(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】副流呼吸ガス監視システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/087 20060101AFI20230123BHJP
A61B 5/083 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
A61B5/087
A61B5/083
(21)【出願番号】P 2018569092
(86)(22)【出願日】2017-06-27
(86)【国際出願番号】 US2017039420
(87)【国際公開番号】W WO2018005437
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-24
(32)【優先日】2016-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518462466
【氏名又は名称】トレイメッド,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】リチャルデリ ロバート エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】マーキング マイケル ジェイ.
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-018622(JP,A)
【文献】特開昭58-019234(JP,A)
【文献】特開昭60-063037(JP,A)
【文献】特開2007-111517(JP,A)
【文献】米国特許第05398695(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0067480(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/087
A61B 5/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の呼吸流路内に配置されるように構成された本体部(574)と、
前記本体部とそれぞれ異なるチューブ(576、578、580)を介して流体的に接続される流量センサ(67)及びガス含有量分析器(62、64,66)を内蔵する分析器と、
前記分析器に関連付けられ
、呼吸ごとに患者の呼吸流量値及び患者の少なくとも一部の呼吸流の組成を前記流量センサ及び前記ガス含有量分析器を介して測定するコントローラと、を備え、
前記コントローラが、
1)前記分析器によって生成された大気からなるアライメント用ガスを、少なくとも1つの呼吸サイクルの一部の間に前記本体部への送達を開始し、
2)
前記アライメント用ガスの流量値及び少なくとも一部の組成を前記流量センサ及び前記ガス含有量分析器を介して測定し、
3
)前記アライメント用ガスの流量値及び少なくとも一部の組成の測定値から時間的なオフセット値を取得し、 4)前記オフセット値に基づいて、患者の呼吸流量値と、患者の呼吸流の組成とを時間領域で位置合わせするように構成された、
副流呼吸監視システム。
【請求項2】
前記本体部が、前記異なるチューブ(576,580,578)を介して前記流量センサ(67)及び前記ガス含有量分析器(62、64,66)にそれぞれ接続されるポート(596,598)及びサンプルポート(600)を備え、
前記
コントローラが前記異なるチューブの少なくとも一方を介して前記アライメント用ガスを前記本体部に送達するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記本体部が、前記呼吸流路に露出している前記本体部の表面に施される親水性コーティングを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記オフセット値を、
前記アライメント用ガスの前記流量値と前記少なくとも一部の組成に関連する酸素値及び二酸化炭素値のうちの少なくとも1つとの関数として決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連アプリケーションとの相互参照]
本出願は、「副流呼吸ガス監視システム」との発明の名称の米国非仮特許出願番号第15/195,184号に対する優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、呼吸を監視するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、監視されている人の呼吸及び生理学的能力を監視するように構成されている呼吸監視システムに関する。本発明は、患者のリアルタイムの呼吸ごとの副流監視のためのシステム及び方法を提供する。システムは、患者の生理学的状態及び呼吸性能の様々なパラメータを評価するために呼吸流量及びフロー構成要素を監視し、呼吸フローとガス濃度データの時間的位置合わせを実行するように構成される。
【背景技術】
【0003】
出願人の米国特許第8,459,261号に開示されているように、呼吸性能を監視することが患者の全体的な健康及び特定の呼吸機能に対する診断的洞察を提供することは一般的によく受け入れられている。当然のことながら、呼吸性能に基づく任意の診断又は結論の正確さは、解釈を解釈する技術者の技能、得られた情報の正確さ、及び情報の計算の適時性にも左右される。呼吸監視は、一般に、呼吸サンプルの取得と、取得された呼吸サンプルの構成又は組成の決定とを必要とする。生理学的事象、患者の状態、装置の構成及び動作、並びに周囲の状態は、呼吸監視システムによって取得される情報の正確さに直接影響を与える。従って、これらの事象に関連する活動を説明できないと、取得された情報の正確性及びそれに基づく何らかの結論に悪影響が及ぶ。さらに、呼吸性能決定の適時性は患者の治療決定に直接影響する。
【0004】
心周期は、呼吸性能情報を生成する際に考慮に入れることができる1つの生理学的事象である。心周期の間、心臓の心腔の拡張は肺に対して圧縮し、呼吸周期にフロー異常を発生させる。フロー異常は内部的にほとんどの人には知覚できないが、フロー異常が対処されないと、呼吸のフローに不連続性を示して呼吸性能の不正確な解釈をもたらす虞がある。肺性能の低下などの他の生理学的状態もまた、監視されている呼吸情報の解釈に有害な影響を及ぼす虞がある。流路デッドスペースは、呼吸性能の正確な決定を提供するために対処しなければならない別の要因である。流路デッドスペースは、患者の呼吸デッドスペース、並びに呼吸監視システムに関連するデッドスペース、又は吸引デッドスペースを含む。
【0005】
呼吸流路デッドスペースは、排気又は吸入ガスを保持しやすい呼吸路の部分である。患者の体内では、気管通路、口、及び舌はそれぞれ呼吸流のデッドスペースに寄与し得る。次の吸入又は排気が始まっても、前の吸入又は排気サイクルからのガスがこれらの空間に一時的に残ることがある。監視装置内では、接続線及びセンサ構造はそれぞれデッドスペースデータ収集エラーを提示する虞がある。即ち、センサをモニタに接続する線及び呼吸流路に挿入されたセンサがそれぞれ排気サイクルの以前の吸入に関連するガスを保持し得る。任意の呼吸監視の精度は、これらの例示的なデッドスペースのそれぞれについての呼吸性能情報を補正するための監視システムの能力にある程度依存する。
【0006】
周囲条件は呼吸監視中に取得される情報の正確さにも影響を与える。例えば、酸素が豊富な環境では、高レベルの酸素を含む排気は、高レベルの酸素を含まない環境の呼吸性能と比較した場合、呼吸性能の正確な指標を提供しないであろう。同様に、試験環境がすでに二酸化炭素に富んでいる場合、過剰量の二酸化炭素を含む排気は生理学的性能の指標を提供しない。従って、正確な呼吸監視システムはまた、周囲試験条件における偏差を考慮しなければならない。
【0007】
カプノグラフィ、又は排気中の二酸化炭素の測定は、換気を受ける患者を含む多くの医療分野で一般的に行われている。時間の関数として二酸化炭素の濃度を知ると、呼吸頻度、例えば1分あたりの呼吸レート、及び二酸化炭素の吸入レベル又は再呼吸レベルについての情報が与えられる。状況によっては、測定された最高レベル、多くの場合二酸化炭素の終末呼気濃度と重度の障害のある人の世話をする際に役立つ動脈血中濃度との間はよく一致する。当然のことながら、排気された二酸化炭素レベルを動脈血中の二酸化炭素レベルと比較するこのような方法は呼吸性能のリアルタイム監視を欠いている。
【0008】
患者によって消費又は生成されている化学物質の実際の量を確認することは、患者の状態の一時的又はリアルタイムの監視及び診断を向上させる。即ち、呼吸組成及び容量の両方を監視することは、呼吸監視システムの診断的特徴を強化する。従来の方法は、排気ガスを収集し、排気後しばらくしてそれらを分析して患者の状態を確認することに頼っていた。この方法は一般に「ダグラスバッグ」収集方法と呼ばれ、面倒で労働集約的であり、そして呼吸毎のリアルタイムのデータ取得及び分析で取得することができる全ての情報を捨てる。この方法はまた、生成された二酸化炭素を定量化することによって患者のカロリー消費量を間接的に決定することから、「間接熱量測定」とも呼ばれている。従って、ガス量が生成されているとき又はリアルタイムで好ましくは呼吸ごとにガス量を直接測定するように構成されている呼吸監視システムを提供することが望ましい。
【0009】
呼吸毎にガス量の測定を達成するためには、時間の関数としてのガス濃度をフロー情報と同時に収集しなければならない。流量測定と同じ場所で同時に測定されたガス濃度は、一般に主流監視と呼ばれている。主流監視の不利な点は、監視が一般に患者の吐き出された息の場所、即ち口又はできるだけ排気の部位に近い場所で行われることである。そのような監視に一般的に利用されている装置は一般に大きく扱いにくくそして費用がかかる傾向がある。そのような監視システムの他の欠点は、患者が克服しなければならないデッドスペース容積の増加である。これらの装置を小型化しようと試みると、これらの診断ツールに関連するコストがさらに増加するだけである。従って、デッドスペース容積を低減した軽量の携帯型呼吸監視システムが必要とされている。
【0010】
代謝カートとしても知られる副流システムはこれらの問題の大部分に対処するが、そのようなシステムは別の欠点を示す。副流システムは、患者の呼吸のサンプルを採取し、それを遠隔のガス濃度分析器に送達する。副流システムは通常、リアルタイムでフローを測定することができる。しかしながら、取得された呼吸サンプルは、ガス含有量分析器に到達するために管腔等を通ってある程度の距離を移動しなければならない。ガスサンプルは患者のフローが通過した後のある時点で分析されるので、そのような副流システムは呼吸流の値とガス濃度値との間に一時的な非位置合わせを示す。この一時的又は時間的な非位置合わせは、副流システムを実施することをより困難にし、そこから取得されるデータを解釈することをより困難にする。従って、技術者はそのようなシステムで取得された情報の操作と理解について広く訓練されなければなりない。そのため、製造、実施、及び操作するのに費用対効果の高い呼吸監視システムも必要とされている。
【0011】
呼吸監視システムの別の考慮事項は、監視システムの較正並びに取得した情報の表示である。既知の呼吸監視システムの較正は時間がかかりそして労働集約的なプロセスである。較正は一般に、技術者が既知量の既知ガスを監視システムに数回通すことからなる。既知のガスと比較的既知の容量との組み合わせは、監視システムを較正するのに役立つ動作情報を提供する。残念なことに、較正プロセスは一般に監視セッションの開始時にのみ実行され、監視システムの正確な動作を保証するために頻繁に繰り返されなければならず、試験環境における変動に適切に対処しない。さらに、そのような較正は一般に、較正を実行する技術者の経験、並びに既知の容積及び既知のガスのガス管注入器などの較正ツールの利用可能性に大きく依存している。
