(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】包装箱および包装箱の折り畳み方法
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20230123BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
B65D5/42 Z
B65D5/02 K
(21)【出願番号】P 2019001135
(22)【出願日】2019-01-08
【審査請求日】2021-10-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年9月14日に株式会社Buysell Technologiesに販売 平成30年10月3日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月5日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月10日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月17日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月19日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月24日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月26日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月30日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年10月31日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月2日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月7日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月9日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月14日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月16日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月21日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月22日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年11月28日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年12月7日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年12月12日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年12月14日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年12月14日に株式会社Buysell Technologiesに販売 平成30年12月19日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年12月22日に株式会社デファクトスタンダードに販売 平成30年12月26日に株式会社デファクトスタンダードに販売平成30年12月28日に株式会社デファクトスタンダードに販売
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】田上 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】畑 一茂
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 宗紘
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-110119(JP,U)
【文献】特開平11-263334(JP,A)
【文献】特許第6391864(JP,B1)
【文献】特開2016-204002(JP,A)
【文献】特開2017-013897(JP,A)
【文献】特開2005-029176(JP,A)
【文献】特開2017-039530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の短側壁(10)と一対の長側壁(11)とを交互に連ねて筒状に形成される周壁(1W)と、
前記一対の短側壁の端部に連設され、内向きに折り曲げられて前記周壁の開口面の一部または全部を塞ぐ一対の第1フラップ(13,15)と、
前記一対の長側壁の端部に連設され、内向きに折り曲げられて前記周壁の開口面の一部または全部を塞ぐ一対の第2フラップ(14,16)と、を備え、
前記長側壁は、前記短側壁よりも連設方向に長く形成され、
前記一対の長側壁と前記一対の第2フラップの少なくとも一方には、前記周壁の軸方向に沿って折畳み線(20)が延設されており、
前記折畳み線は、
軸方向に延び、細かい切目を直線状に等間隔に並べたミシン線である線本体(21)と、
前記線本体の両端部に形成され、前記長側壁と前記第2フラップの少なくとも一方を厚み方向に貫通した切断線であって、前記線本体の1つの前記切目よりも長く、且つ太く形成される一対の切目部(22)と、を含み、
