電気的特性を特定する心臓の発生源構成に基づく計算モデルを使用してシミュレートされたものであることと、
心臓の異なる発生源構成に基づく複数の第2の不整脈モデルのそれぞれに関して、
前記心臓の前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を、前記第1のシミュレーション間隔のうちの1つの間隔の第1のモデル化電磁出力に初期化することと、
複数の第2のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、前記心臓の前記計算モデルを使用して、前の第2のシミュレーション間隔の前記第2のモデル化電磁出力に基づいて前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を生成することであって、ここで、前記第2のシミュレーション間隔の初期シミュレーション間隔は、前記初期化された第2のモデル化電磁出力に基づくものであることと、
を含む、前記方法。
【請求項14】
前記第1の不整脈モデル及び前記第2の不整脈モデルは、前記心臓内の異なる瘢痕位置に基づくものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の不整脈モデルの前記第1のモデル化電磁出力及び前記第2の不整脈モデルの前記第2のモデル化電磁出力の各々は、複数のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、電磁メッシュの複数の頂点のそれぞれにモデル化電磁値を有する前記電磁メッシュを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
複数の前記第1のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、前記計算モデルを使用して前記第1の不整脈モデルの前記第1のモデル化電磁出力をシミュレートすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のモデル化電磁出力は、前記第1のモデル化電磁出力が、前記心臓の特定の領域に特定された支配的な不整脈発生源の心拍間の一貫性の観点において安定化した後、第1のシミュレーション間隔の前記第1のモデル化電磁出力に初期化される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の不整脈モデルは第1の形状を有し、前記第2の不整脈モデルは、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のモデル化電磁出力を初期化することは、前記第1の不整脈モデルを前記第2の形状を有するように修正することによって前記第2の不整脈モデルを生成する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の不整脈モデルは、アブレーションパターンが追加された前記第1の不整脈モデルを表す、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のモデル化電磁出力は第1の三次元(3D)メッシュによって表され、前記第2のモデル化電磁出力は第2の3Dメッシュによって表され、各3Dメッシュは、関連する値を有する頂点を有し、前記第2のモデル化電磁出力を初期化することは、前記第2の3Dメッシュの頂点の値を前記第1の3Dメッシュの頂点の値に設定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記初期化することは、前記第2のモデル化電磁出力のモデル化電磁値を前記第1のモデル化電磁出力のモデル化電磁値に設定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上のコンピューティングシステムによって実行された時に心臓のモデル化電磁出力の生成をブートストラップするコンピュータ実行可能命令を格納した1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、
複数の第1のシミュレーション間隔のうちの第1のシミュレーション間隔での前記心臓の第1の不整脈モデルの第1のモデル化電磁出力にアクセスする命令であって、前記第1のモデル化電磁出力は心臓の計算モデルを使用して生成され、前記第1の不整脈モデルは、前記心臓の解剖構造的及び電気的特性を特定する心臓の発生源構成に基づくものである、命令と、
心臓の異なる発生源構成に基づく複数の第2の不整脈モデルのそれぞれに関して、
前記第1のシミュレーション間隔のうちの1つの間隔中の第1の不整脈モデルに基づいて心臓の活動をシミュレートすることによって生成された第1のモデル化電磁出力に基づいて、前記心臓の前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を初期化する命令と、
複数の第2のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、前記計算モデルを使用して、前の第2のシミュレーション間隔の前記第2のモデル化電磁出力に基づいて前記第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力をシミュレートする命令であって、ここで、前記第2のシミュレーション間隔の初期シミュレーション間隔は、前記初期化された第2のモデル化電磁出力に基づくものである、命令と、
を含む、前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記第1の不整脈モデルは第1の三次元(3D)メッシュによって表され、前記第2の不整脈モデルは第2の3Dメッシュによって表される、請求項23に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
前記第1の3Dメッシュは、第1の値を有する頂点を有し、前記第2の3Dメッシュは、第2の値を有する頂点を有し、初期化する前記命令は、第1の値に基づいて第2の値を設定する、請求項24に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
前記シミュレートする命令は、複数のシミュレーション間隔のそれぞれに関して第2の値を計算する、請求項24に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月26に出願された「MACHINE LEARNING USING SIMULATED CARDIOGRAMS」と題する米国仮特許出願第62/663,049号(代理人整理番号129292-8002.US00)に対する利益を主張し、2018年11月13日に出願された「RECORD ABLATION PROCEDURE RESULTS IN A DISTRIBUTED LEDGER」と題する米国仮特許出願第62/760,561号(代理人整理番号129292-8014.US00)に対する利益を主張し、2018年7月23日に出願された「GENERATING SIMULATED ANATOMIES OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE」と題する米国特許出願第16/042,984号(代理人整理番号129292-8003.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「GENERATING A MODEL LIBRARY OF MODELS OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE」と題する米国特許出願第16/042,953号(代理人整理番号129292-8004.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「USER INTERFACE FOR PRESENTING SIMULATED ANATOMIES OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE」と題する米国特許出願第16/042,973号(代理人整理番号129292-8005.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「CONVERTING A POLYHEDRAL MESH REPRESENTING AN ELECTROMAGNETIC SOURCE」と題する米国特許出願第16/042,993号(代理人整理番号129292-8006.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「GENERATING APPROXIMATIONS OF CARDIOGRAMS FROM DIFFERENT SOURCE CONFIGURATIONS」と題する米国特許出願第16/043,011号(代理人整理番号129292-8007.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「BOOTSTRAPPING A SIMULATION-BASED ELECTROMAGNETIC OUTPUT OF A DIFFERENT ANATOMY」と題する米国特許出願第16/043,022号(代理人整理番号129292-8008.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「IDENTIFYING AN ATTRIBUTE OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE CONFIGURATION BY MATCHING SIMULATED AND PATIENT DATA」と題する米国特許出願第16/043,034号(代理人整理番号129292-8009.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「MACHINE LEARNING USING CLINICAL AND SIMULATED DATA」と題する米国特許出願第16/043,041号(代理人整理番号129292-8010.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「DISPLAY OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE BASED ON A PATIENT-SPECIFIC MODEL」と題する米国特許出願第16/043,050号(代理人整理番号129292-8011.US00)の一部継続出願であり、2018年7月23日に出願された「DISPLAY OF AN ELECTRICAL FORCE GENERATED BY AN ELECTRICAL SOURCE WITHIN A BODY」と題する米国特許出願第16/043,054号(代理人整理番号129292-8012.US00)の一部継続出願であり、2018年10月17日に出願された「MACHINE LEARNING USING SIMULATED CARDIOGRAMS」と題する米国特許出願第16/162,695号(代理人整理番号129292-8002.US01)の一部継続出願であり、2018年11月30日に出願された「CALIBRATION OF SIMULATED CARDIOGRAMS」と題する米国特許出願第16/206,005号(代理人整理番号129292-8015.US00)の一部継続出願であり、2019年1月14日に出願された「IDENTIFY ABLATION PATTERN FOR USE IN AN ABLATION」と題する米国特許出願第16/247,463号(代理人整理番号129292-8016.US00)の一部継続出願であり、それぞれの内容全体が、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
多くの心臓障害は、徴候、病的状態(例えば失神または脳卒中)、及び死亡を引き起こし得る。不整脈により引き起こされる一般的な心臓障害には、不適切洞頻拍(「IST」)、異所性心房調律、接合部調律、心室補充調律、心房細動(「AF」)、心室細動(「VF」)、巣状心房頻拍(「巣状AT」)、心房マイクロリエントリ、心室頻拍(「VT」)、心房粗動(「AFL」)、心室性期外収縮(「PVC」)、心房性期外収縮(「PAC」)、房室結節リエントリ性頻拍(「AVNRT」)、房室リエントリ性頻拍(「AVRT」)、永続性接合部回帰頻拍(「PJRT」)、及び接合部頻拍(「JT」)が含まれる。不整脈の発生源には、電気的ローター(渦巻き型旋回興奮波)(例えば心室細動)、再発性電気的巣状興奮(例えば心房頻拍)、及び解剖構造に基づいたリエントリ(例えば心室頻拍)などが含まれ得る。これらの発生源は、継続的な発作または臨床的に重要な発作の有力なドライバーである。不整脈は、心臓障害の発生源を標的にすることにより、高周波数エネルギーアブレーション、凍結アブレーション、超音波アブレーション、レーザアブレーション、外部放射線源、及び指向性遺伝子治療などを含む様々な技術を使用したアブレーションで治療され得る。心臓障害の発生源及び発生源の位置は、患者により異なるため、一般的な心臓障害の場合でも、標的治療を行うには不整脈の発生源を特定する必要がある。
【0003】
残念ながら、心臓障害の発生源の発生源位置を確実に特定するための現在の方法は、複雑で、煩わしく、費用がかかり得る。例えば、1つの方法では、血管を通して心臓(例えば左心室)に挿入される多電極バスケットカテーテルを有する電気生理学的カテーテルを使用して、誘発されたVF発作の間になど、心臓の電気的活動の測定値が心臓内から収集される。次に、測定値が分析され、可能性のある発生源位置の特定が促進され得る。現在、電気生理学的カテーテルは、高価であり(通常、使い捨てに限定されており)、心臓穿孔及び心臓タンポナーデを含む深刻な合併症を引き起こし得る。別の方法では、電極を備えた体外表面ベストを使用して、患者の体表面から測定値を収集し、測定値を分析して、不整脈の発生源位置の特定が促進され得る。このような体表面ベストは、高価であり、複雑で製造が困難であり、不整脈中に測定値を収集するためにVFを誘発した後に必要な除細動器の配置を妨げ得る。さらに、ベスト分析には、コンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンが必要であり、不整脈の発生源の約20%が発生し得る心室中隔及び心房中隔を感知することができない。
【0004】
本出願は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラーの図面(複数可)を備えた本出願の複製は、要請及び必要手数料の支払いに応じて、特許庁により提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの全体的な処理を示すブロック図である。
図2】いくつかの実施形態における、MLMOシステムによる分類器を生成する全体的な処理を示すフロー図である。
図3】いくつかの実施形態における、畳み込みニューラルネットワークを使用した訓練及び分類を示すブロック図である。
図4】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図5】いくつかの実施形態における、MLMOシステムのシミュレートVCG生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図6】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの周期用の訓練データ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図7】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの周期識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図8】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの周期正規化コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図9】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの類似周期シーケンス用の訓練データ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図10】いくつかの実施形態における、MLMOシステムの分類コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図11】いくつかの実施形態における、MLGシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
図12】シード解剖構造からのシミュレート解剖構造の生成を示すブロック図である。
図13】いくつかの実施形態における、シミュレート解剖構造を見るユーザ体験を示す表示ページである。
図14】いくつかの実施形態における、MLGシステムのモデルライブラリ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図15】いくつかの実施形態における、MLGシステムのシミュレート解剖構造生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図16】いくつかの実施形態における、MLGシステムのシミュレート解剖構造生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図17】いくつかの実施形態における、MLGシステムの発生源構成生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図18】いくつかの実施形態における、MLGシステムのモデル生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図19】いくつかの実施形態における、MLGシステムのシミュレート解剖構造表示コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図20】類似する解剖構造パラメータによる前のシミュレーションのEMメッシュに基づいて、シミュレーションをブートストラップするプロセスを示すブロック図である。
図21】いくつかの実施形態における、MLGシステムのグループ内代表的不整脈モデル用電位解生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図22】いくつかの実施形態における、MLGシステムの代表的電位解に基づく不整脈モデルグループ用電位解生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図23】異なる解剖構造パラメータによる不整脈モデルの電位解に基づいて、心拍動曲線を概算するプロセスを示すブロック図である。
図24】いくつかの実施形態における、MLGシステムのVCG概算コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図25】いくつかの実施形態における、第1の多面体に基づく不整脈モデルを、第2の多面体に基づく不整脈モデルに変換するプロセスを示すブロック図である。
図26】いくつかの実施形態における、MLGシステムの多面体モデル変換コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図27】いくつかの実施形態における、PMシステムの属性識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図28】いくつかの実施形態における、PMシステムのマッチングVCG識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図29】いくつかの実施形態における、PMシステムのクラスタリングベース分類識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図30】いくつかの実施形態における、PMシステムのクラスタ分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図31】いくつかの実施形態における、MLCDシステムの患者分類器システムの全体的な処理を示すブロック図である。
図32】いくつかの実施形態における、患者分類器システムの患者分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図33】いくつかの実施形態における、患者分類器システムのクラスタ患者分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図34】いくつかの実施形態における、MLCDシステムの患者特有モデル分類器システムのコンポーネントを示すブロック図である。
図35】いくつかの実施形態における、PSMCシステムの患者特有モデル分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図36】いくつかの実施形態における、PSMCシステムの類似モデル識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図37】いくつかの実施形態における、患者特有モデル表示システムの全体的な処理を示すブロック図である。
図38】いくつかの実施形態における、PSMDシステムの患者心臓表示生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図39】いくつかの実施形態における、PSMDシステムの表示値計算コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図40】ベクトル心電図の様々な表面表現を示す。
図41】いくつかの実施形態における、EFDシステムのVCG視覚化コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図42】いくつかの実施形態における、EFDシステムのVCG表面表現表示コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図43】いくつかの実施形態における、CSCシステムのシミュレート心拍動曲線識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図44】いくつかの実施形態における、CSCシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
図45】患者データを収集するために電気生理学者(「EP」)により実行される処理を示すフロー図である。
図46】いくつかの実施形態における、CSCシステムのシミュレート心拍動曲線較正コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図47】いくつかの実施形態における、CSCシステムのベクトル生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図48】いくつかの実施形態における、CSCシステムの配向類似識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図49】いくつかの実施形態における、CSCシステムの心臓形状較正コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図50】いくつかの実施形態における、CSCシステムの活動電位較正コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図51】いくつかの実施形態における、CSCシステムのマッピング関数生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図52】いくつかの実施形態における、CSCシステムのシミュレート心拍動曲線変換コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図53】手動で配向を較正するためのユーザインターフェースを示す。
図54】いくつかの実施形態における、APIシステムの全体的な処理を示すフロー図である。
図55】いくつかの実施形態における、APIシステムのマッピング関数生成の処理を示すフロー図である。
図56】いくつかの実施形態における、アブレーション中に患者を治療するための方法の処理を示すフロー図である。
図57】いくつかの実施形態における、APIシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
図58】いくつかの実施形態における、APIシステムのアブレーションパターンシミュレーション生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図59】いくつかの実施形態における、APIシステムのアブレーション指示コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図60】いくつかの実施形態における、APIシステムの可能アブレーションパターン識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図61】いくつかの実施形態における、APIシステムの実アブレーションパターン選択コンポーネントの処理を示すフロー図である。
図62】いくつかの実施形態における、DLSRシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
図63】いくつかの実施形態における、ブロックの構造及びブロック内のレコードを示すブロック図である。
図64】いくつかの実施形態における、研究システムの処理を示すフロー図である。
図65】いくつかの実施形態における、トランザクション発生器システムの処理を示すフロー図である。
図66】いくつかの実施形態における、マイナーシステムの処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
医学目的、科学目的、研究目的、及び工学目的などの様々な目的のために、体内の電磁源(例えば心臓)の電磁状態(例えば正常な洞調律と心室細動)を表すデータを生成するための方法及びシステムが提供される。システムは、電磁源の発生源構成(例えば、心臓の寸法、及び心臓内の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置)と、電磁源の電磁出力の計算モデルとに基づいて、データを生成する。システムは、発生源構成を動的に生成して、母集団で見つかり得る代表的な発生源構成を提供し得る。電磁源の各発生源構成に関して、システムは、電磁源の動作のシミュレーションを実行して、その発生源構成のモデル化電磁出力を生成する。システムは、各発生源構成のモデル化電磁出力から、各発生源構成の導出電磁データ(例えばベクトル心電図)を生成する。次いでシステムは、モデル化電磁出力を、患者の体の電磁源内の障害位置の特定、電磁源を修復(例えば指向性遺伝子治療)または修正(例えばアブレート)する処置の誘導、電磁源に対する処置の結果予測、及び遺伝子的欠陥の分析など、様々な目的のために使用し得る。システムは、モデル化出力ベース機械学習システムと、モデルライブラリ生成システムとを含み得、これらは下記で説明される。
【0007】
モデル化出力ベース機械学習システム
体内の電磁源から導出された電磁データを分類するための分類器を生成するための方法及びシステムが提供される。体は、例えば、人体であり得、電磁源は、心臓、脳、肝臓、肺、腎臓、または体の外側または内側から測定することができる電磁場を生成する体の別の部分であり得る。電磁場は、例えば、患者の体に(例えばスマートウォッチデバイスを介して)取り付けられたまたは隣接する電極に接続された1本以上(例えば12本)のリード、患者が着用する体表面ベスト、電磁源内デバイス(例えばバスケットカテーテル)、及び患者が着用するキャップなどを使用した様々な測定デバイス(例えば心電計及び脳波計)により、測定することができる。測定値は、心電図(「ECG」)及びベクトル心電図(「VCG」)などの心拍動曲線、及び脳波図(「EEG」)などにより表され得る。いくつかの実施形態では、様々な発生源構成の電磁源の電磁出力をモデル化し、機械学習を用いて、モデル化電磁出力から得られた導出電磁データを訓練データとして使用して分類器を訓練することにより、分類器を生成する、モデル化出力ベース機械学習(「MLMO」)システムが提供される。心臓の電磁データの分類器を主に生成するMLMOシステムが、下記に説明される。
【0008】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、電磁源の計算モデルを使用して、分類器を訓練するための訓練データを生成する。計算モデルは、電磁源の発生源構成に基づいて、電磁源の経時的な電磁出力をモデル化する。電磁出力は、電位、電流、及び磁場などを表し得る。電磁(「EM」)源が心臓である場合、発生源構成には、心臓の形状及び筋線維、胴体解剖構造、正常な心臓解剖構造及び異常な心臓解剖構造、正常な心臓組織及び異常な心臓組織、瘢痕、線維症、炎症、浮腫、副伝導路、先天性心疾患、悪性腫瘍、前のアブレーション部位、前の手術部位、外照射療法部位、ペーシングリード、植込み型除細動器リード、心臓再同期療法リード、ペースメーカーパルス発生器位置、植込み型除細動器パルス発生器位置、皮下除細動器リード位置、皮下除細動器パルス発生器位置、リードレスペースメーカ位置、他の植込み型ハードウェア(例えば右心室補助装置または左心室補助装置)、体外式除細動電極、表面ECGリード、表面マッピングリード、マッピングベスト、並びに他の正常分布及び病態生理学的特徴分布などに関する情報から成るグループの任意の部分集合が含まれ得、EM出力は、様々な心臓位置における経時的な電位の集合である。EM出力を生成するために、ステップサイズ(例えば1ミリ秒)のシミュレーションステップに対してシミュレーションを実行して、そのステップのEMメッシュが生成され得る。EMメッシュは、そのステップの各心臓位置における電位の値を格納する有限要素メッシュであり得る。例えば、左心室は、約70,000の心臓位置を有すると定義され得、EMメッシュは、各心臓位置の電磁値を格納する。この場合、1ミリ秒のステップサイズで3秒間シミュレーションを行うと、それぞれが70,000個の値を含む3,000個のEMメッシュが生成される。EMメッシュの集合は、シミュレーションのEM出力である。計算モデルは、Progress in Biophysics and Molecular Biology、第115巻、第2~3号、2014年8月、305~313頁に記載のC.T.Villongco、D.E.Krummen、P.Stark、J.H.Omens、及びA.D.McCulloch著の「Patient-specific modeling of ventricular activation pattern using surface ECG-derived vectorcardiogram in bundle branch block」に説明され、これは、参照により本明細書に組み込まれるものとする。いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、頂点だけでなく、メッシュとして頂点間の点の値を生成し得る。例えば、MLMOシステムは、ガウス求積法を使用して、このような点の値を計算し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、異なる発生源構成に基づいて数多くのシミュレーションをそれぞれ行うことにより、訓練データを生成し、異なる発生源構成は、計算モデルの構成パラメータの異なる値の集合である。例えば、心臓の構成パラメータは、心臓形状、ローター位置、巣状興奮発生源位置、胸部内の心室配向、心室筋線維配向、並びに心筋細胞内潜在的電気発生及び伝播などであり得る。各構成パラメータには、可能な値の集合または範囲が存在し得る。例えば、ローター位置は、心室内の異なる位置に対応する78個の可能なパラメータ集合であり得る。MLMOシステムは、可能な値の組み合わせごとにシミュレーションを行い得るため、シミュレーションの数は数百万となり得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、患者から収集されるEMデータに基づいて分類を行う分類器を、シミュレーションのEM出力を使用して訓練する。MLMOシステムは、シミュレーションのEM出力ごとに、導出EMデータを生成し得る。導出EMデータは、例えば、ECGまたはVCGを生成するための12本のリード、体表面ベスト、及び電磁源内デバイスなどを使用するEM測定デバイスにより収集された測定値に基づいて、生成されるEMデータに該当する。ECGとVCGは、EM出力の同等の発生源表現である。MLMOは、次に、各導出EMデータにラベル(複数可)を生成して、各導出EMデータが対応する分類を指定する。例えば、MLMOシステムは、EMデータが導出されたEM出力を生成する時に使用した構成パラメータ(例えばローター位置)の値であるラベルを生成し得る。特徴ベクトルに該当する導出EMデータの集合、及びそれらのラベルは、分類器を訓練するための訓練データを構成する。MLMOシステムは、次に、分類器を訓練する。分類器は、全結合、畳み込み、リカレント、オートエンコーダなどのニューラルネットワーク、または制限付きボルツマンマシン、サポートベクトルマシン、及びベイズ分類器などを含む、様々な分類器または分類器の組み合わせのうちのいずれかであり得る。分類器がディープニューラルネットワークである場合、訓練により、ディープニューラルネットワークの活性化関数の重みの集合が生成される。分類器は、識別される障害のタイプに基づいて、選ばれ得る。例えば、特定のタイプのニューラルネットワークは、ローター発生源ではなく巣状興奮発生源に基づいて、効果的に訓練することができ得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、訓練データを生成するために使用される発生源構成の構成パラメータの追加特徴で、訓練データを増強し得る。例えば、MLMOシステムは、心臓形状、心臓配向、瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置(複数可)、アブレーションの位置、及びアブレーションの形などを表す追加特徴を生成し得る。MLMOシステムは、これらの追加特徴を、後述される畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)の全結合層の前の層により生成された出力と共に、全結合層に入力し得る。全結合層の前の層(例えばプーリング層)の出力は、一次元配列に「平坦化」され得、MLMOシステムは、一次元配列のさらなる要素として追加特徴を追加し得る。全結合層の出力は、訓練データで使用される各ラベルの確率を提供し得る。従って、確率は、導出EMデータと追加特徴との組み合わせに基づく。分類器は、例えば、異なる心臓形状及び異なる瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置を有する患者に関して、同じまたは類似するEMデータが生成され得ることを反映するために、導出EMデータが同じまたは類似する場合でも、異なる確率を出力することができる。MLMOシステムは、代替的に、(1)導出EMデータのみに基づいてCNNにより生成された確率を入力し、(2)追加特徴を入力して、次に追加特徴を取り込んだ各分類の最終確率を出力する、追加分類器を使用し得る。追加分類器は、例えばサポートベクトルマシンであり得る。CNN及び追加分類器は、並行して訓練され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、電位軸及び時間軸の両方で訓練データの各周期のVCGを正規化する。周期は、正常調律及び異常調律の間の定期的電気活動の単一のユニットまたは心拍を定義する時間間隔(例えば開始時間から終了時間まで)として定義され得る。周期により、発生源構成の経時的発展の心拍単位分析が容易となり、各周期での後続の電位及び時間の正規化が可能となる。正規化は、電位-時間動態の顕著な特徴を保持し、実際の患者において予想される発生源構成パラメータ(例えば胴体伝導率、リード配置及び抵抗、心筋伝導速度、活動電位動態、心臓全体寸法など)の変動への訓練データの一般化可能性を向上させる。MLMOシステムは、ミリ秒またはパーセンテージの増分で、電位を-1~1の範囲に、時間を0~1の固定範囲に、正規化し得る。周期の電位を正規化するために、MLMOシステムは、軸にわたるベクトルの最大の大きさを特定し得る。MLMOシステムは、各電位を最大の大きさで除算する。時間軸を正規化するために、MLMOシステムは、1000より多くまたは少なくあり得るVCG内の点の数から、正規化された周期の1000点へ、補間を実行する。
【0013】
いくつかの実施形態では、分類器が訓練された後、MLMOシステムは、患者から収集されたEM及び他の日常的に入手可能な臨床データに基づいて、分類を生成する用意が整う。例えば、ECGが患者から収集され得、VCGがECGから生成され得る。VCGは分類器に入力され、例えば患者のローター位置を示す分類が生成される。その結果、患者の心臓形状が不明であっても、またはどのシミュレーションも患者の心臓と同じ形状に基づいていなくても、MLMOシステムを使用して分類を生成することができる。心臓の寸法または配向、瘢痕または線維症または催不整脈性基質の構成などの他の患者の測定値が利用可能な場合、精度を向上させるために、EMデータと共に他の患者の測定値が入力として含められ得る。これにより、分類器は、訓練データにより直接表されない様々な臨床データにおける複雑な隠れた特徴を、効果的に学習することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、類似するEM特徴を有する連続周期のシーケンスに基づいた訓練データを生成することにより、発生源の安定性(すなわち心臓内の特定の領域に特定された支配的な不整脈発生源の心拍間の一貫性)を分類し得る。不整脈発生源の安定性を判定するための技法は、Journal of American College of Cardiology、2014年、第63巻、第23号に記載のKrummen,D.,et al.著の「Rotor Stability Seperates Sustained Ventricular Fibrillation from Self-Terminating Episodes in Humans」に説明されており、これは、参照により本明細書に組み込まれるものとする。この参考文献は、再発性不整脈発作を防ぐための安定発生源部位での標的アブレーションの有効性を論証する。例えば、MLMOシステムは、VCGを所与として、周期を識別し、次いで、シーケンス内の全てのVCG周期が互いに類似する形態である2つの連続周期、3つの連続周期、4つの連続周期などのシーケンスを識別し得る。識別された各シーケンスは、VCGを生成するために使用された発生源構成のパラメータの値に基づいて、ラベル付けされ得る。MLMOシステムは、次いで、シーケンス長(例えば2、3、4など)ごとに、そのシーケンス長のシーケンスの訓練データを使用して、別個の分類器を訓練し得る。例えば、MLMOシステムは、2つの周期のシーケンスの分類器を訓練し、3つの周期のシーケンスの別個の分類器を訓練し得る。患者の分類を生成するために、MLMOシステムは、患者のVCGにおいて様々なシーケンス長の類似する周期のシーケンスを識別し、これらのシーケンスを好適なシーケンス長の分類器に入力し得る。MLMOシステムは、次いで、全ての分類器からの分類を組み合わせて最終的な分類に到達し得る、または全ての分類を単純に出力し得る。
【0015】
分類器は、実際の患者のECGまたはVCGと、発生源位置の対応心腔内バスケットカテーテル測定値とを使用して訓練され得るが、十分な数のデータの収集、準備、及びラベル付けにかかるコストは、技術の進歩により大幅にコスト削減されるかもしれないが、現在は非常に高くあり得る。また、医療レコードの収集及び記憶の進歩により、実際の患者のデータの使用がより効果的となるかもしれないが、実際の患者に基づく訓練データは、現在、あまりにまばらでノイズが多いため、大規模な母集団のための分類器の訓練には、特に効果的ではあり得ない。いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、実際の患者のVCGと、シミュレーションから導出されたVCGとの組み合わせを使用して、訓練され得る。実際の患者から収集される訓練データは、フレキシブルエレクトロニクス(例えば表皮電子システム)、及びスマート衣類などの様々なデバイスを使用して収集され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、実際の患者のVCGと、シミュレーションから導出されたVCGとの組み合わせを使用して、訓練され得る。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの全体的な処理を示すブロック図である。MLMOシステムは、分類器生成コンポーネント110と、分類コンポーネント120と、を含む。心臓の計算モデルは、心臓モデルデータストア111に格納されたデータ及びコードを含み得る心臓モデルである。シミュレーション生成コンポーネント112は、シミュレーションのための心臓モデル及びパラメータ集合を入力する。発生源構成とも称されるパラメータ集合は、可能なパラメータ値の各組み合わせのパラメータ集合を含み得る、またはパラメータ集合を生成する方法を指定し得る(例えばコンピュータコードを介して)。例えば、ローター位置パラメータのコンピュータコードは、可能なローター位置のリストを含み得、心室配向パラメータのコンピュータコードは、x軸及びy軸の増分など、ベース配向から可能な傾斜角を生成するために、コードと共にそのベース配向軸からの値を、動的に生成し得る。シミュレーション生成コンポーネントの出力は、電位解がEM出力である電位解データストア113に格納される。電位解は、EMメッシュの例である。VCG生成コンポーネント114は、電位解からVCGを生成し、VCGをVCGデータストア115に格納する。VCG生成コンポーネントは、電位解からECGを生成し、次にECGからVCGを生成し得る。ECGからのVCGの生成は、European Heart Journal、第11巻、第12号、1990年12月1日、1083~1092頁に記載のJ.A.Kors、G.Van Herpen、A.C.Sittig、及びJ.H.Van Bemmel著の「Reconstruction of the Frank vectorcariogram from standard electrocardiographic leads:diagnostic comparison of different methods」に説明され、これは、参照により本明細書に組み込まれるものとする。訓練データ生成コンポーネント116は、VCGを入力し、パラメータ集合から導出され得る1つ以上のラベルで各VCGをラベル付けし、訓練データを訓練データストア117に格納する。ラベルは、例えば、VCGが導出されたEM出力を生成するのに使用されたパラメータ集合のパラメータの値であり得る。分類器訓練コンポーネント118は、訓練データを入力し、分類器を訓練し、分類器重みデータストア119に重み(例えば畳み込みニューラルネットワークの活性化関数の重み)を格納する。分類を生成するために、ECG収集コンポーネント121は、患者から収集したECGを入力する。VCG生成コンポーネント122は、ECGからVCGを生成する。分類コンポーネント123は、VCGを入力し、訓練された分類器の分類器重みを使用して、分類を生成する。