【0012】
既知の監視システムの出力はまた誤解の可能性を提示する。吸入の間、監視された酸素レベルは最大レベルにありそして監視された二酸化炭素レベルは最小即ち周囲条件にあるべきである。排気中は、検出された酸素レベルは最小になり、検出された二酸化炭素レベルは最大になるはずである。呼吸周期にわたる酸素レベルと二酸化炭素レベルとの逆の関係及び呼吸流の動的関数は、一般に、呼吸周期にわたって時間的に位置合わせしていない。
図1に示されるように、呼吸情報は一般に周期的に位置合わせすることなく生成され、技術者は出力を精神的に位置合わせさせてリアルタイムで呼吸機能のフロー及び構成を生成しなければならない。
図1は、二酸化炭素の傾向10とフローの傾向12とを含む傾向プロット8を表す。第1の縦座標14は、横座標15によって示されるように二酸化炭素の傾向10が常に正であり、複数の相対最小値16から複数の相対最大値18までの範囲であることを示す。上述したように、二酸化炭素傾向10の相対最大値18は患者の排気を反映し、一方、相対最小値16に近接する領域はデッドスペースデータ取得に関連する二酸化炭素レベル及び周囲の二酸化炭素レベルを反映する。
【0013】
フローの傾向12は第2の縦座標20で指標付けされている。フローの傾向12は、正の値が吸入を示しそして負の値が排気を示すように横座標15を繰り返し横切る。上述したように、各排気、負のフロー傾向値に関連するフローは、二酸化炭素の傾向の相対最大値と相関するはずである。参照文字A、B、C、及びDで示されるように、フローの傾向と二酸化炭素の傾向とを時間的に位置合わせすることは、フローの傾向12を二酸化炭素の傾向10に対して右に位相シフトすることを必要とする。フロー及び呼吸組成情報の時間的な位置合わせを決定する際に相対的傾向の適切なシフトを確実にするために識別子を取得しなければならない。既知の呼吸監視システムの他の欠陥は、呼吸流量値、二酸化炭素濃度値、及び酸素濃度値を同時に調整する能力である。多くの場合、二酸化炭素値と酸素値は異なる軸上又は完全に異なる画面上に表示され、従って解釈のために時間合わせされていない。
【0014】
上述した欠点の各々は、既知の呼吸監視システムの実施において欠点をもたらす。これらの呼吸監視システムがコスト高で複雑なので、それらが稀にしか利用されないか又はそのようなシステムで得られた結果が不適切な解釈をもたらす。さらに、そのようなシステムによって取得され利用される情報は、呼吸周期の可変機能と監視システムの動作の変動とを時間的に位置合わせすることによって利用できる情報を捨てて、そのようなシステムの診断機能を制限する。本出願人の先願の米国特許第8,459,261号の明細書は上述した多数の考察を解決したが、そこに開示された呼吸監視システムによって収集され表示されるデータの正確さ、操作の容易さ、及び正確さの改善が本明細書に開示される。
【0015】
例えば、本出願人の米国特許第8,459,261号に開示されている呼吸監視システムは、心周期アーチファクトなどの患者の生理学的事象を取得した組成及びフローデータから確認することができるフロー及び組成データ位置合わせ方法論を開示している。しかしながら、一部の患者の呼吸監視に関連する生理学的事象は、フロー及び組成データの時間的な位置合わせに関連する所望の程度の正確さを達成するのにフロー及び組成データにおいて十分に表されない場合がある。フロー及び組成データの時間的位置合わせを達成する試みにおいて、米国特許出願第2011/0161016号に開示されているシステムのような他のものは、フロー及び/又は組成データ又はその導関数もしくは被積分関数を数学的に操作するシステムを開示し、取得したフローと組成データの時間的な位置合わせを操作する。残念なことに、そのようなアプローチは、データの提案された時間的位置合わせを達成するために取得されたデータの正確さに依存する。
【0016】
従って、流量センサから取得されたデータに依存し、かつ患者の呼吸に関連する生理学的事象とは独立した方法で呼吸流情報と呼吸組成情報とを位置合わせするように構成されたリアルタイム呼吸監視システムが必要である。さらに、製造及び操作が簡単で効率的な呼吸監視システム、及び簡潔なリアルタイムに調整された呼吸性能情報を提供する呼吸監視システムが必要とされている。呼吸流及び組成情報と共に取得することができ、その情報を使用して時間領域において呼吸流及び呼吸流組成を検証及び/又は位置合わせすることができるアライメント信号を生成することができる呼吸監視システムがさらに必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、前述の欠点のうちの1つ以上を克服する呼吸監視システムに関する。本発明の一態様による副流呼吸監視システムは、呼吸流路内に配置されるように構成された本体部に流体的に接続されるように構成された分析器を含む。コントローラは分析装置と関連しており、少なくとも1 呼吸サイクルの一部の間に分析装置によって生成されたアライメント用ガス(alignment signal)の本体部への送達を開始するように構成されている。コントローラは呼吸流量値、及び呼吸流量に基づいて呼吸流の組成の少なくとも一部を決定し、決定された呼吸流量値と呼吸ごとに関連付けられた組成の決定された部分とを少なくとも1つの呼吸サイクルの一部の間に分析器によって本体部に供給されるアライメント用ガスに関連する情報の量の関数として時間領域において時間的に関連付ける。そのようなシステムは、生理的事象を操作する呼吸性能に関連するデータなどの他のデータが利用できないかそうでなければ所望の時間的位置合わせを確立するのに不十分である時に瞬間に呼吸流及び呼吸組成情報の時間的位置合わせ又は確認を可能にする。
【0018】
本発明の別の態様が患者の呼吸情報を監視する方法を開示する。患者の呼吸流量が測定され、副流呼吸サンプルが呼吸流路に関連する流量センサを介して取得される。方法は、アライメント用ガスを生成することと、副流呼吸試料を用いてアライメント用ガスの少なくとも一部を取得することとを含む。取得された副流呼吸サンプル中の副流呼吸サンプルのフロー、酸素濃度、及び二酸化炭素濃度は、取得された副流呼吸サンプル中のそれらの発生に対して副流呼吸サンプルと共に取得されたアライメント用ガスの部分に関連する情報の関数として時間領域で決定され互いに位置合わせされる。
【0019】
本発明の他の態様は、副流呼吸監視システムにおいて呼吸性能データを操作する方法を開示する。方法は、本体部を通過する呼吸流にアライメント用ガスを導入することを含む。本体部を通過する流量及び呼吸流の組成の少なくとも一部は、アライメント用ガスに起因する情報から時間領域において決定され互いに位置合わせされる。
【0020】
本発明の他の様々な特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0021】
図面は、実行するために現在考えられる1つの好ましい実施形態を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来技術の装置のデータ表現の概略図である。
【
図2】本発明による副流呼吸監視システムの斜視図である。
【
図3】
図2に示す監視システムの分析装置の平面図である。
【
図4】センサに取り付けられた任意選択のアダプタ及びマスクを有する
図1に示されている監視システムのセンサの一実施形態の斜視図である。
【
図5a】アダプタがセンサに接続されそこからマスクが取り外された
図4に示されたセンサの立面端面図である。
【
図5b】アダプタがセンサに接続されそこからマスクが取り外された図に示されたセンサの立面端面図である。
【
図6a】アダプタがセンサから取り外された状態の
図5に示されている監視システムのセンサの立面図である。
【
図6b】
図5に示す監視システムと共に使用するための他のセンサの斜視図である。
【
図6c】
図6に示されているセンサの平面図である。
【
図6d】
図6bに示されたセンサの線6d-6dに沿った断面図である。
【
図8】
図2に示す監視システムによって実行されるフロー決定補正手順の概略図である。
【
図9】
図2に示す監視システムによって実行される一連の第1の合成補正動作の概略図である。
【
図10】
図2に示す監視システムによって実行される第2の合成補正手順の概略図である。
【
図11】従来技術の呼吸監視システムを用いて達成された濃度領域応答時間強調のグラフである。
【
図12】
図2に示す呼吸監視システムによって達成されるサンプル時間応答時間強調のグラフである。
【
図13a】
図3に示される分析器によって実行されるデータ補正プロセスのグラフである。
【
図13b】
図3に示される分析器によって実行されるデータ補正プロセスのグラフである。
【
図14】
図2に示す監視システムによって実行されるガス濃度生理学的ミラー修正手順の概略図である。
【
図15】
図2に示す呼吸監視システムによって達成されるデッドスペース補正手順の一実施形態のグラフである。
【
図16】
図2に示した呼吸ガス監視システムによって達成された時間位置合わせ流量及びガス濃度値を示す逆転同期性のグラフである。
【
図17】
図2に示す呼吸ガス監視システムによって実行される閾値較正及び検査手順の概略図である。
【
図18】
図2に示す呼吸ガス監視システムによって実行される周囲条件フロー、条件フロー方法、及びガス濃度調整手順の概略図である。
【
図19a】
図2に示す呼吸ガス監視システムによって実行されるフローサイクルの決定及び補正手順の概略図である。
【
図19b】
図2に示す呼吸ガス監視システムによって実行されるフローサイクルの決定及び補正手順の概略図である。
【
図20a】
図19a及び
図19bに示すフローサイクルの決定及び補正手順を説明する時間調整呼吸情報生成手順の概略図である。
【
図20b】
図19a及び
図19bに示すフローサイクルの決定及び補正手順を説明する時間調整呼吸情報生成手順の概略図である。
【
図21】
図2に示す呼吸ガス監視システムによって取得され補正された情報の例示的な表示である。
【
図22】流量センサに
連通する外来のアライメント
用ガスとそれに関連する情報とを含み、その後にフロー及び組成時間位置合わせオフセットを達成するために利用される代替の呼吸流及び組成時間位置合わせプロトコルの略図である。
【
図23】呼吸流の生成に関連する様々なプロット、呼吸流の時間領域位置合わせの生成に関連する呼吸組成データオフセット値、及び外来の時間領域アライメント
用ガスの利用に関連する呼吸組成データを示す図である。
【
図24】呼吸流の生成に関連する様々なプロット、呼吸流の時間領域位置合わせの生成に関連する呼吸組成データオフセット値、及び外来の時間領域アライメント
用ガスの利用に関連する呼吸組成データを示す図である。
【
図25】呼吸流の生成に関連する様々なプロット、呼吸流の時間領域位置合わせの生成に関連する呼吸組成データオフセット値、及び外来の時間領域アライメント
用ガスの利用に関連する呼吸組成データを示す図である。
【
図26】呼吸流の生成に関連する様々なプロット、呼吸流の時間領域位置合わせの生成に関連する呼吸組成データオフセット値、及び外来の時間領域アライメント