前記一対の第1フラップと前記一対の第2フラップとを外側に折り返した状態で、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップは、前記周壁の対角に位置する稜線に前記折畳み線が対向するように前記折畳み線に沿って谷折りされ、前記一対の短側壁は、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを折り畳みながら前記稜線に沿って互いに逆向きに折り曲げられ、折り畳まれた前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを挟み込むように折り重なることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記折畳み線は、前記長側壁と前記第2フラップの少なくとも一方の長手方向中央付近に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記短側壁の長手方向の長さは、前記長側壁の長手方向の長さの半分以上に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記短側壁および前記長側壁の軸方向の長さは、前記第1フラップおよび前記第2フラップの軸方向の長さ以上に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の包装箱。
【請求項5】
前記折畳み線は、前記長側壁と前記第2フラップの少なくとも一方において軸方向両側を除いた軸方向中間部に形成されていることを特徴とする請求項1ないし
4のいずれかに記載の包装箱。
【請求項6】
前記第1フラップと前記短側壁との境界、および前記第2フラップと前記長側壁との境界には、前記第1フラップおよび前記第2フラップを内向きに折り曲げるための内側折曲線(30,40)が形成され、
前記第1フラップおよび前記第2フラップには、前記内側折曲線に対して間隔をあけて前記内側折曲線と平行に形成され、前記第1フラップおよび前記第2フラップを外向きに折り曲げるための外側折曲線(31,41)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載の包装箱。
【請求項7】
前記一対の第1フラップは、前記一対の短側壁の上端部と下端部とに2組連設されており、
前記一対の第2フラップは、前記一対の長側壁の上端部と下端部とに2組連設されていることを特徴とする請求項1ないし
6のいずれかに記載の包装箱。
【請求項8】
前記短側壁および前記長側壁の軸方向の長さは、前記第1フラップおよび前記第2フラップの軸方向の長さ以上に設定され、
各々の前記第1フラップが外側に折り返されて前記短側壁の外面上に重ねられた状態において、各々の前記短側壁を挟んで上下に位置する2つの前記第1フラップは互いに軸方向の長さの半分以上を接触させて重なり、
各々の前記第2フラップが外側に折り返されて前記長側壁の外面上に重ねられた状態において、各々の前記長側壁を挟んで上下に位置する2つの前記第2フラップは互いに軸方向の長さの半分以上を接触させて重なることを特徴とする請求項7に記載の包装箱。
【請求項9】
前記周壁、前記第1フラップおよび前記第2フラップは、中しん(9A)にライナ(9B,9C)を貼り付けた段ボールシートで構成され、
前記中しんは、前記周壁、前記第1フラップおよび前記第2フラップに亘り軸方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の包装箱。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の包装
箱の折り畳み方法であって、
前記周壁をその対角に位置する稜線に沿って二重に折り畳んだ状態において、前記一対の第1フラップと前記一対の第2フラップとを外側に折り返す第1工程と、
前記一対の第1フラップと前記一対の第2フラップとを外側に折り返した状態で、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを、前記周壁の対角に位置する稜線に前記折畳み線が対向するように前記折畳み線に沿って谷折りし、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを折り畳みながら、前記一対の短側壁を前記稜線に沿って互いに逆向きに折り曲げて折り畳まれた前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを挟み込むように折り重ねる第2工程と、を有することを特徴とする包装箱の折り畳み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱および包装箱の折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長面の側板および短面の側板を各一対交互に連設して周壁を形成し、各側板にそれぞれ封緘用のフラップを連設した段ボール箱が開示されている。この段ボール箱は、全フラップを開いた状態で周壁の対角に位置する稜線に沿って二重に折り畳まれ、更にフラップに形成された折目線に沿って折られることで四重に折り畳まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、段ボール箱の輸送にかかる送料は、段ボール箱の3辺(横幅、奥行き、高さ)の長さの合計(以下、「3辺計」ともいう。)が長くなるにしたがって段階的に増加する。上記した段ボール箱では、四重に折り畳むことで、二重に折り畳んだ状態に比べて、3辺計を短くしていた。しかしながら、段ボール箱を四重に折り畳み、横幅を短くするだけでは、3辺計を十分に短くすることができず、送料の低減につながらないことがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、小さく折り畳むことができ、輸送コストを低減することができる包装箱および包装箱の折り畳み方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明に係る包装箱は、一対の短側壁と一対の長側壁とを交互に連ねて筒状に形成される周壁と、前記一対の短側壁の端部に連設され、内向きに折り曲げられて前記周壁の開口面の一部または全部を塞ぐ一対の第1フラップと、前記一対の長側壁の端部に連設され、内向きに折り曲げられて前記周壁の開口面の一部または全部を塞ぐ一対の第2フラップと、を備え、前記長側壁は、前記短側壁よりも連設方向に長く形成され、前記一対の長側壁と前記一対の第2フラップの少なくとも一方には、前記周壁の軸方向に沿って折畳み線が延設されており、前記一対の第1フラップと前記一対の第2フラップとを外側に折り返した状態で、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップは、前記周壁の対角に位置する稜線に前記折畳み線が対向するように前記折畳み線に沿って谷折りされ、前記一対の短側壁は、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを折り畳みながら前記稜線に沿って互いに逆向きに折り曲げられ、折り畳まれた前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを挟み込むように折り重なる。
