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  • 特許-枕用芯材および枕 図1
  • 特許-枕用芯材および枕 図2
  • 特許-枕用芯材および枕 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】枕用芯材および枕
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20230123BHJP
【FI】
A47G9/10 B
A47G9/10 C
A47G9/10 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017039377
(22)【出願日】2017-03-02
(65)【公開番号】P2018143337
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-03-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504298752
【氏名又は名称】株式会社ディーブレス
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】今井 徳英
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】佐々木 芳枝
【審判官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3145973(JP,U)
【文献】登録実用新案第3200925(JP,U)
【文献】登録実用新案第3102316(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕カバーを被せて枕として使用される枕用芯材であって、
当該枕用芯材は、上下二層構造となっており、上層及び下層はそれぞれ袋状に分かれた構成部を複数有しており、この構成部の数が上層よりも下層の方が多く、上層の構成部には、下層の構成部よりも柔軟性のある部材を詰物として詰め込むことで、上層の柔軟性と下層の硬質性を高め、型くずれし難く且つ頭にフィットしやすい相反する性能を兼ね備えたことを特徴とするとともに、
上層の構成部には、頭部を支持するための縦に2分割された頭部支持部と、頭部支持部の下端側に首部を支持するための首部支持部と、頭部支持部および首部支持部の両側に設けられた左右各サイド部とを有し、
下層の構成部には、頭部を支持するための縦に2分割された頭部支持部と、頭部支持部の下端側に首部を支持するための首部支持部と、頭部支持部および首部支持部の両側に設けられるとともに縦に2分割された左右各サイド部とを有し、
上下層の構成部の全部又は一部は、立体キルトによって構成されて、構成部と構成部との間に形成される凹みを少なくし、寝心地の良いことを特徴とする枕用芯材。
【請求項2】
上層又は/及び下層の全面又は一部に3次元立体メッシュを使用したことを特徴とする請求項1記載の枕用芯材。
【請求項3】
請求項1又は2記載の枕用芯材に枕カバーを被せてなる枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、理想的な正しい睡眠をとることのできる枕に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
睡眠時間のとれない現代人にあっては、質の良い睡眠をとることが重要となってくる。
しかしながら、正しい枕をしていないために、腰痛や肩こり・浅い呼吸の胸呼吸などにより全身が疲れてしまっている人が結構多く、また、健康面だけでなく、首のシワの原因など美容上の問題になることもある。
【0003】
理想的な正しい睡眠とは、全身がリラックスし、ゆったりと腹式呼吸のできる自然な姿勢をとることにある。ゆっくりと深い呼吸のできる腹式呼吸は、眠りの呼吸とも言え、精神的にも安らぎのある呼吸である。また、腹式呼吸は鼻呼吸になるので、感染症の問題やいびきの緩和にもなる。本願発明者は、この理想的な正しい睡眠をとるための枕に関する技術を提供すべく、これまでに特許文献1及び2で開示されている枕を開発してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3109464号公報
【文献】実用新案登録第3145973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、本願発明者は、さらに理想的な正しい睡眠をとることのできる枕を追求して、これまで開発してきた上記枕の改良を続け、ついに本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の発明は、枕カバーを被せて枕として使用される枕用芯材であって、当該枕用芯材は、上下二層構造となっており、上層及び下層はそれぞれ袋状に分かれた構成部を複数有しており、この構成部の数が上層よりも下層の方が多いことを特徴とするものである。
第2の発明は、上層の構成部に、頭部を支持するための縦に2分割された頭部支持部と、頭部支持部の下端側に首部を支持するための首部支持部と、頭部支持部および首部支持部の両側に設けられた左右各サイド部とを有し、下層の構成部に、頭部を支持するための縦に2分割された頭部支持部と、頭部支持部の下端側に首部を支持するための首部支持部と、頭部支持部および首部支持部の両側に設けられるとともに縦に2分割された左右各サイド部とを有したことを特徴とする同枕用芯材である。
第3の発明は、上層の構成部には、下層の構成部よりも柔軟性のある部材を詰物として詰め込むことを特徴とする同枕用芯材である。
第4の発明は、上下層の構成部の全部又は一部が、立体キルトによって構成されていることを特徴とする同枕用芯材である。
第5の発明は、上層又は/及び下層の全面又は一部に3次元立体メッシュを使用したことを特徴とする同枕用芯材である。
第6の発明は、上記第1から第6の発明に係る枕用芯材に枕カバーを被せてなる枕である。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)枕に上下二層の枕用芯材を備えるとともに、上層及び下層はそれぞれ袋状に分かれた構成部を複数有しており、この構成部の数が上層よりも下層の方が多いことで、理想的な正しい睡眠をとるための枕を提供できる。
