(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】鼻腔通気度検査装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/097 20060101AFI20230123BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
A61B5/097
A61B10/00 J
(21)【出願番号】P 2020502932
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(86)【国際出願番号】 JP2019005287
(87)【国際公開番号】W WO2019167643
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2018033096
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】399086263
【氏名又は名称】学校法人帝京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】鴨頭 輝
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/034750(WO,A1)
【文献】特表2007-506480(JP,A)
【文献】特開2002-232997(JP,A)
【文献】特開2006-033091(JP,A)
【文献】特表2002-500078(JP,A)
【文献】特開2007-260127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者側端部とセンサ側端部とを有する左鼻腔用チューブと、
被験者側端部とセンサ側端部とを有する右鼻腔用チューブと、
前記左鼻腔用チューブのセンサ側端部に接続され、前記左鼻腔用チューブ内の圧力を検出する左鼻腔用圧力センサと、
前記右鼻腔用チューブのセンサ側端部に接続され、前記右鼻腔用チューブ内の圧力を検出する右鼻腔用圧力センサと、
前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電気的に接続される演算部とを備え、
前記左鼻腔用チューブの被験者側端部は被験者の左鼻腔内に挿入され、かつ、前記左鼻腔用チューブの被験者側端部の直径は、被験者の左鼻腔のすべてを占拠しない直径であり、
前記右鼻腔用チューブの被験者側端部は被験者の右鼻腔内に挿入され、かつ、前記右鼻腔用チューブの被験者側端部の直径は、被験者の右鼻腔のすべてを占拠しない直径であり、
前記左鼻腔用圧力センサによる前記左鼻腔用チューブ内の圧力の検出と、前記右鼻腔用圧力センサによる前記右鼻腔用チューブ内の圧力の検出とは、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能であり、
被験者の左鼻腔通気度は、前記左鼻腔用チューブ内の圧力に基づいて得られ、
被験者の右鼻腔通気度は、前記右鼻腔用チューブ内の圧力に基づいて得られる、
鼻腔通気度検査装置。
【請求項2】
前記左鼻腔用圧力センサは、左鼻腔用エレクトレットコンデンサマイクであり、
前記右鼻腔用圧力センサは、右鼻腔用エレクトレットコンデンサマイクである、
請求項1に記載の鼻腔通気度検査装置。
【請求項3】
前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電力を供給する電源を更に備え、
前記左鼻腔用圧力センサおよび前記右鼻腔用圧力センサと、前記電源とは、定電圧回路またはカレントミラー回路を介して接続される、
請求項1に記載の鼻腔通気度検査装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記左鼻腔用圧力センサからの出力電流信号と、前記右鼻腔用圧力センサからの出力電流信号とを処理するトランスインピーダンスアンプを備え、
前記トランスインピーダンスアンプは、オペアンプを備え、
前記オペアンプの利得帯域幅積は、1MHz以下である、
請求項1に記載の鼻腔通気度検査装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記左鼻腔用圧力センサからの出力電流信号および前記右鼻腔用圧力センサからの出力電流信号に含まれる0.07Hz以上3.4Hz以下の信号を抽出するフィルタを備える、
請求項1に記載の鼻腔通気度検査装置。
【請求項6】
前記左鼻腔用圧力センサによって検出された圧力と、前記右鼻腔用圧力センサによって検出された圧力とを記録する記録部を更に備える、
請求項1に記載の鼻腔通気度検査装置。
【請求項7】
前記左鼻腔用チューブと前記左鼻腔用圧力センサとの間に配置される筒状の左鼻腔用チューブコネクタと、
前記右鼻腔用チューブと前記右鼻腔用圧力センサとの間に配置される筒状の右鼻腔用チューブコネクタとを更に備え、
前記左鼻腔用チューブコネクタのセンサ側端部の内径は、前記左鼻腔用圧力センサの直径よりも大きく、
前記右鼻腔用チューブコネクタのセンサ側端部の内径は、前記右鼻腔用圧力センサの直径よりも大きく、
前記左鼻腔用圧力センサの感圧部は、前記左鼻腔用チューブコネクタ内に挿入されており、
