(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】飲料準備マシンを動作するための方法、飲料準備マシン、および動作機器を動作するための方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20230123BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20230123BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20230123BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
A47J31/44 510
A47J31/06 210
A47J31/36 120
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2019534208
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2017083619
(87)【国際公開番号】W WO2018114996
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-11
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン,ドレーン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ホズン
(72)【発明者】
【氏名】フランケ,ドミニク
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-506108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0142748(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0144652(US,A1)
【文献】特表2014-502751(JP,A)
【文献】国際公開第2004/030435(WO,A2)
【文献】特開2004-046714(JP,A)
【文献】特表2013-512697(JP,A)
【文献】中国実用新案第205585842(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0183627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00 - 31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーションパッケージ(3)の使用中に合計製品を作製する飲料準備マシン(1)の動作方法であって、前記飲料準備マシン(1)は、無線通信する通信ユニット(15)を含んでおり、前記方法は、前記飲料準備マシン(1)が、
・前記通信ユニット(15)によって、前記飲料準備マシンにおいてあるアクションをアクティベートするアクティベーションコマンドと、
- 動作機器が、複数の動作機器の複数のグループのうちの特定のグループに属していること、
および、
- 動作機器の識別子、
から選択される情報を示す認証情報とを受信する受信ステップ(81)と、
・前記認証情報に基づいて、前記飲料準備マシン(1)において前記あるアクションをアクティベートすることについて、
複数の動作機器の複数のグループのうちの承認されている特定のグループに属する動作機器または承認されている動作機器の識別子を有する動作機器(4a,4b,4c)から前記アクティベーションコマンドが生じているかどうかを前記飲料準備マシンが検証する検証ステップ(82)と、
前記動作機器がこれについて承認されている場合にのみ、
・前記あるアクションを行なうステップと、を行なうことを含み、
前記飲料準備マシン(1)は、いくつかの動作機器(4a,4b,4c)と無線通信し、
前記認証情報に応じて異なる承認がこれらの動作機器に割り当てられており、前記飲料準備マシン(1)のアクションは、動作機器(4)に割り当てられている承認に従って、この動作機器(4)によってアクティベート可能であるか、または、アクティベート可能ではなく、
前記検証ステップ(82)は、前記飲料準備マシン(1)が、
・前記認証情報に基づき、前記認証情報に割り当てられている承認を決定するステップと、
・この承認が、前記あるアクションのアクティベートを許可するかどうか検証するステップと、を行なうことを含む、方法。
【請求項2】
前記あるアクションをアクティベートする前記アクティベーションコマンドは、前記動作機器から作製を命令するよう前記飲料準備マシンに送信され、前記あるアクションを行なうことは、前記飲料準備マシンが前記合計製品を作製する作製ステップ(85)を行なうことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記承認を決定することは、前記認証情報を、前記飲料準備マシンに格納されている1つまたは複数のさらなる認証データと比較することを含み、前記さらなる認証データのそれぞれに承認が割り当てられている、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの上位承認および少なくとも1つの下位承認が前記飲料準備マシン(1)に格納されており、前記飲料準備マシン(1)は、前記飲料準備マシン(1)のアクチュエータによりマシンアクションを行ない、
・前記上位承認のみが、少なくとも1つのマシンアクションがアクティベートされることが許可されることを含んでおり、
・前記下位承認は、マシンアクションが、アクティベートされることが許可されないことを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
さらに、少なくとも1つの中間承認が前記飲料準備マシン(1)において格納可能であり、
・前記上位承認のみが、中間承認を新しく作成または変更するアクションがアクティベートされることが許可されることを含んでおり、
・前記中間承認は、少なくとも1つのマシンアクションがアクティベートされることを許可されることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
中間承認を作成する際に、この中間承認は、割り当てられた認証情報と一緒に前記飲料準備マシン(1)に格納される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2の動作機器(4b)のための中間承認の作成は、
