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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】収容体
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20230123BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019127227
(22)【出願日】2019-07-08
(65)【公開番号】P2021011372
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】中井 吾郎
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-310201(JP,A)
【文献】実開昭50-047281(JP,U)
【文献】登録実用新案第3159757(JP,U)
【文献】実開平06-016302(JP,U)
【文献】登録実用新案第3048952(JP,U)
【文献】登録実用新案第3218917(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/16
B65F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方部に投入口部を有する収容空間を構成する収容空間構成部と、回動により前記投入口部を開閉し得る回動開閉部を有する収容体であって、
前記回動開閉部は、前記投入口部を開いた開口状態を前記収容空間の外部において維持することができ、
前記回動開閉部が前記投入口部を閉じた閉口状態であって且つ前記収容空間が閉鎖されていない状態において、その投入口部に対し前記収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を閉口状態で固定することができる閉口固定部を有し、
前記回動開閉部が前記投入口部を開いた開口状態において、その投入口部に対し前記収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を開口状態で固定することができる開口固定部を有し、
前記閉口固定部により前記回動開閉部が前記収容空間の外部側から前記投入口部を閉じた閉口状態で固定され且つ前記収容空間が閉鎖された状態において、その閉口固定部により回動開閉部の閉口状態を解除することができないことを特徴とする収容体。
【請求項2】
上方部に投入口部を有する収容空間を構成する収容空間構成部と、回動により前記投入口部を開閉し得る回動開閉部を有する収容体であって、
前記収容空間構成部に開口部が設けられ、その開口部を開閉し得る投入口部形成体を有し、前記投入口部をその投入口部形成体に有するものであり、
前記回動開閉部は、前記投入口部を開いた開口状態を前記収容空間の外部において維持することができ、
前記回動開閉部が前記投入口部を閉じた閉口状態であって且つ前記収容空間が閉鎖されていない状態において、その投入口部に対し前記収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を閉口状態で固定することができる閉口固定部を有し、
前記閉口固定部により前記回動開閉部が前記収容空間の外部側から前記投入口部を閉じた閉口状態で固定され且つ前記収容空間が閉鎖された状態において、その閉口固定部により回動開閉部の閉口状態を解除することができないことを特徴とする収容体。
【請求項3】
上記投入口部形成体は、上記開口部を閉じた状態で固定又は施錠し得るものである請求項2記載の収容体。
【請求項4】
上記回動開閉部が投入口部を開いた開口状態において、その投入口部に対し収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を開口状態で固定することができる開口固定部を有する請求項2又は3記載の収容体。
【請求項5】
上記回動開閉部は、投入口部を閉じた状態において表側部が外部に表れるものである請求項1乃至4の何れか1項に記載の収容体。
【請求項6】
上記回動開閉部は、投入口部を開いた状態において裏側部が外部に表れるものである請求項1乃至5の何れか1項に記載の収容体。
【請求項7】
上記回動開閉部は、投入口部を開いた状態において、所定箇所を隠蔽し、回動開閉部が投入口部を閉じた状態において、前記所定箇所の隠蔽が解除されて外部に表れるものである請求項1乃至6の何れか1項に記載の収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入口部を通じて収容対象物を収容する収容体における前記投入口部を、収容対象物を投入し得ないように封鎖状態とすることができる収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
