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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/04 20060101AFI20230123BHJP
   G11C 16/30 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
G11C7/04
G11C16/30 120
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018238706
(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2020102283
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】寺田 有里
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 規泰
(72)【発明者】
【氏名】梶山 泰史
(72)【発明者】
【氏名】菅原 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】吉原 正浩
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0076776(US,A1)
【文献】特開2018-147543(JP,A)
【文献】特開2018-156708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/04
G11C 16/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット線及びワード線を含むメモリセルアレイと、
前記ワード線を駆動するロウデコーダと、
前記メモリセルアレイからビット線に読み出されたデータをセンスするセンス回路と、
前記ロウデコーダと前記センス回路に供給される電圧を生成する電圧生成回路と、
第1周期の第1クロックを生成する第1クロック生成部を有し、前記メモリセルアレイへのアクセス動作を指示するアクセス動作コマンド に応じて前記メモリセルアレイへのアクセス動作を実行し、前記アクセス動作コマンドの受け付けに対応してレディ状態からビジー状態へ遷移したことを示すビジー信号を出力する、制御回路と、
前記第1周期の第2クロックを生成する第2クロック生成部、前記第1周期よりも長周期である第2周期の第3クロックを生成する第3クロック生成部、前記メモリセルアレイの絶対温度に応じた絶対温度信号を生成するバンドギャップリファレンス回路温度情報を保持する保持部、前記第3クロックと前記ビジー信号との論理和に基づいてイネーブル信号を送信するイネーブル信号送信回路、および、前記第2クロック生成部から出力される前記第2クロックに基づいて、前記保持部に保持されている前記温度情報を、前記絶対温度信号で更新する更新回路する温度センサと、を備え、
前記第2クロック生成部は、前記イネーブル信号送信回路から送信される前記イネーブル信号を受信すると前記第2クロックの生成を開始し、前記更新回路に保持されている前記温度情報の更新が完了すると前記第2クロックの生成を終了し、
前記電圧生成回路は、前記メモリセルアレイへの前記アクセス動作を実行する際、前記ビジー状態に入る直前に既に前記保持部に保持されている前記温度情報に基づいて、前記メモリセルアレイに印加する電圧を生成する、半導体記憶装置。
【請求項2】
コマンドを格納し、前記制御回路に出力可能なレジスタをさらに備え、
前記温度センサの前記イネーブル信号送信回路は、前記温度情報の取得を指示する温度情報取得コマンドと前記第3クロックと前記ビジー信号との論理和に基づいて前記イネーブル信号を送信する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記温度センサの前記更新回路は、前記第3クロックに応じて前記温度情報の更新を開始した場合、前記温度情報の更新中に前記温度情報取得コマンドを受け取った場合でも、前記温度情報の更新を継続し、
前記温度センサの前記更新回路は、前記温度情報取得コマンドを受け取ったことに応じて前記温度情報の更新を開始した場合、前記温度情報の更新中に前記第3クロックを受け取った場合でも、前記温度情報の更新を継続する、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第3クロック生成部は、前記温度情報取得コマンドを受け取ったことに応じて、リセットされる、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記温度センサの前記更新回路は、前記第3クロックに応じて前記温度情報の更新を開始した場合、前記温度情報の更新中に前記制御回路から前記ビジー信号を受け取った場合でも、前記温度情報の更新を継続し、
前記温度センサの前記更新回路は、前記制御回路から前記ビジー信号を受け取ったことに応じて前記温度情報の更新を開始した場合、前記温度情報の更新中に前記第3クロックを受け取った場合でも、前記温度情報の更新を継続する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第3クロック生成部は、前記制御回路から前記ビジー信号を受け取ったことに応じてリセットされる、請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第3クロック生成部は、
ベース発振器と、
複数のフリップフロップを有するカウンタとをさらに備える、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置において、読出し動作の高速化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-156718号公報
【文献】特開2017-084432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
読出し動作を高速化することができる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体記憶装置は、メモリセルアレイを備える。温度センサは、メモリセルアレイの温度に応じた第1温度信号を生成する温度センサである。温度センサは、メモリセルアレイの待機期間中に定期的に生成される第1コマンドに基づいて第1温度信号を生成する。第1保持部は、第1温度信号を保持し、待機期間中に第1コマンドが生成されるごとに第1温度信号を更新する。電圧生成回路は、第1保持部に保持された第1温度信号に基づいて、メモリセルアレイに印加する電圧を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。
図2】温度センサの構成の一例を示すブロック図。
図3】温度コードを説明するための概念図。
図4】温度センサの発振器の構成の一例を示すブロック図。
図5】制御回路の構成の一例を示すブロック図。
図6】温度センサの動作の一例を示すタイミング図。
図7】参照例および第1実施形態による温度コードの更新を示すタイミング図。
図8】第2実施形態による温度センサの内部構成の一例を示すブロック図。
図9】第2実施形態による温度センサの読み出し動作を示すタイミング図。
図10】第3実施形態による温度センサの内部構成の一例を示すブロック図。
図11】第3実施形態による温度センサの読み出し動作を示すタイミング図。
図12】変形例による温度センサの読み出し動作を示すタイミング図。
図13】レディ状態におけるクロック信号とビジー状態を示す信号とが重複した場合のタイミング図。
図14】本実施形態によるメモリパッケージの内部構成の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。メモリシステム1は、NAND型フラッシュメモリ(半導体記憶装置)100及びメモリコントローラ200を備えている。NAND型フラッシュメモリ100(以下、メモリ100ともいう)及びメモリコントローラ200(以下、コントローラ200ともいう)は、例えばそれらの組み合わせにより一つの半導体装置を構成しても良く、その例としてはSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。メモリシステム1は、ホストデバイス(不図示)を更に備える構成であっても良い。
【0009】