【0007】
この場合、前記折畳み線は、前記長側壁と前記第2フラップの少なくとも一方の長手方向中央付近に形成されていることが好ましい。
【0008】
この場合、前記短側壁の長手方向の長さは、前記長側壁の長手方向の長さの半分以上に設定されていることが好ましい。
【0009】
この場合、前記短側壁および前記長側壁の軸方向の長さは、前記第1フラップおよび前記第2フラップの軸方向の長さ以上に設定されていることが好ましい。
【0010】
この場合、前記折畳み線は、軸方向に延びた線本体と、前記線本体の両端部に形成され、前記長側壁と前記第2フラップの少なくとも一方を厚み方向に貫通した一対の切目部と、を含んでいることが好ましい。
【0011】
この場合、前記折畳み線は、前記長側壁と前記第2フラップの少なくとも一方において軸方向両側を除いた軸方向中間部に形成されていることが好ましい。
【0012】
この場合、前記第1フラップと前記短側壁との境界、および前記第2フラップと前記長側壁との境界には、前記第1フラップおよび前記第2フラップを内向きに折り曲げるための内側折曲線が形成され、前記第1フラップおよび前記第2フラップには、前記内側折曲線に対して間隔をあけて前記内側折曲線と平行に形成され、前記第1フラップおよび前記第2フラップを外向きに折り曲げるための外側折曲線が形成されていることが好ましい。
【0013】
この場合、前記一対の第1フラップは、前記一対の短側壁の上端部と下端部とに2組連設されており、前記一対の第2フラップは、前記一対の長側壁の上端部と下端部とに2組連設されていることが好ましい。
【0014】
この場合、前記周壁、前記第1フラップおよび前記第2フラップは、中しんにライナを貼り付けた段ボールシートで構成され、前記中しんは、前記周壁、前記第1フラップおよび前記第2フラップに亘り軸方向に沿って延びていることが好ましい。
【0015】
上記した目的を達成するため、本発明は、一対の短側壁と一対の長側壁とを交互に連ねて筒状に形成される周壁と、前記一対の短側壁の端部に連設された一対の第1フラップと、前記一対の長側壁の端部に連設された一対の第2フラップと、を備え、前記長側壁は、前記短側壁よりも連設方向に長く形成され、前記一対の長側壁と前記一対の第2フラップの少なくとも一方には、前記周壁の軸方向に沿って折畳み線が延設された包装箱の折り畳み方法であって、前記一対の第1フラップと前記一対の第2フラップとを外側に折り返す第1工程と、前記一対の第1フラップと前記一対の第2フラップとを外側に折り返した状態で、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを、前記周壁の対角に位置する稜線に前記折畳み線が対向するように前記折畳み線に沿って谷折りし、前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを折り畳みながら、前記一対の短側壁を前記稜線に沿って互いに逆向きに折り曲げて折り畳まれた前記一対の長側壁および前記一対の第2フラップを挟み込むように折り重ねる第2工程と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、包装箱を小さく折り畳むことができ、輸送コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る包装箱の各外側折曲線の形成方法を説明する説明図(断面図)である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、対角に位置する稜線に沿って二重に折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る包装箱の各フラップを外側に折り返した状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る包装箱をZ字状に折り畳む過程を説明する斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る包装箱をZ字状に折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、角筒状の周壁を形成した状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、上方の各フラップを外側に折り曲げた状態を示す斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態の第1変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態の第2変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【
図12】本発明の一実施形態の第3変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【
図13】本発明の一実施形態の第4変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【
