(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/28 20060101AFI20230123BHJP
【FI】
B65D25/28 103B
(21)【出願番号】P 2018166705
(22)【出願日】2018-09-06
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貴雄
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第9201488(DE,U1)
【文献】登録実用新案第3159602(JP,U)
【文献】実開昭61-062833(JP,U)
【文献】特開2000-229641(JP,A)
【文献】特開2004-189268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/00-13/02
B65D 23/00-25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状の底壁構成部と、
前記底壁構成部の相対する一対の第1側辺部に沿って上方に延びる第1側壁部、及び、前記底壁構成部の相対する一対の第2側辺部に沿って上方に延びる第2側壁部とを備える容器において、
前記一対の第2側壁部の外面側には、前記第2側壁部の内面を構成する第2ベース板部の外面に対し所定距離を隔てて対向する対向板部と、前記対向板部と、前記第2ベース板部との間を連結する連結板部とを備える外周持ち手部が設けられ、
前記対向板部と、前記連結板部と、前記第2ベース板部とで囲まれる前記外周持ち手部の内側空間が、前記第2側壁部の横幅方向中央部側に開口しており、
容器の外周のコーナー部においては、前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方、又は、両方が、少なくとも前記外周持ち手部の上端部から下端部にかけての高さ方向の範囲において、前記底壁構成部の外周のコーナー部よりも容器の内方側に位置することを特徴とする容器。
【請求項2】
前記外周持ち手部は、前記対向板部のうち、前記第2側壁部の横幅方向中央部側の端縁から容器の外方側に突出する持ち手リブを備えていることを特徴とする請求項
1に記載の容器。
【請求項3】
前記外周持ち手部は、前記一対の第2側壁部の両側部付近にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1
又は2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の運搬等に使用される容器は、略矩形板状の底壁構成部と、底壁構成部の側辺部から上方に延出する側壁部とを備え、上方に開口する箱状をなしている。また、例えば、相対する一対の側壁部の横幅方向中央部の上部において、作業者が容器を持ち運ぶ際に手を掛けることのできる持ち手部が設けられた容器も知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器に収容された収容物を取出す際に容器を傾けることで収容物を容器外に流す(転がす)ようにして取出したり、容器を比較的高い位置に対して積み降ろししたりする場合に、上記のような持ち手部は使用せず、容器の側壁部の外面側に設けられた縦リブ等に指を掛ける等して容器の外周部分を掴み、容器を変位させる場合がある。
【0005】
しかしながら、縦リブ等は指を掛けることを目的として設けられたものではないことから、縦リブ等に指を掛ける容器の持ち方は、容器への力が掛かり難く、安定し難い等といったことが懸念される。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、容器の外周部分を掴んで変位させる際の作業性の向上を図ることのできる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.平面視略矩形状の底壁構成部と、
前記底壁構成部の相対する一対の第1側辺部に沿って上方に延びる第1側壁部、及び、前記底壁構成部の相対する一対の第2側辺部に沿って上方に延びる第2側壁部とを備える容器において、
前記一対の第2側壁部の外面側には、前記第2側壁部の内面を構成する第2ベース板部の外面に対し所定距離を隔てて対向する対向板部と、前記対向板部と、前記第2ベース板部との間を連結する連結板部とを備える外周持ち手部が設けられ、
前記対向板部と、前記連結板部と、前記第2ベース板部とで囲まれる前記外周持ち手部の内側空間が、前記第2側壁部の横幅方向中央部側に開口しており、
容器の外周のコーナー部においては、前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方、又は、両方が、少なくとも前記外周持ち手部の上端部から下端部にかけての高さ方向の範囲において、前記底壁構成部の外周のコーナー部よりも容器の内方側に位置することを特徴とする容器。
【0009】
手段1によれば、例えば、作業者が、一対の第1側壁部のうちの一方の第1側壁部の外面を手前に向けて容器を配置し、一対の第2側壁部の外面側に対しそれぞれ人差し指~小指を当てるとともに、前記手前側の第1側壁部の外面側に対し親指を当てることで、容器の外周の4つのコーナー部のうち手前側の2つを手で掴み、容器を移動させる(傾ける・上げ下げする)といった場合に、第2側壁部の外面側に設けられた外周持ち手部に対し、指先を引っ掛けることができる。従って、容器の外周部分(容器の外周のコーナー部)を掴んで変位させる際の作業性の向上を図ることができる。
また、容器の外周のコーナー部を手で掴む場合に、第2側壁部の外周持ち手部に掛けた指と、第1側壁部の外面に当てた指との間の部位(例えば、掌等)が、容器の外周のコーナー部と干渉し、容器を持ち難くなるといった事態を抑制することができる。従って、例えば、容器の外周のコーナー部において、底壁構成部の外周のコーナー部の頂部と同じ位置まで延びる縦リブを設ける場合に比べ、容器の外周のコーナー部を掴む手の掌を容器の外周に当てる場合に、掌等への局所的な負荷を緩和することができる上、接触面積を増やす等、好適に容器の外周のコーナー部を掴むことができる。
【0010】
手段2.前記外周持ち手部は、前記対向板部のうち、前記第2側壁部の横幅方向中央部側の端縁から容器の外方側に突出する持ち手リブを備えていることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0011】
手段2によれば、外周持ち手部の補強を図ることができる。また、指先を外周持ち手部に掛けられる(当てることのできる)面積を増やすことができる。従って、外周持ち手部に対しより力を掛け易くなる上、指先への局所的な負荷を緩和することができる。
手段3.前記外周持ち手部は、前記一対の第2側壁部の両側部付近にそれぞれ設けられていることを特徴とする手段1又は2に記載の容器。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】折畳み状態にある折畳み容器の斜視図である。
【
図4】組立状態にある折畳み容器の長辺側側壁部側の側面図である。
【
図5】組立状態にある折畳み容器の短辺側側壁部側の側面図である。
【
図10】組立状態にある折畳み容器を示す一部断面を含む斜視図である。
【
図11】組立状態にある折畳み容器(略球状の物品を収容した状態)を示す部分拡大(水平)断面図である。
【
図12】組立状態にある折畳み容器を示す一部断面を含む斜視図である。
【
図13】折畳み容器同士を同じ向きで上下に真っ直ぐに積み重ねることで段積みされた折畳み容器(棒積みされた折畳み容器)を示す斜視図である。
【
図14】組立状態にある折畳み容器の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図15】下側の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を水平に90度回転させた向きで載せることで段積みされた折畳み容器(井桁積みされた折畳み容器)を示す斜視図である。
【
図16】下側の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を水平に90度回転させた向きで載せるか、下側の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を折畳み容器の長手幅方向において、折畳み容器の長手幅の半分の距離をずらして載せるかすることで段積みされた折畳み容器(千鳥積みされた折畳み容器)を示す斜視図である。
【
図17】下側の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を水平に90度回転させた向きで載せるか、下側の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を折畳み容器の長手幅方向において折畳み容器の長手幅の半分の距離をずらして載せるかすることで段積みされた折畳み容器(レンガ積みされた折畳み容器)を示す斜視図である。
【
図18】
図17の上から2段目の折畳み容器の配置を示す斜視図である。