用ガスの利用に関連する呼吸組成データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2は、本発明による監視システム30を示す。監視システム30は、コントローラ又は分析装置32、センサ34、及びディスプレイ36を含む。センサ34は、矢印38で示す呼吸流、又は参加者若しくは患者40と係合するように構成されている。多数の内腔もしくはチューブ42がセンサ34を分析器32に作動的に接続している。第1及び第2のチューブ44、46は、センサ34内の呼吸流38の圧力差を検出するためにセンサ34に接続されている。第3のチューブ48は、呼吸流38の吸引サンプルを取得し、そのサンプルを分析器32に連絡する。好ましくは心拍数モニタ50も分析器32に接続され、患者の心臓状態を分析器32に通信するように構成される。好ましくは、モニタ50は、患者の心臓周期の拍動効果と患者の循環系の飽和酸素含有量の両方を監視するように構成される。
【0024】
チューブ42及び心拍数モニタ50からデータ又は信号を取得した分析器32は、時間調整及び組成補正された呼吸情報を生成し、以下にさらに説明するようにディスプレイ36にその情報を出力する。分析器32はユーザが分析器32の動作及びディスプレイ36の出力を選択的に構成することを可能にするオプションのユーザ入力52を含んで、分析器32及びディスプレイ36がそれぞれ所望の情報を生成及び出力する。ディスプレイ36をタッチスクリーンディスプレイとして構成できて、ユーザ又は技術者がキーボード54及び/又はマウス56のような補助入力装置を利用せずにディスプレイの選択された領域に触れることによってその表示結果及び分析器32の操作を操作できることがさらに理解される。
【0025】
図3に関してさらに説明されるように、分析器32は第1の入力57及び第2の入力59を含み、複数のガス供給源が分析器32に同時に接続されることを可能にする。
図2に示すように、第1の入力57はセンサ34に接続され、第2の入力59は他のセンサ、ダグラスバッグ、ガスボンベ、又は容器61に接続されている。当然のことながら、容器61は、ある量の既知のガス又は別の患者から収集されたある量のガスを収容するように構成することができる。このような構成により、監視システム30は複数のガス源を監視及び評価することができる。このような構成は、数人の患者の監視が望まれる環境又は未熟児のような呼吸1回換気量が少ない患者が呼吸ガスの組成を評価するためには呼吸の収集が必要とされるほど少ない呼吸量である環境において特に有用である。
【0026】
図3を参照すると、分析器32は、その中に含まれるコントロール又はコントローラ60を有するハウジング58を含む。酸素センサ62、亜酸化窒素センサ64、及び二酸化炭素センサ66、並びに流量センサ67もハウジング58内に配置されている。酸素センサ62は、レーザ、音響、固体、ガルバニックなどの電流測定又は電位差測定などの多くの技術に基づくものであることが理解される。いくつかのチューブ68が、センサ62、64、66を相互接続し、そして分析器を通って得られたフローのそれぞれの部分を連絡する。ポンプ70及びいくつかのバルブ72、74、76は、分析器32を通る呼吸流の方向の通過を制御する。分析器32は、周囲温度及び湿度並びに呼吸流の温度及び湿度の両方を監視するように構成された湿度センサ78及び温度センサ80を含む。分析器32が、呼吸エネルギーを介して熱エネルギー及び/又は水分を患者に連絡するための任意選択の加熱器及び/又は加湿器を含むことがさらに理解される。
【0027】
第1の入力57及び第2の入力59は、ハウジング58を通って延び、
図2に示すようにセンサ34又は容器61に接続されたチューブ42に取り外し可能に係合するように構成される。電気コネクタ84がまたハウジング58を通って延び、接続されて、分析器32によって生成された情報をパーソナルコンピュータ、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯電話などの外部装置に通信するように構成される。あるいは、分析器32は、分析器32によって取得及び計算された情報を外部装置に無線通信することを可能にするための無線インターフェースを含むことがさらに理解される。分析器32は、患者モニタ50から分析器へ情報を通信するように構成された入力コネクタ82を含む。入力84は、モニタ50によって取得された情報を分析器32に通信するためにモニタ50を分析器32に取り外し可能に接続するように構成される。入力及びコネクタ84は、シリアルピンコネクタ、USBコネクタなどの任意の従来の接続プロトコルであるか独自の構成を有することを理解されたい。分析器32はさらに漏れ試験バルブ89を含み、その動作は分析器32の自動較正及び性能監視について以下に説明される。分析器32の比較的小型かつ軽量の性質は、携帯性が高く多くのセンサーで操作できる呼吸監視システム10を提供することが理解される。
図4~
図6は、本発明に適用可能ないくつかのセンサーを示す。
【0028】
図4は、オプションのアダプタ88を有するセンサ34及びそれに接続されたオプションのマスク90の拡大図である。マスク90は、呼吸監視処置中に鼻呼吸が防止されるか又はセンサ34に向けられることを確実にする。そのような構成は、呼吸のフロー全体を示す情報が分析器32に確実に伝達されるようにする。アダプタ88は、比較的に、呼吸流の一部がセンサ34を迂回することを可能にするように構成されている。そのような構成は、成人又は運動選手のストレス試験手順中などの高呼吸流の期間中に呼吸データを取得するのに特に適用できる。
【0029】
図5a及び
図5bを参照すると、アダプタ88は、全呼吸流の一部を大気に通過させ、それによってセンサ34の流路94を迂回させるように構成されたいくつかの通路92を含む。好ましくは、アダプタ通路92は、センサ34を通って導かれるフローの何倍かがアダプタ88を通過することを可能にするように構成される。より好ましくは、通路92は、センサ34を通って導かれる呼吸流の10倍がアダプタ88を通過できるように構成される。このような構成により、総流量の一部のみがセンサ34を通るように向けられるとき、総流量情報を決定することに関連する計算が単純になる。アダプタ88は、呼吸流全体をセンサ34のより狭窄した通路を通過させることを必要とすることに関連する患者又は参加者の呼吸システムに過度に負担をかけることなく、一般にストレステストに関連する呼吸流の増加を促進する。
【0030】
図6aは、アダプタ88及びマスク90を取り外した状態のセンサ34の詳細図である。アダプタ88は、患者端部96と大気端部98とを含む。センサ部100は、概して、患者側端部96と大気側端部98との間に配置されている。センサ部100は、センサ部100の各端部間に圧力差を生じさせるように構成されたベンチュリ状部102を含む。第1のチューブ44及び第2のチューブ46を介して分析器32に伝達される信号は、分析器32がセンサ部100にわたる圧力差を検出することを可能にし、それによってセンサ34を通して伝達される呼吸流38を計算するために利用される情報を提供する。第3のチューブ48は、呼吸流のサンプル、即ち吸引を取得し、取得したサンプルを分析器32に伝達し、分析器32は次に、呼吸流のガスの構成又は組成を決定する。センサの構成は、部分的には患者の呼吸能力に応じて変わり得ることを理解されたい。即ち、センサ34は、未熟児、新生児患者などに関連する呼吸組成物を分析するためなど、呼吸の一回換気量又は流量が低い患者の呼吸監視に対応するように適合され得る。そのような用途のために、センサ34は、一般に毎分0から10リットルの範囲のより小さな流量範囲をカバーする約0-16cm水の差圧範囲にわたって流動抵抗で動作するように構成されてもよい。センサ34の構成及び動作のさらなる詳細は、本出願人の米国特許第5,925,831号、D413,825、及び米国特許公報第2004/0254491号に開示され、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
図6bは、本発明による他のセンサ550を示す。センサ550の第1の端部552は、矢印556で示されるように、呼吸経路の患者側554に向けられるように構成されている。センサ550は、挿管を必要とする患者のための挿管チューブ558を含む。センサ550の他端部560は呼吸ガス源562に向けられるように構成されている。呼吸補助を必要とする患者のために、センサ550はチューブアセンブリ564によって人工呼吸器(図示せず)に接続されている。チューブアセンブリ564は、バルブ568とセンサ550の端部560との間に延びるように構成された第1のチューブ566を含む。第2のチューブ570はバルブ568と人工呼吸器との間に延びる。バルブ568は通気口572を含み、呼気を大気に向けるように構成されている。バルブ568は一般に「Y字形」バルブとして理解されており、人工呼吸器に向かう排気の方向を防止するように構成されている。当然のことながら、通気口572を通って導かれるガスは、大気中に放出されるのではなく、分析装置32による分析のために本明細書に記載されるように別のチューブに接続されてダグラスバッグに集められる。
【0032】
センサ550は、第1の端部552と第2の端部560との間に延びる本体574を含む。いくつかのチューブ576、578、580が本体574に接続され、呼吸経路556と分析器32との間に流体的に接続されている。チューブ576及び578はセンサ550及び分析器32に接続され、呼吸経路556に関連するフローを検出する。チューブ580はセンサ550に接続されて呼吸ガスの吸引サンプルを取得する。センサ34とは異なり、吸引試料採取管580は、フロー感知管576、578の間の空間の外側に配置されている。この区別の重要性は、
図6cに関して以下でさらに説明される。本体574の外面584には多数のキャビティ582が形成されており、貫通して形成された呼吸経路556内に本体574を貫通して延びていない。第1のアダプタ586及び第2のアダプタ588は、それぞれ第1の端部552及び第2の端部560の近くで本体574と係合している。アダプタ586、588は、センサ550に関連するデッドスペース又は本明細書で論じる患者のデッドスペースに有害な影響を及ぼすことなく、センサ550のチューブ558、566への接続を容易にするように構成される。
【0033】
図6cは、アダプタ586及び588が取り外されたセンサ550を示す。本体574は、アダプタ586を取り外し可能に係合するように構成された第1の部分590と、アダプタ588を取り外し可能に係合するように構成された第2の部分592とを含む。当然のことながら、アダプタ586、588を本体574と一体的に形成して患者及び特定用途向けセンサ550を提供することができる。検出部594は、ポート596、598の間に配置されたキャビティ582を有する呼吸経路556に流体接続された第1のポート596及び第2のポート598を含む。本体574は、本体574を通って延在し、呼吸経路556に流体的に接続されているサンプルポート600を含む。サンプルポート600は、第1及び第2のポート596、598に対して、呼吸経路556の患者側から本体574を通って下流に延びる。
図6cはまた、本体574の第1、第2、及び検出セクション590、592、594に対するポート596、598、600の例示的な位置決めを示すいくつかの例示的な寸法値602を含む。当然のことながら、これらの寸法は単に例示的なものであり、他の相対的な大きさ及び向きが想定されており特許請求の範囲内にある。
【0034】
図6dは、アダプタ586、588が接続された、
図6cに示す線6d-6dに沿ったセンサ550の断面図を示す。
図6dはまた、センサ550の相対的なサイズ及び構成に関連するいくつかの例示的な寸法603を含む。
図6dに示すように、本体574の内面604は、内面604から本体574の流路608内に突出する制限部材606を含む。好ましくは、制限部材606は流路608の中心を越えて流路608内に延びてポート596、598間に圧力差を生じさせる。好ましい実施形態では、制限部材606はほぼ弓形又は湾曲した外面を有する。この圧力差は、ポート596、598及びチューブ576、578を介して分析器32に伝達され(