コントローラ200は、メモリ100の動作に必要なコマンドなどをメモリ100に出力する。コントローラ200は、当該コマンドをメモリ100に出力することでメモリ100からのデータの読み出し、メモリ100へのデータの書込み、またはメモリ100のデータの消去等を行う。
【0010】
コントローラ200とメモリ100とは、入出力インターフェース101及び制御信号入力インターフェース102を介して接続される。
【0011】
入出力インターフェース101は、入出力制御回路103から供給される信号に応じてデータストローブ信号DQS、BDQS(DQSの相補信号)を生成する。入出力インターフェース101は、データ入出力線(DQ0~DQ7)からデータを出力する際に、データストローブ信号DQS及びBDQSを出力する。そして、メモリコントローラ200は、データストローブ信号DQS及びBDQSのタイミングに合わせて、データ入出力線(DQ0~DQ7)からデータを受信する。また、入出力インターフェース101は、例えばコマンド入力端子、及びアドレス入力端子等を備えている。
【0012】
制御信号入力インターフェース102は、メモリコントローラ200からチップイネーブル信号BCE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号BWE、リードイネーブル信号RE、BRE(REの相補信号)、ライトプロテクト信号BWP、データストローブ信号DQS、BDQS(DQSの相補信号)を受信する。
【0013】
チップイネーブル信号BCEは、メモリ100の選択信号として用いられる。 コマンドラッチイネーブル信号CLEは、動作コマンドをレジスタ104に取り込む際に使用する信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、アドレス情報もしくは入力データを、レジスタ104に取り込む際に使用する信号である。ライトイネーブル信号BWEは、入出力インターフェース101上のコマンド、アドレス、およびデータをメモリ100に取り込むための信号である。リードイネーブル信号RE、BREは、データを入出力インターフェース101からシリアルに出力させる際に使用する信号である。ライトプロテクト信号BWPは、メモリ100の電源投入時、もしくは電源遮断時などの入力信号が不確定な場合に、予期できない消去や書き込みからデータを保護するために使用する。
【0014】
図1では図示しないが、NAND型フラッシュメモリ100の内部動作状態を示すR/B端子、電力供給用のVcc/Vss/Vccq/Vssq端子等もNAND型フラッシュメモリ100に設けられる。
【0015】
入出力制御回路103は、入出力インターフェース101を介してメモリセルアレイ110から読み出したデータをメモリコントローラ200に出力する。入出力制御回路103は、制御信号入力インターフェース102、及び制御回路105を介して、書き込み、読み出し、消去、及びステータス・リード等の各種コマンド、アドレス、及び書き込みデータを受信する。
【0016】
制御回路105は、制御信号入力インターフェース102を介して入力される制御信号を入出力制御回路103に供給する。制御回路105は、温度センサ106、電圧生成回路107、センス回路111、データレジスタ112、カラムデコーダ113、ロウデコーダ114、及びレジスタ104を制御する。
【0017】
制御回路105は、制御信号、及びコマンドレジスタ104を介して入力されるコマンドに応じて動作する。制御回路105は、データのプログラム、ベリファイ、読み出し、消去時に、電圧生成回路107を用いて、メモリセルアレイ110、センス回路111、及びロウデコーダ114に所望の電圧を供給する。
【0018】
制御回路105は、第1クロック生成部としての発振器OSC1を有し、メモリセルアレイ110を動作させるために用いられるクロック(第1クロック)を生成する。発振器OSC1は、例えば、制御信号入力インターフェース102を介してチップイネーブル信号BCEを受け取ったときに起動し、クロックの生成を開始する。発振器OSC1からのクロックに基づいて、電圧生成回路107はメモリセルアレイ110に電圧を印加し、データのプログラム、ベリファイ、読み出し、消去等が実行可能となる。即ち、発振器OSC1は、メモリ100が選択されていない待機状態(レディ状態)においてはクロックを生成しない。一方、発振器OSC1は、メモリ100が選択されて起動状態(ビジー状態)になったときにクロックの生成を開始する。
【0019】
なお、本実施形態では、入出力制御回路103、及び制御回路105を、それぞれ機能別に説明した。しかしながら、入出力制御回路103、及び制御回路105は同じハードウェア資源によって実現されても良い。
【0020】
レジスタ104は、入出力制御回路103から入力されるコマンドを制御回路105に出力する。レジスタ104は、例えばメモリコントローラ200から供給されたアドレスをラッチする。そして、レジスタ104は、ラッチしたアドレスを内部物理アドレス(カラムアドレス及びロウアドレス)へ変換する。そしてレジスタ104は、カラムアドレスをカラムデコーダ113に供給し、且つロウアドレスをロウデコーダ114に供給する。
【0021】
レジスタ104は、メモリ100内部の種々の状態を外部に知らせるためのものである。レジスタ104は、メモリ100がレディ/ビジー状態のいずれにあるかを示すデータを保持するレディ/ビジーレジスタ、書き込みのパス/フェイルを示すデータを保持する書き込みステータスレジスタ(不図示)を有する。
【0022】
温度センサ106は、制御回路105の命令に基づいてメモリ100の温度を測定し、メモリ100の温度に応じた温度コードを生成する。そして、温度センサ106は、温度コードに基づいた電圧生成信号TOUTを電圧生成回路107に供給する。電圧生成回路107は、電圧生成信号TOUTに基づいて、各種電圧を生成する。本実施形態において、温度センサ106は、メモリセルアレイ110への書込み動作、メモリセルアレイ110からの読み出し動作、メモリセルアレイ110の消去動作等のアクセス動作に関わらず、温度コードを生成する。即ち、温度センサ106は、メモリセルアレイ110へのアクセス期間中(ビジー状態)であっても、メモリセルアレイ110へアクセスしていない待機期間中(レディ状態)であっても、メモリセルアレイ110の温度に応じた温度コード(温度信号ともいう)を定期的に生成する。尚、温度センサ106の詳細な説明については後述する。
【0023】
メモリセルアレイ110は、複数のビット線BLと、複数のワード線WLと、ソース線SLとを含む。メモリセルアレイ110は、電気的に書き換えが可能なメモリセルトランジスタ(単にメモリセルともいう)MCがマトリクス状に配置された複数のブロックBLKで構成されている。メモリセルMCは、例えば、制御ゲート電極及び電荷蓄積層(例えば浮遊ゲート電極)を含む積層ゲートを有し、浮遊ゲート電極に注入された電荷量により定まるトランジスタの閾値の変化によって二値、あるいは多値データを記憶する。即ち、メモリセルMCは、SLC(Single Level Cell)またはMLC(Multi-Level Cell)であってもよい。また、メモリセルMCは、窒化膜に電子をトラップするMONOS(Metal - Oxide - Nitride - Oxide - Silicon)構造を有するものであっても良い。
【0024】
メモリセルアレイ110の構成についてはその他の構成であっても良い。すなわちメモリセルアレイ110の構成については、例えば、“THREE DIMENSIONAL STACKED NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY”という2009年3月19日に出願された米国特許出願12/407,403号に記載されている。また、“THREE DIMENSIONAL STACKED NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY”という2009年3月18日に出願された米国特許出願12/406,524号、“NVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME”という2010年3月25日に出願された米国特許出願12/679,991号、“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE”という2011年9月22日に出願された米国特許出願13/816,799号、“SEMICONDUCTOR MEMORY AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME”という2009年3月23日に出願された米国特許出願12/532,030号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