(2)すなわち、枕用芯材が上下二層になっていることで、型くずれのし難い枕となるが、さらに下層の方が上層よりも構成部の数(部屋の数)を多くすることで、下層においては構成部に詰め込む詰物の移動が制限されるので、より型くずれのし難い枕となる。その一方で、上層においては下層よりも構成部に詰め込む詰物の移動が緩和されるので、頭にフィットしやすくなる。その結果、頭にフィットする「柔軟性」と型くずれし難い「硬質性」という相反する性能を兼ね備えることができ、理想的な正しい睡眠をとるための枕を提供できるのである。
(3)さらに、上層の構成部には、下層の構成部よりも柔軟性のある部材を詰物として詰め込むことで、上層の「柔軟性」と下層の「硬質性」を高めることになり、より理想的な正しい睡眠をとるための枕を提供できる。
(4)上下層の構成部の全部又は一部を立体キルトによって構成することによって、構成部と構成部との間に形成される凹み(段差)を少なくすることができる。
(5)上層又は/及び下層の全面又は一部に3次元立体メッシュを使用したことで、汗を素速く吸収・放散でき、汗で蒸れる状態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願発明の実施形態を示す説明図(1)。
図2】本願発明の実施形態を示す説明図(2)。
図3】本願発明の実施形態を示す説明図(3)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~3は、本願発明の実施形態を示す説明図である。
図1は、本願発明に係る枕10を図示する平面図である。枕10は、枕カバー19を被せてその中に枕用芯材20を備えている。
【0010】
図2は、本願発明に係る枕用芯材20を図示する平面図であり、図示からは上下二層のうちの上層30が図示されている。枕用芯材20の上層30は、5つの構成部からなっている。まず、中央部分に頭部を支持するための縦に2分割された頭部支持部31A,31Bと、頭部支持部31A,31Bの下端側に首部を支持するための首部支持部32を備える。また、頭部支持部31A,31Bおよび首部支持部32の両側には、左サイド部33と右サイド部34を設ける。この枕用芯材20の上層30の各構成部31A,31B,32,33,34は袋状に形成され、その中に詰物を詰め込んでいる。
【0011】
そして、上層30は、頭部を支持するための頭部支持部31A,31Bと、頭部支持部の下端側に首部を支持するための首部支持部32を備えることで、首に負担をかけずに、正しい頸椎バランスを保つことができる。また、頭部支持部31A,31Bおよび首部支持部32の両側に左サイド部33,右サイド部34を備えることで、横向き寝や寝返りをうっても頭をしっかりと支えることができる。さらに、頭部支持部は、縦に2分割された頭部支持部31Aと頭部支持部31Bとからなっているので、枕と後頭部のなじみが良くなり、寝返り時もスムーズに頭を動かすことができる。
【0012】
図3は、本願発明に係る枕用芯材20を図示する裏面図であり、図示からは上下二層のうちの下層40が図示されている。枕用芯材20の下層40は、7つの構成部からなっている。上層30と異なるのは、左サイド部及び右サイド部がそれぞれ縦に2分割されて、左サイド部43A,43B及び右サイド部44A,44Bとなっている点である。その他は、上層30と共通する。この枕用芯材20の下層40の各構成部41A,41B,42,43A,43B,44A,44Bは袋状に形成され、その中に詰物を詰め込んでいる。
【0013】
このように、枕用芯材20では、上層30の構成部が5つ、下層40の構成部が7つで、下層40の方が上層30よりも構成部の数(部屋の数)を多くなっている。こうすることで、下層40においては構成部に詰め込む詰物の移動が制限されることになり、より型くずれのし難い枕となる。これに対して、上層30においては下層40よりも構成部に詰め込む詰物の移動が緩和されるので、頭にフィットしやすくなる。その結果、頭にフィットする「柔軟性」と型くずれし難い「硬質性」という相反する性能を兼ね備えることができ、理想的な正しい睡眠をとるための枕を実現できた。
【0014】
また、上層30の構成部には、下層40の構成部よりも柔軟性のある部材を詰物として詰め込むことで、上層30の「柔軟性」と下層40の「硬質性」を高めることができる。例えば、上層30には綿状(ウールノップス)のもの、下層40には樹脂製(パイプ材やビーズ材)のものなどである。
【0015】
さらに、枕用芯材20には、次のような工夫を加えてもよい(図2及び図3を参照)。
(1)上下層の構成部の全部又は一部を立体キルトによって構成すること。立体キルト(立体縫製)を採用することで、構成部と構成部との間に形成される凹み(段差)を少なくし、寝心地の良い枕を提供できる。
(2)上層又は/及び下層の全面又は一部に3次元立体メッシュを使用すること。メッシュが盛り上がっているため汗を素早く吸収・放散し、サラサラ感を保ち、汗で頭や首が蒸れて寝苦しくならないようにできる。
(3)枕用芯材20の下端側を湾曲させて肩フィットライン36,46を形成すること。肩フィットライン36,46を形成したことで、枕と肩ラインがフィットすることにより枕と一体感ができ、精神的な落ち着きが期待できる。
【0016】
その他に、このような構成からなる枕用芯材20の寸法の一例としては、横幅を70cm、奥行きを33~40cmとするとよい。通常の枕より横幅を広くすることで、大きく寝返りをうってもしっかりと支えられ、通常の枕より奥行きを浅くすることで、頭部の熱をよりスムーズに逃がすことができるからである。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本願発明の構造は、広く理想的な正しい睡眠をとるために枕として幅広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0018】
10 枕 19 枕カバー 20 枕用芯材
30 上層 31A 頭部支持部(左) 31B 頭部支持部(右)
32 首部支持部 33 左サイド部 34 右サイド部
36 首フィットライン
40 下層 41A 頭部支持部(左) 41B 頭部支持部(右)
42 首部支持部 43A 左サイド部(左) 43B 左サイド部(右)
44A 右サイド部(左) 44B 右サイド部(右)
46 首フィットライン
図1
図2
図3