IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司の特許一覧

特許7214642タッチ基板及びその製造方法、表示パネル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】タッチ基板及びその製造方法、表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20230123BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230123BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230123BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
G06F3/044 125
G06F3/041 660
G06F3/044 129
G09F9/00 366A
G09F9/30 349Z
G06F3/041 422
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019548456
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2018090604
(87)【国際公開番号】W WO2019047580
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201710791475.0
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲貴▼玉
(72)【発明者】
【氏名】胡 小娟
(72)【発明者】
【氏名】王 静
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲暁▼冬
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ ▲鄒▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 雷
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102915147(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106406605(CN,A)
【文献】特開2015-087818(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0115520(KR,A)
【文献】特開2012-094120(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106293250(CN,A)
【文献】特開2016-129017(JP,A)
【文献】特開2011-086084(JP,A)
【文献】特開2016-001460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/03-3/047
G09F9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ基板であって、
タッチ領域及び前記タッチ領域の周囲に位置するリード領域を備えるベースと、
前記タッチ領域の前記ベース上に並列設置され、それぞれ間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極を備える複数の第1電極ストライプと、
前記タッチ領域の前記ベース上に設置される複数の導電性ブリッジであって、各前記第1電極ストライプのうちのいずれかの隣接する2つの前記第1サブ電極が前記導電性ブリッジの1つを介して電気的に接続される複数の導電性ブリッジと、を備え、
各前記導電性ブリッジは、互いに直接接続された本体部と分岐部を備え、前記本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの前記分岐部が設置されるタッチ基板であって、
前記タッチ基板が、
前記タッチ領域の前記ベース上に並列設置された複数の第2電極ストライプであって、前記第2電極ストライプは、前記第1電極ストライプと同一層に設置され、且つ前記第1電極ストライプが位置する延長線と前記第2電極ストライプが位置する延長線とは、互いに交差し、各前記第2電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極及び隣接する前記第2サブ電極を接続する接続部を備える複数の第2電極ストライプをさらに備え、
前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記接続部は、前記導電性ブリッジの前記本体部の少なくとも一部と重なり、
各前記導電性ブリッジの前記本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に設置され、ベースが位置する面と垂直である方向に、各前記分岐部は、それと部分的に重なる前記第1サブ電極に直接接触して電気的に接続され、
各前記分岐部全体が対応する前記第1サブ電極に接触し、
前記タッチ基板が、前記複数の第2電極ストライプの前記接続部と前記複数の導電性ブリッジとの間に設置される絶縁層をさらに備え、
前記絶縁層は、互いに間隔をおいた複数のサブ絶縁層を備え、前記サブ絶縁層は、前記導電性ブリッジに一対一に対応して設置され、
前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記分岐部の全ての部分が、前記分岐部の全ての部分と重なっている前記第1サブ電極と直接接触して電気的に接続され、前記分岐部の前記本体部と同一層に位置していない部分が、前記ベースが位置する面と垂直である方向で、対応する第1サブ電極と完全に接触し、前記絶縁層と重ならない、タッチ基板。
【請求項2】
記本体部の前記ベースでの正射影の少なくとも一部は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影内に位置し、前記分岐部の前記ベースでの正射影は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影外に位置する請求項に記載のタッチ基板。
【請求項3】
前記ベースが位置する面に平行であり且つ前記接続部を離れる前記サブ絶縁層の表面は、前記導電性ブリッジに接触するエッジが円弧状である請求項に記載のタッチ基板。
【請求項4】
前記ベースが位置する面に平行な平面に、前記サブ絶縁層の平面形状は、円形又は楕円形である請求項に記載のタッチ基板。
【請求項5】
各前記導電性ブリッジの前記本体部と前記分岐部とは、同一層に設置される請求項に記載のタッチ基板。
【請求項6】
前記複数の第2電極ストライプの前記接続部と前記複数の導電性ブリッジとの間に設置され、ビアホールが設置された絶縁層をさらに備え、
前記第1サブ電極と前記導電性ブリッジとは、前記ビアホールを介して電気的に接続される請求項に記載のタッチ基板。
【請求項7】
前記ベースが位置する面に平行な平面に、各前記分岐部のエッジは、円弧状である請求項1~のいずれか1項に記載のタッチ基板。
【請求項8】
前記本体部の同一端部に、隣接する2つの分岐部の夾角は、30度~60度である請求項1~のいずれか1項に記載のタッチ基板。
【請求項9】
前記本体部の同一端部に、少なくとも2つの前記分岐部は、前記本体部の延長線に対して軸対称に設置される請求項1~のいずれか1項に記載のタッチ基板。
【請求項10】
前記本体部は、間隔をおいて並列設置された少なくとも2つの導電性ストリップを備え、各前記導電性ストリップの一端には、少なくとも1つの前記分岐部が設置される請求項1~のいずれか1項に記載のタッチ基板。
【請求項11】
前記導電性ブリッジは、前記第1電極ストライプの前記ベースに近い一側に設置され、又は
前記導電性ブリッジは、前記第1電極ストライプの前記ベースを離れる一側に設置される請求項1~10のいずれか1項に記載のタッチ基板。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のタッチ基板を備える表示パネル。
【請求項13】
タッチ基板の製造方法であって、
タッチ領域及び前記タッチ領域の周囲に位置するリード領域を備えるベースを提供するステップと、
前記タッチ領域の前記ベース上に、並列配置された複数の第1電極ストライプを形成するステップと、