【
図19】長辺側側壁部と、短辺側側壁部とを突き合わせるようにして平面視略L字状に配置された下側の一対の折畳み容器のうち、一方の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を水平に90度回転させた向きで載せ、かつ、下側の他方の折畳み容器に対して上側の折畳み容器を折畳み容器の長手幅方向において折畳み容器の長手幅の半分の距離をずらして載せることで段積みされた折畳み容器(風車積み・ピンホイール積みされた折畳み容器)を示す斜視図である。
【
図20】
図19の上から2段目の折畳み容器の配置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図7等に示すように、容器としての折畳み容器1は、平面視略矩形状の底壁部3と、底壁部3の各長側辺部(第1側辺部)に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4と、前記一対の長辺側土台部4の両側部間に配置され、底壁部3の各短側辺部(第2側辺部)から上方に突出する短辺側土台部5とを具備する底壁構成部2を備えている。
【0018】
また、
図1、
図2、
図7等に示すように、折畳み容器1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ回動変位可能に連結された第1側壁部としての長辺側側壁部6と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動変位可能に連結された第2側壁部としての短辺側側壁部7とを備えている。長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立姿勢と、底壁部3の上方に寝かされる寝かせ姿勢との間を姿勢変位可能に構成されている。さらに、長辺側土台部4の底壁部3からの突出長は、短辺側土台部5の底壁部3からの突出長よりも長くなっている。加えて、長辺側側壁部6の横幅は、長辺側土台部4の長手方向における長さ(底壁構成部2の長手幅)とほぼ同じに構成され、短辺側側壁部7の横幅は、一対の長辺側土台部4間の距離とほぼ同じに構成されている。
【0019】
このため、本実施形態では、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が起立姿勢とされた組立状態(
図1参照)にある折畳み容器1を、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が寝かせ姿勢とされた折畳み状態(
図2参照)とする場合には、一対の短辺側側壁部7を先に寝かせ姿勢としてから、長辺側側壁部6を寝かせ姿勢とするようになっている。
【0020】
また、折畳み容器1を折畳み状態から組立状態とする場合には、一対の長辺側側壁部6を起立姿勢とすることで、短辺側側壁部7を起立姿勢とすることが可能となっている。本実施形態では、一対の長辺側側壁部6は、互いに同一形状をなし、一対の短辺側側壁部7は、互いに同一形状をなしている。尚、本実施形態では、底壁構成部2、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれポリプロピレンにより構成されている。
【0021】
図7等に示すように、各長辺側側壁部6は、正面視略矩形状の第1ベース板部としての長辺側ベース板部11と、長辺側ベース板部11の上辺部に沿って、長辺側ベース板部11から外方に突出する長辺側上枠部12と、長辺側ベース板部11の下辺部から外方に突出する長辺側下フランジ部13と、長辺側下フランジ部13の下面から下方に突出する略T字状の長辺側ヒンジ部14とを備えている。
【0022】
長辺側上枠部12は、基本的に、折畳み容器1の内方側に開口する断面略コ字状をなしている(
図14参照)。また、
図3、
図7に示すように、長辺側上枠部12の上辺部(上面)のうち、長辺側側壁部6の横幅方向における一側部の近傍部位と、他側部の近傍部位との間の部位であって、長辺側側壁部6の外面側の部位は、その他の部位よりも一段低くなっている。これに対し、長辺側上枠部12の上辺部のうち、長辺側側壁部6の横幅方向における一側部の近傍部位と、他側部の近傍部位との間の部位であっても、長辺側側壁部6の内面側の部位については、長辺側側壁部6の横幅方向における両側部近傍部位と面一とされている(高さ位置が同じであって、連続している)。
【0023】
以下、長辺側上枠部12の上辺部(上面)のうち、長辺側側壁部6の横幅方向における両側部近傍部位、及び、当該部位と面一とされている長辺側側壁部6の内面側の部位を「天面部15」とも称する。さらに、長辺側上枠部12の上辺部において一段低く構成された部位を「嵌合凹部16」とも称する。尚、長辺側上枠部12の断面略コ字状の内側空間には、上下に延びる補強リブが複数箇所に設けられている。
【0024】
加えて、
図7に示すように、長辺側側壁部6の両側部には、折畳み容器1の内方側に突出する係止壁17が設けられている。係止壁17は、長辺側ベース板部11の内面の両側部から内方に突出し、長辺側側壁部6の高さ方向に延在する略矩形板状の係止板部17aと、係止板部17aのうち長辺側側壁部6の横幅方向中央部側の面に連結された係止突部17b、及び、ロック係止部17cとを備えている。係止突部17bは、長辺側側壁部6の横幅方向中央部側に開口する筒状をなしている。ロック係止部17cは、長辺側ベース板部11から折畳み容器1の内方側に突出して、当該突出方向先方側に開口する筒状をなしている。
【0025】
図7等に示すように、各短辺側側壁部7は、正面視略矩形状の第2ベース板部としての短辺側ベース板部21と、短辺側ベース板部21の上辺部に沿って、短辺側ベース板部21から外方に突出する短辺側上枠部22と、短辺側ベース板部21の下辺部から外方に突出する短辺側下フランジ部23と、短辺側下フランジ部23の下面から下方に突出する略T字状の短辺側ヒンジ部24とを備えている。
【0026】
短辺側上枠部22は、長辺側上枠部12と同様に、上辺部(上面)のうち、短辺側側壁部7の横幅方向における一側部の近傍部位と、他側部の近傍部位との間の部位であって、短辺側側壁部7の外面側の部位が、その他の部位よりも一段低く構成されている。その一方で、短辺側上枠部22のうち、短辺側側壁部7の横幅方向における一側部の近傍部位と、他側部の近傍部位との間の部位であっても、短辺側側壁部7の内面側の部位については、短辺側側壁部7の横幅方向における両側部近傍部位と面一とされている(高さ位置が同じであって、連続している)。
【0027】
以下、短辺側上枠部22のうち、短辺側側壁部7の横幅方向における両側部近傍部位の上面、及び、当該上面と面一とされている短辺側側壁部7の内面側の部位の上面についても「天面部15」と称する。さらに、短辺側上枠部22の上面側において一段低く構成された部位についても「嵌合凹部16」と称する。尚、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の天面部15のうち、長辺側側壁部6の両側部近傍部位の間に延びる部位、及び、短辺側側壁部7の両側部近傍部位の間に延びる部位の折畳み容器1の内方側の部位は、面取り形状とされている。
【0028】
また、
図7に示すように、短辺側ベース板部21の外面側の両側部には、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6の係止壁17と当接して支持される被係止壁構成部25が設けられている。被係止壁構成部25は、短辺側側壁部7の外面側の構成(補強リブ等)が適宜省略される格好で薄く構成された被係止板部25aと、被係止板部25aの外面から突出する被係止突部25bとを備えている。
【0029】
さらに、各短辺側側壁部7の外面側の上部には、折畳み容器1の組立状態において、短辺側側壁部7と、長辺側側壁部6との間を連結するためのロック部材26が装着されている。各ロック部材26は、短辺側側壁部7の外面側から操作可能な操作部26aと、操作部26aの操作に連動して左右にスライド変位可能に構成されたスライド部26bとを備え、操作部26aへの操作状態が解消されることで、スライド部26bが被係止壁構成部25に突出するようになっている。
【0030】
そして、
図1等に示すように、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7を起立姿勢とすることで、短辺側側壁部7の被係止壁構成部25の外面(
図7参照)が、長辺側側壁部6の係止壁17に略当接(当接、又は、近接)し、長辺側側壁部6の係止突部17bと、短辺側側壁部7の被係止突部25bとが係止状態とされる(被係止突部25bが係止突部17bに挿入される)とともに、ロック部材26のスライド部26bが、係止壁17のロック係止部17cに係止状態とされる(挿入される)ようになっている。これにより、短辺側側壁部7の内方への変位が防止され、折畳み容器1の組立状態が保持されるようになっている。尚、本実施形態の被係止壁構成部25は、起立姿勢において、側方、及び、外方に開口する凹状に構成されており、折畳み容器1の組立状態においては、係止壁17の上辺部、及び、下辺部が、被係止壁構成部25の上縁部、及び、下縁部に当接、又は、近接し、上下方向における相対変位が規制されるようになっている。