実用新案登録第3191342号公報に示されているゴミ箱は、上方が開口した投入物貯留容器50を収容可能な容器収容空間7aを画定し、前記投入物貯留容器の取り出し口6が設けられた箱状筐体2と、前記箱状筐体2に設けられ、前記取り出し口6を開閉する蓋部材3と、前記蓋部材3に設けられ前記容器収容空間7aに連通する投入口5を有するものである。前記蓋部材3は、前記蓋部材3の内面側に前記投入口5を封鎖するように封鎖部材11を固定する固定部材13を有する。
【0003】
また図7に示されるゴミ箱21は、上が開口した容器状の箱状筐体22を有する。箱状筐体22の一側縁には、開閉蓋23の一側縁がヒンジ結合されており、その開閉蓋23が矢印91に示すように回動することにより箱形筐体2の上面の開口26を開閉できるように構成されている。開閉蓋23には、投入口25が設けられており、開閉蓋23の裏面には、断面が鈎状の封鎖板固定部材27が設けられており、封鎖板28を開閉蓋23の左右方向からスライドさせることで、投入口25を封鎖するための封鎖板28が支持されて脱着自在に固定される。
【0004】
このように、実用新案登録第3191342号公報に示されているゴミ箱は、必要に応じ、別途用意した封鎖部材や封鎖板により投入口を封鎖することかできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3191342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、収容対象物を収容するための投入口部の封鎖を、封鎖体の保管や装着等のスペースや手間を省いて容易且つ確実に行うことができる収容体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収容体は、次のように表すことができる。
【0008】
(1) 上方部に投入口部を有する収容空間を構成する収容空間構成部と、回動により前記投入口部を開閉し得る回動開閉部を有する収容体であって、
前記回動開閉部は、前記投入口部を開いた開口状態を前記収容空間の外部において維持することができ、
前記回動開閉部が前記投入口部を閉じた閉口状態において、その投入口部に対し前記収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を閉口状態で固定することができる閉口固定部を有し、
前記閉口固定部により前記回動開閉部が閉口状態で固定され且つ前記収容空間が閉鎖された状態において、その閉口固定部により回動開閉部の閉口状態を解除することができないことを特徴とする収容体。
【0009】
収容空間構成部が構成する収容空間の上方部に有する投入口部を、回動開閉部を回動させることにより開閉することができる。
【0010】
回動開閉部は、投入口部を開いた開口状態を収容空間の外部において維持することができ、回動開閉部が投入口部を閉じた閉口状態において、その投入口部に対し収容空間側において閉口固定部に固定操作を行うことにより、回動開閉部を閉口状態で固定することができる。
【0011】
閉口固定部により回動開閉部が閉口状態で固定され且つ収容空間が閉鎖された状態において、その閉口固定部により回動開閉部の閉口状態を解除することができず、投入口部を封鎖して収容空間に廃棄物やその他の物が投入されるのを防ぐことを容易且つ確実に行うことができる。
【0012】
(2) 上記収容空間構成部に開口部が設けられ、その開口部を開閉し得る投入口部形成体を有し、上記投入口部をその投入口部形成体に有する上記(1)記載の収容体。
【0013】
(3) 上記投入口部形成体は、上記開口部を閉じた状態で固定又は施錠し得るものである上記(2)記載の収容体。
【0014】
(4) 上記回動開閉部が投入口部を開いた開口状態において、その投入口部に対し収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を開口状態で固定することができる開口固定部を有する上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の収容体。
【0015】
(5) 上記回動開閉部は、投入口部を閉じた状態において表側部が外部に表れるものである上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の収容体。
【0016】