前記右鼻腔用圧力センサの感圧部は、前記右鼻腔用チューブコネクタ内に挿入されている、
請求項1に記載の鼻腔通気度検査装置。
【請求項8】
被験者の左鼻腔に挿入される左鼻腔用チューブが接続される左鼻腔用チューブコネクタと、
被験者の右鼻腔に挿入される左鼻腔用チューブが接続される右鼻腔用チューブコネクタと、
前記左鼻腔用チューブコネクタに接続され、被験者の左鼻腔内の圧力を検出する左鼻腔用圧力センサと、
前記右鼻腔用チューブコネクタに接続され、被験者の右鼻腔内の圧力を検出する右鼻腔用圧力センサと、
前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電気的に接続される演算部とを備え、
前記左鼻腔用圧力センサによる被験者の左鼻腔内の圧力の検出と、前記右鼻腔用圧力センサによる被験者の右鼻腔内の圧力の検出とは、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能であり、
被験者の左鼻腔通気度は、前記左鼻腔用圧力センサによって検出される圧力に基づいて得られ、
被験者の右鼻腔通気度は、前記右鼻腔用圧力センサによって検出される圧力に基づいて得られる、
鼻腔通気度検査装置。
【請求項9】
前記左鼻腔用圧力センサの直径は、被験者の左鼻腔の入口部分の内径よりも小さく、
前記右鼻腔用圧力センサの直径は、被験者の右鼻腔の入口部分の内径よりも小さく、
前記鼻腔通気度検査装置の使用時に、前記左鼻腔用圧力センサの感圧部は被験者の左鼻腔内に挿入され、前記右鼻腔用圧力センサの感圧部は被験者の右鼻腔内に挿入される、
請求項8に記載の鼻腔通気度検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻腔通気度検査装置に関する。
本願は、2018年2月27日に、日本に出願された特願2018-033096号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
昼は問題ないのに、夜寝ている時に鼻が詰まる中高年などが、かなり存在する。これにはいろいろな要素がかかわっていると思われる。特に、背部を圧迫することによる自律神経反射が重要と思われる。それ以外に、加齢に伴ってnasal cycle(鼻周期)が典型的でなくなり、cycleがなくなる(左右の交代がなくなる)人が増える、睡眠中はnasal cycleのインターバルが伸びる等の情報がある。これを検討するには長時間のモニターが有用である。
【0003】
例えば特許文献1には、高精度に被験者の鼻息パターンを測定できる鼻腔通気度検査装置が記載されている。ところで、特許文献1に記載された鼻腔通気度検査装置は、被験者の鼻腔通気度を光学的に検出する。そのため、特許文献1に記載された鼻腔通気度検査装置によっては、夜寝ている被験者の鼻腔通気度を得ることができない。
【0004】
例えば特許文献2には、鼻息像の経時変化を観測する鼻腔通気度検査装置が記載されている。ところで、特許文献2に記載された鼻腔通気度検査装置も、被験者の鼻腔通気度を光学的に検出する。そのため、特許文献2に記載された鼻腔通気度検査装置によっても、夜寝ている被験者の鼻腔通気度を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-126157号公報
【文献】特開平10-80415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した問題点に鑑み、本発明は、睡眠時における左鼻腔通気度と右鼻腔通気度とを得ることができる鼻腔通気度検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、被験者側端部とセンサ側端部とを有する左鼻腔用チューブと、被験者側端部とセンサ側端部とを有する右鼻腔用チューブと、前記左鼻腔用チューブ内の圧力を検出する左鼻腔用圧力センサと、前記右鼻腔用チューブ内の圧力を検出する右鼻腔用圧力センサと、前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電気的に接続される演算部とを備え、前記左鼻腔用チューブの被験者側端部は被験者の左鼻腔内に挿入され、かつ、前記左鼻腔用チューブの被験者側端部の直径は、被験者の左鼻腔のすべてを占拠しない直径であり、前記右鼻腔用チューブの被験者側端部は被験者の右鼻腔内に挿入され、かつ、前記右鼻腔用チューブの被験者側端部の直径は、被験者の右鼻腔のすべてを占拠しない直径であり、前記左鼻腔用圧力センサによる前記左鼻腔用チューブ内の圧力の検出と、前記右鼻腔用圧力センサによる前記右鼻腔用チューブ内の圧力の検出とは、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能であり、被験者の左鼻腔通気度は、前記左鼻腔用チューブ内の圧力に基づいて得られ、被験者の右鼻腔通気度は、前記右鼻腔用チューブ内の圧力に基づいて得られる、鼻腔通気度検査装置である。
【0008】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置では、前記左鼻腔用圧力センサは、左鼻腔用エレクトレットコンデンサマイクであり、前記右鼻腔用圧力センサは、右鼻腔用エレクトレットコンデンサマイクであってもよい。