【0031】
また、
図9、
図13等に示すように、底壁構成部2の底壁部3は、組立状態にある折畳み容器1同士を積み重ねた(段積みした)場合に、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部に当接して支持される部位である外周対応部31よりも内周側の部位から下方に突出する下面視略格子状の下支持部32を備えている。下支持部32は、折畳み容器1を床面等の設置面に設置した場合に、設置面と当接して支持される。さらに、組立状態にある折畳み容器1を段積みした場合には、上側の折畳み容器1の外周対応部31が、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部(本例では、長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22の天面部15)に当接して支持されるとともに、上側の折畳み容器1の下支持部32が、下側の折畳み容器1の内側に挿入され、かつ、当該下側の折畳み容器1の側壁部6、7の内面に当接、又は、近接するように構成されている。尚、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6の内面と、長辺側土台部4の内面とはほぼ面一であり、短辺側側壁部7の内面と、短辺側土台部5の内面とはほぼ面一であり、外周対応部31の上方には、長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5が配置されている。
【0032】
図2、
図7等に示すように、底壁構成部2の各長辺側土台部4には、上方、かつ、内方に開口し、長辺側側壁部6の長辺側ヒンジ部14を軸支する長辺側軸受部33が設けられている。さらに、
図7、
図12に示すように、各短辺側土台部5には、上方、かつ、内方に開口し、短辺側側壁部7の短辺側ヒンジ部24を軸支する短辺側軸受部34が設けられている。
【0033】
本実施形態では、一対の短辺側土台部5間の距離は、短辺側側壁部7(短辺側ベース板部21)の上下幅の2倍の長さよりも長くなっている。このため、一対の短辺側側壁部7を寝かせ姿勢とした状態(折畳み容器1の折畳み状態)では、一対の短辺側側壁部7がそれぞれ底壁部3の上面に当接して支持されるようになっている(一対の短辺側側壁部7が同じ高さ位置で寝かせ姿勢とされている)。尚、本実施形態の各短辺側土台部5の底壁部3からの突出長は、短辺側側壁部7の厚みとほぼ同じとなっている。
【0034】
また、
図2等に示すように、一対の長辺側土台部4間の距離は、長辺側側壁部6(長辺側ベース板部11)の上下幅の2倍の長さよりも短くなっている。このため、折畳み容器1の折畳み状態では、一対の長辺側側壁部6同士が上下に重なるように構成されている。さらに、短辺側土台部5の折畳み容器1の外方側の部位には、寝かせ姿勢とされた一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ姿勢とされている長辺側側壁部6の係止壁17を収容する土台側係止壁収容部35が設けられている。加えて、長辺側側壁部6の外面側には、寝かせ姿勢とされた一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ姿勢とされている長辺側側壁部6の係止壁17を収容する側壁側係止壁収容部36が設けられている。尚、長辺側側壁部6は、長辺側側壁部6を起立姿勢から寝かせ姿勢へと変位させることで、長辺側ヒンジ部14を長辺側軸受部33に挿入した状態のまま上下に変位可能に構成されており、寝かせ姿勢とされた上下一対の長辺側側壁部6は、それぞれ底壁部3と略平行して延在するようになっている。
【0035】
また、底壁構成部2は、長辺側土台部4の両端部から短辺側土台部5の上方に突出し、短辺側土台部5の上面側と連結されたコーナー突部37を備えている。折畳み容器1の折畳み状態においては、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ姿勢とされている長辺側側壁部6よりも上方にまで長辺側土台部4、及び、コーナー突部37が突出している。
【0036】
さて、
図7、
図12等に示すように、本実施形態の長辺側側壁部6は、(起立姿勢にある場合に)長辺側ベース板部11から折畳み容器1の外方側に突出するとともに、折畳み容器1の内方側に開口する水平断面略コ字状の縦リブ構成部41を備えている。縦リブ構成部41は、長辺側ベース板部11に設けられた開口部の両側縁部から外方に延びる一対の側板部42と、一対の側板部42の先端縁間を連結する外板部43と、一対の側板部42と外板部43との間を連結し、略水平方向に延びる水平補強リブ44とを備えている。
【0037】
図4等に示すように、本実施形態の縦リブ構成部41は、長辺側上枠部12から長辺側下フランジ部13にかけて延びている。また、縦リブ構成部41は、長辺側側壁部6の横幅方向両側部近傍部位にそれぞれ設けられるとともに、長辺側側壁部6の横幅方向中央部の左右に1つずつ設けられている。さらに、
図11、
図12、
図14に示すように、縦リブ構成部41の側板部42と、長辺側ベース板部11との境界部は、断面略円弧状をなしている。尚、
図7に示すように、長辺側側壁部6の両側部近傍の縦リブ構成部41の形成位置と、長辺側側壁部6の中央部近傍の縦リブ構成部41の形成位置との間に、長辺側ヒンジ部14が2つずつ配置されている。また、本実施形態では、長辺側上枠部12のうち、嵌合凹部16の形成範囲の両端部の下方に、縦リブ構成部41が設けられている。
【0038】
加えて、
図12等に示すように、水平補強リブ44は、上下に所定距離を隔てて複数箇所に設けられている。さらに、
図11等に示すように、各水平補強リブ44(折畳み容器1の内方側の辺部)は、長辺側ベース板部11の内面よりも折畳み容器1の外方側に位置している。さらに、水平補強リブ44の折畳み容器1の内方側の辺部のうち側板部42との連接部位は、湾曲形状とされている。
【0039】
また、
図12に示すように、縦リブ構成部41のうち長辺側側壁部6の横幅方向両側部付近に設けられた縦リブ構成部41は、長辺側下フランジ部13の上面と、一番下側に配置される水平補強リブ44との間を連結する垂直補強リブ45を備えている。垂直補強リブ45のうち折畳み容器1の内方側の辺部は、下方に向けて折畳み容器1の内方側に傾斜している。加えて、図示は省略するが、水平補強リブ44の先端部は、面取り形状(断面略半円形状)とされている。
【0040】
尚、
図11に示すように、折畳み容器1に略球状の物品49を収容した場合、基本的に、物品49が水平補強リブ44、及び、垂直補強リブ45に当接しないように(或いは、物品が
図11に示すものよりも小さく、水平補強リブ44、及び、垂直補強リブ45に当接するとしても、比較的広範囲で当接するように)構成されている。
【0041】
図7、
図10、
図14等に示すように、各短辺側側壁部7の外面側には、短辺側ベース板部21の外面に対し所定距離を隔てて対向する対向板部52と、対向板部52と、短辺側ベース板部21との間を連結する連結板部53とを備える外周持ち手部51が設けられている。
図5、
図7に示すように、外周持ち手部51は、各短辺側側壁部7の両側部付近にそれぞれ設けられ、短辺側側壁部7の高さ方向中央部付近から、上記ロック部材26が設置されている部位の直下にかけて設けられている。また、
図10等に示すように、各外周持ち手部51の連結板部53は、対向板部52のうち、短辺側側壁部7の側辺部側の辺部と連結されており、対向板部52と、連結板部53と、短辺側ベース板部21とで囲まれる外周持ち手部51の内側空間が、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側に開口している。
【0042】
さらに、外周持ち手部51は、対向板部52のうち、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の端縁から折畳み容器1の外方側に突出する持ち手リブ54を備えている。尚、本実施形態の対向板部52は、短辺側側壁部7の外面(短辺側側壁部7の外面側に設けられるリブ等の外側端縁により構成される面)よりも内方に位置しており、持ち手リブ54の上端部、及び、下端部は、短辺側側壁部7の外面側に設けられた水平方向に延びるリブに連結されている。
【0043】
その一方で、
図1、
図10に示すように、長辺側側壁部6の外面側には、当該長辺側側壁部6の横幅方向側辺部側であって、外周持ち手部51が設けられている高さの範囲を含む部位において、長辺側ベース板部11の外面よりも折畳み容器1の外方側に位置し、長辺側ベース板部11と(ほぼ)平行して延びる平面部55が設けられている。本実施形態では、上記した縦リブ構成部41のうち長辺側側壁部6の側辺部近傍に設けられた縦リブ構成部41の外板部43の外面により平面部55が構成されている。
【0044】