(6) 上記回動開閉部は、投入口部を開いた状態において裏側部が外部に表れるものである上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の収容体。
【0017】
(7) 上記回動開閉部は、投入口部を開いた状態において、所定箇所を隠蔽し、回動開閉部が投入口部を閉じた状態において、前記所定箇所の隠蔽が解除されて外部に表れるものである上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の収容体。
【発明の効果】
【0018】
本発明の収容体においては、回動開閉部を回動させることにより投入口部を開閉することができ、その回動開閉部の閉口状態を解除することができないように投入口部を封鎖して収容空間に廃棄物やその他の物が投入されるのを防ぐことを容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】回動開閉部が投入口部を開口し投入口部形成体が閉じた状態で収容箱に固定施錠された収容体の斜視図である。
図2】回動開閉部が投入口部を開口し投入口部形成体が開いた状態の収容体の斜視図である。
図3】投入口部形成体の施錠部の拡大説明図である。
図4】開口固定部の係合部が回動開閉部の表側突起部に係合した状態の拡大説明図である。
図5】回動開閉部が回動状態である収容体の斜視図である。
図6】回動開閉部が投入口部を閉口して投入口部形成体が開いた状態の収容体の斜視図である。
図7】閉口固定部の係合部が回動開閉部の裏側突起部に係合した状態の拡大説明図である。
図8】回動開閉部が投入口部を閉口し投入口部形成体が閉じた状態で収容箱に固定施錠された収容体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[1] 図面は何れも本発明の収容体の実施の形態の例についてのものである。
【0021】
(1) 図面に示す収容体Aは、収容空間構成部としての収容箱Bと、投入口部形成体Cと、回動開閉部Eを有する。
【0022】
(2) 収容箱Bは、上方に開口部B1を有するほぼ直方体形状の箱体であり、収容対象物をそれぞれ異にする複数個を並列させて使用することもできる。
【0023】
収容箱Bの前後左右の側板には、外部から収容箱B内(収容空間)の収容物を視認し得る透明板部B2が設けられている。
【0024】
収容箱Bの上部後方には、全体として方形板状をなす投入口部形成体Cが基部において収容箱Bの正面に対し横方向水平の回動軸線のまわりに回動可能なように連結されている。投入口部形成体Cは、回動により開口部B1を開閉することができる。
【0025】
投入口部形成体Cは、開口部B1を閉じた状態においてやや前方に傾斜した状態で収容箱B上に支持され、その状態で収容箱Bの前上部に設けられた施錠装置Dの掛止部D1を図3に示されるように回動させて投入口部形成体Cの端部側の掛止穴部C1に掛止することにより施錠して収容箱Bに対し固定することができる。投入口部形成体Cは、開口部B1を閉じた状態における前半部に空き缶・空き瓶・空きペットボトル等用の2箇所の円孔を投入口部C2として開口する。従って、投入口部C2は収容箱Bの内部空間の上端部に位置する。
【0026】
投入口部形成体Cは、開口部B1を開いた状態において後方へ傾斜した状態で安定する。
【0027】
投入口部形成体Cは、通常は、開口部B1を閉じた状態で施錠されて収容箱Bに対し固定された状態で対象物を投入口部C2を通じて収容箱B内に収容するために使用され、解錠して回動させ、開口部B1を開くことにより、その開口部B1を通じて収容箱B内に収容された物を排出することができる。
【0028】
実用上は、収容箱B内に、透明なプラスチックフィルム製の収容袋を、装着部B3を利用する等して上方開口状に装着し、投入口部C2を通じて投入される対象物を収容袋内に収容し、投入口部形成体Cを開いて収容袋を取り出すことにより収容物を排出するものとすることが望ましい。
【0029】
(3) 投入口部形成体Cが開口部B1を閉じた状態における投入口部形成体Cの上側に、方形板状をなす回動開閉部Eが設けられている。回動開閉部Eは、その基部が、開口部B1を閉じた状態の投入口部形成体Cの前後方向中間位置に連結されており、回動開閉部Eの基部に位置する回動軸線(投入口部C2の正面に対し横方向水平の回動軸線)のまわりに回動可能である。
【0030】
開口部B1を閉じた状態の投入口部形成体Cに対し、回動開閉部Eを回動させることにより投入口部C2を開閉し得る。開口部B1を閉じた状態の投入口部形成体C上において、回動開閉部Eが前方へ回動することにより、投入口部形成体Cの投入口部C2を閉じることができ、回動開閉部Eが後方へ回動することにより投入口部C2を開くことができる。