図6bに示されるように)、呼吸流量データを生成するために利用される。本体574内に延在するキャビティ582は、成形プロセス中に制限部材606が所望の形状及びサイズから変形するのを防止する。当然のことながら、2つのキャビティ583が示されているが、他の数のキャビティ又はキャビティ構造も想定されており特許請求の範囲内にある。
【0035】
サンプル取得チューブ580は、ポート600内に密封状態で受容され、好ましくは本体574の内面604を越えて流路608内に延びる端部610を有する。本体574の内面604を越えた端部610が延長されると、呼吸流556に関連した水分を集める虞が減る。当然のことながら、本体574のポート600は内面604から延びるニップルを含むように構成されて、呼吸凝縮又は水分含有量の潜在的な収集をこのように減少させ得る。チューブ580は取得したサンプルを分析装置32又はダグラスバッグに連絡し呼吸ガスの組成を決定する。
【0036】
ポート596と598との間の空間の外側のサンプルポート600の相対的な位置決めは、未熟児などの呼吸流量の一回換気量が少ない患者の呼吸流量監視に特に適用可能である。一般に、未熟児はそのような速い呼吸速度でそのような低い呼吸一回換気量を有するので、制限部材606の近くで呼吸サンプルを取得することは患者の呼吸に有害な影響を及ぼす可能性がある。即ち、制限部材606の後縁612よりもずっと患者に近いサンプルを取得することは、実際に呼気のサンプルよりも大きいサンプルを取得するという効果を有する。従って、そのような構成は、患者の解剖学的構造に呼吸ガスを吐き出させるのではなく、患者から呼吸ガスを抽出する効果を有する。従って、センサ550は、最小の患者においてさえも呼吸毎の監視を可能にするように構成される。さらに、センサ34、550のうちの1つ以上の内面又は呼吸流に面する表面は、センサ34を通過する呼吸流の通過に関連する凝縮物の生成をもたらすように構成された疎水性又はより好ましくは親水性の層又はコーティングを有して、フロー及びフロー組成信号を取得するのに関連する凝縮物又は水分の干渉を軽減できる。
【0037】
図7a、bは分析器32を通る試料のフローの概略図を示す。分析器32は分析すべきガスに関連した多数の入力106のいずれかを受け取るように構成されている。入力106は、室内空気又は周囲入力108、較正ガス入力110、ダグラスバッグ入力112、及び患者入力114を含むことができる。第1のチューブ116は周囲入力108をガスバルブ72に伝達し、第2のチューブ118は周囲入力108を分析器32のフローバルブ74、76に連絡する。同様に、センサ34に接続されたチューブ44及び46は、患者フローツーフローバルブ74及び76と連絡する。ダグラスバッグ入力112が分析器32と共に利用されるとき、第1のチューブ120及び第2のチューブ122はダグラスバッグガス材料をバルブ74、76へ連絡する。当然のことながら、ダグラスバッグは呼吸サンプル又は既知の呼吸サンプルを保存するように構成された容器であることが理解される。
【0038】
入力ガスの供給源に関係なく、フローバルブ74、76は、受け取ったフローをチューブ126、128を介してフロー分析器124に送る。フロー分析器124は温度センサ130に接続されており、検出されたフローを検出して分析器32のそれぞれの温度又は大気と関連付けるように構成された温度補正プロトコル132を含む。温度補正プロトコル132は、試験環境に関連する可変温度について計算された流量値を補正する。フロー分析器124は、分析器32の拡張動作に伴うドリフト変動を考慮するように設計されたフローオフセットドリフト補償器134を含む。従って、フロー分析器124は、周囲条件に関連する変動並びにフロー分析器124の動作変動について測定されたフローパラメータを調整するように構成される。
【0039】
ガスバルブ72に伝達されるガスサンプルはポンプ制御部136に伝達され、そこから酸素センサ62、亜酸化窒素センサ64、及び二酸化炭素センサ66のそれぞれに伝達される。酸素センサ62、亜酸化窒素センサ64、及び二酸化炭素センサ66は、入力ガスの供給源に関係なく、入力フローに含まれる構成ガスのそれぞれのレベルを示すように構成される。従って、分析器32は、分析器32に同時に接続することができるいくつかのガス源と共に動作可能である。さらに説明されるように、コントローラ60は、どの種類のガス源が分析器に接続されているかを評価し、監視シーケンス又は較正シーケンスを開始するように構成される。
【0040】
さらに
図7a、bを参照すると、分析器32は、ポンプ制御136から導出されるサンプル吸引レート142を含むいくつかの出力140を生成する。チャンバ圧力値144及び未補償二酸化炭素値146は、二酸化炭素センサ66から導出される。未補償亜酸化窒素値148は亜酸化窒素センサ64から導出され、未補償酸素値150は酸素センサ62から生成される。フロー分析器124は、患者圧力データ152及び呼吸流量データ154を生成する。分析器32はまた、パワー入力156、バルブ制御入力158、シリアル通信入力160、センサタイプ選択162、周囲圧力入力164、及び患者の心臓の状態を監視するように構成された患者フィンガクリップ166を含む複数のユーザ入力を含む。
【0041】
分析器32は酸素飽和度コントローラ168を含み、患者モニタ50と係合するように構成された酸素飽和度シリアル通信リンク170から酸素飽和度コントローラ168に通信される患者酸素飽和度レベルを決定する。分析器32はまた、センサタイプ172及び周囲圧力決定174に関連する出力を生成するように構成される。上述したように、分析器32は、分析器32とパーソナルコンピュータ、PDAなどのような他の補助装置との間の接続を容易にする多数のシリアル通信リンク176を含む。そのような構成により、分析器32は、いくつかの異なるフロー入力源と共に動作しいくつかのガス及びフローセンサとともに動作するように構成され、そしていくつかの可変フォーマット出力を提供することが可能になる。分析器32は、分析器に伝達されたガス、監視システムの分離可能な構成要素に関連する接続様式及びユーザーが望むフォーマットのデータを提供することにダイナミックに応答するように構成される。
【0042】
分析器32は、
図8に示されるようにフロー決定及び補正プロトコル224を含む。補正プロトコル224は、
図7a,bに示されるようにフロー分析器124から呼吸フローデータ154を取得する。ノイズフィルタ226は、フロー分析器124の動作に関連する電気信号ノイズに対処する。補正プロトコル224はまた、フローの取得に関連するセンサの種類228を決定するようにも構成される。即ち、流量センサタイプ228は、センサが成人、新生児又は乳児、未熟児、又は高流量の呼吸流、即ち
図2~
図7について先に説明したようなバイパスセンサ構成を受け取るように構成されているかどうかを決定する。
【0043】
補正プロトコル224は、以下に説明するように流量計算曲線を使用して呼吸流量230を計算する。患者圧力流量補正232は、フロー分析器124によって決定されるように患者圧力データ152から計算される。サンプル吸引レート補正234が実施され、
図7a,bに示すようにポンプ制御136から生成されたサンプル吸引レート142を利用する。患者の圧力及び吸引速度の補正に基づいて流量を計算及び補正した後、補正プロトコル224は、監視されている呼吸周期の各呼吸周期に関連する呼吸流量値236を決定する。次いで、フロー値236は、呼吸周期から取得されたように吸気/呼気フラグ240を使用して呼吸位相238と時間的に位置合わせされる。関連付けられた流量値の位相を決定した後、補正プロトコル224は、呼吸周期中の任意の所与の時間における流量値を示す呼吸位置合わせ流量値242を生成する。
【0044】
図9は、分析器32によって実行されるいくつかの第1のデータ修正手順を示す。
図7に関して上述したように、分析器32は、チャンバ圧力178、周囲圧力180を検出するように構成され、圧力単位の選択182に応答する。これらのパラメータは、所望のユニット186において補正された検出圧力を出力するように構成されている圧力変換係数コントローラ184に入力される。分析器32はまた、二酸化炭素補正プロトコル188、酸素補正プロトコル190、及び亜酸化窒素補正プロトコル192を含む。二酸化炭素補正プロトコル188は、補正されていない二酸化炭素値146をノイズフィルタ198、単位変換器、圧力拡大補正202及びガス相互作用補正204に通すことによって呼吸二酸化炭素値194を調整する。ノイズフィルタ198は、二酸化炭素センサ66の動作に関連する電気的ノイズを変ずるように構成されている。単位変換器200は、二酸化炭素値を使用者が望む単位に変換するように構成されている。圧力拡大補正202は、システム、環境、又は周囲動作圧力での二酸化炭素センサ66の動作に関して未補償二酸化炭素値146をさらに調整するように構成される。
【0045】
ガス相互作用補正204は、他のガス分子を二酸化炭素分子として誤認識することに対し未補正の二酸化炭素値146を補正する。即ち、二酸化炭素センサ66の動作の性質上、亜酸化窒素分子は二酸化炭素センサ66によって二酸化炭素分子として認識されることがある。ガス相互作用補正204は、そのような発生に対して未補償二酸化炭素値146を調整して、これらの分子誤認識事象に対して調整された二酸化炭素レベル196を提供する。
【0046】
酸素補正プロトコル190はまた、酸素センサ62によって生成又は提供される補償されていない酸素値150を補正するように構成されたノイズフィルタ206を含む。ノイズフィルタ206は、酸素センサ62の動作に関連する電気雑音に対処する。ユニットの変換208は、所望のユーザ酸素値ユニットに関連する酸素値を提供するように構成される。ガス相互作用補正204と同様に、酸素補正プロトコル190はガス相互作用補正210を含んで構成され、酸素ではない分子を酸素として解釈する酸素センサ62の発生に対して未補正酸素値150を補正する。酸素補正プロトコル190は、センサ62の動作に関連する電気的ノイズについて補正された酸素レベル値212を生成する。二酸化炭素補正プロトコル188と同様に、亜酸化窒素補正プロトコル192は、ノイズフィルタ214、ユニットの変換216、圧力拡大補正218、及びガス相互作用補正220を利用して、未補正亜酸化窒素値148を補正し亜酸化窒素レベル値222を提供するが、この値は、呼吸又はガスサンプルに含まれる実際の量の亜酸化窒素、及び亜酸化窒素センサ64の動作に関連するバックグラウンドノイズについて補正されたユーザの所望の単位である値をより正確に反映する。値はまた、大気圧と操作上の圧力差、及び非亜酸化窒素ガス相互作用補正について補正されている。
【0047】
図10は、
図9に示されるように計算された二酸化炭素レベル196、酸素レベル値212及び亜酸化窒素レベル値222のそれぞれについて分析器32によって実行される応答時間及び増強プロトコル250を示す。
図10に示すように、応答時間プロトコル250は、任意の所与の試料中のそれぞれのガスレベルに関連するレベル値196、212、222に関連する入力252を受信する。入力252は、さらに後述するように生理学的ミラー254を介して検証及び調整される。プロトコル250は、それぞれのガスに関連する各入力252について勾配符号及び大きさ決定定数K256を計算する。濃度領域強化258が各入力252に対して生成される。取得されたデータ信号の傾きは、例えば最後の10サンプルにわたる信号変化に基づいて決定され、傾きが平坦であるか又はゼロに近い場合定数はゼロになるように選択される。信号の変化率の状態を最初に確認することによって、分析器32は瞬間的なサンプル変化に関係なく一様なK値が適用された場合に発生するであろう増幅ノイズを回避する。高速の立ち上がり又は立ち下がりエッジにより信号の傾きが大きく変化すると、定数Kは一般に濃度の傾きの変化に比例し最大許容値までの累積流量に比例するように計算される。濃度情報の変化に加えて流量の相互作用は定数を限定するのに使用される。