【0018】
MLMOシステム及び他の説明されるシステムが実装され得るコンピューティングシステム(例えばネットワークノードまたはネットワークノードの集合)は、中央処理装置、入力デバイス、出力デバイス(例えばディスプレイデバイス及びスピーカー)、ストレージデバイス(例えばメモリ及びディスクドライブ)、ネットワークインターフェース、グラフィック処理装置、セルラー無線リンクインターフェース、及び全地球測位システムデバイスなどを含み得る。入力デバイスには、キーボード、ポインティングデバイス、タッチスクリーン、ジェスチャ認識デバイス(例えばエアジェスチャ用)、頭部及び目の追跡デバイス、及び音声認識用マイクロフォンなどが含まれ得る。コンピューティングシステムには、高性能コンピューティングシステム、クラウドベースサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、電子書籍リーダー、パーソナルデジタルアシスタント、スマートフォン、ゲームデバイス、及びサーバなどが含まれ得る。例えば、シミュレーション及び訓練は、高性能コンピューティングシステムを使用して行われ得、分類は、タブレットにより行われ得る。コンピューティングシステムは、コンピュータ可読記憶媒体及びデータ伝送媒体を含むコンピュータ可読媒体にアクセスし得る。コンピュータ可読記憶媒体は、一時的電波信号を含まない有形記憶手段である。コンピュータ可読記憶媒体の例には、一次メモリ、キャッシュメモリ、及び二次メモリ(例えばDVD)などのメモリ、並びに他のストレージが挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体は、MLMOシステム及び他の説明されるシステムを実施するコンピュータ実行可能命令またはロジックを、自身に記録済みであり得る、またはそのようなコンピュータ実行可能命令またはロジックで符号化され得る。データ伝送媒体は、有線接続または無線接続を通して、一時的な伝搬信号または搬送波(例えば電磁気)を介して、データを伝送するために使用される。コンピューティングシステムは、鍵を生成して安全に格納するため、及び鍵を使用してデータを暗号化及び復号化するための中央処理装置の一部として、安全な暗号プロセッサを含み得る。
【0019】
MLMOシステム及び他の説明されるシステムは、1つ以上のコンピュータ、プロセッサ、または他のデバイスにより実行されるプログラムモジュール及びコンポーネントなど、コンピュータ実行可能命令の一般的状況で説明され得る。一般に、プログラムモジュールまたはコンポーネントは、タスクを実行する、またはMLMOシステム及び他の説明されるシステムのデータ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、及びデータ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な例で必要に応じて組み合わされ得る、または分散され得る。MLMOシステム及び他の説明されるシステムの態様は、例えば特定用途向け集積回路(「ASIC」)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)を使用するハードウェアに実装され得る。
【0020】
図2は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムによる分類器を生成する全体的な処理を示すフロー図である。分類器生成コンポーネント200は、分類器を生成するように実行される。ブロック201にて、コンポーネントは、シミュレーションを実行するために使用される計算モデルにアクセスする。ブロック202にて、コンポーネントは、シミュレーションで使用される次の発生源構成(すなわちパラメータ集合)を選択する。判定ブロック203にて、全ての発生源構成が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック205に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック204に続行する。ブロック204にて、コンポーネントは、選択した発生源構成を使用してシミュレーションを実行して、シミュレーションのEM出力を生成し、次いでブロック202にループして、次の発生源構成を選択する。ブロック205にて、コンポーネントは、シミュレーションで生成された次のEM出力を選択する。判定ブロック206にて、全てのEM出力が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック210に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック207に続行する。ブロック207にて、コンポーネントは、EM出力からEMデータを導出する。例えば、EM出力は、EMメッシュの集合であり得、EMデータは、EMメッシュの電磁値から導出されたECGまたはVCGであり得る。いくつかの実施形態では、コンポーネントはさらに、ECGまたはVCG内の周期(不正動脈活動の定期的間隔)を識別し得る。周期は、基準フレームもしくは基準フレームの集合を含む空間方向もしくは方向集合に関して、負電位から正電位への継続的交差(「正交差」)または正電位から負電位への継続的交差(「負交差」)により、区切られ得る。基準フレームは、解剖構造軸(例えば左右のx軸、上下のy軸、前後のz軸)、撮像軸(例えばCT、MR、またはx線の座標フレーム)、体表面リードベクトル、測定またはシミュレートされたEM発生源構成及び出力の主なコンポーネント分析により計算された主軸、またはユーザ定義の関心方向と、一致し得る。例えば、3秒のVCGは、3つの周期を有し得、各周期は、x軸に沿った正交差の時点で区切られ得る。あるいは、周期は、y軸またはz軸に沿った交差で区切られ得る。さらに、周期は、負交差で定義され得る。従って、いくつかの実施形態では、コンポーネントは、様々な周期定義に基づいて、単一VCGから訓練データを生成し得、様々な周期定義は、x軸、y軸、及びz軸のうちの1つの軸上の交差により定義される全ての軸の周期、またはその軸上の交差によりそれぞれ定義される周期を伴う正交差と負交差との様々な組み合わせである。さらに、訓練データは、全ての可能な周期定義または周期定義の部分集合に基づいて、識別された周期を含み得る。例えば、訓練データは、各軸に関して、x軸の正交差、y軸の負交差、及びその軸自体の正交差で定義される周期を含み得る。周期定義はまた、EMメッシュに格納された値から導出される電気的イベントのタイミングによっても定義され得る。例えば、メッシュ内の1点または点集合は、電気的活性化及び非活性化を示す電位閾値を、定期的に超え得る。従って、周期は、メッシュ内の1点または点集合に対応する活性化-非活性化、または連続的な活性化-活性化もしくは非活性化-非活性化の間隔で定義され得る。これらの間隔の結果的タイミングは、ECGまたはVCGに共局在化し、周期識別を可能にし得る。ブロック208にて、コンポーネントは、発生源構成(例えば発生源位置)に基づいて、EMデータにラベル付けを行う。周期が識別されると、コンポーネントは、各周期に同じラベルでラベル付けを行い得る。例えば、コンポーネントは、識別された周期に、同じローター位置でラベル付けを行い得る。ブロック209にて、コンポーネントは、ラベルと共にEMデータを訓練データに追加し、次いでブロック205にループして、次のEM出力を選択する。ブロック210にて、コンポーネントは、訓練データを使用して分類器を訓練し、その後完了する。
【0021】
図3は、いくつかの実施形態における、畳み込みニューラルネットワークを使用した訓練及び分類を示すブロック図である。畳み込みニューラルネットワークは、各ピクセルが赤、緑、及び青(「RGB」)の値を有する単一行のピクセルである画像を入力するという意味で、一次元であり得る。MLMOシステムは、訓練データのVCGの電位に基づいてピクセルの値を設定する。画像は、訓練データのVCGのベクトルと同じピクセル数を有する。MLMOシステムは、画像のピクセルの赤値、緑値、及び青値を、VCGの対応するベクトルのx値、y値、及びz値に設定する。例えば、VCGの周期が1秒の長さで、VCGがミリ秒ごとにベクトルを有する場合には、画像は1x1000ピクセルとなる。一次元畳み込みニューラルネットワーク(「1D CNN」)訓練器310は、訓練データ301を使用して畳み込みニューラルネットワークの活性化関数の重みを学習する。患者の分類を生成するために、MLMOシステムは、患者のVCG302を一次元画像として提供する。次に、1D CNN 320は、重みに基づいてVCGを分類し、ローター位置などの分類を出力する。
【0022】
CNNは、画像を処理するために特別に開発されたニューラルネットワークの一種である。画像全体を入力して、画像の分類を出力するために、CNNが使用され得る。例えば、CNNを使用して、患者のスキャンが異常(例えば腫瘍)の存在を示すか否かを自動的に判定することができる。MLMOシステムは、導出EMデータを、1次元画像とみなす。CNNは、畳み込み層、正規化線形ユニット(「ReLU」)層、プーリング層、及び全結合(「FC」)層などの複数の層を有する。いくつかのより複雑なCNNは、複数の畳み込み層、ReLU層、プーリング層、及びFC層を有し得る。
【0023】
畳み込み層は、複数のフィルタ(カーネルまたは活性化関数とも称される)を含み得る。フィルタは、画像の畳み込みウィンドウを入力し、畳み込みウィンドウの各ピクセルに重みを適用し、その畳み込みウィンドウの活性値を出力する。例えば、画像が256x256ピクセルの場合、畳み込みウィンドウは8x8ピクセルであり得る。フィルタは、畳み込みウィンドウ内の64ピクセルのそれぞれに異なる重みを適用して、特徴値とも称される活性値を生成し得る。畳み込み層は、フィルタごとに、1のストライドと好適なパディングを想定した、画像の各ピクセルのノード(ニューロンとも称される)を含み得る。各ノードは、そのノードの訓練フェーズ中に学習されたフィルタの重みの集合に基づいて、特徴値を出力する。例を続けると、畳み込み層は、フィルタごとに65,566個(256x256個)のノードを有し得る。フィルタのノードにより生成された特徴値は、高さ及び幅が256の畳み込み特徴マップを形成するとみなされ得る。特徴または特性(例えばエッジ)を識別するためにある位置の畳み込みウィンドウに関して計算された特徴値が、別の位置の特徴を識別するのに役立つと想定された場合、フィルタの全てのノードは、同じ重み集合を共有し得る。重みを共有することで、訓練時間及びストレージ要件の両方を、大幅に削減することができる。画像の各ピクセルが複数の色で表される場合には、畳み込み層は、それぞれ個別の色を表す別の次元を含み得る。また、画像が3D画像である場合、畳み込み層は、3D画像内の画像ごとにさらに別の次元を含み得る。このような場合、フィルタは、3D畳み込みウィンドウを入力し得る。
【0024】
ReLU層は、畳み込み層のノードごとに、特徴値を生成するノードを有し得る。生成された特徴値は、ReLU特徴マップを形成する。ReLU層は、畳み込み特徴マップの各特徴値にフィルタを適用して、ReLU特徴マップの特徴値を生成する。例えば、max(0、活性値)などのフィルタを使用して、ReLU特徴マップの特徴値が負ではないことが確保され得る。
【0025】
プーリング層は、ReLU特徴マップをダウンサンプリングすることによりReLU特徴マップのサイズを縮小して、プーリング特徴マップを形成するために使用され得る。プーリング層は、ReLU特徴マップの特徴値のグループを入力し、特徴値を出力するプーリング関数を含む。例えば、プーリング関数は、ReLU特徴マップの2x2の特徴値のグループの平均である特徴値を生成し得る。上記の例を続けると、プーリング層は、フィルタごとに128x128のプーリング特徴マップを有する。
【0026】
FC層は、プーリング特徴マップの全ての特徴値にそれぞれ接続されたある数のノードを含む。例えば、画像が猫、犬、鳥、ネズミ、またはフェレットであると分類される必要がある場合、FC層には、画像に動物のうちの1つが含まれる尤度を示すスコアを提供する特徴値を有する5つのノードが含まれ得る。各ノードは、フィルタが検出する動物の種類に適合した独自の重みの集合を有するフィルタを備える。
【0027】
以下では、MLMOシステムが、以下のデータ構造を参照して説明される。括弧は、配列を示す。例えば、VCG[2].V[5].xは、第2のVCGにおける第5の時間間隔のx軸の電位を表す。データ構造はさらに、最初に参照される時にさらに下記で説明される。
VCGデータ構造
VCG[]
サイズ
V[]



nVCG
V[]



周期データ構造
#C
C[]
開始
終了
訓練データ構造
#TD
TD[]
nVCG[]
ラベル(複数可)
【0028】
図4は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの分類器生成コンポーネントの詳細な処理を示すフロー図である。分類器生成コンポーネント400は、分類器を生成するために呼び出される。ブロック401にて、コンポーネントは、シミュレートVCG生成コンポーネントを呼び出して、VCG(VCG[])を様々なパラメータ集合でシミュレートする。ブロック402~405にて、コンポーネントはループして、各シミュレーションの訓練データを生成する。ブロック402にて、コンポーネントは、パラメータ集合を通してインデックス指定を行うために、インデックスiを1に設定する。判定ブロック403にて、インデックスiがパラメータ集合の数と等しい場合は、全ての訓練データが生成済みであり、コンポーネントはブロック406に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック404に続行する。ブロック404にて、コンポーネントは、訓練データ生成コンポーネントを呼び出し、インデックス指定されたパラメータ集合の指示を渡す。ブロック405にて、コンポーネントは、インデックスiをインクリメントし、次いでブロック403にループする。ブロック406にて、コンポーネントは、分類器訓練コンポーネントを呼び出して、生成された訓練データに基づいて分類器を訓練し、その後完了する。
【0029】
図5は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムのシミュレートVCG生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレートVCG生成コンポーネント500は、各パラメータ集合のシミュレートVCGを生成するために呼び出される。ブロック501にて、コンポーネントは、パラメータ集合を通してインデックス指定を行うために、インデックスiを1に設定する。判定ブロック502にて、インデックスiがパラメータ集合の数よりも大きい場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック503に続行する。ブロック503にて、コンポーネントは、シミュレーションステップを通してインデックス指定を行うために、インデックスjを1に設定する。判定ブロック504にて、インデックスjがシミュレーションステップの数より大きい場合は、インデックス指定されたパラメータ集合のシミュレーションは完了し、コンポーネントはブロック507に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック505に続行する。ブロック505にて、コンポーネントは、インデックス指定されたパラメータ集合及びインデックス指定されたシミュレーションステップに基づく計算モデルを適用して、インデックス指定されたシミュレーションステップの電位解(VS[j])を生成する。ブロック506にて、コンポーネントは、インデックスjをインクリメントし、次いでブロック504にループして、次のシミュレーションステップを処理する。ブロック507にて、コンポーネントは、パラメータ集合に関して計算された電位解(VS[])から、インデックス指定されたパラメータ集合のVCG(VCG[i])を生成する。ブロック508にて、コンポーネントは、インデックスiをインクリメントし、次いでブロック502にループして、次のパラメータ集合を処理する。
【0030】
図6は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの周期用の訓練データ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。訓練データ生成コンポーネント600が呼び出され、パラメータ集合で生成されたVCGをインデックス指定するインデックスiを渡され、VCGから訓練データを生成する。ブロック601にて、コンポーネントは、周期識別コンポーネントを呼び出し、インデックス指定されたVCG(VCG[i])の指示を渡し、識別された周期のカウント(#C)と共に、各周期の正規化VCG(nVCG[])を受信する。ブロック602にて、コンポーネントは、周期を通してインデックス指定を行うために、インデックスkを1に設定する。判定ブロック603にて、インデックスkが周期のカウントよりも大きい場合は、インデックス指定されたVCGの全ての周期の訓練データは生成されており、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック604に続行する。ブロック604にて、コンポーネントは、訓練データに対するインデックスとして使用される訓練データ(TD)の実行カウント(#TD)をインクリメントする。ブロック605にて、コンポーネントは、インデックス指定された訓練データの正規化nVCG(TD[#TD].nVCG)を、インデックス指定された周期により特定されるVCGの部分に設定する。コンポーネントは、x軸、y軸、及びz軸から、周期の開始点及び終了点で定義される部分を、抽出する。ブロック606にて、コンポーネントは、インデックス指定されたパラメータ集合(例えばローター位置)の関数に基づいて、インデックス指定された訓練データのラベル(複数可)を設定する。ブロック607にて、コンポーネントは、次の周期にインデックス指定するようにインデックスkをインクリメントし、次いでブロック603にループして、次の周期を処理する。
【0031】
図7は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの周期識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。周期識別コンポーネント700は、VCG内の周期を識別するために呼び出され、周期の正規化VCG(nVCG[])を提供する。ブロック701にて、コンポーネントは、VCGを通してインデックス指定を行うためにインデックスjを2に初期化し、識別された周期を通してインデックス指定を行うためにインデックスkを0に設定する。判定ブロック702にて、インデックスjがVCGのサイズより大きい場合は、コンポーネントは全ての周期を識別し終え、コンポーネントは完了して正規化nVCGを提供し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック703に続行する。ブロック703にて、VCGのx軸の前の電位(VCG.V[j-1].x)がゼロ以上であり、VCGのx軸のインデックス指定された電位(VCG.V[j].x)がゼロ未満である場合(すなわちx軸の負交差)、可能な周期の開始が識別されており、コンポーネントはブロック704に続行して周期を識別し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック709に続行する。ブロック704にて、コンポーネントは、インデックス指定された周期の開始(C[k].start)を、インデックスjと等しく設定する。判定ブロック705にて、少なくとも1つの周期が既に識別されている場合は、前の周期の終了が分かっているため、コンポーネントは、インデックスkをインクリメントしてブロック706に続行し、そうでない場合は、コンポーネントは、インデックスkをインクリメントしてブロック709に続行する。ブロック706にて、コンポーネントは、前の周期の終了を、インデックスj-1に設定する。ブロック707にて、コンポーネントは、前の周期の開始及び終了により区切られた前のインデクス指定の周期のVCG(eVCG)を抽出する。ブロック708にて、コンポーネントは、周期正規化コンポーネントを呼び出し、抽出されたVCG(eVCG)の指示を渡し、正規化周期(nVCG)を受信する。ブロック709にて、コンポーネントは、VCGを通してインデックス指定を行うためにインデックスjをインクリメントし、ブロック702にループする。
【0032】
図8は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの周期正規化コンポーネントの処理を示すフロー図である。周期正規化コンポーネント800が呼び出され、周期のVCGの指示を渡され、周期を正規化する。ブロック801にて、コンポーネントは、周期内のベクトルの最大ベクトルの大きさV’を特定する。例えば、ベクトルのベクトル大きさは、ベクトルのx値の二乗、y値の二乗、及びz値の二乗の合計の平方根を取ることにより計算され得る。ブロック802にて、コンポーネントは、VCGの次の軸をインデックス指定するように、インデックスiを設定する。判定ブロック803にて、全ての軸が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了して、正規化VCGを提供し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック804に続行する。ブロック804にて、コンポーネントは、正規化された周期のベクトルを通してインデックス指定を行うために、インデックスjを1に初期化する。判定ブロック805にて、インデックスjが正規化された周期のベクトルの数より大きい場合は、コンポーネントはブロック802にループして、次の軸を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック806に続行する。ブロック806にて、コンポーネントは、インデックス指定された軸のインデックス指定されたベクトルの正規化VCGを、渡されたVCG、インデックス指定されたベクトル、及び最大ベクトル大きさV’の補間に設定する。補間は、VCGを、正規化VCG内のベクトルの数に効果的に圧縮または拡張し、ベクトルのx値、y値、及びz値を最大ベクトル大きさV’で除算する。ブロック807にて、コンポーネントは、インデックスjをインクリメントし、次にブロック805にループする。
【0033】
図9は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの類似周期シーケンス用の訓練データ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。類似周期シーケンス用の訓練データ生成コンポーネント900が呼び出され、渡されたインデックスiによりインデックス指定されたVCGの2つの連続する類似周期のシーケンスを識別し、識別された類似周期シーケンスに基づいて訓練データを生成する。シーケンス内の周期は、周期の安定性を反映する類似性スコアに応じて類似する。ブロック901にて、コンポーネントは、周期識別コンポーネントを呼び出して、VCGの周期(nVCG[])を識別する。ブロック902にて、コンポーネントは、識別された周期を通してインデックス指定を行うために、インデックスjを2に設定する。判定ブロック903にて、インデックスjが識別された周期の数よりも大きい場合は、全ての周期がインデックス指定されたため、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック904に続行する。ブロック904にて、コンポーネントは、j-1及びjでインデックス指定された周期の類似性スコアを生成する。類似性スコアは、例えばコサイン類似度、及びピアソン相関などに基づき得る。判定ブロック905にて、類似周期を示す類似性スコアの閾値(T)を類似性スコアが上回る場合は、類似周期のシーケンスが識別されており、コンポーネントはブロック906に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック909に続行する。ブロック906にて、コンポーネントは、訓練データの実行カウント(#TD)をインクリメントする。ブロック907にて、コンポーネントは、訓練データを、類似周期のシーケンスに設定する。ブロック908にて、コンポーネントは、訓練データのラベルを、VCGを生成するために使用されたパラメータ集合(PS[i])から導出されるラベルに設定し、次いでブロック909に続行する。ブロック909にて、コンポーネントは、インデックスiをインクリメントして次の周期シーケンスを選択し、ブロック903にループする。
【0034】
図10は、いくつかの実施形態における、MLMOシステムの分類コンポーネントの処理を示すフロー図である。分類コンポーネント1000が呼び出され、患者から導出されたVCGを渡され、分類を出力する。ブロック1001にて、コンポーネントは、周期識別コンポーネントを呼び出し、VCGの指示を渡し、周期の正規化VCG及び周期のカウントを受信する。ブロック1002にて、コンポーネントは、周期を通してインデックス指定を行うために、インデックスkを1に設定する。判定ブロック1003にて、インデックスkが周期の数より大きい場合は、コンポーネントは分類を完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1004に続行する。ブロック1004にて、コンポーネントは、インデックス指定された周期に分類器を適用して、分類を生成する。ブロック1005にて、コンポーネントは、インデックスをインクリメントし、次いでブロック1003にループして、次の周期を処理する。周期ごとに、異なる分類(例えば異なるローター位置)が生成され得る。このような場合、全体的な分類は、異なる分類の組み合わせから導出され得る(例えばローター位置の平均)。
【0035】
モデルライブラリ生成システム
体内のEM源のモデルのモデルライブラリを生成するための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、モデルライブラリ生成(「MLG」)システムは、EM源の解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータを含む構成パラメータを有する発生源構成に基づいて、モデルを生成する。解剖構造パラメータは、EM源の寸法または全体的形状を指定する。EM源が心臓である場合、モデルは、心臓壁の厚さ(例えば心内膜、心筋、及び心外膜の厚さ)、心腔の寸法、直径、胸部における心室配向、胴体の解剖構造、線維構造、瘢痕及び線維症及び催不整脈性基質の位置(複数可)、並びに瘢痕の形などから成るグループの任意の部分集合を含み得る解剖構造パラメータに基づく不整脈モデルであり得る。心臓の形状は、心腔容積が最大となり、壁の厚さが最小となり、興奮した時に、測定され得る。正常洞では、興奮は、拍動の拡張末期部分の時に起こる。不整脈では、拍動中の異なる時に、興奮が起こり得る。従って、MLGシステムでは、拡張末期部分以外の時に、形状を特定することが可能となり得る。胴体解剖構造を使用して、胴体のサイズ、形、及び組成などに基づいて、EM出力が調整され得る。電気生理学パラメータは、炎症、浮腫、副伝導路、先天性心疾患、悪性腫瘍、前のアブレーション部位、前の手術部位、外照射療法部位、ペーシングリード、植込み型除細動器リード、心臓再同期療法リード、ペースメーカーパルス発生器位置、植込み型除細動器パルス発生器位置、皮下除細動器リード位置、皮下除細動器パルス発生器位置、リードレスペースメーカ位置、他の植込み型ハードウェア(例えば右心室補助装置または左心室補助装置)、体外式除細動電極、表面ECGリード、表面マッピングリード、マッピングベスト、並びに他の正常分布及び病態生理学的特徴分布、活動電位動態、伝導率、及び不整脈発生源位置などから成るグループの任意の部分集合を含み得る非解剖構造パラメータである。シミュレーション用に選択される構成パラメータは、採用される機械学習アルゴリズムに基づき得る。例えば、線維構造パラメータは、畳み込みニューラルネットワークに対して選択され得るが、他の種類のネットワークには選択され得ない。MLGシステムは、発生源構成を生成し、これから不整脈モデルが生成される。発生源構成ごとに、MLGシステムは、メッシュと、不整脈モデルの可変重みなどのモデルパラメータとを含む不整脈モデルを生成する。MLGシステムは、解剖構造パラメータに基づいて、メッシュを生成する。計算メッシュが生成された後、MLGは、その発生源構成の電気生理学パラメータに基づいて、メッシュ内の点における不整脈モデルのモデルパラメータを生成する。電気生理学パラメータは、例えば、その点における電磁伝搬のモデル化を、電気生理学パラメータに基づいて制御する。不整脈モデルの集合は、不整脈モデルライブラリを形成する。次にMLMOシステムは、不整脈モデルごとにモデル化EM出力を生成し、モデル化EM出力を使用して、分類器を訓練し得る。不整脈モデルライブラリは、様々な種類のアブレーションの有効性の研究など、他の目的で使用されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、MLGシステムは、心臓の解剖構造パラメータの集合を生成し、各集合は、各解剖構造パラメータの値(例えばスカラー、ベクトル、またはテンソル)を有する。解剖構造パラメータの集合は、心臓の解剖構造を特定する。MLGシステムは、シード解剖構造の集合(EM源の寸法の値を指定)及び各シード解剖構造の重みを含む重みの集合に基づくシミュレート解剖構造を生成する。シード解剖構造はまた、心腔の質量、容積、長さと幅の比、及び球形度などの指定された値から導出される特徴の値も含み得る。シード解剖構造は、患者に見られる極端な解剖構造を表し得る。例えば、シード解剖構造は、拡大右心室、及び非常に厚いまたは薄い心内膜などの極端な心臓状態を有する患者の超音波、コンピュータ断層撮影、及び磁気共鳴撮像スキャンから、生成され得る。MLGシステムは、重み集合ごとにシミュレート解剖構造を生成する。重み集合内の各重みは、シミュレート解剖構造に対するシード解剖構造の解剖構造パラメータの寄与度を示す。例えば、4つのシード解剖構造が指定される場合、重みは、0.4、0.3、0.2、及び0.1であり得る。MLGシステムは、重み集合でシミュレートされる解剖構造の各解剖構造パラメータの値を、シード解剖構造の各解剖構造パラメータの値の加重平均に設定する。MLGシステムは、固定間隔(例えば0.001)を定義する、1.0に追加される重みをランダムに選択する、及び実験計画法を使用するなど、様々な技法を使用して、重み集合を生成し得る。MLGシステムはまた、解剖構造パラメータと実際の患者の実解剖構造パラメータとの比較に基づいて、シミュレート解剖構造を検証し得る。例えば、心腔の高さ、幅、及び奥行きの組み合わせにより、実際の患者には見られなかった(例えば患者母集団では見つからなかった)容積が得られる場合は、MLGシステムは、そのシミュレート解剖構造を、実際の患者では発生しそうにないということで、破棄し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、MLGシステムは、ブートストラップ技法を使用して、不整脈モデルに基づいたモデル化EM出力の生成を、高速化し得る。左心室のメッシュには70,000個の頂点があり得るため、左心室の不整脈モデルのモデル化EM出力を生成するためのシミュレーションでは、EMメッシュごとに70,000の値を計算する必要がある。シミュレーションが1ミリ秒のステップサイズで3秒間である場合には、頂点に関して70x106個の値が計算される必要がある。不整脈モデルライブラリが百万個の不整脈モデルを含む場合には、計算する必要のある値の個数は、70x1012個となる。さらに、単一値の計算は、多くの数学演算を伴い得、頂点ごとに複数の値が計算され得る。計算する必要のある値の個数を減らすことを支援するために、MLGシステムは、ある不整脈モデルに基づくあるシミュレーションのために生成されたEMメッシュの値のうちのいくつかを、別の不整脈モデルに基づく別のシミュレーションと、有効に共有する。例えば、シミュレーションを開始すると、EMメッシュの値のうちのいくつかが、値に相当な影響を与えるまでに、約1秒かかり得る。例えば、シミュレーションの1秒時点で、瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置を除いて同じ発生源構成を有する不整脈モデルに基づくシミュレーションのEMメッシュは、非常に類似した値を有し得る。計算する必要のある値の個数を減らすために、MLGシステムは、瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置を除いて同じまたはほぼ同じ発生源構成を有する不整脈モデルをグループ化する。グループ化はまた、伝導速度及び活動電位のパラメータを考慮しなくてもよい。次に、MLGシステムは、グループの代表的な不整脈モデル(例えば瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置のない不整脈モデル)のシミュレーションを実行する。他の不整脈モデルのシミュレーションを実行するために、MLGシステムは、初期EMメッシュの値を、代表的な不整脈モデルのシミュレーションの1秒時点でのEMメッシュの値に設定する。次に、MLGシステムは、初期EMメッシュの値で開始して、2秒間他のシミュレーションを実行する。他の不整脈モデルごとのモデル化EM出力は、代表的な不整脈モデルの最初の1秒のEMメッシュと、該当する他の不整脈モデルの2秒のEMメッシュとを含む。このようにして、MLGシステムは、シミュレーションのうちのいくつかのシミュレーション中に計算する必要のある値の個数を大幅に(例えば約三分の一)削減することができ、これにより、不整脈モデルライブラリのためのモデルEM出力または電位解の生成が、大幅に高速化され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、MLGシステムは、モデル化EM出力の生成を高速化するために、他のブートストラップ技法を使用し得る。1つのブートストラップ技法により、異なる形状、異なる活動電位、及び異なる伝導率のパラメータなど、異なる構成パラメータの迅速な生成が可能となり得る。例えば、所与の巣状興奮位置またローター発生源位置、及び他の構成パラメータの集合に関して、シミュレーションが2秒間実行され得る。次に、そのシミュレーションからのEMメッシュが、異なる形状に基づいて変更される、またはモデルのパラメータが、異なる活動電位または伝導率のパラメータに基づいて調整される。その後、シミュレーションが続行される。異なる構成パラメータに基づいて、活性化電位が安定化するのに、1秒ほどかかり得る。別のブートストラップ技法は、異なる瘢痕位置に係留されたローターの生成を高速化する。例えば、所与の係留瘢痕位置に関して、シミュレーションが2秒間実行され得る。最初の1秒後、ローターは、瘢痕位置に係留されて安定化し得る。その秒の間に、心拍動曲線を生成するのに十分なモデル化EM出力がシミュレートされる。次に、そのシミュレーションからのEMメッシュは、係留瘢痕位置を近くに移動させるように変更され、場合により異なる形状に基づいて変更される。その後、シミュレーションが続行される。シミュレーションにより、ローターを、前の係留瘢痕位置から切り離し、新たな係留瘢痕位置に取り付けることが可能となる。一旦取り付けられると、次の1秒程度のモデル化EM出力を使用して、ECGまたはVCGが生成され得る。また、係留瘢痕位置を変更するのではなく、アブレーションの形及びパターンをEMメッシュに追加して、そのアブレーションの効果をシミュレートすることができる、または係留瘢痕の構成を変更して、その構成の効果が迅速にシミュレートされてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、MLGシステムは、不整脈モデルライブラリの不整脈モデルに関して生成されたモデル化EM出力から導出される導出EMデータの生成を、高速化し得る。導出EMデータは、モデル化EM出力(例えば3,000EMメッシュ)から生成されるVCG(または他の心拍動曲線)であり得る。MLGシステムは、類似する電気生理学パラメータを有する発生源構成を伴う不整脈モデルを、グループ化し得る。従って、グループ内の各不整脈モデルは、類似する電気生理学パラメータと、異なる解剖構造パラメータを有する。次に、MLGシステムは、グループの代表的な不整脈モデルのシミュレーションを実行する。しかし、MLGシステムは、グループ内の他の不整脈モデルのシミュレーションを実行する必要はない。他の不整脈モデルのうちの1つに関してVCGを生成するために、MLGシステムは、代表的な不整脈モデルのモデル化EM出力と他の不整脈モデルの解剖構造パラメータとを入力する。次に、MLGシステムは、代表的な不整脈モデルと他の発生源構成との解剖構造パラメータの差異に基づいて調整を行いながら、モデル化EM出力の値に基づいて他の不整脈モデルのVCG値を計算する。このようにして、MLGシステムは、不整脈モデルの各グループの代表的な不整脈モデルを除いて、いずれのシミュレーションの実行も回避する。
【0040】
いくつかの実施形態では、MLGシステムは、ある多面体モデルに基づく不整脈モデルを、別の多面体モデルに基づく不整脈モデルに変換する。異なる有限メッシュ問題解決器は、異なる多面体モデルに基づき得る。例えば、ある多面体モデルは六面体モデルであり得、別の多面体モデルは四面体モデルであり得る。六面体モデルは、メッシュが六面体で埋められている。四面体モデルは、メッシュが四面体で埋められている。不整脈モデルライブラリが六面体モデルに基づいて生成されている場合、その不整脈ライブラリを四面体問題解決器に入力することはできない。四面体モデルに基づく別個の不整脈モデルライブラリは、発生源構成に基づいて生成することができるが、計算コストは高くなる。四面体不整脈モデルライブラリを生成するこの計算コストを削減するために、MLGシステムは、六面体不整脈モデルを四面体不整脈モデルに変換する。四面体不整脈モデルに変換するために、MLGシステムは、例えば六面体不整脈モデルのメッシュの表面に基づいて、四面体不整脈モデルの表面表現を生成する。次に、MLGシステムは、表面表現により形成された体積に四面体を配置して、四面体メッシュを生成する。次に、MLGシステムは、四面体メッシュの各頂点の値を、四面体メッシュのその頂点に近接する六面体メッシュの頂点の値を補間することにより、生成する。このようにして、MLGシステムは、ある種類の多面体の不整脈モデルライブラリを使用して、別の種類の多面体の不整脈モデルライブラリを生成し、発生源構成から別の種類の多面体の不整脈モデルライブラリを生成する計算コストの発生を防ぐことができる。MLGシステムはまた、電磁源を表示するために、不整脈モデルを、ある多面体モデルから別の多面体モデルに変換し得る。例えば、MLGシステムは、六面体心室メッシュを使用してシミュレーションを実行し、次に、表示のために、表面三角形心室メッシュに変換して、心室のよりリアルな外観の表示を提供し得る。
【0041】
図11は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのコンポーネントを示すブロック図である。MLGシステム1100は、モデルライブラリ生成コンポーネント1101と、シミュレート解剖構造(複数)生成コンポーネント1102と、シミュレート解剖構造(単数)生成コンポーネント1103と、発生源構成生成コンポーネント1104と、モデル生成コンポーネント1105と、シミュレート解剖構造表示コンポーネント1106と、代表用電位解生成コンポーネント1107と、グループ用電位解生成コンポーネント1108と、VCG概算コンポーネント1109と、多面体モデル変換コンポーネント1110とを含む。MLGシステムはまた、不整脈モデルを格納するモデルライブラリ111と、シード解剖構造(例えば心臓のシード解剖構造)を格納するシード解剖構造ライブラリ1112と、シミュレート解剖構造(例えば心臓のシミュレート解剖構造)を格納するシミュレート解剖構造ライブラリ1113とを含む。モデル生成ライブラリコンポーネントは、モデルライブラリの全体的な生成を制御する。シミュレート解剖構造(複数)生成コンポーネントは、重み集合ごとにシミュレート解剖構造(単数)コンポーネントを呼び出すことにより、様々な重み集合に関してシミュレート解剖構造を生成する。発生源構成生成コンポーネントは、シミュレート解剖構造と電気生理学パラメータの可能な値とに基づいて、様々な発生源構成を生成する。モデル生成コンポーネントは、発生源構成に基づいてモデルを生成する。シミュレート解剖構造表示コンポーネントは、重み集合を指定し、シード解剖構造及びシミュレート解剖構造を見るためのアプリケーションプログラミングインターフェースまたはユーザ体験を提供し得る。代表用電位解生成コンポーネントは、グループの代表的な発生源構成用の電位解を生成する。グループ用電位解生成コンポーネントは、代表的な発生源構成の電位解を使用したブートストラップに基づいて、グループにおける発生源構成の電位解を生成する。VCG概算コンポーネントは、異なる解剖構造パラメータを有するが類似する発生源構成の電位解に基づいて、概算VCGを生成する。多面体モデル変換コンポーネントは、六面体モデルを四面体モデルに変換する。