そして、例えば、作業者が、一対の長辺側側壁部6のうちの一方の長辺側側壁部6の外面を手前に向けて折畳み容器1を配置し、一対の短辺側側壁部7に設けられた外周持ち手部51に対しそれぞれ人差し指~小指を掛けるとともに、前記手前側の長辺側側壁部6の平面部55に対し親指等を当てる(平面部55のうち長辺側側壁部6の横幅方向中央部側の辺部に指を掛ける、平面部55を構成する縦リブ構成部41の側板部42に指を掛ける)ことで、折畳み容器1の外周の4つのコーナー部のうち手前側の2つを手で掴み、折畳み容器1を移動させることができる。このような折畳み容器1の持ち方は、物品が収容された状態の折畳み容器1を傾けて物品を取出す場合、或いは、組立状態の折畳み容器1を作業者の身長に対して比較的高所に上げ下げする場合等において特に有効である。
【0045】
また、
図1、
図10に示すように、本実施形態では、折畳み容器1の外周のコーナー部は、底壁構成部2よりも上方の部位に関しては、長辺側側壁部6の外面側の両側部により構成されている。さらに、折畳み容器1の外周のコーナー部においては、長辺側側壁部6のうち少なくとも外周持ち手部51が設けられている高さの範囲が、底壁構成部2の外周のコーナー部よりも折畳み容器1の内方側に位置している。
【0046】
すなわち、本実施形態では、長辺側側壁部6の外面側には、長辺側ベース板部11から外方に突出するリブ等(縦リブ構成部41を含む)が設けられ、当該リブ等の外端部により長辺側側壁部6の外面が形成されている。但し、長辺側側壁部6の外面側の両側部には、上記のように、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ姿勢とされる長辺側側壁部6の係止壁17を収容するための側壁側係止壁収容部36が設けられている。側壁側係止壁収容部36は、長辺側側壁部6が起立姿勢にある場合に、側方、及び、外方に開口している上、折畳み容器1の組立状態では、上下方向において少なくとも外周持ち手部51が設けられている高さの範囲には、側壁側係止壁収容部36についても延在するようになっている。
【0047】
尚、
図1、
図4、
図5に示すように、長辺側側壁部6の外面側には、起立姿勢にある場合の各側壁側係止壁収容部36の上方位置において、長辺側ベース板部11から外方に突出する上補助凸部56が設けられている。上補助凸部56の下面は、ロック部材26を収容する空間を区画している短辺側側壁部7の外面側に設けられた横リブの下面と略同じ高さ位置となっている。当該上補助凸部56により、ロック係止部17cの強度が確保される上、外周持ち手部51と、平面部55とに指を掛けて折畳み容器1の外周のコーナー部を掴んで折畳み容器1を持ち上げる際に、外周持ち手部51側の指先は、ロック部材26の収容空間を区画する横リブの下面に当て、折畳み容器1のコーナー部においては、人差し指と親指との間の部位を、上補助凸部56の下面に当てて、折畳み容器1の支持を行うことが可能となる。さらに、上補助凸部56の下面と同じ高さ位置において、縦リブ構成部41の側板部42にも、左右方向に延びるリブが連結されており、折畳み容器1の外面のコーナー部を掴む際に、平面部55の側辺部に掛けた指先を、かかるリブの下面に当てて、折畳み容器1の支持を行うことが可能である。
【0048】
また、長辺側側壁部6の両側部において、折畳み容器1の外方側に延びるリブが形成されていない部位(側壁側係止壁収容部36)に関しては、長辺側側壁部6の厚み方向において2層構造(2層の間の空間は長辺側側壁部6の側方に開口している)となっており、強度の向上等が図られている。さらに、当該2層構造とされている部位のうち、長辺側側壁部6の横幅方向中央部側の部位には、外方に突出し、上下に延びるリブが設けられているが、当該リブ、及び、前記上補助凸部56に関しては、その他のリブ等(縦リブ構成部41等)よりも外方への突出長が短く、長辺側側壁部6の外面よりも内方に位置している。
【0049】
図9等に示すように、底壁構成部2は、外周対応部31から下方に突出する底部補強部61を備えている。底部補強部61は、下支持部32から所定距離を隔てて、底壁部3の各長側辺部、及び、各短側辺部に沿って設けられている。
図6、
図7等に示すように、底壁部3の短側辺部に対応して設けられる底部補強部61は、外周対応部31のうち底壁部3の短側辺部よりも底壁部3の内周側の位置において下方に突出し、底壁部3の短側辺部に沿って延在する底部補強ベース部62と、底部補強ベース部62の下辺部から外方に突出する底部補強フランジ63と、底部補強フランジ63、底部補強ベース部62、及び、外周対応部31の間を連結し、上下に延びる底部補強リブ64とを備えている。
【0050】
また、
図5、
図6等に示すように、短辺側側壁部7の横幅方向において、コーナー突部37の形成範囲の一部が、底部補強部61の形成範囲と重複するように構成されている。
図9等に示すように、本実施形態では、底壁構成部2の下面には、4隅(外周対応部31のコーナー部)において底部補強部61が設けられていないコーナー段積み許容部65が設けられており、底壁部3の短側辺部に対応して設けられる底部補強部61は、底壁部3の短側辺部の一端部近傍部位から、他端部近傍部位にかけて連続して延在している。このため、
図5、
図9等に示すように、底壁部3の短側辺部に対応して設けられる底部補強部61は、コーナー突部37のうち、短辺側土台部5の長手方向中央部側において上下に延びている内側縦辺部66を、短辺側側壁部7の横幅方向において跨ぐようにして延在するようになっている。
【0051】
加えて、
図5、
図9、
図10等に示すように、長辺側土台部4の両側端部からコーナー突部37の外面にかけて、コーナー突部37を囲うようにして延びるコーナーリブ67が設けられている。コーナーリブ67のうち、短辺側土台部5の長手方向中央部側の上下に延びている(内側縦辺部66に沿って延びている)部位である内縦部68が、底部補強部61の底部補強リブ64と上下にほぼ連続して延びている(底部補強リブ64の上端部の近傍部位に内縦部68の下端部が連結されている)。
【0052】
また、底壁部3の短側辺部に対応する底部補強部61の外側端部(底部補強部61の外面)、及び、コーナーリブ67の外側端縁(コーナー突部37の外面)は、起立姿勢にある短辺側側壁部7の外面、及び、底壁部3の短側辺部(底壁構成部2の外周面のうち短側辺部に対応する部位)と同じ仮想平面上にほぼ位置する(略面一とされる)よう構成されている。尚、底壁部3の長側辺部に対応する底部補強部61の外面についても、起立姿勢にある長辺側側壁部6の外面、及び、底壁部3の長側辺部と略面一とされるように構成されている。
【0053】
さらに、
図7、
図8に示すように、コーナー突部37は、短辺側軸受部34と、起立姿勢とされた短辺側側壁部7の外面と対向する外支持部70とが段差状に配置された兼用部69を備えている。より具体的に、本実施形態のコーナー突部37は、長辺側土台部4との連結部位においては、短辺側土台部5の厚み方向において2層構造とされている一方で、短辺側軸受部34をコーナー突部37の形成範囲に設けるべく、コーナー突部37のうち底壁部3の短側辺部の中央部側の部位については、短辺側土台部5の上辺部がコーナー突部37の内側に延長されるような格好で、底壁部3の内周側の部位が削られたような形状をなしている。外支持部70は、コーナー突部37の前記2層構造部分から短辺側土台部5の長手方向中央部側に突出するとともに、底壁部3(短辺側土台部5のうち土台側係止壁収容部35の上面)と連結されており、当該外支持部70の外面側の外周縁部には、前記コーナーリブ67(内縦部68を含む)が設けられている。
【0054】
尚、
図7等に示すように、短辺側側壁部7には、自身が起立姿勢とされた場合に、コーナー突部37のうち2層構造部分の挿通を許容するための挿通許容凹部71が短辺側側壁部7の厚み方向に貫通するようにして設けられるとともに、外支持部70の挿入を許容するための挿入許容凹部72が、短辺側側壁部7の外面側を凹ませるようにして設けられている。これにより、短辺側側壁部7が起立姿勢とされた場合に、短辺側側壁部7の外面側(挿入許容凹部72)と、コーナー突部37(外支持部70)とが、短辺側側壁部7の厚み方向において対向する(当接又は近接する)ようになっている。
【0055】
また、
図13に示すように、折畳み容器1を組立状態として段積みした場合には、上側の折畳み容器1の底部補強部61(
図9参照)が、下側の折畳み容器1の長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7(長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22)の上辺部に設けられた嵌合凹部16(
図1参照)に挿入される(略嵌合する)ようになっている。上記のように、嵌合凹部16は、長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22の上辺部のうち、長手方向一端部近傍部位と、他端部近傍部位との間であって、折畳み容器1の外方側の部位において設けられている。このため、