【0025】
また、メモリセルアレイ110の構成については、例えば、“SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE HAVING PLURALITY OF TYPES OF MEMORIES INTEGRATED ON ONE CHIP”という2009年3月3日に出願された米国特許出願12/397,711号に記載されている。また、“SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE INCLUDING STACKD GATE HAVING CHARGE ACCUMULATIONLAYER AND CONTROL GATE AND METHOD OF WRITING DATA TO SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE”という2012年4月19日に出願された米国特許出願13/451,185号、“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY ELEMENT, NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY, AND METHOD FOR OPERATING NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY ELEMENT”という2009年3月17日に出願された米国特許出願12/405,626号、及び“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE HAVING ELEMENT ISOLATING REGION OF TRENCH TYPE AND METHODOF MANUFACTURING THE SAME”という2001年9月21日に出願された米国特許出願09/956,986号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
【0026】
センス回路111は、データの読み出し動作時には、メモリセルMCからビット線に読み出されたデータをセンスする。
【0027】
データレジスタ112は、SRAM等で構成される。データレジスタ112は、メモリコントローラ200から供給されたデータや、センス回路111によって検知されたベリファイ結果等を記憶する。
【0028】
カラムデコーダ113は、カラムアドレス信号をデコードし、ビット線BLの何れかを選択する選択信号をセンス回路111に出力する。
【0029】
ロウデコーダ114は、ロウアドレス信号をデコードする。そして、ロウデコーダ114は、メモリセルアレイ110のワード線WL及び選択ゲート線SGD、SGSを選択して駆動する。
【0030】
図2は、温度センサ106の構成の一例を示すブロック図である。温度センサ106は、バンドギャップリファレンス回路106a、逐次比較レジスタ(SAR(Successive Approximation Register))106b、ディジタルアナログ変換回路(DAC)106c、抵抗素子106d、106e、106f、電圧比較回路106g、106h、106i、AND演算回路106j、シーケンサ106k、演算回路106l、発振器OSC2、OSC3、および制御回路106mを備えている。
【0031】
バンドギャップリファレンス回路(以下、BGR回路ともいう)106aは、例えばダイオード等を備えた回路である。BGR回路106aは、制御回路105から“H(High)”レベルのイネーブル信号ENを受信すると、参照電圧VREFと、メモリ100の絶対温度に比例する電圧VPTAT_Hを生成する。参照電圧VREFは、温度に比例しない電圧である。
【0032】
温度センサ106は、図1の制御回路105内の発振器OSC1とは別に、第2クロック生成部としての発振器OSC2と、第3クロック生成部としての発振器OSC3とを備えている。発振器OSC2は、温度に基づく電圧コードを生成するために、第2クロック信号CLK2を生成する。発振器OSC2は、発振器OSC1と同じ構成でよく、発振器OSC1からのクロック信号CLK1と同一周期のクロック信号CLK2を生成可能である。発振器OSC2は、発振器OSC3からのイネーブル信号ENを受けて起動し、第2クロック信号CLK2の生成を開始する。発振器OSC3は、温度センサ106全体を駆動させる第1コマンドとしてのイネーブル信号ENを生成するために用いられている。発振器OSC3からのイネーブル信号ENは、発振器OSC1およびOSC2からのクロック信号CLK1、CLK2よりも長周期のクロック信号である。例えば、クロック信号CLK1、CLK2が、数十ns周期のクロック信号であるのに対し、発振器OSC3からのイネーブル信号ENは、数ms周期のクロック信号である。すなわち、発振器OSC3からのイネーブル信号ENの周期はクロック信号CLK1、CLK2の周期の百~千倍程度である。発振器OSC3の構成は、後で詳細に説明する。尚、イネーブル信号ENは、発振器OSC3だけでなく、メモリ100がビジー状態になったときに図1の制御回路105からも発せられる場合がある。
【0033】
逐次比較レジスタ106bは、制御回路105制御回路105または発振器OSC3から“H”レベルのイネーブル信号ENを受信すると動作を開始する。更に逐次比較レジスタ106bは、発振器OSC2から受信するクロック信号CLK2のタイミング(例えば立ち上がりエッジ)に合わせて動作する。逐次比較レジスタ106bは、制御回路105または発振器OSC3からイネーブル信号ENを受信すると、記憶しているディジタル値の温度コードTC(温度信号)をディジタルアナログ変換回路106cに供給する。逐次比較レジスタ106bは、シーケンサ106kからリセット信号RESETを受信すると、最新の温度コードを確定するための温度コードの更新動作(サンプリング動作ともいう)を行う。逐次比較レジスタ106bは、シーケンサ106kから完了通知信号DONEを受信、またはサンプリング動作が完了すると、記憶されている温度コードTCを演算回路106lに供給する。逐次比較レジスタ106bは、基本的には最新の温度コードTCを記憶している。
【0034】
ここで、発振器OSC2、OSC3は発振器OSC1とは別に設けられているので、温度センサ106は、制御回路105の動作とは別に動作することができる。従って、温度センサ106は、メモリセルアレイ110がレディ状態であっても、OSC3が定期的に(例えば、数msごとに)生成するイネーブル信号ENに基づいて温度コードを生成することができる。このとき、温度センサ106は、発振器OSC2からのクロック信号CLK2に従ってメモリ100の温度をサンプリングし、温度コードを生成する。
【0035】
温度センサ106からの電圧生成信号TOUTは、メモリセルアレイ110またはその周辺の温度を表すデジタルデータである。従って、電圧生成回路107は、メモリセルアレイ110に印加される各種電圧を、メモリセルアレイ110の温度に応じて変更することができる。例えば、メモリセルMCの閾値電圧は温度によって変動する。このため、データ読出し動作において、電圧生成回路107は、メモリセルMCの閾値電圧の温度特性に合わせて、ワード線に印加する電圧を生成する。これにより、メモリセルアレイ110の温度が変化しても、センス回路111は、メモリセルMCに格納されたデータを正確に読み出すことができる。
【0036】
ディジタルアナログ変換回路106cは、温度コードTCを、電圧に変換する。具体的には、ディジタルアナログ変換回路106cは、参照電圧VREF及び温度コードTCに基づいて、第2参照電圧VREFTを生成する。第2参照電圧VREFTは温度コードTCに比例する電圧である。
【0037】
電圧比較回路106gは、非反転端子には、ノードN1を介して電圧VPTAT_Hが供給され、反転端子には、ノードN4を介して電圧VREFTが供給される。電圧比較回路106gは、電圧VPTAT_Hが電圧VREFTよりも高い場合は“H”レベルの信号VC1を出力する。電圧比較回路106gは、電圧VPTAT_Hが電圧VREFTよりも低い場合は“L(Low)”レベル(L<H)の信号VC1を出力する。