前記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップと、を含み、
各前記第1電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極を備え、各前記第1電極ストライプのうちのいずれかの隣接する2つの前記第1サブ電極が前記導電性ブリッジの1つを介して電気的に接続され、前記導電性ブリッジは、互いに直接接続された本体部と分岐部を備え、前記本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの前記分岐部が設置されるタッチ基板の製造方法であって、
前記タッチ基板が、
前記タッチ領域の前記ベース上に並列設置された複数の第2電極ストライプであって、前記第2電極ストライプは、前記第1電極ストライプと同一層に設置され、且つ前記第1電極ストライプが位置する延長線と前記第2電極ストライプが位置する延長線とは、互いに交差し、各前記第2電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極及び隣接する前記第2サブ電極を接続する接続部を備える複数の第2電極ストライプをさらに備え、
前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記接続部は、前記導電性ブリッジの前記本体部の少なくとも一部と重なり、
各前記導電性ブリッジの前記本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に設置され、ベースが位置する面と垂直である方向に、各前記分岐部は、それと部分的に重なる前記第1サブ電極に直接接触して電気的に接続され、
各前記分岐部全体が対応する前記第1サブ電極に接触し、
前記タッチ基板が、前記複数の第2電極ストライプの前記接続部と前記複数の導電性ブリッジとの間に設置される絶縁層をさらに備え、
前記絶縁層は、互いに間隔をおいた複数のサブ絶縁層を備え、前記サブ絶縁層は、前記導電性ブリッジに一対一に対応して設置され、
前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記分岐部の全ての部分が、前記分岐部の全ての部分と重なっている前記第1サブ電極と直接接触して電気的に接続され、前記分岐部の前記本体部と同一層に位置していない部分が、前記ベースが位置する面と垂直である方向で、対応する第1サブ電極と完全に接触し、前記絶縁層と重ならない、タッチ基板の製造方法。
【請求項14】
前記タッチ領域の前記ベース上に、並列配置された複数の第2電極ストライプを形成するステップをさらに含み、
前記第2電極ストライプと前記第1電極ストライプとは、同一層に配置され且つ互いに交差して配置され、各前記第2電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極及び隣接する前記第2サブ電極を接続する接続部を備え、前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記接続部は、前記本体部と部分的に重なる請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、
前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、複数のサブ絶縁層を備える絶縁層を形成することと、
前記絶縁層が形成された前記ベース上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、前記サブ絶縁層と前記導電性ブリッジを一対一に対応して設置するように前記導電性ブリッジを形成することと、を含み、
前記導電性ブリッジの製造材料の耐食性は、前記第2電極ストライプ及び前記第1電極ストライプの製造材料の耐食性より小さく、前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記本体部の前記ベースでの正射影の少なくとも一部は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影内に位置し、前記分岐部の前記ベースでの正射影は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影外に位置する請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、
前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、複数のサブ絶縁層を備える絶縁層を形成することと、
第1マスクを提供し、前記サブ絶縁層と前記導電性ブリッジを一対一に対応して設置するように、前記第1マスクによって前記ベース上に導電性材料を堆積して複数の前記導電性ブリッジを形成することと、を含み、
前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記本体部の前記ベースでの正射影の少なくとも一部は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影内に位置し、前記分岐部の前記ベースでの正射影は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影外に位置する請求項14に記載の製造方法。
【請求項17】
記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、
前記複数の第1電極ストライプが形成された前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積して絶縁層を形成することと、
前記絶縁層に対してパターニングプロセスを行って前記絶縁層に前記第1サブ電極の一部の領域を露出させるビアホールを形成することと、
前記絶縁層上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って前記導電性ブリッジを形成し、前記導電性ブリッジの前記分岐部を前記ビアホールを介して前記第1サブ電極に電気的に接続することと、を含む請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、
前記ベース上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って前記導電性ブリッジを形成することと、
前記導電性ブリッジが形成された前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積して絶縁層を形成することと、
前記絶縁層に対してパターニングプロセスを行って前記絶縁層に前記導電性ブリッジの一部の領域を露出させるビアホールを形成する、ことと、を含み、
前記タッチ領域の前記ベース上に、並列配置された複数の第1電極ストライプを形成するステップは、
前記絶縁層上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って前記複数の第1電極ストライプを形成し、いずれかの隣接する2つの前記第1サブ電極を前記ビアホールを介して前記導電性ブリッジに電気的に接続することを含む請求項14に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年9月5日に提出した中国特許出願第201710791475.0号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容を本願の一部として援用する。
【0002】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板及びその製造方法、表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
タッチ機能を有する電子表示製品は、ますます消費者に歓迎されており、現在、一般的な技術は、抵抗式、静電容量式及び光学式などを含み、そのうちの静電容量式タッチパッドは、高い正確率、マルチタッチ、高い耐久性及び高いタッチ解像度などの特徴を有するので、現在のハイエンドの消費性電子製品で使用される主なタッチ技術となっている。
【0004】