図1等に示すように、長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22の上辺部のうち、嵌合凹部16が形成されていない部位である天面部15は、各長辺側側壁部6、及び、各短辺側側壁部7の上辺部の長手方向一端部から他端部にかけて連続して延びている。さらに、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6の天面部15と、短辺側側壁部7の天面部15とが同じ高さ位置となっている。これにより、組立状態にある折畳み容器1の最上部を構成する天面部15が、同じ高さ位置で長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の上辺部の全周にわたり連続して延在する(略四角枠状に延在する)ようになっている。
【0056】
また、
図1等に示すように、天面部15は、折畳み容器1のコーナー部において、幅広部81を備えている。つまり、上記のように、長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22の両端部近傍部位においては、嵌合凹部16が形成されておらず、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の厚み方向の全体が、天面部15となっている。このため、長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22の両端部近傍部位における天面部15(以下、「幅広構成部82」とも称する)は、長辺側上枠部12、及び、短辺側上枠部22の長手方向中間位置における天面部15よりも幅が広く、折畳み容器1の組立状態では、長辺側側壁部6の幅広構成部82と、短辺側側壁部7の幅広構成部82とが隣接することで、折畳み容器1のコーナー部において、幅広部81が設けられるようになっている。
図13に示すように、組立状態にある折畳み容器1を段積みした場合、下側の折畳み容器1の幅広部81については、上側の折畳み容器1の底壁構成部2の下面の4隅に設けられた前記コーナー段積み許容部65に挿入されるようになっている。
【0057】
加えて、
図5等に示すように、底部補強部61の下面と、下支持部32の下面とは、同じ高さ位置に設けられている。このため、折畳み容器1を床面等の設置面に設置した場合には、下支持部32、及び、底部補強部61の両方が設置面に接地することとなる。また、
図14に示すように、組立状態にある折畳み容器1の段積み状態においては、下側の折畳み容器1のうち天面部15が、上側の折畳み容器1の下支持部32と、底部補強部61とで内外に挟まれるような格好となる。
【0058】
尚、底部補強部61の下面が、下支持部32の下面と同じ高さとされているため、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みした場合には、下側の折畳み容器1の長辺側土台部4の上面に対し、上側の折畳み容器1の底部補強部61が当接して支持されるものの、上側の折畳み容器1の下支持部32は、下側の折畳み容器1の一対の長辺側土台部4の間の空間に挿入されないようになっている。この点、
図2等に示すように、本実施形態では、各長辺側土台部4の両端部、及び、コーナー突部37が、長辺側土台部4の一般部位よりも上方に突出するように構成されており、当該突出した部位が、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みした場合に、上側の折畳み容器1の底壁構成部2の下面の4隅に設けられた前記コーナー段積み許容部65に略嵌合するようになっている。これにより、折畳み状態にある折畳み容器1の段積み状態の安定化が図られるようになっている。
【0059】
また、本実施形態では、折畳み容器1の長手幅が、短手幅の2倍となっており、長辺側側壁部6の厚みと、短辺側側壁部7の厚みとが同じであり、長辺側側壁部6の厚み方向における長辺側上枠部12の嵌合凹部16の幅と、短辺側側壁部7の厚み方向における短辺側上枠部22の嵌合凹部16の幅とが同じであり、底壁部3の長側辺部に対応する底部補強部61の厚みと、底壁部3の短側辺部に対応する底部補強部61の厚みとが同じである。さらに、
図9に示すように、底壁構成部2の下面側には、長手幅方向の中央部において、底壁部3の長側辺部に対応する底部補強部61、及び、下支持部32が省略されたセンター段積み許容部83が設けられている。
【0060】
このため、本実施形態では、
図13に示すように、組立状態の折畳み容器1同士を同じ向きで上下に真っ直ぐに積み重ね可能なだけではなく、
図15に示すように、折畳み容器1同士を90度ずつ水平に回転させた向きで上下に積み重ね可能、並びに、
図16~
図20に示すように、折畳み容器1同士を同じ向きで水平方向に位置をずらして上下に積み重ね可能に構成されている。また、横並びで設置された組立状態の2つの折畳み容器1に跨るようにして折畳み容器1を積み重ねる場合には、上側の折畳み容器1のセンター段積み許容部83に対し、下側の2つの折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部(天面部15)が挿入状態とされるようになっている。
【0061】
以上詳述したように、本実施形態によれば、一対の短辺側側壁部7の外面側には、短辺側ベース板部21の外面に対し所定距離を隔てて対向する対向板部52と、対向板部52と、短辺側ベース板部21との間を連結する連結板部53とを備える外周持ち手部51が設けられている。さらに、対向板部52と、連結板部53と、短辺側ベース板部21とで囲まれる外周持ち手部51の内側空間は、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側に開口している。このため、作業者が、一対の長辺側側壁部6のうちの一方の長辺側側壁部6の外面を手前に向けて折畳み容器1を配置し、一対の短辺側側壁部7の外面側に対しそれぞれ人差し指~小指を当てるとともに、前記手前側の長辺側側壁部6の外面側に対し親指を当てることで、折畳み容器1の外周のコーナー部のうち手前側の2つのコーナー部を両手でそれぞれ掴み、折畳み容器1を移動させる(傾ける・上げ下げする)といった場合に、短辺側側壁部7の外面側に設けられた外周持ち手部51に対し、人差し指~小指の指先を引っ掛けることができる。従って、折畳み容器1の外周部分(折畳み容器1の外周のコーナー部)を掴んで変位させる際の作業性の向上を図ることができる。
【0062】
さらに、外周持ち手部51は、対向板部52のうち、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の端縁から折畳み容器1の外方側に突出する持ち手リブ54を備えている。これにより、外周持ち手部51の補強を図ることができる。また、指先を外周持ち手部51に掛けられる(当てることのできる)面積を増やすことができる。従って、外周持ち手部51に対しより力を掛け易くなる上、指先への局所的な負荷を緩和することができる。
【0063】
加えて、本実施形態では、外周持ち手部51が設けられている高さの範囲における折畳み容器1の外周のコーナー部が長辺側側壁部6の外面側の両側部により構成され、当該折畳み容器1の外周のコーナー部(長辺側側壁部6)においては、少なくとも外周持ち手部51が設けられている高さの範囲が、底壁構成部2の外周のコーナー部よりも折畳み容器1の内方側に位置するように構成されている。このため、折畳み容器1の外周のコーナー部を手で掴む場合に、短辺側側壁部7の外周持ち手部51に掛けた指と、長辺側側壁部6の外面に当てた指との間の部位(例えば、掌等)が、折畳み容器1の外周のコーナー部と干渉し、折畳み容器1を持ち難くなるといった事態を抑制することができる。従って、例えば、折畳み容器1の外周のコーナー部において、長辺側ベース板部11の側辺部から底壁構成部2の外周のコーナー部の頂部と同じ位置まで長辺側ベース板部11の外面に対して斜めに延出する縦リブを設ける場合に比べ、折畳み容器1の外周のコーナー部を掴む手の掌を折畳み容器1の外周に当てる場合に、掌等への局所的な負荷を緩和することができる上、接触面積を増やす等、好適に折畳み容器1の外周のコーナー部を掴むことができる。
【0064】
また、長辺側側壁部6の外面側には、当該長辺側側壁部6の横幅方向側辺部側であって、外周持ち手部51が設けられている高さの範囲の少なくとも一部において、長辺側ベース板部11の外面よりも折畳み容器1の外方側に位置し、長辺側ベース板部11と平行して延びる平面部55(本例では、縦リブ構成部41の外板部43の外面により構成される)が設けられている。このため、折畳み容器1の外周のコーナー部を手で掴む場合に、長辺側側壁部6側においてもしっかりと指先を長辺側側壁部6の外面側に当てることができる。従って、長辺側側壁部6側に当たる指先や掌等への局所的な負荷を緩和することができる上、接触面積を増やす等、好適に折畳み容器1の外周のコーナー部を掴むことができる。さらに、平面部55が、長辺側ベース板部11よりも外方に位置することで、平面部55の側辺部に指先を掛けることができる上、長辺側側壁部6の外面側において平面部55(縦リブ構成部41)よりも長辺側側壁部6の側辺部側に縦リブが設けられていても、平面部55に指先を好適に当てることができる。