【0009】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置は、前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電力を供給する電源を更に備え、前記左鼻腔用圧力センサおよび前記右鼻腔用圧力センサと、前記電源とは、定電圧回路またはカレントミラー回路を介して接続されてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置では、前記演算部は、前記左鼻腔用圧力センサからの出力電流信号と、前記右鼻腔用圧力センサからの出力電流信号とを処理するトランスインピーダンスアンプを備え、前記トランスインピーダンスアンプは、オペアンプを備え、前記オペアンプの利得帯域幅積は、1MHz以下であってもよい。
【0011】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置では、前記演算部は、前記左鼻腔用圧力センサからの出力電流信号および前記右鼻腔用圧力センサからの出力電流信号に含まれる0.07Hz以上3.4Hz以下の信号を抽出するフィルタを備えてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置は、前記左鼻腔用圧力センサによって検出された圧力と、前記右鼻腔用圧力センサによって検出された圧力とを記録する記録部を更に備えてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置は、前記左鼻腔用チューブと前記左鼻腔用圧力センサとの間に配置される筒状の左鼻腔用チューブコネクタと、前記右鼻腔用チューブと前記右鼻腔用圧力センサとの間に配置される筒状の右鼻腔用チューブコネクタとを更に備え、前記左鼻腔用チューブコネクタのセンサ側端部の内径は、前記左鼻腔用圧力センサの直径よりも大きく、前記右鼻腔用チューブコネクタのセンサ側端部の内径は、前記右鼻腔用圧力センサの直径よりも大きく、前記左鼻腔用圧力センサの感圧部は、前記左鼻腔用チューブコネクタ内に挿入されており、前記右鼻腔用圧力センサの感圧部は、前記右鼻腔用チューブコネクタ内に挿入されていてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態は、被験者の左鼻腔内の圧力を検出する左鼻腔用圧力センサと、被験者の右鼻腔内の圧力を検出する右鼻腔用圧力センサと、前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電気的に接続される演算部とを備え、前記左鼻腔用圧力センサによる被験者の左鼻腔内の圧力の検出と、前記右鼻腔用圧力センサによる被験者の右鼻腔内の圧力の検出とは、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能であり、被験者の左鼻腔通気度は、前記左鼻腔用圧力センサによって検出される圧力に基づいて得られ、被験者の右鼻腔通気度は、前記右鼻腔用圧力センサによって検出される圧力に基づいて得られる、鼻腔通気度検査装置である。
【0015】
本発明の一実施形態の鼻腔通気度検査装置では、前記左鼻腔用圧力センサの直径は、被験者の左鼻腔の入口部分の内径よりも小さく、前記右鼻腔用圧力センサの直径は、被験者の右鼻腔の入口部分の内径よりも小さく、前記鼻腔通気度検査装置の使用時に、前記左鼻腔用圧力センサの感圧部は被験者の左鼻腔内に挿入され、前記右鼻腔用圧力センサの感圧部は被験者の右鼻腔内に挿入されてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態は、被験者の左鼻腔通気度および右鼻腔通気度を得る鼻腔通気度検査装置において用いられる鼻腔通気度検査装置用回路であって、左鼻腔用圧力センサと右鼻腔用圧力センサとに電気的に接続される演算部と、前記左鼻腔用圧力センサと前記右鼻腔用圧力センサとに電力を供給する電源と、前記左鼻腔用圧力センサおよび前記右鼻腔用圧力センサと前記電源との間に配置される定電圧回路またはカレントミラー回路とを備える、鼻腔通気度検査装置用回路であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、睡眠時における左鼻腔通気度と右鼻腔通気度とを得ることができる鼻腔通気度検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態の鼻腔通気度検査装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】左鼻腔用チューブの被験者側端部が被験者の左鼻腔内に挿入され、右鼻腔用チューブの被験者側端部が被験者の右鼻腔内に挿入されている状態を示す図である。
【
図3】左鼻腔用圧力センサおよび右鼻腔用圧力センサが実装された鼻腔通気度検査装置用回路の一例の全体を示す図である。
【
図4】
図3中の左鼻腔用圧力センサ、右鼻腔用圧力センサ、左鼻腔用チューブコネクタ、右鼻腔用チューブコネクタなどの拡大図である。
【
図5A】左鼻腔用圧力センサを一方の側から見た斜視図である。
【
図5B】左鼻腔用圧力センサを他方の側から見た斜視図である。
【
図6A】右鼻腔用圧力センサと右鼻腔用チューブコネクタとの関係を示す図である。