【0042】
図12は、シード解剖構造からのシミュレート解剖構造の生成を示すブロック図である。この例では、シード解剖構造1201~1206を使用して、シミュレート解剖構造1210が生成される。各シード解剖構造は、シミュレート解剖構造に対するシード解剖構造の寄与度を指定する対応付けられた重みを有する。重みは、合計で1.0となり得る。いくつかの実施形態では、MLGシステムは、各シード解剖構造の単一の重みではなく、シード形状の各解剖構造パラメータの重みを使用し得る。例えば、重みには、心腔の寸法に対する重み、及び心臓壁の厚みに対する重みなどが含まれ得る。シード解剖構造の解剖構造パラメータの重みは、合計で1.0となり得る。例えば、左心室の寸法に関して、シード解剖構造1201~1206の重みは、それぞれ0.1、0.1、0.1、0.1、0.3、及び0.3であり得、心内膜、心筋、及び心外膜の厚さに関して、シード解剖構造1201~1206の重みは、それぞれ0.2、0.2、0.2、0.2、0.1、及び0.1であり得る。代替的に、シード解剖構造の重み、またはシード解剖構造の解剖構造パラメータの重みは、合計で1.0となる必要はない。
【0043】
図13は、いくつかの実施形態における、シミュレート解剖構造を見るユーザ体験を示す表示ページである。表示ページ1300は、グラフィック領域1310と、重み領域1320と、オプションエリア1330とを含む。グラフィック領域は、心臓の各シード解剖構造のグラフィック及び重みを、これらの重みに基づく心臓のシミュレート解剖構造のグラフィックと共に表示する。ユーザは、重み領域を使用して、各シード解剖構造の重みを指定することができる。ユーザは、オプション領域を使用して、各オプションのユーザインターフェース(図示せず)に基づいて、さらなるシード解剖構造を追加すること、シード解剖構造を削除すること、及び重みルールを指定することができる。MLGシステムは、シード解剖構造の解剖構造パラメータを格納するためのデータ構造を指定し得る。ユーザは、新たなシード解剖構造を追加する時に、データ構造をアップロードすることができる。MLGシステムにより、ユーザは、シミュレート解剖構造を生成するために使用され得るシード解剖構造のライブラリを作ることも可能となり得る。重みルールは、シミュレート解剖構造のライブラリに関して、重み集合を生成する方法を指定する。例えば、重みルールは、正規化されていない重みの集合の全ての組み合わせを、0.0~1.0の範囲で0.2刻みで生成し、次に各重み集合の重みの合計が1.0となるように重みを正規化するよう、指定し得る。この重みルールと6個のシード解剖構造とを考えると、5x106個の重み集合が指定される。グラフィックスは、Blenderなどの3Dコンピュータグラフィックソフトウェアツールセットを使用して生成され得る。
【0044】
図14は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのモデルライブラリ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。モデルライブラリ生成コンポーネント1400が呼び出され、各電気生理学パラメータの値の範囲を指定する電気生理学パラメータ指定と共に、解剖構造パラメータを生成するための、シード解剖構造と、各モデルのシード解剖構造に対する重み集合とに基づいて、不整脈モデルライブラリなどのモデルライブラリを生成する。コンポーネントは、解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータの組み合わせから、発生源構成を生成する。ブロック1401にて、コンポーネントは、シミュレート解剖構造(複数)生成コンポーネントを呼び出して、シード解剖構造からシミュレート解剖構造を生成する。ブロック1402にて、コンポーネントは、発生源構成生成コンポーネントを呼び出して、シミュレート解剖構造の解剖構造パラメータと、電気生理学パラメータ指定とに基づいて、発生源構成を生成する。ブロック1403~1406にて、コンポーネントはループして、発生源構成ごとにモデルを生成する。ブロック1403にて、コンポーネントは、次の発生源構成iを選択する。判定ブロック1404にて、全ての発生源構成が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1405に続行する。ブロック1405にて、コンポーネントは、モデル生成コンポーネントを呼び出し、発生源構成iの指示を渡して、その発生源構成のモデル(モデル[i])を生成する。ブロック1406にて、コンポーネントは、生成されたモデルをモデルライブラリに追加し、次にブロック1403にループして、次の発生源構成を選択する。
【0045】
図15は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのシミュレート解剖構造生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレート解剖構造生成コンポーネント1500が呼び出され、シード解剖構造と、対応付けられた重み集合とに基づいて、シミュレート解剖構造を生成する。ブロック1501にて、コンポーネントは、次の重み集合iを選択する。判定ブロック1502にて、全ての重み集合が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1503に続行する。ブロック1503にて、コンポーネントは、シミュレート解剖構造生成コンポーネントを呼び出し、選択した重み集合iの指示を渡し、シミュレート解剖構造の解剖構造パラメータの指示を受信する。ブロック1504にて、コンポーネントは、解剖構造パラメータを格納し、次にブロック1501にループして、次の重み集合を選択する。
【0046】
図16は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのシミュレート解剖構造生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレート解剖構造生成コンポーネント1600が呼び出され、重み集合の指示を渡され、その重み集合に基づいてシミュレート解剖構造を生成する。ブロック1601にて、コンポーネントは、次の解剖構造パラメータiを選択する。判定ブロック1602にて、全ての解剖構造パラメータが既に選択済みである場合は、コンポーネントはシミュレート解剖構造の解剖構造パラメータの指示を返し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1603に続行する。ブロック1603にて、コンポーネントは、選択した解剖構造パラメータiを初期化する。ブロック1604~1606にて、コンポーネントはループし、選択した解剖構造パラメータを、重みと、各シード解剖構造のその解剖構造パラメータの値とに基づいて、調整する。ブロック1604にて、コンポーネントは、次のシード解剖構造jを選択する。判定ブロック1605にて、全てのシード解剖構造が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック1601にループして、次の解剖構造パラメータを選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1606に続行する。ブロック1606にて、コンポーネントは、選択した解剖構造パラメータiを、選択した解剖構造パラメータiと、選択したシード解剖構造jのその解剖構造パラメータiを選択したシード解剖構造の重みで割った値との合計に、設定する。次にコンポーネントは、ブロック1604にループして、次のシード解剖構造を選択する。
【0047】
図17は、いくつかの実施形態における、MLGシステムの発生源構成生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。発生源構成生成コンポーネント1700が呼び出され、モデルライブラリを生成する際に使用する発生源構成を生成する。発生源構成は、シミュレート解剖構造と、解剖構造パラメータの値の組み合わせとにより、指定される。ブロック1701にて、コンポーネントは、次のシミュレート解剖構造を選択する。判定ブロック1702にて、全てのシミュレート解剖構造が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1703に続行する。ブロック1703~1707にて、コンポーネントはループして、選択したシミュレート解剖構造に関して、解剖構造パラメータの集合を選択する。ブロック1703にて、コンポーネントは、線維構造の解剖構造パラメータの次の値を選択する。判定ブロック1704にて、選択したシミュレート解剖構造に関して、線維構造の解剖構造パラメータの全ての値が既に選択済みである場合は、選択したシミュレート解剖構造に関して全ての発生源構成が生成済みであるため、コンポーネントはブロック1701にループして、次のシミュレート解剖構造を選択し、そうでない場合は、コンポーネントは、省略符号で示されるように、他の解剖構造パラメータそれぞれの値を選択し続ける。ブロック1705にて、コンポーネントは、選択したシミュレート解剖構造及び他の解剖構造パラメータの値の集合に関して、次の発生源位置を選択する。判定ブロック1706にて、選択したシミュレート解剖構造及び他の解剖構造パラメータの値の集合に関して、全ての発生源位置が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック1705にループして、新たな値の集合を選択する。ブロック1707にて、コンポーネントは、選択したシミュレート解剖構造及び解剖構造パラメータの選択した値の集合の指示を、発生源構成として格納し、次にブロック1705にループして、次の発生源位置を選択する。
【0048】
図18は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのモデル生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。モデル生成コンポーネント1800が呼び出され、発生源構成iの指示を渡され、モデルを生成する。モデルは、発生源構成のシミュレート解剖構造を表すメッシュの各頂点の1つ以上のモデルパラメータを含む。ブロック1801にて、コンポーネントは、解剖構造パラメータに基づいて、メッシュを生成する。メッシュは、頂点ごとに、例えばその頂点の電位を生成する際に使用する1つ以上のモデルパラメータの値と共に、その隣接する頂点への参照指示を明示的または暗示的に含むデータ構造により表され得る。ブロック1802にて、コンポーネントは、次の頂点jを選択する。判定ブロック1803にて、全ての頂点が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1804に続行する。ブロック1804にて、コンポーネントは、選択した頂点の計算モデルの次のモデルパラメータkを選択する。判定ブロック1805にて、全てのモデルパラメータが既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック1802にループして、次の頂点を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1806に続行する。ブロック1806にて、コンポーネントは、発生源構成iに基づいて、選択した頂点jに関して選択したモデルパラメータkを計算し、次にブロック1804にループして、次のモデルパラメータを選択する。
【0049】
図19は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのシミュレート解剖構造表示コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレート解剖構造表示コンポーネント1900が呼び出され、シード解剖構造に基づいて生成されたシミュレート解剖構造を表示する。ブロック1901にて、コンポーネントは、グラフィック1311などのシミュレート解剖構造のシミュレート表現を表示する。ブロック1902~1906にて、コンポーネントはループして、各シード解剖構造のシード表現を表示する。ブロック1902にて、コンポーネントは、シミュレート解剖構造を生成するのに使用された次のシード解剖構造を選択する。判定ブロック1903にて、全てのシード解剖構造が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック1907に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック1904に続行する。ブロック1904にて、コンポーネントは、グラフィック1301~1306などの選択したシード解剖構造のシード表現を表示する。ブロック1905にて、コンポーネントは、シード表現からシミュレート表現への矢印を表示する。ブロック1906にて、コンポーネントは、シード解剖構造に対応付けられた重みを矢印の隣に表示し、次にブロック1902にループして、次のシード解剖構造を選択する。判定ブロック1907にて、ユーザが重みの変更を指示する場合は、コンポーネントはブロック1908に続行し、そうでない場合は、コンポーネントは完了する。ブロック1908にて、コンポーネントは、変更された重みに基づくシミュレート解剖構造の新たなシミュレート表現を表示する。コンポーネントは、シミュレート解剖構造を生成するシミュレート解剖構造生成コンポーネントと、シミュレート解剖構造のグラフィックを生成するコンポーネントとを呼び出し得る。ブロック1909にて、コンポーネントは、重量が変更されたシード解剖構造のシード表現からの矢印の近くに、変更された重みを表示して、その後完了する。
【0050】
図20は、類似する解剖構造パラメータによる以前のシミュレーションのEMメッシュに基づいて、シミュレーションをブートストラップするプロセスを示すブロック図である。異なる瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置を除いて同じ発生源構成の不整脈モデルに基づく前のシミュレーションに今度は基づいて、シミュレーションがブートストラップされ得る。初期EMメッシュを生成するために、シミュレーション生成コンポーネント2020は、第1の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置を有する不整脈モデル2010を入力し、電位解2030を出力する。シミュレーション生成コンポーネント2020は、メッシュデフォルト初期化コンポーネント2021と、シミュレーション実行コンポーネント2022とを含む。EMメッシュ初期化コンポーネントは、EMメッシュを、頂点の電位のデフォルト値で初期化する。シミュレーション実行コンポーネント2022は、初期化されたEMメッシュ及び不整脈モデル2010に基づいて、シミュレーションを実行して(例えば3秒間)、電位解(例えば3,000EMメッシュ)を生成し、電位解2030を出力する。シミュレーションをブートストラップするために、シミュレーション生成コンポーネント2060は、第2の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置を有する不整脈モデル2050を入力し、電位解2070を出力する。シミュレーション生成コンポーネント2060は、電位解ベースEMメッシュ初期化コンポーネント2061と、シミュレーション実行コンポーネント2062とを含む。電位解ベースEMメッシュ初期化コンポーネント2061は、電位解2030を入力して、EMメッシュを、例えば電位解2030の1秒時点に対応するEMメッシュに初期化する。シミュレーション実行コンポーネント2062は、初期化されたEMメッシュに基づいて、シミュレーションを実行する。例えば、シミュレーションが3秒であり、初期化されたEMメッシュが1秒時点でのEMメッシュに基づく場合は、シミュレーション実行コンポーネント2062は、さらに2秒間シミュレーションを実行する。シミュレーション実行コンポーネント2062は、電位解を電位解ストア2070に格納する。
【0051】
図21は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのグループ内代表的不整脈モデル用電位解生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。代表用電位解生成コンポーネント2100は、不整脈モデルiの電位解を生成する。ブロック2101にて、コンポーネントは、シミュレーションステップの数を追跡するために、インデックスjを初期化する。判定ブロック2102にて、インデックスjがシミュレーションステップの数より大きい場合は、コンポーネントは完了し、電位解を示し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2103に続行する。ブロック2103にて、コンポーネントは、不整脈モデル及び選択されたシミュレーションステップに基づく計算モデルを適用して、選択されたシミュレーションステップの電位解を生成する。ブロック2104にて、コンポーネントは次のシミュレーションステップへインクリメントし、ブロック2102へループする。
【0052】
図22は、いくつかの実施形態における、MLGシステムの代表的電位解に基づく不整脈モデルグループ用電位解生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。グループ用電位解生成コンポーネント2200は、代表的な電位解及び不整脈モデル集合の指示を渡される。ブロック2201にて、コンポーネントは、次の不整脈モデルiを選択する。判定ブロック2202にて、全ての不整脈モデルが既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2203に続行する。ブロック2203にて、コンポーネントは、選択した不整脈モデルの電位解を、最初の1000個のシミュレーションステップの代表的な電位解に初期化する。ブロック2204~2206にて、コンポーネントはループして、シミュレーションステップ1001から始まりシミュレーションの終わりまで続くシミュレーションを実行する。ブロック2204にて、コンポーネントは、シミュレーションステップ1001から開始して、次のシミュレーションステップjを選択する。判定ブロック2205にて、現行のシミュレーションステップがシミュレーションステップの数より大きい場合は、コンポーネントはブロック2201にループして、次の不整脈モデルを選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2206に続行する。ブロック2206にて、コンポーネントは、シミュレーションステップに基づいて不整脈モデルを適用して、シミュレーションステップの電位解を生成し、次にブロック2204にループして、次のシミュレーションステップを選択する。
【0053】
図23は、異なる解剖構造パラメータによる不整脈モデルの電位解に基づいて、ベクトル心電図を概算するプロセスを示すブロック図である。解剖構造パラメータの第1の集合に基づいて不整脈モデル2301の電位解を生成するために、シミュレーション生成コンポーネント2302は、不整脈モデルを入力し、電位解2303を出力する。次に、VCG生成コンポーネント2304は、電位解からVCGを生成し、それをVCGストア2305に格納する。異なる解剖構造パラメータを有するが類似する発生源構成に基づいた不整脈モデルのVCGを概算するために、VCG概算コンポーネント2314は、不整脈モデル2311を入力し、概算VCGを生成し、VCG2315を出力する。
【0054】
図24は、いくつかの実施形態における、MLGシステムのVCG概算コンポーネントの処理を示すフロー図である。VCG概算コンポーネント2400は、第1の解剖構造パラメータによる第1の不整脈モデルに基づいて生成された電位解(「VS1」)を入力し、第2の解剖構造パラメータによる第2の不整脈モデルのVCGを概算する。ブロック2401にて、コンポーネントは、シミュレーションステップを通してインデックス指定を行うために、インデックスiを設定する。判定ブロック2402にて、インデックスiがシミュレーションステップの数より大きい場合は、コンポーネントはブロック2408に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2403に続行する。ブロック2403にて、コンポーネントは、不整脈モデルのメッシュの点(例えば頂点またはガウス点)を通してインデックス指定を行うために、インデックスjを設定する。判定ブロック2404にて、インデックスjが点の数より大きい場合は、コンポーネントはブロック2407に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2405に続行する。ブロック2405にて、コンポーネントは、インデックス指定されたシミュレーションステップ及び点における第2の不整脈モデルの電位解(「VS2」)の値を、第1の不整脈モデルの電位解の対応する値に設定する。ブロック2406にて、コンポーネントは、インデックスjをインクリメントし、ブロック2404にループする。ブロック2407にて、コンポーネントは、インデックスiをインクリメントし、ブロック2402にループする。ブロック2408にて、コンポーネントは、生成された電位解VS2に基づいて第2の不整脈モデルのVCGを生成して、完了する。
【0055】
図25は、いくつかの実施形態における、第1の多面体に基づく不整脈モデルを、第2の多面体に基づく不整脈モデルに変換するプロセスを示すブロック図である。第1の多面体不整脈モデル2501の第1の多面体不整脈モデルが、表面抽出コンポーネント2502に入力される。表面抽出コンポーネントは、不整脈モデルのメッシュの表面を抽出する。第2の多面体配置コンポーネント2303は、表面を入力し、表面内の体積に第2の種類の多面体を配置する。モデルパラメータ補間コンポーネント2504は、第2の多面体メッシュ及び第1の多面体モデルを入力し、第2の多面体モデルのモデルパラメータを生成し、第2の多面体モデル2505を出力する。
【0056】
図26は、いくつかの実施形態における、MLGシステムの多面体モデル変換コンポーネントの処理を示すフロー図である。多面体モデル変換コンポーネント2600が呼び出され、六面体モデルを四面体モデルに変換する。ブロック2601にて、コンポーネントは、六面体モデルから表面を抽出する。ブロック2602にて、コンポーネントは、六面体モデルの表面に基づいて、四面体メッシュを生成する。ブロック2603にて、コンポーネントは、例えば同じ原点に対して頂点の位置を設定することで、四面体メッシュの頂点を、六面体モデルの六面体メッシュの空間にマッピングする。ブロック2604にて、コンポーネントは、四面体メッシュの次の頂点jを選択する。判定ブロック2605にて、全てのこのような頂点が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントは2606に続行する。ブロック2606にて、コンポーネントは、次のモデルパラメータkを選択する。判定ブロック2607にて、選択した頂点に関して、全てのモデルパラメータが既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック2604にループして、次の頂点を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2608に続行する。ブロック2608にて、コンポーネントは、選択したモデルパラメータを、六面体モデル内の隣接する頂点の選択したモデルパラメータの値の補間に基づいて、設定する。次に、コンポーネントは、ブロック2606にループして、次のモデルパラメータを選択する。
【0057】
患者マッチングシステム
患者発生源構成をEM源のモデル発生源構成にマッチングさせる患者マッチングに基づいて、体内のEM源の属性または分類を識別するための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、患者マッチング(「PM」)システムは、マッチングモデル発生源構成を使用して、患者の属性を識別するプロセスを高速化する、または分類器を使用して患者のより正確な分類を提供する。患者の属性(例えば不整脈発生源位置)を識別するために、PMシステムは、シミュレート(またはモデル化)EM出力を生成するのに使用された各モデル発生源構成と、そのモデル発生源構成に基づいて生成されたシミュレートEM出力から導出された導出EMデータとのマッピングを生成する。各導出(またはモデル化)EMデータはまた、モデル発生源構成を有するEM源に対応付けられた属性にもマッピングされる。例えば、EM源が心臓の場合、モデル発生源構成は、解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータなどの構成パラメータを含む。構成パラメータには、不整脈の発生源位置、ローターの種類、及び障害または状態の種類などが含まれ得る。不整脈発生源位置など、構成パラメータのうちの1つは、患者に関して識別する必要のある属性を表す属性パラメータとして指定され得る。PMシステムは、モデル発生源構成とモデル化VCGとのマッピングを生成し、モデル化VCGとそれらの対応する不整脈発生源位置とのマッピングを生成する。モデル化VCGと発生源位置とのマッピングは、MLMOシステムにより訓練データが生成される方法と同様の方法で、ラベルに対応する属性を用いて、生成され得る。いくつかの実施形態では、導出電磁データと発生源構成及び属性とのマッピングは、シミュレーションへ入力されシミュレーションにより生成されたデータではなく、実際の患者から収集されたデータに基づき得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、PMシステムは、マッピングを使用して、患者の患者発生源構成と患者の患者VCGとの組み合わせに基づいて、患者の属性を識別する。属性は、患者VCGを各モデル化VCGと比較して、最も類似するモデル化VCGを識別し、その最も類似するモデル化VCGの属性を、患者の患者属性として特定することにより、識別され得る。しかし、モデル化VCGの数は数百万個にもなり得るため、患者VCGをモデル化VCGと比較することは、計算コストが非常にかかり得る。PMシステムは、計算コストを削減するために、様々な技法を採用し得る。1つの技法では、PMシステムは、患者発生源構成を使用して、患者VCGが比較される必要のあるモデル化VCGの数を減らす。PMシステムにより、ユーザは、患者の患者発生源構成を提供することが可能となり得る。患者発生源構成の各構成パラメータの値を提供できる場合が好ましい。ただし、実際には、患者に関して、特定の構成パラメータのみの値が分かっている場合があり得る。このような場合、PMシステムは、全ての構成パラメータではなく、構成パラメータの分かっている値に基づいて、比較を行う。患者の解剖構造パラメータは、撮像スキャンに基づいて計算され得る。活動電位は、患者の心臓に挿入されたバスケットカテーテルの出力、または患者の抗不整脈薬もしくは遺伝子治療の履歴に基づいて計算され得、伝導率は、患者のECGの分析に基づいて計算され得る。構成パラメータには、活動電位及び/または伝導率が病的状態を表すか否かを示す電気生理学パラメータも含まれ得る。このような事例では、患者の活動電位または伝導率を入手できない場合、構成パラメータは、活動電位または伝導率が病的状態を表すか否かを示す。PMシステムは、様々な技法を使用して、最小二乗法に基づく類似度、及びコサイン類似度など、患者発生源構成とモデル発生源構成との類似性を評価し得る。PMシステムは、各モデル発生源構成に対する類似性スコアを生成し、マッチング閾値を超える類似性スコアを有するモデル発生源構成を、マッチングモデル発生源構成として識別し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、マッチングモデル発生源構成が特定された後、PMシステムは、患者VCGと、マッチングモデル発生源構成がマッピングされたモデル化VCGとを比較する。PMシステムは、モデル化VCGごとに類似性スコアを生成し(例えばピアソン相関技法を使用して)、類似性スコアが閾値類似性を超えるモデル化VCGを、マッチングモデル化VCGとして識別し得る。次に、PMシステムは、マッチングモデル化VCGの属性に基づいて、患者の属性(複数可)を識別する。例えば、属性が不整脈の発生源位置である場合、PMシステムは、マッチングモデル化VCGの類似性スコアに基づいて重み付けされた発生源位置の平均を生成し得る。このようにして、PMシステムは、患者VCGを、全てのモデル化VCGと比較する計算コストの発生を防ぐ。
【0060】
いくつかの実施形態では、PMシステムは、患者VCGを全てのモデル化VCGと比較する計算コストを削減するために、他の技法を採用し得る。例えば、PMシステムは、面積、及び最大寸法などのVCGの特徴を識別し得る。次に、PMシステムは、特徴の値を、これらの値を有するモデル化VCGにマッピングするインデックスを生成し得る。患者VCGにマッチングするモデル化VCGを識別するために、PMシステムは、患者VCGの特徴を識別し、インデックスを使用してマッチングモデル化VCGを識別する。例えば、PMシステムは、特徴ごとに、患者VCGの特徴にマッチングするモデル化VCGの集合を識別し得る。次に、PMシステムは、各集合に共通する(例えば集合の共通部分)または集合に最も共通するモデル化VCGを、マッチングモデル化VCGとして識別し得る。次に、PMシステムは、属性識別に関して前述されたように、これらのマッチングモデル化VCGを患者VCGと比較し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、PMシステムは、訓練された分類器に基づくVCGの分類を向上させために、患者マッチングを使用し得る。PMシステムは、様々なクラスタリング技法を使用して、類似するモデル発生源構成のクラスタを生成し得る。クラスタリング技法には、重心ベースクラスタリング技法(例えばk-meansクラスタリング)、及び教師あり学習クラスタリング技法もしくは教師なし学習クラスタリング技法(例えばニューラルネットワークを使用)などが含まれ得る。重心ベースクラスタリング技法では、PMシステムは、最も類似するモデル発生源構成の現行クラスタに、各モデル発生源構成を連続的に追加することにより、クラスタを生成する。PMシステムは、例えば、各クラスタ内のモデル発生源構成の数、及びあるクラスタと別のクラスタとのモデル発生源構成の類似性などに基づいて、クラスタを動的に結合及び分割し得る。クラスタが識別された後、PMシステムは、MLMOシステムのコンポーネントを使用して、各クラスタの分類器を生成し得る。PMシステムは、クラスタの分類器の訓練を行い、これは、分類器の訓練データとして、そのクラスタのモデル発生源構成のモデル化VCGに基づいて行われる。
【0062】
いくつかの実施形態では、患者の分類を生成するために、PMシステムは、患者発生源構成に最もマッチングするモデル発生源構成を有するクラスタを識別する。例えば、PMシステムは、各クラスタの類似性スコアを、そのクラスタの代表的モデル発生源構成(例えばクラスタの平均値を有する)と、患者発生源構成との類似性に基づいて、生成し得る。次に、PMシステムは、類似性スコアが最も高いクラスタの分類器を選択し、その分類器を患者VCGに適用して、患者の分類を生成する。各分類器は、類似するモデル発生源構成のクラスタに基づいて訓練されているため、各分類器は、これらの類似するモデル発生源構成において、わずかであり得る違いのみに基づいて、分類を生成するように適合されている。対照的に、全てのモデル発生源構成に基づいて訓練された分類器は、類似するモデル発生源構成間のわずかな違いを考慮することが不可能であり得る。よって、類似するモデル発生源構成のクラスタに基づいて訓練された分類器は、全てのモデル発生源構成に基づいて訓練された分類器よりも、正確な分類を提供し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、PMシステムは、心臓の標準的な配向を想定して、モデル発生源構成のモデル化EM出力を生成し得る。しかし、患者の心臓の配向が多少異なる場合は、マッチングモデル化VCGは、配向が異なることから、患者に適用する属性または分類を有さない場合がある。このような場合、PMシステムは、患者VCGをモデル化VCGと比較する前にVCG回転を実行し得る。PMシステムは、各モデル化VCGまたは患者VCGのいずれかを回転させ得る。PMシステムは、配向の違いに基づいて、回転行列を生成し得る。次に、PMシステムは、VCGの各点(例えばx値、y値、及びz値)と回転行列(例えば3x3行列)とで行列乗算を実行して、回転VCGの回転点を生成する。MLMOシステムはまた、配向の違いに基づいて、VCGを回転し得る。
【0064】
図27~30は、いくつかの実施形態における、PMシステムのコンポーネントの処理を示すフロー図である。図27は、いくつかの実施形態における、PMシステムの属性識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。属性識別コンポーネント2700は、患者発生源構成及び患者心拍動曲線(例えばVCG)に基づいて、患者の患者属性を識別する。ブロック2701にて、コンポーネントは、MLMOシステムのシミュレートVCG生成コンポーネントを呼び出して、モデル化VCGを生成し、次にそれらを、それらの生成元であるモデル発生源構成にマッピングする。ブロック2702にて、コンポーネントは、患者発生源構成及び患者VCGを取得する。ブロック2703にて、コンポーネントは、マッチングVCG識別コンポーネントを呼び出して、患者発生源構成及び患者VCGの指示を渡して、マッチングVCGに基づいて患者属性を識別する。ブロック2704にて、コンポーネントは、患者の治療法を知らせるために患者属性を提示し、その後完了する。
【0065】
図28は、いくつかの実施形態における、PMシステムのマッチングVCG識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。マッチングVCG識別コンポーネント2800は、患者発生源構成及び患者VCGを渡され、患者属性を識別する。ブロック2801にて、コンポーネントは、モデル発生源構成とモデル化VCGとの次のマッピングを選択する。判定ブロック2802にて、全てのマッピングが既に選択済みである場合は、コンポーネントは患者属性を示して完了し、そうでない場合は、コンポーネントは、ブロック2803に続行する。判定ブロック2803にて、選択したモデル発生源構成が患者発生源構成とマッチングする場合は、コンポーネントはブロック2804に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2801にループして、次のマッピングを選択する。判定ブロック2804にて、選択したマッピングのモデル化VCGが患者VCGとマッチングする場合は、コンポーネントはブロック2805に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2801にループして、次のマッピングを選択する。ブロック2805にて、コンポーネントは、選択したモデル化VCGの属性を、患者属性に追加し、次にブロック2801にループして、次のマッピングを選択する。いくつかの実施形態では、PMシステムは、EEG、並びに、体表面ベスト、バスケットカテーテル、及び患者着用キャップなどにより収集されるものに対応する測定値など、他の種類のマッチング測定値を識別するコンポーネントを含み得る。
【0066】
図29は、いくつかの実施形態における、PMシステムのクラスタリングベース分類識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。クラスタリングベース分類識別コンポーネント2900は、類似するモデル発生源構成のクラスタを使用して訓練された分類器に基づいて、患者の分類を識別する。ブロック2901にて、コンポーネントは、クラスタ分類器生成コンポーネントを呼び出し、類似するモデル発生源構成のクラスタの分類器を生成する。ブロック2902にて、コンポーネントは、患者発生源構成及び患者VCGを受信する。ブロック2903~2908にて、コンポーネントは、クラスタの選択をループして、患者発生源構成に最も類似するモデル発生源構成を有するクラスタを識別する。ブロック2903にて、コンポーネントは、変数を初期化して、これまでに計算された最大類似性を追跡する。ブロック2904にて、コンポーネントは、次のクラスタを選択する。判定ブロック2905にて、全てのクラスタが既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック2909に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2906に続行する。ブロック2906にて、コンポーネントは、類似性計算コンポーネントを呼び出して、選択したクラスタのモデル発生源構成と患者発生源構成との類似性を計算する。判定ブロック2907にて、類似性がこれまで計算された最大類似性より大きい場合は、コンポーネントはブロック2908に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック2904にループして、次のクラスタを選択する。ブロック2908にて、コンポーネントは、最大類似性を、選択したクラスタに関して計算された類似性に設定し、変数を、これまで計算された最大類似性を有するクラスタのインデックスを示すように設定する。次に、コンポーネントは、ブロック2904にループして、次のクラスタを選択する。ブロック2909にて、コンポーネントは、クラスタベース分類コンポーネントを呼び出して、最大類似性を有するクラスタに基づいて、患者VCGの分類を識別する。クラスタベース分類コンポーネントは、使用する分類器を入力するように適合されたMLMOシステムの分類コンポーネントに対応し得る。次に、コンポーネントは、分類を示して完了する。
【0067】
図30は、いくつかの実施形態における、PMシステムのクラスタ分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。クラスタ分類器生成コンポーネント3000が呼び出され、モデル発生源構成をクラスタ化し、各クラスタに基づいて分類器を生成する。ブロック3001にて、コンポーネントは、モデル発生源構成のクラスタを生成する。ブロック3002にて、コンポーネントは、次のクラスタを選択する。判定ブロック3003にて、全てのクラスタが既に選択済みである場合は、コンポーネントは分類器を示して完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック3004に続行する。ブロック3004にて、コンポーネントは、MLMOシステムの分類器生成コンポーネントを呼び出し、選択したクラスタのモデル発生源構成の指示を渡して、そのクラスタの分類器を生成する。次に、コンポーネントは、ブロック3002にループして、次のクラスタを選択する。
【0068】
臨床データに基づく機械学習
実際の患者データに基づいて分類器を生成するようにMLMOシステムを適合させるための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、(1)モデル分類器の重みの移転を使用して、実際の患者に対応付けられた患者訓練データに基づいて患者分類器を生成し、(2)患者との類似性に基づいて選択されたモデル訓練データに基づいて患者特有モデル分類器を生成する、臨床データベース機械学習(「MLCD」)システムが提供される。患者分類器は、MLCDシステムの患者分類器システムにより生成され、患者特有モデル分類器は、患者特有モデル分類器システムにより生成される。用語「患者分類器」は、患者のデータに基づいて生成された患者訓練データに基づいて生成された分類器を指し、用語「モデル分類器」は、EM源の計算モデルに基づいて生成されたモデル訓練データに基づいて生成された分類器を指す。
【0069】
患者分類器システム
いくつかの実施形態では、患者分類器(「PC」)システムは、体内のEM源のEM出力から導出された導出EMデータを分類するための患者分類器を生成する。例えば、患者分類器は、ECGから導出されたVCGを分類する。PCシステムは、MLMOシステムを使用して生成されたモデル分類器など、モデル分類器にアクセスする。モデル分類器は、EM源の計算モデルを使用して生成されたモデル訓練データを使用して生成される。モデル分類器は、CNNの活性化関数の重みなど、モデル分類器が訓練される時に学習されるモデル分類器の重みを含む。PCシステムはまた、患者訓練データにもアクセスし、患者訓練データは、患者導出EMデータ(例えばVCG)と、ローター位置及び前のアブレーション処置結果など、その患者の患者分類とを、患者ごとに含む。前のアブレーション処置結果の例として、患者が、特定の位置を特定の焼灼パターンでアブレーションされた後、特定の期間不整脈がなかったことが挙げられ得る。患者分類器を訓練するために、PCシステムは、モデル分類器のモデル分類器重みに基づいて、患者分類器の患者分類器重みを初期化し、次に、患者訓練データ及び初期化された患者分類器重みで、患者分類器を訓練する。通常、分類器の重みは、全てが特定の値(例えば0.0、0.5、または1.0)またはランダムな値になど、デフォルト値に初期化される。従って、分類器の重みの学習は、「スクラッチ」から行われるとみなされる。前に学習された重みに基づいて重みの値を初期化するプロセスは、知識の「移転」と称される。前の分類器の前の訓練により得られた知識は、新たな分類器の訓練に導入される。移転の目標は、新たな分類器の訓練の高速化、及び新たな分類器の精度の向上の両方である。
