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特許7214529発信器、電池管理装置、システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】発信器、電池管理装置、システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/034 20060101AFI20230123BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230123BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230123BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20230123BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20230123BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230123BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
H04B1/034 L
G08B25/04 K
G08B25/10 A
H04B5/02
H04B1/59
H01M10/48 P
G06K19/07 060
G06K19/07 230
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019061436
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020162053
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 沢樹
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-106681(JP,A)
【文献】特開2017-156193(JP,A)
【文献】特開平10-334380(JP,A)
【文献】特開2006-222906(JP,A)
【文献】特開2004-129355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0278701(US,A1)
【文献】特開2018-142762(JP,A)
【文献】特開2009-003707(JP,A)
【文献】特開2016-038755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/02-1/04
G06K 19/00-19/18
G08B 23/00-31/00
H01M 10/42-10/48
H04B 5/00-5/06
H04B 1/00
H04B 1/30
H04B 1/59
H04B 1/72
H04B 11/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を含む発信器情報を発信する発信器であって、
電力を供給する電池と、
前記電池の電池電圧を測定する電圧検知部と、
前記電池の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、前記電池を交換したとして電池交換回数を加算する交換回数処理部と、
前記電池の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、前記電池の稼働時間を計測する稼働時間計測部と、
前記電池交換回数と前記電池電圧と前記稼働時間とを前記発信器情報に含める情報生成部と、
を備えることを特徴とする発信器。
【請求項2】
前記交換回数処理部は、前記電圧検知部で検知した電池電圧が直前の電池電圧と同じ場合、前記電池交換回数を加算しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の発信器。
【請求項3】
前記稼働時間計測部は、前記電圧検知部で検知した電池電圧が直前の電池電圧と同じ場合、前記稼働時間の計測をリセットしない、
ことを特徴とする請求項1に記載の発信器。
【請求項4】
発信器を識別する識別情報に対応づけられていて、当該発信器の電池の交換回数である電池交換回数と前記電池の電池電圧と前記電池の稼働時間とを含む発信器情報を受信する情報受信部と、
前記発信器情報の更新を行う情報更新部と、
前記発信器情報の前記稼働時間または電池電圧の少なくとも1つに基づいて前記電池の交換を要求する交換要求を生成する交換要求生成部と、
前記発信器情報の前記電池交換回数に基づいて前記電池が交換されたことを示す交換通知を生成する交換通知生成部と、
を備えることを特徴とする電池管理装置。
【請求項5】
発信器と電池管理装置とを備えるシステムにおいて、
前記発信器は、
当該発信器を識別する識別情報に対応づけられていて、前記発信器の電池の交換回数である電池交換回数と前記電池の電池電圧と前記電池の稼働時間とを含む発信器情報を発信し
前記電池管理装置は、
前記発信器情報を受信する情報受信部と、
前記発信器情報の更新を行う情報更新部と、
前記発信器情報の前記稼働時間または電池電圧の少なくとも1つに基づいて前記電池の交換を要求する交換要求を生成する交換要求生成部と、
前記発信器情報の前記電池交換回数に基づいて前記電池が交換されたことを示す交換通知を生成する交換通知生成部と、
を備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
コンピュータを、
発信器を識別する識別情報に対応づけられていて、当該発信器の電池の交換回数である電池交換回数と前記電池の電池電圧と前記電池の稼働時間とを含む発信器情報を受信する情報受信部と、
前記発信器情報の更新を行う情報更新部と、
前記発信器情報の前記稼働時間または電池電圧の少なくとも1つに基づいて前記電池の交換を要求する交換要求を生成する交換要求生成部と、