【0031】
投入口部形成体Cが開口部B1を閉じた状態において、投入口部C2を閉じた状態の回動開閉部Eは、やや前方に傾斜した状態をなし、投入不可であることを示す閉口状態用表記内容S(図示を略す)が記載された表側部が上側(外部)に表れる。この状態で、投入口部形成体Cの後半部の上面に記載された特別警戒中であること等を示す閉口状態用表記内容Sが表れている。
【0032】
投入口部形成体Cが開口部B1を閉じた状態において、回動開閉部Eが後方へ回動することにより投入口部C2を開いて回動開閉部Eの表側部が投入口部形成体Cの後半部上に支持された状態では、ビンや缶等の収容対象物の種類を示す開口状態用表記内容P(図示を略す)が記載された裏側部が上側(外部)に表れる。投入口部形成体Cの後半部の上面に記載された特別警戒中であること等を示す閉口状態用表記内容Sは、回動開閉部Eにより隠蔽された状態となる。
【0033】
(4) 回動開閉部Eの端部側(回動中心である回動軸線から離隔した位置)の中央部の表側及び裏側には、それぞれ、表側突起部E1及び裏側突起部E2が設けられている。
【0034】
回動開閉部Eが投入口部C2を閉じた状態において、表側突起部E1は、回動開閉部Eの表面部との間で閉じたループ状部分を形成する略U字状をなし、その略U字の前後方向は収容箱Bの前後方向と一致する。裏側突起部E2は、同様に回動開閉部Eの裏面部との間で閉じたループ状部分を形成する略U字状をなす。
【0035】
(4-1) 回動開閉部Eが投入口部C2を閉じた場合、裏側突起部E2は投入口部形成体Cの端部(回動軸線から離隔した位置)に形成された端部貫通孔C3に挿入され、裏側突起部E2の端部側が投入口部形成体Cの裏側に突出する。この状態で図6に示されるように投入口部形成体Cが開口部B1を開いている場合、投入口部形成体Cの端部側における裏側に設けられた閉口固定部Fの閉口摘みF1を、通常使用状態である係合解除位置から係合位置に回動させることにより、閉口摘みF1と一体をなす閉口固定部Fの閉口係合部F2が回動して図7に示されるように裏側突起部E2に係合し、回動開閉部Eを閉口状態で投入口部形成体Cに対し固定することができる。
【0036】
この状態で図8に示されるように投入口部形成体Cを回動させて開口部B1を閉じ、その投入口部形成体Cを施錠装置Dを施錠して収容箱Bに対し固定することにより、閉口固定部Fを操作して回動開閉部Eの閉口状態を解除し、その回動開閉部Eを回動させて投入口部C2を開くことは実質上不可能となる。
【0037】
施錠装置Dを解錠し、投入口部形成体Cを回動させて開口部B1を開き、投入口部形成体Cの裏側において閉口固定部Fの閉口摘みF1を係合位置から係合解除位置に回動させることにより、閉口摘みF1と一体をなす閉口固定部Fの閉口係合部F2が回動して裏側突起部E2との係合を解除し、回動開閉部Eを回動させて投入口部C2を開き、対象物を投入口部C2を通じて収容箱Bに収容し得る状態とすることができる。
【0038】
(4-2) 回動開閉部Eが投入口部C2を開いて投入口部形成体Cの後半部の上面に記載された特別警戒中であること等を示す閉口状態用表記内容Sを回動開閉部Eにより隠蔽した状態とした場合、表側突起部E1は投入口部形成体Cの基部(回動軸線に近接した位置)に形成された基部貫通孔C4に挿入され、表側突起部E1の端部側が投入口部形成体Cの裏側に突出する。この状態で図2に示されるように投入口部形成体Cが開口部B1を開いている場合、投入口部形成体Cの基部側における裏側に設けられた開口固定部Gの開口摘みG1を、係合解除位置から通常使用状態である係合位置に回動させることにより、開口摘みG1と一体をなす開口固定部Gの開口係合部G2が回動して図4に示されるように表側突起部E1に係合し、回動開閉部Eを開口状態で且つ閉口状態用表記内容Sを隠蔽した状態で投入口部形成体Cに対し固定することができる。
【0039】
この状態で図1に示されるように投入口部形成体Cを回動させて開口部B1を閉じ、その投入口部形成体Cを施錠装置Dを施錠して収容箱Bに対し固定することにより、開口固定部Gを操作して回動開閉部Eの開口状態を解除し、その回動開閉部Eを回動させて投入口部C2を閉じることは実質上不可能であるか又は容易ではないものとなる。
【0040】
施錠装置Dを解錠し、投入口部形成体Cを回動させて開口部B1を開き、投入口部形成体Cの裏側において開口固定部Gの開口摘みG1を係合位置から係合解除位置に回動させることにより、開口摘みG1と一体をなす開口固定部Gの開口係合部G2が回動して表側突起部E1との係合を解除し、回動開閉部Eを回動させて投入口部C2を閉じることにより、投入口部C2からの投入ができない状態とすることができる。
【0041】