・第1の動作機器(4a)が、前記飲料準備マシン(1)およびその通信ユニット(15)とそれぞれ通信し、前記飲料準備マシン(1)において中間承認の作成をアクティベートし、前記飲料準備マシン(1)において、基本認証情報がこの中間承認に割り当てられることと、
・前記第1の動作機器(4a)が、前記第2の動作機器(4b)にリモート認証情報を送信することを備え、
前記リモート認証情報が前記飲料準備マシン(1)に格納されている前記基本認証情報と関連すると前記飲料準備マシンが検証することに基づいて、前記リモート認証情報は、前記第2の動作機器(4b)が前記飲料準備マシン(1)において自身を認証することを許可する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の動作機器(4a)が前記第2の動作機器(4b)に前記リモート認証情報を送信する第2の通信媒体が、前記第1の動作機器(4a)が前記飲料準備マシン(1)と通信する第1の通信媒体とは異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の動作機器(4a)は、短距離内でのみ動作する通信を介して前記第2の動作機器(4b)に前記リモート認証情報を送信する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の動作機器(4a)は、
・前記第1の動作機器(4a)のディスプレイ上で文字列を表示し、前記第2の動作機器(4b)においてこのコードを手動で入力することと、
・前記第1の動作機器のディスプレイ上に、たとえばバーコードといった視覚的コードを表示し、前記第2の動作機器(4b)によって前記コードを光学的にスキャニングおよびデコードすることと、
・音響信号と、
・たとえばブルートゥースまたはNFCといった短距離無線プロトコルと、
のうちの1つによって、前記第2の動作機器(4b)に前記リモート認証情報を送信する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
動作機器(4)への承認の前記割り当ては、同じ認証情報と、前記飲料準備マシン(1)に格納される承認とを使用する同じ承認の複数の動作機器(4)が、この認証情報に割り当てられることにより実現される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
動作機器(4)への承認の前記割り当ては、個々の認証情報と、前記飲料準備マシン(1)に格納される承認とを使用する前記動作機器(4)の各々が、この個々の認証情報に割り当てられることにより実現される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記飲料準備マシン(1)における前記あるアクションは、対応するアクティベーションコマンドが、前記飲料準備マシン(1)自身によってベースステーションとして規定される無線ネットワークにおいて受信される場合にのみアクティベート可能である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ポーションパッケージは、コーヒーである抽出材料を含むポーションパッケージングを含み、前記ポーションパッケージの前記使用中に前記合計製品を作製するときに、前記飲料準備マシンが、抽出液によって前記ポーションパッケージングの前記抽出材料から抽出製品を抽出するベースユニットを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記動作機器は、入力ユニットおよび出力ユニットとして機能するタッチセンシティブスクリーンまたはタッチスクリーンを含むユーザインターフェースを備える、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行するように設計されている、飲料準備マシン(1)。
【請求項17】
ユーザとインタラクションし、請求項16に記載の前記飲料準備マシン(1)の通信ユニット(15)と無線通信する動作機器(4a)の動作のためのコンピュータプログラムであって、前記動作機器(4a)上で実行されると、前記コンピュータプログラムは、前記飲料準備マシン(1)に第2の動作機器(4b)への中間承認を作成させるよう、
・前記動作機器(4a)が前記飲料準備マシン(1)にコマンドを送信して、前記飲料準備マシン(1)における割り当てられた基本認証情報を有する中間承認を前記飲料準備マシン(1)に作成させるステップと、
・前記動作機器(4a)がリモート認証情報を前記第2の動作機器(4b)に送信するステップとを実行し、前記リモート認証情報が前記飲料準備マシン(1)に格納されている前記基本認証情報と関連すると前記飲料準備マシンが検証することに基づいて、前記リモート認証情報は、前記第2の動作機器(4b)が前記飲料準備マシン(1)において自身を認証することを許可する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポーションパッケージング(たとえばカプセル)と、ポーションパッケージングに含まれる抽出材料(たとえばコーヒー)とを有するポーションパッケージから飲料などを準備するための飲料準備マシンに関する。特定的には、本発明は、飲料準備マシンの動作のための方法と、飲料準備マシンと、動作機器の動作のためのコンピュータプログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションパッケージ中に存在する抽出材料から飲料などを準備するための飲料準備マシンは、たとえばコーヒーマシンまたはエスプレッソマシンとして公知である。多くの対応するシステムでは、ポーションパッケージングは、抽出材料がたとえば密閉した態様で封止されるカプセルとして設計されている。抽出のために、カプセルは、カプセルレシーバに配置され、たとえば互いに対向する2つの側が突き刺される。一般にお湯である抽出流体が第1の側に投入される。抽出物が第2の側面においてカプセルから放出される。これはいわゆる導入モジュールにおいて行われる。
【0003】
導入モジュールとは別に、たとえばミルクのようなさらに別の飲料構成要素を送達および追加するための1つ以上のさらに別のユニットが存在し得る。したがって、飲料準備マシンは、飲料、または、一般的に言うと2つの部分製品の合計製品を作り出し得る。
【0004】
欧州特許出願第15 194 735号は、いくつかの部分製品の製品を作り出すための飲料準備マシンの動作のための方法を記載しており、当該部分製品の量割合が量割合のグラフィックディスプレイ上でユーザによって適合され得る。
【0005】
欧州特許出願第15 194 667号は、ポーションパッケージのポーションコードにより決定される準備パラメータを使用しながらの飲料準備マシンの動作のための方法を記載している。ここで、個々の準備パラメータはユーザによって適合可能である。