【0065】
また、本実施形態では、長辺側側壁部6は、長辺側ベース板部11から折畳み容器1の外方側に突出するとともに、折畳み容器1の内方側に開口する水平断面略コ字状の縦リブ構成部41を備えている。縦リブ構成部41は、長辺側ベース板部11に設けられた開口部の両側縁部から外方に延びる一対の側板部42と、一対の側板部42の先端縁間を連結する外板部43と、一対の側板部42と外板部43との間を連結し、略水平方向に延びる水平補強リブ44とを備えている。このため、例えば、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6の長辺側ベース板部11に対し上下に圧縮荷重が作用した場合に、当該長辺側ベース板部11の折畳み容器1の内方側に膨出するような変形を、縦リブ構成部41の一対の側板部42だけでなく、縦リブ構成部41の外板部43によっても抑止することができる。つまり、長辺側ベース板部11の折畳み容器1の内方側への変形に追従して側板部42も内方側に変位してしまうといった事態を外板部43で抑制することができ、特に、外板部43が長辺側ベース板部11に比べて作用している圧縮荷重が小さい、或いは、外板部43に対し折畳み容器1の外方側に膨出する変形を起すような力が作用している場合には、かかる作用効果がより顕著に奏される。
【0066】
さらに、縦リブ構成部41の内側に水平補強リブ44が設けられることにより、縦リブ構成部41の剛性を高めることができ、縦リブ構成部41の形状変化をより一層抑制することができる。従って、長辺側側壁部6の変形をより確実に抑止することができ、結果として、折畳み容器1の段積み状態の安定化等を図ることができる。
【0067】
また、水平補強リブ44は、長辺側ベース板部11の内面よりも折畳み容器1の外方側に位置している。このため、折畳み容器1に収容された物品49が水平補強リブ44に接触し、物品、又は、水平補強リブ44が損傷等してしまうといった事態を抑止することができる。特に、折畳み容器1に収容される物品が折畳み容器1に比べて柔らかく、損傷し易いものである場合(例えば、果物等)には、水平補強リブ44等に当接して物品が損傷することを抑止するといった作用効果がより顕著に奏される。
【0068】
さらに、縦リブ構成部41の側板部42と、長辺側ベース板部11との境界部が断面略円弧状をなしていることで、当該境界部に対し、折畳み容器1に収容された物品が接触した場合に、物品、又は、前記境界部が損傷等してしまうといった事態を抑止することができる。加えて、水平補強リブ44の折畳み容器1の内方側の辺部のうち側板部42との連接部位が湾曲形状をなしていることで、縦リブ構成部41の強度をより一層高めることができる。尚、水平補強リブ44の折畳み容器1の内方側の辺部のうち湾曲して延びる側板部42との連接部位が長辺側ベース板部11の内面に近接したとしても、折畳み容器1に収容される物品49が角張っていない(比較的丸い)ものであれば、物品49が水平補強リブ44と接触して物品49が損傷する等の事態が抑制される(
図11参照)。
【0069】
また、長辺側側壁部6の両側部近傍に設けられた縦リブ構成部41は、一番下側の水平補強リブ44と、長辺側下フランジ部13との間を連結する垂直補強リブ45を備え、垂直補強リブ45のうち折畳み容器1の内方側の辺部は、下方に向けて折畳み容器1の内方側に傾斜している。このように垂直補強リブ45を設けることにより、縦リブ構成部41の強度をより一層高めることができる。さらに、折畳み容器1に収容される物品が角張っていない(比較的丸い)ものであれば、物品が垂直補強リブ45と接触して物品が損傷する等の事態が抑制される。
【0070】
加えて、水平補強リブ44の先端部は、断面略円弧状とされている。このため、水平補強リブ44の先端部に対し、折畳み容器1に収容された物品が接触した場合に、物品、又は、前記先端部が損傷等してしまうといった事態を抑止することができる。
【0071】
また、本実施形態では、長辺側土台部4の両端部において、短辺側土台部5の上方に突出し、短辺側土台部5の上辺部と連結されるコーナー突部37と、底壁構成部2の外周対応部31から下方に突出する底部補強部61とが設けられている。そして、短辺側側壁部7の横幅方向において、コーナー突部37の形成範囲の一部(短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の部位)が、底部補強部61の形成範囲と重複するように構成されている。つまり、折畳み容器1の組立状態において短辺側側壁部7、及び、短辺側土台部5を正面視した場合には、コーナー突部37の一部の下方位置に、底部補強部61が存在するように構成されている。そして、底壁構成部2の外周対応部31において、底部補強部61が設けられている部位は、設けられていない部位に比べ、剛性が高く、変形し難い。従って、長辺側土台部4から突出するコーナー突部37の少なくとも一部が、短辺側土台部5等を介して、底部補強部61と上下に配置される(連結される)ことにより、長辺側土台部4が上方からの荷重を受けることで、長辺側土台部4に対し折畳み容器1の外方側に変形させられるような力が作用した場合であっても、長辺側土台部4の外方への変形をより確実に抑止することができる。結果として、折畳み容器1の段積み状態の安定化等を図ることができる。
【0072】
尚、本実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、長辺側側壁部6同士が上下に重なる構成であり、重ならない構成に比べ、長辺側土台部4が高くなって変形し易くなることが懸念される。このような構成において、上記のようにコーナー突部37、及び、底部補強部61を設けることにより、長辺側土台部4の変形を抑止して、段積み状態の安定化を図るといった作用効果がより顕著に奏される。
【0073】
また、長辺側土台部4の両側端部からコーナー突部37の外面にかけて、コーナー突部37を囲うようにして延びるコーナーリブ67が設けられている。このため、コーナー突部37の強度及び剛性を高めるとともに、コーナー突部37と、長辺側土台部4との連結状態をより強固なものとすることができる。従って、たとえコーナー突部37の厚みを薄くする(2重壁構造ではなく、単板状にする)場合であっても、コーナー突部37として必要な強度を確保することができる。
【0074】
さらに、底部補強部61は、上下に延びる底部補強リブ64を備え、コーナーリブ67のうち、短辺側土台部5の長手方向中央部側の上下に延びている部位である内縦部68が、底部補強リブ64と上下にほぼ連続している(底部補強リブ64の上端部の近傍部位に内縦部68の下端部が連結されている)。このため、コーナー突部37と、底部補強部61(底部補強リブ64)との連結状態をより強固なものとすることができ、底部補強部61を設けることにより、長辺側土台部4の外方側への変形を防止するといった作用効果がより一層奏される。特に、底部補強リブ64は、その下端部が、底部補強フランジ63と連結されていることから、底部補強部61の剛性等をより高めることができ、長辺側土台部4の変形を防止するといった作用効果がより一層奏される。
【0075】
加えて、底部補強部61の外側端部(外面)、及び、コーナー突部37の外側端部(外面)は、起立姿勢にある短辺側側壁部7の外面、及び、底壁部3の短側辺部(底壁構成部2の外周面のうち短側辺部側の部位)と同じ仮想平面上にほぼ位置する(ほぼ面一とされる)よう構成されている。このため、底部補強部61が底壁構成部2の外周対応部31の外側端縁を含む位置に設けられ、当該外周対応部31の外側端縁を含む部位の剛性が高められている。従って、例えば、コーナー突部37や長辺側土台部4の両端部に対し、短辺側側壁部7側における折畳み容器1の外方側へ変位・変形するような力が作用した場合についても、底部補強部61を設けたことにより確実に抑制することができる。さらに、コーナー突部37についても、短辺側土台部5の厚み方向において底部補強部61の上方に配置されていることから、コーナー突部37と、底部補強部61との連結状態を強固なものとすることができる。従って、コーナー突部37、及び、底部補強部61の強度・剛性の向上を図ることができる。
【0076】
また、底部補強部61は、コーナー突部37のうち、短辺側土台部5の長手方向中央部側において上下に延びている内側縦辺部66を、短辺側側壁部7の横幅方向において跨ぐようにして延在している。このため、底部補強部61が、コーナー突部37の下方位置から、短辺側土台部5の長手方向中央部側にまで延びることで、底部補強部61の剛性がより高められ、長辺側土台部4の外方側への変位を抑止する作用効果がより一層奏される。特に、本実施形態では、底壁部3の短側辺部に沿って設けられる底部補強部61は、一対の長辺側土台部4のうち一方のコーナー突部37の下方位置から、他方のコーナー突部37の下方位置にかけて連続して設けられている。このため、底壁部3の強度の向上が図られるとともに、底部補強部61の剛性がより一層高められ、結果として、長辺側土台部4の外方側への変位をより確実に防止することができる。
【0077】