【0070】
いくつかの実施形態では、PCシステムは、患者分類器を使用して、患者を分類する。例えば、EM源が心臓である場合、PCシステムは、患者の心拍動曲線(例えばECGまたはVCG)を受信し、その心拍動曲線に患者分類器を適用し得る。患者分類器を訓練するために選択された患者に応じて、患者分類器は、計算モデルを使用して生成されたモデル訓練データで訓練されたモデル分類器よりも、正確な分類器であり得る。さらに、患者が、患者分類器を訓練するために使用された患者に類似する場合は、分類器の精度はさらに高くなり得る。PCシステムはまた、類似する患者のクラスタを識別し、クラスタ患者分類器と称されるクラスタごとに別個の患者分類器を訓練し得る。患者の類似性は、患者から収集される導出EMデータ(例えば心拍動曲線)、患者の患者発生源構成(例えば解剖構造パラメータ、電気力学特性)、及び患者人口統計学情報などのうちの1つ以上といった様々な特性の比較に基づくなど、様々な方法で特定され得る。各クラスタのクラスタ患者分類器は、そのクラスタ内の患者のVCG及び対応するラベルに基づいて訓練され得る。対象患者を分類する場合、PCシステムは、対象患者が最も類似する患者のクラスタを識別する。次に、PCシステムは、識別されたクラスタのクラスタ患者分類器を、対象患者のVCGに適用する。
【0071】
患者特有モデル分類器システム
いくつかの実施形態では、患者特有モデル分類器(「PSMC」)システムは、体内のEM源の導出EMデータを分類するための患者特有モデル分類器を生成する。PSMCシステムは、患者に類似するモデルを識別する。PSMCシステムは、患者-モデル類似性に基づいて、類似モデルを識別する。患者-モデル類似性は、モデルのモデル発生源構成と患者の患者発生源構成との類似性、及び/またはモデルのモデル化導出EMデータ(例えばVCG)と患者の対応する患者導出EMデータとの類似性に基づき得る。例えば、PSMCシステムは、解剖構造パラメータ(例えば右心室の寸法)、及び特定の電気生理学パラメータなどの類似性に基づいて、作動し得る。次に、PSMCシステムは、MLMOシステムを用いて、類似するモデルのモデル発生源構成を使用して患者特有モデル分類器を生成し得る。PSMCシステムは、最初にEM源の計算モデルを適用して、類似するモデルのモデル発生源構成に基づいてEM源のモデル化EM出力を生成することにより、患者特有モデル分類器を生成し得る。次に、PSMCシステムは、生成されたモデル化EM出力及びモデルのラベルから、モデル化導出EMデータ(例えばVCG)を含むモデル訓練データを生成する。あるいは、類似するモデルに関してモデル訓練データが既に生成されている場合は、PSMCシステムは、モデル訓練データを再生成する必要はない。次に、PSMCシステムは、モデル訓練データに基づいて、患者特有モデル分類器を訓練する。
【0072】
いくつかの実施形態では、患者特有モデル分類器が生成された後、PSMCシステムは、患者特有モデル分類器を、患者の導出EMデータ(例えばVCG)に適用して、患者の分類を生成する。患者特有モデル分類器は、患者に基づいて選択されたモデル訓練データを使用して訓練されるため、患者特有モデル分類器は、患者に特有ではないモデル訓練データの集合に基づいて訓練されたモデル分類器により提供される分類よりも、正確な分類を提供する。
【0073】
いくつかの実施形態では、PSMCシステムは、対象患者のクラスタ用のクラスタ特有モデル分類器を生成し得る。クラスタ特有モデル分類器を生成するために、PSMCシステムは、クラスタの対象患者に全体的に類似するモデルを識別し、次に、類似するモデルに基づいてクラスタ特有モデル分類器を訓練する。その後、PSMCシステムは、クラスタ特有モデル分類器を適用して、クラスタの対象患者の分類を生成し得る。PSMCシステムはまた、対象患者のクラスタを生成し、各クラスタのクラスタ特有モデル分類器を生成し得る。次に、PSMCシステムは、対象患者がメンバーであるクラスタのクラスタ特有モデル分類器を使用して、各対象患者の分類を生成し得る。PSMCシステムは、さらにクラスタ特有モデル分類器を使用して、新たな対象患者の分類を生成し得る。PSMCシステムは、新たな対象患者が最も類似するクラスタを識別し、その識別されたクラスタのクラスタ特有モデル分類器を、新たな対象患者の患者導出EMデータに適用して、新たな対象患者の分類を生成する。
【0074】
図31は、いくつかの実施形態における、MLCDシステムの患者分類器システムの全体的な処理を示すブロック図である。分類器コンポーネント3110(すなわちコンポーネント3111~3119)は、図1の分類器コンポーネント110に類似する。用語「モデル」は、シミュレート発生源構成またはパラメータ集合により表されるモデルに基づいて分類器を生成するためにコンポーネントが使用されることを強調するために、様々なコンポーネントに挿入される。コンポーネント3120は、患者データストア3121と、患者訓練データ生成コンポーネント3122と、患者訓練データストア3123と、患者分類器訓練コンポーネント3124と、患者分類器重みストア3125とを含む。患者データストアは、患者から収集されたECG、及び心臓障害の位置などの対応するラベルを含み得る。患者訓練データ生成コンポーネントは、例えばECGからVCGを生成し、VCGにラベル付けを行い、訓練データを患者訓練データストアに格納することにより、患者データから患者訓練データを生成する。患者分類器訓練コンポーネントは、モデル分類器からの知識の移転として、モデル分類器重みストア3119からモデル分類器重みを入力し、患者訓練データに基づいて患者分類器を訓練する。次に、患者分類器訓練コンポーネントは、患者分類器重みを、患者分類器重みストアに格納する。
【0075】
図32は、いくつかの実施形態における、患者分類器システムの患者分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。患者分類器生成コンポーネント3200は、モデル分類器からの知識の移転を使用して、患者の集合のための患者分類器を生成する。ブロック3201にて、コンポーネントは、モデル分類器がまだ生成されていない場合、分類器生成コンポーネントを呼び出し、モデル訓練データに基づいてモデル分類器を生成する。分類器生成コンポーネントは、モデル分類器のモデル分類器重みを生成する。ブロック3202にて、コンポーネントは、モデル分類器のモデル分類器重みを抽出する。ブロック3203にて、コンポーネントは、例えばVCGを生成し、VCGにラベル付けを行うことにより、患者訓練データを生成する。ブロック3204にて、コンポーネントは、患者分類器の患者分類器重みを、モデル分類器重みに初期化する。ブロック3205にて、コンポーネントは、分類器訓練コンポーネントを呼び出して、患者訓練データ及び初期化された患者分類器重みに基づいて、患者分類器を訓練する。その後、コンポーネントは完了する。
【0076】
図33は、いくつかの実施形態における、患者分類器システムのクラスタ患者分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。クラスタ患者分類器生成コンポーネント3300は、患者のクラスタのためのクラスタ患者分類器を生成する。ブロック3301にて、コンポーネントは、例えば患者の臨床的特徴、発生源構成、またはVCGの類似性に基づいて、患者のクラスタを生成する。ブロック3302にて、コンポーネントは、次のクラスタを選択する。判定ブロック3303にて、全てのクラスタが既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック3304に続行する。ブロック3304にて、コンポーネントは、患者分類器生成コンポーネントを呼び出し、選択したクラスタの指示を渡し、選択したクラスタ内の患者のためのクラスタ患者分類器を生成し、次にブロック3302にループして、次のクラスタを選択する。患者分類器生成コンポーネントが呼び出される場合、患者分類器生成コンポーネントは、呼び出しごとに同じモデル分類器重みを再利用することができるため、呼び出しごとにモデル分類器を生成する必要はない。
【0077】
図34は、いくつかの実施形態における、MLCDシステムの患者特有モデル分類器システムのコンポーネントを示すブロック図である。PSMCシステムは、図1のコンポーネント110に類似するコンポーネント3410(コンポーネント3411~3419)を含む。PSMCシステムはまた、類似心臓構成識別コンポーネント3430と、類似VCG識別コンポーネント3440とを含み、これらは、PSMCシステムの2つの異なる実施形態を表す。第1の実施形態では、類似心臓構成識別コンポーネントが、患者心臓構成及びモデル心臓構成を入力し、患者心臓構成に類似するモデル心臓構成を識別する。次に、類似するモデル心臓構成は、シミュレーション生成コンポーネントに入力され、電位解が生成され、最終的に患者特有モデル分類器が訓練される。第2の実施形態では、類似VCG識別コンポーネントが、患者VCG及び訓練データを入力し、患者VCGに類似する訓練データのVCGを識別する。類似するVCGの訓練データは、PSMC分類器訓練コンポーネント3418に入力され、患者特有モデル分類器が訓練される。図示されていないが、PSMC分類器訓練コンポーネントは、移転を使用して、PSMC分類器重みを初期化し得る。また、第1の実施形態及び第2の実施形態は、両方とも、類似する心臓構成に基づいて訓練データを生成し、次いで訓練用の類似するVCGを選択するために、使用され得る。
【0078】
図35は、いくつかの実施形態における、PSMCシステムの患者特有モデル分類器生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。患者特有モデル分類器生成コンポーネント3500は、対象患者の患者特有モデル分類器を生成する。ブロック3501にて、コンポーネントは、類似モデル識別コンポーネントを呼び出して、対象患者の指示を渡し、類似モデルを識別する。ブロック3502にて、コンポーネントは、識別した類似モデルに基づいて、モデル訓練データを生成する。コンポーネントは、MLMOシステムを使用して、識別した類似モデルのモデル心臓構成に基づいて、訓練データを生成し得る、または既に生成されている場合は、類似するVCGに基づいて訓練データを取得し得る。ブロック3503にて、コンポーネントは、分類器訓練コンポーネントを呼び出し、類似するモデルのモデル訓練データに基づいて、患者特有モデル分類器を訓練し、その後完了する。
【0079】
図36は、いくつかの実施形態における、PSMCシステムの類似モデル識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。類似モデル識別コンポーネント3600は、患者に類似するモデルを識別する。ブロック3601にて、コンポーネントは次のモデルを選択する。判定ブロック3602にて、全てのモデルが既に選択済みである場合は、コンポーネントは類似モデルを示して完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック3603に続行する。ブロック3603にて、コンポーネントは、選択したモデルと患者との類似性スコアを生成する。患者-モデル類似性スコアは、心臓構成、心拍動曲線、またはその両方に基づき得る。判定ブロック3604にて、類似性スコアが類似性閾値を上回る場合は、コンポーネントはブロック3605に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック3601にループし、次のモデルを選択する。ブロック3605にて、コンポーネントは、モデルを、患者に類似するものとして指定し、ブロック3601にループして、次のモデルを選択する。
【0080】
患者特有モデル表示
患者に類似するモデルのモデル化EM出力に基づく患者のEM源の表現の生成及び表示を支援するように、MLMOシステムを適合させるための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、患者特有モデル表示(「PSMD」)システムは、患者のEM源に類似すると見なされるEM源のモデルを識別する。次に、PSMDシステムは、梗塞及び薬歴などの患者の臨床パラメータに基づいて、患者のEM源のグラフィック表現を生成する。例えば、EM源が心臓である場合、PSMDシステムは、患者の心臓の解剖構造モデルを表すマップを生成し得る。次に、PSMDシステムは、類似するモデルのモデル化EM出力から導出された表示値を、マップに投入する。例えば、PSMDシステムは、そのモデル化EM出力のEMメッシュを選択し、マップの各頂点の値を、そのEMメッシュの対応する電位に基づいて、それぞれ設定し得る。PSMDシステムはまた、シミュレーションで使用された多面体メッシュからのモデル化EM出力を、別の多面体メッシュにマッピングして、六面体メッシュから表面三角形メッシュなど、よりリアルな概観のディスプレイを生成し得る。PSMDシステムは、高電位に対応する値を、赤色の様々な強度(またはグレースケールの濃淡)に設定し、低電位に対応する値を、緑色の様々な強度に設定し得る。別の例として、PSMDシステムは、モデルEM出力の周期を選択し、周期内の第1のEMメッシュの電位と周期内の最後のEMメッシュの電位との差またはデルタに基づいて、値を設定し得る。PSMDシステムはまた、周期内の連続するEMメッシュにわたるデルタの累積に基づいて、値を設定し得、この際、累積は重み付けされ得る。次に、PSMDシステムは、患者のEM源の活動の表現として、マップを表示する(例えばラスタライズ技法を使用して)。PSMDシステムはまた、患者の解剖構造パラメータに基づいて、心臓の輪郭が描かれた画像を表示し得る。輪郭画像は、心腔の境界を示し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、PSMDシステムは、モデル発生源構成及びモデル化導出EMデータと、患者発生源構成及び患者導出EMデータとを比較することにより、患者に類似するモデルを識別し得る。比較は、図28に示されるマッチングVCG識別コンポーネントの処理により表される処理に基づき得る。しかし、このコンポーネントは、PSMDシステムが患者に最も類似するVCG、従ってモデルを選択できるように、各マッチングVCGの類似性スコアを生成するように、適合され得る。あるいは、PSMDシステムは、全てのマッチングモデルのEMメッシュの値の重み付けされた組み合わせ(例えば平均)に基づいて、マップのピクセルの値を生成し得る。PSMDシステムはまた、マッチングモデルの類似性スコアに基づいて、値に重み付けを行い得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、PSMDシステムは、経時的な患者のEM源の活性化の映像表現として表示するために、マップのシーケンスを生成し得る。例えば、PSMDシステムは、周期を30個の表示間隔に分割し、その表示間隔に対応するEMメッシュの値に基づいて、各表示間隔のマップを生成し得る。次に、PSMDシステムは、30個のマップを、実際の周期時間に基づいて映像を提供するために周期の時間にわたり順番に表示し得る、またはスローモーション効果を提供するために周期より長い時間にわたり順番に表示し得る。PSMDシステムはまた、シミュレーション時間の1秒あたりに、表示用の最大フレームレートよりも多くのマップを生成することにより、スローモーション効果を達成し得る。例えば、最大フレームレートが1秒あたり60フレームである場合は、シミュレーションの1秒あたり120マップを生成することで、シミュレーション時間の1秒が、2秒にわたり表示されることとなる。シミュレーション時間ごとの電位解からマップを生成することにより、最も遅く最も滑らかなスローモーション効果が得られ得る。
【0083】
図37は、いくつかの実施形態における、患者特有モデル表示システムの全体的な処理を示すブロック図である。コンポーネント3710(すなわちコンポーネント3711~3715)は、図1のコンポーネント111~115に類似する。コンポーネント3720は、ECG収集コンポーネント3721と、VCG生成コンポーネント3722と、類似VCG識別コンポーネント3723と、表示表現生成コンポーネント3724と、表示デバイス3725とを含む。ECG収集コンポーネントは、PSMDシステムの出力により心臓が表される患者のECGを受信する。VCG生成コンポーネントは、患者のECGを受信し、患者のVCGを生成する。類似VCG識別コンポーネントは、患者VCGをVCGストアのモデル化VCGと比較して、患者VCGに類似するモデル化VCGを識別する。類似VCGは、VCGの周期の比較に基づいて識別され得る。従って、類似VCG識別コンポーネントは、周期識別コンポーネントを呼び出して、各VCGの周期を識別し得る。表示表現生成コンポーネントは、類似するモデル化VCGを入力し、類似するモデル化VCGが導出された電位解に基づいて、患者の心臓の表示表現を生成する。次に、表示表現生成コンポーネントは、表示表現を、表示デバイスに出力する。
【0084】
図38は、いくつかの実施形態における、PSMDシステムの患者心臓表示生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。患者心臓表示生成コンポーネント3800は、患者VCG及び患者心臓構成を提供され、患者の心臓の出力表現を生成する。ブロック3801にて、コンポーネントは、患者マッチングシステムのマッチングVCG識別コンポーネントを呼び出して、患者VCG及び患者心臓構成の指示を渡し、1つ以上のマッチングVCGを識別する。ブロック3802にて、コンポーネントは、最も近いVCGマッチングを識別する。ブロック3803にて、コンポーネントは、最も近いマッチングVCG内の周期を識別する。ブロック3804にて、コンポーネントは、表示値計算コンポーネントを呼び出して、識別した周期の指示を渡し、マップの表示値を生成する。ブロック3805にて、コンポーネントは、マップに表示値を格納することにより、表示表現を生成する。ブロック3806にて、コンポーネントは、その患者の解剖構造パラメータに基づいて、マップ内の値を表示して、患者の心臓の輪郭を表す。ブロック3807にて、コンポーネントは、マップを出力し、完了する。
【0085】
図39は、いくつかの実施形態における、PSMDシステムの表示値計算コンポーネントの処理を示すフロー図である。表示値計算コンポーネント3900は、周期の指示を渡され、その周期のEMメッシュに基づいて、表示値を生成する。ブロック3901にて、コンポーネントは、周期の最初の電位解を選択する。ブロック3902にて、コンポーネントは、最後の電位解など、周期の別の電位解を選択する。ブロック3903にて、コンポーネントは、電位解の次の値を選択する。判定ブロック3904にて、全ての値が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック3906に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック3905に続行する。ブロック3905にて、コンポーネントは、選択した値のデルタ値を、周期の最初の電位解の値と最後の電位解の値との差に設定する。あるいは、デルタ値は、周期全体の差の重み累積であり得る。次に、コンポーネントは、ブロック3903にループして、電位解の次の値を選択する。ブロック3906にて、コンポーネントは、マップの次の表示値を選択する。判定ブロック3907にて、全ての表示値が既に選択済みである場合は、コンポーネントは表示値を示して完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック3908に続行する。ブロック3908にて、コンポーネントは、表示値に近い隣接するデルタ値を識別する。ブロック3909にて、コンポーネントは、表示値を、隣接するデルタ値の関数に設定し、次に、ブロック3906にループして、次の表示値を選択する。関数は、隣接するデルタ値の平均、及び電位解の位置と表示値が表す患者の心臓の位置との距離に基づく加重平均などを取り得る。
【0086】
電磁力の表示
体内の電磁源により生成される電磁力の視覚的表現を生成するための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、電磁力表示(「EFD」)システムは、経時的な電磁力の大きさ及び方向を表すベクトルのシーケンスから、電磁力の「表面表現」を生成する。例えば、電磁力が心臓である場合、ベクトルのシーケンスは、ベクトル心電図であり得る。ベクトルは、電磁源内に配置され得る原点に相関する。表面表現を生成するために、EFDシステムは、時間的に隣接するベクトルのペアに関して、原点及びベクトルのペアに基づいて、領域を識別する。例えば、ベクトルのx座標、y座標、及びz座標の値が(1.0、2.0、2.0)であり、隣接ベクトルの値が(1.1、2.0、2.0)である場合、領域は、(0.0、0.0、0.0)、(1.0、2.0、2.0)、及び(1.1、2.0、2.0)の頂点を有する三角形で囲まれた領域となる。次に、EFDシステムは、各領域の表現を表示して、電磁力の表面表現を形成する。領域が1つの平面に存在する可能性は低いため、EFDシステムは、陰影付けまたは色付けを提供して、領域が異なる平面に存在することを示すのを支援し得る。EFDシステムはまた、表面表現が視覚的に電磁源から発しているように、電磁源の表現を表示し得る。例えば、EFDシステムは、VCGが収集された患者の解剖構造パラメータに基づく心臓を表示し得る。電磁力に周期がある場合、周期の領域は、その周期の表面表現を形成する。EFDシステムは、複数の周期の表面表現を、同時に表示し得る。例えば、電磁源が心臓である場合、周期は、不整脈に基づき得る。EFDシステムはまた、各周期の表面表現を順番に表示し(例えば表示上同じ位置を中心にして)、経時的な電磁力の変化を示し得る。EFDシステムは、表面表現の各領域を順番に表示して、ベクトルに対応付けられた時間を示し得る。EFDシステムは、シミュレートVCGまたは患者から収集されたVCGを表示するために使用され得る。
【0087】
図40は、ベクトル心電図の様々な表面表現を示す。画像4010は、斜視図に基づくベクトル心電図の表面表現の表示を示す。画像4020は、心臓から発しているように示されたベクトル心電図の表面表現の表示を示す。画像4031~4034は、経時的な表面表現の表示を示して、電磁力の変化を示す。
【0088】
いくつかの実施形態では、EFDシステムは、様々な動画技法を採用して、ユーザがVCGを分析することを支援し得る。例えば、EFDシステムは、VCGの実際のタイミングと同じタイミングで各領域を順番に表示することにより、表面表現の表示を動画化し得る。周期が1000ミリ秒である場合は、EFDシステムは、1000ミリ秒を超えて領域を順番に表示する。複数の周期の表面表現を順番に表示し、次に表示する領域が前に表示した領域と重複する場合は、EFDシステムは、まず重複する領域を取り除き、それから次の領域を表示し得る。EFDシステムはまた、ユーザが、周期の表面表現の一部のみが表示されるように指定することを可能にし得る。例えば、ユーザは、表面表現の250ミリ秒に対応する部分を表示するように、指定し得る。このような場合、EFDシステムは、ヘッド領域を追加する時にテール領域を削除することにより、部分の表示を動画化し得る。EFDシステムはまた、ユーザが、表面表現の表示を加速または減速することを可能にし得る。
【0089】
図41は、いくつかの実施形態における、EFDシステムのVCG視覚化コンポーネントの処理を示すフロー図である。VCG視覚化コンポーネント4100は、VCGを渡され、VCGの各部分(例えば周期)の表面表現を生成する。ブロック4101にて、コンポーネントは、心臓の表現を表示する。ブロック4102にて、コンポーネントは、VCGの次の周期を選択する。判定ブロック4103にて、全ての周期が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4104に続行する。ブロック4104にて、コンポーネントは、VCG表面表現表示コンポーネントを呼び出して、選択した周期の表面表現を表示し、次にブロック4102にループして、次の周期を選択する。
【0090】
図42は、いくつかの実施形態における、EFDシステムのVCG表面表現表示コンポーネントの処理を示すフロー図である。VCG表面表現表示コンポーネント4200は、ベクトル心電図を渡され、VCGの表面表示表現を生成する。ブロック4201にて、コンポーネントは、VCGの時間間隔を通してインデックス指定を行うために、インデックスtを2に設定する。判定ブロック4202にて、インデックスtが時間間隔の数より大きい場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4203に続行する。ブロック4203にて、コンポーネントは、原点、インデックス指定された間隔t、及び前の間隔t-1に基づいて、VCG三角形を生成する。ブロック4204にて、コンポーネントは、VCG三角形を、三角形の平面に基づいて変化し得る陰影で塗りつぶす。ブロック4205にて、コンポーネントは、塗りつぶしたVCG三角形を表示する。ブロック4206にて、コンポーネントは、インデックスtをインクリメントする。判定ブロック4207にて、インデックスtが表示スパンtspan+1より大きい場合は、コンポーネントはブロック4208に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4202にループする。ブロック4208にて、コンポーネントは、現在表示されているスパンの先頭にあるVCG三角形を表示から削除し、ブロック4202にループする。
【0091】
シミュレーションの較正
患者心拍動曲線との配向類似性及び/または電気生理学類似性などの形態学的類似性に基づいて、モデル心拍動曲線とも称されるシミュレート心拍動曲線の較正された集合を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法及びシステムが提供される。形態学的類似性は、患者のECGデータ及び/またはVCGデータを表す「生トレース」データ(例えば電位対時間)の分析に基づいて、特定され得る。較正集合はさらに、シミュレート心拍動曲線を生成するのに使用された追加の構成パラメータと、患者の構成パラメータとの類似性に基づいて、生成され得る。いくつかの実施形態では、シミュレート心拍動曲線較正(「CSC」)システムが、較正集合を生成する。CSCシステムは、患者心拍動曲線への類似性に基づいて較正集合を生成することから、較正集合は、シミュレート心拍動曲線の患者特有集合を表す。較正集合のシミュレート心拍動曲線を使用して、そのシミュレート心拍動曲線を生成するのに使用された構成パラメータでラベル付けされた各シミュレート心拍動曲線で、患者特有モデル分類器は訓練され得る。シミュレート心拍動曲線は、ローターの発生源位置など、患者から収集されない構成パラメータでラベル付けされ得る。次に、患者特有モデル分類器を使用して、患者のその構成パラメータが特定され得る。CSCシステムは、PSMCシステムと同様に、患者特有モデル分類器を生成するが、形態学的類似性などの様々な類似性測定値を使用する。
【0092】
いくつかの実施形態では、CSCシステムは、シミュレート心拍動曲線と、各シミュレート心拍動曲線を生成する際に使用されたシミュレート構成パラメータとを入力する。シミュレート心拍動曲線は、図1のシミュレーション生成コンポーネント112及びVCG生成コンポーネントにより示されるように、MLMOシステムにより生成され得る。CSCシステムはまた、患者心拍動曲線と患者構成パラメータとを入力する。CSCシステムは、患者心拍動曲線を収集する時に使用された患者ペーシング(複数可)に類似するシミュレートペーシングを有するペーシング類似シミュレート心拍動曲線を識別する。患者心拍動曲線を収集するために、電気生理学者(または他の医療提供者)は、冠状静脈洞の近くなどの様々な位置で、患者の心臓内にカテーテルを配置し得る。各位置で、患者の心臓は、例えば1Hzで10拍動、続いて一定の遅延後に期外刺激拍動で、ペーシングされる。次に、1Hzでの同じペーシングプロセスが、異なる遅延の期外刺激拍動で、複数回繰り返される。次に、同じペーシングプロセスが、異なるペーシングレート(例えば2Hz及び4Hz)で繰り返される。結果、異なる位置、ペーシングレート、及び期外刺激遅延に基づいて収集された患者心電図の集合が得られる。正常な洞調律拍動の心電図も収集され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、ペーシング位置は、ペーシングまたは臨床処置の標的である標的心腔内に、離れた部位であり得る少なくとも2つの部位を含む。例えば、標的心腔が心室である場合、ペーシング位置は、後方右心室に1つのペーシング位置と、側方左心室に1つのペーシング位置とを含み得る。このようなペーシング位置は、よくアクセスされ、カテーテルで簡単にアクセスされる。しかし、他のペーシング位置も使用され得る。例えば、唯一の標的心腔が左心室である場合、ペーシング位置は、心基部近く(心臓弁のレベル)の側方左心室壁に1つのペーシング位置と、心尖部近くの左心室中隔壁に1つのペーシング位置とを含み得る。別の例として、標的心腔が心房である場合は、左心房の冠状静脈洞におけるペーシング位置など、1つのペーシング位置のみが使用され得る。このペーシング位置は、右心房の洞房結節に位置する通常のP波と組み合わせられ得る。通常、較正の有効性は、ペーシング位置が多いほど、及びペーシング位置が離れている場合に、向上する。
【0094】
CSCシステムは、患者心拍動曲線と形態学的に類似するシミュレート心拍動曲線を識別する。形態学的類似性には、配向類似性及び電気生理学類似性の両方が含まれ、電気生理学類似性には、活動電位類似性及び伝導速度類似性の両方が含まれる。CSCシステムは、ペーシング類似心拍動曲線から、患者の心臓の患者配向に類似するシミュレート配向を有するシミュレート心臓の配向類似シミュレート心拍動曲線を識別する。配向類似性を特定するために、CSCシステムは、患者の心室拍動のQRS群及びT波ベクトル、並びに患者の心房拍動のP波ベクトルを、生成する。ベクトルは、心周期のその周期位相(例えばQRS群)での全電気的双極子の平均空間配向を表し得る。あるいは、CSCシステムは、平均ベクトルではなく、時系列のベクトル、すなわち生のVCG信号を使用し得る。CSCシステムは、各ベクトルに、そのペーシング(例えばペーシング位置及びペーシングレート)及び周期位相で、ラベル付けを行う。CSCシステムは、ペーシング類似シミュレート集合のシミュレート心拍動曲線から、対応するシミュレートベクトルを生成する。次に、CSCシステムは、患者ベクトルと、同じペーシング及び周期位相の各シミュレートベクトルとの配向差を計算する。例えば、CSCシステムは、QRS群及びT波の間の左心室(「LV」)尖部、LV側壁、LV後壁、及びLV前壁のベクトルの内積を計算し得る。次に、CSCシステムは、全配向差(例えば内積の加重平均)が最小であるシミュレート心拍動曲線の集合を識別する。配向差を計算するために、CSCシステムは、患者配向と、識別した集合のシミュレート配向のそれぞれとの配向差を表す回転行列を生成する。回転行列を生成するために、CSCシステムは、患者ベクトルの最小二乗適合を、集合のシミュレートベクトルに適用し得る。CSCシステムは、配向類似シミュレート心拍動曲線として、回転行列により示される最小シミュレート配向差を有するシミュレート心拍動曲線を選択する。いくつかの実施形態では、CSCシステムは、ECGまたはVCGのQRS群、T波、及びP波から導出されるベクトル以外の生トレースデータ(例えば電位対時間)の特徴に基づいて、配向類似性を特定し得る。
【0095】
CSCシステムは、形態学的類似シミュレート心拍動曲線から、患者心拍動曲線により表される活動電位に類似する活動電位を表す活動電位類似シミュレート心拍動曲線を識別する。活動電位類似性を特定するために、CSCシステムは、シミュレート心拍動曲線のECG及び患者心拍動曲線のECGを、時間及び大きさの両方において正規化する。例えば、各ECGは、1秒、及びQRS群またはP波の特定ピーク信号に、正規化され得る。CSCシステムは、ECG及び/またはVCGの周期位相の相対的持続時間を変える、活性化心筋組織の持続時間(活動電位持続時間)を制御する活動電位パラメータを推定する。活動電位特性は、解剖構造全体にわたり不均一であり、心臓組織の様々な属性(例えば解剖構造内の位置、心臓細胞の種類、及び健康/疾患分類)に依存し得る。ECG及び/またはVCGにおける心周期の持続時間は、心臓双極子全体に対する活動電位パラメータの局所分布の全体的影響を表す。CSCシステムは、患者VCGをシミュレートVCGと、同じペーシングレート及びペーシング位置で比較し得る。活動電位は、周期の絶対的タイミングが異なっていても、QRS群、T波、及びP波のX値、Y値、及びZ値間の相対的な大きさ及び偏差の類似性に基づいて、類似しているとみなされる。相対的なタイミングは、心筋内の電磁波の形状及び持続時間(興奮波前面、興奮波後面、及び興奮波長)を示す。CSCシステムは、1)患者によりよくマッチングする形状を選択することと、2)バルク心筋伝導率パラメータを調整することと、3)活動電位の持続時間を統制するイオンモデルにおけるパラメータ(すなわち時定数)を調整することとのうちの1つ以上に基づいて、シミュレートVCGの時間を調整し得る。後者の2つのパラメータは、絶対タイミングと相対的タイミングとの誤差がある閾値(例えば10ミリ秒、または5%)未満であるように、変更され得る。次に、CSCシステムは、各シミュレート心拍動曲線と各患者心拍動曲線との活動電位類似性を計算する(例えばピアソン相関を使用する)。次に、CSCシステムは、最も類似するシミュレート心拍動曲線(例えば活動電位類似性が閾値を超える)を、活動電位類似シミュレート心拍動曲線として選択する。
【0096】
CSCシステムは、活動電位類似シミュレート心拍動曲線から、患者心拍動曲線により表される伝導速度に類似する伝導速度を表す伝導速度類似シミュレート心拍動曲線を識別する。CSCシステムは、心拍動曲線が大きさで正規化され、時間では正規化されないことを除いて、活動電位類似シミュレート心拍動曲線を識別する方法と同様の方法で、伝導速度類似シミュレート心拍動曲線を識別する。
【0097】
CSCシステムはまた、心臓形状類似性及び疾患基質類似性に基づいて、シミュレート心拍動曲線を識別し得る。心臓形状類似性は、特定の心腔内の構造的疾患の程度(例えば心室内の重度の心筋症)に基づく構造的疾患類似性、及び患者の心臓の測定値(例えばCTまたは超音波により収集された測定値)とシミュレート心拍動曲線の構成パラメータとの比較に基づく測定値類似性に、基づき得る。疾患基質は、患者の心筋瘢痕の位置及びサイズに基づき得る。患者の瘢痕のサイズ及び位置は、患者の心臓の形状表現上で(電位マップに基づいて)患者の心臓の瘢痕部分を指定する人により、識別され得る。疾患基質類似性は、患者の瘢痕とシミュレート心拍動曲線の瘢痕の重複程度に基づく。
【0098】
CSCシステムは、心臓形状類似性(例えば構造的疾患類似性及び測定値類似性)、配向類似性、電気生理学類似性(例えば活動電位類似性及び伝導速度類似性)、及び疾患基質類似性を、任意の順序で特定し得る。具体的には、所与の類似性特定順序で、CSCシステムは、前の類似性特定に基づく類似すると特定されたシミュレート心拍動曲線の集合に基づいて、シミュレート心拍動曲線の集合を効果的に連続してフィルタリングすることで、類似性を特定し得る。CSCシステムはまた、シミュレート心拍動曲線の集合から、各類似性メトリックに関して最も類似する集合を識別し、次に、これらの集合から、最も類似するシミュレート心拍動曲線を識別し得る。例えば、CSCシステムは、加重平均を使用して類似性スコアを組み合わせて、各シミュレート心拍動曲線の最終的類似性スコアにし得る。
【0099】
CSCシステムはまた、線形回帰技法、及びニューラルネットワークなどの様々な機械学習(「ML」)技法を使用して、シミュレート心拍動曲線の較正集合を識別し得る。ML較正集合を生成するために、CSCシステムは、構成パラメータ(例えば形態学的パラメータ)と対応する患者のパラメータとの類似性に基づいて、及びペーシング位置の類似性に基づいて、患者心拍動曲線にマッチングするシミュレート心拍動曲線の訓練集合を識別する。例えば、患者心拍動曲線の各ペーシング位置に関して、CSCは、そのペーシング位置を有するそれらのシミュレート心拍動曲線から、患者パラメータに類似する構成パラメータを有するシミュレート心拍動曲線の集合を識別する。
【0100】
次に、CSCシステムは、シミュレート心拍動曲線を患者心拍動曲線にマッピングするマッピング関数を訓練する。例えば、マッピング関数は、訓練集合に基づいて学習される重みを有するニューラルネットワークであり得る。重みは、シミュレート心拍動曲線から患者心拍動曲線への非線形変換を表し、これは、構成パラメータと患者パラメータとの差を最小限に抑える傾向がある。マッピング関数を訓練するために、CSCシステムは、シミュレート心拍動曲線から様々な特徴を導き出し、これらの特徴を訓練データとして使用し得る。特徴は、心臓セグメントの電位の大きさ、及び心臓セグメントのタイミングなどに基づき得る。マッピング関数が一旦訓練されると、CSCシステムは、患者心拍動曲線にマッチングするシミュレート心拍動曲線の集合にマッピング関数を適用して、ML変換されたシミュレート心拍動曲線を生成する。ML変換されたシミュレート心拍動曲線は、シミュレート心拍動曲線のML較正集合を形成する。
【0101】
次に、ML較正集合を使用して、患者特有モデル分類器が生成され得る。患者心拍動曲線にマッチングするシミュレート心拍動曲線を識別するために、マッピング関数は、前述の様々な技法と組み合わせて使用され得る。例えば、マッチングするシミュレート心拍動曲線は、配向類似性及び電気生理学類似性に基づいて識別され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、CSCシステムはまた、患者特有発生源構成(例えば形状、疾患基質または瘢痕、活動電位)に基づいて、シミュレート心拍動曲線の較正集合を生成し得る。較正集合を識別するために、CSCシステムは、発生源構成、及び/または患者のVCGに類似するVCGなどの心拍動曲線に基づいて、シミュレーションを識別する。次に、CSCシステムは、モデルライブラリの生成を高速化するために使用される前述のブートストラップ技法と同様のブートストラップ技法を採用する。識別された各シミュレーションに関して、CSCシステムは、シミュレーションのある時点のEMメッシュの値を使用して、患者特有シミュレーションをブートストラップする。次に、CSCシステムは、識別したシミュレーションの発生源構成ではなく、患者の患者特有発生源構成を使用して、シミュレーションを続行する。例えば、シミュレーションが4秒間である場合、CSCシステムは、3秒時点の値で患者特有シミュレーションを初期化し、患者特有シミュレーションを1秒間実行し得る。次に、CSCシステムは、患者特有シミュレーションから患者特有シミュレートVCGを生成する。CSCシステムは、対応する発生源構成を有する患者特有シミュレーションを、較正集合として識別し、患者特有VCGを、シミュレート心拍動曲線の較正集合として識別する。較正集合は、患者特有分類器の訓練データとして、または集合内のシミュレーションの発生源構成を直接使用して発生源位置を特定するなどの他の目的で、使用され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、CSCシステムはまた、VCGなどの患者特有シミュレート心拍動曲線に基づいて、シミュレート心拍動曲線の較正集合を識別し得る。較正集合を識別するために、CSCシステムは、患者の発生源構成に類似する発生源構成に基づいて、シミュレーションを識別する。例えば、類似性は、形状及び瘢痕位置に基づき得る。次に、CSCシステムは、識別された各シミュレーションのEMデータまたはEM出力と、患者の心臓の形状とを使用して、そのシミュレーションの患者特有VCGを生成する。VCGを生成するために、CSCシステムは、EMデータまたはEM出力が、患者特有VCGを生成する時に患者の形状とマッチングする形状を使用して生成されたと、効率的に推測する。次に、CSCシステムは、シミュレート心拍動曲線の較正集合として、患者特有VCGに最もマッチングするVCGを有するシミュレーションを識別する。較正集合は、患者特有分類器の訓練データとして、または集合内のシミュレーションの発生源構成を直接使用して発生源位置を特定するなどの他の目的で、使用され得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、CSCシステムは、シミュレートVCGと患者特有VCGとのペアの線形変換または非線形変換を介して、患者特有VCGに最もマッチングする識別されたシミュレートVCGに基づいて、さらなる較正を実行し得る。シミュレートVCGと患者特有VCGとのペアは、類似する発生源構成(例えば形状、瘢痕位置、電気生理学特性、発生源位置など)及び電磁データ(例えば心拍動曲線形態)を有する2つのVCGを含む。CSCシステムは、シミュレートVCGに適用される変換により、患者特有VCGとの類似性スコアが高くなるように、シミュレートVCGと患者特有VCGとの少なくとも1つのペアの最小二乗適合から、線形変換を計算し得る。CSCシステムはまた、シミュレートVCGを、患者特有VCGによりよくマッチングするように変換させるために、シミュレートVCGと患者特有VCGとのペアで訓練されたニューラルネットワーク、または他の機械学習技法を使用して、非線形変換を適用し得る。
【0105】