フレキシブルディスプレイ分野では、複数回の曲げは、電子表示製品の素子を損傷し、電子表示製品の電気的機能に悪影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板を提供し、前記タッチ基板は、タッチ領域及び前記タッチ領域の周囲に位置するリード領域を備えるベースと、前記タッチ領域の前記ベース上に並列設置され、それぞれ間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極を備える複数の第1電極ストライプと、前記タッチ領域の前記ベース上に設置される複数の導電性ブリッジであって、各前記第1電極ストライプのうちのいずれかの隣接する2つの前記第1サブ電極が前記導電性ブリッジの1つを介して電気的に接続される複数の導電性ブリッジと、を備え、各前記導電性ブリッジは、互いに直接接続された本体部と分岐部を備え、前記本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの前記分岐部が設置される。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板は、前記タッチ領域の前記ベース上に並列設置された複数の第2電極ストライプであって、各前記第2電極ストライプは、各前記第1電極ストライプと同一層に設置され、且つ前記第1電極ストライプが位置する延長線と前記第2電極ストライプが位置する延長線とは、互いに交差し、各前記第2電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極及び隣接する前記第2サブ電極を接続する接続部を備える複数の第2電極ストライプをさらに備え、前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記接続部は、前記導電性ブリッジの前記本体部の少なくとも一部と重なる。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、各前記導電性ブリッジの前記本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に設置され、ベースが位置する面と垂直である方向に、各前記分岐部は、それと部分的に重なる前記第1サブ電極に直接接触して電気的に接続される。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、各前記分岐部全体が対応する前記第1サブ電極に接触する。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板は、前記複数の第2電極ストライプの前記接続部と前記複数の導電性ブリッジとの間に設置される絶縁層をさらに備え、前記絶縁層は、互いに間隔をおいた複数のサブ絶縁層を備え、前記サブ絶縁層は、前記導電性ブリッジに一対一に対応して設置され、前記本体部の前記ベースでの正射影の少なくとも一部は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影内に位置し、前記分岐部の前記ベースでの正射影は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影外に位置する。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記ベースが位置する面に平行であり且つ前記接続部を離れる前記サブ絶縁層の表面は、前記導電性ブリッジに接触するエッジが円弧状である。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記ベースが位置する面に平行な平面に、前記サブ絶縁層の平面形状は、円形又は楕円形である。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、各前記導電性ブリッジの前記本体部と前記分岐部とは、同一層に設置される。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板は、前記複数の第2電極ストライプの前記接続部と前記複数の導電性ブリッジとの間に設置され、ビアホールが設置された絶縁層をさらに備え、前記第1サブ電極と前記導電性ブリッジとは、前記ビアホールを介して電気的に接続される。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記ベースが位置する面に平行な平面に、各前記分岐部のエッジは、円弧状である。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記本体部の同一端部に、隣接する2つの前記分岐部の夾角は、30度~60度である。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記本体部の同一端部に、少なくとも2つの前記分岐部は、前記本体部の延長線に対して軸対称に設置される。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記本体部は、間隔をおいて並列設置された少なくとも2つの導電性ストリップを備え、各前記導電性ストリップの一端には、少なくとも1つの前記分岐部が設置される。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、前記導電性ブリッジは、前記第1電極ストライプの前記ベースに近い一側に設置され、又は前記導電性ブリッジは、前記第1電極ストライプの前記ベースを離れる一側に設置される。
【0019】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記いずれかの実施例のタッチ基板を備える表示パネルを提供する。
【0020】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板の製造方法を提供し、前記タッチ基板の製造方法は、タッチ領域及び前記タッチ領域の周囲に位置するリード領域を備えるベースを提供するステップと、前記タッチ領域の前記ベース上に、並列配置された複数の第1電極ストライプを形成するステップと、前記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップと、を含み、各前記第1電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極を備え、各前記第1電極ストライプのうちのいずれかの隣接する2つの前記第1サブ電極が前記導電性ブリッジの1つを介して電気的に接続され、前記導電性ブリッジは、互いに直接接続された本体部と分岐部を備え、前記本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの前記分岐部が設置される。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る製造方法は、前記タッチ領域の前記ベース上に、並列配置された複数の第2電極ストライプを形成するステップをさらに含み、前記第2電極ストライプと前記第1電極ストライプとは、同一層に配置され且つ互いに交差して配置され、各前記第2電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極及び隣接する前記第2サブ電極を接続する接続部を備え、前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記接続部は、前記本体部と少なくとも部分的に重なる。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る製造方法において、各前記導電性ブリッジの本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に設置され、前記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、前記第1電極ストライプ及び前記第2電極ストライプが形成された前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、複数のサブ絶縁層を備える絶縁層を形成することと、前記絶縁層が形成された前記ベース上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、前記サブ絶縁層と前記導電性ブリッジを一対一に対応して設置するように前記導電性ブリッジを形成することと、を含み、前記導電性ブリッジの製造材料の耐食性は、前記第2電極ストライプ及び前記第1電極ストライプの製造材料の耐食性より小さく、前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記本体部の前記ベースでの正射影の少なくとも一部は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影内に位置し、前記分岐部の前記ベースでの正射影は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影外に位置する。