【0006】
たとえば、携帯電話またはスマートフォンといったモバイルまたはポータブルであり得る動作機器との飲料準備マシンの通信のオプションが前述の特許出願に記載されている。動作機器により、準備規定またはレシピが飲料準備マシンに送信され得るか、または、飲料準備マシンに格納される準備規定が修正され得る。当該準備は、飲料準備マシン自体においてユーザによって実行される動作ステップによってアクティベートされることが意図される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の可能な1つの目的は、ユーザにとって快適であると同時に信頼性がある飲料準備マシンの動作を実現することと、この実現を可能にする、飲料準備マシンの動作のための対応する方法、飲料準備マシンおよびコンピュータプログラムを提供することとである。
【0008】
本発明のさらに別の可能な目的は、ユーザのために飲料準備マシンの動作を簡素化することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、特許請求の範囲に記載の飲料準備マシンの動作のための方法、飲料準備マシン、方法、および、コンピュータプログラムによって達成される。
【0010】
したがって、当該方法は、ポーションパッケージを使用しながら合計製品を作製するための飲料準備マシンの動作のために機能し、飲料準備マシンは、無線通信のために設計されている通信ユニットを含んでおり、上記方法は少なくとも、飲料準備マシンによって行なわれる、
・通信ユニットによって、飲料準備マシンにおいてあるアクションをアクティベートするためのアクティベーションコマンドと、認証情報とを受信するための受信ステップと、
・認証情報に基づいて、飲料準備マシンにおいてあるアクションをアクティベートすることについて、特に、作製のリモートアクティベーションについて承認されている動作機器からアクティベーションコマンドが生じているかどうかを検討するための検討ステップと、
動作機器がこれについて承認されている場合にのみ、
・合計製品を作製するために特に作製ステップといったアクションを行なうステップとを含む。
【0011】
実施形態では、認証情報はパスワードの形態で送信(伝送)される。これは公知のPAP(「パスワード認証プロトコル」)であり得る。本願明細書において、パスワードは常に同じものであり得るか、または、システム的に変更され得る。
【0012】
実施形態では、認証情報は、飲料準備マシンおよび動作機器が情報を交換するマルチステップ方法において決定される。これは公知のCHAP(「チャレンジハンドシェイク認証プロトコル」)であり得る。
【0013】
実施形態において、認証情報は、たとえばEAP(「拡張認証プロトコル」)方法、証明書ベースの暗号方法、または、ケルベロスのような認証サーバを利用する方法といったさらに別の方法において決定される。
【0014】
認証情報は、動作機器がある識別性を有しているか、または、動作機器のあるグループに属するという事実を表わす。典型的に、認証情報と、これにより、動作機器の識別性またはグループ加入とが各々、ある承認または承認ステージに割り当てられる。そのような承認は、動作機器が飲料準備マシンにおいてどのアクションをアクティベートし得るか定義し得る。アクションは、飲料準備マシンの作製ユニット(たとえばベースユニットまたは補助ユニット)が、たとえば製品を作製するために、または、マシンを清掃するために、ポンプ、加熱要素、バルブなどといった動作アクチュエータまたはハードウェアユニットによりアクティベートされるマシンアクションであり得る。アクションはさらに、飲料準備マシンに格納されるデータの読出または書込であり得る。
【0015】
承認はたとえば、1つ以上のアクションについて「真」または「偽」の割り当てられた論理値を含むテーブルであり得、当該論理値は、そのアクションが実行されることが許可されているかどうかを表す。しかしながら、承認はさらに、たとえば、承認(たとえば「上位ステージ」または「下位ステージ」の値を有する)を表わす変数を処理するプログラムであって、この変数の値に従って、かつ、これがアクションを実行するかまたは実行しないかによって分岐するプログラムによって、暗黙的にまたは手続きに従って実施され得、飲料準備マシンに格納され得る。
【0016】
実施形態において、飲料準備マシンは、いくつかの動作機器との無線通信のために構成可能であり、異なる承認がこれらの動作機器に割り当てられ、飲料準備マシンのアクションは、動作機器に割り当てられる承認に従って、この動作機器によってアクティベート可能であるか、または、アクティベート可能ではない。
【0017】
実施形態において、上記検討ステップは、飲料準備マシンにおいて行なわれる、
・認証情報に基づき、認証情報に割り当てられる承認を決定するステップと、
・この承認が、特に作製のリモートアクティベーションといったあるアクションのアクティベーションを許可するかどうか検討するステップとを含む。
【0018】
認証情報に基づく承認の決定は、認証情報が、飲料準備マシンに格納されるとともにその各々に承認が割り当てられる1つ以上の認証情報と比較されることによって実行され得る。この割り当ては、異なる態様で、たとえば認証情報および承認のいくつかのペアを含むリストにて、飲料準備マシンにおいて実現され得る。当該手段によって、承認は各ペアにより認証情報に割り当てられる。代替的には、割り当てはさらに、認証情報のリストが各承認に割り当てられることにより行われ得る。これにより、承認はさらに各認証情報に割り当てられる。
【0019】
実施形態において、少なくとも1つの上位承認および少なくとも1つの下位承認が飲料準備マシンに格納されており、飲料準備マシンは、飲料準備マシンのアクチュエータによりマシンアクションを行なうために設計されており、
・上位承認のみが、特に作製ステップといった少なくとも1つのマシンアクションがアクティベートされることを許可されることを含んでおり、
・下位承認は、特に作製ステップといったマシンアクションが、アクティベートされることが許可されないことを含む。
【0020】
これにより、異なる動作機器にそのような異なる承認を割り当てることが可能であり、これにより、上位承認を有する動作機器はマシンアクションをアクティベートすることを承認されるが、下位承認を有する動作機器は承認されない。
【0021】
実施形態において、さらに、少なくとも1つの中間承認が飲料準備マシンにおいて格納可能であり、
・上位承認のみが、中間承認を新しく作成するためのアクション、または、中間承認を変更するためのアクションがアクティベートされることが許可されることを含んでおり、