図43は、いくつかの実施形態における、CSCシステムのシミュレート心拍動曲線識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレート心拍動曲線識別コンポーネント4300は、患者心拍動曲線及びシミュレート心拍動曲線を渡され、各患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別する。ブロック4301にて、コンポーネントは、各患者心拍動曲線と各シミュレート心拍動曲線との心臓形状類似性(例えば構造的疾患類似性及び/または測定値類似性)を特定する。ブロック4302にて、コンポーネントは、各患者心拍動曲線と各シミュレート心拍動曲線とのペーシング類似性を特定する。ペーシング類似性は、シミュレート心拍動曲線のペーシング位置及びペーシングレートが、患者心拍動曲線のペーシング位置及びペーシングレートにどれだけ近いかに基づき得る。ブロック4303にて、コンポーネントは、各患者心拍動曲線と各シミュレート心拍動曲線との配向類似性を特定する。ブロック4304にて、コンポーネントは、各患者心拍動曲線と各シミュレート心拍動曲線との電気生理学類似性を特定する。ブロック4305にて、コンポーネントは、特定された類似性に基づいてシミュレート心拍動曲線を較正されたシミュレート心拍動曲線として識別し、その後完了する。示されていないが、コンポーネントはまた、類似するシミュレート心拍動曲線を識別するために、疾患基質類似性を特定し得る。シミュレート心拍動曲線を生成するために使用される構成パラメータは、これらの心拍動曲線に対応付けられたものであるとみなされる。例えば、心拍動曲線は、シミュレート心拍動曲線または患者心拍動曲線を生成する際に使用されるペーシング位置及び疾患基質を有するとみなされ得る。
【0106】
図44は、いくつかの実施形態における、CSCシステムのコンポーネントを示すブロック図である。CSCシステム4400は、シミュレート心拍動曲線較正コンポーネント4401を含む。CSCシステムは、配向較正コンポーネントを含み、これには、ベクトル生成コンポーネント4402と、配向類似性特定コンポーネント4411及び電気生理学類似性特定コンポーネント4412を有する形態学的類似性特定コンポーネント4410と、が含まれる。CSCシステムは、配向較正コンポーネント4403と、電気生理学較正コンポーネントとを含み、電気生理学較正コンポーネントには、活動電位較正コンポーネント4404と、伝導速度較正コンポーネント4405とが含まれる。CSCシステムは、心臓形状コンポーネントを含み、これには、構造的疾患較正コンポーネント4406と、測定値較正コンポーネント4407とが含まれる。CSCシステムは、疾患基質較正コンポーネント4408と、ペーシング較正コンポーネント4409とを含む。CSCシステムは、シミュレーションストア4420にアクセスして、較正されたシミュレート心拍動曲線を出力する。シミュレート心拍動曲線較正コンポーネントは、配向較正コンポーネント、電気生理学較正コンポーネント、心臓形状コンポーネント、疾患基質較正コンポーネント、及びペーシング較正コンポーネントを呼び出して、較正されたシミュレート心拍動曲線を識別する。配向較正コンポーネント、活動電位較正コンポーネント、及び心臓形状較正コンポーネントは、フロー図で説明される。
【0107】
図45は、患者データを収集するために電気生理学者(「EP」)により実行される処理を示すフロー図である。ブロック4501にて、EPは、次のペーシング位置を選択する。判定ブロック4502にて、全てのペーシング位置が既に選択済みである場合は、処理は完了し、そうでない場合は、処理はブロック4503に続行する。ブロック4503にて、EPは、カテーテルをペーシング位置に配置する。ブロック4504にて、EPは、次のペーシングレートを選択する。判定ブロック4505にて、選択したペーシング位置に関して、全てのペーシングレートが既に選択済みである場合は、処理はブロック4501にループして、次のペーシング位置を選択し、そうでない場合は、処理はブロック4506に続行する。ブロック4506にて、EPは、次の期外刺激間隔を選択する。判定ブロック4507にて、選択したペーシング位置及びペーシングレートに関して、全ての期外刺激間隔が既に選択済みである場合は、処理はブロック4504にループして、次のペーシングレートを選択し、そうでない場合は、処理はブロック4508に続行する。ブロック4508にて、EPは、選択したペーシングレートで刺激を与える。ブロック4509にて、期外刺激間隔において刺激が与えられ、処理はブロック4506にループして、次の期外刺激間隔を選択する。
【0108】
図46は、いくつかの実施形態における、CSCシステムのシミュレート心拍動曲線較正コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレート心拍動曲線較正コンポーネント4600は、患者心拍動曲線及びシミュレート心拍動曲線の指示を渡され、患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別する。ブロック4601にて、コンポーネントは、ベクトル生成コンポーネントを呼び出して、患者心拍動曲線の指示を渡し、各患者心拍動曲線の患者ベクトルを生成する。ブロック4602にて、コンポーネントは、配向類似シミュレート心拍動曲線識別コンポーネントを呼び出して、シミュレート心拍動曲線及び各患者心拍動曲線の測定されたベクトルの指示を渡し、返報として、配向類似シミュレート心拍動曲線の指示を受信する。ブロック4601及び4602は、配向類似シミュレート心拍動曲線を特定するための処理を表す。ブロック4603にて、コンポーネントは、活動電位較正コンポーネントを呼び出して、配向類似シミュレート心拍動曲線及び患者心拍動曲線の指示を渡し、返報として、活動電位類似シミュレート心拍動曲線の指示を受信する。ブロック4604にて、コンポーネントは、伝導速度較正コンポーネントを呼び出して、活動電位類似シミュレート心拍動曲線及び患者心拍動曲線の指示を渡して、返報として、伝導速度類似シミュレート心拍動曲線の指示を受信する。ブロック4603及び4604は、電気生理学類似性を特定するための処理を表す。
【0109】
図47は、いくつかの実施形態における、CSCシステムのベクトル生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。ベクトル生成コンポーネントが呼び出され、渡された各心拍動曲線のベクトルを生成する。図示されていないが、ブロック4701~4708の処理は、各心拍動曲線に関して実行される。ブロック4701にて、コンポーネントは、心拍動曲線の次の心周期を選択する。判定ブロック4702にて、全ての心周期が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4703に続行する。ブロック4703にて、コンポーネントは、選択した心周期の次の心周期位相を選択する。判定ブロック4704にて、全ての心周期位相が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック4701にループして、次の心周期を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4705に続行する。ブロック4705にて、コンポーネントは、次の心臓位置を選択する。判定ブロック4706にて、全ての心臓位置が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック4703に続行し、次の心周期位相を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4707に続行する。ブロック4707にて、コンポーネントは、心周期位相中の心臓位置の心拍動曲線から、ベクトルを計算する。ブロック4708にて、コンポーネントは、ベクトルに対し、心臓周期位相及び心臓位置でラベル付けを行い、次にブロック4705にループして、次の心臓位置を選択する。
【0110】
図48は、いくつかの実施形態における、CSCシステムの配向類似識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。配向類似識別コンポーネント4800が呼び出され、シミュレート心拍動曲線と各患者心拍動曲線の患者ベクトルとの指示を渡される。図示されていないが、ブロック4801~4807は、各患者心拍動曲線に関して実行される。ブロック4801にて、コンポーネントは、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。判定ブロック4802にて、全てのシミュレート心拍動曲線が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック4808に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4803に続行する。ブロック4803にて、コンポーネントは、ベクトル生成コンポーネントを呼び出して、シミュレート心拍動曲線の指示を渡し、返報として、シミュレートベクトルを受信する。ブロック4804にて、コンポーネントは、次のシミュレートベクトルを選択する。判定ブロック4805にて、全てのシミュレートベクトルが既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック4807に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4806に続行する。ブロック4806にて、コンポーネントは、選択したシミュレートベクトルと、対応する患者ベクトルとの配向差を計算し、ブロック4804にループして、次のシミュレートベクトルを選択する。ブロック4807にて、コンポーネントは、選択したシミュレート心拍動曲線の配向類似性を計算し、次にブロック4801にループして、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。ブロック4808にて、コンポーネントは、配向類似性が最も高いシミュレート心拍動曲線を識別して返報し、その後完了する。
【0111】
図49は、いくつかの実施形態における、CSCシステムの心臓形状較正コンポーネントの処理を示すフロー図である。心臓形状較正コンポーネント4900が呼び出され、患者心拍動曲線に心臓形状が類似するシミュレート心拍動曲線を識別する。ブロック4901にて、コンポーネントは、患者の構造的疾患の評価を受信する。ブロック4902にて、コンポーネントは、類似する構造的疾患を有するシミュレート心拍動曲線を識別する。ブロック4903にて、コンポーネントは、患者の形状測定値を受信する。ブロック4904にて、コンポーネントは、次の識別したシミュレート心拍動曲線を選択する。判定ブロック4905にて、全てのシミュレート心拍動曲線が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック4907に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック4906に続行する。ブロック4906にて、コンポーネントは、選択したシミュレート心拍動曲線と患者心拍動曲線との間の形状スコアを計算し、その後ブロック4904にループして、次の識別したシミュレート心拍動曲線を選択する。ブロック4907にて、コンポーネントは、心臓形状類似シミュレート心拍動曲線として、形状スコアに基づいて、最もマッチングするシミュレート心拍動曲線を選択し返報する。
【0112】
図50は、いくつかの実施形態における、CSCシステムの活動電位較正コンポーネントの処理を示すフロー図である。活動電位較正コンポーネント5000は、患者心拍動曲線の活動電位に類似する活動電位を有するシミュレート心拍動曲線を識別する。図示されていないが、ブロック5001~5006の処理は、各患者心拍動曲線に関して実行される。ブロック5001にて、コンポーネントは、患者心拍動曲線の正規化ECGを生成する。ブロック5002にて、コンポーネントは、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。判定ブロック5003にて、全てのシミュレート心拍動曲線が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック5006に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5004に続行する。ブロック5004にて、コンポーネントは、選択したシミュレート心拍動曲線の正規化シミュレートECGを生成する。ブロック5005にて、コンポーネントは、正規化患者ECGとシミュレートECGとの活動電位類似性を計算し、次にブロック5002にループして、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。ブロック5006にて、コンポーネントは、活動電位類似性が最も高いシミュレート心拍動曲線を選択し返報する。
【0113】
図51は、いくつかの実施形態における、CSCシステムのマッピング関数生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。マッピング関数生成コンポーネント5100は、訓練データとして使用される患者心拍動曲線とマッチングするシミュレート心拍動曲線の集合を識別し、その後、マッピング関数を訓練する。ブロック5101にて、コンポーネントは、患者心拍動曲線の次のペーシング位置を選択する。判定ブロック5102にて、全てのペーシング位置が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック5107に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5103に続行する。ブロック5103にて、コンポーネントは、そのペーシング位置を有する次のシミュレート心拍動曲線を選択する。判定ブロック5104にて、全てのそのようなシミュレート心拍動曲線が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック5101にループして、次のペーシング位置を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5105に続行する。判定ブロック5105にて、シミュレート心拍動曲線の構成パラメータが患者構成パラメータとマッチングする場合は、コンポーネントはブロック5106に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5103にループして、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。ブロック5106にて、コンポーネントは、シミュレート心拍動曲線を訓練データに追加し、ブロック5106にループして、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。ブロック5107にて、コンポーネントは、訓練データのシミュレート心拍動曲線を患者心拍動曲線にマッピングするようにマッピング関数を訓練し、その後完了する。
【0114】
図52は、いくつかの実施形態における、CSCシステムのシミュレート心拍動曲線変換コンポーネントの処理を示すフロー図である。シミュレート心拍動曲線変換コンポーネント5200は、シミュレート心拍動曲線にマッピング関数を適用して、シミュレート心拍動曲線のML較正集合を生成する。ブロック5201にて、コンポーネントは、患者心拍動曲線の次のペーシング位置を選択する。判定ブロック5202にて、全てのペーシング位置が既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5203に続行する。ブロック5203にて、コンポーネントは、そのペーシング位置を有する次のシミュレート心拍動曲線を選択する。判定ブロック5204にて、全てのそのようなシミュレート心拍動曲線が既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック5201にループして、次のペーシング位置を選択し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5205に続行する。判定ブロック5205にて、シミュレート心拍動曲線の構成パラメータが患者構成パラメータとマッチングする場合は、コンポーネントはブロック5206に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5203にループして、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。ブロック5206にて、コンポーネントは、シミュレート心拍動曲線にマッピング関数を適用して、ML変換されたシミュレート心拍動曲線を生成する。ブロック5207にて、コンポーネントは、ML変換されたシミュレート心拍動曲線をML較正集合に追加し、ブロック5203にループして、次のシミュレート心拍動曲線を選択する。
【0115】
主に心臓である電磁源に即して説明されているが、CSCシステムは、体内の他の電磁源のシミュレート電磁出力を較正するために使用されてもよい。本明細書で説明されるCSCシステム及び他のシステムは、例えば、体が人体または他の動物の体であり、電磁源が心臓、脳、肝臓、肺、腎臓、筋肉、または体の外側または内側から測定可能な電磁場を生成する体の別の部分である場合に、使用され得る。また、患者ペーシングは、カテーテルなどの電磁源の内側から電磁パルスを与える侵襲的ペーシングデバイスを使用して、実行され得る。患者ペーシングは、磁気共鳴スキャナなどの電磁源の外側から電磁パルスを与える非侵襲的ペーシングデバイスを使用して、実行され得る。非侵襲的ペーシングデバイスは、電磁場を生成して、患者の電磁源のペーシングを行い得る。
【0116】
配向を較正するためのユーザインターフェース
いくつかの実施形態では、CSCシステムのユーザインターフェース較正(「UIC」)システムは、患者VCGの配向のシミュレートVCGへの手動較正を行うためのユーザインターフェースを提供する。正常な洞調律中に、及び/または研究撮像データ(例えば胸部X線またはカテーテルシステム位置特定システムからの撮像データ)に基づいて識別され得る様々なペーシング位置でのペーシングに基づいて、収集された患者ECGにアクセスする。次に、UICシステムは、興奮発生源位置が分かっているセグメントをECGから抽出し、その後セグメントのノイズ除去を行う。次に、UICシステムは、セグメントからVCGを生成する。次に、UICシステムは、アクセスした患者ECGの発生源位置に類似する発生源位置を有するシミュレート心拍動曲線を選択する。
【0117】
図53は、手動で配向を較正するためのユーザインターフェースを示す。ディスプレイ5300は、患者表現5310と、シミュレート表現5320とを含む。患者表現を生成するために、UICシステムは、患者発生源位置の患者VCG5311及び5312を、三次元(「3D」)表面としてレンダリングする。冠状面及び/または直交面などの解剖構造基準フレームを提供するために、患者VCGが胴体モデル上に5315に重ねられ得、これは3Dで回転させることができる。シミュレート表現を生成するために、UICシステムは、患者発生源位置に類似するシミュレート発生源位置を有する選択したシミュレート心拍動曲線から、シミュレートVCG5321及び5322をレンダリングし、これらも、胴体モデル5325上に重ねられ得る。UICシステムはまた、シミュレート心拍動曲線の心臓形状に基づいて、心臓5326の表現を重ね得る。次に、ユーザは、シミュレートVCGを有する心臓形状を回転させて、シミュレートVCGを心臓形状と共に回転させて、シミュレートVCGの位置を患者VCGの位置に合わせることができる(視覚的比較に基づく)。位置合わせを支援するために、UICシステムはまた、患者VCGに対する回転されたシミュレートVCGの位置合わせの近さを示す位置合わせスコア(例えば最小二乗適合に基づく)を生成し得る。VCGの位置は合わされたとユーザが判断すると、次にUICシステムは、シミュレートVCGを患者VCGに位置合わせするために必要な心臓形状の回転量に基づいて、回転行列を生成する。CSCシステムは、回転行列を使用して、配向類似心拍動曲線を識別し得る。
【0118】
アブレーションパターンを識別する
アブレーションパターンを識別するための方法及びコンピューティングシステム、並びに識別されたアブレーションパターンに基づいて患者を治療するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、アブレーションパターン識別(「API」)システムは、患者のEM源を治療するためのアブレーションパターンを識別する。APIシステムは、EM源(例えば心臓または脳)の患者EM出力にアクセスする。APIシステムは、アブレーションパターンに基づくのではなく、シミュレート発生源構成に基づいて、非アブレーションパターンシミュレーションの非アブレーションパターン情報を識別する。例えば、非アブレーションパターン情報は、非アブレーションパターンシミュレーションから生成されたシミュレートEM出力(例えばシミュレートECG)であり得る。APIシステムは、非アブレーションパターンシミュレーションのシミュレートEM出力と患者EM出力との類似性に基づいて、非アブレーションパターン情報を識別する。APIシステムは、次に、識別した非アブレーションパターン情報及びアブレーションパターンシミュレーションに対応付けられたアブレーションパターン情報に基づいて、アブレーションパターンを識別する。例えば、アブレーションパターンは、シミュレートEM出力と、アブレーションパターンシミュレーションで使用されるアブレーションパターンとのマッピングに基づいて、識別され得る。各アブレーションパターンシミュレーションは、シミュレート発生源構成及びアブレーションパターンに基づいて、生成される。次に、APIシステムは、患者のEM源の可能性のあるアブレーションパターンとして、識別したアブレーションパターンの指示を出力する。
【0119】
いくつかの実施形態では、APIシステムは、非アブレーションパターンシミュレーションのモデルライブラリと、モデルライブラリのシミュレートEM出力から生成されたシミュレート導出EMデータとに、アクセスする。モデルライブラリは、MLMOシステムにより生成され得る。このモデルライブラリは、「非アブレーションパターンモデルライブラリ」と称され、シミュレーションは、アブレーションパターンを含まないシミュレート発生源構成に基づくことから、シミュレーションは「非アブレーションパターンシミュレーション」と称される。例えば、EM源が心臓である場合は、非アブレーションパターンシミュレーションは、アブレーションパターンを想定することなく、不整脈のシミュレート発生源位置に基づき得、シミュレート導出EMデータは、VCGであり得る。APIシステムはまた、非アブレーションパターンモデルライブラリを生成するために使用されるシミュレート発生源構成ごとに、1つ以上のアブレーションパターンシミュレーションを含み得るアブレーションパターンモデルライブラリを生成する。各シミュレート発生源構成に関して、APIシステムは、アブレーションパターン集合ごとに、アブレーションパターンシミュレーションを実行する。各アブレーションパターンシミュレーションを使用して、シミュレート発生源構成のシミュレート発生源位置にそのアブレーションパターンを適用した場合の結果が識別される。アブレーションパターンシミュレーションにより不整脈が発生しなかった場合、アブレーションパターンは、シミュレート発生源構成の不整脈を止めるのに成功したものとして識別される。そうでない場合は、失敗として識別される。例えば、アブレーションパターン集合に10個のアブレーションパターンが含まれる場合、APIシステムは、シミュレート発生源構成ごとに、10個のアブレーションパターンシミュレーションを生成する。シミュレート発生源構成の成功するアブレーションパターンの数は、0から10まで様々であり得る。例えば、シミュレート発生源構成のうちの1つは2個の成功アブレーションパターンを有し得、別のシミュレート発生源構成は、7個の成功アブレーションパターンを有し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、APIシステムは、患者EM出力(または患者導出EMデータ)をシミュレートEM出力(またはシミュレート導出EMデータ)と比較して、マッチングするシミュレートEM出力を識別することにより、患者の1つ以上の可能性のあるアブレーションパターンを識別する。APIシステムは、一致するシミュレートEM出力が生成された非アブレーションパターンシミュレーションで使用されたシミュレート発生源構成を選択する。次に、APIシステムは、選択したシミュレート発生源構成に基づいて、アブレーションパターンシミュレーションを識別する。APIシステムは、これらのアブレーションパターンシミュレーションの成功アブレーションパターンを、可能性のあるアブレーションパターンとして選択する。例えば、EM源が患者の心臓であり、患者導出データがVCGである場合、APIシステムは、患者VCGを使用して、最もマッチングするシミュレートVCGを生成するのに使用された非アブレーションパターンシミュレーションのシミュレート発生源構成を選択する。次に、APIシステムは、選択したシミュレート発生源構成に基づいて、成功アブレーションパターンを生じるアブレーションパターンシミュレーションを識別する。次に、APIシステムは、成功アブレーションパターンを、患者の可能性のあるアブレーションパターンとして出力する。
【0121】
いくつかの実施形態では、APIシステムは、例えば不整脈(またはより一般的には頻脈)を有する患者を治療する時、患者を治療する方法を支援するために使用される。アブレーションアシスト(「AA」)システムは、医師が患者を治療するのを支援するために使用される。不整脈中に収集された患者の患者VCGが、AAシステムに入力される。次に、AAシステムは、患者VCGをAPIシステムに提供する。これに応じて、APIシステムは、アブレーションの1つ以上の可能性のあるアブレーションパターンの指示を出力し、アブレーションの1つ以上の標的部位を出力し得る。次に、医師は、可能性のあるアブレーションパターン及び標的部位を選択する。選択を支援するために、AAシステムは、患者の心臓の表現上の標的部位に、アブレーションパターンを重ねて表示し得る。表示される表現は、患者の心臓の解剖構造特性に基づき得る。定位放射線療法(「SBRT」)デバイスを使用する場合、患者の解剖構造特性は、療法の一環で収集された画像(例えば「スカウト」画像)から特定され得る。AAシステムは、自動配置を行うために、選択したアブレーションパターン及び発生源位置を、アブレーションデバイス(例えばSBRTデバイス)に提供し得る。あるいは、医師は、アブレーションデバイス(例えばカテーテル)を手動で配置し得る。患者のアブレーションの準備ができると、エネルギーが活性化され、選択したアブレーションパターンに基づいてアブレーションが行われる。アブレーションデバイスは、SBRTデバイス、アブレーションカテーテル、凍結アブレーションカテーテル、及び植込み型パルス発生器などであり得る。
【0122】
図54は、いくつかの実施形態における、APIシステムの全体的な処理を示すフロー図である。アブレーションパターン識別コンポーネント5400は、患者導出EMデータに基づいて、アブレーションパターンを識別する。ブロック5401にて、コンポーネントは、導出EMデータ(例えばVCG)にアクセスする。ブロック5402にて、コンポーネントは、患者導出EMデータに最もマッチングするシミュレート導出EMデータに基づいて、モデルライブラリの非アブレーションパターンシミュレーションを識別する。ブロック5403にて、コンポーネントは、識別した非アブレーションパターンシミュレーションを生成するのに使用されたシミュレート発生源構成を取得する。ブロック5404にて、コンポーネントは、取得したシミュレート発生源構成を使用して実行されたアブレーションパターンシミュレーションを識別する。ブロック5405にて、コンポーネントは、識別したアブレーションシミュレーションに対応付けられたアブレーションパターンを取得する。ブロック5406にて、コンポーネントは、取得したアブレーションパターンの指示を出力して、その後完了する。
【0123】
図55は、いくつかの実施形態における、APIシステムのマッピング関数生成の処理を示すフロー図である。マッピング関数生成コンポーネント5500は、可能性のある発生源位置及び可能性のあるアブレーションパターンを識別するために使用され得るマッピング関数を生成する。ブロック5501にて、コンポーネントは、アブレーションパターンシミュレーションにアクセスする。ブロック5502にて、コンポーネントは、次のアブレーションパターンシミュレーションを選択する。判定ブロック5503にて、全てのアブレーションパターンシミュレーションが既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック5506に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5504に続行する。ブロック5504にて、コンポーネントは、選択したアブレーションパターンシミュレーションのシミュレート発生源構成に基づいて、特徴ベクトルを生成する。ベクトルの特徴には、シミュレート発生源構成を使用して非アブレーションパターンシミュレーションから生成されたシミュレートEMデータなどの他の情報と共に、発生源位置及びアブレーションパターンを識別することに特に関連する全てのシミュレート発生源構成、またはシミュレート発生源構成の部分集合が、含まれ得る。ブロック5505にて、コンポーネントは、シミュレート発生源位置及び選択したアブレーションパターンシミュレーションのアブレーションパターンに基づいて、特徴ベクトルにラベル付けを行い、次にブロック5502にループして、次のアブレーションパターンシミュレーションを選択する。ブロック5506にて、コンポーネントは、特徴ベクトル及びラベルを使用して、マッピング関数を訓練し、その後完了する。
【0124】
図56は、いくつかの実施形態における、アブレーション中に患者を治療するための方法の処理を示すフロー図である。方法5600は、処理の最初のステップとして患者導出EMデータ(例えばVCG)にアクセスする。ステップ5601にて、方法は、使用する発生源位置及びアブレーションパターンを識別する。この識別は、患者の患者発生源構成から導出された特徴及び患者導出EMデータに基づいて特徴ベクトルを生成し、次にAPIシステムにより訓練されたマッピング関数を適用することにより、実行され得る。あるいは、識別は、患者EMデータに最もマッチングするシミュレートEMデータを有する非アブレーションパターンシミュレーションを識別し、次にシミュレート発生源構成を使用して、そのシミュレート発生源構成を使用して生成されたアブレーションパターンシミュレーションを識別することにより、実行され得る。ステップ5602にて、方法は、識別した発生源位置に基づいて、アブレーションデバイス(例えば神経調節デバイス)を配置するまたは方向付ける(すなわち狙いを付ける)。ステップ5603にて、方法は、アブレーションデバイス(例えば神経調節デバイス)を使用して、識別した発生源位置から導出される標的部位に、識別したアブレーションパターンに基づいて、エネルギーを当てるまたは向ける。
【0125】
図57は、いくつかの実施形態における、APIシステムのコンポーネントを示すブロック図である。アブレーションパターンシミュレーション生成コンポーネント5702は、EM発生源モデル5701及び発生源構成のパラメータ集合を入力し、心臓モデルを使用して発生源構成に基づいて、シミュレーションを実行する。次に、アブレーションパターンシミュレーション生成コンポーネントは、発生源構成とアブレーションパターンとのマッピングを、発生源構成/アブレーションパターンマッピングストア5703に格納する。アブレーション指示コンポーネント5704は、患者発生源構成及び患者導出EMデータを入力し、導出EMデータ/発生源マッピングストア5707及び発生源構成/アブレーションパターンマッピングストアにアクセスして、発生源位置及びアブレーションパターンを識別し、アブレーションの実行を制御する。命令送信コンポーネント5705は、発生源位置及びアブレーションパターンを入力し、命令をアブレーションデバイス5706に送信する。
【0126】
図58は、いくつかの実施形態における、APIシステムのアブレーションパターンシミュレーション生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。アブレーションパターンシミュレーション生成コンポーネント5800は、発生源構成を入力し、発生源構成を成功アブレーションパターンにマッピングする。コンポーネントは、発生源構成ごとに呼び出される。ブロック5801にて、コンポーネントは、アブレーションパターンシミュレーションで使用するアブレーションパターンにアクセスする。APIシステムは、各発生源構成に、同じアブレーションパターンを使用し得る。あるいは、異なる発生源位置では異なるアブレーションパターンがより効果的であり得ることから、APIシステムは、発生源位置に基づいてアブレーションパターンを選択し得る。ブロック5802にて、コンポーネントは、次のアブレーションパターンを選択し、変数iを選択したアブレーションパターンに設定する。判定ブロック5803にて、全てのアブレーションパターンが既に選択済みである場合は、コンポーネントはブロック5810に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5804に続行する。ブロック5804にて、コンポーネントは、変数jをゼロに初期化して、アブレーションパターンシミュレーションの各ステップを追跡する。判定ブロック5805にて、コンポーネントは、変数jをインクリメントし、変数jがシミュレーションステップの数より大きいか否か、すなわちアブレーションパターンシミュレーションが完了したことを示すか否かを、判定する。完了した場合、コンポーネントはブロック5809に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5806に続行して、シミュレーションの次のステップを実行する。ブロック5806にて、コンポーネントは、アブレーションパターンシミュレーションの次のステップのモデルを、選択したアブレーションパターンに適用する。判定ブロック5807にて、アブレーションパターンシミュレーションが不整脈が止まったことを示す場合は、コンポーネントはブロック5808に続行し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック5805にループして、シミュレーションの次のステップを実行する。ブロック5808にて、コンポーネントは、アブレーションパターンを成功と標し、ブロック5802にループして、次のアブレーションパターンを選択する。ブロック5809にて、アブレーションシミュレーションは完了したが不整脈は止まらなかったことから、コンポーネントは、アブレーションパターンを失敗と標す。次に、コンポーネントは、ブロック5802にループして、次のアブレーションパターンを選択する。ブロック5810にて、コンポーネントは、発生源構成を、成功したアブレーションパターンにマッピングし、完了する。
【0127】
図59は、いくつかの実施形態における、APIシステムのアブレーション指示コンポーネントの処理を示すフロー図である。アブレーション指示コンポーネント5900が呼び出され、患者のアブレーションを指示する。ブロック5901にて、コンポーネントは、患者のEM源の画像を受信する。ブロック5902にて、コンポーネントは、瘢痕位置、前のアブレーション、及び現在の薬物治療などの患者に関して提供された画像及び他の情報に基づいて、患者発生源構成を生成する。ブロック5903にて、コンポーネントは、患者導出EMデータ(例えばVCG)を受信する。ブロック5904にて、コンポーネントは、可能アブレーションパターン識別コンポーネントを呼び出す。ブロック5905にて、コンポーネントは、実アブレーションパターン選択コンポーネントを呼び出して、アブレーションで使用するアブレーションパターンを選択する。ブロック5906にて、コンポーネントは、実際のアブレーションパターンに基づいて生成されたアブレーション命令を出力する。アブレーション命令は、アブレーションデバイスに直接提供され得る、または医師に表示され得る。その後、コンポーネントは完了する。
【0128】
図60は、いくつかの実施形態における、APIシステムの可能アブレーションパターン識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。可能アブレーションパターン識別コンポーネント6000が呼び出され、アブレーションのための可能性のあるアブレーションパターンを識別する。ブロック6001にて、コンポーネントは、患者発生源構成及び患者導出EMデータを受信する。ブロック6002にて、コンポーネントは、患者発生源構成及び患者導出EMデータに基づいて、1つ以上のアブレーションパターンシミュレーションを識別する。ブロック6003にて、コンポーネントは、次のマッチングアブレーションパターンシミュレーションを選択する。判定ブロック6004にて、全てのマッチングアブレーションパターンシミュレーションが既に選択済みである場合は、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック6005に続行する。ブロック6005にて、コンポーネントは、マッチングアブレーションパターン及び選択したマッチングアブレーションパターンシミュレーションの発生源位置を、命令集合に追加する。コンポーネントはまた、アブレーション命令に、標的体積を追加し得る。標的体積は、非アブレーションパターンシミュレーションを生成する時に使用される発生源構成のパラメータであり得る。次に、コンポーネントは、ブロック6003にループして、次のマッチングアブレーションパターンを選択する。
【0129】
図61は、いくつかの実施形態における、APIシステムの実アブレーションパターン選択コンポーネントの処理を示すフロー図である。実アブレーションパターン選択コンポーネント6100が呼び出され、患者解剖構造特性、可能性のあるアブレーションパターン、及び対応する発生源位置の指示を渡される。コンポーネントは、アブレーションで使用する実際のアブレーションパターンを識別する。ブロック6101にて、コンポーネントは、患者解剖構造特性に基づいて、患者EM源の3D表現を表示する。ブロック6102にて、コンポーネントは、可能性のあるアブレーションパターン及び対応する発生源位置のリストを表示する。ブロック6103にて、コンポーネントは、可能性のあるアブレーションパターンの選択を受信する。ブロック6104にて、コンポーネントは、選択した可能アブレーションパターン及び発生源位置を、3D表現上に重ねる。判定ブロック6105にて、選択された可能アブレーションパターンを実アブレーションパターンとして使用すると医師が示した場合、コンポーネントは完了し、そうでない場合は、コンポーネントはブロック6103にループして、別の可能アブレーションパターンを表示する。
【0130】
EMデータのリモート収集
いくつかの実施形態では、遠隔EMデータ収集(「REMDC」)システムは、臨床環境にいない患者から収集されたEM源のEMデータを受信し得る。例えば、患者は、EMデータ(例えばECG)を収集する携帯型EMデータ収集(「PEMDC」)デバイス(例えばホルターモニター)を付けるために、診療所を訪れ得る。さらに、規定されていないPEMDCデバイス(例えばスマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、電磁センサを備えた外部モバイルデバイス、表皮、真皮、もしくは皮下組織に埋め込まれた電磁センサ、電磁センサが埋め込まれたスマート衣類)が使用されてもよい。患者が診療所を去った後、PEMDCデバイスは、患者のEMデータを定期的または継続的に収集し得る。PEMDCデバイスにより、患者が診療所から遠隔にいる時、収集されたEMデータがREMDCシステムに送信されることが可能となる。例えば、PEMDCデバイスは、WiFi、セルラーブルートゥース(登録商標)、または他の接続を使用して、収集されたEMデータを送信する無線インターフェースを含み得る。WiFi接続を使用する場合、インターネットにアクセスできるWiFiネットワークにPEMDCデバイスが接続できる時はいつでも、PEMDCデバイスは、収集されたEMデータを直接REMDCシステムに送信し得る。セルラー接続(例えばPEMDCデバイスに埋め込まれたセルラー送信器/受信器)を使用する場合、PEMDCデバイスがセルラーネットワーク範囲内にいる時はいつでも、PEMDCデバイスは、収集されたEMデータを直接REMDCシステムに送信し得る。ブルートゥース(登録商標)接続(例えばPEMDCデバイスに埋め込まれたブルートゥース(登録商標)送信器/受信器)を使用する場合、PEMDCデバイスは、収集EMデータを、スマートフォン、スマートウォッチ、デスクトップコンピュータ、または他のブルートゥース(登録商標)対応デバイスに送信し得る。PEMDCデバイスはまた、収集されたEMデータを、有線(例えばユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル)を介して、コンピューティングデバイス(例えばラップトップ)に送信する有線インターフェースを有し得、コンピューティングデバイスは、収集されたEMデータをREMDCシステムに転送する。PEMDCデバイスは、収集されたデータを、スケジュールベースで(例えば1時間に1回)、収集されるとすぐに、REMDCシステムに要求されると、またはPEMDCにインストールされたプログラムにより行われる収集EMデータの分析に基づくなどのいくつかの他の基準で、送信し得る。
【0131】
REMDCシステムが収集されたEMデータを受信すると、収集されたEMデータは、本明細書に説明されるシステムのうちのいずれかにより、処理され得る。例えば、EMデータがECGである場合、REMDCシステムは、MLMOシステムにより生成された分類器を使用して、収集されたECGに基づいて発生源位置を識別し得る。別の例として、REMDCシステムは、PSMCシステムを使用して、患者特有モデル分類器を生成し得、これを使用して、発生源位置が識別され得る。別の例として、REMDCシステムは、CSCシステムを使用して、シミュレーションの較正集合を生成し得る。
【0132】