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る製造方法において、各前記導電性ブリッジの本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に設置され、前記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、前記第1電極ストライプ及び前記第2電極ストライプが形成された前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、複数のサブ絶縁層を備える絶縁層を形成することと、第1マスクを提供し、前記サブ絶縁層と前記導電性ブリッジを一対一に対応して設置するように前記第1マスクによって前記ベース上に導電性材料を堆積して複数の前記導電性ブリッジを形成することと、を含み、前記ベースが位置する面と垂直である方向に、前記本体部の前記ベースでの正射影の少なくとも一部は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影内に位置し、前記分岐部の前記ベースでの正射影は、前記サブ絶縁層の前記ベースでの正射影外に位置する。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る製造方法において、各前記導電性ブリッジの本体部と分岐部とは、同一層に設置され、前記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、前記第1電極ストライプが形成された前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積して前記絶縁層を形成することと、前記絶縁層に対してパターニングプロセスを行って前記絶縁層に前記第1サブ電極の一部の領域を露出させるビアホールを形成することと、前記絶縁層上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って前記導電性ブリッジを形成し、前記導電性ブリッジの前記分岐部を前記ビアホールを介して前記第1サブ電極に電気的に接続することと、を含む。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る製造方法において、各前記導電性ブリッジの本体部と分岐部とは、同一層に設置され、前記タッチ領域の前記ベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップは、前記ベース上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って前記導電性ブリッジを形成することと、前記導電性ブリッジが形成された前記ベース上に絶縁材料フィルムを堆積して絶縁層を形成することと、前記絶縁層に対してパターニングプロセスを行って前記絶縁層に前記導電性ブリッジの一部の領域を露出させるビアホールを形成することと、を含み、前記タッチ領域の前記ベース上に、並列配置された複数の第1電極ストライプを形成するステップは、前記絶縁層上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って前記複数の第1電極ストライプを形成し、いずれかの隣接する2つの前記第1サブ電極を前記ビアホールを介して前記導電性ブリッジに電気的に接続することを含む。
【0026】
本発明の実施例の技術案を明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は本発明の一部の実施例のみに関し、本発明を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A図1Aは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の平面図である。
図1B図1Bは、図1Aに示されるタッチ基板の領域Aの部分構造模式図である。
図1C図1Cは、図1Bに示されるタッチ基板のM-Nに沿う断面図である。
図1D図1Dは、図1Bに示される導電性ブリッジの構造模式図である。
図2A図2Aは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の導電性ブリッジの別の構造模式図である。
図2B図2Bは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の導電性ブリッジの別の構造模式図である。
図3A図3Aは、本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分断面図である。
図3B図3Bは、本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分断面図である。
図4図4は、本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分構造模式図である。
図5図5は、本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分構造模式図である。
図6A図6Aは本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のプロセス図である。
図6B図6Bは本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のプロセス図である。
図7図7は、本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法の別のプロセス図である。
図8A図8Aは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のまた別のプロセス図である。
図8B図8Bは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のまた別のプロセス図である。
図9A図9Aは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のさらに別のプロセス図である。
図9B図9Bは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のさらに別のプロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。勿論、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。説明される本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0029】
特に定義しない限り、本開示に使用されている技術用語又は科学用語は当業者が理解できる通常の意味を有する。本開示に使用されている「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものにすぎない。「含む」又は「備える」等の類似する用語は、「含む」又は「備える」の前に記載された素子又は部材が、「含む」又は「備える」の後に挙げられる素子又は部材及びその同等物を含むが、ほかの素子又は部材を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置関係を示すだけであり、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0030】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板を提供し、該タッチ基板は、タッチ領域及びタッチ領域の周囲に位置するリード領域を備えるベースと、タッチ領域のベース上に並列設置され、それぞれ間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極を備える複数の第1電極ストライプと、タッチ領域のベース上に設置される複数の導電性ブリッジであって、各第1電極ストライプのうちの隣接する2つの第1サブ電極が導電性ブリッジを介して電気的に接続される複数の導電性ブリッジと、を備え、導電性ブリッジは、本体部と分岐部を備え、本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの分岐部が設置される。導電性ブリッジの両端は、少なくとも2つの分岐部を備える構造として設計され、タッチ基板が曲がり状態にある場合、分岐部は、導電性ブリッジに生じた応力を分散して、応力集中による導電性ブリッジの局所領域への過大な応力を低減させることができ、それにより、導電性ブリッジの破断リスクを低減させ、タッチ基板の収率を向上させることができる。