(4-3) またこれらの表側突起部E1及び裏側突起部E2は、それぞれ、投入口部C2を閉じた状態の回動開閉部Eを後方へ回動させて開く場合、及び、投入口部C2を開いた状態の回動開閉部Eを前方へ回動させて閉じる場合に、操作を行う者が把持して回動開閉部Eの回動操作に利用することができる。
【0042】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0043】
(1) 本発明の収容体は、収容空間構成部と回動開閉部を有する。
【0044】
(2) 収容空間構成部は、上方部に投入口部を有する収容空間を構成する。
【0045】
収容空間構成部は、例えば、独立した箱状体とすることができる他、家具、建築物、構築物、車両、航空機、船舶、その他の物の一部とすることもできる。
【0046】
収容空間構成部に開口部が設けられ、その開口部を回動又はその他の手段により開閉し得る投入口部形成体を有し、その投入口部形成体に投入口部を設けるものとすることが望ましいが、これに限るものではない。投入口部形成体は、前記開口部を閉じた状態で収容空間構成部等に対し固定又は施錠若しくは固定・施錠し得るものであることが望ましく、従ってそのような固定装置又は施錠装置を有するものであることが望ましい。
【0047】
収容空間構成部に対し固定的に投入口部が設けられたもの(例えば箱状体の上部に投入口部が開口するもの)とすることもできる。
【0048】
投入口部は例えば方形状に開口するもの、空き缶・空き瓶・空きペットボトル等用に1又は2箇所(若しくは3以上)の円孔(若しくは他の形状の孔)を開口するもの、雑誌等用に横長スリット状に開口するものとすることができるが、これらに限るものではない。
【0049】
投入口部は、収容空間構成部の内部空間の上端部に位置するものとすることができるが、例えば、前記内部空間の下端部よりも上方に位置し、前記内部空間のうち投入口部よりも下方の部分を収容空間とするものとすることもできる。
【0050】
収容空間は、投入口部を通じて、対象物を収容するものであり、例えば、取り出し可能な収容容器(例えば箱状又は袋状の収容容器)を収容空間構成部の内部空間に収容し、その収容容器に対象物が収容されるものとすることもできる。
【0051】
収容空間の収容対象物としては、一般の可燃ゴミ、プラスチックゴミ、空き缶若しくはその他の廃棄物又は各種物品(必ずしも固体に限らない。液状体等の流体若しくは流動体又はそれらを容器内に収容したものを対象とするか或いは対象に含めることもできる。)を例示することができる。
【0052】
(3) 収容空間構成部の前記開口部を開閉し得る投入口部形成体を有する場合は、例えば、その投入口部形成体により開口した開口部を通じて収容空間に収容された対象物を排出するものとすることができる。
【0053】
収容空間構成部に対し固定的に投入口部が設けられたものの場合、収容空間に収容された対象物を、例えば投入口部を通じて排出するものとすることができるほか、例えば別の開閉可能な排出部を設けてその排出部を開いて対象物を排出するものとすることもできる。
【0054】
(4) 回動開閉部は、回動により前記投入口部を開閉し得るものである。
【0055】
回動開閉部は、例えば板状とすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0056】
収容空間構成部の前記開口部を開閉し得る投入口部形成体に投入口部を有する場合は、回動開閉部を前記投入口部形成体に対し回動可能に設けることにより、その回動開閉部が投入口部を回動により開閉し得るものとすることができる。
【0057】
収容空間構成部に対し固定的に投入口部が設けられたものの場合は、回動開閉部を例えば収容空間構成部に対し回動可能に設けることにより、その回動開閉部が投入口部を回動により開閉し得るものとすることができる。
【0058】
回動開閉部は、回動中心としての所定の回動軸線のまわりに回動し得るものとすることができ、その回動軸線は、例えば、投入口部の正面に対し横方向水平の回動軸線とすることができる。
【0059】
(5) 回動開閉部は、投入口部を開いた開口状態を収容空間の外部において維持することができる。
【0060】
(5-1) 収容空間構成部の前記開口部を開閉し得る投入口部形成体に有する投入口部を開閉し得る回動開閉部については、前記投入口部形成体が前記開口部を閉じた状態において又は開いた状態及び閉じた状態の何れの状態においても、前記回動開閉部が投入口部を開いた開口状態を収容空間の外部において維持することができるものとすることができる。
【0061】