【0048】
図11は、本発明によって克服される従来技術の濃度領域応答時間強調手順に関連する問題を示す。通常、スピードアップ回路、又はソフトウェアと同等のものが濃度領域で使用される。即ち、分析器での上昇がXである場合、吸引位置での実際の上昇は少なくともYであったはずであり、ここで、YはXより大きい値である。ゲイン時間のゲイン濃度強調20が使用される場合、濃度Xの変化は同じ時間間隔にわたって報告された濃度Yをもたらすであろう。このアプローチは、1つの軸の情報を調整するだけで時間に対する濃度の関数を補償しようとするという点で厳しい制限を有する。非常に速い上昇、即ち吸引部位での方形波入力によって発生する上昇を再現するために、方形波出力が得られるずっと前にオーバーシュートが発生する。このオーバーシュートの後には、セトリングが発生する前に関数の最終値付近でリンギングが続き、それによってシステムの応答性が低下する。示されるように、単に利得係数を減少させることは、吸引部位で起こったことを再現するのではなく単にオーバーシュート及びリンギング又は信号の跳ね返りの量を減少させる。
【0049】
図10及び
図12を参照すると、
図11に示されている濃度領域の強調結果のみとは異なり、応答時間増強プロトコル250は、それぞれの入力252のいずれかに関連する可変利得について調整する。濃度領域強調258を取得した後、強調プロトコル250は、傾きの大きさ及び入力252に関連する二次導関数262に比例して信号の時間シフトを実行する。信号が濃度領域で強調された後、信号は時間領域で強調される。分析器32は信号の一次及び二次導関数を計算し、一次及び二次導関数の大きさから増分時点を計算する。この操作は、信号の開始を時間的に先に進め、一方、信号が平坦になり始めるところの信号の上部は、傾きがゼロに戻ったときに残留時間シフトがないように時間的に遅れる。
【0050】
図12に示されるように、5ミリ秒ごとに取得されたサンプルについて、取得サイクルにわたって矢印263、265によって示されるように二酸化炭素の傾きが複数の利得について調整される。分析器32のコントローラ60によって実行される各補正プロトコル188、190、192は、振幅領域265及び時間領域263の両方において入力の値、即ち検出値を調整することによってパラメータ出力値を決定するように構成される。振幅領域265が、取得されたデータに関連する濃度、温度、圧力、又は流量値のうちのいずれかであり得ることが理解される。振幅領域265が濃度であるとき、関連する値は酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、水蒸気などの対象ガスの検出濃度であることがさらに理解される。さらに、各修正プロトコル188、190、192は、センサの種類が利用されているのに構成されていることを理解されたい。即ち、補正プロトコルは、ガルバニックタイプの酸素センサと比較してレーザタイプの酸素センサと同じではない。
【0051】
図13a及び
図13bはそれぞれ、ガルバニックタイプの酸素センサの使用に関連する未補正データ及び例示的な第1の補正済み出力を示す。
図13aに示されるように、センサの選択及び構成に一部起因して、それぞれのセンサの応答性及び利得精度が補正されなければならない。
図13aは、酸素不足値265の未補正の分数割合及び二酸化炭素の未補正分数割合の値267を示す。データ取得サイクル277の第1の部分の間、酸素センサ62は二酸化炭素センサ64よりも応答性が高く、その結果、酸素値265は二酸化炭素値267の左側に残る。所与の期間の後、酸素センサ62のゲイン偏差は、酸素不足データ値が二酸化炭素値267を下回る結果となる。センサのこの動作上の変動は呼吸商値の偏差をもたらす。一般にセンサの動作利得に関連するこれらのオフセットは、延長されたデータ取得サイクルにわたって比較的簡単な方法で説明することができるが、これらの動作変動はリアルタイムの呼吸毎の監視の精度を改善するように対処されるべきである。
【0052】
図13bは、応答時間特性の第1の補正に関連する出力を示す。
図13bに示されるように、データ取得サイクルの部分277の間に酸素不足値265を調整することは、2つの値がRQ値によって決まるように概ね相関するように二酸化炭素値267の端数割合と酸素値265の不足端数割合との位置合わせを達成する。動作中、分析器32は、取得された酸素値及び二酸化炭素値の前縁の最大勾配を決定する。最大勾配に対応する線に関連する横座標値の差は、酸素対二酸化炭素オフセット値を提供する。このオフセット値は、データ取得サイクルの部分277にわたって二酸化炭素と不足酸素の値を概ね揃えるために適用される。部分277を超えて取得サイクルの部分を位置合わせするために、分析器32は、酸素センサ62及び二酸化炭素センサ64のそれぞれの動作に関連した利得予測を生成する。次いで、酸素センサゲイン値は、不足酸素値がデータ収集サイクルのほぼ全体にわたって二酸化炭素値と相関するように、長期間にわたる二酸化炭素センサと酸素センサとの間の動作の偏差を考慮するように決定される。即ち、第1の補正は一対のセンサ間の応答時間差を補正し、第2の補正は第1の補正とは異なり、別の応答時間特性即ちそれぞれのセンサ間の利得微分について補正する。
【0053】
図10に戻って参照すると、プロトコル250は、時間調整濃度値に対して第2の生理学的ミラー264を実行する。手順250は、二次導関数の大きさ及び勾配に比例して、第2の濃度領域強調266及び第2の時間領域強調268の時間シフトを実行する。第2の時間領域強調268の後、プロトコル250は再び生理学的ミラーチェック269でデータを更新し、濃度領域強調271でデータを調整する。ここで、定数Kは、強調258で利用された定数Kの半分の指数関数的増分で除算される。プロセス250はさらに、時間強調プロトコル250の完了275の前に、勾配の大きさ及び二次導関数に比例して時間領域強調シフト273を調整する。プロトコル250の完了275において、分析器32は、分析器32に送達されたガスに関連する入力252のそれぞれについて分圧補償ガス濃度を生成する。
【0054】
センサ62、64、66の動作における分圧及び時間的遅延についてそれぞれのガス値を補正した後、分析器32は生理学的ミラー比較を適用することによって計算されたデータを検証する。即ち、動的位置合わせは、サンプルガス取得に関連する内部の空気圧接続、抵抗及びデッドスペース容積の間の差を説明するのに必要である。分析すべきガス種が複数ある場合、この補正はより重要になる。一般に、生体内で消費されるすべての酸素分子に対して同時に二酸化炭素が発生することがある。これらの量の正確な関係は関連ガスの化学量論的関係に基づく。タンパク質、炭水化物、脂肪などの化学組成は異なるため、酸素と二酸化炭素の厳密な関係は異なる。しかしながら、超えることができない、従って関連ガス間に生理学的ミラーを生成するいくつかの好気的生理学的範囲がある。安静時の人間の呼吸中の酸素に対する結合二酸化炭素の生理学的ミラーは約0.66から1.3の間であると一般に認められている。
【0055】
分析器32は、この生理学的ミラーを利用して、異なるガスセンサの信号を位置合わせするとともに、生理学的ミラー内の異常を識別することによってそれぞれのセンサに関連する信号をフィルタリングする。分析器32は、5ミリ秒ごとにガスサンプルを取得し分析するように構成されていることが好ましい。分析器32は、フロー及びガス濃度データ、並びに患者の圧力及び体温などの他の情報を収集及び補正し、そして得られた各サンプルについて生成された二酸化炭素及び消費された酸素を計算する。二酸化炭素値を酸素値で割ると、取得した各サンプルの呼吸商(RQ)が得られる。サンプルサイクル毎に呼吸商を計算することにより、ガスセンサのそれぞれの出力のいかなる未位置合わせも容易に明らかになりそして調整することができる。このプロセスは分析器32の動作状態に関する指示を提供する。
【0056】
図14に示すように、分圧補償されたそれぞれのサンプル成分の部分圧力補償値270、上述のように生理学的ミラー272を使用してそれぞれの成分サンプルガスのそれぞれに関連するさらなる補正された出力274を提供するプロセスである。
図15を参照すると、分析器32はデッドスペース補償プロトコルも含む。アイトキン(Aitkin)デッドスペースを示すプロット276は、デッドスペース計算に関連する1つの例示的な出力を示す。ボーア法及び/又は血液ガスサンプリング法から得られる患者の動脈血中二酸化炭素濃度の考慮などの他の手順は本発明に同様に適用可能である。時間に対してサンプルを見る代わりにプロット276は呼気量の関数としてガス濃度を示す。
【0057】
図15に示される特定の呼吸は、吸気量マイナス濃度を示す酸素消費量傾向278を体積の増加に合わせて表わす。プロット276はサンプル呼吸に関連する酸素傾向278及び二酸化炭素傾向280を含む。縦線282、284は呼吸相の移行位置を表す。縦線284の左側は、絶対デッドスペースを表す第1の位相286である。縦線282と284との間の第2の位相288は一般に比較的短期間にわたって発生し、ガス濃度は時間の関数として急速に変化する。縦線284の右側にある第3の位相290は、濃度がプラトーになるか又はゆっくりとしか増加しないが体積が蓄積し続ける呼吸周期の領域を表す。概して、位相I286及び位相III290から位相II288を描く縦線282と284との間の縦線292は、アイトキンデッドスペースを表す。縦線292が横座標294と交差する点の体積は、息のデッドスペースを表し絶対的及び生理的デッドスペースの組み合わせである。
【0058】
上記で説明されたような呼吸商(RQ)は、プロット276上のライン296で表される。RQ296は、プロット276に表されている呼吸についての酸素体積に対する二酸化炭素体積の比を表している。分析器32は酸素278及び二酸化炭素280の検出値に関してRQ296を継続的に監視して、酸素傾向278又は二酸化炭素傾向280のいずれかにおける異常がRQ296における時間位置合わせ異常に表されるようになる。RQ296で異常が検出されると、分析器32は、酸素値278及び二酸化炭素値280の精度を検証して、対応する呼気酸素値と二酸化炭素値の時間調整された生理学的ミラーから決定されるRQ値に対応しない酸素値又は二酸化炭素値を自動補正する。
【0059】
分析器32は、
図16に図式的に表されているように、上述した生理学的ミラー、デッドスペース、及び応答時間強調に加えてフロー反転プロトコル(FRP)を含む。
図1及び
図16と比較すると、分析器32がフロー298及びガス濃度値300に関連する傾向のフロー反転同期を実行することが示されている。
図16に示すように、フローによって監視される拍動効果302は、概して、ガス値300内で監視される拍動効果304に対応する。従って、フロー298内の拍動効果302をガス値300内の拍動効果304と時間的に位置合わせすると、流量値とガス濃度値の両方に関連するそれぞれの傾向の一時的な調整が提供される。
図21に関して以下にさらに説明されるように、そのように位置合わせすることで、
図1に一般的に示されるものと比較して、よく組織化された容易に理解可能な流量及び濃度出力を提供する。
【0060】
図22~
図26に関して以下にさらに開示されるように、拍動効果302は取得及び計算されたフロー及び組成データにおいて非常に最小限に表されるので、時間領域のフロー及び組成データの正確さを保証するための代替アプローチが望まれる状況が存在し得る。
図22~