さらに、各コーナー突部37は、短辺側軸受部34と、起立姿勢とされた短辺側側壁部7の外面と対向する外支持部70とが段差状に配置された兼用部69を備えている。このため、短辺側軸受部34を極力底壁構成部2のコーナー部に寄せて設ける(短辺側側壁部7の短辺側ヒンジ部24を短辺側側壁部7の側辺部近傍に設ける)ことができ、短辺側側壁部7の短辺側土台部5との連結状態をより好適なものとすることができる。さらに、外支持部70により起立姿勢にある短辺側側壁部7の外方への変位を規制することができ、また、外支持部70(コーナー突部37)の変位については、底部補強部61により上記のように抑制されることとなる。加えて、コーナー突部37において、複数の機能を備えることにより、折畳み容器1のコンパクト化や軽量化等を図ることができる。
【0078】
また、本実施形態では、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の上辺部において、折畳み容器1の最上部を構成するとともに、同じ高さ位置で長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の上辺部の全周にわたり連続して延在する天面部15が設けられている。このため、例えば、組立状態にある折畳み容器1をパレットに載置した形態の運搬ユニット同士を上下に積み重ねる場合に、下側の運搬ユニットの折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部の全周にわたって、上側の運搬ユニットのパレットを支持することができる。このため、例えば、天面部15が側壁部6、7の上辺部の周方向において断続的に設けられているだけの構成に比べ、上側の運搬ユニットの荷重を側壁部6、7の上辺部の全周で分散させて支持することができる。従って、運搬ユニットの段積み状態において、側壁部6、7の上辺部、或いは、パレットのうち側壁部6、7の上辺部に当接する部位の変形や損傷等を抑制することができる。結果として、運搬ユニットの段積み状態の安定化等を図ることができる。さらに、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の上辺部には、天面部15に隣接して嵌合凹部16が設けられていることから、組立状態にある折畳み容器1の段積み状態ついても十分に安定化等を図ることができる。
【0079】
また、天面部15は、折畳み容器1のうち比較的強度の高いコーナー部において幅広部81を備えている。このため、かかるコーナー部においてより積極的に上方からの荷重を支持することができる。従って、運搬ユニットの段積み状態における折畳み容器1の部分的な(比較的強度の低い部位の)変形を抑止することができ、段積み状態の安定化を図ることができる。
【0080】
さらに、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ幅広部81の一部を構成する幅広構成部82を備え、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6の幅広構成部82と、短辺側側壁部7の幅広構成部82とが隣接するように構成されている。このため、組立状態にある折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部において、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7とが隣接する部位が互いに幅広構成部82となっていることから、折畳み容器1の組立・折畳み作業時や、段積み状態での運搬時等において、長辺側側壁部6の天面部15と、短辺側側壁部7の天面部15とが接触し、損傷するといった事態を抑止することができる。また、折畳み容器1の組立状態では、長辺側側壁部6の天面部15と、短辺側側壁部7の天面部15とが、互いに幅広構成部82において、比較的広範囲で好適に当接することから、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との間の位置ずれがより確実に抑制され、折畳み容器1の組立状態の安定化を図ることができる。
【0081】
加えて、底部補強部61の下面は、下支持部32の下面と同じ高さ位置に設けられている。このため、折畳み容器1を設置面に設置した場合に、下支持部32、及び、底部補強部61の両方が設置面に接地することから、下支持部32、及び、底部補強部61が協働して折畳み容器1を支持することができ、底壁構成部2の変形等を抑止することができる。また、折畳み容器1の段積み状態においては、下側の折畳み容器1のうち天面部15が形成された部位を、上側の折畳み容器1の下支持部32と、底部補強部61とで内外に挟むような格好となる。従って、折畳み容器1の段積み状態の安定化等をより一層図ることができる。
【0082】
また、本実施形態では、折畳み容器1同士を同じ向きで上下に真っ直ぐに積み重ね可能なだけではなく、折畳み容器1同士を同じ向きで水平方向に位置をずらして上下に積み重ね可能、並びに、折畳み容器1同士を90度ずつ水平に回転させた向きで上下に積み重ね可能に構成されている。このため、用途や設置スペース等に応じて多様な積み重ね方を選択することができ、利便性や汎用性の向上等を図ることができる。
【0083】
さらに、底壁構成部2には、横並びで設置された2つの組立状態にある折畳み容器1に跨るようにして折畳み容器1を積み重ねる場合に、底部補強部61(及び、下支持部32)の間に、下側の折畳み容器1の天面部15を配置することを許容するセンター段積み許容部83が設けられている。このため、下側の折畳み容器1の天面部15と、上側の折畳み容器1の底部補強部61との干渉を避けつつ、上側の折畳み容器1の底部補強部61と、下側の折畳み容器1の嵌合凹部16とを嵌合させることができる。また、センター段積み許容部83の両側方に底部補強部61が配置されていることから、上側の折畳み容器1と、下側の折畳み容器1との水平方向における相対的な位置ずれをより確実に防止することができ、折畳み容器1の段積み状態の安定化を図ることができる。
【0084】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0085】
(a)上記実施形態では、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が底壁構成部2に対して回動変位可能に連結されているが、例えば、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の一方、又は、両方について、起立姿勢と、寝かせ姿勢との間で姿勢を変化させる場合には、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7を底壁構成部2から取外す(一旦取外して姿勢変化させる)ように構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態の折畳み容器1は、折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6同士が上下に重なるように構成されているが、重ならない構成の折畳み容器に適用してもよい。さらに、折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7同士が上下に重なる折畳み容器に適用することも可能である。
【0087】
加えて、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が、底壁構成部2と一体的に形成された(折畳むことのできない)容器に具体化することも可能である。さらに、段積みすることのできない(容器同士を上下に積み重ねた場合に水平方向における位置ずれを防止する構成のない)容器に具体化することも可能である。
【0088】
また、上記実施形態では、長辺側土台部4が短辺側土台部5よりも高く、折畳み容器1の折畳み状態において、寝かせ姿勢とされた短辺側側壁部7の上方に長辺側側壁部6が寝かせ姿勢とされるように構成されているが、短辺側土台部5を長辺側土台部4よりも高くして、折畳み容器1の折畳み状態において、寝かせ姿勢とされた長辺側側壁部6の上方に短辺側側壁部7が寝かせ姿勢とされるように構成してもよい。当該構成を採用する場合、折畳み容器1の組立状態において、一対の短辺側側壁部7の側部の間に長辺側側壁部6が立設されるように構成され、短辺側側壁部7の両側部に係止壁が設けられることとなる。
【0089】
加えて、上記実施形態において、底壁構成部2をパレット形状としてもよい。すなわち、底壁構成部が、複数の柱部と、柱部の上端部間を連結する上デッキ部とを備え、複数の柱部の間に、フォークリフト等のフォークを差し込み可能なフォーク差込み部を有するように構成してもよい。
【0090】
(b)上記実施形態では、長辺側側壁部6において縦リブ構成部41が設けられているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、短辺側側壁部7に縦リブ構成部41を設けることとしてもよい。また、縦リブ構成部41の形成位置、数、大きさ等は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。但し、縦リブ構成部41は、折畳み容器1のコーナー部の付近(各長辺側側壁部6のの横幅方向両側部付近)に設けられることが望ましい。