REMDCシステムは、患者が診療所に戻る前に、収集されたEMデータを処理することができるため、医療提供者は、患者が戻る前に、様々なシステムの出力を分析して、治療方針を識別(例えば処置、アブレーション、及びアブレーションパターンの推奨)することができる。このような事例では、患者が診療所にいる間にEMデータを収集してからEMデータを処理する様々なシステムに伴う遅延を、回避することができる。さらに、患者が診療所に戻る前にEMデータが収集される場合、EMデータを処理するのに必要な計算リソースのコストは、ずっと少なくて済み得る。また、患者が診療所に戻る前に、医療提供者は、様々なシステムの出力をよく検討し、その検討に基づいて、予定よりも早くまたは遅く戻るように患者に依頼することができる。最後に、医療提供者は、収集されたEMデータの結果を使用して、最適な患者ケアを行うために必要な時間及び他の医療リソースを、より適切に割り当てて実行することができる。
【0133】
分散型台帳での患者研究結果の記録
患者に対して行われた処置の研究結果を分散型台帳に格納するための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、研究結果用分散型台帳(「DLSR」)システムは、患者の電磁源に対して行われた処置の研究結果(または処置結果)を格納する。計算標的化プロシージャを使用して、電磁源から導出された電磁データと処置標的とのマッピングに基づいて、処置の処置標的が識別され得る。計算標的化プロシージャは、処置標的を識別するために生成されたマッピングを使用して訓練された分類器であり得る。MLMOシステムを使用して、このような分類器は生成され得る。あるいは、計算標的化プロシージャは、患者の電磁データに最も類似するマッピングの電磁データを識別し、処置で使用するためにそのマッピングの処置標的を識別し得る。マッピングの電磁データは、シミュレートデータまたは実際の患者データであり得る。下記では、計算標的化プロシージャの実施形態が、処置標的を識別する分類器を使用して説明される。
【0134】
いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり得、処置は、分類器を使用して識別されたアブレーション標的に基づいて医師により実行されるアブレーション処置であり得る。DLSRシステムは、分類器を適用して、患者の心電図に基づいて心臓のアブレーション標的を識別し得る。各分類器は、複数の心臓構成のモデル化心電図から生成された訓練データを使用して、訓練され得る。モデル化心電図は、心臓構成に基づいて心臓の経時的な電磁出力をモデル化する心臓の計算モデルを使用して、生成され得る。DLSRシステムは、モデル化心電図にマッチングする患者の心電図に基づいて、分類器を選択する。DLSRシステムは、識別されたアブレーション標的に基づいて患者に行われたアブレーション処置の結果を受信する。各アブレーション処置に関して、DLSRシステムは、アブレーション処置の結果のアブレーション処置レコードを生成する。アブレーション処置レコードは、アブレーション処置における患者及び任意の他の利害関係者(例えば医師、保険会社、規制当局、及び医療提供者)を識別し、アブレーション処置の結果への参照指示を含む。DLSRシステムは、各アブレーション処置レコードを発行して、許可された関係者がアクセスできるように分散型台帳に記録する。
【0135】
いくつかの実施形態では、分散型台帳は、ブロックチェーンである。分散型台帳、特にブロックチェーンについて、下記に説明される。アブレーション処置の結果への参照指示及び患者の電子医療レコードは、利害関係者により格納され得る。アブレーション処置の結果を格納する利害関係者は、関係者による結果へのアクセスを制御し得る。関係者がブロックチェーンに格納したアブレーション処置レコードの量及び質に基づいて、関係者は、モデル化心電図から生成された訓練データを使用して訓練された分類器へのアクセスを提供され得る。アブレーション処置は、アブレーション研究中に患者に対して行われるいくつかのアブレーション処置のうちの1つであり得、患者のアブレーション処置レコードは、分散型台帳の同じブロックに格納され得る。分散型台帳の各ブロックには、1人の患者のみのアブレーション処置レコードが格納され得る。分散型台帳を維持するために必要な計算リソースは、分散型台帳のマイナーにより提供され得る。マイナーは、マイナーが行ったマイニングに基づいて、複数の心臓構成のモデル化心電図から生成された訓練データを使用して訓練された分類器へのアクセスを提供され得る。ブロックをマイニングするマイナーは、プルーフオブステークコンセンサスアルゴリズムに基づいて選択され得る。
【0136】
図62は、いくつかの実施形態における、DLSRシステムのコンポーネントを示すブロック図である。DLSRシステムは、MLMOシステム6210と、電気生理学(「EP」)データ収集コンポーネント6230と、研究システム6240と、トランザクション生成器システム6250と、利害関係者システム6261~6264と、マイナーシステム6270と、分散型台帳アクセスシステム6280と、分散型台帳6290とを含む。いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、心臓構成を生成し、心臓の計算モデル化を適用して、心臓の関数をシミュレートし、シミュレートした関数に基づいて心電図を生成する。MLMOシステムは、MLMOストア6211に結果を格納する。MLMOストアは、モデル化心電図と発生源位置とのマッピングを格納し得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、MLMOシステムは、シミュレーションの実行及び分散型台帳のマイニングなど、MLMOシステムの支援に関連するタスクを定義し得る。タスクは、Amazon Web Services(「AWS」)Elastic Container RepositoryまたはAWSバッチに基づくシステムなど、コンテナベースシステムにより展開され組織化されるコンテナとして実施され得る。MLMOシステムにより、マイナーまたは他のコントリビュータが、MLMOシステムのサーバ上でタスクを実行することが可能となり得る。例えば、マイナーは、マイニングタスクを実行し得る。タスクを実行する各コントリビュータと、タスクを実行するのに使用される計算リソースと、を識別するレポートが生成され得る。コントリビュータは、使用した計算リソース(例えばCPU、ストレージ)に関してチャージされ得、タスクを実行するインセンティブとしてタスクトークンを付与され得る。例えば、マイニングタスクを実行してブロックをマイニングするマイナー、またはシミュレーションタスクを実行するコントリビュータは、タスクを実行するために使用された計算リソースに基づいて、分散型台帳に記録された1つ以上のタスクトークが付与される。次に、タスクトークンの所有者は、タスクトークンと、分散型台帳内で追跡されている様々なリソースへのアクセスとを、交換し得る。例えば、タスクトークンは、特定の研究の結果へのアクセスと交換され得る。マイナーに付与されるタスクトークンの数はまた、ブロックをマイニングするマイナーを選択するために、プルーフオブステークコンセンサスアルゴリズムにおいても使用され得る。(同様の方法で、処置レコードを提出してブロックチェーンに記録する関係者は、レコードトークンを付与され得、これは、リソースへのアクセスと交換することができる。)シミュレーションの実行を支援するために、MLMOシステムは、シミュレーションタスクのキューを維持して、実行し得る、または完了し得る。シミュレーションタスクを実行する場合、コンテナのコードは、シミュレーションタスクをキューの先頭から削除し、シミュレーションタスクを実行する。例えば、シミュレーションがまだ完了していない場合、キューは、そのシミュレーションを完了するためのシミュレーションタスクを含む。シミュレーションがシミュレーションタスクにより完了されない場合はいつでも(例えばコントリビュータがシミュレーションタスクを完了するのに十分ではない一定量の計算リソースを使用するように契約しているため)、そのシミュレーションタスクを実行したコンテナは、シミュレーションを続けるために新たなシミュレーションタスクをキューに追加する(例えばキューの先頭、より具体的には両頭待ちキューまたは両端キュー)。シミュレーションタスクに加えて、MLMOシステムは、シミュレーション前タスク及びシミュレーション後タスクをキューに追加し得る。シミュレーション前タスクは、モデルの構築またはシミュレーションの初期化に関連し得る。シミュレーション後タスクは、分類器の訓練(または他の機械学習)、シミュレーショ結果の検証、及びシミュレーションに基づく推論の作成に関連し得る。
【0138】
患者ストア6220は、患者の電子医療レコードを格納する。単一のデータベースとして図示されるが、1人の患者の電子医療レコードは、病院、医師、及び研究所などの様々なエンティティにより格納され得る。さらに、電子医療レコードは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(「HIPPA」)などの様々な規制に準拠する許可された分散型台帳システムまたは公共の分散型台帳システムのいずれかである分散型台帳システムを介して、アクセス可能であり得る。EPデータ収集システム6230は、患者の電気生理学データを収集し、電気生理学データを、EP研究ストア6231に格納する。研究システム6240は、患者のEP研究のための電気生理学データ及び患者の電子医療レコードからの情報を入力し、MLMOストアから分類器を選択し、分類器を患者データに適用して、アブレーション標的を識別し、研究情報を研究ストア6241に格納する。
【0139】
トランザクション生成器システム6250は、研究ストアにアクセスし、分散型台帳に格納するレコード(例えばトランザクション)を生成する。トランザクション生成器システムはまた、保険システム6261、規制当局システム6262、医療提供者システム6263、及び医師システム6264から情報を受信し得る。レコードが一旦生成されると、利害関係者は、自身の秘密鍵を使用してレコードに署名し得る。このような場合、トランザクション生成器システムは、保険システム、規制当局システム、医療提供者システム、及び/または医師システムに対し、署名をするようにレコードを送信し得る。次に、トランザクション生成器システムは、マイナーシステム6270にレコードを公開する。マイナーシステムは、プルーフオブステークコンセンサスアルゴリズムまたはある他のコンセンサスアルゴリズムを実施して、分散型台帳6290を格納するブロックを生成するマイナーシステムを識別し得る。分散型台帳は、ブロック6291を含み、これらはそれぞれ、1人の患者の研究を表し得、その研究の一環として実行された各処置のトランザクションを含む。分散型台帳アクセスシステム6280は、許可に基づいて分散型台帳にアクセスすることができる。例えば、分散型台帳アクセスシステムの特定のクラスは、公開鍵で暗号化された特定のレコードにアクセスするための秘密鍵で構成され得る。あるいは、分散型台帳アクセスシステムは、ブロックチェーン分散型台帳へのアクセスを制御する分散型台帳へのフロントエンドシステムに、アクセスし得る。
【0140】
図63は、いくつかの実施形態における、ブロックの構造及びブロック内のレコードを示すブロック図である。ブロック6310は、ブロックヘッダ6211及びトランザクション6212を含む。ブロックヘッダは、ブロックハッシュを含み得、これは、ブロックチェーン内の前のブロックの前のブロックハッシュと、トランザクションのハッシュのマークルツリーのルートノードのハッシュとを含むブロックのデータのハッシュである。ブロックチェーンの構造は、下記で詳しく説明される。トランザクション6320は、トランザクションが生成された時のタイムスタンプ、研究識別子、処置識別子、患者識別子、医師識別子、医療提供者識別子、保険会社識別子、及び規制当局識別子を含み得る。トランザクションは、トランザクションを検証する様々な利害関係者の署名も含み得る。トランザクションはまた、研究ストアへのポインタ、並びに研究ストア、患者ストア、及びEP研究ストアから生成された要約情報へのポインタなど、研究に関連する情報への様々なポインタを含み得る。
【0141】
図64は、いくつかの実施形態における、研究システムの処理を示すフロー図である。研究システムコンポーネント6400は、患者の指示を渡され、医師による患者に対する処置の実行を調整する。ブロック6401にて、コンポーネントは、患者ストア及びEP研究ストアにアクセスして、患者に関連する情報を取得する。ブロック6402にて、コンポーネントは、患者データと電気生理学データとのマッチングに基づいて、MLMOストアから分類器を選択する。ブロック6403にて、コンポーネントは、分類器を患者の心電図に適用する。ブロック6404にて、コンポーネントは、医師に、標的のアブレーション標的を提示する。ブロック6405にて、コンポーネントは、処置のアブレーション結果を受信する。ブロック6406にて、コンポーネントは、研究ストアに結果を格納し、その後完了する。
【0142】
図65は、いくつかの実施形態における、トランザクション生成器システムの処理を示すフロー図である。トランザクション生成器システムコンポーネント6500は、分散型台帳に格納するトランザクションを生成するように定期的に稼働し得る。ブロック6501にて、コンポーネントは、研究ストアから処置の結果への参照指示を取得する。ブロック6502にて、コンポーネントは、結果において識別された患者に基づいて、処置の利害関係者を識別する。ブロック6503にて、コンポーネントは、タイムスタンプを生成し得る。6504にて、コンポーネントは、利害関係者、タイムスタンプ、及び研究ストアに格納された結果への参照指示を識別するトランザクションを生成する。ブロック6505にて、コンポーネントは、利害関係者から署名を取得し得る。分散型台帳にトランザクションを記録するには、利害関係者の許可が必要となり得る。ブロック6506にて、コンポーネントは、トランザクションをマイナーシステムに公開し、その後完了する。
【0143】
図66は、いくつかの実施形態における、マイナーシステムの処理を示すフロー図である。マイナーコンポーネント6600は、定期的に呼び出され、分散型台帳に格納するための処置のブロック(複数可)を生成し得る。ブロック6601にて、コンポーネントは、プルーフオブステークコンセンサスアルゴリズムを実行して、マイナーシステムが次のブロックを生成するために選択されているか否かを判定する。判定ブロック6602にて、選択されている場合は、コンポーネントはブロック6603に続行し、そうでない場合は、コンポーネントは完了する。ブロック6603にて、コンポーネントは、研究のトランザクションをブロックに追加する。ブロック6604にて、コンポーネントは、マークルツリーを生成し、ブロックに追加する。ブロック6605にて、コンポーネントは、前のブロックのハッシュを、ブロックに追加する。ブロック6606にて、コンポーネントは、マイナーのアドレスをブロックに追加する。ブロック6607にて、コンポーネントは、ブロック全体のハッシュを、ブロックに追加する。ブロック6608にて、コンポーネントは、マイナーの署名をブロックに追加する。ブロック6609にて、コンポーネントは、ブロックを公開し、その後完了する。コンポーネントはまた、ブロックの作成タイムスタンプを追加し得、これは、他のマイナーシステムが、プルーフオブステークアルゴリズムにより識別されたマイナーによりブロックが生成されたことを検証する時に使用され得る。
【0144】
分散型台帳
分散型台帳は現在、多種多様のビジネスアプリケーションで使用されている。ビットコインシステムは、分散型台帳の一例である。ビットコインシステムは、サトシ・ナカモト氏による「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」と題するホワイトペーパーに説明されるように、金融機関を介さずに電子現金をある当事者から別の当事者に直接転送できるように、開発された。ビットコイン(例えば電子コインなど)は、ある当事者から別の当事者へ所有権を譲渡する一連のトランザクションにより表される。ビットコインの所有権を譲渡するために、新たなトランザクションが生成され、ブロック内のトランザクションのスタックに追加される。新たな所有者の公開鍵を含む新たなトランザクションは、新たな所有者の公開鍵で表される新たな所有者へ所有権を譲渡するために、所有者により所有者の秘密鍵でデジタル署名される。ビットコインの所有者による署名は、新たなトランザクションを介して新たな所有者にビットコインの所有権を譲渡するための所有者による承認である。ブロックが一杯になると、ブロックは、ブロック内の全てのトランザクション識別子のハッシュダイジェストであるブロックヘッダで「キャップ」される。ブロックヘッダは、チェーン内の次のブロックにおける最初のトランザクションとして記録され、「ブロックチェーン」と称される数学的階層を作成する。現在の所有者を確認するために、トランザクションのブロックチェーンをたどって、最初のトランザクションから最後のトランザクションまでの各トランザクションが確認され得る。新たな所有者は、ビットコインを譲渡したトランザクションの公開鍵に合う秘密鍵を有していればよい。ブロックチェーンは、セキュリティ識別(例えば公開鍵)により表されるエンティティにおける所有権の数学的証明を作成し、これは、ビットコインシステムの場合では疑似匿名である。
【0145】
ビットコインの前の所有者がビットコインを二重使用する(すなわち同じビットコインの所有権を2人の当事者に譲渡する)ことが確実にないように、ビットコインシステムは、トランザクションの分散型台帳を維持する。分散型台帳により、ビットコインの全てのトランザクションの台帳は、ブロックチェーンネットワークの複数のノード(すなわちコンピュータ)に冗長的に格納される。各ノードの台帳は、ブロックチェーンとして格納される。ブロックチェーンでは、トランザクションは、ノードにトランザクションが受信された順序で格納される。ブロックチェーンネットワークの各ノードは、ブロックチェーン全体の完全な複製を有する。ビットコインシステムはまた、ノードが異なる順序でトランザクションを受信し得るとしても、確実に各ノードに同一のブロックチェーンを格納させる技法を実施する。ノードに格納されている台帳内のトランザクションが正しいことを検証するために、ブロックチェーン内のブロックは、最も古いものから最も新しいものまでアクセスされ、ブロックの新たなハッシュが生成され、新たなハッシュと、ブロックが生成された時に生成されたハッシュとが比較され得る。ハッシュが同じである場合は、ブロック内のトランザクションが検証される。ビットコインシステムはまた、計算コストの高い技法を使用して、ブロックの作成時にブロックに追加されるナンスを生成することにより、トランザクションを変更してブロックチェーンを再生成することを確実に不可能にする技法を実施する。ビットコイン台帳は、まだ使用されていない全てのトランザクションの出力を追跡することから、未使用トランザクション出力(「UTXO」)セットと時に称される。
【0146】
ビットコインシステムは非常に成功しているが、ビットコインまたは他の暗号通貨でのトランザクションに限定されている。ブロックチェーンは、車両の販売、金融派生商品の販売、株式の販売、及び契約の支払いなどに関連するトランザクションなど、あらゆる種類のトランザクションに対応するように開発された。このようなトランザクションは、識別トークンを使用して、所有対象となり得るものまたは他の物を所有することができるものを、一意的に識別する。物理資産またはデジタル資産の識別トークンは、資産を一意的に識別する情報の暗号一方向ハッシュを使用して生成される。トークンはまた、追加の公開鍵/秘密鍵ペアを使用する所有者を有する。所有者公開鍵または所有者公開鍵のハッシュは、トークン所有者識別として設定され、トークンに対してアクションが実行される時、所有者秘密鍵により生成された署名であって、トークンの所有者として挙げられた公開鍵または公開鍵のハッシュに対して認証された当該署名を提供することにより、所有権証明は確立される。個人は、例えばユーザ名、社会保障番号、及び生体認証(例えば指紋)の組み合わせを使用して、一意的に識別され得る。ブロックチェーンにおける資産の識別トークンの作成により、資産の証明が確立され、識別トークンは、ブロックチェーンに格納された資産に関与するトランザクション(例えば購入、販売、保険契約)で使用され、トランザクションの完全な監査証跡を作成し得る。
【0147】
ビットコインが対応するトランザクションよりも複雑なトランザクションを可能にするために、いくつかのシステムは、「スマートコントラクト」を使用する。スマートコントラクトは、コード及びステートを含む分散型コンピュータプログラムである。スマートコントラクトは、送金、及び外部データベース及びサービス(例えばオラクル)へのアクセスなどあらゆる種類の処理を仮想的に実行し得る。スマートコントラクトは、ブロックチェーンでのトランザクションの記録を支援するセキュアプラットフォーム(例えば仮想マシンを提供するイーサリアム(Ethereum)プラットフォーム)で実行され得る。スマートコントラクトコード自体は、認証できるように、スマートコントラクトコードのハッシュである識別トークンを使用して、ブロックチェーン内のトランザクションとして記録され得る。デプロイされると、スマートコントラクトのコンストラクタが実行され、スマートコントラクト及びそのステートが初期化される。イーサリアムでは、スマートコントラクトは、コントラクトアカウントに対応付けられる。イーサリアムには、秘密鍵で制御される外部所有アカウント(「EOA」)と、コンピュータコードで制御されるコントラクトアカウントとの2種類のアカウントが存在する。アカウントには、残高、コード(存在する場合)、及びストレージ(デフォルトでは空)のフィールドが含まれる。スマートコントラクトのコードは、コントラクトアカウントにコードとして格納され、スマートコントラクトのステートは、コントラクトアカウントのストレージに格納され、コントラクトアカウントのストレージに対し、コードの読み出し及びコードの書き込みを行うことができる。EOAにはコードがなく、ストレージを必要としないため、EOAではこれらの2つのフィールドは空である。アカウントは、ステートを有する。EOAのステートは、残高のみを含むが、コントラクトアカウントのステートは、残高及びストレージの両方を含む。全てのアカウントのステートが、イーサリアムネットワークのステートであり、ブロックごとに更新され、更新に関して、ネットワークはコンセンサスに至る必要がある。EOAは、EOAアカウントの秘密鍵でトランザクションに署名することにより、他のアカウントにトランザクションを送信し得る。トランザクションは、EOAから、トランザクション内で識別される受信アカウントに送信されるメッセージを含む、署名されたデータパッケージである。EOAと同様に、コントラクトアカウントは、そのコードの制御下で、他のアカウントにメッセージを送信することもできる。しかし、コントラクトアカウントは、受信したトランザクションに応じてのみ、メッセージを送信することができる。従って、イーサリアムブロックチェーン内の全てのアクションは、EOAから送信されるトランザクションによりトリガーされる。コントラクトアカウントは秘密鍵により制御されないため、コントラクトアカウントが送信するメッセージには暗号署名が含まれないという点で、コントラクトアカウントが送信するメッセージは、EOAが送信するトランザクションとは異なる。コントラクトアカウントがメッセージを受信すると、ブロックチェーンの複製を保持する全てのマイニングノードは、ブロック検証プロセスの一環として、コントラクトアカウントのコードを実行する。そのため、ブロックにトランザクションが追加されると、ブロックを検証する全てのノードは、そのトランザクションにコード実行がトリガーされるコードを実行する。各ノードでのコンピュータコードの実行は、ブロックチェーンの真正性を確保するのに役立つが、コンピュータコードのこのような冗長的実行に対応するには、大量のコンピュータリソースが必要となる。
【0148】
ブロックチェーンはトランザクションを効果的に格納できるが、ブロックチェーンの全ての複製を維持するために必要な大量のコンピュータリソース、例えばストレージ及び計算能力などは、問題となり得る。この問題を克服するために、トランザクションを格納するいくつかのシステムは、ブロックチェーンを使用するのではなく、トランザクションの各当事者に、トランザクションの自分の複製を維持させる。1つのこのようなシステムは、R3, Ltd.により開発されたCordaシステムであり、これは、プラットフォームの各参加者が分散型台帳の自分の部分を維持するノード(例えばコンピュータシステム)を有する非集中分散型台帳プラットフォームを提供する。当事者がトランザクションの条件に同意すると、当事者は、信頼できるノードであるノータリーに、公証のためにトランザクションを提出する。ノータリーは、未使用トランザクション出力のUTXOデータベースを維持する。トランザクションが受信されると、ノータリーは、トランザクションへの入力をUTXOデータベースと照合し、入力が照会する出力は使用されていないことを確認する。入力が使用されていない場合、ノータリーは、UTXOデータベースを更新して、照会された出力が使用されたことを示し、トランザクションを公証し(例えばノータリーの公開鍵でトランザクションまたはトランザクション識別子に署名することにより)、公証のためにトランザクションを提出した当事者に公証を送信する。当事者が公証を受信すると、当事者は公証を格納し、取引相手に公証を提供する。
【0149】
下記の段落は、MLMOシステム及び他のシステムの態様の様々な実施形態を説明する。システムの実装は、実施形態の任意の組み合わせを採用し得る。下記に説明される処理は、プロセッサを有するコンピューティングシステムにより実行され得、プロセッサは、システムを実施するコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行する。
【0150】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源から導出された電磁データを分類する分類器を生成するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁源の計算モデルにアクセスし、計算モデルは、電磁源の発生源構成に基づいて、電磁源の経時的な電磁出力をモデル化するために使用される。複数の発生源構成のそれぞれに関して、方法は、計算モデルを使用して、その発生源構成の電磁源のモデル化電磁出力を生成する。方法は、各モデル化電磁出力に関して、モデル化電磁出力の電磁データを導出し、モデル化電磁データの発生源構成に基づいて、導出した電磁データのラベルを生成する。方法は、導出電磁データで分類器を訓練し、次に導出電磁データを訓練データとしてラベル付けする。いくつかの実施形態では、発生源構成のモデル化電磁出力は、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁源の複数の位置それぞれのモデル化電磁値を有する電磁メッシュを含む。いくつかの実施形態では、時間間隔の導出電磁データは、電磁出力の同等の発生源表現である。いくつかの実施形態では、同等の発生源表現は、主成分分析を使用して生成される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、モデル化電磁出力の導出電磁データ内の周期を識別する。いくつかの実施形態では、各周期に同じラベルが生成される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、類似する周期のシーケンスを識別し、各シーケンスに同じラベルが生成される。いくつかの実施形態では、モデル化電磁出力の電磁データの導出は、周期ごとにモデル化電磁出力を正規化することを含む。いくつかの実施形態では、分類器は、畳み込みニューラルネットワークである。いくつかの実施形態では、畳み込みニューラルネットワークは、一次元画像を入力する。いくつかの実施形態では、分類器は、リカレントニューラルネットワーク、オートエンコーダ、制限付きボルツマンマシン、または他の種類のニューラルネットワークである。いくつかの実施形態では、分類器は、サポートベクトルマシンである。いくつかの実施形態では、分類器は、ベイズ分類器である。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、発生源構成は、心臓障害の発生源位置及び他の特性を表し、モデル化電磁出力は、心臓の活性化を表し、電磁データは、心電図などの体表面測定に基づく。いくつかの実施形態では、心臓障害は、不適切洞頻拍(「IST」)、異所性心房調律、接合部調律、心室補充調律、心房細動(「AF」)、心室細動(「VF」)、巣状心房頻拍(「巣状AT」)、心房マイクロリエントリ、心室頻拍(「VT」)、心房粗動(「AFL」)、心室性期外収縮(「PVC」)、心房性期外収縮(「PAC」)、房室結節リエントリ性頻拍(「AVNRT」)、房室リエントリ性頻拍(「AVRT」)、永続性接合部回帰頻拍(「PJRT」)、及び接合部頻拍(「JT」)から成る集合から選択される。
【0151】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源である標的から収集した電磁出力を分類するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、分類器にアクセスして、電磁源の電磁出力の分類を生成する。分類器は、電磁源の複数の発生源構成のモデル化電磁出力から生成された訓練データを使用して、訓練される。モデル化電磁出力は、発生源構成に基づいて電磁源の経時的な電磁出力をモデル化する電磁源の計算モデルを使用して、生成される。方法は、標的からの標的電磁出力を収集する。方法は、標的電磁出力に分類器を適用して、標的の分類を生成する。いくつかの実施形態では、訓練データは、発生源構成のそれぞれに関して、シミュレーションを実行することにより生成され、シミュレーションは、複数のシミュレーション間隔それぞれの電磁メッシュを生成し、各電磁メッシュは、電磁源の複数の位置に関して電磁値を有する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、発生源構成は、心臓障害の発生源位置を表し、モデル化電磁出力は、心臓の活性化を表し、分類器は、電磁出力の心電図表現から導出された電磁データを使用して訓練される。
【0152】
いくつかの実施形態では、電磁源の電磁出力を分類する分類器を生成するための1つ以上のコンピューティングシステムが提供される。1つ以上のコンピューティングシステムは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサとを含む。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、電磁源の計算モデルを格納する。計算モデルは、電磁源の発生源構成に基づいて、電磁源の経時的な電磁出力をモデル化する。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、複数の発生源構成のそれぞれに関して、発生源構成に基づく計算モデルの電磁出力から訓練データを生成し、訓練データを使用して分類器を訓練することを、実行させるコンピュータ実行可能命令を格納する。いくつかの実施形態では、発生源構成の訓練データを生成するコンピュータ実行可能命令はさらに、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、発生源構成の電磁出力から導出電磁データを生成し、発生源構成に基づいて電磁データのラベルを生成することを、実行させる。
【0153】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源のシミュレート解剖構造を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁源のシード解剖構造にアクセスする。各シード解剖構造は、電磁源の複数の解剖構造パラメータのそれぞれに関して、シード値を有する。方法は、各シード解剖構造の重みを含む重み集合にアクセスする。解剖構造パラメータのそれぞれに関して、方法は、その解剖構造パラメータのシード値を組み合わせて、シード解剖構造の重みを計算に取り入れることにより、その解剖構造パラメータのシミュレート値を生成する。いくつかの実施形態では、方法は、母集団で見つかる解剖構造パラメータの値との比較に基づいて、シミュレート解剖構造を検証する。いくつかの実施形態では、解剖構造パラメータは電磁源の寸法を含み、寸法のシミュレート値は、母集団内の患者がその寸法に関してシミュレート値とほぼ同じ値を有する場合、有効と認められる。いくつかの実施形態では、シード解剖構造の解剖構造パラメータは、体内の実際の電磁源をスキャンすることにより収集される。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓である。いくつかの実施形態では、方法は、解剖構造パラメータのシミュレート値を、その解剖構造パラメータのシード値の加重平均に基づいて生成する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、複数のシミュレート解剖構造を生成し、各シミュレート解剖構造は、異なる重み集合に基づく。
【0154】
いくつかの実施形態では、心臓のシミュレート解剖構造を生成するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、心臓のシード解剖構造を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を備え、各シード解剖構造は、心臓の複数の解剖構造パラメータのそれぞれに関して、シード値を有する。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体はまた、重み集合を格納し、各重み集合は、各シード解剖構造の重みを含む。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングシステムを制御して、各重み集合及びその重み集合の解剖構造パラメータのそれぞれに関して、その解剖構造パラメータのシード値を組み合わせて、シード解剖構造の重みを計算に取り入れることにより、その解剖構造パラメータのシミュレート値を生成することを、実行させるコンピュータ実行可能命令を格納する。コンピューティングシステムはさらに、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、母集団で見つかる解剖構造パラメータの値との比較に基づいて、各シミュレート解剖構造を検証することを、実行させる。いくつかの実施形態では、解剖構造パラメータは、心臓の壁の厚さ及び心腔の寸法を含む。いくつかの実施形態では、寸法のシミュレート値は、母集団内の患者がその寸法に関してシミュレート値とほぼ同じ値を有する場合、有効と認められる。いくつかの実施形態では、シード解剖構造は、母集団で見つかる極端な心臓を表す。いくつかの実施形態では、シード解剖構造の解剖構造パラメータは、心臓をスキャンすることにより収集される。いくつかの実施形態では、解剖構造パラメータのシミュレート値の生成は、その解剖構造パラメータのシード値の加重平均に基づく。いくつかの実施形態では、心臓をモデル化する不整脈モデルライブラリを生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、心臓の解剖構造パラメータのシミュレート解剖構造にアクセスする。シミュレート解剖構造は、心臓の解剖構造パラメータのシード解剖構造と、各シード解剖構造の重みを含む重み集合とに基づいて生成される。方法は、構成パラメータにアクセスし、構成パラメータには、胴体解剖構造、正常な心臓解剖構造及び異常な心臓解剖構造、正常な心臓組織及び異常な心臓組織、瘢痕、線維症、炎症、浮腫、副伝導路、先天性心疾患、悪性腫瘍、前のアブレーション部位、前の手術部位、外照射療法部位、ペーシングリード、植込み型除細動器リード、心臓再同期療法リード、ペースメーカーパルス発生器位置、植込み型除細動器パルス発生器位置、皮下除細動器リード位置、皮下除細動器パルス発生器位置、リードレスペースメーカ位置、他の植込み型ハードウェア(例えば右心室補助装置または左心室補助装置)、体外式除細動電極、表面ECGリード、表面マッピングリード、マッピングベスト、並びに心臓内の他の正常分布及び病態生理学的特徴分布、心臓の活動電位動態、心臓の伝導率集合、及び心臓内の不整脈発生源位置などのうちの1つ以上が含まれる。方法は、発生源構成を確立し、各発生源構成は、シミュレート解剖構造、及び電気生理学パラメータの組み合わせに基づく。複数の発生源構成のそれぞれに関して、方法は、その発生源構成のシミュレート解剖構造に基づいて、頂点を有するメッシュを生成し、メッシュの各頂点に関して、その発生源構成の電気生理学パラメータの組み合わせに基づいて、心臓の計算モデルのモデルパラメータを生成する。その頂点での電磁伝搬をモデル化する計算モデルは、その発生源構成の電気生理学パラメータに基づく。いくつかの実施形態では、方法は、心臓のシード解剖構造にアクセスすることによりシミュレート解剖構造を生成することであって、各シード解剖構造は心臓の解剖構造パラメータそれぞれのシード値を有する、当該生成することと、各シード解剖構造の重みを含む重み集合にアクセスすることと、解剖構造パラメータのそれぞれに関して、その解剖構造パラメータのシード値を組み合わせて、シード解剖構造の重みを計算に取り入れることにより、その解剖構造パラメータのシミュレート値を生成することと、を実行する。いくつかの実施形態では、シミュレート解剖構造は、母集団で見つかる解剖構造パラメータの値との比較に基づいて、検証される。いくつかの実施形態では、シード解剖構造の解剖構造パラメータは、実際の心臓をスキャンすることにより収集される。いくつかの実施形態では、複数の発生源構成のそれぞれに関して、方法は、心臓の計算モデルを使用して、その発生源構成の心臓のモデル化電磁出力を生成する。いくつかの実施形態では、各発生源構成に関して、方法は、その発生源構成に基づくモデル化電磁出力の訓練データを生成し、訓練データを使用して、心臓の電磁出力を分類するための分類器を訓練する。
【0155】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源のモデルのモデルライブラリを生成するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、シード解剖構造から電磁源の解剖構造パラメータのシミュレート解剖構造を生成し、シミュレート解剖構造及び構成パラメータの組み合わせに各自基づく発生源構成を生成することを、実行させる。命令は、コンピューティングシステムを制御して、複数の発生源構成のそれぞれに関して、その発生源構成のシミュレート解剖構造に基づいて、頂点を有するメッシュを生成し、メッシュの各頂点に関して、その発生源構成の構成パラメータの組み合わせに基づいて、電磁源の計算モデルのモデルパラメータを生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、頂点での電磁伝搬をモデル化する計算モデルは、発生源構成の構成パラメータに基づく。いくつかの実施形態では、シミュレート解剖構造は、シード解剖構造の解剖構造パラメータと、各シード解剖構造の重みを含む重み集合とに基づいて、生成される。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、構成パラメータには、胴体解剖構造、正常な心臓解剖構造及び異常な心臓解剖構造、正常な心臓組織及び異常な心臓組織、瘢痕、線維症、炎症、浮腫、副伝導路、先天性心疾患、悪性腫瘍、前のアブレーション部位、前の手術部位、外照射療法部位、ペーシングリード、植込み型除細動器リード、心臓再同期療法リード、ペースメーカーパルス発生器位置、植込み型除細動器パルス発生器位置、皮下除細動器リード位置、皮下除細動器パルス発生器位置、リードレスペースメーカ位置、他の植込み型ハードウェア(例えば右心室補助装置または左心室補助装置)、体外式除細動電極、表面ECGリード、表面マッピングリード、マッピングベスト、並びに心臓内の他の正常分布及び病態生理学的特徴分布、心臓の活動電位動態、心臓の伝導率集合、及び心臓内の不整脈発生源位置のうちの1つ以上が含まれる。いくつかの実施形態では、シミュレート解剖構造は、母集団で見つかる解剖構造パラメータの値との比較に基づいて、検証される。いくつかの実施形態では、シード解剖構造の解剖構造パラメータは、実際の電磁源をスキャンすることにより収集される。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、複数の発生源構成のそれぞれに関して、電磁源の計算モデルを使用して、その発生源構成の電磁源のモデル化電磁出力を生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、各発生源構成に関して、その発生源構成に基づくモデル化電磁出力の訓練データを生成し、訓練データを使用して、電磁源の電磁出力を分類するための分類器を訓練することを、実行させる。
【0156】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源のモデルのモデルライブラリを生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁源の解剖構造パラメータのシミュレート解剖構造にアクセスする。方法は、発生源構成を生成し、各発生源構成は、シミュレート解剖構造、及び構成パラメータの組み合わせに基づく。複数の発生源構成のそれぞれに関して、方法は、その発生源構成のシミュレート解剖構造、その発生源構成の構成パラメータの組み合わせ、及び電磁源の計算モデルに基づいて、モデルを生成する。いくつかの実施形態では、モデルの生成は、その発生源構成のシミュレート解剖構造に基づいてメッシュを生成することと、メッシュの各頂点に関して、その発生源構成の構成パラメータの組み合わせに基づいて、電磁源の計算モデルのモデルパラメータを生成することと、を含む。いくつかの実施形態では、計算モデルは、発生源構成の構成パラメータに基づいて、頂点での電磁伝搬をモデル化するためのものである。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、モデルは不整脈モデルである。いくつかの実施形態では、方法はさらに、シード解剖構造の解剖構造パラメータと、各シード解剖構造の重みを含む重み集合とに基づいて、シミュレート解剖構造を生成する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、構成パラメータには、人の胴体、正常な心臓解剖構造及び異常な心臓解剖構造、正常な心臓組織及び異常な心臓組織、瘢痕、線維症、炎症、浮腫、副伝導路、先天性心疾患、悪性腫瘍、前のアブレーション部位、前の手術部位、外照射療法部位、ペーシングリード、植込み型除細動器リード、心臓再同期療法リード、ペースメーカーパルス発生器位置、植込み型除細動器パルス発生器位置、皮下除細動器リード位置、皮下除細動器パルス発生器位置、リードレスペースメーカ位置、他の植込み型ハードウェア(例えば右心室補助装置または左心室補助装置)、体外式除細動電極、表面ECGリード、表面マッピングリード、マッピングベスト、並びに心臓内の他の正常分布及び病態生理学的特徴分布、心臓の活動電位動態、心臓の伝導率集合、及び心臓内の不整脈発生源位置などのうちの1つ以上が含まれる。