図14】本発明の一実施形態の第5変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。前後方向は左右方向に直交し、上下方向は前後方向と左右方向とに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
[包装箱の概要]
図1ないし
図4を参照して、包装箱1の構成について説明する。
図1は包装箱1を示す斜視図である。
図2は包装箱1のブランク5を示す平面図である。
図3は各外側折曲線31,41の形成方法を説明する説明図(断面図)である。
図4は対角に位置する稜線に沿って二重に折り畳まれた包装箱1を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すように、包装箱1は、略直方体状に形成されている。包装箱1は、略角筒状の周壁1Wの上端面および下端面を閉じることで封緘されるA式の箱である。包装箱1の内部には、物品(図示せず)が収容されるようになっている。
【0021】
包装箱1は、
図2に示すブランク5を組み立てることで形成される。包装箱1(ブランク5)は、例えば、波状の中しん9Aの表裏に表ライナ9Bと裏ライナ9C(
図4参照)とを貼り付けた紙製の両面段ボールシートから形成されている。ブランク5は、例えば、一枚の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。なお、
図2は、表ライナ9B側(包装箱1の外面側)を示している。本明細書では、段ボールの中しん9Aと平行な方向を「段方向(軸方向)」と呼び、段方向(中しん9A)に直交する方向を「流れ方向(連設方向)」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。また、本明細書では、「上(天)」、「下(底)」およびこれに類する用語は、包装箱1を組み立てた状態(組立状態)における上(天)、下(底)およびこれに類する概念を指している。
【0022】
[ブランク]
図2に示すように、ブランク5は、一対の端壁10(短側壁)と、一対の側壁11(長側壁)と、継代片12と、一対の上内フラップ13(第1フラップ)と、一対の上外フラップ14(第2フラップ)と、一対の下内フラップ15(第1フラップ)と、一対の下外フラップ16(第2フラップ)と、を含んでいる。
【0023】
<端壁,側壁>
一対の端壁10と一対の側壁11とは、流れ方向一方(継代片12の側)から他方に向かって順に第2~第4罫線L2~L4を介して交互に連設されている。継代片12は、側壁11の流れ方向一端部に第1罫線L1を介して連設されている。側壁11は、端壁10よりも流れ方向(連設方向)に長い略長方形状に形成されている。端壁10の長手方向(流れ方向)の長さは、側壁11の長手方向(流れ方向)の長さの半分よりも長く設定されている。
【0024】
なお、第1~第4罫線L1~L4は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に直線状に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折曲させる機能を有している。上記した第1~第4罫線L1~L4は、汎用罫線に限らず、汎用罫線上に複数の切目を所定間隔に形成したリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0025】
<上内フラップ,上外フラップ>
一対の上内フラップ13は、一対の端壁10の段方向一端部(上端部)に連設されている。上内フラップ13は、端壁10の流れ方向の寸法と略同一幅を有する略長方形状に形成されている。上内フラップ13の段方向の寸法(延出寸法)は、端壁10の流れ方向の寸法の略半分に設定されている。一対の上外フラップ14は、一対の側壁11の段方向一端部(上端部)に連設されている。上外フラップ14は、側壁11の流れ方向の寸法と略同一幅を有する略長方形状に形成されている。上外フラップ14の段方向の寸法(延出寸法)は、上内フラップ13の延出寸法と略同一である。
【0026】
<下内フラップ,下外フラップ>
一対の下内フラップ15は、一対の端壁10の段方向他端部(下端部)に連設されている。一対の下外フラップ16は、一対の側壁11の段方向他端部(下端部)に連設されている。下内フラップ15は上内フラップ13と略同一形状に形成され、下外フラップ16は上外フラップ14と略同一形状に形成されている。
【0027】
なお、端壁10および側壁11の高さ(軸方向の長さ)は、各内フラップ13,15および各外フラップ14,16の延出寸法(軸方向の長さ)よりも長く設定されている。
【0028】
<折畳み線>
一対の上外フラップ14および一対の下外フラップ16には、段方向(周壁1Wの軸方向)に沿って折畳み線20が延設されている。折畳み線20は、上外フラップ14と下外フラップ16との流れ方向(長手方向)中央に形成されている。なお、折畳み線20が各外フラップ14,16の長手方向中央に形成されるとは、厳密に各外フラップ14,16の長手方向中央であることを要求するものではなく、長手方向中央から±数mm~十数mm程度のずれを許容する意味である。
【0029】
折畳み線20は、各外フラップ14,16において段方向(軸方向)両側を除いた段方向(軸方向)中間部に形成されている。つまり、各外フラップ14,16の段方向両側には、折畳み線20が形成されていない。折畳み線20の両端部は、各外フラップ14,16の段方向両端から間隔をあけて内側に位置している。
【0030】
折畳み線20は、段方向(軸方向)に延びた線本体21と、線本体21の段方向両端部に形成された一対の切目部22と、線本体21の段方向中央に形成された中間切目部23と、を含んでいる。線本体21は、細かい切目を直線状に等間隔に並べたミシン線(ミシン刃)である。一対の切目部22および中間切目部23は、各外フラップ14,16を厚み方向に貫通した切断線である。切目部22および中間切目部23は、線本体21の1つの切目よりも長く、且つ太く形成されている。
【0031】
<上内側折曲線、下内側折曲線>