前記発信器情報の前記電池交換回数に基づいて前記電池が交換されたことを示す交換通知を生成する交換通知生成部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信器、電池管理装置、システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者や子供などの見守りや捜索などを行うことが可能な見守りサービスが知られている。
【0003】
特許文献1には、発信器であるビーコン装置を高齢者や子供などの対象者に保持させておき、各所に設置された受信器で発信器からの信号を受信することにより、対象者の所在を特定して、対象者の見守りや捜索等に役立てる技術が開示されている。
【0004】
見守りサービスに用いる発信器には、電池から電力の供給を受けて動作するものがある。このような発信器を用いる場合、発信器が、電池電圧を測定して電池電圧が予め定めた閾値を下回ったことや、電池交換から電池の交換時期として予め想定した稼働時間が経過したことで電池の交換時期を判断するようにしているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-208030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような見守りサービスでは、発信器の電池交換を利用者が行っているため、見守りサービスの提供者側では電池の交換作業が正しく行われたのか、つまり、中古電池を挿入される等を確認することはできなかった。また、発信器が電池挿入からどのくらいの期間稼働しているのか、発信器の電池交換を行ったのかを確認することもできなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発信器が電池挿入からどのくらいの期間稼働しているのか、発信器の電池交換を行ったのか、また、交換作業は正しく行われたのかという情報を得て電池交換にかかる履歴を管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、識別情報を含む発信器情報を発信する発信器であって、電力を供給する電池と、前記電池の電池電圧を測定する電圧検知部と、前記電池の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、前記電池を交換したとして電池交換回数を加算する交換回数処理部と、前記電池の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、前記電池の稼働時間を計測する稼働時間計測部と、前記電池交換回数と前記電池電圧と前記稼働時間とを前記発信器情報に含める情報生成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる発信器、電池管理装置、システムおよびプログラムは、発信器の電池交換にかかる履歴を管理することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る見守りシステムの構成の一例を示す説明図である。
図2図2は、発信器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、感知器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、探索対象管理データのデータ構成を例示的に示す図である。
図5図5は、見守りシステムの各装置が有する機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、見守りシステムの発信器が実行する発信処理の流れを例示的に示すフローチャートである。
図7図7は、見守りシステムの感知器が実行する電池管理処理の流れを例示的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、発信器、電池管理装置、システムおよびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、発信器、電池管理装置、システムおよびプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る見守りシステム1の構成の一例を示す説明図である。実施形態に係る見守りシステム1は、一又は複数の発信器10と、一又は複数の感知器20と、サーバ装置30と、一又は複数のユーザ端末40とを備える。見守りシステム1は、見守り対象に取り付けられた発信器10を感知器20が感知したことを通知された場合に、発信器10を感知したことを予め定められたユーザ端末40等の機器に通知することにより、高齢者や子供などの見守り対象の見守りや捜索を行うシステムである。すなわち、見守りシステム1は、見守り対象に取り付けられた発信器10を感知する感知システムである。
【0013】
発信器10は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信技術により、一又は複数の不特定の感知器20に発信器コードを発信する。ここで、発信器コードは、発信器10を識別可能な識別情報である。発信器10は、小型の端末であって、見守り対象に取り付けられる。見守り対象は、高齢者や子供などの人間であってもよいし、ペット等の動物であってもよいし、鞄等の物品であってもよい。人間や動物に取り付けられた場合には、発信器10は、人間(高齢者や子供など)や動物の見守りや捜索に用いられる。物品に取り付けられた場合には、発信器10は、忘れ物等の捜索に用いられる。
【0014】