・中間承認が、特に作製ステップといった少なくとも1つのマシンアクションがアクティベートされることを許可されることを含む。
【0022】
本願明細書において、実施形態において、ちょうど3つの(または中間承認が存在しない場合はちょうど2つの)承認が存在する。他の実施形態において、各々がいくつかの下位承認、中間承認および上位承認を有するグループが存在する。本願明細書において、前述のマシンアクションに関するあるグループの承認と、中間承認の作成または変更とは、同じであるが、他のアクションに関して異なり得る。
【0023】
実施形態において、中間承認を作成する際に、この中間承認は、割り当てられた認証情報と一緒に飲料準備マシンに格納される。
【0024】
実施形態において、第2の動作機器のための中間承認の作成は、第1の動作機器によって実行され、
・第1の動作機器が、飲料準備マシンおよびその通信ユニットとそれぞれ通信し、飲料準備マシンにおいて中間承認の作成をアクティベートし、飲料準備マシン(1)において、基本認証情報がこの中間承認に割り当てられるステップと、
・第1の動作機器が、第2の動作機器にリモート認証情報を送信し、リモート認証情報が、飲料準備マシンに格納される基本認証情報に基づいて、第2の動作機器が飲料準備マシンにおいて自身を認証することを許可するステップとが実行される。
【0025】
ここで使用される基本認証情報は、飲料準備マシンに既に格納されている認証情報と同じであり得るか、または、第1の動作機器から飲料準備マシンに送信され得る。これは、第1の動作機器に割り当てられて飲料準備マシンに格納されている承認は上位承認であるということと、これは飲料準備マシンにおける送信または格納が許可される前に成功裡に検討されたということとを意味する。
【0026】
実施形態では、基本認証情報およびリモート認証情報は同一であり、たとえば、1つ以上のキーを生成するために使用される共通キーまたは暗号の「ソルト」と等しい。
【0027】
他の実施形態では、基本認証情報およびリモート認証情報は互いに異なり、第2の動作機器の認証のための根拠は飲料準備マシンに存在する。たとえば、それらは、「公開キー」符号化方法の公開キーおよび対応する秘密キーであり得る。
【0028】
実施形態において、第1の動作機器が第2の動作機器にリモート認証情報を送信する第2の通信媒体が、第1の動作機器が飲料準備マシンと通信する第1の通信媒体とは異なる。
【0029】
これにより、ハッカーが、ユーザになりすますために、単一の通信媒体を介して通信を傍受することによりすべての情報を得るのを防止し得る。
【0030】
実施形態において、第1の動作機器は、特に、
・第1の動作機器のディスプレイ上で文字列を表示し、第2の動作機器においてこのコードを手動で入力することと、
・第1の動作機器のディスプレイ上に、たとえばバーコードといった視覚的コードを表示し、第2の動作機器によってコードを光学的にスキャニングおよびデコードすることと、
・音響信号と、
・たとえばブルートゥースまたはNFCといった短距離無線プロトコルと
のうちの1つによって、
短距離内でのみ動作する通信を介して第2の動作機器にリモート認証情報を送信する。
【0031】
一時的に変化する表示の明るさにより視覚的コードも表示され得る。
音響信号は、第1の動作機器のラウドスピーカにより送られ得、第2の動作機器のマイクロフォンによって受け取られ得る。
【0032】
実施形態において、動作機器への承認の割り当ては、同じ(すなわち共通の)認証情報と、飲料準備マシンに格納される承認とを使用する同じ承認の動作機器がこの(共通の)認証情報に割り当てられることにより実現される。
【0033】
この場合、認証情報は、すべてが同じ承認を有する動作機器のあるグループに動作機器が属するという事実を表わす。したがって、これにより、飲料準備マシンに格納され認証情報に割り当てられる承認は、飲料準備マシンがある認証情報を受信した後、決定され得る。この承認は、このグループのすべての動作機器に該当する。次いで、この承認に従って、動作機器によって飲料準備マシンにおいて、あるアクションまたは読出アクセスもしくは書込アクセスがアクティベートされることが許可されるかどうか決定され得る。
【0034】
実施形態において、動作機器への承認の割り当ては、個々の認証情報と、飲料準備マシンに格納される承認とを使用する動作機器の各々がこの個々の認証情報に割り当てられることにより実現される。
【0035】
この場合、認証情報は、動作機器がたとえば明白に割り当てられた識別子を有するある個々のものであり、同じ認証情報を有する他の動作機器は存在しないという事実を表わす。次いで、これにより、飲料準備マシンに格納され認証情報に割り当てられる承認は、飲料準備マシンがある認証情報を受信した後、決定され得る。この承認は、ちょうどこの1つの動作機器について有効である(他の同等の承認が存在し得るが、動作機器へのそれらの割り当ては、動作機器と認証情報との間のさらに別の割り当てにより表わされる)。この承認に従って、飲料準備マシンにおいて動作機器によってあるアクションまたは読出アクセスもしくは書込アクセスがアクティベートされることが許可されるかどうか決定され得る。
【0036】
実施形態において、特に作製ステップといった飲料準備マシンにおけるあるアクションは、対応するアクティベーションコマンドが、飲料準備マシン自身によってベースステーションとして規定される無線ネットワークにおいて受信される場合にのみアクティベート可能である。したがって、この場合、飲料準備マシンまたはその通信ユニットは、無線ネットワークのワイヤレスアクセスポイントまたはベースステーションを形成する。
【0037】
記載されたステップは飲料準備マシン上で行なわれるので、飲料準備マシンは前述の方法を実行するために設計されている。
【0038】
コンピュータプログラムは、ユーザとのインタラクションのために、かつ、飲料準備マシンの通信ユニットとの無線通信のために、動作機器の動作のために機能する。動作機器上での実行の際、コンピュータプログラムは少なくとも、第2の動作機器のための中間承認を作成するために、
・飲料準備マシンにおける割り当てられた基本認証情報により中間承認を作成するためのコマンドを飲料準備マシンに送信するステップと、
・飲料準備マシンに格納される基本認証情報に基づいて、第2の動作機器が飲料準備マシンにおいて自身を認証することを許可するリモート認証情報を第2の動作機器に送信するステップとを実行する。
【0039】