図26に関して以下に開示されるように、必要に応じて、分析器32はそれぞれのセンサに関連するそれぞれの呼吸流に外来の信号を導入して、取得された呼吸流量情報が外来のアライメント
用ガスを示す情報を含むようにする。以下にさらに開示されるように、この非患者起源のアライメント
用ガスは所望の間隔でセンサを介して呼吸流に導入されるので、アライメント
用ガスに関連する情報が分析器3 2 によって取得された呼吸流及び組成データから容易に確認され得て、呼吸流と呼吸組成情報との間の時間的又は時間的領域位置合わせを実施する。
【0061】
分析器32はまた、
図17及び
図20a,bに示すように、他のいくつかの較正及び操作手順を含む。
図17を参照すると、分析器32は閾値確認プロトコル306を含み、ここで分析器32は、動作中に、二酸化炭素値310、酸素値312、時間値314、システム温度値316、及び信号入力値318に関連する複数の入力308を受け取る。当然のことながら、他の入力も分析器32に供給することができる。閾値確認プロトコル306は、入力308のいずれかに関連する閾値が所望の閾値を超えないかそうでなければ満たさないことを確認するように自動的にチェックする。閾値確認プロトコル306に関連する閾値のそれぞれがユーザによって設定され得ることが理解されよう。閾値確認プロトコル306はチェックされた閾値320のいずれかが322を超えているかどうかを判定する。所望の閾値のいずれかが324を超えた場合、プロトコル306は、オフセットコマンドをユーザ326に配信し、及び/又は以下にさらに記載されるように自動オフセット較正328を実行する。分析器32の動作中に閾値を超えていない場合には、分析器は、チェックされた閾値330に関連するオフセットヘルス表示332を更新する。
【0062】
図18を参照すると、分析器32はサンプル吸引速度334を計算し、分析器圧力336、大気圧338を検出し、サンプルガス輸送遅延時間を決定し、そして
図16に関して上述したようにフロー反転同期340を実行する。分析器32は次にガス値オフセット342を発生し、これはガスデータと流量データ344との時間的位置合わせに利用される。分析器32は、
図12~
図15に関して上述したように、動的ガス時間位置合わせオフセット352と共に二酸化炭素値346、酸素値348及び亜酸化窒素値350を検出し、ガスデータ354を見つけ、時間位置合わせガスデータ354及びフローデータ356と通信して、ガスとフローデータ344を時間位置合わせする。好ましくは、分析器32は5ミリ秒毎に呼吸データバッファサンプル358を更新し、またあらゆるサンプルについて時間位置合わせガス及び流量データ344に関連する波形360を更新する。他の呼吸データバッファ更新及び時間位置合わせスケジュールも利用可能であることが分かり、これは、上に開示した好ましい5ミリ秒及び各呼吸サンプル間隔よりも多かれ少なかれ頻繁である。
【0063】
約32サンプル毎に、分析器32はサービス性能監視機能として生ガス及び流量データ362に関連する数値を任意選択で更新して、分析器32の性能のバックグラウンド監視を可能にする。システム性能監視機能に関連する情報は、任意の所与の間隔で生じてもよく、ユーザから隠されてディスプレイ36に関連する呼吸データウィンドウとは別の分析サービス又は監視ウィンドウ内でのみアクセス可能であってもよい。分析器32は次にモード決定364を実行する。
図19a及び19bに示すように、モード判定364は、分析器32がデータを収集しているかどうかについての判定366を含む。データ収集368の間、モード判定364は、呼気/呼気フラグ370を監視して、呼気から吸気フロー方向372へのフロー遷移を判定する。フローが呼気から吸気フロー方向374へ遷移している場合、モード判定364は吸気値を待つ遅延376を提供する。フローは呼気から吸気フロー378に遷移していなく、モード判定364はフローが吸気から呼気フロー380に遷移しているかどうかを判定する。フローが吸気から呼気フロー382に移行している場合、モード判定364は呼気待機状態384に入る。そして、フローが吸気から呼気フロー386に遷移していない場合、モード判定364は収集状態388を確認する。
【0064】
モード判定364が収集状態390にない場合、モード判定364は、それが呼気待機状態392であるかどうかを判定し、そうである場合、394は、入力ガスオフセット398に関連するガスオフセット時間396と比較してサンプル時間を監視する。サンプル時間がガスオフセット時間400よりも大きい場合、モード判定364は、状態を呼気402として関連付け、分析器32の動作を
図20a及び
図20bに示すように呼気呼吸処理404に向ける。サンプル時間がガスオフセット時間406以下であるとき、モード判定364が呼気待機408状態に向けられる。モード判定364が収集状態390になく、呼気待機状態392にない場合、モード判定364は吸気待機状態410を判定する。そして、モード判定364が吸気待機状態410、412にある場合、モード判定364は、ガスオフセット416によって判定されるようにサンプル時間がガスオフセット時間414以上であるかどうかを判定する。サンプル時間がガスオフセット時間418より長く、モード決定364は吸気状態420を確認し、
図20bに示すように分析器32の動作を吸気呼吸処理422モードに向ける。サンプル時間がガスオフセット時間424未満の場合、モード判定364は吸気待機状態426を維持する。
【0065】
分析器32が収集状態390、呼気待ち状態391、及び吸気待ち状態428にない場合、モード判定364は自動的にダグラス収集状態430をチェックする。分析器32がダグラスバッグ収集システム432への接続を検出すると、分析器32はダグラスバッグ434からガスを収集し、ダグラス呼吸検出アルゴリズムを実行して呼吸カウント436を増分し、分析器32がダグラスバッグに接続されたときに呼吸サイクルを模倣する。ダグラス収集状態430が起動されると、分析器32は、所望の数の呼吸が収集されたか否かを判定し(438)、収集された場合、
図20aに示すようにモード検出364をダグラスバッグ呼吸処理442に向ける。分析器32は、所望の数の呼吸が収集されるまでダグラス収集状態430、444を維持する。収集モード決定364を確認する際に、分析器32は、分析器32のオフセット較正中に呼吸データを処理しないために利用されるいくつかのオフセット較正オプション446、448をさらに含む。このような構成により、分析器32は特定の患者が必要とするかもしれないようにオフセット較正に協働するように構成される。
【0066】
図20a及び
図20bは、呼気処理404、吸気処理422及びダグラスバッグ処理442に関連する初期化較正手順を示す。分析装置32が呼気処理404で開始すると、分析装置32は呼気データバッファ450に関連する呼気の開始点及び終了点を決定する。分析器32は呼吸レート452を決定し、取得されたサンプル値454に関連する複数のパラメータを計算する。分析器32は次にサンプル値454、患者又は呼吸経路デッドスペース456を計算し、計算されたRQ及び計算されたデッドスペース456を使用してガスオフセット458を動的に位置合わせする。呼気処理404の間、分析器32は、各関連サンプルについていくつかのデッドスペース値によって決定されるデッドスペース信頼度460を決定する。デッドスペースの変動を調整した後、呼気処理404は、上で論じた方法のいずれかを利用してガスデータを時間調整462で補正し、次いで、取得したサンプルの構成要素に関連する容量及び圧力を計算する(464)。
【0067】
これと比較して、吸気呼気処理422は、取得したサンプルの呼吸データにおける吸気の開始点及び終了点を決定し、取得したサンプル466の構成要素の体積及び圧力を計算し(466)、吸気二酸化炭素値470を記憶し、再呼吸を実行して以前に取得した計算値を取り除く(468)。吸気呼吸処理422は、吸気二酸化炭素値470を記憶し、
図15に関して前述したようにデッドスペース計算から吸気二酸化炭素値を調整する。吸気呼吸処理422は収集状態472を確認し、ガスデータ時間位置合わせ462の補正及び計算464に進む。
【0068】
ダグラスバッグ呼吸処理442の間、分析器32は最小二酸化炭素勾配チェック474を実行し、取得した二酸化炭素値が有効である場合(476)、ダグラスバッグ呼吸処理442は計算464に進む。二酸化炭素勾配データチェック474が無効であるか又は所望の閾値478を下回る場合、ダグラスバッグ呼吸処理442は勾配エラーデータを維持し、ガスデータ時間位置合わせ462の補正及び計算464に進む際に決定されたダグラスバッグデータを無視する。従って、呼吸周期分析器32のどこでデータ取得が開始されるかにかかわらず、分析部32は、呼吸周期の任意の所与のフェーズ中に取得することができる様々なパラメータを自動補正する。
【0069】
前述のように、患者の呼気ガスを収集することにより、分析器32はガス源の時間に依存しない分析を実行することが可能になる。ダグラスバッグ及びセンサ34に接続されたとき、分析器32は、患者を測定することから短い時間で収集容器からのガスを測定することに周期的に切り替わり、それによって時間に依存しないRQ決定を実行する。瞬時に計算されたRQ値又はリアルタイムのRQ値とダグラスバッグRQ値の間の何れの誤差を使用して、瞬時に計算されたRQ値をさらに細かく調整する。収集容器は、単に換気口の出口ポートに接続され、患者のフローに直接接続され、それによって換気口の混合、又は他の適切にパージされた収集容器を迂回することができる。それによって、分析器32がダグラスバッグサンプルを自動的に取得するよう構成され、いかなる臨床医の介入も排除し、非常に正確な傾向のダグラスバッグRQデータを生成する。
【0070】
さらに
図20a及び
図20bを参照すると、分析器32はさらにいくつかの呼気位置合わせ補正手順及び較正手順を含む。第1の呼吸位置合わせ補正はフロー吸引補正手順である。センサ34の流路から吸引されているサンプルガスフローは分析器32によって計算され、対応する呼吸パラメータはセンサ吸引ガス値に対して調整される。センサ吸引ガスによって、患者のフロー測定において補正の必要のある誤差が生じる。センサ34のガスサンプリングチューブ48(
図6aに示す)の位置はフローの測定に用いられるチューブ44、46(
図6aにも示す)の間なので、誤差は、患者のフローが吸気であるか呼気であるかに応じて非対称で方向が反対であり、患者の呼吸流の大きさの関数である。ガスがフローの後さらに下流に除去された場合流量測定に対するこの補正は必要ではないであろうが追加の時間領域シフトが必要となる。いずれの場合でも、小さい乳児を監視する場合のように患者のフローが吸引流量より有意に大きくない場合、エントレインメントが起こりそれもまた対処されなければならない。
【0071】
ガスが流量測定ポート間で吸引されている場合、吸引されているガスは、ポートを横切って等しくない、患者のフローとして現れる方向に圧力降下を生じさせる。また、流量誤差は、吸引速度に比例するが吸引速度と同じではない。例えば、200ml/min(0.2lpm)で吸引しているとすると、単純に0.2lpmを患者フロー測定値に戻すことは必要な補正を適切に反映しない。しかしながら、この誤差は吸引速度並びに患者の流量に比例しそして患者のフローの方向と共に変化する。分析器32はこのセンサ吸引についての流量の読みを補正するのに必要な補正の大きさと方向を経験的に決定する。
【0072】