【0038】
抵抗素子106dは、一端にノードN1が接続され、他端にノードN2が接続される。抵抗素子106dの抵抗値等については後述する。
【0039】
電圧比較回路106iは、非反転端子には、ノードN2を介して電圧VPTAT_M(VPTAT_M<VPTAT_H)が供給され、反転端子には、ノードN4を介して電圧VREFTが供給される。電圧比較回路106iは、電圧VPTAT_Mが電圧VREFTよりも高い場合は“H”レベルの信号VC3を出力する。電圧比較回路106iは、電圧VPTAT_Mが電圧VREFTよりも低い場合は“L”レベルの信号VC3を出力する。
【0040】
抵抗素子106eは、一端にノードN2が接続され、他端にノードN3が接続される。抵抗素子106eの抵抗値等については後述する。
【0041】
電圧比較回路106hは、非反転端子には、ノードN3を介して電圧VPTAT_L(VPTAT_L<VPTAT_M)が供給され、反転端子には、ノードN4を介して電圧VREFTが供給される。電圧比較回路106hは、電圧VPTAT_Lが電圧VREFTよりも高い場合は“H”レベルの信号VC2を出力する。電圧比較回路106hは、電圧VPTAT_Lが電圧VREFTよりも低い場合は“L”レベルの信号VC2を出力する。
【0042】
抵抗素子106fは、一端にノードN3が接続され、他端に接地電位VSSが接続される。
【0043】
AND演算回路106jは、非反転端子に信号VC1が入力され、反転端子に信号VC2が入力される。AND演算回路106jは、信号VC1が“H”レベル、且つ信号VC2が“L”レベルの場合のみに“H”レベルの信号VALを出力し、それ以外の場合は、“L”レベルの信号VALを出力する。
【0044】
シーケンサ106kは、制御回路105または発振器OSC3から“H”レベルのイネーブル信号ENを受信すると動作する。更にシーケンサ106kは、発振器OSC2から受信するクロック信号CLK2のタイミング(例えば立ち上がりエッジ)に合わせて動作する。シーケンサ106kは、“H”レベルの信号VALを受信すると、完了通知信号DONEを制御回路105に供給する。シーケンサ106kは、“L”レベルの信号VALを受信すると、リセット信号RESETを逐次比較レジスタ106bに供給する。
【0045】
演算回路106lは、逐次比較レジスタ106bから供給される温度コードTCと、電圧コードVR、及び温度係数Tcoに基づいて、電圧生成信号TOUTを生成する。演算回路106lは、「電圧生成信号TOUT=電圧コードVR+温度係数Tco*温度コードTC」という式を用いて電圧生成信号TOUTを導出する。
【0046】
図3は、温度コードTCを説明するための概念図である。温度センサ106は、メモリ100の温度をnビット(nは任意の整数)のデジタルデータに変換している。このデジタルデータが、温度コードである。温度センサ106は、例えば、SAR方式を用いて温度をデジタルデータへ変換する。ここでは、一例として、温度コードが5ビットのデジタルデータである場合について説明する。
【0047】
温度コードが5ビットのデジタルデータである場合、図3に示すように、温度を32分割して判定することが可能である。
【0048】
第1ビット(1stビット)は、温度TMP16の大小を判定するビットである。例えば、メモリ100の温度が温度TMP16よりも低い場合は、“1”となる。また、メモリ100の温度が温度TMP16よりも高い場合は、“0”となる。
【0049】
第2ビット(2ndビット)は、温度TMP8、または温度TMP24の大小を判定するビットである。例えば、メモリ100の温度が温度TMP8、または温度TMP24よりも低い場合は、“1”となる。また、メモリ100の温度が温度TMP8、または温度TMP24よりも高い場合は、“0”となる。
【0050】
第3ビット(3rdビット)は、温度TMP4、温度TMP12、温度TMP20、及び温度TMP28の中から選択された1つの温度の大小を判定するビットである。例えば、メモリ100の温度が、温度TMP4、温度TMP12、温度TMP20、及び温度TMP28の中から選択された1つの温度よりも低い場合は、“1”となる。また、メモリ100の温度が温度TMP4、温度TMP12、温度TMP20、及び温度TMP28の中から選択された1つの温度よりも高い場合は、“0”となる。
【0051】
第4ビット(4thビット)は、温度TMP2、温度TMP6、温度TMP10、温度TMP14、温度TMP18、温度TMP22、温度TMP26、及び温度TMP30の中から選択された1つの温度の大小を判定するビットである。例えば、メモリ100の温度が温度TMP2、温度TMP6、温度TMP10、温度TMP14、温度TMP18、温度TMP22、温度TMP26、及び温度TMP30の中から選択された1つの温度よりも低い場合は、“1”となる。また、メモリ100の温度が温度TMP2、温度TMP6、温度TMP10、温度TMP14、温度TMP18、温度TMP22、温度TMP26、及び温度TMP30の中から選択された1つの温度よりも高い場合は、“0”となる。
【0052】
第5ビット(5thビット)は、温度TMP1、温度TMP3、温度TMP5、温度TMP7、温度TMP9、温度TMP11、温度TMP13、温度TMP15、温度TMP17、温度TMP19、温度TMP21、温度TMP23、温度TMP25、温度TMP27、温度TMP29、及び温度TMP31の中から選択された1つの温度の大小を判定するビットである。例えば、メモリ100の温度が温度TMP1、温度TMP3、温度TMP5、温度TMP7、温度TMP9、温度TMP11、温度TMP13、温度TMP15、温度TMP17、温度TMP19、温度TMP21、温度TMP23、温度TMP25、温度TMP27、温度TMP29、及び温度TMP31の中から選択された1つの温度よりも低い場合は、“1”となる。また、メモリ100の温度が温度TMP1、温度TMP3、温度TMP5、温度TMP7、温度TMP9、温度TMP11、温度TMP13、温度TMP15、温度TMP17、温度TMP19、温度TMP21、温度TMP23、温度TMP25、温度TMP27、温度TMP29、及び温度TMP31の中から選択された1つの温度よりも高い場合は、“0”となる。
【0053】
なお、メモリ100の温度に比例して電圧が変動する。そこで、温度センサ106は、温度によって変動する電圧に基づいて、温度を判定する。
【0054】
図3を用いて、メモリ100の温度が温度TMPAである時のサンプリング動作方法について概略的に説明する。サンプリング動作時において、逐次比較レジスタ106bは、ディジタルアナログ変換回路106cに、温度TMP16に基づく電圧を生成させる。そして、図3に示すように、温度TMPAは、温度TMP16よりも低い。そのため、逐次比較レジスタ106bに“H”レベルの信号VC3が供給される。これにより、逐次比較レジスタ106bは、第1ビットを“1”と判定する。逐次比較レジスタ106bは、第1ビットを“1”と判定したので、温度TMPAと、温度TMP8との大小を比較する。温度TMPAは、温度TMP8よりも低い。そのため、逐次比較レジスタ106bは、第2ビットを“1”と判定する。逐次比較レジスタ106bは、第1ビット及び第2ビットを“1”と判定したので、温度TMPAと、温度TMP4との大小を比較する。温度TMPAは、温度TMP4よりも低い。そのため、逐次比較レジスタ106bは、第3ビットを“1”と判定する。逐次比較レジスタ106bは、第1ビット~第3ビットを“1”と判定したので、温度TMPAと、温度TMP2との大小を比較する。温度TMPAは、温度TMP2よりも高い。そのため、逐次比較レジスタ106bは、第4ビットを“0”と判定する。逐次比較レジスタ106bは、第1ビット~第3ビットを“1”、第4ビットを“0”と判定したので、温度TMPAと、温度TMP3との大小を比較する。温度TMPAは、温度TMP3よりも高い。そのため、逐次比較レジスタ106bは、第5ビットを“0”と判定する。以上のようにして、逐次比較レジスタ106bは、温度TMPAは、温度TMP3と温度TMP4との間であることを判定し、その判定結果として、「11100」というディジタルコードを温度コードとして得ることができる。メモリ100の温度が温度TMPBである時のサンプリング動作方法については省略する。なお、温度TMP1~TMP31はそれぞれ等間隔(dTMP)に設定されている。
【0055】