上内フラップ13と端壁10との境界、および上外フラップ14と側壁11との境界には、上内側折曲線30が形成されている。これと同様に、下内フラップ15と端壁10との境界、および下外フラップ16と側壁11との境界には、下内側折曲線40が形成されている。上内側折曲線30および下内側折曲線40は、流れ方向に延びた汎用罫線である。上内側折曲線30および下内側折曲線40は、各内フラップ13,15および各外フラップ14,16を内向きに折り曲げる機能を有している。
【0032】
<上外側折曲線、下外側折曲線>
上内フラップ13および上外フラップ14には、上内側折曲線30に対して間隔をあけた位置に上外側折曲線31が形成されている。上外側折曲線31は、上内側折曲線30と平行に形成されている。これと同様に、下内フラップ15および下外フラップ16には、下内側折曲線40に対して間隔をあけて下内側折曲線40と平行となるように下外側折曲線41が形成されている。上外側折曲線31および下外側折曲線41は、段ボールシートを表ライナ9B側から厚み方向に直線状に潰した逆罫線である。上外側折曲線31および下外側折曲線41は、各内フラップ13,15および各外フラップ14,16を外向きに折り曲げる機能を有している。なお、各内側折曲線30,40と各外側折曲線31,41との間隔(中心間距離)は、4.0~8.0mmの範囲に設定されている。
【0033】
ところで、ブランク5を構成する段ボールシートは、コルゲータ(図示せず)と呼ばれる装置を用いて段ボール原紙を加工することで製造される。コルゲータは、中しん9Aを流れ方向に進行させながら、その中しん9Aの両側にライナ9B,9Cを貼り付ける。また、コルゲータは、流れ方向に進行する段ボールシートに対し、上内側折曲線30、下内側折曲線40、上外側折曲線31および下外側折曲線41を形成し、流れ方向に連続する段ボールシートを所定長さに裁断する。このように、各内側折曲線30,40および各外側折曲線31,41は、コルゲータによってブランク5の流れ方向全域に連続した状態で形成される。
【0034】
図3に示すように、上外側折曲線31および下外側折曲線41は、コルゲータに備えられた一対の逆罫線リングR1,R2によって形成される(
図3では、2組の逆罫線リングR1,R2のうち1組を示している。)。一方の逆罫線リングR1には1つの凸部が形成され、他方の逆罫線リングR2には一対の凸部が形成されている。一対の逆罫線リングR1,R2が流れ方向に進行する段ボールシートを厚み方向両側から挟み込むことによって、段ボールシートの表ライナ9Bに各外側折曲線31,41が形成される。この際、段ボールシートの裏ライナ9Cには、各外側折曲線31,41を挟む位置において、他方の逆罫線リングR2の一対の凸部で軽く潰された一対の溝状凹部Gが形成される。
【0035】
なお、本実施形態に係る包装箱1では、各外側折曲線31,41がコルゲータによって形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各外側折曲線31,41は、抜型を用いて形成してもよい。
【0036】
また、ブランク5は、フレキソフォルダーグルア(図示せず)と呼ばれる装置によって製造される。フレキソフォルダーグルア(以下、「FFG」ともいう。)は、段ボールシートに対し、フレキソインキを用いた印刷、刃物(切刃、押刃等)や抜型を用いた罫線入れ、溝切りおよび打抜き、接着剤を用いた接合等を連続して行う装置である。FFGは、上下両側の各フラップ13~16等を形成すると共に、第1~第4罫線L1~L4および折畳み線20(線本体21、切目部22、中間切目部23)等を形成する。
【0037】
また、FFGは、側壁11を第2罫線L2で折り曲げ、端壁10を第4罫線L4で折り曲げ、継代片12を端壁10の内面に接着する。すると、
図4に示すように一対の端壁10と一対の側壁11とが交互に連ねられ、対角に位置する稜線(第2および第4罫線L2,L4)に沿って二重に折り畳まれた周壁1W(包装箱1)が形成される。
【0038】
従来、包装箱1は、上記のように二重に折り畳まれた状態で出荷されていた。包装箱1の輸送にかかる送料は、包装箱1の3辺(横幅、奥行き、高さ)の長さの合計(3辺計)が長くなるほど高額になるため、輸送時には包装箱1を小さく折り畳むことが好ましい。そこで、本実施形態に係る包装箱1は、輸送コストを低減するために小さく折り畳むことができる構造を有している。
【0039】
[輸送時における包装箱の折り畳み方法]
図5ないし
図7を参照して、輸送時における包装箱1の折り畳み方法の一例について説明する。
図5は各フラップ13~16を外側に折り返した状態を示す斜視図である。
図6は包装箱1をZ字状に折り畳む過程を説明する斜視図である。
図7は包装箱1をZ字状に折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【0040】
<第1工程>
まず、
図5に示すように、第1工程として、作業者は、一対の上内フラップ13と一対の上外フラップ14とを、上外側折曲線31に沿って外側に折り返す。上内フラップ13は端壁10の外面(表ライナ9B)上に重なり、上外フラップ14は側壁11の外面(表ライナ9B)上に重なる。ここで、各壁10,11の高さは各フラップ13,14の延出寸法よりも長いため、各フラップ13,14の先端が周壁1Wの下端(下内側折曲線40)よりも下方に突き出すことが無い。
【0041】
続いて、作業者は、一対の下内フラップ15と一対の下外フラップ16とを下外側折曲線41に沿って外側に折り返す。下内フラップ15は、上内フラップ13を挟んで端壁10の外面上に重なり、下外フラップ16は、上外フラップ14を挟んで側壁11の外面上に重なる。ここで、各壁10,11の高さは各フラップ15,16の延出寸法よりも長いため、各フラップ15,16の先端が周壁1Wの上端(上内側折曲線30)よりも上方に突き出すことが無い。なお、上記した第1工程の例では、上方のフラップ13,14を折り返した後、下方のフラップ15,16を折り返していたが、これらの折り返す順番は逆でもよい。
【0042】