【0091】
また、上記実施形態では、縦リブ構成部41の側板部42と、長辺側ベース板部11との境界部が、断面略円弧状をなしているが、例えば、平らに面取りを行ったような形状としてもよい。さらに、水平補強リブ44の折畳み容器1の内方側の辺部と、側板部42との境界部が湾曲形状とされているが、水平補強リブ44の折畳み容器1の内方側の辺部を直線状に延在させて、側板部42と連結されるように構成してもよい。加えて、水平補強リブ44の先端部は、断面略円弧状をなしている(図示略)が、例えば、平らに面取りを行ったような形状としてもよい。
【0092】
また、水平補強リブ44の数や配置等についても特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。尚、上下に対向する水平補強リブ44間を連結するようにして上下に延びる補強リブを(垂直補強リブ45の上方位置に)設けることとしてもよい。また、垂直補強リブ45を省略することも可能である。加えて、上記実施形態では特に言及していないが、垂直補強リブ45や長辺側下フランジ部13(縦リブ構成部41に対応する部位)の折畳み容器1の内方側の端縁が断面略円弧状をなしていることとしてもよい。尚、縦リブ構成部41を省略することも可能である。
【0093】
(c)上記実施形態では、短辺側側壁部7において外周持ち手部51が設けられているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、長辺側側壁部6に外周持ち手部51を設けることとしてもよい。また、外周持ち手部51の形成位置、数、大きさ等は特に限定されるものではないが、一対の長辺側側壁部6のうちどちらの長辺側側壁部6を手前側にしても、外周持ち手部51に指先を掛けて、折畳み容器1の外周のコーナー部を掴むことができるように、各短辺側側壁部7の両側部近傍にそれぞれ外周持ち手部51を設けることが望ましい。さらに、上記実施形態では、外周持ち手部51が短辺側側壁部7の高さ方向中央部付近~ロック部材26が設置されている部位にかけて(短辺側側壁部7の上部に)設けられているが、短辺側側壁部7の高さ方向のほぼ全域に設けられてもよいし、短辺側側壁部7の下部にのみ設けられてもよい。
【0094】
また、上記実施形態において、外周持ち手部51の内側空間が短辺側側壁部7の横幅方向側辺部側にも開口するように(対向板部52、及び、連結板部53が断面略T字状となるように)構成してもよい。さらに、外周持ち手部51の持ち手リブ54を省略することも可能である。
【0095】
加えて、外周持ち手部51に指を掛ける等して折畳み容器1を変位させる方法等は特に限定されるものではなく、親指を外周持ち手部51に引っ掛けるとともに、人差し指~小指を長辺側側壁部6の外面側に当てることで、折畳み容器1の外周のコーナー部を手で掴んだり、外周持ち手部51にだけ指を掛けて折畳み容器1を引っ張ったりすることも可能である。さらに、寝かせ姿勢にある短辺側側壁部7の外周持ち手部51に指を掛けて短辺側側壁部7を起立姿勢側へ変位させたり、短辺側側壁部7を寝かせ姿勢とする際に外周持ち手部51に指を掛けて短辺側側壁部7を支持したりすることも可能である。
【0096】
また、上記実施形態では、折畳み容器1の外周のコーナー部を手で掴む場合に、人差し指~小指を短辺側側壁部7の外周持ち手部51に掛けるとともに、親指(及び掌の一部)を長辺側側壁部6の縦リブ構成部41の外板部43の外面(平面部55)に当接させる(平面部55の端部に掛ける)ように構成されているが、このように、親指を当接させることのできるような位置に、長辺側ベース板部11よりも外方に位置する平面部55が存在しない折畳み容器に具体化することも可能である。さらに、平面部55の上下方向における形成範囲については、外周持ち手部51が設けられている高さの範囲の少なくとも一部に設けられていればよい。但し、体格差や持ち方の個人差等にも対応できるように、少なくとも外周持ち手部51が設けられている高さの範囲の全体に平面部55が設けられていることが望ましい。加えて、長辺側側壁部6の外面側の側辺部近傍部位が全体的に平面部とされていてもよい。さらに、平面部55は、長辺側側壁部6の横幅方向側辺部側に向けて若干外方に傾斜して延びていることとしてもよい。この場合、折畳み容器1の外周のコーナー部を手で掴む場合に、平面部55の側端部に指先等を掛けることができなくても、平面部55に当てた指の長辺側側壁部6の外面側への掛かりを良くすることができる。
【0097】
また、上記実施形態では、外周持ち手部51と同じ高さの範囲において、折畳み容器1の外周のコーナー部(頂部)を構成する長辺側側壁部6の外面側の両側部が、底壁構成部2の外周のコーナー部よりも折畳み容器1の内方側に位置するよう構成されている(外周持ち手部51と同じ高さ範囲において、側壁側係止壁収容部36が設けられている)が、底壁構成部2の外周とほぼ同じ位置にまで延在するように構成してもよい。但し、折畳み容器1の外周のコーナー部を掴む手の掌に対し、折畳み容器1の外周のコーナー部(頂部)に設けられた縦リブが食い込む等の事態を抑制するべく、折畳み容器1の外周のコーナー部(頂部)においては、長辺側側壁部6の外面側の縦リブを省略し、或いは、縦リブの外方への突出長を比較的短くし、折畳み容器1の外周のコーナー部を掴む手の掌が複数箇所で、ほぼ同じような力で、折畳み容器1と当接し得るように構成することが望ましい。
【0098】
(d)上記実施形態において、底部補強部61の形成範囲については特に限定されるものではなく、例えば、短辺側側壁部7の横幅方向において、コーナー突部37の形成範囲の全体が、底部補強部61の形成範囲と重複するように構成してもよいし、全く重複していなくてもよい。
【0099】
また、コーナー突部37の形状については特に限定されるものではなく、例えば、コーナー突部37の外面側に設けられているコーナーリブ67を省略するとともに、コーナー突部37を短辺側土台部5の厚み方向において2層構造にすることとしてもよい。さらに、兼用部69を省略することも可能である。尚、コーナーリブ67の内周側に上下や左右に延びるリブを設けることとしてもよい。
【0100】
また、短辺側土台部5の長手方向において、コーナーリブ67の内縦部68の位置と、底部補強リブ64の位置とをずらしてもよいが、一致させる、又は、隣接させることにより、底部補強部61によりコーナー突部37を介して長辺側土台部4の変形を防止するといった作用効果がより確実に奏される。尚、底部補強部61において、底部補強リブ64と交差して左右に延びるリブを設けることとしてもよい。
【0101】
(e)上記実施形態では、側壁部6、7の上辺部において、嵌合凹部16が天面部15よりも折畳み容器1の外方側に設けられているが、天面部15よりも折畳み容器1の内方側において設けられることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、折畳み容器1の組立状態において、天面部15が側壁部6、7の上辺部の全周にわたり、隙間なく連続して設けられているが、隙間が形成されていてもよい。加えて、上記実施形態では、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6の天面部15と、短辺側側壁部7の天面部15とが同じ高さ位置となっているが、僅かな高低差が生じるように(例えば、長辺側側壁部6の天面部15の方が、短辺側側壁部7の天面部15よりも1mm程度高く、折畳み容器1を段積みした場合に、上側の折畳み容器1が、下側の折畳み容器1の長辺側側壁部6の天面部15だけでなく、短辺側側壁部7の天面部15にも当接する状況が発生し得るように)構成することとしてもよい。このように、長辺側側壁部6の天面部15と、短辺側側壁部7の天面部15との高さ位置が僅かに異なる構成についても、側壁部6、7の上辺部において組立状態にある折畳み容器1の最上部を構成する天面部15が、同じ高さ位置で側壁部6、7の上辺部の全周にわたり連続して延在する構成に含まれる趣旨である。
【0102】
また、幅広部81の位置について特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、側壁部6、7の上辺部のうち、コーナー部に嵌合凹部を設けるとともに、それ以外の部位を幅広部とするように構成してもよい。尚、上記実施形態において、底壁構成部2の底部補強部61(嵌合部)、及び、側壁部6、7の嵌合凹部16(被嵌合部)を省略することも可能である。尚、嵌合凹部16を省略することも可能である。
【0103】
(f)上記実施形態では、折畳み容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…折畳み容器、2…底壁構成部、3…底壁部、4…長辺側土台部、5…短辺側土台部、6…長辺側側壁部、7…短辺側側壁部、11…長辺側ベース板部、21…短辺側ベース板部、36…側壁側係止収容部、41…縦リブ構成部、43…外板部、51…外周持ち手部、52…対向板部、53…連結板部、54…持ち手リブ、55…平面部。