以上のように、温度センサ106は、メモリ100の温度を計測し、温度に合わせた電圧を生成するように、電圧生成回路107を制御する。電圧生成回路107は、温度センサ106からの電圧生成信号TOUTに基づいて、メモリセルアレイ110に印加する各種電圧を生成する。例えば、データ読出し動作において、電圧生成回路107は、ワード線電圧を電圧生成信号TOUTに応じた電圧とする。これにより、メモリセルアレイ110の温度が変化しても、センス回路111は、メモリセルMCに格納されたデータを正確に読み出すことができる。
【0056】
しかし、温度コードTCの取得時間は、メモリ100の動作の高速化のために短縮することが求められている。例えば、ストレージやキャッシュメモリに用いられる低レイテンシNAND型フラッシュメモリにおいては、従来のNAND型フラッシュメモリにおける温度精度を維持したまま、温度コードの取得時間を短縮することが求められている。温度コードTCの取得時間は、従来から継続的に短縮されてはいるものの、数μsかかる。即ち、図2の逐次比較レジスタ(SAR)106bに保持されている温度コードTCを更新するためには、数μsの時間を要する。
【0057】
ここで、もし、温度コードの更新を発振器OSC1からのクロックのみに従って生成した場合、温度コードは、メモリがビジー状態に入ってから更新されることになる。発振器OSC1は、メモリが選択されてビジー状態になった後にクロックの生成を開始するからである。この場合、読出し動作において、逐次比較レジスタ106bの温度コードが更新されるまで、電圧生成回路107はワード線電圧を決定することができないことになる。即ち、逐次比較レジスタ106bの温度コードが取得されるまで、メモリは、データの読出しを実行できない。例えば、温度コードTCの取得時間が数μsである場合、メモリがリードイネーブル信号REを受けビジー状態になってから数μs後でなければ、ワード線に電圧を印加することができず、センス回路111はデータを検出することができない。
【0058】
これに対し、本実施形態によるメモリ100は、発振器OSC1とは別に設けられた発振器OSC2、OSC3を備えている。発振器OSC2は、温度センサ106を動作せるために、温度センサ106内に設けられている。発振器OSC2の構成は、発振器OSC1と同じ構成でよい。発振器OSC3は、発振器OSC2が発振器OSC1とは別に設けられていることによって、温度センサ106は、メモリ100がレディ状態中であっても、定期的に生成されるイネーブル信号ENに基づいて温度コードを生成することができる。
【0059】
図4は、温度センサ106の発振器OSC3の構成の一例を示すブロック図である。尚、発振器OSC2の構成は、図1の発振器OSC1の構成と同様であり、その説明は省略する。
【0060】
発振器OSC3は、ベース発振器120と、リフレッシュカウンタ121と、演算回路123とを備えている。ベース発振器120は、イネーブル信号ENの周期よりも小さな任意の周期を有するベースクロック信号CLKbを生成する。リフレッシュカウンタ121は、複数のフリップフロップFF0~FFn(nは1以上の整数)を備えており、ベースクロック信号CLKbを分周する。フリップフロップFF0は、ベースクロック信号CLKbの2倍周期(分周比2)のクロックを出力し、FF1は、ベースクロック信号CLKbの4倍周期(分周比4)のクロックを出力する。このように、フリップフロップFFk(0≦k≦n)は、ベースクロック信号CLKbの2(k+1)倍周期(分周比2(k+1))のクロックを出力する。即ち、フリップフロップFF0~FFnの出力TM[0]~TM[n]は、ベースクロック信号CLKbの2倍周期~2(n)倍周期のクロックとなる。
【0061】
演算回路123は、フリップフロップFFkの出力TM[k](出力TM[0]~TM[n]のいずれか)と、SET_FEATURE信号とを入力し、それらの論理積を出力する。SET_FEATURE信号は、メモリ100がコマンドを受け取る準備ができたことを示す信号であり、電源投入後、立ち上がり、電源が切断されるまでその立ち上がった状態を維持する。ベース発振器120は、電源投入によって起動し、ベースクロック信号CLKbを継続して出力する。ベース発振器120は、メモリ100の電源を切断するまでベースクロック信号CLKbを出力し続ける。従って、演算回路123は、SET_FEATURE信号が立ち上がった後、メモリ100の電源が切断されない限りにおいて、出力TM[k]を出力し続ける。
【0062】
出力TM[k]は、イネーブル信号ENの立ち上がり周期(即ち、温度センサ106の駆動周期)に応じて任意に設定される。後述のように、メモリセルアレイ110の温度変化は、メモリセルアレイ110を構成する材質またその使用する環境の保証温度範囲にもよるものの、最短でも数10ms/1℃~数100ms/1℃程度である。すなわち、メモリセルアレイ110の温度が1℃変化したときに温度コードが更新されることを保証するためには、少なくとも数10msごとに温度コードを更新すればよい。従って、例えば、イネーブル信号ENの立ち上がり周期を約5msにする場合、5msに近い周期を有する出力TM[k]が選択され、論理回路123に入力される。出力TM[k]は、例えば、メモリコントローラ200からNAND型フラッシュメモリ100へ特性を設定するためのコマンドセットを送信することで、選択することができる。このようにして、発振器OSC3は、任意の周期のイネーブル信号ENを出力することができる。
【0063】
図5は、制御回路106mの構成の一例を示すブロック図である。尚、発振器OSC2、OSC3を制御する論理回路は、EN制御回路_cおよびEN制御回路_dとして示されている。EN制御回路_cおよびEN制御回路_dは、温度センサ106においてそれぞれ個別のタイミングで駆動するため、図1の入出力制御回路103から個別の信号を受け取る。また、入出力制御回路103に信号を戻す場合には、その信号を入出力制御回路103と同期させる必要があるため、同期回路_aが入出力制御回路103に信号を戻す役目を担う。EN制御回路_cおよびEN制御回路_dは、フリップフロップの多段接続で主に構成される。ステートマシンでは、OSC2、OSC3がレディかビジーかの論理制御部になっている。また、ビジー直後にOSC3を駆動させないための長周期カウントのリセット回路_eも制御回路106mに設けられる。
【0064】
図6は、温度センサ106の動作の一例を示すタイミング図である。
【0065】
まず、t1において、電源VDDが投入される。
【0066】
次に、t2において、SET_FEATURE信号が立ち上がる。これにより、メモリ100全体がコマンドを受け付け可能になる。但し、メモリ100は、まだコマンドを受け付けていない待機状態(レディ状態)である。メモリ100は、メモリコントローラ200からコマンドを受け取ると、ビジー状態となるが、図6ではレディ状態の期間のみを示しており、ビジー状態については示していない。
【0067】
次に、t3において、発振器OSC3が起動し、イネーブル信号ENの出力を開始する。イネーブル信号ENは、例えば、数msの周期で立ち上がる。
【0068】
t3において、イネーブル信号ENが立ち上がると、t4において、温度センサ106が起動し、発振器OSC2もクロック信号CLK2の出力を開始する。クロック信号CLK2は、シーケンサ106kおよび逐次比較レジスタ106bを動作させて、そのときのメモリセルアレイ110の温度に応じた温度コードを取得する。
【0069】
また、イネーブル信号ENが立ち上がると、t4においてTMPS_RDY信号が立ち下がる。TMPS_RDY信号は、温度センサ106のビジー状態を示す信号である。TMPS_RDY信号がロウの場合、温度センサ106がビジー状態であることを示し、メモリセルアレイ110の温度を検出し、温度コードを生成している最中であることを示す。TMPS_RDY信号がハイの場合、温度センサ106はレディ状態であることを示し、イネーブル信号EN等を受信可能(待機状態)になっている。
【0070】
t4~t5において、温度センサ106はビジー状態であり、シーケンサ106kおよび逐次比較レジスタ106bが温度コードを生成する。
【0071】
t5において、温度コードが生成されると、TMPS_RDY信号が立ち上がり、逐次比較レジスタ106bに保持された温度コードが更新される。このように、温度コードを更新する動作は、以下、温度コードの“リフレッシュ”とも呼ぶ。また、レディ状態であってもイネーブル信号ENが立ち上がるごとに温度コードを自動で更新する動作は、以下、温度コードの“オートリフレッシュ”とも呼ぶ。