患者のフローが小さくなるかゼロに近づくと、吸引のフローはより顕著になり、エントレインラントとして知られる状態が発生する。ここで、ガス信号の振幅は他のガスで希釈されるようになる。例えば、患者のガスが吸引速度と比較して低い流量で呼気されている場合、吸引されているサンプルの一部は分析器に向け直されてもよい。測定された患者フロー及び制御され測定された吸引フローは、ガスセンサに伝達されるような患者ガスの真の濃度を決定するために使用される。この種のフロー補正は一般に幼児及び未熟児のフローレベルで実行されるだけでよく、というのは小児呼吸のような遷移がサンプル取得あたり好ましくは5ミリ秒のデジタル化サンプル速度によって決定されるにはあまりにも早く起こるからである。
【0073】
分析器32は、幼児の場合のように非常に高い呼吸レート及び少ないデッドスペース量に一般的に適用可能なデッドスペース信頼性限定子手順を含み、デッドスペースの測定に含まれる総時間は非常に短い。即ち、フロー交差又は呼気の開始からフェーズII288のデッドスペース点284までの時間が非常に短いので、不十分なデータサンプルが取得される可能性がある。この間にキャプチャされたデータサンプルが非常に少ない場合、デッドスペース信頼性限定子は、結果の信頼性レベルについて技術者にフィードバックを提供する。信頼度は、
図15に示すアイトキン法を使用して計算されたデッドスペース時間内に、いかに多くのサンプル数、5ミリ秒ごとに約1サンプル、がキャプチャされることに基づく。
図21に関して以下に説明するように、高い又は良好な信頼レベルについては緑色、注意については黄色、及び警告については赤色のような表示色をディスプレイ36に利用することができる。10個以上のサンプルが高い又は良好な信頼レベルを生成し、3~10個のサンプルでは注意が必要であり、3個以上のサンプルではデッドスペース修飾子の品質に関する警告が表示されるはずである。色は、デッドスペース限定子自体の表示、又はデッドスペースの数値表示を強調する背景色として使用される。
【0074】
分析器32はフローオフセットドリフト補償手順も含む。分析器32は、センサ34に接続された差圧トランスデューサを使用して患者の呼吸のフローを監視する。圧力トランスデューサは一般に温度変化に敏感である。トランスデューサを特徴付ける標準の圧力/温度校正が実行される。さらに、オフセット校正間の温度変化によるゼロ(オフセット)誤差を最小限に抑えるために、フローオフセットドリフト補正が行われる。使用される方法は、二次多項式を使用して圧力対温度を特徴付ける。この式を使用して最後のオフセット較正で決定されたゼロ圧力から「ゼロ」圧力に対して温度が変化するときの圧力がどうなるかについての予測が行われる。フローオフセットドリフト補償手順は、フローサンプルの取得中にオフセット較正温度T0を取得し第2の温度TXを取得する。分析器32は、T0及びTXを使用して圧力P0及びPXを計算し次いでP0とPXとの間の差としてオフセット圧力Poffsetを計算する。分析器32は、患者のフローを計算する前にサンプリングされた圧力からPoffsetを減算しそれによってフローオフセットのドリフトを補正する。
【0075】
分析器32はまた、分析器32及びセンサ62、64、66の動作の自動較正用に構成されている。好ましくは、センサ62、64、66は本質的に利得安定となるように選択される。利得安定性は、センサがそれらの測定範囲の下端部で高度の分解能を有し上端部に向かってより低い分解能を有するという事実によるものである。ほとんどの時間測定がそれぞれのセンサ62、64、66の範囲の下部で行われるのでこれは望ましいことである。当然のことながら、より高い解像度ではセンサドリフトはより明白になる。本発明は分析器32のハウジング58を通して大気に連通して、安価な較正ガス、即ち室内空気を使用してオフセットドリフトを自動的に補正する。
【0076】
ハウジング58を介して伝達される室内空気は吸入サンプルとして利用され、既知の組成及び/又は呼吸商を有する混合ガスが分析装置32に伝達されて呼吸サンプルを提供する。周囲酸素濃度は、
図3に示す温度及び湿度センサ78、80によって検出された情報を利用して、周囲水蒸気希釈について酸素センサ62によって測定された周囲酸素値を補正することによって計算される。室内空気はまた、ゼロ二酸化炭素値を保証するための二酸化炭素スクラバーを貫流する。既知のガスの濃度はオペレータによって入力される。好ましくは、混合ガスの成分の濃度は、結果として得られる呼吸商が正常な生理学的範囲内にあるように選択される。バルブ72、74、76、89のうちの1つ、又は追加のバルブ、及びポンプ70、又は別の補助ポンプは、混合ガスと室内空気との間でセンサ62、64、66に連通するガスの供給源を切り換えるように協働する。
【0077】
好ましくは、混合ガスは、過剰ガスが排出された状態でサンプル吸引速度よりも大きい流量で供給される。空気圧ベンチュリ装置は、分析器32と混合ガスの入口との間に接続されており、流量センサ67によって感知される圧力差を生じさせる。従って、分析器32は、リアルタイムの動作フィードバック及び検出可能なガス遷移を用いて呼吸サイクルを模倣する。さらに、人工的に開発された流量表示を測定された患者の流量レベルと合わせることによって流量センサ67の操作性を確認することができ、混合ガスの流量が流量センサ67によって正確に検出されることを確認することができることがさらに理解される。
【0078】
ユーザ選択可能なトリガは、一連のサンプルに亘って、最後の較正からの時間、最後の較正からの温度、二酸化炭素吸気レベル、酸素吸気レベル、及び1回換気量の不均衡(Ve/Vi)を含むセンサ62、64、66のオフセット較正を実行する。1回換気量の不均衡は、オフセット較正を決定するために特に有用なパラメータを提供する。合理的な呼吸期間(例えば、7呼吸ローリングバッファ)に亘って決定されると、総吸気呼吸量は総呼気呼吸量と相関するはずである。値が相関しない場合、相違は、分析器32の流量オフセットがドリフトしたこと、又はガス回路内に漏れがあることのしるしを提供する。また、この特徴の一部として、ディスプレイ36は各トリガに対するヘルスメータ表示を含む。
【0079】
図3に示すように、分析装置32のフローリークバルブ89は、分析装置32がガスサンプリング経路内の漏れ及び患者フロー測定経路内の漏れを検査することを可能にするように構成される。ガスサンプリング経路は、
図1に示すように、センサ34から入力57、59までである。ガスサンプリング経路に漏れが存在し、それが小さい場合、ガス波形は依然として存在するであろうが、患者のフローの信号からのより大きなタイムラグで現れるだろう。これは、実際に存在するものよりも大きなデッドスペースの読みをもたらすであろう。サンプリング経路における漏れがより大きい場合、デッドスペースは非常に大きくなり、システムはガス濃度をフローと合わせることを試みる困難を経験し検出可能なエラーを示す。
【0080】
少量のガスサンプル漏れを検出するために、バルブ89を使用して、ハウジングへの入力の直後にシステム内部のサンプリングラインを閉じる。閉じたとき、サンプルポンプを使用して低い圧力にする。この圧力に達すると、ポンプは停止し、この圧力は所望の時間維持されなければならない。内部漏れがあると、圧力が低いとすぐに周囲圧力に戻り内部漏れ状態を示す。チューブ44、46のいずれかに漏れがある場合、外部漏れはフローエラーとして検出される。顕著な影響は、場所によっては、吸気量と呼気量の間の不均衡である。漏れ検査中、使用者はプラグを流量センサに接続するように指示され、分析器32はバルブ72を遮断し、入力57、59のいずれかがポンプ70を使用してシステムに陽圧をかける。上記のように、周囲より上の陽圧は非漏れ状態を示すためにある期間にわたって維持されなければならない。
【0081】
分析器32は、周囲のガス濃度や周囲の温度と湿度を含むさまざまな環境要因に対するセンサ62、64、66の動作を自動的に較正するようにさらに構成されている。好ましくは、酸素センサ64は電気化学装置である。そのような装置は一般に電気的又は機械的温度補償機能を含むが、そのような補正は呼吸監視に関連するパラメータに対処するには不十分である。即ち、そのような補正手段は補正装置に固有の誤差を導入する。従って、分析器32は、センサの動作に関連する固有の誤差に対処するように動作するように構成されている。分析器32はまた、センサ62、64、66の動作に関連する湿度変動の関数として動作を調整する。
【0082】
図21は、分析器32によって生成された例示的な時間位置合わせ呼吸出力500を示す。出力500は、共通プロット514上の共通スクリーン512内に二酸化炭素濃度504、酸素濃度506、流量値508、及び飽和血中酸素値510を表示するように構成された傾向ウィンドウ502を含む。上述のように、呼吸周期濃度値504、506、508、510のそれぞれは、データの傾向に沿って時間的に位置合わせしている。二酸化炭素濃度504及び酸素濃度506の値は一般に呼吸データの迅速な閲覧及び解釈が達成されるように互いにミラーとして生成される。酸素濃度データは、呼吸データをそれが二酸化炭素濃度値と相関するような要因だけスケーリングすることによって取得され得ることがさらに理解される。あるいは、分析器32は酸素含有量不足を監視するように構成され、そしてこの値は次に二酸化炭素濃度値をほぼ模倣するように反転されることが理解される。両方の構成は
図21に示されるものと概ね同様の二酸化炭素及び酸素濃度表示値を提供する。
【0083】
呼吸フロー値508も二酸化炭素及び酸素濃度504、506と時間的に合っていることがさらに理解されよう。出力500はまたデッドスペーストレンド表示515を含み、共通プロット514、及び共通プロット514の共通トレンドを較正し位置合わせするのに利用されるデッドスペーストレース517の両方を見ることが可能に構成されている。複数の値表示516が出力500に含まれ、共通プロット514に沿った任意の所与の時間に関するデータに関連する酸素飽和値518、二酸化炭素濃度520、酸素濃度522、流量データ524、及び亜酸化窒素濃度526のいずれかの正確な値が提供される。分析器32の動作中、共通プロット514に沿った任意の所与の取得時間がそれに関連するデータについて問い合わせ得る。
【0084】
出力500はまた、ローリングRQデータ534と同様にボリューム及びRQ表示ウィンドウ530を含み、吸気及び呼気の量に関連するローリング一回換気量データ532を表示するように構成される。分析器32は、呼吸ごとに酸素濃度、二酸化炭素濃度、及び亜酸化窒素濃度を取得及び決定するように構成される。分析器32は、取得したデータを時間的に位置合わせして、取得されたようにデータを表示及び補正する。出力500におけるデータがコンパクトに時間的に位置合わせされて表示されるので、技術者が患者の呼吸性能並びに分析器の性能を迅速に確認することができるシステムが提供される。当然のことながら、出力500は、様々なレベルのオペレータが分析器32の動作及び性能と対話すること、並びにそれによって実行される様々なレベルのデータ、計算、修正、及び較正を可能にするように構成され得る。
【0085】
上記で示唆したように、
図22~
図26は、それぞれのセンサ34、550に関連する呼吸流に伝達される外来のアライメント
用ガスの生成及び評価、並びにそれに関連する情報がその後に分析器32によって取得及び評価されて取得した呼吸流量と呼吸組成データの所望の時間領域位置合わせを達成することに関する。患者の脈動効果304のような逆流プロトコル(RFP)に関連する患者起源情報が所望のデータ時間位置合わせ精度を達成するために拍動効果を利用するには小さすぎるか又は早すぎる場合、外来のアライメント
用ガスプロトコルは、呼吸フロー情報と呼吸組成情報との所望の時間位置合わせを達成するのに特に有利であることが示された。しかしながら、患者の拍動効果が呼吸流量情報と呼吸組成情報との間の所望の位置合わせを達成するのに十分な場合
でも、以下に開示する外来のアライメント
用ガスプロトコルも意図する位置合わせの検証として利用できることが理解される。
【0086】
図22を参照すると、監視システム30に関連する外来のアライメント