ここで、上外側折曲線31および下外側折曲線41は、表ライナ9Bの側を凹ませた逆罫線であるため、各フラップ13~16は、各外側折曲線31,41に沿って表ライナ9Bの側には容易に折れるが、裏ライナ9Cの側には容易に折れないようになっている。これとは逆に、上内側折曲線30および下内側折曲線40は、裏ライナ9Cの側を凹ませた汎用罫線であるため、各フラップ13~16は、各内側折曲線30,40に沿って裏ライナ9Cの側には容易に折れるが、表ライナ9Bの側には容易に折れないようになっている。その結果、各フラップ13~16は、各内側折曲線30,40で外側に折れることなく、各外側折曲線31,41で外側に折れることとなる。このように、外折りし難い各内側折曲線30,40で各フラップ13~16を周壁1Wの外側に折り曲げる必要がないため、各フラップ13~16を周壁1Wの外側に折り曲げたとしても各内側折曲線30,40が割れることを抑制することができる。
【0043】
<第2工程>
次に、
図6に示すように、第2工程として、作業者は、各内フラップ13,15と各外フラップ14,16とを外側に折り返した状態で、一対の上外フラップ14と一対の下外フラップ16とを折畳み線20に沿って内向きに折り曲げる。すると、一対の側壁11も、上外フラップ14と下外フラップ16と共に内向きに折り曲げられる。詳細には、作業者は、一対の側壁11、一対の上外フラップ14および一対の下外フラップ16を、(二重に折り畳まれた)周壁1Wの対角に位置する稜線(第1および第3罫線L1,L3)に折畳み線20(折目の頂点部)が対向するように折畳み線20に沿って谷折りする。
【0044】
また、作業者は、一対の側壁11、一対の上外フラップ14および一対の下外フラップ16を折り畳みながら、一対の端壁10を上記の稜線(第1および第3罫線L1,L3)に沿って互いに逆向きに折り曲げる。つまり、二重に折り畳まれた包装箱1は、平面から見て、略Z字状を成すように折り曲げられる。
【0045】
図7に示すように、作業者は、一対の端壁10を、折り畳まれた一対の側壁11および各外フラップ14,16を挟み込むように折り重ねる。以上によって、包装箱1は、二重に折り畳まれ、且つ各フラップ13~16を外側に折り返した状態から更に三重に折り畳まれた状態になる。正確には、包装箱1は、各壁10,11(各フラップ13~16を除く。)を六重に折り畳んだ状態になる。さらに正確には、包装箱1は、18枚の段ボールシートを重ねた状態に折り畳まれ、略直方体状(略厚板状)に形成される。なお、端壁10は側壁11の長手方向の半分よりも長いため、折畳み線20の折目の頂点部は、第1および第3罫線から離れた位置で対向している。また、折り畳んだ状態を保持するために、包装箱1には結束帯等(図示せず)が巻かれてもよい。
【0046】
なお、上記した第2工程の例では、一対の側壁11の折目の頂点部(折畳み線20)が第1および第3罫線L1,L3(周壁1Wの対角に位置する稜線)に向かうように、一対の側壁11等が折畳み線20で折り曲げられていたが、本発明はこれに限定されない。一対の側壁11の折目の頂点部が第2および第4罫線L2,L4(周壁1Wの(他の)対角に位置する稜線)に向かうように、一対の側壁11等が折畳み線20で折り曲げられてもよい(図示せず)。
【0047】
[包装箱の封緘]
次に、
図1、
図8および
図9を参照して、包装箱1の封緘手順(組立手順)について説明する。
図8は角筒状の周壁1Wを形成した状態を示す斜視図である。
図9は上方の各フラップ13,14を外側に折り曲げた状態を示す斜視図である。
【0048】
まず、作業者は、略Z字状(六重)に折り畳まれた包装箱1を、二重に折り畳まれた状態に戻す(
図4参照)。次に、
図8に示すように、作業者は、一対の端壁10と一対の側壁11とを第1~第4罫線L1~L4で略直角に折り曲げ、上下両端面を開口した略角筒状の周壁1Wを形成する。
【0049】
次に、
図9に示すように、作業者は、一対の下内フラップ15を下内側折曲線40に沿って周壁1Wの内側に折り曲げた後、一対の下外フラップ16を下内側折曲線40に沿って周壁1Wの内側に折り曲げる。この状態で、一対の下内フラップ15の先端部は離間しており、一対の下内フラップ15は周壁1Wの下端の開口面の一部を塞いでいる。また、一対の下外フラップ16の先端部は突き合わされており、一対の下外フラップ16は周壁1Wの下端の開口面の全部を塞いでいる。また、作業者は、一対の下外フラップ16の突き合せ部に沿って粘着テープ(図示せず)を貼り付ける。以上によって、包装箱1の底面が形成される。
【0050】
次に、作業者は、一対の上内フラップ13および一対の上外フラップ14を上外側折曲線31に沿って周壁1Wの外側に折り曲げる。この状態で、作業者は、物品を周壁1Wの内部に収容する。このように、上方の各フラップ13,14を外側に開くことができるため、各フラップ13,14が物品の出し入れの邪魔になることがなく、物品の出し入れを円滑に行うことができる。なお、上方の各フラップ13,14を全て折り曲げる必要はなく、各フラップ13,14のうち何れか1枚(例えば、作業者の手前側にあるもの)を折り曲げるようにしてもよい。
【0051】
次に、
図1に示すように、作業者は、一対の上内フラップ13を上内側折曲線30に沿って周壁1Wの内側に折り曲げた後、一対の上外フラップ14を上内側折曲線30に沿って周壁1Wの内側に折り曲げる。この状態で、一対の上内フラップ13の先端部は離間しており、一対の上内フラップ13は周壁1Wの上端の開口面の一部を塞いでいる。また、一対の上外フラップ14の先端部は突き合わされており、一対の上外フラップ14は周壁1Wの上端の開口面の全部を塞いでいる。また、作業者は、一対の上外フラップ14の突き合せ部に沿って粘着テープ(図示せず)を貼り付ける。
【0052】
以上によって、包装箱1の天面が形成され、包装箱1は封緘された状態になる(
図1参照)。なお、上下の各外フラップ14,16は、粘着テープに代えて、接着剤によって各内フラップ13,15の表面に接着されてもよい。また、上記した組立手順では、各内フラップ13,15の上に各外フラップ14,16が重ねられていたが、これとは逆に、各外フラップ14,16の上に各内フラップ13,15を重ねるようにしてもよい。
【0053】