【0072】
この温度コードのリフレッシュ動作により、図1の電圧生成回路107は、メモリセルアレイ110に印加される各種電圧を、この更新された温度コードを用いて設定することができる。例えば、データ読出し動作において、電圧生成回路107は、ワード線に印加する電圧を温度コードに応じた電圧とする。これにより、センス回路111は、メモリセルアレイ110の温度に応じたワード線電圧を用いて、メモリセルMCに格納されたデータを正確に検出することができる。
【0073】
次に、t6において、イネーブル信号ENが立ち下がり、温度センサ106がレディ状態となる。
【0074】
電源VDDが投入され、SET_FEATURE信号が立ち上がっている期間中、温度コードのオートリフレッシュ(t3~t6)は繰り返し実行される。温度コードのオートリフレッシュは、メモリ100がレディ状態のときだけ実行してもよいが、メモリ100がレディ状態およびビジー状態のいずれの期間中に実行してもよい。
【0075】
その後、t7において、電源が切断された場合、温度コードのオートリフレッシュは停止する。この場合、温度コードのオートリフレッシュの最中であっても、オートリフレッシュは中断される。
【0076】
本実施形態によれば、温度センサ106は、図1の制御回路105の発振器OSC1とは別に、独自に発振器OSC2、OSC3を備えている。発振器OSC3がメモリ100のレディ期間中であっても定期的に(例えば、数msごとに)イネーブル信号ENを生成し、温度センサ106を駆動させる。発振器OSC2は、イネーブル信号ENによって駆動され、温度コードを生成するためにシーケンサ106kおよび逐次比較レジスタ106bへクロック信号CLK2を出力する。これにより、メモリ100のレディ期間中であっても、温度コードが生成され、逐次比較レジスタ106bに格納された温度コードが更新される。
【0077】
図7(A)は、参照例として、メモリ100が読出し動作のビジー状態に入ってから温度コードを更新する場合のタイミング図である。上述の通り、温度コードがビジー状態に入ってから更新される場合、図1の発振器OSC1は、メモリ100が選択されてビジー状態になった後にクロック信号CLK1の生成を開始する。
【0078】
図7(A)の時点t10において、制御回路105がメモリコントローラ200から一連のコマンドを受け取ると、メモリ100は、ビジー状態に入る。ビジー状態になると、発振器OSC1が起動し、チャージポンプ(図示せず)が電源電圧を所望の電圧へ昇圧する。発振器OSC1の起動によって、制御回路105は、メモリコントローラ200からブロックアドレス、ワード線アドレスおよびメモリセルアレイ110を駆動させるために必要なパラメータを受け取る。
【0079】
さらに、温度センサ106が起動し、温度コードを生成および格納する。このとき、データ読み出しに適したワード線WLの電圧は、温度コードを取得した後でなければ正確に設定することができない。従って、温度コードの取得を待ってから、ワード線WLの電圧は印加される。この場合、ビジー状態になってからワード線WLに電圧が印加されて読み出し動作可能となるまで、リードセットアップ時間tstは、0.5μs~0.6μsである。即ち、ビジー状態に入ってから温度コードを更新した場合、リードセットアップ時間tstの後でなければ、メモリ100は、データを読み出すことができない。
【0080】
これに対し、図7(B)は、第1実施形態によるメモリ100のレディ状態における温度コードの更新(オートリフレッシュ)を示すタイミング図である。本実施形態では、ビジー状態に入る前のレディ状態であっても、温度センサ106は、定期的に温度コードを更新している。このように、温度センサ106は、レディ状態であってもオートリフレッシュを行っているので、ビジー状態に入る直前に既に取得された温度コードを用いてワード線WLの電圧を設定することができる。また、本実施形態では、一連のコマンドを入力している期間中に、チャージポンプの起動、発振器OSC1の起動、ブロックアドレス、ワード線アドレスおよびパラメータを受け取る。従って、ビジー状態に入るt10において、メモリ100は、既に読み出し動作可能な状態となっている。即ち、リードセットアップ時間tstは、0あるいはそれ以下であり、ビジー状態になってから待機することなくデータを読み出すことができる。
【0081】
このように、本実施形態によるメモリ100は、リードセットアップ時間tstを0以下にして、ビジー状態に入った後の待機時間を短縮または無くし、それにより、データの読み出し時間を短縮することができる。
【0082】
尚、オートリフレッシュは、レディ状態中であっても定期的に実行されるため、比較例と比べて、消費電流が増大することが懸念される。しかし、メモリセルアレイ110の温度変化は、メモリセルアレイ110を構成する材質、または、その使用する環境の保証温度範囲に依存するが、最短でも数10ms/1℃~数100ms/1℃程度であるとする。メモリセルアレイ110の温度が1℃以上変化したときに温度コードを更新するものとすれば、逐次比較レジスタ106bは、少なくとも数10msごとに温度コードを更新すればよい。即ち、イネーブル信号ENは、少なくとも数10msごとに立ち上げればよい。
【0083】
一方、温度コードの取得時間は、約数μsであり、イネーブル信号ENの周期よりも非常に短い時間である。1回の温度コードの取得に消費される電流は数mAである。イネーブル信号ENの立ち上がり周期ごとに、温度コードを取得しても、温度コードの取得時間は、イネーブル信号ENの周期よりも非常に短いので、消費電流はイネーブル信号ENの周期の間に平均数μA程度(数mA×温度コード取得時間(数μs)/イネーブル信号ENの立ち上がり周期(数ms))に過ぎない。余裕を考慮して、イネーブル信号ENの立ち上がり周期を例えば5msとしても、その周期の間に流れ温度コードの取得に要する平均消費電流は、1μA程度である。これは、メモリ100の消費電流に対して非常に小さい。従って、オートリフレッシュは、消費電流を左程増大させない。
【0084】
その結果、本実施形態によるメモリ100は、レディ状態中の消費電流の増大を抑制しつつ、読出し動作を高速化することができる。
【0085】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態による温度センサ106の内部構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態による温度センサ106は、発振器OSC3からのクロック信号CLK3だけでなく、第2コマンドとしての外部コマンドCOM_EXによっても温度コードの取得を実行する。外部コマンドCOM_EXは、メモリコントローラ200を介してレジスタ104に予め登録しておき、所定のタイミングでレジスタ104から温度センサ106へ送られる。
【0086】
温度センサ106は、演算回路106nをさらに備えている。演算回路106nは、発振器OSC3からのクロック信号CLK3とユーザにより設定された外部コマンドCOM_EXとを入力し、それらの論理和演算結果をイネーブル信号ENとして出力する。イネーブル信号ENは、第1実施形態のそれと同様に温度センサ106の起動に用いられる。演算回路106nは、論理和演算回路であり、クロック信号CLK3または外部コマンドCOM_EXのいずれが立ち上がってもイネーブル信号ENを立ち上げる。従って、第2実施形態による温度センサ106は、レディ状態においては発振器OSC3からのクロック信号CLK3によってオートリフレッシュを実行し、ユーザ設定による外部コマンドCOM_EXによってもメモリセルアレイ110の温度に応じた温度コード(第2温度信号)を生成しリフレッシュする。逐次比較レジスタ106bは、もともと保持していた温度コード(第1温度信号)を新しい温度コード(第2温度信号)で更新する。これにより、外部コマンドCOM_EXによるリフレッシュも、レディ状態におけるオートリフレッシュも共通の1つの温度センサ106で実行され得る。即ち、温度センサ106は、外部コマンドCOM_EXによる温度コードの生成およびレディ状態におけるクロック信号CLK3による温度コードの生成に共有されている。
【0087】
図9は、第2実施形態による温度センサ106の読み出し動作を示すタイミング図である。t1~t7の動作は、第1実施形態のt1~t7の動作と同じでよい。このとき、イネーブル信号ENは、クロック信号CLK3と同じ動作を実行する。