(5-2) 投入口部形成体に有する投入口部を開閉し得る回動開閉部について、回動開閉部が投入口部を開いた開口状態を、収容空間の外部において維持するには、例えば、投入口部を開いた開口状態の回動開閉部を、投入口部形成体に対し固定及び固定解除(又は[固定・]施錠及び解錠[・固定解除])し得るものとすること、投入口部形成体に対し永久磁石体の磁力により保持されるものとすること、或いは、重力により維持されるものとすることができる。
【0062】
収容空間構成部に対し固定的に設けられた投入口部を開閉し得る回動開閉部について、回動開閉部が投入口部を開いた開口状態を、収容空間の外部において維持するには、例えば、投入口部を開いた開口状態の回動開閉部を、収容空間構成部に対し固定又は(固定・)施錠し得るものとすること、収容空間構成部に対し永久磁石体の磁力により保持されるものとすること、或いは、重力により維持されるものとすることができる。
【0063】
(5-3) 回動開閉部が投入口部を開いた開口状態において、その投入口部に対し収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を開口状態で固定することができる開口固定部を有するものとすることができる。その場合、回動開閉部が開口状態で固定されている場合に開口固定部を操作することにより、固定を解除することもできる。
【0064】
回動開閉部が、開口固定部により、投入口部を開いた開口状態で固定されているならば、収容空間構成部の前記開口部を開閉し得る投入口部形成体を有し、回動開閉部がその投入口部形成体に有する投入口部を開閉し得るものであって、投入口部形成体が収容空間構成部の開口部を閉じた状態で収容空間構成部等に対し固定又は(固定・)施錠され、収容空間が閉鎖されている場合、或いは、回動開閉部が、収容空間構成部に対し固定的に設けられた投入口部を開閉し得るものであって、収容空間が、例えば投入口部以外に有する前記排出部等の開閉可能部が施錠される等することにより閉鎖されている場合、開口固定部を操作して回動開閉部の開口状態を解除し、その回動開閉部を回動させることは実質上不可能であるか又は容易ではない。
【0065】
投入口部に対し収容空間側というのは、投入口部形成体に有する投入口部については、投入口部形成体が収容空間構成部の開口部を閉じた場合に収容空間側となる側とすることができる。
【0066】
開口固定部は、例えば、投入口部形成体に有する投入口部を回動開閉部が開いた状態で、回動開閉部を投入口部形成体に対し固定及び固定解除(又は[固定・]施錠及び解錠[・固定解除])することができるもの、又は、収容空間構成部に対し固定的に設けられた投入口部を回動開閉部が開いた状態で、回動開閉部を収容空間構成部に対し固定及び固定解除(又は[固定・]施錠及び解錠[・固定解除])することができるものとすることができる。
【0067】
このような開口固定部としては、例えば、回動開閉部の一部と投入口部形成体又は収容空間構成部に設けた部分の係合により固定し得、係合解除により固定を解除することができ、係合及び係合解除を回動又は摺動等の適宜手段により切り換えることができるものを挙げることができる。その一例として、前記回動開閉部の一部が、回動開閉部の表側における回動開閉部の回動中心から離隔した位置に突起した表側突起部(例えば回動開閉部の表面部との間で閉じたループ状部分を形成する略U字状の表側突起部、又は、突起方向に対し垂直方向の係合口を有する表側突起部)であり、回動開閉部が投入口部を開いた開口状態において、前記表側突起部が投入口部形成体又は収容空間構成部の一部(例えば凹部又は孔部)に挿入された状態で開口固定部を操作することにより、開口固定部のうち投入口部形成体又は収容空間構成部に設けた部分が前記表側突起部に係合して回動開閉部を開口状態で固定し得、係合解除により固定を解除することができるものを挙げることができる。
【0068】
このような表側突起部は、回動開閉部が投入口部を閉じた閉口状態において、その表側突起部を把持して回動開閉部を回動させ、投入口部を開く上でも有用である。
【0069】
(6) 回動開閉部が投入口部を閉じた閉口状態において、その投入口部に対し収容空間側において固定操作を行うことによりその回動開閉部を閉口状態で固定することができる閉口固定部を有する。回動開閉部が閉口状態で固定されている場合に閉口固定部を操作することにより、固定を解除することもできる。
【0070】
回動開閉部が投入口部を閉じた閉口状態においては、投入口部から収容対象物及び非収容対象物(例えば、爆発物、可燃物、有害ガス・有害細菌等拡散用物等の各種危険物等)を投入することができない。
【0071】
投入口部に対し収容空間側というのは、前述のように、投入口部形成体に有する投入口部については、投入口部形成体が収容空間構成部の開口部を閉じた場合に収容空間側となる側とすることができる。