【0031】
以下、図面を参照しながら、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板及びその製造方法、表示パネルを説明する。
【0032】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板を提供し、タッチ基板は、フレキシブルタッチ基板であってもよく、図1Aは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の平面図であり、図1Bは、図1Aに示されるタッチ基板の領域Aの部分構造模式図であり、図1Cは、図1Bに示されるタッチ基板のM-Nに沿う断面図であり、図1Dは、図1Bに示される導電性ブリッジの構造模式図である。例えば、図1A図1B図1C及び図1Dに示すように、タッチ基板は、タッチ領域110及びタッチ領域110の周囲に位置するリード領域120を備えるベース100と、タッチ領域110のベース100上に並列設置され、それぞれ間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極210を備える複数の第1電極ストライプ200と、タッチ領域110のベース100上に設置される複数の導電性ブリッジ500であって、各第1電極ストライプ200のうちのいずれかの隣接する2つの第1サブ電極210が導電性ブリッジ500の1つを介して電気的に接続される複数の導電性ブリッジ500と、を備え、各導電性ブリッジ500は、本体部510と分岐部520を備え、本体部510の少なくとも一端には、少なくとも2つの分岐部520が設置される。例えば、導電性ブリッジ500の分岐部520は、第1サブ電極210に電気的に接続される。導電性ブリッジ500が曲がり状態にある場合、分岐部520は、導電性ブリッジ500に生じた応力を分散して、導電性ブリッジ500の破断リスクを低減させることができる。
【0033】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1B図1C及び図1Dに示すように、導電性ブリッジ500の本体部510の両端には、それぞれ分岐部520が設置されてもよい。分岐部520は、第1サブ電極210に接触され、タッチ基板が曲がる場合、導電性ブリッジ500に生じた曲げ応力が分岐部520に伝達して、導電性ブリッジ500に生じた応力を分散することができ、応力集中による導電性ブリッジ500の破断を回避する。
【0034】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1B図1C及び図1Dに示すように、タッチ基板は、タッチ領域110のベース100上に並列設置された複数の第2電極ストライプ300をさらに備え、第2電極ストライプ300が位置する延長線と第1電極ストライプ200が位置する延長線とは互いに交差して設置され、各第2電極ストライプ300は、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極310及び隣接する第2サブ電極300を接続する接続部320を備え、ベース100が位置する面と垂直である方向に、接続部320は、導電性ブリッジ500の本体部510の少なくとも一部と重なる。
【0035】
本開示の少なくとも1つの実施例では、第1電極ストライプ及び第2電極ストライプのタイプを制限しない。例えば、第1電極ストライプ及び第2電極ストライプ300のうち、一方は、駆動電極であり、他方は、誘導電極である。第1電極ストライプの第1サブ電極とそれに隣接する第2電極ストライプの第2サブ電極との間に静電容量が形成され、外物が例えばタッチポイントの位置に接近する場合、対応する領域の第1サブ電極と第2サブ電極との間の電気容量を変え、電気容量が変化した対応する静電容量の位置を検出することによって、タッチポイントを位置決めすることができる。
【0036】
本開示の少なくとも1つの実施例では、ベースが位置する面と垂直である方向における第1電極ストライプ及び第2電極ストライプの配置順序を制限せず、隣接する第1サブ電極と第2サブ電極との間に静電容量を形成できればよい。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1Cに示すように、第1電極ストライプ200と第2電極ストライプ300は、同一層に設置されてもよい。例えば、第1電極ストライプ200と第2電極ストライプ300の製造材料は、同じであり、それにより、ベース100上に第1電極ストライプ200と第2電極ストライプ300を同期に製造することができ、タッチ基板の製造プロセスを簡略化させ、コストを低減させる。
【0037】
本開示の少なくとも1つの実施例では、各第1電極ストライプ200の配置及び各第2電極ストライプ300の配置を制限せず、実際の需要、例えばタッチ基板の平面形状に応じて、第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300の配置を行うことができ、各第1電極ストライプ200が位置する延長線と各第2電極ストライプ300が位置する延長線とは互いに交差できればよい。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、各第1電極ストライプ200は、ベース100に平行な第1方向に互いに平行であり且つ間隔をおいて配列され、各第2電極ストライプ300は、ベース100に平行な第2方向に互いに平行であり且つ間隔をおいて配列され、第1方向と第2方向は、交差し、第1電極ストライプ200は、第2電極ストライプ300と交差する箇所で破断し、即ち、複数の第2電極ストライプ300は、各第1電極ストライプ200を複数の第1サブ電極210に離間する。例えば、第1方向と第2方向は、互いに垂直である。
【0038】
以下、第1方向と第2方向が互いに垂直であり、第1電極ストライプが第1方向に間隔をおいて設置され且つ第2電極ストライプが第2方向に間隔をおいて設置されたことを例として、本開示の下記少なくとも1つの実施例の技術案を説明する。
【0039】
例えば、図1A図1B図1C及び図1Dに示すように、タッチ基板のベース100を参照して3次元座標系を作成して、タッチ基板の各部材に対して方向性の指定を行う。上記3次元座標系において、X軸及びY軸の方向は、ベース100が位置する面に平行な方向であり、且つX軸の方向は、第2方向と同じで、Y軸の方向は、第1方向と同じであり、即ち、第1電極ストライプ200は、Y軸の方向に並列設置され、第2電極ストライプ300は、X軸の方向に並列設置され、Z軸は、ベース100が位置する面と垂直である方向である。
【0040】
本開示の少なくとも1つの実施例では、導電性ブリッジの構造を制限せず、導電性ブリッジの本体部の少なくとも一端に、少なくとも2つの分岐部が設置されればよい。
【0041】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1B図1C及び図1Dに示すように、導電性ブリッジ500の本体部510の両端には、それぞれ少なくとも2つの分岐部520が設置される。
【0042】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1Dに示すように、本体部510の同一端部に、少なくとも2つの分岐部520は、本体部510の延長線L(例えば、Y軸の方向に平行である)に対して軸対称に設置される。それにより、タッチ基板は曲がる状態にある場合、本体部510の同一端部に位置する各分岐部520間の応力差を低減させ、導電性ブリッジ500の局所応力が過大になることを回避することができる。