用ガスプロトコル600は分析器32又はコントローラ60に関連する入力602を含んで、アライメント
用ガスプロトコル600の選択的動作を可能にする。例えば、拍動効果304が取得された呼吸データサンプルにおいて十分に表されるとき、アライメント
用ガスプロトコル600は無効にされ得る。有効にされると、分析器32の動作に関連するアライメント
用ガスプロトコル600は、呼吸流路に関連するそれぞれのセンサ34、550にアライメント
用ガス604をいつ導入するのが望まれるかを最初に決定する。以下に開示されるように、アライメント
用ガスは、アライメント
用ガスに関連する情報が呼吸性能に関連する情報から容易に評価可能であるときにセンサに導入されることが好ましい。アライメント
用ガス604をいつ導入するかの決定は、以前の呼吸性能情報及び/又は選択された数の進行中の呼吸サイクルに関連する平均値に基づくのが好ましい。
【0087】
決定されると、アライメント用ガスが分析器32によって生成され(606)、センサ34、550に伝達される。好ましい実施形態では、アライメント用ガスは、センサ34、550に関連する内腔又はチューブ44、46、48のうちの1つ又は複数を介してセンサ34、550に連通する大気からなるガスである。さらに、センサ34、550と分析器32との間に専用のチューブ及び/又はポートを設けて、それらの間で外来のフロー位置合わせ信号606の送達を達成することができることを理解されたい。分析器32に関連するコントローラ60及び/又はポンプ制御136は、バルブ72、74、76、89のうちの1つ又は複数の所望の配向及びポンプ70の動作に関連する命令を提供して、位置合わせ信号606のセンサ34、550への送達を達成するように構成される。位置合わせ信号606がそれぞれのセンサ34、550に伝達された後、分析器32は、呼吸サンプルの継続的な収集及びフロー/フロー圧力データ608を介して呼吸性能の呼吸ごとの評価の動作を継続する。サンプル及びフロー/圧力情報はセンサ34、550を介して呼吸フローに伝達されるアライメント用ガスに関連する情報を必然的に含む。アライメント用ガス606は、アライメント用ガスの影響が呼吸を監視している患者には知覚できないが位置合わせ信号がその後に取得された呼吸データから評価できるように呼吸性能データに影響を与えるような持続時間及び構成を有する。
【0088】
図22~
図25を参照すると、各副流呼吸サンプル及びアライメント
用ガス606を含むフロー信号を取得すると、外来のフロー信号位置合わせプロトコル606は、取得したデータを評価して、開始P1及び関連する中心又はピークP2のうちの1つ又は複数、及び呼吸ガスサンプルの少なくとも1つの構成要素を有する組成物に関連する1つ又は複数の開始G1又は中心G2のうちの1つ又は複数を判定する(610)。
図23~
図25に示すように、様々なパラメータを利用して呼吸流量データと呼吸組成データとの間の相関又は位置合わせして、フロー及び組成情報間の所望の位置合わせを達成する。さらに、1つ又は複数の圧力、相対成分濃度、又は代替の圧力若しくはフロー及び組成情報の間の相対変化を利用して、呼吸フロー及び呼吸組成に関連するデータの所望の時間的位置合わせを達成するのに必要な相対的又は所望のオフセットを評価することができる。即ち、位置合わせ信号に関連する情報は、
呼吸流中の組成の相対濃度、例えば、図23に示されるような二酸化炭素のフローの一次微分又は変化率、又は図25に示されるようなフローに関連する圧力データの関数、の何れから評価されて、取得されたデータ内の位置合わせ信号のそれぞれの開始又は出現を決定する。
図24に示されるように、圧力データに対する流量データの比較によって同様の評価が提供され得ることがさらに理解される。流量情報は圧力差から決定されるので、患者の流量圧力の代わりに又はそれに加えて流量情報を使用できて、呼吸信号のフローとのアライメント
用ガスの導入に応答して患者のフローと圧力情報の両方が同時に変化するので取得された呼吸性能データの所望の時間的位置合わせを決定できる。
【0089】
一例として、
図25にグラフで示すように、アライメント
用ガス606が離散呼吸サイクルに関連する呼気中に導入されると、アライメント
用ガス606のエビデンスは、評価された圧力及び/又は患者の呼吸に関連する圧力及び/又は流量信号に対するピーク又はサージとして流量情報、及び/又は垂直軸P2を中心にして反映された傾向偏差によって示されるフロー信号に反映される。同様に、呼気中の二酸化炭素の濃度は、垂直軸G2を中心にして反映される傾向偏差によって示される不連続性を生成するアライメント
用ガス606の導入までいくらか一定である。別の言い方では、アライメント
用ガス606の導入は、P1で始まりP2でピークとなる圧力信号への偏差をもたらし、そして呼吸サイクルの離散部分の間のフロー圧力に関連するほぼ定常状態へ戻る。アライメント
用ガス606の導入はまた、取得された呼吸サンプルに関連する二酸化炭素の濃度においても証明される。アライメント
用ガス606は、呼気中の二酸化炭素濃度に対する周囲空気アライメント
用ガス606に関連するより低い濃度の二酸化炭素に起因する呼吸サンプルに関連するいくらかの定常状態からの偏差として呼吸フローサンプルに表される。二酸化炭素の濃度は、その濃度がG2で最小に達するまでG1での初期の出現から徐々に減少し、その後、ほぼ定常状態の呼気中の二酸化炭素濃度に回復する。アライメント
用ガス606は、呼吸周期中のどこでアライメント
用ガスをセンサ34、550に関連する呼吸流と組み合わせることを意図しているかに応じていくつかの形態で提供することができることを理解されたい。
【0090】
図22に戻って参照すると、アライメント
用ガスを含む呼吸サンプルが取得され、それに関連する情報が評価されると、アライメント
用ガスプロトコル600は、組成とフロー及び/又は圧力データとの間の1つ又は複数の一時的又は時間的オフセット612に関連する値を決定する。
図22及び
図25を参照すると、圧力内のアライメント
用ガス及び/又は流量信号P1の出現と二酸化炭素濃度信号G1内のアライメント
用ガスの出現との間の期間として第1のオフセット614が決定される。最大圧力信号P2と二酸化炭素濃度信号への変化に関連するピークG2との間の期間として第2の又は代替のオフセット616が決定される。オフセット614、616のうちの1つが、呼吸流量と呼吸濃度データとの位置合わせを達成するのに所望のオフセットを決定して適用するのに十分であり得ることが理解されよう。さらに、フロー、圧力、及び離散成分濃度に関連した何れの数のパラメータが位置合わせ信号の少なくとも一部を含む呼吸サンプルから用いられて、取得したフローと濃度データとの間の相対的な位置合わせを評価し得ることが理解されよう。
【0091】
図22、
図25、及び
図26を参照すると、プロトコル606は、第1及び第2のオフセット614、616に関連する値を使用して、計算されたオフセットの精度618を評価し(620)、所望のオフセット値622をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、出力オフセット622を利用して、時間位置合わせ呼吸流量及び呼吸組成データ出力500を生成する。オフセット614、616の平均化及び/又は重み付けのいずれかを実施することで、呼吸フローと呼吸組成データとの間のずれを正確に調整する出力オフセット値622が達成されることが理解される。そのような動作は、本明細書に開示されている様々な較正プロトコルに関して上記でさらに開示されているように、システム30の従来の実験的固定によって都合よく裏付けることができることがさらに理解される。
【0092】
図26は、
図21に示される位置合わせした呼吸サイクルのうちの1つの約5秒間を示しており、様々な圧力、フロー、及び組成の傾向が一時的又は時間的に位置合わせされる。
図26に示すように、圧力傾向線626は、それぞれのセンサ34、550への位置合わせ信号606の導入に関連する偏差628を含む。二酸化炭素濃度630に関連する傾向線はまた偏差632を含み、
患者の生理学的事象による呼吸性能の変化の取得又は評価を必要とすることなく、縦線640によって示されるように
、偏差628と位置合わせされると呼吸毎の出力500に関連する組成及び流量情報の時間的位置合わせを可能にする。必要に応じて、アライメント
用ガス606の効果に関連する偏差は、ユーザに表示されるフロー及び組成データからアライメント
用ガスの効果を差し引くことによって数学的に補正することができることが理解される。上記で示唆したように、生理学的事象が十分な強度、持続時間、及び再現性で起こるとき、患者外部位置合わせプロトコル600は
、オフにされるか
、システム30が取得した呼吸流量及び呼吸組成の所望の一時的位置合わせが達成されることの追加確認として実行され得る。アライメント
用ガス606は、例えば5呼吸サイクル毎に1回など、毎呼吸サイクル又は断続的な呼吸サイクル数を含む任意の数のシーケンスで提供され得ることがさらに理解される。従って、分析器32は非常に用途が広く操作が簡単で所望の操作のために構成が簡単であり、そして患者の状態の迅速な診断及び分析を可能にする出力を提供する。直前に開示された外部アライメント
用ガス方法論による分析器32の動作は、患者の呼吸に関連する精度をさらに改善し、患者の生理的性能によって代えられる呼吸性能の正確な評価を取り込むに不十分な医学的パフォーマンスの者をも含めたそのようなシステムに関連する使用者のクラスを増加させる。
【0093】
従って、本発明の一実施形態によれば、副流呼吸監視システムは、分析器と分析器に関連するコントローラとを含む。分析器は、呼吸流路に配置されるように構成された本体部に流体的に接続されるように構成される。コントローラは、少なくとも1呼吸サイクルの一部の間に分析器によって生成された本体部へのアライメント用ガスの送達を開始するように構成されている。コントローラはさらに、呼吸流量値及び呼吸流量の組成の少なくとも一部を呼吸ごとに決定し、呼吸ごとに関連する決定された呼吸流量値及び決定された組成の一部を、少なくとも1つの呼吸サイクルの一部の間に分析器によって本体部に供給されるアライメント用ガスに関連する情報の関数として、時間領域に時間的に関連付けるように構成される。
【0094】
上記実施形態の1つ又は複数の態様と共に使用可能な本発明の別の実施形態は、患者の呼吸流を測定すること、副流呼吸サンプルを取得すること、及びアライメント用ガスを生成することを含む患者の呼吸性能を監視する方法を開示する。アライメント用ガスの少なくとも一部は、副流呼吸サンプルと副流呼吸サンプルのフローと酸素濃度とを用いて取得され、取得された副流呼吸サンプル中の二酸化炭素の濃度が決定され、取得された副流呼吸サンプルにおけるそれらの発生に対して副流呼吸サンプルで取得されたアライメント用ガスの部分に関連する情報の関数として時間領域で互いに位置合わせされる。
【0095】
上記の実施形態のうちの1つ又は複数とともに使用可能な別の実施形態は、副流呼吸監視システムにおいて呼吸性能データを操作する方法を含む。この方法は、センサを通過する呼吸流にアライメント用ガスを導入するステップと、センサを通過する呼吸フローの流量及び組成の少なくとも一部を決定するステップと、決定された流量と決定された位置合わせ信号に起因する情報からの呼吸流の組成の一部を時間領域で位置合わせするステップとを含む。
【0096】
さらに、上記の特定の詳細は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に任意の適切な方法で本発明を様々に実施することを当業者に教示するための基礎として提供されると理解されたい。本発明の精神から逸脱することなく本明細書に記載の様々な方法及び特徴の詳細に変更を加えることができる。