【0157】
いくつかの実施形態では、体部位のシミュレート解剖構造の重みを提示するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、体部位のシード解剖構造にアクセスする。各シード解剖構造は、体部位の複数の解剖構造パラメータそれぞれのシード値を有する。体部位の複数のシード解剖構造のそれぞれに関して、方法は、そのシード解剖構造の解剖構造パラメータのシード値に基づいて、体部位のシード表現を表示する。方法は、各シード解剖構造の重みを含む重み集合にアクセスする。方法は、各解剖構造パラメータに関して、その解剖構造パラメータのシード解剖構造のシード値を組み合わせて、シード解剖構造の重みを計算に取り入れることにより、各解剖構造パラメータのシミュレート値に基づいて、体部位のシミュレート表現を表示する。いくつかの実施形態では、円形配置で表示されたシミュレート表現と共に、シード表現が円形配置で表示される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、シード解剖構造の各表示シード表現に伴い、そのシード解剖構造に対応付けられた重みの指示を表示する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、各表示シード表現と表示シミュレート表現との間に線を表示し、シード解剖構造の重みの表示指示は、そのシード解剖構造の表示シード表現と表示シミュレート表現との間の表示線に対応付けられて表示される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、各シード解剖構造の重みを指定するためのユーザインターフェース要素を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、複数の重み集合を指定するためのユーザインターフェース要素を提供し、各集合は、各シード解剖構造の重みを含む。いくつかの実施形態では、複数の重み集合は、重みの範囲及び増分を提供することにより、指定される。いくつかの実施形態では、体部位は心臓である。いくつかの実施形態では、体部位は肺である。いくつかの実施形態では、体部位は胴体表面である。
【0158】
いくつかの実施形態では、体部位のシミュレート解剖構造を提示するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、体部位の複数のシード解剖構造のそれぞれに関して、そのシード解剖構造の解剖構造パラメータのシード値に基づいて、体部位のシード表現を表示し、解剖構造パラメータのシード解剖構造のシード値の加重組み合わせから導出された解剖構造パラメータのシミュレート値を有するシミュレート解剖構造に基づいて、体部位のシミュレート表現を表示することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、各解剖構造パラメータに関して、その解剖構造パラメータのシード解剖構造のシード値を組み合わせて、シード解剖構造の重みを計算に取り入れることで、その解剖構造パラメータのシミュレート値を生成することにより、シミュレート解剖構造を生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、円形配置で表示されたシミュレート表現と共に、シード表現が円形配置で表示される。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、シード解剖構造の各表示シード表現に伴い、そのシード解剖構造に対応付けられた重みの指示を表示することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、各重み集合が各シード解剖構造の重みを含む複数の重み集合を指定するためのユーザインターフェースを提供することを、実行させる。いくつかの実施形態では、複数の重み集合は、重みの範囲及び増分により指定される。
【0159】
いくつかの実施形態では、心臓のシミュレート解剖構造を提示するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。心臓の複数のシード解剖構造のそれぞれに関して、方法は、そのシード解剖構造の解剖構造パラメータのシード値に基づいて、心臓のシード表現を表示する。方法は、各解剖構造パラメータに関して、その解剖構造パラメータのシード解剖構造のシード値の加重組み合わせから生成されたその解剖構造パラメータのシミュレート値から導出されたシミュレート解剖構造に基づいて、心臓のシミュレート表現を表示する。いくつかの実施形態では、円形(例えば同心円)配置で表示されたシミュレート表現と共に、シード表現が円形配置で表示される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、シード解剖構造の各表示シード表現に伴い、そのシード解剖構造に対応付けられた重みの指示を表示する。
【0160】
いくつかの実施形態では、第1の多面体モデルを第2の多面体モデルに変換するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。第1の多面体モデルは、第1の多面体を含む体積の第1の多面体メッシュを有する。第1の多面体の各頂点は、モデルパラメータを有する。方法は、第1の多面体から、第1の多面体モデルの表面の表現を生成する。方法は、第1の多面体とは異なる第2の多面体による表面を、体積に配置することにより、第2の多面体モデルの第2の多面体メッシュを生成する。第2の多面体メッシュの第2の多面体の複数の頂点のそれぞれに関して、方法は、その頂点に近接する第1の多面体の頂点のパラメータに基づいて、その頂点のモデルパラメータを補間する。いくつかの実施形態では、第1の多面体は六面体であり、第2の多面体は四面体である。いくつかの実施形態では、多面体メッシュは体部位を表す。いくつかの実施形態では、体部位は心臓である。いくつかの実施形態では、第1の多面体メッシュは原点を有し、方法は、モデルパラメータを補間する前に、第2の多面体メッシュを同じ原点にマッピングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の多面体の各頂点は、複数のパラメータを有し、各モデルパラメータを補間する。いくつかの実施形態では、第1の多面体モデル及び第2の多面体モデルは、体内の電磁源の計算モデルを表し、方法はさらに、第2の多面体のメッシュに作用するように適合された問題解決器を使用して、第2の多面体モデルに基づいて、電磁源のモデル化電磁出力を生成する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、方法はさらに、モデル化電磁出力からベクトル心電図を生成する。いくつかの実施形態では、第1の多面体モデル及び第2の多面体モデルは、(例えば心臓解剖構造または胴体解剖構造の)形状モデルである。いくつかの実施形態では、第1の多面体モデル及び第2の多面体モデルは、体内の電磁源のモデルを表し、方法はさらに、異なる発生源構成を表す複数の第1の多面体モデルを変換する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、発生源構成は、線維構造、胴体解剖構造、正常な心臓解剖構造及び異常な心臓解剖構造、正常な心臓組織及び異常な心臓組織、瘢痕、線維症、炎症、浮腫、副伝導路、先天性心疾患、悪性腫瘍、前のアブレーション部位、前の手術部位、外照射療法部位、ペーシングリード、植込み型除細動器リード、心臓再同期療法リード、ペースメーカーパルス発生器位置、植込み型除細動器パルス発生器位置、皮下除細動器リード位置、皮下除細動器パルス発生器位置、リードレスペースメーカ位置、他の植込み型ハードウェア(例えば右心室補助装置または左心室補助装置)、体外式除細動電極、表面ECGリード、表面マッピングリード、マッピングベスト、並びに心臓内の他の正常分布及び病態生理学的特徴分布、活動電位動態、伝導率、及び不整脈発生源位置(複数可)などのうちの1つ以上を指定する。
【0161】
いくつかの実施形態では、体部位の第1の多面体モデルを体部位の第2の多面体モデルに変換するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、第1の多面体モデルの表面の表現を生成することを、実行させる。第1の多面体モデルは、第1の多面体に基づく第1の多面体メッシュを有する。命令は、コンピューティングシステムを制御して、第1の多面体とは異なる第2の多面体に基づく表面を、体積に配置することにより、第2の多面体モデルの第2の多面体メッシュを生成することを、実行させる。命令は、コンピューティングシステムを制御して、第2の多面体メッシュの第2の多面体の複数の頂点のそれぞれに関して、その頂点に近接する第1の多面体メッシュの第1の多面体の頂点のパラメータに基づいて、その頂点のモデルパラメータを補間することを、実行させる。いくつかの実施形態では、第1の多面体は六面体であり、第2の多面体は四面体である。いくつかの実施形態では、第1の多面体メッシュは原点を有し、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、モデルパラメータを補間する前に、第2の多面体メッシュを同じ原点にマッピングすることを、実行させる。いくつかの実施形態では、第1の多面体モデル及び第2の多面体モデルは、心臓の計算モデルを表し、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、第2の多面体のメッシュに作用するように適合された問題解決器を使用して、第2の多面体モデルに基づいて、電磁心臓のモデル化電磁出力を生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、モデル化電磁出力からベクトル心電図を生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、第1の多面体モデル及び第2の多面体モデルは、(例えば心臓解剖構造または胴体解剖構造の)形状モデルである。
【0162】
いくつかの実施形態では、第1の多面体モデルを第2のモデルに変換するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。第1の多面体モデルは、第1の多面体を含む体積の第1の多面体メッシュを有する。第1の多面体の各頂点は、モデルパラメータを有する。方法は、第1の多面体から、第1の多面体モデルの表面の表現を生成する。第2のモデルの複数の点のそれぞれに関して、方法は、その頂点に近接するとみなされる第1の多面体の頂点のパラメータに基づいて、その点のモデルパラメータを補間する。いくつかの実施形態では、第2のモデルは、第2の多面体モデルであり、点は、第2の多面体モデルの頂点である。いくつかの実施形態では、第2のモデルは、等間隔のグリッド点で表現され、点は、グリッド点である。
【0163】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源の導出電磁データを生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁源の第1のモデルの経時的なモデル化電磁出力にアクセスする。第1のモデルは、第1の解剖構造を指定する第1の発生源構成に基づく。モデル化電磁出力は、電磁源の計算モデルを使用して生成される。計算モデルは、発生源構成に基づくモデルに基づいて、電磁源の経時的なモデル化電磁出力を生成するためのものである。方法は、第2の解剖構造を指定する第2の発生源構成に基づく電磁源の第2のモデルにアクセスする。方法は、第1の解剖構造と第2の解剖構造との差異を考慮して、電磁源の第1のモデルのモデル化電磁出力に基づいて、電磁源の第2のモデルの導出電磁データを生成する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、導出電磁データは心拍動曲線である。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、ベクトル心電図である。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、心電図である。いくつかの実施形態では、モデルのモデル化電磁出力は、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁メッシュの複数の頂点のそれぞれにモデル化電磁値を有する電磁メッシュを含む。いくつかの実施形態では、モデル化電磁出力は、電位解の集合である。
【0164】
いくつかの実施形態では、心臓の心拍動曲線を生成するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、心臓の第1の不整脈モデルの経時的なモデル化電磁出力を格納するための1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を備える。第1の不整脈モデルは、第1の解剖構造に基づく。モデル化電磁出力は、不整脈モデルに基づいて心臓の経時的なモデル化電磁出力を生成する心臓の計算モデルを使用して、生成される。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、第2の解剖構造に基づく第2の不整脈モデルを格納する。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングシステムを制御して、第1の解剖構造と第2の解剖構造との差異を考慮して、第1の不整脈モデルのモデル化電磁出力に基づいて、第2の不整脈モデルの心拍動曲線を生成することを、実行させるコンピュータ実行可能命令を格納する。コンピューティングシステムは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、ベクトル心電図である。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、心電図である。いくつかの実施形態では、不整脈モデルのモデル化電磁出力は、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁メッシュの複数の頂点のそれぞれにモデル化電磁値を有する電磁メッシュを含む。いくつかの実施形態では、モデル化電磁出力は、電位解の集合である。
【0165】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源のモデル化電磁出力の生成をブートストラップするために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、第1のシミュレーション間隔での電磁源の第1の発生源構成を有する第1のモデルの第1のモデル化電磁出力に、アクセスする。第1のモデル化電磁出力は、電磁源の計算モデルを使用して生成される。方法は、電磁源の第2の発生源構成を有する第2のモデルの第2のモデル化電磁出力を、第1のシミュレーション間隔のうちの1つの間隔の第1のモデル化電磁出力に初期化する。複数の第2のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、方法は、計算モデルを使用して、初期化された第2のモデル化電磁出力に基づいて、電磁源の第2のモデルの第2のモデル化電磁出力を生成する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、第2の発生源構成は、心臓内の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置に基づいて、第1の発生源構成とは異なる。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、第1のモデル及び第2のモデルは不整脈モデルである。いくつかの実施形態では、モデルのモデル化電磁出力は、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁メッシュの複数の頂点のそれぞれにモデル化電磁値を有する電磁メッシュを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、複数の第1のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、計算モデルを使用して、第1のモデルの第1のモデル化電磁出力を生成する。いくつかの実施形態では、方法は、第1のシミュレーション間隔の第1のモデル化電磁出力が安定化した後、第2のモデル化電磁出力を、第1のシミュレーション間隔の第1のモデル化電磁出力に初期化する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、第1のモデル化電磁出力は、律動が安定化している。
【0166】
いくつかの実施形態では、心臓のモデル化電磁出力の生成をブートストラップするためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、第1のシミュレーション間隔での心臓の第1の不整脈モデルの第1のモデル化電磁出力を格納するための1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を備え、第1のモデル化電磁出力は、心臓の計算モデルを使用して生成される。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体はまた、コンピューティングシステムを制御して、心臓の第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力を、第1のシミュレーション間隔のうちの1つの間隔の第1のモデル化電磁出力に初期化し、計算モデルを使用して、初期化した第2のモデル化電磁出力に基づいて、第2の不整脈モデルの第2のモデル化電磁出力をシミュレートすることを、実行させるコンピュータ実行可能命令を格納する。コンピューティングシステムはまた、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、第1の不整脈モデル及び第2の不整脈モデルは、心臓内の異なる瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置に基づく。いくつかの実施形態では、不整脈モデルのモデル化電磁出力は、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁メッシュの複数の頂点のそれぞれにモデル化電磁値を有する電磁メッシュを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、複数の第1のシミュレーション間隔のそれぞれに関して、計算モデルを使用して、第1の不整脈モデルの第1のモデル化電磁出力を生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングシステムを制御して、第1のシミュレーション間隔の第1のモデル化電磁出力が安定化した後、第2のモデル化電磁出力を、第1のシミュレーション間隔の第1のモデル化電磁出力に初期化することを、実行させる。いくつかの実施形態では、第1のモデル化電磁出力は、律動が安定化している。
【0167】
いくつかの実施形態では、患者から収集された電磁データにマッチングする導出電磁データを識別するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。電磁データは、体内の電磁源からの電磁出力を表す。方法は、電磁源の複数のモデル発生源構成のそれぞれに関して、そのモデル発生源構成と、そのモデル発生源構成に基づいて導出された電磁データとのマッピングにアクセスする。方法は、患者内の電磁源の発生源構成を表す患者発生源構成にアクセスする。方法は、患者発生源構成にマッチングするモデル発生源構成を識別する。方法は、識別したモデル発生源構成がマッピングされた導出電磁データから、患者電磁データにマッチングする導出電磁データを識別する。いくつかの実施形態では、導出電磁データは、電磁源の計算モデルを使用してモデル発生源構成に基づいて生成されたモデル化電磁出力から、導出される。いくつかの実施形態では、モデル発生源構成のモデル化電磁データは、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁源の複数の位置それぞれのモデル化電磁値を有する電磁メッシュを含む。いくつかの実施形態では、識別したモデル発生源構成の解剖構造パラメータの値が、患者発生源構成のその解剖構造パラメータの値とマッチングしない場合、方法はさらに、そのモデル発生源構成のモデル化電磁出力及び値の差に基づいて、調整された導出電磁データを生成する。いくつかの実施形態では、発生源構成は、解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータを含む構成パラメータを含む。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、構成パラメータは、心臓内の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置、心臓の活動電位、心臓の伝導率、及び不整脈位置を含む。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、解剖構造パラメータは、心腔の寸法、心臓の壁の厚さ、及び心臓の配向を含む。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、導出電磁データは心拍動曲線である。いくつかの実施形態では、モデル発生源構成は、電磁源の属性に関連する障害パラメータを含むため、モデル発生源構成の導出電磁データは、その属性に基づく。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、属性は不整脈に基づく。いくつかの実施形態では、患者電磁データにマッチングする導出電磁データの識別は、ピアソン相関係数、及び二乗平均平方根誤差などに基づく。いくつかの実施形態では、患者電磁データにマッチングする導出電磁データの識別は、二乗平均平方根誤差に基づく。いくつかの実施形態では、発生源構成は、構成パラメータを含み、モデル発生源構成は、各構成パラメータの値を含み、患者発生源構成は、構成パラメータの真部分集合のみの値を含む。いくつかの実施形態では、導出電磁データは、電磁源のモデル配向に基づき、患者の電磁源の患者配向がモデル配向と異なる場合、導出電磁データの識別は、モデル配向と患者配向との差異を考慮する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、電磁データはベクトル心電図であり、導出電磁データの識別は、モデル配向と患者配向との差異に基づいて回転行列を生成することと、回転行列に基づいてベクトル心電図を回転させることとを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、患者内の電磁源の電磁出力を表す患者電磁データに基づいて、患者の分類を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁源のモデル発生源構成の複数のクラスタ(例えばグループ)のそれぞれに関して、そのクラスタのモデル発生源構成に基づいて訓練されたそのクラスタの分類器にアクセスして、導出電磁データの分類を生成する。方法は、患者内の電磁源の発生源構成を表す患者発生源構成にアクセスする。方法は、患者発生源構成にマッチングするモデル発生源構成を有するクラスタを識別する。方法は、識別したクラスタの分類器を患者電磁データに適用して、患者の分類を生成する。いくつかの実施形態では、導出電磁データは、電磁源の計算モデルを使用してモデル発生源構成に基づいて生成されたモデル化電磁出力から、導出される。いくつかの実施形態では、発生源構成は、解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータを含む構成パラメータを含む。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、構成パラメータは、心臓内の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置、心臓の活動電位、及び心臓の伝導率を含む。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、解剖構造パラメータは、心腔の寸法及び心臓の壁の厚さを含む。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、導出電磁データは心拍動曲線である。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、ベクトル心電図である。いくつかの実施形態では、モデル発生源構成は、コサイン類似度に基づいて、患者発生源構成にマッチングする。いくつかの実施形態では、方法はさらに、モデル発生源構成のクラスタを生成し、クラスタのそれぞれに関して、そのクラスタのモデル発生源構成のそれぞれについて、そのモデル発生源構成に基づいて電磁源のシミュレート電磁出力を生成し、そのモデル発生源構成に基づくシミュレート電磁出力から、そのモデル発生源構成の導出電磁データを生成する。いくつかの実施形態では、発生源構成は、構成パラメータを含み、モデル発生源構成は、各構成パラメータの値を含み、患者発生源構成は、構成パラメータの真部分集合のみの値を含む。いくつかの実施形態では、導出電磁データは、電磁源のモデル配向に基づき、方法はさらに、患者の電磁源の患者配向がモデル配向と異なる場合、モデル配向と患者配向との差異に基づいて、患者電磁データを調整する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、分類は、不整脈の発生源位置に基づく。
【0169】
いくつかの実施形態では、患者から収集された患者心拍動曲線にマッチングするモデル心拍動曲線を識別するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を備え、コンピュータ可読記憶媒体は、心臓の複数のモデル発生源構成のそれぞれに関して、そのモデル発生源構成のモデル化心拍動曲線と、患者の心臓を表す患者発生源構成と、コンピュータ実行可能命令と、を格納し、コンピュータ実行可能命令は実行されると、コンピューティングシステムを制御して、患者発生源構成にマッチングするモデル発生源構成を識別し、識別したモデル発生源構成のモデル化心拍動曲線から、患者心拍動曲線にマッチングするモデル化心拍動曲線を識別することを、実行させる。コンピューティングシステムは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、モデル化心拍動曲線は、心臓の計算モデルを使用して、モデル発生源構成を有する心臓のモデル化電磁出力から生成される。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、モデル発生源構成と患者発生源構成との解剖構造パラメータの値の差に基づいて、調整される。いくつかの実施形態では、モデル発生源構成は、心臓内の瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置、心臓の活動電位、心臓の伝導率、及び不整脈位置を含む。いくつかの実施形態では、モデル発生源構成は、心腔の寸法、心臓の壁の厚さ、及び心臓の配向を含む。いくつかの実施形態では、発生源構成は、構成パラメータを含み、モデル発生源構成は、各構成パラメータの値を含み、患者発生源構成は、構成パラメータの真部分集合のみの値を含む。いくつかの実施形態では、モデル化心拍動曲線は、心臓のモデル配向に基づき、心臓の患者配向がモデル配向と異なる場合、モデル化心拍動曲線の識別は、モデル配向と患者配向との差異を考慮する。
【0170】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源の電磁出力から導出された電磁データを分類する患者分類器を生成するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁源の電磁出力の分類を生成するためのモデル分類器にアクセスする。モデル分類器は、モデル化導出電磁データ及びモデル分類を含む訓練データに基づいて学習を行ったモデル分類器重みを有する。モデル化導出電磁データは、発生源構成に基づいて電磁源の経時的な電磁出力をモデル化する電磁源の計算モデルを使用して生成されたモデル化電磁出力から、導出される。方法は、複数の患者のそれぞれに関して、患者導出電磁データ及びその患者の患者分類を含む患者訓練データにアクセスする。方法は、患者分類器の患者分類器重みを、モデル分類器重みに基づいて初期化する。方法は、患者訓練データ及び初期化された患者分類器重みで、患者分類器を訓練する。いくつかの実施形態では、分類器は、畳み込みニューラルネットワークである。いくつかの実施形態では、畳み込みニューラルネットワークは、一次元画像を入力する。いくつかの実施形態では、モデル分類器は、患者の発生源構成に類似していると識別された発生源構成に基づいて生成されたモデル化電磁出力から導出されたモデル化導出電磁データを含む訓練データを使用して、訓練される。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、発生源構成は、心臓の解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータを表し、モデル化電磁出力は、心臓の活性化を表し、導出電磁データは、体表面測定に基づく。いくつかの実施形態では、電気生理学パラメータは心臓障害に基づき、心臓障害は、洞調律、不適切洞頻拍、異所性心房調律、接合部調律、心室補充調律、心房細動、心室細動、巣状心房頻拍、心房マイクロリエントリ、心室頻拍、心房粗動、心室性期外収縮、心房性期外収縮、房室結節リエントリ性頻拍、房室リエントリ性頻拍、永続性接合部回帰頻拍、及び接合部頻拍から成るがこれらに限定されないグループから選択される。いくつかの実施形態では、電磁データは、心拍動曲線である。いくつかの実施形態では、分類は、発生源位置である。いくつかの実施形態では、患者の患者導出電磁データは、その患者の電磁源の患者電磁出力から導出される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、対象患者の対象患者導出電磁データを受信し、対象患者導出電磁データに患者分類器を適用して、対象患者の分類を生成する。
【0171】
いくつかの実施形態では、対象患者の患者導出電磁データを分類するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。患者導出電磁データは、患者の体内の電磁源の患者電磁出力から導出される。方法は、患者分類器にアクセスして、電磁源の患者導出電磁データの分類を生成する。分類器は、モデル分類器の重み及び患者訓練データを使用して訓練され、モデル分類器は、モデル化導出電磁データ及びモデル分類を使用して訓練される。モデル化導出電磁データは、モデル化電磁出力から生成される。モデル化電磁出力は、電磁源の計算モデルを使用して、複数の発生源構成に関して生成される。患者訓練データには、患者導出電磁データ及び患者分類が含まれる。方法は、対象患者の患者導出電磁データを受信し、受信した患者導出電磁データに患者分類器を適用して、対象患者の患者分類を生成する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、発生源構成は、心臓の解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータを表し、モデル化電磁出力は、心臓の活性化を表し、導出電磁データは、体表面測定に基づく。
【0172】
いくつかの実施形態では、心拍動曲線を分類する患者分類器を生成するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、患者分類器の患者分類器重みを、モデル分類器のモデル分類器重みに初期化することを、実行させる。モデル分類器は、モデル心臓構成に適用された心臓の計算モデルに基づいて生成されたモデル化心拍動曲線に基づいて、訓練される。命令は、コンピューティングシステムを制御して、患者訓練データ及び初期化された患者分類器重みで患者分類器を訓練することを、実行させ、患者訓練データには、複数の患者のそれぞれに関して、その患者の患者心拍動曲線及び患者分類が含まれる。いくつかの実施形態では、モデル分類器及び患者分類器は、畳み込みニューラルネットワークである。いくつかの実施形態では、畳み込みニューラルネットワークは、一次元画像を入力する。いくつかの実施形態では、モデル分類器及び患者分類器は、ニューラルネットワークである。いくつかの実施形態では、モデル分類器は、患者の患者心臓構成に類似するモデル心臓構成に基づいて生成されたモデル化心拍動曲線を使用して、訓練される。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、複数の類似患者クラスタのそれぞれに関して、そのクラスタ内の患者の心拍動曲線及び患者分類を含む患者訓練データに基づいて、クラスタ患者分類器を訓練することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、患者の患者心臓構成の比較に基づいて、類似患者を識別することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、患者の心拍動曲線の比較に基づいて、類似患者を識別することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、対象患者に類似する類似患者のクラスタを識別し、その識別したクラスタのクラスタ患者分類器を対象患者の対象患者心拍動曲線に適用して、対象患者の対象患者分類を生成することを、実行させる。
【0173】
いくつかの実施形態では、対象患者の対象心拍動曲線に基づいて対象患者の分類を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、患者の心拍動曲線を含む患者訓練データと、モデル化心拍動曲線を含むモデル訓練データに基づいて生成されたモデル分類器からの移転とに基づいて、患者分類器を生成する。モデル化心拍動曲線は、心臓の計算モデル及びモデル心臓構成に基づいて、生成される。方法は、対象心拍動曲線に患者分類器を適用して、対象患者の対象分類を生成する。
【0174】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源の電磁出力から導出された導出電磁データを分類する患者特有モデル分類器を生成するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、対象患者に類似するモデルを識別する。識別した各モデルに関して、方法は、電磁源の計算モデルを適用して、そのモデルのモデル発生源構成に基づいて電磁源のモデル化電磁出力を生成し、そのモデルに関して生成したモデル化電磁出力からモデル化導出電磁データを導出し、そのモデルのラベルを生成する。方法は、訓練データとして、モデル化導出電磁データ及び生成したラベルを使用して、患者特有モデル分類器を訓練する。いくつかの実施形態では、分類器は、一次元画像を入力する畳み込みニューラルネットワークである。いくつかの実施形態では、モデルと対象患者との類似性は、発生源構成に基づく。いくつかの実施形態では、モデルと対象患者との類似性は、導出電磁データに基づく。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、発生源構成は、心臓の解剖構造パラメータ及び電気生理学パラメータを表し、モデル化電磁出力は、心臓の活性化を表し、導出電磁データは、体表面測定に基づく。いくつかの実施形態では、電磁データは、心拍動曲線である。いくつかの実施形態では、ラベルは、電磁源の障害の発生源位置を表す。いくつかの実施形態では、訓練は、モデル訓練データに基づいて生成されたモデル分類器からの移転に基づき、モデル訓練データには、電磁源の計算モデル及びモデル発生源構成に基づいて生成されたモデル化導出電磁データが含まれる。いくつかの実施形態では、方法はさらに、複数の類似対象患者クラスタのそれぞれに関して、そのクラスタの対象患者に類似するモデルの導出電磁データに基づいて、クラスタ特有モデル分類器を訓練する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、別の対象患者に類似する対象患者を含むクラスタを識別し、その識別したクラスタのクラスタ特有モデル分類器を、その別の対象患者の対象患者導出電磁データに適用して、その別の対象患者の対象患者ラベルを生成する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、対象患者の患者発生源構成の比較に基づいて、対象患者のクラスタを識別する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、対象患者の患者導出電磁データの比較に基づいて、対象患者のクラスタを識別する。
【0175】
いくつかの実施形態では、対象患者の心拍動曲線を分類する患者特有モデル分類器を生成するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、対象患者に類似するモデルを識別し、識別したモデルのモデル化心拍動曲線及びモデル分類を含む訓練データに基づいて、患者特有モデル分類器を訓練することを、実行させる。モデル化心拍動曲線は、識別したモデルのモデル心臓構成に基づいて、心臓の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、モデル分類は、心臓障害の発生源位置を表す。いくつかの実施形態では、患者特有モデル分類器の訓練は、モデル化心拍動曲線を含むモデル訓練データに基づいて生成されたモデル分類器からの移転に基づく。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、複数の類似対象患者クラスタのそれぞれに関して、そのクラスタの対象患者に類似するモデルのモデル化心拍動曲線及びモデル分類を含む訓練データに基づいて、クラスタ特有モデル分類器を訓練することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、別の対象患者に類似する対象患者を含むクラスタを識別し、その識別したクラスタのクラスタ特有モデル分類器を、その別の対象患者の対象患者心拍動曲線に適用して、その別の対象患者の対象患者分類を生成することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングシステムを制御して、対象患者の患者心臓構成の比較に基づいて、類似対象患者のクラスタを識別することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングシステムを制御して、対象患者の患者心拍動曲線の比較に基づいて、類似対象患者のクラスタを識別することを、実行させる。
【0176】
いくつかの実施形態では、電磁源の表現を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、患者の患者導出電磁データにマッチングするモデル化導出電磁データを識別する。モデル化導出電磁データは、電磁源の計算モデルを使用して生成された電磁源のモデル化電磁出力から導出される。モデル化電磁出力は、複数の時間間隔のそれぞれに関して、電磁源の位置の電磁値を有する。方法は、マッチングモデル導出電磁データが導出されたモデル化電磁出力内の周期を識別する。電磁源の複数の表示位置のそれぞれに関して、方法は、識別した周期のモデル化電磁出力の電磁値に基づいて、その表示位置の表示電磁値を生成する。方法は、複数の表示位置のそれぞれに関して、その表示位置の表示電磁値の視覚的表現を含む電磁源の表示表現を生成する。いくつかの実施形態では、表示表現は、患者の電磁源の解剖構造パラメータに基づく形状を有する。いくつかの実施形態では、表示電磁値の視覚的表現は、表示電磁値の大きさに基づく陰影である。いくつかの実施形態では、表示電磁値の視覚的表現は、表示電磁値の大きさに基づいて選択された色である。いくつかの実施形態では、表示電磁値の視覚的表現は、表示電磁値の大きさに基づく色の強度である。いくつかの実施形態では、表示電磁値は、周期開始時の電磁値と、周期終了時の電磁値との差に基づく。いくつかの実施形態では、方法はさらに、識別した周期の複数の表示間隔のそれぞれに関して、その表示間隔の表示表現を生成し出力する。いくつかの実施形態では、表示表現は、電磁源の活性化を経時的に示すように順番に出力される。いくつかの実施形態では、導出電磁データの複数のインスタンスが、患者導出電磁データにマッチングする場合、表示位置の表示電磁値の生成は、モデル化導出電磁データのマッチングインスタンスが導出されたモデル化電磁出力の電磁値の組み合わせに基づく。いくつかの実施形態では、組み合わせは、マッチングの近さに基づいて加重された平均である。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓である。