【0043】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1Dに示すように、本体部510の同一端部に、隣接する2つの分岐部520の夾角は、約30度~60度であり、例えば、さらに35度、45度、50度などである。隣接する分岐部520の夾角は、上記範囲に限定されず、実際の需要に応じて設定することができ、本開示の実施例は、制限せず、分岐部520が第1サブ電極210に接続できればよい。
【0044】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、導電性ブリッジ500の本体部510の同一端部に設置された分岐部520の数を制限せず、本体部510の同一端部の分岐部520は、図1Dに示される2つに限定されない。図2Aは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の導電性ブリッジの別の構造模式図である。例えば、図2Aに示すように、導電性ブリッジ500の本体部510の同一端部には、少なくとも3つの分岐部520が設置されてもよい。複数の分岐部520は、互いに間隔をおいてそれぞれ第1電極ストライプ200の第1サブ電極210に接続でき、それにより、導電性ブリッジ500と第1サブ電極210とのマルチ接続を実現でき、導電性ブリッジ500と第1サブ電極210との接続の強度を向上させ、また、導電性ブリッジ500に生じた一部の応力をより多くの分岐部520によって分散することができ、さらに応力集中の問題を緩和させ、且つ、そのうちの1つの分岐部520が破断しても、他の分岐部520が導電性ブリッジ500と第1サブ電極210を接続することができ、タッチ基板の回路の損傷リスクを低減させる。
【0045】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図2Aに示すように、導電性ブリッジ500の本体部510の同一端部に、複数の分岐部520は、扇形に分布することで分岐部520の分布面積を増加させることができ、分岐部520と第1サブ電極210との接触面積を増加させ、分岐部520と第1サブ電極210との接続の強度を向上させる。例えば、複数の分岐部520を幅が本体部510の幅より大きくなるように設置することができ、それにより、導電性ブリッジ500の分岐部510が設置された領域の電流転送チャンネルの断面積を増加させ、導電性ブリッジ500の総抵抗を低減させることができる。
【0046】
例えば、ベース100に平行な断面に、分岐部520のエッジは、丸められた輪郭を有してもよく、例えば、円弧状又は円形などであり、それにより、さらにエッジの応力を改善し、耐屈曲性を向上させることができる。
【0047】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図2Bは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の導電性ブリッジの別の構造模式図である。例えば、図2Bに示すように、導電性ブリッジ500の本体部510は、並列設置された少なくとも2つの導電性ストリップ511を備え、各導電性ストリップ511の少なくとも一端には、少なくとも1つの分岐部520が設置され、即ち、導電性ブリッジ500の本体部510は、柵構造として設置することができる。タッチ基板は曲がる状態にある場合、各導電性ストリップ511が互いに間隔をおいて、各導電性ストリップ511に生じた応力が互いに伝達できず、本体部510に生じた応力が各導電性ストリップ511に分散でき、それにより、本体部510の局所応力が過大になることを回避することができ、さらに導電性ブリッジ500、ひいてはタッチ基板の耐屈曲能力を向上させる。また、上記柵構造を有する本体部510は、光の透過率を向上させ、電子表示製品(例えば、下記実施例の表示パネル)の画像を表示する表示効果を向上させることができる。
【0048】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1Aに示すように、タッチ基板は、リード領域120のベース100上に設置された複数本の第1信号線620及び複数本の第2信号線610をさらに備えてもよく、第1信号線610は、第1電極ストライプ200に一対一に対応して接続され、第2信号線620は、第2電極ストライプ300に一対一に対応して接続される。本開示の少なくとも1つの実施例では、ベース100上の第1信号線610及び第2信号線620の分布を制限せず、実際のプロセス条件に応じて設計することができる。例えば、図1Aに示すように、第1信号線610及び第2信号線620は、ポート領域Bに集合して、外部の制御ユニット、例えば駆動チップなどに電気的に接続される。
【0049】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1Dに示すように、タッチ基板は、導電性ブリッジ500と第2電極ストライプ300の接続部320との間に設置された絶縁層400をさらに備えてもよい。絶縁層400は、導電性ブリッジ500と第2電極ストライプ300との間に充填されて導電性ブリッジ500と第2電極ストライプ300との電気的接続を防止する。絶縁層400の設置は、導電性ブリッジ500と第1電極ストライプ200との電気的接続を確保し且つ導電性ブリッジ500と第2電極ストライプ300との電気的接続を遮断する必要があるため、第1電極ストライプ200、第2電極ストライプ300及び導電性ブリッジ500のベース100での設置位置によって、絶縁層400の設置形態は、複数ある。
【0050】
本開示のいくつかの実施例では、導電性ブリッジの本体部と分岐部とは、同一層に設置されてもよく、本開示の別の実施例では、導電性ブリッジの本体部の少なくとも一部と分岐部とは、異なる層に位置する。絶縁層は、導電性ブリッジと接続部を離間し、従って、導電性ブリッジの本体部及び分岐部の位置は、絶縁層の形状及び設置位置の影響を受け、以下、上記本体部及び分岐部の異なる設置形態をそれぞれ説明する。
【0051】
本開示の少なくとも1つの実施例では、図1Cに示すように、Z軸の方向に、各導電性ブリッジ500の本体部510の少なくとも一部と分岐部520とは、異なる層に設置され、ベース100が位置する面と垂直である方向に、各分岐部520はそれと部分的に重なる第1サブ電極210に直接接触して電気的に接続される。Z軸の方向に、分岐部520の本体部510と同一層に位置していない部分は、第1サブ電極210の全部又は一部に接触でき、且つ絶縁層400と重ならず、従って、導電性ブリッジ500が上記の構造要求を満たすように絶縁層400をパターン化する必要がある。
【0052】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1Dに示すように、絶縁層400は、互いに間隔をおいた複数のサブ絶縁層410を備え、サブ絶縁層410は、導電性ブリッジ500に一対一に対応して設置され、且つベース100が位置する面と垂直である方向(例えば、Z軸に平行な方向)に、導電性ブリッジ500の本体部510のベース100での正射影の少なくとも一部は、サブ絶縁層のベース100での正射影内に位置し、分岐部520のベース100での正射影の少なくとも一部は、サブ絶縁層410のベース100での正射影外に位置する。上記構造のタッチ基板では、導電性ブリッジ500の分岐部520のサブ絶縁層410と重なっていない部分は、第1電極ストライプ200の第1サブ電極210に接触でき、それにより、導電性ブリッジ500と第1サブ電極210との接触面積を向上させ、導電性ブリッジ500と第1サブ電極210との接続を強化することができる。
【0053】
本開示の少なくとも1つの実施例では、導電性ブリッジの分岐部の分布領域を限定しない。分岐部は、図1Cに示される部分的に第1サブ電極に接触することに限定されず、例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、分岐部全体は、第1サブ電極に接触してもよく、それにより、分岐部と第1サブ電極との接続の強度を向上させることができる。
【0054】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1Dに示すように、ベース100が位置する面に平行であり且つ接続部320を離れるサブ絶縁層410の表面は、導電性ブリッジ500に接触するエッジが円弧状である。例えば、絶縁層400のベース100に平行な断面に、絶縁層400のエッジは、すべて円弧状である。例えば、ベース100に平行な断面に、導電性ブリッジ500に接触する部分の断面形状は、円弧状又は円形である。タッチ基板は、曲がる状態にある場合、サブ絶縁層410の円弧状エッジに、サブ絶縁層410と分岐部520が互いに応力を印加する断面が円弧状であり、応力が該円弧状エッジに均一に分布でき、それにより、応力集中による導電性ブリッジ500の破断リスクを低減させる。