【
図6B】左鼻腔用圧力センサと左鼻腔用チューブコネクタとの関係を示す図である。
【
図7】左鼻腔用圧力センサによって検出された圧力および右鼻腔用圧力センサによって検出された圧力の一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態の鼻腔通気度検査装置の構成の一例を示す図である。
【
図9】第3実施形態の鼻腔通気度検査装置の構成の一例を示す図である。
【
図10】第4実施形態の鼻腔通気度検査装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の鼻腔通気度検査装置の実施形態について説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1の構成の一例を示す図である。
図1に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、左鼻腔用圧力センサ11Lと、右鼻腔用圧力センサ11Rと、左鼻腔用チューブ12Lと、右鼻腔用チューブ12Rと、左鼻腔用チューブコネクタ14Lと、右鼻腔用チューブコネクタ14Rと、鼻腔通気度検査装置用回路CTとを備えている。左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rは、鼻腔通気度検査装置用回路CTに実装されている。鼻腔通気度検査装置用回路CTの大きさは、被験者などが鼻腔通気度検査装置1を携帯できるように設定されている。つまり、鼻腔通気度検査装置1は、ポータブル鼻腔通気度検査装置である。
【0021】
左鼻腔用チューブ12Lは、被験者側端部12L1と、センサ側端部12L2とを備えている。被験者側端部12L1は、被験者の左鼻腔内に挿入される。
右鼻腔用チューブ12Rは、被験者側端部12R1と、センサ側端部12R2とを備えている。被験者側端部12R1は、被験者の右鼻腔内に挿入される。
図2は左鼻腔用チューブ12Lの被験者側端部12L1が被験者の左鼻腔内に挿入され、右鼻腔用チューブ12Rの被験者側端部12R1が被験者の右鼻腔内に挿入されている状態を示す図である。
図2に示す例では、左鼻腔用チューブ12Lの被験者側端部12L1の直径が、被験者の左鼻腔のすべてを占拠しない直径である。また、右鼻腔用チューブ12Rの被験者側端部12R1の直径は、被験者の右鼻腔のすべてを占拠しない直径である。
【0022】
図1に示す例では、左鼻腔用チューブ12Lのセンサ側端部12L2が、左鼻腔用チューブコネクタ14Lに接続されている。左鼻腔用チューブコネクタ14Lは、左鼻腔用チューブ12Lと左鼻腔用圧力センサ11Lとの間に配置されている。
右鼻腔用チューブ12Rのセンサ側端部12R2は、右鼻腔用チューブコネクタ14Rに接続されている。右鼻腔用チューブコネクタ14Rは、右鼻腔用チューブ12Rと右鼻腔用圧力センサ11Rとの間に配置されている。
【0023】
図3は左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rが実装された鼻腔通気度検査装置用回路CTの一例の全体を示す図である。
図4は
図3中の左鼻腔用圧力センサ11L、右鼻腔用圧力センサ11R、左鼻腔用チューブコネクタ14L、右鼻腔用チューブコネクタ14Rなどの拡大図である。
図3および
図4に示す例では、左鼻腔用チューブコネクタ14Lおよび右鼻腔用チューブコネクタ14Rが筒状である。
図4に示す例では、左鼻腔用チューブコネクタ14Lが、被験者側端部14L1と、センサ側端部14L2とを備えている。被験者側端部14L1は、左鼻腔用チューブ12Lのセンサ側端部12L2に接続されている。
右鼻腔用チューブコネクタ14Rは、被験者側端部14R1と、センサ側端部14R2とを備えている。被験者側端部14R1は、右鼻腔用チューブ12Rのセンサ側端部12R2に接続されている。
【0024】
図4に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lが、左鼻腔用チューブ12L内の圧力を検出する。左鼻腔用圧力センサ11Lの一部は、左鼻腔用チューブコネクタ14L内に挿入されている。
右鼻腔用圧力センサ11Rは、右鼻腔用チューブ12R内の圧力を検出する。右鼻腔用圧力センサ11Rの一部は、右鼻腔用チューブコネクタ14R内に挿入されている。
図4に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rとして同一の部品が用いられている。
【0025】
図5Aおよび
図5Bは
図4中の左鼻腔用圧力センサ11Lの部品図である。詳細には、
図5Aは左鼻腔用圧力センサ11Lを一方の側から見た斜視図である。
図5Bは左鼻腔用圧力センサ11Lを他方の側から見た斜視図である。
図6Aは右鼻腔用圧力センサ11Rと右鼻腔用チューブコネクタ14Rとの関係を示す図である。
図6Bは左鼻腔用圧力センサ11Lと左鼻腔用チューブコネクタ14Lとの関係を示す図である。
図5A、
図5Bおよび
図6Bに示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lとして、エレクトレットコンデンサマイクが用いられている。左鼻腔用圧力センサ11Lは、一方の側の端面11L1と、他方の側の端面11L2と、それらを橋絡する円筒状の側面11L3とを備えている。感圧部11L1Aは、端面11L1に配置されている。端面11L2に配置された端子は、鼻腔通気度検査装置用回路CTに実装される。