【0177】
いくつかの実施形態では、心臓の表現を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、患者の心拍動曲線に類似するモデル化心拍動曲線を識別する。心臓の複数の表示位置のそれぞれに関して、方法は、モデル化心拍動曲線が導出された心臓のモデル化電磁出力の電磁値に基づいて、その表示位置の表示電磁値を生成する。モデル化電磁出力は、心臓の計算モデルを使用して生成される。方法は、複数の表示位置のそれぞれに関して、その表示位置の表示電磁値の視覚的表現を含む心臓の表示表現を生成する。いくつかの実施形態では、表示表現は、患者の心臓の解剖構造パラメータに基づく形状を有する。いくつかの実施形態では、表示電磁値の視覚的表現は、表示電磁値の大きさに基づく色の強度である。いくつかの実施形態では、表示電磁値は、モデル化電磁出力内のモデル周期開始時の電磁値と、モデル周期終了時の電磁値との差に基づく。いくつかの実施形態では、モデル周期は、心拍動曲線内の患者周期との類似性に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、モデル化電磁出力の複数の表示間隔のそれぞれに関して、その表示間隔の表示表現を生成し出力する。いくつかの実施形態では、表示表現は、電磁源の活性化を経時的に示すように順番に出力される。
【0178】
いくつかの実施形態では、患者の心臓の電気的活性化の表現を表示するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、患者の心拍動曲線に類似するモデル化心拍動曲線を識別することを、実行させる。命令は、コンピューティングシステムを制御して、心臓の複数の表示位置のそれぞれに関して、その表示位置の表示値の視覚的表現を含む心臓の表示表現を生成することを、実行させる。表示値は、モデル化心拍動曲線が導出された心臓のモデル化電磁出力に基づく。モデル化電磁出力は、心臓の計算モデルを使用して生成される。命令は、コンピューティングシステムを制御して、表示表現を表示することを、実行させる。いくつかの実施形態では、表示表現は、患者の心臓の解剖構造パラメータに基づく形状を有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、体内の電磁源により生成された電磁力の表面表現を生成するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、電磁力の経時的な大きさ及び方向を表すベクトルのシーケンスにアクセスする。ベクトルは、原点に相関する。隣接するベクトルのペアごとに、方法は、原点及びベクトルのペアに基づいて領域を識別し、領域の領域表現を生成し、領域の生成した領域表現を表示する。いくつかの実施形態では、方法は、表示される領域表現が視覚的に電磁源から発しているように、電磁源の表現を表示する。いくつかの実施形態では、原点は、電磁源内に存在する。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓であり、ベクトルのシーケンスはベクトル心電図である。いくつかの実施形態では、電磁力は周期を有し、周期の領域表現は、その周期の表面表現を形成し、方法はさらに、複数の周期の表面表現を同時に表示する。いくつかの実施形態では、生成した領域表現は、電磁力の変化を経時的に示すように順番に表示される。
【0180】
いくつかの実施形態では、ベクトル心電図の表現を表示するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、コンピューティングシステムを制御して、ベクトル心電図の一部のベクトルのx値、y値、及びz値を表す点により境界されたベクトル心電図の一部の表面表現を生成し、生成した表面表現を表示することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、表示される表面表現が視覚的に心臓の表示表現から発しているように、ベクトル心電図が導出された心臓の表現を表示することを、実行させる。いくつかの実施形態では、ベクトルは、心臓内にある原点に相関する。いくつかの実施形態では、ベクトル心電図は周期を有し、コンピュータ実行可能命令はさらに、コンピューティングシステムを制御して、複数の周期の表面表現を同時に表示することを、実行させる。いくつかの実施形態では、生成した表面表現は、ベクトル心電図における変化を経時的に示すように増加的に表示される。いくつかの実施形態では、表面表現は、領域ごとに表示される。
【0181】
いくつかの実施形態では、患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。シミュレート心拍動曲線は、シミュレートペーシングに基づいて生成され、患者心拍動曲線は、患者の患者ペーシングに基づいて生成される。方法は、患者ペーシングに類似するシミュレートペーシングを有する第1のシミュレート心拍動曲線を識別する。方法は、第1のシミュレート心拍動曲線から、患者の心臓の患者配向に類似するシミュレート配向を有するシミュレート心臓に基づいて生成された第2のシミュレート心拍動曲線を識別する。方法は、第2のシミュレート心拍動曲線から、患者心拍動曲線により表される活動電位に類似する活動電位を表す第3のシミュレート心拍動曲線を識別する。方法は、第3のシミュレート心拍動曲線から、患者心拍動曲線により表される伝導速度に類似する伝導速度を表す較正されたシミュレート心拍動曲線を識別する。いくつかの実施形態では、方法は、各較正されたシミュレート心拍動曲線に、その較正されたシミュレート心拍動曲線を生成する時に使用した構成パラメータで、ラベル付けを行う。方法は、訓練データとして、較正されたシミュレート心拍動曲線及びラベルを使用して分類器の訓練を行う。いくつかの実施形態では、方法は、訓練された分類器を患者心拍動曲線に適用して、患者の構成パラメータを識別する。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、心電図である。いくつかの実施形態では、心拍動曲線は、ベクトル心電図である。いくつかの実施形態では、ペーシングは、ペーシング位置及びペーシングレートを含む。いくつかの実施形態では、活動電位類似性は、大きさ及び持続時間において正規化された心拍動曲線に基づく。いくつかの実施形態では、伝導速度類似性は、大きさにおいて正規化された心拍動曲線に基づく。いくつかの実施形態では、シミュレート心拍動曲線は、患者の患者構造的疾患に類似するシミュレート構造的疾患に基づいて生成されたシミュレート心拍動曲線の集合から識別される。いくつかの実施形態では、シミュレート心拍動曲線は、患者の患者心臓形状に対するシミュレート心拍動曲線の心臓形状の類似性に基づいて、シミュレート心拍動曲線の集合から識別される。いくつかの実施形態では、配向類似性は、心臓位置における心周期位相の心臓ベクトルに関して、患者の患者心臓ベクトルに類似するシミュレート心臓ベクトルに基づく。いくつかの実施形態では、シミュレート心拍動曲線は、患者の患者疾患基質に類似するシミュレート疾患基質に基づいて生成されたシミュレート心拍動曲線の集合から識別される。
【0182】
いくつかの実施形態では、患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、形態学に基づいて、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の形態学的類似性を特定する。方法は、形態学的類似性に基づいて、類似するシミュレート心拍動曲線を識別する。いくつかの実施形態では、形態学的類似性の特定は、配向に基づいて患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の配向類似性を特定することと、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の電気生理学類似性を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線のペーシング類似性を特定し、識別はさらに、ペーシング類似性に基づく。いくつかの実施形態では、電気生理学類似性は、活動電位類似性及び伝導速度類似性に基づく。いくつかの実施形態では、方法は、構成パラメータのラベルを有する識別された類似シミュレート心拍動曲線を含む訓練データを使用して、分類器を訓練する。いくつかの実施形態では、方法は、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の心臓形状類似性を特定し、識別はさらに、心臓形状類似性に基づく。いくつかの実施形態では、心臓形状類似性は、構造的疾患類似性及び測定値類似性に基づく。いくつかの実施形態では、方法は、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の疾患基質類似性を特定し、識別はさらに、疾患基質類似性に基づく。
【0183】
いくつかの実施形態では、患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別するための1つ以上のコンピューティングシステムが提供される。1つ以上のコンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納するための1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサとを含む。命令は、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、配向に基づいて患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の配向類似性を特定し、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の電気生理学類似性を特定し、配向類似性及び電気生理学類似性に基づいて類似シミュレート心拍動曲線を識別することを、実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線の疾患基質類似性を特定することを実行させ、類似シミュレート心拍動曲線を識別することはさらに、疾患基質類似性に基づく。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、患者心拍動曲線に対するシミュレート心拍動曲線のペーシング類似性を特定することを実行させ、類似シミュレート心拍動曲線を識別することはさらに、ペーシング類似性に基づく。いくつかの実施形態では、電気生理学類似性は、活動電位類似性及び伝導速度類似性に基づく。いくつかの実施形態では、活動電位類似性は、大きさ及び持続時間において正規化された心拍動曲線に基づき、伝導速度類似性は、大きさにおいて正規された心拍動曲線に基づく。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令はさらに、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、構成パラメータのラベルを有する識別された類似シミュレート心拍動曲線を含む訓練データを使用して、分類器を訓練することを、実行させる。
【0184】
いくつかの実施形態では、シミュレート心拍動曲線と患者の患者心拍動曲線とをマッピングするために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、構成パラメータ及びペーシング位置に基づいて、患者心拍動曲線にマッチングするシミュレート心拍動曲線を識別する。方法は、識別したシミュレート心拍動曲線を患者心拍動曲線にマッピングするようにマッピング関数を訓練する。方法は、訓練したマッピング関数をシミュレート心拍動曲線に適用して、変換されたシミュレート心拍動曲線を生成する。いくつかの実施形態では、方法は、変換されたシミュレート心拍動曲線に基づいて、患者特有モデル分類器を訓練する。
【0185】
いくつかの実施形態では、シミュレートベクトル心電図(「VCG」)の配向を患者VCGへ較正するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、シミュレートVCGの表現及び患者VCGの表現を表示する。方法は、表示された表現のうちの1つを回転させる指示をユーザから受信する。方法は、回転された表現ともう1つの表現との位置が合わせられたという指示をユーザから受信する。方法は、回転された表現の回転に基づいて、変換行列を生成する。いくつかの実施形態では、表現は、胴体内に表示される。いくつかの実施形態では、シミュレートVCGの表現は、シミュレートVCGに対応付けられた心臓形状に基づいて、心臓の表現と共に表示される。
【0186】
いくつかの実施形態では、患者の電磁源の患者電磁出力に類似する電磁源のシミュレート電磁出力を識別するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。シミュレート電磁出力は、電磁源のシミュレートペーシングに基づいて生成される。患者電磁出力は、患者の電磁源の患者ペーシングに基づいて生成される。方法は、患者ペーシングに類似するシミュレートペーシングを有するペーシング類似シミュレート電磁出力を識別する。方法は、患者の電磁源の患者構成パラメータに類似するシミュレート構成パラメータを有するシミュレート電磁源に基づいて生成された構成類似シミュレート電磁出力を識別する。方法は、患者電磁源により表される活動電位に類似する活動電位を表す活動電位類似シミュレート電磁出力を識別する。方法は、識別されたペーシング類似、構成類似、及び活動電位類似のシミュレート心拍動曲線から、患者電磁出力により表される伝導速度に類似する伝導速度を表す較正されたシミュレート電磁出力を識別する。いくつかの実施形態では、患者ペーシングは、電磁源の内部から電磁パルスを与える侵襲的ペーシングデバイスを使用して実行される。いくつかの実施形態では、侵襲的ペーシングデバイスは、カテーテルである。いくつかの実施形態では、患者ペーシングは、電磁源の外部から電磁パルスを与える非侵襲的ペーシングデバイスを使用して実行される。いくつかの実施形態では、非侵襲的ペーシングデバイスは、電磁場を生成して、患者の電磁源のペーシングを行う。いくつかの実施形態では、非侵襲的ペーシングデバイスは、磁気共鳴スキャナである。いくつかの実施形態では、識別された較正済みシミュレート電磁出力は、ペーシング類似、構成類似、及び活動電位類似の電磁出力である。
【0187】
患者のEM源の可能性のあるアブレーションパターンを識別するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、EM源の患者EM出力にアクセスする。方法は、非アブレーションパターンシミュレーションの非アブレーションパターン情報を識別する。非アブレーションパターン情報は、非アブレーションパターンシミュレーションのシミュレートEM出力と患者EM出力との類似性に基づいて、識別される。方法は、非アブレーションパターン情報と、アブレーションパターンシミュレーションに対応付けられたアブレーションパターン情報との類似性に基づいて、アブレーションパターンを識別する。方法は、患者のEM源の可能性のあるアブレーションパターンとして、識別したアブレーションパターンの指示を出力する。いくつかの実施形態では、EM源は心臓であり、可能性のあるアブレーションパターンは、患者の不整脈を治療するためのものである。いくつかの実施形態では、類似性は、非アブレーションパターンシミュレーションに対応付けられたマッピング情報の、識別されたアブレーションパターンへのマッピングに基づく。いくつかの実施形態では、マッピング情報は、シミュレートEM出力を含む。いくつかの実施形態では、マッピングは、直接マッピングである。いくつかの実施形態では、マッピングは、間接マッピングである。いくつかの実施形態では、非アブレーションパターン情報は、非アブレーションパターンシミュレーションの非アブレーションパターン発生源構成を含み、アブレーションパターン情報は、アブレーションパターンシミュレーションのアブレーションパターン発生源構成を含む。いくつかの実施形態では、識別されたアブレーションパターンの指示は、アブレーションデバイスへ出力される。いくつかの実施形態では、アブレーションデバイスは、定位放射線療法デバイスである。いくつかの実施形態では、識別されたアブレーションパターンの指示は、表示される。いくつかの実施形態では、識別されたアブレーションパターンは、EM源の画像の上に重ねられる。いくつかの実施形態では、画像は、アブレーション処置の一環として収集された解剖構造パラメータに基づく。いくつかの実施形態では、方法はさらに、シミュレーションの較正集合から、非アブレーションパターンシミュレーションを識別する。
【0188】
いくつかの実施形態では、患者の患者情報を患者の不整脈を治療するための不整脈パターンにマッピングするマッピング関数を生成するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、アブレーションパターンシミュレーションにアクセスする。各アブレーションパターンシミュレーションは、シミュレート発生源構成及びアブレーションパターンに基づいて、生成される。シミュレート発生源構成は、シミュレート発生源位置を含む。各アブレーションパターンシミュレーションに関して、方法は、シミュレート発生源構成に基づくが、シミュレート発生源位置には基づかない特徴と、シミュレート発生源構成に基づいた非アブレーションパターンシミュレーションから生成されたシミュレート心拍動曲線に基づくが、アブレーションパターンには基づかない特徴とを含むシミュレート特徴ベクトルを生成し、さらに、シミュレート特徴ベクトルを、シミュレート発生源位置、及びそのアブレーションパターンシミュレーションのアブレーションパターンで、ラベル付けを行う。方法は、訓練データとして、特徴ベクトル及びラベルを使用して分類器を訓練する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、患者の患者発生源構成に基づくが、発生源位置には基づかない特徴と、患者の患者心拍動曲線に基づく特徴とを有する患者特徴ベクトルを生成し、さらに、患者特徴ベクトルに分類器を適用して、発生源位置及び患者を治療するためのアブレーションパターンを識別する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、識別した発生源位置及び識別した患者を治療するためのアブレーションパターンの指示を出力する。いくつかの実施形態では、患者は、定位放射線療法を使用して治療される。
【0189】
いくつかの実施形態では、患者の心臓のアブレーションパターンを識別するための1つ以上のコンピューティングシステムが提供される。1つ以上のコンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサとを備える。命令は、実行されると、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、非アブレーションパターンシミュレーションのモデルライブラリの非アブレーションパターンシミュレーションから生成されたシミュレート心拍動曲線を識別することを、実行させる。各非アブレーションパターンシミュレーションは、心臓の計算モデルと、シミュレート発生源位置を含む心臓構成とに基づいて、生成される。命令は、実行されると、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、アブレーションパターンと、シミュレート心拍動曲線に対応付けられたシミュレート発生源位置とを識別することを、実行させ、アブレーションパターンは、心臓の計算モデルと、発生源位置を含む心臓構成と、識別されたアブレーションパターンとに基づいて生成されたアブレーションパターンシミュレーションに対応付けられ、識別されたアブレーションパターンは、識別されたシミュレート心拍動曲線と識別されたアブレーションパターンとのマッピングに基づいて、識別される。命令は、実行されると、1つ以上のコンピューティングシステムを制御して、識別されたシミュレート発生源位置及び識別されたアブレーションパターンに基づいて、患者のアブレーション療法を命じることを、実行させる。いくつかの実施形態では、アブレーション療法は、不整脈を治療するためのものである。いくつかの実施形態では、アブレーション療法を命じるコンピュータ実行可能命令は、アブレーションデバイスに、識別されたシミュレート発生源位置及び識別されたアブレーションパターンの指示を出力する。いくつかの実施形態では、アブレーションデバイスは、定位放射線療法デバイスである。いくつかの実施形態では、アブレーションデバイスは、神経調節デバイスである。いくつかの実施形態では、アブレーション療法を命じるコンピュータ実行可能命令は、心臓構成の識別されたシミュレート発生源位置及び識別されたアブレーションパターンの指示を表示する。いくつかの実施形態では、アブレーションパターンを識別するためのコンピュータ実行可能命令は、複数のアブレーションパターンを識別し、アブレーション療法を命じる命令は、識別されたシミュレート発生源位置及び識別されたアブレーションパターンの指示を出力する。いくつかの実施形態では、心臓構成は、アブレーション療法の一環として収集された患者の画像が導出された解剖構造パラメータを含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、患者の心臓を治療する方法が提供される。方法は、患者の心臓内の発生源位置及びアブレーションパターンを識別することを含む。識別は、アブレーションパターンシミュレーションに基づく。各アブレーションパターンシミュレーションは、発生源位置(例えばローター位置)及びアブレーションパターンに基づく。識別は、患者の患者心拍動曲線に基づく。方法は、識別された発生源位置に基づいて、心臓の標的部位に神経調節デバイスを配置することを含む。方法は、神経調節デバイスを使用して、識別されたアブレーションパターンに基づいてエネルギーを心臓の標的部位に当てることを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、アブレーションカテーテルであり、標的部位にエネルギーを当てることは、標的部位で神経構造または心筋構造をアブレートする高周波エネルギーを当てることを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、凍結アブレーションカテーテルであり、標的部位にエネルギーを当てることは、標的部位で神経構造または心筋構造を凍結アブレートする冷却エネルギーを当てることを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、植込み型パルス発生器を備え、標的部位にエネルギーを当てることは、標的部位における神経構造または心筋構造に電気エネルギーを当てることを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、定位放射線療法デバイスを備え、標的部位にエネルギーを当てることは、標的部位における神経構造または心筋構造に放射線を当てることを含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、患者を治療する方法が提供される。方法は、患者の患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別するようにコンピューティングシステムに指示することにより、患者の心臓内の不整脈の発生源位置及びアブレーションパターンを識別することを含み、シミュレート心拍動曲線は、非アブレーションパターンシミュレーションのモデルライブラリの非アブレーションパターンシミュレーションから生成される。各非アブレーションパターンシミュレーションは、心臓の計算モデルと、シミュレート発生源位置を含むシミュレート心臓構成とに基づいて生成される。シミュレーションの各心臓構成は、シミュレーションに基づいて生成されたシミュレート心拍動曲線にマッピングされている。発生源位置の識別はさらに、識別されたシミュレート心拍動曲線に基づいて、シミュレート発生源位置及びアブレーションパターンを識別するように、コンピューティングシステムに指示する。シミュレート発生源位置及びアブレーションパターンは、アブレーションパターンシミュレーションを生成するのに使用される。アブレーションパターンシミュレーションは、心臓の計算モデル、シミュレート発生源位置を含む心臓構成、及びアブレーションパターンに基づいて、生成される。方法は、識別されたシミュレート発生源位置に基づいて、標的部位に神経調節デバイスを配置することと、配置された神経調節デバイスを使用して、識別されたアブレーションパターンに基づいてエネルギーを当てることと、を含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、定位放射線療法デバイスである。配置は、コンピューティングシステムが、定位放射線療法デバイスに命令を送信することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、定位放射線療法デバイスにより収集された画像から、患者の解剖構造パラメータを識別することを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、アブレーションカテーテルであり、エネルギーを当てることは、標的部位で神経構造または心筋構造をアブレートする高周波エネルギーを当てることを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、凍結アブレーションカテーテルであり、エネルギーを当てることは、標的部位で神経構造または心筋構造を凍結アブレートする冷却エネルギーを当てることを含む。いくつかの実施形態では、神経調節デバイスは、植込み型パルス発生器を備え、エネルギーを当てることは、標的部位における神経構造または心筋構造に電気エネルギーを当てることを含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、患者を治療する方法が提供される。方法は、患者の患者心拍動曲線に類似するシミュレート心拍動曲線を識別するようにコンピューティングシステムに指示することにより、患者の心臓内の不整脈の発生源位置を識別することを含む。シミュレート心拍動曲線は、シミュレーションのモデルライブラリのシミュレーションから生成される。各シミュレーションは、心臓の計算モデルと、シミュレート発生源位置を含むシミュレート心臓構成とに基づいて、生成される。シミュレーションの各心臓構成は、そのシミュレーションに基づいて生成されたシミュレート心拍動曲線にマッピングされている。方法はさらに、識別されたシミュレート心拍動曲線が生成されたシミュレーションを生成する際に使用されたシミュレート心臓構成のシミュレート発生源位置を識別するように、コンピューティングシステムに指示する。方法は、識別されたシミュレート発生源位置に基づいて、標的部位に神経調節デバイスを配置することを含む。方法は、配置された神経調節デバイスを使用して、標的部位にエネルギーを当てることを含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、心臓の電気活性化のシミュレーションのモデルライブラリを生成するための方法が提供される。方法は、シミュレート発生源位置及びアブレーションパターンを含むシミュレート心臓構成にアクセスすることを含む。各シミュレート心臓構成に関して、方法は、シミュレート心臓構成に基づいてシミュレーションを実行することを含む。方法は、シミュレーションが不整脈を生じない場合に、シミュレーションを成功として指定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、成功シミュレーションを生成するのに使用したシミュレート心臓構成のアブレーションパターンを、アブレーションパターンを含まないシミュレート心臓構成に基づくシミュレーションに基づいて生成されたシミュレート心拍動曲線にマッピングすることを含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、アブレーション処置の結果を格納するために、コンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。方法は、計算標的化プロシージャを適用して、患者の心臓のアブレーション標的を識別する。計算標的化プロシージャは、心拍動曲線と不整脈の発生源位置とのマッピングに基づく。計算標的化プロシージャは、患者の心拍動曲線を入力し、発生源位置をアブレーション標的として出力する。方法は、識別されたアブレーション標的に基づいて患者に行われたアブレーション処置の結果を受信する。方法は、アブレーション処置の結果のアブレーション処置レコードを生成する。アブレーション処置レコードは、アブレーション処置における患者及び利害関係者を識別し、アブレーション処置の結果への参照指示を含む。方法は、アブレーション処置レコードを発行して、許可された関係者がアクセスできるように分散型台帳に記録する。いくつかの実施形態では、分散型台帳は、ブロックチェーンである。いくつかの実施形態では、1人以上の利害関係者が、アブレーション処置の結果及び患者の電子医療レコードを格納する。いくつかの実施形態では、アブレーション処置の結果を格納する利害関係者は、関係者による結果へのアクセスを制御する。いくつかの実施形態では、アブレーション処置は、患者のアブレーション研究中に患者に対して行われる複数のアブレーション処置のうちの1つであり、患者のアブレーション処置レコードは、分散型台帳の同じブロックに格納される。いくつかの実施形態では、分散型台帳の各ブロックには、1人の患者のみのアブレーション処置レコードが格納される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、分散型台帳のマイナーに、マイナーのマイニング活動に基づいて、計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、マイニング活動に基づいてマイナーにトークンを提供し、トークンを計算標的化プロシージャへのアクセスと交換する。いくつかの実施形態では、分散型台帳は、ブロックチェーンであり、さらに、プルーフオブステークコンセンサスアルゴリズムに基づいて、ブロックをマイニングするマイナーを選択することを含む。いくつかの実施形態では、計算標的化プロシージャは、患者の心拍動曲線を入力して発生源位置を出力する分類器を適用することを含み、分類器は、マッピングを訓練データとして使用して訓練されている。いくつかの実施形態では、マッピングは、発生源位置を含む心臓構成に基づいて経時的な心臓の電磁出力をモデル化する心臓の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、マッピングは、患者からの収集された心拍動曲線を含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、コントリビュータが分類器を訓練するための計算リソースを提供することに基づいて、コントリビュータに計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、計算標的化プロシージャは、患者の心拍動曲線に類似するマッピングの心拍動曲線を識別することと、識別したマッピングの発生源位置をアブレーション標的として選択することと、を含む。いくつかの実施形態では、マッピングは、発生源位置を含む心臓構成に基づいて経時的な心臓の電磁出力をモデル化する心臓の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、マッピングは、患者からの収集された心拍動曲線を含む。いくつかの実施形態では、マッピングは、発生源位置を含む心臓構成に基づいて経時的な心臓の電磁出力をモデル化する心臓の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、方法はさらに、コントリビュータがマッピングを生成するための計算リソースを提供することに基づいて、コントリビュータに計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、マッピングは、患者からの収集された心拍動曲線を含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、コントリビュータが患者から収集した心拍動曲線を提供することに基づいて、コントリビュータに計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。
【0195】
いくつかの実施形態では、患者に対して行われた処置の結果を格納するためのコンピューティングシステムが提供される。コンピューティングシステムは、コンピュータ実行可能命令を格納するための1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するための1つ以上のプロセッサと、を備える。命令は、実行されると、コンピューティングシステムを制御して、下記を実行させる。コンピューティングシステムは、処置標的に基づいて患者の電磁源に対して行われた処置の結果を受信する。処置標的は、患者の電磁源から導出された電磁データを入力して処置標的を出力する計算標的化プロシージャを適用することにより、識別される。コンピューティングシステムは、処置の結果への参照指示を含む処置レコードを生成する。コンピューティングシステムは、許可された関係者がアクセスできるように、処置レコードを分散型台帳で公開する。いくつかの実施形態では、分散型台帳は、ブロックチェーンである。いくつかの実施形態では、処置は、患者の処置研究中に患者に対して行われる複数の処置のうちの1つである。いくつかの実施形態では、処置は、患者の研究中に患者に対して行われる複数の処置のうちの1つであり、患者の処置レコードは、分散型台帳の同じブロックに格納される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムはさらに、分散型台帳のマイナーに、マイナーのマイニング活動に基づいて、計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、命令はさらに、マイニング活動に基づいてマイナーにトークンを提供し、トークンを計算標的化プロシージャへのアクセスと交換する。いくつかの実施形態では、計算標的化プロシージャは、患者の電磁データを入力して標的位置を出力する分類器を適用する命令を含み、分類器は、マッピングを訓練データとして使用して訓練されている。いくつかの実施形態では、マッピングは、発生源位置を含む電磁源構成に基づいて経時的な電磁源の電磁出力をモデル化する電磁源の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、マッピングは、患者からの収集された電磁データを含む。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムはさらに、コントリビュータが分類器を訓練するための計算リソースを提供することに基づいて、コントリビュータに計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、計算標的化プロシージャは、患者の電磁出力に類似するマッピングの電磁出力を識別することと、識別したマッピングの発生源位置を処置標的として選択することと、を含む。いくつかの実施形態では、マッピングは、発生源位置を含む電磁源構成に基づいて経時的な電磁源の電磁出力をモデル化する電磁源の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、マッピングは、患者からの収集された電磁データを含む。いくつかの実施形態では、マッピングは、発生源位置を含む電磁源構成に基づいて経時的な電磁源の電磁出力をモデル化する電磁源の計算モデルを使用して、生成される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントリビュータがマッピングを生成するための計算リソースを提供することに基づいて、コントリビュータに計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、マッピングは、患者からの収集された電磁データを含む。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントリビュータが患者から収集した電磁データを提供することに基づいて、コントリビュータに計算標的化プロシージャへのアクセスを提供する。
【0196】
いくつかの実施形態では、患者の患者電磁源の患者電磁データに類似する電磁源のシミュレート電磁データを識別するために、1つ以上のコンピューティングシステムにより実行される方法が提供される。シミュレート電磁データは、電磁源のシミュレートペーシング位置に基づいて生成され、患者電磁データは、患者電磁源の患者ペーシング位置に基づいて生成される。方法は、患者ペーシング位置に類似するシミュレートペーシング位置を有するシミュレート電磁データを識別する。方法は、患者の電磁源の患者構成パラメータに類似するシミュレート構成パラメータに基づいて生成されたシミュレート電磁データを識別する。方法は、患者の患者活動電位に類似するシミュレート活動電位に基づいて生成されたシミュレート電磁データを識別する。方法は、患者の患者伝導速度に類似するシミュレート伝導速度に基づいて生成されたシミュレート電磁データを識別する。方法は、識別されたシミュレート電磁データに基づいて、シミュレート電磁データの較正された集合を生成する。いくつかの実施形態では、方法は、患者の患者電磁データに類似するシミュレート電磁データを識別する。いくつかの実施形態では、ペーシングリードは、電磁源の内部から電磁パルスを与える侵襲的ペーシングデバイスと共に配置される。いくつかの実施形態では、侵襲的ペーシングデバイスは、カテーテル、植込み型除細動器、またはペースメーカーである。いくつかの実施形態では、患者ペーシングは、電磁源の外部から電磁パルスを与える非侵襲的ペーシングデバイスを使用して実行される。いくつかの実施形態では、非侵襲的ペーシングデバイスは、電磁場を生成して、患者の電磁源のペーシングを行う。いくつかの実施形態では、非侵襲的ペーシングデバイスは、磁気共鳴デバイスである。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓である。
【0197】
いくつかの実施形態では、患者の患者電磁源の患者電磁データに類似する電磁源のシミュレート電磁データを識別するための方法が提供される。方法は、患者の電磁源の複数の患者ペーシング位置のそれぞれに関して、ペーシング位置に電磁インパルスを送ることにより患者電磁源のペーシングを行うことと、ペーシング中に患者電磁データを収集することとを含む。方法は、患者ペーシング位置と、患者ペーシング位置でペーシングを行っている間に収集された患者電磁データとを、シミュレーションの較正集合を生成する1つ以上のコンピューティングデバイスに提出することを含む。1つ以上のコンピューティングデバイスは、シミュレーションと患者とのペーシング位置、発生源構成、活動電位、伝導速度、及び電磁データの類似性に基づいて、電磁源のシミュレーションのモデルライブラリのシミュレーションを識別する。識別されたシミュレーションは、シミュレーションの較正集合を形成する。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のコンピューティングデバイスに患者の患者心拍動曲線を提出することと、シミュレート心拍動曲線と患者心拍動曲線との類似性に基づいて、較正集合のシミュレーションの発生源構成パラメータの指示を受信することとを含む。いくつかの実施形態では、方法は、各患者ペーシング位置に関して、その患者ペーシング位置にペーシングリードを配置することを含み、ペーシングリードを介して電磁インパルスが送信される。いくつかの実施形態では、患者ペーシングリードの配置は、患者電磁源の内部から電磁インパルスを与える侵襲的ペーシングデバイスを使用して行われる。いくつかの実施形態では、侵襲的ペーシングデバイスは、カテーテル、植込み型除細動器、またはペースメーカーである。いくつかの実施形態では、電磁源は心臓である。いくつかの実施形態では、電磁インパルスは、非侵襲的ペーシングデバイスを介して生成される。いくつかの実施形態では、非侵襲的ペーシングデバイスは、磁気共鳴デバイスである。いくつかの実施形態では、方法は、較正集合に基づいて識別された発生源構成の発生源パラメータの指示を、1つ以上のコンピューティングデバイスから受信することを含む。いくつかの実施形態では、発生源パラメータは、発生源位置である。いくつかの実施形態では、方法は、発生源位置に基づいて、患者電磁源に対し処置を行うことを含む。いくつかの実施形態では、患者ペーシング位置のうちの2つは、離れたペーシング位置である。
【0198】
本主題は、構造的特徴及び/または動作に特有の言語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で定義される本主題は、必ずしも前述の具体的な特徴または動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、前述の具体的な特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。
【0199】
いくつかの実施形態では、異なる種類の分類に基づいて電磁源の電磁出力を分類するために、MLMOシステムが使用され得る。例えば、分類には、心臓障害の位置(例えばローター位置)、瘢痕または線維症または催不整脈性基質の位置、及び心臓形状(例えば心室配向)などが含まれ得る。訓練データを生成する際、MLMOシステムは、分類器が生成する分類の種類で訓練データにラベル付けを行う。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によるものを除き、限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66