感知器20は、電池管理装置として機能するものであって、発信器10から発信された発信器コードを感知する通信機器である。感知器20は、任意の一又は複数の場所に設置される。例えば、感知器20の設置場所は、住居や、高齢者ホームや、路上や、駅や、イベント会場等に設置される。感知器20は、発信器10から発信器コードを受信した場合に、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等のネットワークを介して、発信器10を感知したことを示す感知情報をサーバ装置30に送信する。ここで、感知情報は、受信した発信器コードと、感知器20を識別可能な機器コードとを有している。なお、感知器20は、後述するが、スマートフォンや、タブレット端末等の機器であってもよい。
【0015】
サーバ装置30は、見守りシステム1を管理するセンター等に設置される情報処理装置である。サーバ装置30は、インターネットやVPN等のネットワークを介して、感知器20やユーザ端末40等と接続している。サーバ装置30は、発信器コードと、ユーザ端末40とを関連付けた通知先テーブルを記憶している。サーバ装置30は、感知情報を受信した場合に、感知情報に含まれる発信器コードに関連付けられているユーザ端末40を通知先テーブルから抽出する。サーバ装置30は、抽出したユーザ端末40に向けて、感知情報に含まれる発信器コードの発信器10を感知したことを示す発見情報を送信する。なお、サーバ装置30は、複数の情報処理装置等により構成されるシステムであってもよい。
【0016】
ユーザ端末40は、見守りシステム1のユーザが使用するスマートフォンやタブレット端末等の機器である。ユーザ端末40は、サーバ装置30から発見情報を受信した場合に、発信器10の付近の感知器20が発信器10を感知したことを報知する。すなわち、ユーザ端末40は、発信器10の付近の感知器20が発信器10を感知したことを報知する報知端末として機能する。
【0017】
また、ユーザ端末40は、発信器10から発信された発信器コードを感知する機能を有していてもよい。この機能を有している場合には、ユーザ端末40は、発信器10から発信された発信器コードを感知する感知器となる。すなわち、ユーザ端末40は、発信器10から発信された発信器コードを感知する感知器20(電池管理装置)として機能する。そして、感知器20として機能するユーザ端末40は、発信器10から発信器コードを受信した場合に、発信器10を感知したことを示す感知情報をサーバ装置30に送信する。感知情報には、ユーザ端末40を識別可能な機器コード、該ユーザ端末40の位置情報を有している。
【0018】
次に、見守りシステム1が有する各機器のハードウェア構成について説明する。
【0019】
まず、発信器10のハードウェア構成について説明する。
【0020】
図2は、発信器10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。発信器10は、記憶部11、制御部12、送信部13、電圧検知部14、カウンタ15、電池16を備える。制御部12は、記憶部11、送信部13、電圧検知部14、カウンタ15に接続されており、各部を制御する。
【0021】
電池16は、例えばボタン電池であり、各部に電力を供給する。電圧検知部14は、電池16の電池電圧を測定する。
【0022】
カウンタ15は、制御部12からの指示によりリセットし、カウントアップを開始する(稼働時間計測)。
【0023】
記憶部11は、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の不揮発性の記憶装置である。記憶部11は、例えば、発信器10を識別可能な発信器コード、電池16の交換回数である電池交換回数等を記憶する。電池交換回数は、制御部12により書き換えられる。
【0024】
制御部12は、ワンチップマイコンなどで構成されている。制御部12は、電池16が発信器10に挿入されると、電圧検知部14の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、記憶部11に記憶している電池交換回数を1インクリメントするとともに、カウンタ15にリセット指示を出力する。
【0025】
また、制御部12は、定期的(例えば、1秒ごと)に記憶部11から読み出した発信器コードと電池交換回数と電圧検知部14で測定している電池16の電池電圧と稼働時間(カウンタ15のカウント値)とを発信器情報として送信部13に出力する。
【0026】
送信部13は、制御部12からの発信器コード、電池交換回数、電池電圧、稼働時間(カウンタ15のカウント値)である発信器情報を近距離無線通信により不特定の感知器20やユーザ端末40に発信する。例えば、送信部13は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信技術により通信を行う。
【0027】
次に、感知器20および感知器20として機能する場合のユーザ端末40のハードウェア構成について説明する。ここでは、感知器20を例にして説明する。
【0028】
図3は、感知器20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。感知器20は、記憶部21、受信部22、通信部23、及び制御部24を備える。記憶部21、受信部22、通信部23、及び制御部24は、システムバス25を介して相互に接続している。
【0029】
制御部24は、感知器20の全体の動作を制御し、感知器20が有する各種の機能を実現する。制御部24は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、感知器20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部21等に格納されたプログラムを実行する。
【0030】
制御部24は、詳細は後述するが、発信器情報(発信器コード、電池交換回数、電池電圧、稼働時間)、受信時刻、受信状態を含む探索対象管理データ(図4参照)を管理する。
【0031】