図4および
図6Bに示す例では、左鼻腔用チューブコネクタ14Lのセンサ側端部14L2の内径が、左鼻腔用圧力センサ11Lの直径(詳細には、側面11L3の直径)よりも大きい。感圧部11L1Aは、左鼻腔用チューブコネクタ14L内に挿入されている。
【0026】
図5A、
図5Bおよび
図6Aに示す例では、右鼻腔用圧力センサ11Rとして、エレクトレットコンデンサマイクが用いられている。右鼻腔用圧力センサ11Rは、一方の側の端面11R1と、他方の側の端面11R2と、それらを橋絡する円筒状の側面11R3とを備えている。感圧部11R1Aは、端面11R1に配置されている。端面11R2に配置された端子は、鼻腔通気度検査装置用回路CTに実装される。
図4および
図6Aに示す例では、右鼻腔用チューブコネクタ14Rのセンサ側端部14R2の内径が、右鼻腔用圧力センサ11Rの直径(詳細には、側面11R3の直径)よりも大きい。感圧部11R1Aは、右鼻腔用チューブコネクタ14R内に挿入されている。
他の例では、微圧センサ、サーミスタ(抵抗素子)、サーモカップル(熱電対)、圧電フィルム(PVDF(polyvinylidene fluoride film)フィルム)、歪ゲージ、エレクトレットコンデンサマイクではないマイクセンサなどのような、エレクトレットコンデンサマイク以外のものを、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rとして用いてもよい。
【0027】
図1に示す例では、鼻腔通気度検査装置用回路CTに、演算部13と、電源15と、定電圧回路16Aと、記録部17とを備えている。
演算部13は、左鼻腔用圧力センサ11Lと右鼻腔用圧力センサ11Rとに電気的に接続されている。電源15は、左鼻腔用圧力センサ11Lと右鼻腔用圧力センサ11Rとに電力を供給する。
左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rと、電源15とは、定電圧回路16Aを介して接続される。
他の例では、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rと、電源15とが、カレントミラー回路を介して接続されてもよい。
【0028】
図1に示す例では、演算部13が、トランスインピーダンスアンプ13Aと、フィルタ13Bとを備えている。
トランスインピーダンスアンプ13Aは、左鼻腔用圧力センサ11Lからの出力電流信号と、右鼻腔用圧力センサ11Rからの出力電流信号とを処理する。また、トランスインピーダンスアンプ13Aは、オペアンプ13A1を備えている。オペアンプ13A1の利得帯域幅積(GB積)は、1MHz以下に設定されている。
フィルタ13Bは、左鼻腔用圧力センサ11Lからの出力電流信号および右鼻腔用圧力センサ11Rからの出力電流信号に含まれる0.07Hz以上3.4Hz以下の信号を抽出する。
【0029】
図1に示す例では、記録部17が、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力と、右鼻腔用圧力センサ11Rによって検出された圧力とを記録する。
図7は左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力および右鼻腔用圧力センサ11Rによって検出された圧力の一例を示す図である。
図7の縦軸は圧力を示しており、
図7の横軸は時間を示している。
図7に示す例では、時間の変化に応じて、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力の値が変動している。詳細には、被験者が息を吐く時に、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力の値が大きくなる。被験者が息を吸う時には、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力の値が小さくなる。
右鼻腔用圧力センサ11Rによって検出された圧力の値の時間の変化に応じた変動量は、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力の値の時間の変化に応じた変動量よりも小さい。
【0030】
図1に示す例では、
図7に示すような圧力の検出結果が得られる場合に、鼻腔通気度検査装置1は、被験者の左鼻腔の通気度が高く(つまり、左鼻腔が通っており)、被験者の右鼻腔の通気度が低い(つまり、右鼻腔が通っていない)旨の検査結果を出す。
つまり、
図1に示す例では、被験者の左鼻腔の通気度が、左鼻腔用チューブ12L内の圧力に基づいて得られ、被験者の右鼻腔の通気度が、右鼻腔用チューブ12R内の圧力に基づいて得られる。
詳細には、
図1に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lによる左鼻腔用チューブ12L内の圧力の検出と、右鼻腔用圧力センサ11Rによる右鼻腔用チューブ12R内の圧力の検出とが、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能である。