【0088】
一方、t13において、外部コマンドCOM_EXが立ち上がっており、それに伴いイネーブル信号ENが立ち上がっている。これにより、t14~t15において、リフレッシュが実行されている。このように、第2実施形態では、発振器OSC3からのクロック信号CLK3の立ち上がりタイミングだけでなく、ユーザが設定した外部コマンドCOM_EXの立ち上がりタイミングでも、リフレッシュが実行される。これにより、ユーザの所望する任意のタイミングでリフレッシュを実行することも可能となる。
【0089】
尚、クロック信号CLK3および外部コマンドCOM_EXは両方とも駆動させてもよいが、いずれか一方のみ選択的に駆動させてもよい。
【0090】
また、或るクロック信号CLK3の後に外部コマンドCOM_EXによるリフレッシュが実行された場合、温度センサ106は、次のクロック信号CLK3においてオートリフレッシュを実行しなくてもよい。クロック信号CLK3後に外部コマンドCOM_EXによって温度コードは更新されており、次のクロック信号CLK3による温度コードの更新は不要であり、かつ、余計な消費電力を省略するためである。
【0091】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態による温度センサ106の内部構成の一例を示すブロック図である。第3実施形態による温度センサ106は、発振器OSC3からのクロック信号CLK3だけでなく、制御回路105からのビジー信号TMPS_ENによっても温度コードの取得を実行する。第3コマンドとしてのビジー信号TMPS_ENは、メモリセルアレイ110へのアクセスを許可する信号である。即ち、メモリ100がビジー状態になったときにも温度センサ106は温度コードを取得することになる。メモリ100が、例えば、リードイネーブル信号REを受けたときに、図1の発振器OSC1が駆動し、制御回路105が起動する。これにより、制御回路105は、ビジー信号TMPS_ENを出力できる状態になる。
【0092】
温度センサ106の演算回路106nは、発振器OSC3からのクロック信号CLK3と制御回路105からのビジー信号TMPS_ENとを入力し、それらの論理和演算結果をイネーブル信号ENとして出力する。イネーブル信号ENは、第1実施形態のそれと同様に温度センサ106の起動に用いられる。演算回路106nは、論理和演算回路であり、クロック信号CLK3またはビジー信号TMPS_ENのいずれが立ち上がってもイネーブル信号ENを立ち上げる。従って、第3実施形態による温度センサ106は、レディ状態においては発振器OSC3からのクロック信号CLK3によってオートリフレッシュを実行し、メモリ100がビジー状態になったときには第3コマンドとしてのビジー信号TMPS_ENによってメモリセルアレイ110の温度に応じた温度コード(第3温度信号)を生成しリフレッシュする。逐次比較レジスタ106bは、もともと保持していた温度コード(第1温度信号)を新しい温度コード(第3温度信号)で更新する。これにより、ビジー信号TMPS_ENによるリフレッシュも、レディ状態におけるオートリフレッシュも共通の1つの温度センサ106で実行され得る。即ち、温度センサ106は、ビジー信号TMPS_ENによる温度コードの生成およびレディ状態におけるクロック信号CLK3による温度コードの生成に共有されている。尚、ビジー状態のときにもクロック信号CLK3によるオートリフレッシュを実行してもよい。
【0093】
図11は、第3実施形態による温度センサ106の読み出し動作を示すタイミング図である。t1~t7の動作は、第1実施形態のt1~t7の動作と同じでよい。このとき、イネーブル信号ENは、クロック信号CLK3と同じ動作を実行する。
【0094】
一方、t23において、ビジー信号TMPS_ENが立ち上がっており、それに伴いイネーブル信号ENが立ち上がっている。これにより、t24~t25において、温度コードのリフレッシュが実行されている。このように、第3実施形態では、発振器OSC3からのクロック信号CLK3の立ち上がりタイミングだけでなく、メモリ100からビジー信号TMPS_ENの立ち上がりタイミングでも、温度コードのリフレッシュが実行される。
温度コードのリフレッシュ後、電圧生成回路107は、逐次比較レジスタ106bに保持された温度コードに基づいて、メモリセルアレイ110に印加する電圧を生成する。
【0095】
尚、ビジー信号TMPS_ENと共に、クロック信号CLK3および外部コマンドCOM_EX両方とも駆動させてもよいが、いずれか一方のみ選択的に駆動させてもよい。
【0096】
また、或るクロック信号CLK3の後にビジー信号TMPS_ENによるリフレッシュが実行された場合、温度センサ106は、次のクロック信号CLK3においてオートリフレッシュを実行しなくてもよい。クロック信号CLK3後にビジー信号TMPS_ENによって温度コードは更新されており、次のクロック信号CLK3による温度コードの更新は不要であり、かつ、余計な消費電力を省略するためである。
【0097】
また、第2および第3実施形態は組み合わせてもよい。即ち、演算回路106nは、クロック信号CLK3、外部コマンドCOM_EXおよびビジー信号TMPS_ENを入力し、それらの論理和演算結果をイネーブル信号ENとして出力してもよい。これにより、クロック信号CLK3によるオートリフレッシュを実行しながら、メモリ100がビジー状態になったとき、または、ユーザによる設定により、温度コードの更新が可能となる。
【0098】
(変形例)
第3実施形態において、クロック信号CLK3とビジー信号TMPS_ENとの両方でイネーブル信号ENを立ち上げると、頻繁に温度コードの更新が実行される場合がある。この場合、消費電流が増大する可能性がある。これに対処するために、ビジー信号TMPS_ENが立ち上がって温度コードが更新されたときには、発振器OSC3は、ビジー信号TMPS_ENによる温度コードの取得時にリセットされて、温度コードの取得後からクロック信号CLK3の出力を開始してもよい。これにより、過剰な温度コードの更新を回避し、消費電流の増大を抑制することができる。
【0099】
例えば、図12は、変形例による温度センサ106の読み出し動作を示すタイミング図である。図12のタイミング図は、基本的に図11のタイミング図と同様である。しかし、t23~t25におけるビジー信号TMPS_ENの立ち上がりによる温度コードのリフレッシュが実行された後、TMPS_RDY信号が立ち上がって温度センサ106がレディ状態になった時点t25で発振器OSC3がリセットされる。これにより、発振器OSC3は、t25からクロック信号CLK3の出力を開始する。即ち、t25からクロック信号CLK3の半周期Δt(例えば、0.25ms)後に、クロック信号CLK3が立ち上がる。その後、クロック信号CLK3は、その周期(イネーブル信号ENの立ち上がり周期の十分の一程度の周期であり、例えば、0.5ms)ごとに立ち上がる。
【0100】
これにより、温度コードのリフレッシュが過剰に更新されることを抑制し、消費電流の増大を抑制することができる。
【0101】
尚、本変形例において、発振器OSC3は、温度センサ106のビジー信号TMPS_RDYの立ち上がりを契機にリセットされている。しかし、発振器OSC3は、ビジー信号TMPS_ENの立ち上がりまたは立ち下がりを契機にリセットされてもよい。
【0102】
また、本変形例は、第2実施形態に適用してもよい。即ち、発振器OSC3は、図9のt15における温度センサ106のビジー信号TMPS_RDYの立ち上がりを契機にリセットされてもよい。さらに、発振器OSC3は、図9の外部コマンドCOM_EXの立ち上がりまたは立ち下がりを契機にリセットされてもよい。
【0103】
図13(A)~図13(C)は、メモリ100のレディ状態におけるクロック信号CLK3とメモリ100のビジー状態を示すTMPS_RDY信号とが重複した場合のタイミング図を示す。
【0104】
例えば、図13(A)に示すように、時点t30において、メモリ100がビジー状態となると、制御回路105からのビジー信号TMPS_ENが立ち上がる。これに伴い、t31において、TMPS_RDY信号が立ち下がり、温度センサ106が起動しビジー状態となる。温度センサ106は、t31~t33において温度コードを生成する。
【0105】