動作機器は、タッチスクリーンとして組み合わせられ得る入力デバイスおよび出力デバイスと、データ処理ユニットと、飲料準備マシンとの通信のための通信ユニットとを含む。動作機器は、特にたとえば携帯電話もしくはスマートフォンといったポータブルデバイスのようなモバイルであり得るか、または、スマートウォッチまたはウェアラブルコンピュータのような機能的に同等なデバイスであり得る。動作機器はさらに、たとえばビルディングオートメーション設備またはキッチンオートメーション設備の一部分として、固定された態様で設置され得る。動作機器のおかげで、特に動作機器の入力デバイスおよび出力デバイスといった動作要素ならびにそのプログラマビリティおよび演算パワーが、飲料準備マシンのアクティベーションのために利用され得る。
【0040】
動作機器は、記載された方法の少なくとも一部分を実行するために設計され得る。動作機器は、通信接続を介して飲料準備マシンと通信する。本願明細書において、典型的に、受取容器の選択または全体積と、絶対的または相対的な量割合と、たとえば、温度、部分製品の準備のシーケンス、飲料の名称、ユーザの名前、準備のヒントおよび推奨、カプセルの嗜好といった、随意に部分製品のさらに別のパラメータとを示すデータが、飲料準備マシンに送信される。さらに別のデータは、ユーザが表示されたユーザインストラクションを行なったという事実をシステムに表示する確認入力であり得る。表示されるべき量割合についての初期値、ユーザインストラクションなどは、飲料準備マシンから動作機器に送信され得る。
【0041】
実施形態において、システムは、第2の部分製品としてミルクを随意にミルクの加熱中に供給するために設計されているとともに、ミルク泡を形成し、ミルク泡を合計製品へ第3の部分製品として供給するために設計されている補助ユニットを含む。
【0042】
動作機器上での実行のためのコンピュータプログラムは、動作機器のデジタル処理ユニットの内部メモリにロードされ得、コンピュータプログラムコード手段を含む。コンピュータプログラムコード手段は、動作機器のデジタルデータ処理ユニットにおいて実行される場合に動作機器のために意図される上記方法のステップをこれに行なわせる。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラムコード手段が格納されるデータキャリアまたはコンピュータ読取可能媒体を含む。
【0043】
実施形態において、飲料準備マシンには、自動的にポーションパッケージを供給し得るとともにポーションパッケージをカプセルレシーバへ運び得る供給ユニットが設けられている。供給ユニットは、異なるタイプのポーションパッケージの選択的な供給のために設計され得る。これにより、異なるタイプの合計製品の自動作製が可能になる。本願明細書において、準備規定に従って合計製品を作製する際に、一致するポーションパッケージ、換言すると、準備規定と一貫しているポーションパッケージが自動的に供給され得る。
【0044】
そのような供給ユニットを有するさらに別の実施形態において、作製タスクとして、アクティベーションコマンドおよび割り当てられた準備規定を各々が伴ういくつかの受信ステップが飲料準備マシンにおいて実行され得る。これらのステップは、格納され得、別個の作製ステップで連続的に作業され得る。随意に、作製ステップの完了後、各々の場合において、完了確認ステップがユーザに通知するために行なわれる。検討ステップおよび確認ステップは各々、個々の作製ステップを行なう前に行なわれ得る。ユーザインストラクションは、ある作製ステップの始まりの前に、ちょうど充填された受取容器を空の受取容器に置換することをユーザに要求するために、作製ステップ同士の間においても送信され得る。
【0045】
実施形態において、作製ステップが行われることになる絶対時間が、既に格納されていた作製ステップのための絶対時間の前または後のたとえば3分といった予め規定された長さの間隔内にある場合、ある時間の遅延を伴う作製のプログラミングは受け入れられない。
【0046】
実施形態において、格納された準備規定または作製タスクを記述する情報が、動作ユニットまたは動作機器に表示される。そのような情報は、作製の時間および/またはレシピの名称であり得る。さらに、格納された準備規定または作製タスクが存在するという情報のみが、たとえば特にLEDといった光表示により表示され得る。
【0047】
さらに別の好ましい実施形態は従属項に由来している。本願明細書において、方法の請求項の特徴は、適切な場合、デバイスの請求項およびコンピュータプログラムの請求項と組み合わせられ得、その逆も可能である。
【0048】
本発明の主題は、添付の図面において表わされる好ましい実施形態例として以下により詳細に説明される。各々の場合、概略的な態様で示される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図2】飲料準備マシンの動作のための方法のフロー図である。
【
図3】飲料準備マシンの動作のための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
基本的に、図において、同一部分には同一の参照番号が付されている。
図1は、ポーションパッケージ3からの少なくとも1つの抽出材料で受取容器2を充填するための飲料準備マシン1を有する飲料準備のためのシステムを示す。飲料準備マシン1は、第1の通信接続51を介してイントラネットまたはインターネットのような通信ネットワーク5に接続され得る。たとえば携帯電話またはスマートフォンといったモバイルまたはポータブルであり得る動作機器4a,4b,4cまたは飲料準備マシン1の動作のためにのみ提供される専用デバイスは、第2の通信接続52,52’および通信ネットワーク5を介して間接的な態様で飲料準備マシン1と通信し得るか、または、第3の通信接続53,53’を介して直接的に飲料準備マシン1と通信し得る。2つの動作機器4a,4bは、二方向に、または、たとえば第1の動作機器4aから第2の動作機器4bへの少なくとも一方向に第4の通信接続54を介して互いに通信し得る。
【0051】
飲料準備マシン1は、抽出流体により抽出物を抽出するためのベースユニット10を含む。飲料準備マシン1はたとえば、それ自体公知のタイプのポーションカプセルコーヒーマシンであり、ベースユニット10は導入モジュールであり、抽出流体は圧力下のお湯である。抽出物は受取容器2に供給される。
【0052】
ポーションパッケージ3は、ポーションパッケージング(たとえばカプセル)と、ポーションパッケージングに含まれる抽出材料(たとえばコーヒー)とを含む。
【0053】
飲料準備マシン1は、たとえばミルクおよび/またはミルク泡といった少なくとも1つのさらに別の製品または部分製品を送達または作製し得る補助ユニット11を含んでおり、受取容器2に同様に供給される。補助ユニット11は、少なくとも1つのさらに別の製品を加熱または冷却するための加熱要素および/または冷却要素を含み得る。
【0054】