【0072】
閉口固定部は、例えば、投入口部形成体に有する投入口部を回動開閉部が閉じた状態で、回動開閉部を投入口部形成体に対し固定及び固定解除(又は[固定・]施錠及び解錠[・固定解除])することができるもの、又は、収容空間構成部に対し固定的に設けられた投入口部を回動開閉部が閉じた状態で、回動開閉部を収容空間構成部に対し固定及び固定解除(又は[固定・]施錠及び解錠[・固定解除])することができるものとすることができる。
【0073】
このような閉口固定部としては、例えば、回動開閉部の一部と投入口部形成体又は収容空間構成部に設けた部分の係合により固定し得、係合解除により固定を解除することができ、係合及び係合解除を回動又は摺動等の適宜手段により切り換えることができるものを挙げることができる。その一例として、前記回動開閉部の一部が、回動開閉部の裏側における回動開閉部の回動中心から離隔した位置に突起した裏側突起部(例えば回動開閉部の裏面部との間で閉じたループ状部分を形成する略U字状の裏側突起部、又は、突起方向に対し垂直方向の係合口を有する裏側突起部)であり、回動開閉部が投入口部を閉じた閉口状態において、前記裏側突起部が投入口部形成体又は収容空間構成部の一部(例えば凹部又は孔部)に挿入された状態で閉口固定部を操作することにより、閉口固定部のうち投入口部形成体又は収容空間構成部に設けた部分が前記表側突起部に係合することにより回動開閉部を閉口状態で固定し得、係合解除により固定を解除することができるものを挙げることができる。
【0074】
このような裏側突起部は、回動開閉部が投入口部を開いた開口状態において、その裏側突起部を把持して回動開閉部を回動させ、投入口部を閉じる上で有用である。
【0075】
(7) 閉口固定部により回動開閉部が閉口状態で固定され且つ収容空間が閉鎖された状態において、その閉口固定部により回動開閉部の閉口状態を解除することができない。
【0076】
収容空間構成部の前記開口部を開閉し得る投入口部形成体を有し、回動開閉部がその投入口部形成体に有する投入口部を開閉し得るものであって、投入口部形成体が収容空間構成部の開口部を閉じた状態で収容空間構成部等に対し固定又は[固定・]施錠され、収容空間が閉鎖されている場合、或いは、回動開閉部が、収容空間構成部に対し固定的に設けられた投入口部を開閉し得るものであって、収容空間が、例えば投入口部以外に有する前記排出部等の開閉可能部が施錠される等することにより閉鎖されている場合、閉口固定部を操作して回動開閉部の閉口状態を解除し、その回動開閉部を回動させて投入口部を開くことは実質上不可能である。
【0077】
(8) 回動開閉部は、投入口部を閉じた状態において表側部が外部に表れるものとすることができる。この場合、回動開閉部の表側部には、例えば、投入不可であること、"警戒中"・"テロ対策実施中"のような状況、協力のお願い等を表わす文字・図形・記号等の閉口状態用の表記内容が記載され、外部に表示されるものとすることができる。
【0078】
また回動開閉部は、投入口部を開いた状態において裏側部が外部に表れるものとすることができる。この場合、回動開閉部の裏側部には、例えば、"収容対象物の種類"や"投入可能であること"等を表わす文字・図形・記号等の開口状態用の表記内容が記載され、外部に表示されるものとすることができる。
【0079】
更に、回動開閉部は、投入口部を開いた状態において、所定箇所(例えば収容空間構成部の所定箇所、或いは、投入口部形成体を有する場合は投入口部形成体及び収容空間構成部の一方又は両方の所定箇所)の閉口状態用の表記内容等を隠蔽し、回動開閉部が投入口部を閉じた状態において、前記所定箇所の隠蔽が解除され、その所定箇所に記載された、例えば、投入不可であること、"警戒中"・"テロ対策実施中"のような状況、協力のお願い等を表わす文字・図形・記号等の閉口状態用の表記内容等が外部に表れるものとすることができる。
【符号の説明】
【0080】
A 収容体
B 収容箱
B1 開口部
B2 透明板部
B3 装着部
C 投入口部形成体
C1 掛止穴部
C2 投入口部
C3 端部貫通孔
C4 基部貫通孔
D 施錠装置
D1 掛止部
E 回動開閉部
E1 表側突起部
E2 裏側突起部
F 閉口固定部
F1 閉口摘み
F2 閉口係合部
G 開口固定部
G1 開口摘み
G2 開口係合部
P 開口状態用表記内容
S 閉口状態用表記内容
図1
図2
図3
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図5
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図8