【0055】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、絶縁層400の断面形状(例えば、ベース100が位置する面に平行な断面形状)は、円弧状又は円形であり、さらにエッジの応力を改善し、タッチ基板の耐屈曲性能を向上させることができる。
【0056】
本開示の少なくとも1つの実施例では、サブ絶縁層の平面形状を制限せず、サブ絶縁層の分岐部に接触するエッジは、円弧状であればよい。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A図1Dに示すように、ベース100が位置する面に平行な平面に、サブ絶縁層410の平面形状は、円形又は楕円形などの形状である。
【0057】
なお、本開示の少なくとも1つの実施例では、各導電性ブリッジの本体部の少なくとも一部と分岐部とが異なる層に設置されることは、導電性ブリッジの本体部と分岐部とが全て同一層にあることではない状況を示し、導電性ブリッジの本体部及び分岐部のベース上での分布も図1Cに示されることに限定されない。例えば、導電性ブリッジの本体部は、全て同一層に位置し、即ち、本体部のベースでの正射影は、全てサブ絶縁層のベースでの正射影内に位置するようにしてもよく、且つ分岐部は、異なる層に分布でき、例えば、分岐部は、一部がサブ絶縁層のベースを離れる表面に設置され、一部がサブ絶縁層のベースが位置する面と垂直である側表面に設置され、且つ一部が第1サブ電極に設置される。
【0058】
本開示の少なくとも1つの実施例では、図3Aは、本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分断面図である。図3Aに示すように、各導電性ブリッジ500の本体部510と分岐部520とは、同一層に設置されてもよい。本体部510と分岐部520との同一層構造の設置形態によって、導電性ブリッジ500自体構造の安定性を高めることができ、曲げ過程に導電性ブリッジ500の破断リスクを低減させることができる。
【0059】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図3A及び図3Bに示すように、ベース100が位置する面と垂直である方向(例えば、Z軸に平行な方向)に、絶縁層400は、ベース100の表面全体を被覆するように配置され、且つ絶縁層400にはビアホール420が設置され、第1電極ストライプ200の第1サブ電極210と導電性ブリッジ500の分岐部520又は本体部510とは、ビアホール420を介して電気的に接続される。例えば、ビアホール420には、導電体が設置されてもよく、分岐部520と第1サブ電極210とは、該導電体を介して電気的に接続される。例えば、該導電体は、単独で設置されてもよく、第1サブ電極210又は導電性ブリッジ500と同じ材料で形成されてもよく、又は第1サブ電極210又は導電性ブリッジ500と一体に形成されてもよい。
【0060】
本開示の少なくとも1つの実施例では、絶縁層の製造材料を制限せず、例えば、絶縁層の製造材料は、絶縁材料であり、さらに例えば、弾性が良好な絶縁材料である。例えば、絶縁層の製造材料は、シリコンの酸化物(SiOx)、シリコンの窒素化物(SiNx)、酸窒化シリコン、樹脂類などの絶縁材料を含む。
【0061】
本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、第1電極ストライプ、第2電極ストライプ及び導電性ブリッジのY軸方向における配置関係を制限せず、実際の需要に応じて設置することができる。
【0062】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図3Aに示すように、導電性ブリッジ500は、第2電極ストライプ300の接続部320(第2電極ストライプ300は、例えば、第1電極ストライプ200と同一層に設置される)のベース100を離れる一側に設置される。
【0063】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図3Bは本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分断面図である。例えば、図3Bに示すように、導電性ブリッジ500は、ベース100と第2電極ストライプ300の接続部320(第2電極ストライプ300は、例えば、第1電極ストライプ200と同一層に設置される)との間に設置される。
【0064】
本開示の少なくとも1つの実施例では、第1電極ストライプ、第2電極ストライプ及び導電性ブリッジの製造材料を制限しない。例えば、第1電極ストライプ、第2電極ストライプ及び導電性ブリッジの製造材料は、半透明又は透明な導電性材料、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムガリウム(IGO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)及びカーボンナノチューブなどである。例えば、導電性ブリッジ500は、延性が良好な導電性材料、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの金属及びその合金を用いてもよい。
【0065】
同じ材料は、結晶時に接続しやすい(両者間の接続の強度が強い)。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、例えば、第1電極ストライプ、第2電極ストライプ300及び導電性ブリッジを同じ材料で製造でき、且つ形成過程の結晶条件(例えば、温度、圧力などのパラメータ)は近く、それにより、第1電極ストライプ、第2電極ストライプ及び導電性ブリッジ間の接続の強度を向上させる。例示的に、第1電極ストライプ、第2電極ストライプ及び導電性ブリッジの製造材料は、いずれも酸化インジウムスズ(ITO)などであってもよい。
【0066】
本開示の少なくとも1つの実施例では、第1電極ストライプ及び第2電極ストライプなどの平面形状を制限せず、実際の需要に応じて設置することができる。
【0067】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1A及び図1Bに示すように、ベース100が位置する面と垂直である方向(例えば、Z軸に平行な方向)から見て、第2サブ電極310及び第1サブ電極210の平面形状は、菱形である(図1Bに菱形の一部分のみが示される)。上記構造を有する第1サブ電極210及び第2サブ電極310は、タッチ基板の誘導領域を増加させ、タッチ基板の感度を向上させることができる。
【0068】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図4は本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分構造模式図である。例えば図4に示すように、Z軸に平行な方向から見て、第1サブ電極210及び第2サブ電極310の外周エッジの少なくとも一部は、鋸歯形に設置される。上記構造を有するタッチ基板は、良好なインデックスマッチング効果を有し、電子表示製品(本開示の実施例のタッチ基板を含む)の画像を表示する表示効果を向上させることができる。
【0069】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図5は、本開示の一実施例に係る別のタッチ基板の部分構造模式図である。例えば、図5に示すように、隣接する第1サブ電極210と第2サブ電極310との間には、充填電極700が設置されてもよく、且つ充填電極700は、第1サブ電極210及び第2サブ電極310と間隔をおいて設置される。図4に示される第1サブ電極210と第2サブ電極310との間に大きな間隔領域が存在するため、該間隔領域の光透過率が高く、表示画像の輝度分布が不均一であるなどの状況が発生してしまい、表示効果に悪影響を与える。充填電極700は、第1サブ電極210と第2サブ電極310との間の間隔領域を充填でき、それにより、タッチ基板の光透過率の分布均一度を向上させ、画像を表示する表示効果を向上させることができる。例えば、充填電極700は、第1サブ電極210及び第2サブ電極310と同一層に製造され且つ同じ材料で製造されてもよく、タッチ基板の製造プロセスを増加せずに、タッチ基板の光透過率の分布均一度を向上させる。