抽出物および少なくとも1つの部分製品は、同時または連続する態様で受取容器2に供給され、たとえば、コーヒーと、冷たいまたは暖かいミルクと、または冷たいまたは暖かいミルク泡からなる「カフェマキアート」といった合計製品を受取容器2において一緒に形成する。合計製品は、第1の割合21、第2の割合22および第3の割合23からなるものとして概略的に表わされる。受取容器2におけるこれらの割合は、準備規定に依存して、互いの上に積層されるか、または、混合され得る。「割合」は、体積割合または量割合として理解されるべきである。
【0055】
ベースユニット10および補助ユニット11の制御に関し、ユーザによる動作および他のデバイスとの随意の通信のために、飲料準備マシン1は、制御ユニット12、上位制御ユニット13、動作ユニット14および通信ユニット15を含む。
【0056】
制御ユニット12は、たとえばこれらのユニットのポンプ、バルブ、加熱要素などをアクティベートすることによるベースユニット10および補助ユニット11のアクティベーションのために構成され、かつ、温度、圧力、フローなどの測定値を検出(取得)しこれらを処理するために構成される。制御ユニット12の機能は、たとえばマイクロコントローラといった単一の物理電子ユニットによって実現され得るか、または、各々がベースユニット10および補助ユニット11に割り当てられ、通信バスを介して互いに通信するか、もしくは、信号リードを介して個々のアナログ信号あるいはバイナリ信号を送信するいくつかの物理ユニットまたはマイクロコントローラによって実現され得る。
【0057】
上位制御ユニット13は、動作ユニット14および通信ユニット15をアクティベートするために構成される。上位制御ユニット13は、制御ユニットから物理的におよび/またはプログラム技術的に分離される態様で実現され得るが、制御ユニット12と一緒に単一ユニットを形成し得る。このコンテキストでは、実施形態によれば、制御ユニット12および上位制御ユニット13は同一であり得る。
【0058】
動作ユニット14は、たとえばスイッチ、キー、および/または、ジョグダイヤルもしくは調節ホイール、および/または、タッチセンシティブ表面といった入力ユニット141と、ライトまたはスクリーンなどといった光学表示手段、および/または、ラウドスピーカ、加算器などといった音響表示手段を有する出力ユニット142とを含む。実施形態では、動作ユニット14はスクリーンを含まない。飲料準備マシン1のプログラミングに関する情報は、動作機器4のスクリーンに表示され得る。
【0059】
通信ユニット15は、(たとえばWi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)などによる)無線であり得るか、または、(たとえばイーサネット(登録商標)、USB(登録商標)による)有線接続される第1の通信接続51を介する通信のために構成され、特に通信ネットワーク5との通信のために構成される。さらに、通信ユニット15は、(たとえばWi-Fi、ブルートゥース、NFCなどによる)無線の態様で動作ユニット4と通信し得、または、(たとえばUSBによる)有線接続された態様で動作ユニット4と通信し得る。通信ユニット15はさらに、たとえばUSBインターフェイスまたはSDカードインターフェイスを介して、リムーバブルポータブルデータキャリアの読出および書込を行うために構成され得る。
【0060】
1つ以上の動作機器4a,4b,4cが存在し得る。典型的には携帯電話またはスマートフォンであるそのような動作機器4は、たとえば入出力ユニットとして機能するタッチセンシティブスクリーンまたはタッチスクリーンのようなユーザインターフェイス44を含む。付加的または代替的には、動作機器4のボタン(キー)がさらに入力ユニットとして機能し得る。これに加えてまたはこれの代わりに、スピーチ入力が実現され得る。
【0061】
言及されていないが、動作ユニット14および/または動作機器4を介して、情報がユーザに出力され得るとともにユーザの入力が入力され得る。したがって、この記載において、ユーザとのインタラクションが記載される場合、これは、動作ユニット14による出力もしくは入力および/または動作機器4による出力もしくは入力も意味するということが理解されるべきである。したがって、一般化すると、これらはインターフェイスユニットと称され得る。
【0062】
上位制御ユニット13は、たとえば準備規定またはレシピが格納されるメモリ131を含む。準備規定は、ベースユニット10および補助ユニット11の制御のためのコマンドに変換され得る少なくとも制御情報を含む。そのような制御情報は、一方では、ベースユニット10および/または補助ユニット11によって合計製品を作製するために行なわれるべきステップのシーケンスを特定するシーケンス情報を含む。他方では、制御情報はたとえば、以下では一般的に準備パラメータと称される、シーケンスをパラメータ化する温度、体積の詳細、時間の詳細などを含む。
【0063】
シーケンス情報はたとえば、「補助ユニット11の水加熱手段をスイッチオンし、15秒間、導入モジュールのポンプをスイッチオンし、ポンプをスイッチオフした後に、加熱手段が所望の温度になるまで少なくとも5秒間待機し、12秒間ミルクポンプをスイッチオンする」ことを表す。この例において言及される時間および温度は、準備パラメータによって特定され得、および/または、他の準備パラメータおよびセンサの測定値に従った制御によって決定され得る。
【0064】
準備規定はさらにユーザインストラクションを含み得る。これらのインストラクションは、合計製品の準備の一部分であり、ユーザによって行なわれなければならないものである。これについて、ユーザインストラクションは、出力ユニット142または動作機器4のユーザインターフェイス44により表示され得る。たとえば、そのようなユーザインストラクションは、「アイスキューブを追加してください」、「20mlのカラメルシロップを測定してください」、「準備したカラメルシロップを追加してください」、「かき混ぜてください」、または、「挿入されたカプセルおよび選択されたレシピが一致するかどうか検討してください」などである。ユーザインストラクションには、たとえば作製される合計製品のビジュアル表現または選択されたかもしくは実際に挿入されたカプセルのビジュアル表現などが伴い得る。
【0065】
製品を準備するために、制御情報または対応するコマンドが、準備規定に従ってベースユニット10および補助ユニット11によって実現され、準備シーケンスはこれによって実現される。準備規定がユーザインストラクションを含む場合、これらはシーケンスの対応する位置でユーザに表示される。準備シーケンスのその後の制御情報は、入力ユニット141またはユーザインターフェイス44を介したユーザによる承認の後に実施される。当該承認は、システムに対するユーザインストラクションの実行を確定する。