記憶部21は、ROMや、フラッシュメモリや、半導体メモリ素子などの記憶装置である。記憶部21は、制御プログラム211や後述する探索対象管理データを記憶する。制御プログラム211は、オペレーティングシステムや、感知器20が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。また、記憶部21は、予め感知器20毎に決められた感知器IDを記憶している。
【0032】
ここで、図4は探索対象管理データのデータ構成を例示的に示す図である。記憶部21は、制御部24から入力する発信器情報(発信器コード等)、受信時刻、受信状態(接近、離脱)を記憶する。このようにして電池交換にかかる履歴を管理することにより、受信側である感知器20の受信時刻から、発信器10側の必要な情報を取り出すことが可能となっている。なお、受信状態としては、発信器10が感知器20の感知エリア内に入ったことを示す「接近」と、発信器10が感知器20の感知エリアから外れた(離れた)ことを示す「離脱」を設けている。
【0033】
受信部22は、近距離無線通信により発信器10から発信された発信器情報を受信し、制御部24に出力するためのインタフェースである。更に詳しくは、受信部22は、BluetoothやBLE等の近距離無線通信技術により通信を行う。
【0034】
通信部23は、インターネットやVPN等のネットワークを介して、サーバ装置30と接続するためのインタフェースである。通信部23は、制御部24が出力する接近通知、離脱通知、電池の交換要求(電池切れニア)、電池の交換通知(電池交換回数が変わっているので交換されたことがわかる)、をサーバ装置30にネットワークを介して送信する。
【0035】
次に、実施形態に係る見守りシステム1の各装置が有する機能構成について説明する。図5は、見守りシステム1の各装置が有する機能構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
まず、発信器10について説明する。制御部12は、ワンチップマイコンに格納されたプログラムに従って動作することで、図5に示す各機能部をワンチップマイコン上に生成する。具体的には、発信器10の制御部12は、機能部として、交換回数処理部101と、稼働時間計測部102と、情報生成部103とを備える。
【0037】
交換回数処理部101は、電池16の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、電池16を交換したとして電池交換回数を加算する。なお、交換回数処理部101は、電圧検知部14で検知した電池電圧が直前の電池電圧と同じであれば同じ電池16を発信器10に対して出し入れをしただけとみなし、電池交換回数を加算しない。
【0038】
稼働時間計測部102は、電池16の電池電圧が0Vでなくなることをトリガとして、電池16の稼働時間をリセットし計測する。なお、稼働時間計測部102は、電圧検知部14で検知した電池電圧が直前の電池電圧と同じであれば同じ電池16を発信器10に対して出し入れをしただけとみなし、稼働時間をリセットしない。
【0039】
情報生成部103は、発信器コードと電池交換回数と電池電圧と稼働時間とを含む発信器情報を生成する。
【0040】
次に、感知器20について説明する。制御部24のCPUは、RAMに展開した制御プログラム211に従って動作することで、図5に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、感知器20の制御部24は、機能部として、情報受信部201と、情報更新部202と、交換要求生成部203と、交換通知生成部204とを備える。
【0041】
情報受信部201は、発信器10が発信する発信器情報を受信する。
【0042】
情報更新部202は、発信器情報を受信すると、当該発信器情報と探索対象管理データを基に発信器情報の更新を行う。
【0043】
交換要求生成部203は、発信器情報の稼働時間または電池電圧に基づいて電池16の交換を要求する交換要求を生成する。
【0044】
交換通知生成部204は、発信器情報の電池交換回数に基づいて電池16が交換されたことを示す交換通知を生成する。
【0045】
次に、実施形態に係る見守りシステム1の発信器10が実行する発信処理について説明する。ここで、図6は見守りシステム1の発信器10が実行する発信処理の流れを例示的に示すフローチャートである。
【0046】
まず、発信器10の交換回数処理部101は、電圧検知部14で検知した電池電圧が0Vでなくなる、つまり、電池16が発信器10に挿入されたと判断した場合(ステップS1のYes)、記憶部11に記憶している電池交換回数を1インクリメントする(ステップS2)。
【0047】
次いで、発信器10の稼働時間計測部102は、カウンタ15をリセットし、1秒ごとにカウントアップを開始して稼働時間を計測する(ステップS3)。
【0048】
すなわち、発信器10側においては、時刻のカウント機能として、電池16の挿入後に1秒ごとにカウントアップしていき、電池16の交換後にはまたカウンタを0に戻す。
【0049】
なお、発信器10の交換回数処理部101および稼働時間計測部102は、電圧検知部14で検知した電池電圧が直前の電池電圧と同じであれば同じ電池16を発信器10に対して出し入れをしただけとみなし、電池16が発信器10に挿入されたとは判断せず、電池交換回数のインクリメントおよびカウンタ15のリセットを行わない。
【0050】
その後、発信器10の情報生成部103は、定期的(例えば、1秒ごと)に、発信器コード、電池交換回数、電池電圧、稼働時間(カウンタ15のカウント値)を含む発信器情報を生成し、送信部13より発信する(ステップS4)。
【0051】
発信器10の情報生成部103は、ステップS4における発信器情報の生成・発信を、電圧検知部14で検知した電池電圧が0Vになるまで(ステップS5のYes)、繰り返す。
【0052】
これにより、発信器10は、発信器コード、電池電圧、電池交換回数、稼働時間(カウンタ15のカウント値)を含む発信器情報を発信する。
【0053】