以上説明した本実施形態に係る包装箱1では、上下の各内フラップ13,15(第1フラップ)が外側に折り返されて端壁10(短側壁)の外面に重なり、上下の各外フラップ14,16(第2フラップ)が外側に折り返されて側壁11(長側壁)の外面に重なる構成とした(
図5および
図7参照)。この構成によれば、略Z字状に折り畳んだ包装箱1の高さを、周壁1W(側壁11等)の高さと略同等にすることができる。これにより、各フラップ13~16を上下に伸ばした状態で折り畳む場合に比べて、折り畳んだ包装箱1の高さを低く抑えることができる。また、各フラップ13~16を折り返した状態において、包装箱1は、軸方向から見て、略Z字状に折り畳まれる構成とした(
図7参照)。この構成によれば、各壁10,11(各フラップ13~16を除く。)が6枚重なるように折り畳むことができるため、包装箱1を周壁1Wの対角に位置する稜線に沿って二重に折り畳む場合に比べて、包装箱1をコンパクトに折り畳むことができる。以上のように、包装箱1を小さく折り畳むことで、包装箱1の輸送にかかる送料(輸送コスト)を低減することができる。また、包装箱1を小さく折り畳むことで、作業者による配送時のハンドリングも容易になる。
【0054】
また、本実施形態に係る包装箱1によれば、折畳み線20が、各外フラップ14,16の長手方向中央に形成されているため(
図2参照)、側壁11と各外フラップ14,16とを略半分に折り畳むことができる。これにより、包装箱1を最もコンパクトに折り畳むことができる。
【0055】
また、本実施形態に係る包装箱1では、折畳み線20で半分に折り曲げた側壁11の長手方向の寸法(横幅)が端壁10の長手方向の寸法(横幅)よりも小さいため、半分になった側壁11は、端壁10からはみ出すことなく端壁10の平面内に重なる。この構成によれば、略Z字状に折り畳まれた包装箱1の縦横寸法(平面寸法)を、端壁10の大きさと略同一にすることができる。これにより、略Z字状に折り畳まれた包装箱1の寸法を最小にすることができ、輸送コストの削減効果を最大にすることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る包装箱1では、周壁1Wの高さが各フラップ13~16の延出寸法よりも長くなる構成とした(
図5参照)。この構成によれば、外側に折り返した各フラップ13~16が周壁1Wの軸方向両端から突き出ることが無く、各フラップ13~16を各壁10,11の平面内に積層することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る包装箱1によれば、折畳み線20に切目部22,23を形成することで、線本体21を弱めることができる。これにより、切目部22,23が形成されない場合に比べて、各外フラップ14,16を折畳み線20に沿って容易且つ正確に折り曲げることができる。
【0058】
上記したように、包装箱1は、FFGによって二重に折り畳まれた状態に加工される(
図4参照)。仮に、折畳み線20が各外フラップ14,16の段方向の端から端まで全体に形成されていると、各外フラップ14,16が必要以上に折れやすくなることがあった。折畳み線20が各外フラップ14,16の段方向全体に形成されていると、包装箱1(周壁1W)を対向する稜線(第2および第4罫線)で二重に折り畳む過程において各外フラップ14,16が意図せず折れてしまうことがあった。そこで、本実施形態に係る包装箱1では、折畳み線20が、各外フラップ14,16の段方向の端から端まで形成されておらず、各外フラップ14,16の段方向中央付近に形成されていた(
図2および
図4参照)。この構成によれば、包装箱1(周壁1W)を二重に折り畳む過程で各外フラップ14,16が容易に折れない程度の強度を担保することができる。これにより、対角の稜線で二重に折り畳まれた包装箱1を適切に形成することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る包装箱1によれば、各フラップ13~16を各外側折曲線31,41に沿って周壁1Wの外側に折り返すことができる(
図5参照)。これにより、各フラップ13~16を周壁1Wの外面に重ねることができ、包装箱1を略Z字状に折り畳む作業を円滑に行うことができる。
【0060】
また、本実施形態に係る包装箱1では、中しん9Aが、周壁1W、各内フラップ13,15および各外フラップ14,16に亘り上下方向(軸方向)に沿って延びていた(
図2参照)。この構成によれば、折畳み線20が中しん9Aと略平行に延設されているため、折畳み線20が側壁11に形成されない場合であっても、側壁11を、折畳み線20の延長線上に配置される中しん9Aに沿って容易に折り曲げることができる。
【0061】
なお、本実施形態に係る包装箱1では、折畳み線20が各外フラップ14,16に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図10に示すように、折畳み線20は、各外フラップ14,16に代えて、一対の側壁11に形成されてもよい(第1変形例)。この場合、折畳み線20は、側壁11の軸方向両側を除いた軸方向中間部に形成されることが好ましい。また、例えば、折畳み線20は、上外フラップ14と下外フラップ16の何れか一方と、側壁11とに形成されてもよい(図示せず)。さらに、例えば、折畳み線20は、側壁11と各外フラップ14,16の両方に形成されてもよい(図示せず)。すなわち、折畳み線20は、一対の側壁11と一対の上外フラップ14と一対の下外フラップ16との少なくとも何れかに形成されていればよい。
【0062】
また、本実施形態(第1変形例を含む。)に係る包装箱1では、折畳み線20が各外フラップ14,16や側壁11の長手方向中央に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。
図11に示すように、折畳み線20は、各外フラップ14,16(または側壁11)の長手方向中央からずれた位置に形成されていてもよい(第2変形例)。この場合、略Z字状に折り畳んだ包装箱1の横幅が側壁11の横幅よりも短くなるように、折畳み線20の形成位置を調整することが好ましい。しかしながら、コンパクトに折り畳むということを考慮すると、折畳み線20は、上記した実施形態のごとく、一対の側壁11と一対の上外フラップ14と一対の下外フラップ16の少なくとも何れかの長手方向中央付近に形成されることが好ましい。なお、各外フラップ14,16の長手方向中央付近とは、長手方向に幅をもった範囲を指す概念であり、例えば、長手方向中央から±数mm~十数mm程度の範囲を意味する。