【0066】
準備規定は、ユーザによって適合されることが許可される準備パラメータと、ユーザによって適合され得ない準備パラメータとを含み得る。適合可能な準備パラメータはたとえば、合計製品における部分製品の(体積)割合、部分製品の合計量または温度である。適合可能な準備パラメータについて、準備規定は、ユーザがパラメータを適合しない場合に使用される標準値またはデフォルト値を含み得る。
【0067】
適合可能な準備パラメータを適合するために、飲料準備マシン1の動作ユニット14上または動作機器4のユーザインターフェイス44上において、1つ以上のそのような準備パラメータの選択がユーザに表示され、準備パラメータを適合するためのユーザの入力が検出される。上記入力は、動作ユニット14または動作機器4のタッチスクリーン上で、キーもしくは特定の「矢印キー」における「ボタン」および/または変位可能なマーキングもしくは「スライダ」といった実際のボタンおよび/または仮想ボタンを始動させることにより、実行され得る。
【0068】
動作ユニット4は、量割合のような検出されたユーザ入力を表わす情報、受取容器または合計量の選択、温度選択などを、第3の通信接続53を介して直接的な態様で飲料準備マシン1に送信するか、または、第2の通信接続52および第1の通信接続51を介して間接的に送信する。
【0069】
ポーションパッケージ3にはマシン読取可能なポーションコード33が設けられる。これは、たとえば光学的な態様、機械的な態様、無線を介したワイヤレスな態様で読み取り可能な情報キャリアによって実現され得るか、または、2つ以上のそのような情報キャリアの組み合わせによって実現され得る。ポーションコード33は、ポーションパッケージ3が割り当てられるカテゴリを特定するポーションカテゴリ31を表わす。そのようなカテゴリは、「エスプレッソ」、「普通のコーヒー」、「フィルタコーヒー」、「お茶」および「特別なカプセル」のような異なるカテゴリの飲料または製品であり得る。ポーションコード33はさらに、ポーションパッケージ3が割り当てられるポーション識別性32を表わす。そのような識別性は、「アラビカNo.42」または「コロンビアスペシャル」のようなある個々の製品またはバラエティを表わし得る。同じポーションカテゴリ31を有するポーションパッケージ3は異なるポーション識別性32を有し得る。したがって、異なる識別性のポーションパッケージ3または対応する製品は、ポーションカテゴリ31によりカテゴリにグループ分けされ得る。
【0070】
準備パラメータについて推奨または許容可能な範囲へのポーションコード33またはポーションカテゴリ31および/もしくはポーション識別性32の割り当ては各々の場合、飲料準備マシン1に格納され得る。これにより、ポーションパッケージ3を挿入した後、ポーションコード33に基づいて、ポーションパッケージ3がユーザによってセットされる量割合と適合しているかどうかを自動的に検討し得、および/または、ポーションパッケージ3がユーザによって選択される準備規定と一貫しているかどうかを自動的に検討し得、したがってこれは準備規定に好適である。これがそうでない場合、警告が表示され得、および/または、ポーションパッケージ3のさらに別の処理が停止され得る。代替的には、選択されたカプセルが選択された量割合に特によく適合している場合、肯定的なメッセージを生成することも可能である。たとえば、普通のコーヒーのために意図されるコーヒー量がユーザによって選択されている場合、エスプレッソカプセルは最適ではいない。さらに、ミルクを有する飲料の準備が選択されている場合、クリーニングカプセルまたはお茶カプセルは基本的に好適ではない。
【0071】
図2は、飲料準備マシン1を動作するための方法のシーケンスのフロー図を示す。この方法は、作製プロセスが実行される能力を保証する。別の態様で述べられていなければ、ステップは飲料準備マシン自体によって行なわれる。上記ステップは以下のとおりである。
【0072】
・受信ステップ61:飲料準備マシン1の無線通信ユニット15がアクティベーションコマンドを受信する。
【0073】
・検討ステップ62:飲料準備マシン1が合計製品を作製する準備ができているかどうか検討される。
【0074】
・飲料準備マシン1の準備ができているかどうかに依存する分岐63。
・飲料準備マシン1の準備ができている場合、
・アクティベーションコマンドが受信されたことと、飲料準備マシン1が合計製品を作製する準備ができていることとの確認を通信ユニット15により送信するための確認ステップ64。
【0075】
・飲料準備マシン1による合計製品の作製が行なわれる製造ステップ65。
・作製がエラーなしの態様でその経過をたどったかどうかに依存する第2の分岐66。
【0076】
・作製がエラーなしの態様でその経過をたどった場合、
・合計製品の作製が完了したという完了確認が通信ユニット15を介して送信される完了確認ステップ67。動作機器4は、ユーザのために対応する表示を示す。完了確認ステップ67の実施はさまざまな態様で達成され得る。たとえば、飲料準備マシン1が動作機器4へメッセージをアクティブに送信する「プッシュ」方法、または、動作ユニット4が飲料準備マシン1のステータスを繰り返し照会する「ポーリング」方法により達成され得る。
【0077】
・作製がエラーなしの態様で経過をたどっていない場合、
・合計製品の作製の際にエラーが発生したという作製エラーメッセージが通信ユニット15により送信される作製エラーメッセージステップ68。作製エラーメッセージは、エラーおよび/もしくはその対処のタイプについての情報を含み得るか、または、たとえば動作機器4に格納され表示されるそのような情報を参照し得る。
【0078】
・作製エラーメッセージに基づいてエラーの対処がユーザによって行なわれ得る作製エラー対処ステップ69。
【0079】
・ユーザが動作機器4によりアクティベーションコマンドを新たに送信した後、受信ステップによる上記方法の継続。
【0080】
・飲料準備マシン1の準備ができていない場合、
・アクティベーションコマンドが受信されたが飲料準備マシン1は合計製品を作製する準備ができていないという確認とともにエラー情報が通信ユニット15によって送信されるエラー情報ステップ70。エラー情報は、これを決定した検討ステップのタイプに依存する。エラー情報は、構成要素および/もしくは補助ユニットが存在しないことに関し得、飲料準備マシンの動作状態に関し得、または、準備規定と飲料準備マシンの現在状態との間の非一貫性とに関し得る。
【0081】
・エラー情報に基づいてエラーの対処および/または準備規定の適合がユーザによって行なわれ得るエラー対処ステップ71。
【0082】