【0031】
<第1実施形態のまとめ>
第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、左鼻腔用圧力センサ11Lによる左鼻腔用チューブ12L内の圧力の検出と、右鼻腔用圧力センサ11Rによる右鼻腔用チューブ12R内の圧力の検出とが、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能である。
また、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、被験者の左鼻腔内に挿入される左鼻腔用チューブ12Lの被験者側端部12L1の直径が、被験者の左鼻腔のすべてを占拠しない直径であり、被験者の右鼻腔内に挿入される右鼻腔用チューブ12Rの被験者側端部12R1の直径が、被験者の右鼻腔のすべてを占拠しない直径である。
そのため、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、睡眠時における左鼻腔通気度および右鼻腔通気度の両方を得ることができる。つまり、長時間にわたって連続して左鼻腔通気度および右鼻腔通気度を得ることができる。
【0032】
第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、左鼻腔用圧力センサ11Lが、左鼻腔用エレクトレットコンデンサマイクであり、右鼻腔用圧力センサ11Rが、右鼻腔用エレクトレットコンデンサマイクである。
そのため、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、高価なセンサが用いられる場合よりも、鼻腔通気度検査装置1のコストを抑制することができる。
【0033】
第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rと、電源15とが、定電圧回路16Aまたはカレントミラー回路を介して接続される。
そのため、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rと電源15とが定電圧回路16Aまたはカレントミラー回路を介して接続されない場合よりも、左鼻腔用圧力センサ11Lの信号と右鼻腔用圧力センサ11Rの信号とが相互に悪影響をおよぼしてしまうおそれを抑制することができる。
【0034】
第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、トランスインピーダンスアンプ13Aによって、左鼻腔用圧力センサ11Lからの出力電流信号と、右鼻腔用圧力センサ11Rからの出力電流信号とが処理され、トランスインピーダンスアンプ13Aが備えるオペアンプ13A1の利得帯域幅積が1MHz以下である。
また、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、左鼻腔用圧力センサ11Lからの出力電流信号および右鼻腔用圧力センサ11Rからの出力電流信号に含まれる0.07Hz以上3.4Hz以下の信号が、フィルタ13Bによって抽出される。
そのため、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rからの出力電流信号に含まれる、鼻腔通気度の検出に不要なノイズを、適切に除去することができる。
【0035】
第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、左鼻腔用圧力センサ11Lの感圧部11L1Aが左鼻腔用チューブコネクタ14L内に挿入されており、右鼻腔用圧力センサ11Rの感圧部11R1Aが右鼻腔用チューブコネクタ14R内に挿入されている。
そのため、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、左鼻腔用圧力センサ11Lの感圧部11L1Aが左鼻腔用チューブコネクタ14L内に挿入されておらず、右鼻腔用圧力センサ11Rの感圧部11R1Aが右鼻腔用チューブコネクタ14R内に挿入されていない場合よりも、右鼻腔の気流によって左鼻腔用圧力センサ11Lによる圧力の検出精度が低下してしまうおそれを抑制することができ、左鼻腔の気流によって右鼻腔用圧力センサ11Rによる圧力の検出精度が低下してしまうおそれを抑制することができる。
【0036】
詳細には、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によって、被験者の呼吸回数、左右の通気度の差、鼻づまり状況などが検査結果として得られる。第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によって得られた検査結果は、例えば、アレルギー性鼻炎(花粉症など)の評価、副鼻腔炎(ちくのう症)の評価、ストレスの評価、睡眠時無呼吸の評価などに用いられる。
換言すれば、第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、両側の鼻腔通気度を安価に非侵襲的に24時間継続して計測することができる。また、非常に安価に入手可能なエレクトレットコンデンサマイクを回路の工夫などにより鼻腔の圧力センサとして利用することで、精度良く、非常に安価に計測することができる。また、睡眠時無呼吸を始め、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・ストレス等による鼻閉の状態を継続して計測することで、それぞれの疾患の状態を詳細に評価し、より適切な治療や症状の改善につなげることができる。