しかし、t31~t33の間のt32(温度コードの生成中)において、クロック信号CLK3が立ち上がっている。この場合、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの生成が継続され、クロック信号CLK3に基づく温度コードの生成は実行されない。即ち、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの生成中にクロック信号CLK3を受け取った場合でも、温度センサ106は、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードを生成する。このとき生成された温度コードは、逐次比較レジスタ106bに保持される。
【0106】
その後、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの生成および取得が完了した後、t33において、TMPS_RDY信号が立ち上がり、t34においてビジー信号TMPS_ENが立ち下がる。TMPS_RDY信号の立ち上がりを制御回路105へ返すことにより、制御回路105は、次のビジー信号TMPS_ENを受け取ることができる状態になる。尚、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの更新がなされたことを受けて、余計な消費電力を省略するため、次のクロック信号CLK3の周期は前述したようにリセットされてもよい。
【0107】
例えば、図13(B)に示すように、時点t30において、クロック信号CLK3が立ち上がると、それに伴い、t31において、TMPS_RDY信号が立ち下がり、温度センサ106が起動しビジー状態となる。温度センサ106は、t31~t33において温度コードを生成する。
【0108】
しかし、t31~t33の間のt32(温度コード生成中)において、制御回路105からのビジー信号TMPS_ENが立ち上がっている。この場合、クロック信号CLK3に基づく温度コードの生成が継続され、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの生成は実行されない。即ち、クロック信号CLK3に基づく温度コードの生成中にビジー信号TMPS_ENを受け取った場合でも、温度センサ106は、クロック信号CLK3に基づく温度コードを生成する。このとき生成された温度コードは、逐次比較レジスタ106bに保持される。
【0109】
その後、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの生成および取得が完了した後、t33において、TMPS_RDY信号が立ち上がり、t34においてビジー信号TMPS_ENが立ち下がる。TMPS_RDY信号の立ち上がりを制御回路105に返すことで、制御回路105は、次のビジー信号TMPS_ENを受け取ることができる状態になる。尚、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの更新がなされたことを受けて、余計な消費電力を省略するために、次のクロック信号CLK3の周期は前述したようにリセットされてもよい。
【0110】
このように、メモリ100のレディ状態におけるクロック信号CLK3とメモリ100のビジー状態を示すTMPS_RDY信号とが重複しても、温度センサ106は、温度コードの生成を中断することなく更新完了まで継続する。
【0111】
尚、クロック信号CLK3と外部コマンドCOM_EXとが重複しても、温度センサ106は、温度コードの生成を中断することなく更新完了まで継続する。例えば、外部コマンドCOM_EXに基づく温度コードの生成中にクロック信号CLK3を受け取った場合でも、温度センサ106は、外部コマンドCOM_EXに基づく温度コードを継続して生成する。このとき生成された温度コードは、逐次比較レジスタ106bに保持される。
【0112】
クロック信号CLK3に基づく温度コードの生成中に外部コマンドCOM_EXを受け取った場合でも、温度センサ106は、クロック信号CLK3に基づく温度コードを継続して生成する。このとき生成された温度コードは、逐次比較レジスタ106bに保持される。
例えば、図13(C)に示すように、時点t30において、メモリ100がビジー状態となると、制御回路105からのビジー信号TMPS_ENが立ち上がる。これに伴い、t31において、TMPS_RDY信号が立ち下がり、温度センサ106が起動しビジー状態となる。温度センサ106は、t31以降、温度コードを生成する。
【0113】
しかし、図13(C)では、t32において、インタラプションが生じ、TMPS_EN信号が温度コードの生成中に立ち下がっている。このように、温度コードの生成中にインタラプションが生じても、本実施形態による温度センサ106は、温度コードが更新されるまで温度コードの生成を継続する。
【0114】
その後、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの生成および取得が完了した後、t33において、TMPS_RDY信号が立ち上がり、t34においてビジー信号TMPS_ENが立ち下がる。TMPS_RDY信号の立ち上がりを制御回路105に返すことで、制御回路105は、次のビジー信号TMPS_ENを受け取ることができる状態になる。尚、ビジー信号TMPS_ENに基づく温度コードの更新がなされたことを受けて、余計な消費電力を省略するために、次のクロック信号CLK3の周期は前述したようにリセットされてもよい。
【0115】
尚、図13(C)は、ビジー信号TMPS_ENに対するインタラプションについて説明したが、クロック信号CLK3に対するインタラプションについても同様である。従って、クロック信号CLK3に基づく温度コードの生成中に、クロック信号CLK3が立ち下がっても、本実施形態による温度センサ106は、温度コードが更新されるまで温度コードの生成を継続する。
【0116】
このように、温度センサ106は、温度コードの生成中に、ビジー信号TMPS_ENまたはクロック信号CLK3をインタラプトしても、電源電圧が落とされるまで温度コードの生成を中断することなく更新完了まで継続する。
【0117】
更新された温度コードは、次のビジー信号TMPS_ENによってメモリ100がビジー状態となったときに用いられる。これにより、電圧生成回路107は、比較的最近更新された温度コードを用いてメモリセルアレイ110に印加される電圧を設定することができる。その結果、電圧生成回路107は、メモリセルアレイ110の温度に適した電圧を印加することができる。
【0118】
(メモリパッケージの構成)
図14は、本実施形態によるメモリパッケージ300の内部構成の一例を示す断面図である。メモリパッケージ300は、パッケージ基板40と、8個のメモリ(メモリチップ)100(100a~100h)とを備える。例えば、複数のメモリ100は、パッケージ基板40上に、モールド樹脂(図示せず)によって封止される。なお、図14では、図1のメモリコントローラ200の図示は省略されている。また、メモリ100は8個積層されているが、8個に限らず、適宜変更可能である。各メモリ100は、外部(メモリコントローラ200等)と信号を送受信するための複数の端子71を備える。
【0119】
メモリ100a~100hは、端子71が露出するように、例えば階段状に中心をずらした状態で、パッケージ基板40の上面上に、下方側から順に積層される。そして各メモリ100の端子71は、例えば金配線によりパッケージ基板40と電気的に接続される。
【0120】
図1のメモリ100は、メモリ100a~100hのいずれかであってもよく、あるいは、メモリ100a~100hの全体に対応すると考えてもよい。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
1 メモリシステム、100 メモリ、200 メモリコントローラ、101 入出力インターフェース、102 制御信号入力インターフェース、105 制御回路、103 入出力制御回路、105 制御回路、106 温度センサ、107 電圧生成回路、111 センス回路、112 データレジスタ、113 カラムデコーダ、114 ロウデコーダ、104 レジスタ、106a バンドギャップリファレンス回路、106b 逐次比較レジスタ、106c ディジタルアナログ変換回路、106d~106f 抵抗素子、106g~106i 電圧比較回路、106j AND演算回路、106k シーケンサ、106l 演算回路、OSC2,OSC3 発振器、106m制御回路
図1
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