・ユーザが動作ユニット4によりアクティベーションコマンドを新たに送信した後、受信ステップによる上記方法の継続。
【0083】
図3は、飲料準備マシン1の動作のための方法のシーケンスのフロー図を示す。この方法は作製プロセスを実行することの承認を保証する。別の態様で述べられていなければ、ステップは飲料準備マシン自体によって行なわれる。上記ステップは以下のとおりである。
【0084】
・受信ステップ81:飲料準備マシン1の無線通信ユニット15がアクティベーションコマンドおよび割り当てられた認証情報を受信する。その後、認証情報はキーとして送信され得る。代替的には、認証情報は、飲料準備マシン1と動作機器4との間の情報の交換の間にマルチステップ方法によって決定され得る。
【0085】
・検討ステップ82:認証情報に基づいて、飲料準備マシン1においてこのあるアクションをアクティベートすることについて、特に、作製のリモートアクティベーションについて承認されている動作機器4a,4b,4cからアクティベーションコマンドが生じているかどうかが検討される。これはたとえば、飲料準備マシン1に格納されている承認であって、特に製造ステップのアクティベーションといったあるアクションがアクティベートされることが許可されているかどうか特定する承認を認証情報に基づいて決定することにより達成される。
【0086】
・動作機器4a,4b,4cが承認されているかどうかに依存する分岐83
・動作機器4a,4b,4cが承認されている場合、
・
図2に関して既に記載された確認ステップ64(随意)、製造ステップ65およびその後のステップ。
【0087】
・動作機器4a,4b,4cが承認されていない場合、
・アクティベーションコマンドが受信されたが、動作ユニット4a,4b,4cが特に作製のリモートアクティベーションといった上記あるアクションをアクティベートする準備ができていないというエラー情報が通信ユニット15によって送信される承認エラーステップ90。このエラー情報は動作機器4において表示され得る。
【0088】
図2および
図3に従った方法は互いに組み合わせられ得る。たとえば、
図2から、
・飲料準備マシン1が合計製品を作製する準備ができているかどうかに関する検討ステップ62と、
・その後の分枝63とが、
図3において、
・分岐83と、
・確認ステップ64(随意)または作製ステップ65との
間に加えられる。
【0089】
異なるステージまたは承認が存在し得る。たとえば、
図1の構成において、作製プロシージャが飲料準備マシン1においてアクティベートされることを許可する上位承認(または「アドミニストレータ承認」)が第1の動作機器4aに割り当てられる。第3の動作機器4cは、この承認を有しておらず、「下位承認」または「ユーザ承認」のみを有している。これらにより、準備規定(レシピ)が適合され飲料準備マシン1に送信され得るが、作製のアクティベーションは飲料準備マシン1自体で行なわれなければならない。すなわち、飲料準備マシン1の動作ユニット14上の動作要素を始動させることにより行なわれなければならない。これにより、任意のユーザが制御されていない態様で作製プロセスをアクティベートすることができないことが保証され得る。
【0090】
中間承認(または「サブアドミニストレータ」)が第2の動作機器4bに割り当てられ得る。この中間承認は、この第2の動作機器4bによる製品の作製のアクティベーションを許可する。
【0091】
動作機器4への中間承認の割り当ては単に、上位承認が割り当てられる動作機器4により達成され得る。したがって、上位承認を有する第1の動作機器4aは、たとえば第2の動作機器4bのような別のものに中間承認を割り当て得る。これは、第1の動作機器4aが第2の動作機器4bにキーまたは一般的な認証情報を割り当てることにより実現され得る。中間承認は飲料準備マシン1においてこの認証情報に割り当てられる。この認証情報は第1の動作機器4aから第2の動作機器4bに送信される。これは好ましくは、傍受保護の目的で、動作機器4が飲料準備マシン1と通信するチャネル以外のチャネルである第4の通信接続54を介して達成される。この他のチャネルは好ましくは、たとえば飲料準備マシン1との通信のためのWi-Fi規格とは対照的なNFC規格またはブルートゥース規格に従って、短距離送信のためにのみ設計されている。他のチャネルも、たとえば第1の動作機器4から出力され第2の動作機器4bによって受信またはスキャニングされるバーコードまたはモールスコードのような光学信号により一方向であり得る。音響信号も一方向の信号として使用され得る。信号によって送信(伝送)される情報は、特に周波数範囲における変調および/または時間範囲における変調により、たとえばキャリア信号上に変調され得る。これらの中には、多周波数符号方法がある。音響信号が、ラウドスピーカまたは振動要素を介して生成され得る。振動要素または振動アラームは、不均衡を有する回転質量を有するモータであり得る。
【0092】
第2の動作機器4bに割り当てられる認証情報は、動作機器4の各々について明瞭であり得る。
【0093】
・共通のアドミニストレーションキーと、各々が動作機器4を単に識別するが承認に対応しない個々の識別キーとの組み合わせとして明瞭であり得る。飲料準備マシン1において作製プロセスをアクティベートするための承認を決定するためにアドミニストレーションキーが飲料準備マシン1に有効かどうか検討され得る。識別キーは、動作機器4aが上位承認を有するかどうか決定するために使用される。飲料準備マシン1を構成する際に、排他的に、構成するために使用されるこの上位承認を有するのは第1の動作機器4aであると特定され得る。その後、中間承認を発行するために、アドミニストレータキーのみが第2の動作デバイス4bに送信され得る。第2の動作ユニット4bは、第1の動作ユニットとは異なる識別キーを有するので、その結果、上位承認を有し得ず、如何なる承認も修正し得ない。
【0094】
・あるいは、識別性をコード化する結合キーと動作機器4の承認とが存在し得る。作製プロセスをアクティベートするための承認と、さらに他の動作機器4への(中間)承認を発行するための承認とを特定する承認が飲料準備マシン1における各結合キーに割り当てられる。その後、結合キーは、中間承認を発行する際に第2の動作機器4bに送信され、中間承認を有する結合キーの割り当てが飲料準備マシン1に格納される。
【0095】
一般に、それは、異なるキーまたは認証情報が第1の動作機器4aから送信されずこの中で生成されなければならないという場合である。適切であることは、認証情報が共有されるという事実である。本願明細書において、秘密キーおよび公開キーのキーペアの生成も「認証情報を共有する」ことを示している。
【0096】
認証情報の送信も、好適な暗号方法の使用中に公衆通信ネットワーク5を介して達成され得る。