【0037】
[第2実施形態]
以下、本発明の鼻腔通気度検査装置の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
第2実施形態の鼻腔通気度検査装置1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1と同様である。従って、第2実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1と同様の効果を奏することができる。
【0038】
図8は第2実施形態の鼻腔通気度検査装置1の構成の一例を示す図である。
上述したように、
図1に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、記録部17を備えている。
一方、
図8に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、記録部17を備えておらず、無線通信、有線通信などを行う通信部18を備えている。
図8に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力のデータと、右鼻腔用圧力センサ11Rによって検出された圧力のデータとが、鼻腔通気度検査装置1内に記録されるのではなく、通信部18を介して鼻腔通気度検査装置1外のパソコン、スマートフォンなどの端末装置に送信され、その端末装置において記録され、データ解析などに用いられる。
【0039】
[第3実施形態]
以下、本発明の鼻腔通気度検査装置の第3実施形態について、図面を参照して説明する。
第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1と同様である。従って、第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の鼻腔通気度検査装置1と同様の効果を奏することができる。
【0040】
図9は第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1の構成の一例を示す図である。
上述したように、
図1に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、左鼻腔用チューブ12Lと、右鼻腔用チューブ12Rと、左鼻腔用チューブコネクタ14Lと、右鼻腔用チューブコネクタ14Rとを備えている。
一方、
図9に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、左鼻腔用チューブ12Lと、右鼻腔用チューブ12Rと、左鼻腔用チューブコネクタ14Lと、右鼻腔用チューブコネクタ14Rとを備えていない。
図9に示す例では、鼻腔通気度検査装置1の使用時に、左鼻腔用圧力センサ11Lの感圧部11L1Aが被験者の左鼻腔内に挿入され、右鼻腔用圧力センサ11Rの感圧部11R1Aが被験者の右鼻腔内に挿入される。つまり、左鼻腔用圧力センサ11Lは、被験者の左鼻腔内の圧力を検出する。右鼻腔用圧力センサ11Rは、被験者の右鼻腔内の圧力を検出する。
【0041】
図9に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lとして、エレクトレットコンデンサマイクが用いられる。左鼻腔用圧力センサ11Lの端面11L2に配置された端子は、鼻腔通気度検査装置用回路CTに電気的に接続される。また、右鼻腔用圧力センサ11Rとして、エレクトレットコンデンサマイクが用いられる。右鼻腔用圧力センサ11Rの端面11R2に配置された端子は、鼻腔通気度検査装置用回路CTに電気的に接続される。詳細には、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rは、演算部13に電気的に接続される。
【0042】
図9に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lの直径(詳細には、側面11L3の直径)は、被験者の左鼻腔の入口部分の内径よりも小さい。また、右鼻腔用圧力センサ11Rの直径(詳細には、側面11R3の直径)は、被験者の右鼻腔の入口部分の内径よりも小さい。
【0043】
図9に示す例では、
図1に示す例と同様に、例えば
図7に示すような圧力の検出結果が得られる場合に、鼻腔通気度検査装置1は、被験者の左鼻腔の通気度が高く(つまり、左鼻腔が通っており)、被験者の右鼻腔の通気度が低い(つまり、右鼻腔が通っていない)旨の検査結果を出す。
つまり、
図9に示す例では、被験者の左鼻腔の通気度が、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出される被験者の左鼻腔内の圧力に基づいて得られる。被験者の右鼻腔の通気度は、右鼻腔用圧力センサ11Rによって検出される被験者の右鼻腔内の圧力に基づいて得られる。
詳細には、