次に、実施形態に係る見守りシステム1の感知器20が実行する電池管理処理について説明する。ここで、図7は見守りシステム1の感知器20が実行する電池管理処理の流れを例示的に示すフローチャートである。
【0054】
まず、感知器20の情報受信部201は、発信器10が発信した発信器情報を受信部22を介して受信すると(ステップS11のYes)、探索対象管理データを参照し、新たに受信した発信器情報であるかを判断する(ステップS12)。
【0055】
感知器20の情報更新部202は、新たに受信した発信器情報であると判断した場合(ステップS12のYes)、発信器10が感知器20の受信可能エリアに入ったと判断し、追加受信であるとして、記憶部21の探索対象管理データに追加し更新する(ステップS13)。また、感知器20の交換要求生成部203では、稼働時間または電池電圧を基に、電池切れが近いことを示す電池切れニアかを判断する(ステップS14)。
【0056】
感知器20の交換要求生成部203は、発信器情報の稼働時間または電池電圧に基づいて電池切れニアと判断した場合(ステップS14のYes)、発信器10が感知器20の受信可能エリアに入ったことを示す接近通知と、電池切れが近い(電池切れニアである)ことを示す電池交換要求を生成して、発信器情報および受信時刻とともにサーバ装置30に送信し(ステップS15)、ステップS20に進む。
【0057】
一方、感知器20の交換要求生成部203は、発信器情報の稼働時間に基づいて電池切れニアでないと判断した場合(ステップS14のNo)、接近通知を発信器情報および受信時刻とともにサーバ装置30に送信し(ステップS16)、ステップS20に進む。
【0058】
また、感知器20の交換要求生成部203および交換通知生成部204は、新たに受信した発信器情報でない、つまり、すでに受信中の発信器10の発信器情報であると判断した場合(ステップS12のNo)、発信器情報に含まれる電池交換回数や電池電圧、稼働時間を基に電池切れニアであるか、または、電池交換回数に変化があるかを判断する(ステップS17)。
【0059】
感知器20の交換要求生成部203および交換通知生成部204は、発信器情報の稼働時間または電池電圧に基づいて電池切れニアである、または、電池交換回数に変化があると判断した場合(ステップS17のYes)、電池切れが近いことを示す交換要求、または、電池が交換されたことを示す電池交換通知を生成して発信器情報および受信時刻とともにサーバ装置30に送信し(ステップS18)、ステップS19に進む。
【0060】
感知器20の交換要求生成部203および交換通知生成部204は、発信器情報の稼働時間に基づいて電池切れニアでない、または、電池交換回数に変化がないと判断した場合(ステップS17のNo)、そのままステップS19に進む。
【0061】
ステップS19では、感知器20の情報更新部202は、記憶部21の探索対象管理データを最新情報に更新し、ステップS20に進む。
【0062】
ステップS20では、感知器20の情報更新部202は、最終受信時刻から所定時間(例えば、10分)経過した発信器10があるかを判断する。
【0063】
感知器20の情報更新部202は、最終受信時刻から所定時間経過した発信器10があると判断した場合(ステップS20のYes)、発信器10が感知器20の受信可能エリアから離れたと判断し、探索対象管理データの受信機10の受信状態を離脱へ変更する更新を行う(ステップS21)。また、感知器20の情報更新部202は、発信器10が感知器20の受信可能エリアから離れたことを示す離脱通知を発信器情報および受信時刻とともにサーバ装置30に送信する(ステップS22)。
【0064】
その後、感知器20の情報受信部201は、ステップS11に戻り、発信器10が発信した発信器情報の受信に待機する。
【0065】
これにより、感知器20は、発信器情報(発信器コード、電池交換回数、電池電圧、稼働時間)、受信時刻、受信状態を含む探索対象管理データを管理することができる。また、サーバ装置30では、各所に設置された感知器20から送信される接近通知、離脱通知、交換要求、交換通知とこれらとともに送信される発信機情報および受信時刻を収集することにより、見守りサービスで使用している全ての発信器10の電池交換の履歴を管理することができる。
【0066】
このように本実施の形態によれば、感知器20が、発信器10の発信器情報(発信器コード、電池交換回数、電池電圧、稼働時間)、受信時刻、受信状態を含む探索対象管理データを管理していることにより、発信器10の電池交換にかかる履歴を管理することができる、という効果を奏する。これにより、発信器10に時計機能を搭載しなくても、感知器20での受信時刻から稼働時間を引き算することによって電池16がいつ交換されたのかを知ることができる。また、発信器情報に含まれる稼働時間から、発信器10が電池16の挿入からどのくらいの期間稼働しているのかを知ることができる。さらに、発信器情報に含まれる電池電圧や稼働時間から、電池切れニアなのかを知ることができる。
【0067】
すなわち、発信器10の電池交換時に周囲に感知器20がない場合であっても、発信器10が感知器20の受信可能エリアに入った時に、電池16の交換時刻や電池交換回数を知ることができる。
【0068】
なお、本実施の形態においては、感知器20側で電池切れニアを判断するようにしたが、これに限るものではなく、発信器10側で電池切れニアを判断してから感知器20に送信するようにしてもよい。
【0069】
また、感知器20側で電池管理処理を行うのではなく、サーバ装置30側で電池管理処理を行うようにしてもよい。この場合、サーバ装置30が電池管理装置として機能する。
【符号の説明】
【0070】
1 システム
10 発信器
14 電圧検知部
16 電池
20、30、40 電池管理装置
101 交換回数処理部
102 稼働時間計測部
103 情報生成部
201 情報受信部
202 情報更新部
203 交換要求生成部
204 交換通知生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7