【0063】
また、本実施形態(第1および第2変形例を含む。)に係る包装箱1では、端壁10の流れ方向の長さが、側壁11の流れ方向の長さの半分よりも長かったが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図12に示すように、端壁10の長手方向(流れ方向)の長さ(W1=W2/2)は、側壁11の長手方向(流れ方向)の長さ(W2)の略半分に設定されてもよい(第3変形例)。この構成によれば、折畳み線20で半分に折り曲げた側壁11は、端壁10と略同一の長手方向の寸法となるため、包装箱1を略三等分となる位置で略Z字状に折り畳むことができる。すなわち、対角の稜線で2重に折り畳まれた周壁1Wの長さの1/3の長さになるように包装箱1を折り畳むことができる。
【0064】
また、本実施形態(第1~第3変形例を含む。)に係る包装箱1では、端壁10および側壁11の高さが、各フラップ13~16の延出寸法よりも長かったが、本発明はこれに限定されない。端壁10および側壁11の高さ(軸方向の長さ)は、各フラップ13~16の延出寸法(軸方向の長さ)以上に設定されていればよい。例えば、
図13に示すように、端壁10および側壁11の高さ(H1)が各フラップ13~16の延出寸法(H2=H1)と略同一であってもよい(第4変形例)。この構成によれば、外側に折り返した上方のフラップ13,14と下方のフラップ15,16とは、互いに全面を接触させるように重なり、且つ各壁10,11の全面を覆うように重なる。これにより、略Z字状に折り畳んだ包装箱1を略直方体状にすることができる。なお、端壁10の長手方向の長さ(W1)が側壁11の長手方向の長さ(W2)の略半分に設定され、且つ各壁10,11の高さ(H1)が各フラップ13~16の延出寸法(H2)と略同一に設定されると、略Z字状に折り畳んだ包装箱1を隙間や凹凸の少ない綺麗な略直方体状(厚板状)にすることができる。
【0065】
他にも、例えば、
図14に示すように、端壁10および側壁11の高さ(H3)が、各フラップ13~16の延出寸法(H2)の2倍以上であってもよい(第5変形例(
図14では、H3=H2×2に設定されている。))。各壁10,11の高さ(H3)が各フラップ13~16の延出寸法(H2)の2倍である場合、上方のフラップ13,14と下方のフラップ15,16との先端部は突き合わせとなる。また、各壁10,11の高さ(H3)が各フラップ13~16の延出寸法(H2)の2倍より大きい場合、上方のフラップ13,14と下方のフラップ15,16との先端部は離間する。この構成によれば、外側に折り返した上方のフラップ13,14と下方のフラップ15,16とは、互いに重なることなく、各壁10,11の外面に重なる。これにより、略Z字状に折り畳んだ包装箱1の厚みを小さくすることができる。
【0066】
また、本実施形態(第1~第5変形例を含む。)に係る包装箱1では、折畳み線20が、各外フラップ14,16(または側壁11)の段方向中間部に形成されていたが、これに限らず、折畳み線20は、各外フラップ14,16(または側壁11)の段方向全体に形成されてもよい(図示せず)。また、折畳み線20は、線本体21と3つの切目部22,23とで構成されていたが、本発明はこれに限定されない。3つの切目部22,23の一部または全部が省略されてもよい。また、線本体21(折畳み線20)は、ミシン線であったが、これに限らず、汎用罫線、逆罫線またはリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0067】
また、本実施形態に係る包装箱1では、一対の上外フラップ14が突き合わせになるような延出寸法を有していたが、本発明はこれに限定されない。一対の上外フラップ14は、先端部が離間するような延出寸法に形成されてもよい(図示せず)。これと同様に、一対の下外フラップ16も、先端部が離間するような延出寸法に形成されてもよい(図示せず)。また、各内フラップ13,15が、突き合わせになるような延出寸法に形成され、周壁1Wの開口面の全部を塞いでもよい。
【0068】
また、本実施形態に係る包装箱1は、周壁1Wの上下両端面をフラップ13~16で閉じる所謂A式の段ボール箱であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、包装箱1は、上方のフラップ13,14を省略し、周壁1Wの上端面を開口させたトレイ状に構成されてもよい(図示せず)。このようにトレイ状に構成する場合、下方のフラップ15,16の延出寸法は、端壁10や側壁11の高さよりも長くしてもよい。
【0069】
また、本実施形態に係る包装箱1は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、段ボールシートは、中しん9Aの片面にライナを貼り付けた片面段ボールシートを両面段ボールシートに貼り合せた複両面段ボールシートであってもよい。また、例えば、包装箱1は、紙製の段ボールシートに代えて、厚紙や樹脂製の板等で形成されていてもよい。
【0070】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装箱および包装箱の折り畳み方法における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0071】
1 包装箱
1W 周壁
9A 中しん
9B 表ライナ(ライナ)
9C 裏ライナ(ライナ)
10 端壁(短側壁)
11 側壁(長側壁)
13 上内フラップ(第1フラップ)
14 上外フラップ(第2フラップ)
15 下内フラップ(第1フラップ)
16 下外フラップ(第2フラップ)
20 折畳み線
21 線本体
22 切目部
30 上内側折曲線
31 上外側折曲線
40 下内側折曲線
41 下外側折曲線