図9に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lによる被験者の左鼻腔内の圧力の検出と、右鼻腔用圧力センサ11Rによる被験者の右鼻腔内の圧力の検出とが、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能である。
【0044】
<第3実施形態のまとめ>
第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、左鼻腔用圧力センサ11Lによる被験者の左鼻腔内の圧力の検出と、右鼻腔用圧力センサ11Rによる被験者の右鼻腔内の圧力の検出とが、同時に実行され、かつ、睡眠時無呼吸を評価可能な時間にわたって継続的に実行可能である。
また、第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、被験者の左鼻腔内に挿入される左鼻腔用圧力センサ11Lの直径が、被験者の左鼻腔のすべてを占拠しない直径であり、被験者の右鼻腔内に挿入される右鼻腔用圧力センサ11Rの直径が、被験者の右鼻腔のすべてを占拠しない直径である。
そのため、第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、睡眠時における左鼻腔通気度および右鼻腔通気度の両方を得ることができる。つまり、長時間にわたって連続して左鼻腔通気度および右鼻腔通気度を得ることができる。
【0045】
第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1では、上述したように、鼻腔通気度検査装置1の使用時に、左鼻腔用圧力センサ11Lの感圧部11L1Aが被験者の左鼻腔内に挿入され、右鼻腔用圧力センサ11Rの感圧部11R1Aが被験者の右鼻腔内に挿入される。
そのため、第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、鼻腔通気度検査装置1の使用時に、左鼻腔用圧力センサ11Lの感圧部11L1Aが被験者の左鼻腔内に挿入されず、右鼻腔用圧力センサ11Rの感圧部11R1Aが被験者の右鼻腔内に挿入されない場合よりも、右鼻腔の気流によって左鼻腔用圧力センサ11Lによる圧力の検出精度が低下してしまうおそれを抑制することができ、左鼻腔の気流によって右鼻腔用圧力センサ11Rによる圧力の検出精度が低下してしまうおそれを抑制することができる。
【0046】
[第4実施形態]
以下、本発明の鼻腔通気度検査装置の第4実施形態について、図面を参照して説明する。
第4実施形態の鼻腔通気度検査装置1は、後述する点を除き、上述した第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1と同様である。従って、第4実施形態の鼻腔通気度検査装置1によれば、後述する点を除き、上述した第3実施形態の鼻腔通気度検査装置1と同様の効果を奏することができる。
【0047】
図10は第4実施形態の鼻腔通気度検査装置1の構成の一例を示す図である。
上述したように、
図9に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、記録部17を備えている。
一方、
図10に示す例では、鼻腔通気度検査装置1が、記録部17を備えておらず、無線通信、有線通信などを行う通信部18を備えている。
図10に示す例では、左鼻腔用圧力センサ11Lによって検出された圧力のデータと、右鼻腔用圧力センサ11Rによって検出された圧力のデータとが、鼻腔通気度検査装置1内に記録されるのではなく、通信部18を介して鼻腔通気度検査装置1外のパソコン、スマートフォンなどの端末装置に送信され、その端末装置において記録され、データ解析などに用いられる。
【0048】
第1から第4実施形態の鼻腔通気度検査装置1に適用可能な鼻腔通気度検査装置用回路CTは、上述したように、被験者の左鼻腔通気度および右鼻腔通気度を得る鼻腔通気度検査装置1において用いられる鼻腔通気度検査装置用回路CTであって、左鼻腔用圧力センサ11Lと右鼻腔用圧力センサ11Rとに電気的に接続される演算部13と、左鼻腔用圧力センサ11Lと右鼻腔用圧力センサ11Rとに電力を供給する電源15と、左鼻腔用圧力センサ11Lおよび右鼻腔用圧力センサ11Rと電源15との間に配置される定電圧回路16Aまたはカレントミラー回路とを備える。
【0049】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…鼻腔通気度検査装置、11L…左鼻腔用圧力センサ、11L1…端面、11L1A…感圧部、11L2…端面、11L3…側面、11R…右鼻腔用圧力センサ、11R1…端面、11R1A…感圧部、11R2…端面、11R3…側面、12L…左鼻腔用チューブ、12L1…被験者側端部、12L2…センサ側端部、12R…右鼻腔用チューブ、12R1…被験者側端部、12R2…センサ側端部、13…演算部、13A…トランスインピーダンスアンプ、13A1…オペアンプ、13B…フィルタ、14L…左鼻腔用チューブコネクタ、14L1…被験者側端部、14L2…センサ側端部、14R…右鼻腔用チューブコネクタ、14R1…被験者側端部、14R2…センサ側端部、15…電源、16A…定電圧回路、17…記録部、18…通信部、CT…鼻腔通気度検査装置用回路