【0070】
本開示の少なくとも1つの実施例では、タッチ基板の第1サブ電極、第2サブ電極及びその接続部などの寸法を制限しない。例えば、図5のタッチ基板の部分構造を1つのタッチユニットとすることができ、X軸の方向又はY軸の方向に沿う該タッチユニットの寸法は、約3~10ミリメートルである。例えば、タッチ基板を異なる寸法の電子表示製品に適用する場合、対応する電子製品の寸法に応じて、第1サブ電極210、第2サブ電極310及びその接続部320などの構造の寸法を同じスケールで調整することができ、配線の占用スペースを低減させ、コストを低減させることができる。
【0071】
本開示の少なくとも1つの実施例は、前述いずれかの実施例のタッチ基板を備える表示パネルを提供する。
【0072】
本開示の少なくとも1つの実施例では、タッチ基板の表示パネルにおける設置位置を限定しない。例えば、タッチ基板は、表示パネルの表示面一側に設置されてもよく、表示パネルの内部に埋め込んで設置されてもよい。
【0073】
例えば、本開示の実施例の一例では、該表示パネルは、液晶表示パネルであってもよく、例えば、該液晶表示パネルは、互いに対向して液晶セルを形成するアレイ基板と対向基板を備えてもよく、液晶セルには、液晶材料が充填されている。該対向基板は、例えばカラーフィルタ基板であってもよい。アレイ基板の各画素ユニットの画素電極及び共通電極は、電界を印加して液晶材料の回転程度を制御することにより表示操作を行うことに用いられる。
【0074】
例えば、本開示の実施例の一例では、該表示パネルは、有機発光ダイオード(OLED)表示パネルであってもよく、該表示パネルのサブ画素領域に有機発光材料の積層が形成されてもよく、各サブ画素ユニットの画素電極は、陽極又は陰極として有機発光材料を発光駆動させて表示操作を行うことに用いられる。
【0075】
例えば、本開示の実施例の一例では、該表示パネルは、電子ペーパー表示パネルであってもよく、該表示パネルの表示基板に電子インク層が形成されてもよく、各サブ画素ユニットの画素電極は、電子インク中の帯電微粒子を移動駆動して表示操作を行う電圧を印加することに用いられる。
【0076】
本開示の少なくとも1つの実施例では、表示パネルはさらに、携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの、表示機能を有するいずれかの製品又は部材であってもよく、他の機能機器、例えばアクティブスタイラスペン、パッシブスタイラスペンなどと組み合わせてもよい。
【0077】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板の製造方法を提供し、該タッチ基板の製造方法は、タッチ領域及びタッチ領域の周囲に位置するリード領域を備えるベースを提供するステップと、タッチ領域のベース上に、並列配置された複数の第1電極ストライプを形成するステップと、タッチ領域のベース上に複数の導電性ブリッジを形成するステップと、を含み、各第1電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極を備え、各第1電極ストライプのうちのいずれかの隣接する2つの第1サブ電極は導電性ブリッジの1つを介して電気的に接続され、導電性ブリッジは、互いに直接接続された本体部と分岐部を備え、本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの分岐部が設置される。分岐部は、導電性ブリッジに生じた応力を分散することができ、タッチ基板が曲がり状態にある場合、過大な応力による導電性ブリッジの局所領域の破断を回避することができる。
【0078】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、タッチ基板の製造方法は、タッチ領域のベース上に、並列配置された複数の第2電極ストライプを形成するステップをさらに含んでもよく、第2電極ストライプと第1電極ストライプとは、同一層に配置され且つ互いに交差して配置され、各第2電極ストライプは、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極及び隣接する第2サブ電極を接続する接続部を備え、ベースが位置する面と垂直である方向に、接続部は、本体部と部分的に重なる。第1電極ストライプと第2電極ストライプを互いに交差して設置して交差位置に相互容量を形成し、各静電容量の容量変化量を検出することによって、タッチポイントを位置決めすることができ、それによりタッチ基板のタッチ機能を実現する。例えば、第2電極層は、第1電極層と同一層に位置し且つ同一層に製造することができる。
【0079】
なお、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板の製造方法では、タッチ基板の異なる設計構造及び実際のプロセス要求に応じて、タッチ基板の製造方法は、異なってもよい。以下、本開示の少なくとも1つの実施例のいくつもの例では、タッチ基板のいくつかの製造方法を説明する。
【0080】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、各導電性ブリッジの本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に形成される。例示的に、図1Cに示されるタッチ基板の製造を例として、本開示の少なくとも1つの実施例の一例では、タッチ領域110のベース100上に複数の導電性ブリッジ500を形成するステップは、ベース100上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、複数のサブ絶縁層410を備える絶縁層400を形成することと、複数のサブ絶縁層410が形成されたベース100上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、形成したサブ絶縁層410と導電性ブリッジ500を一対一に対応して設置するように導電性ブリッジ500を形成することと、を含み、導電性ブリッジ500の製造材料の耐食性は、第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300の製造材料の耐食性より小さい。本開示の実施例の製造方法で製造されたタッチ基板では、導電性ブリッジ500の本体部510及び分岐部520の分布を制限せず、例えば、ベース100が位置する面と垂直である方向に、本体部510のベース100での正射影の少なくとも一部は、サブ絶縁層410のベース100での正射影内に位置し、分岐部520のベース100での正射影は、サブ絶縁層410のベース100での正射影外に位置する。
【0081】
導電性ブリッジ500の製造材料は、第1電極ストライプ200、第2電極ストライプ300の製造材料とは異なり、パターニングプロセスでは、例えば、導電性ブリッジ500を腐食できるが、第1電極ストライプ200、第2電極ストライプ300を腐食できない腐食液が使用可能であり、例えば、第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300の製造材料のパターニングプロセス中の腐食液に対する耐食性は、導電性ブリッジ500の製造材料のパターニングプロセス中の腐食液に対する耐食性より大きい。例示的に、パターニングプロセス中の腐食液の製造材料は、酸化インジウムスズ(ITO)であり、ITOを例えば王水によって腐食するため、他の腐食液に対する耐食性能が高く、導電性ブリッジ500の製造材料は、例えば銅(Cu)であり、銅材料は、三塩化鉄などでエッチングしうる。
【0082】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、各導電性ブリッジの本体部の少なくとも一部と前記分岐部とは、異なる層に形成される。例示的に、図1Cに示されるタッチ基板の製造を例として、本開示の少なくとも1つの実施例の一例では、タッチ領域110のベース100上に複数の導電性ブリッジ500を形成するステップは、ベース100上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、複数のサブ絶縁層410を備える絶縁層400を形成することと、第1マスクを提供し、形成したサブ絶縁層410と導電性ブリッジ500を一対一に対応して設置するように該第1マスクによってベース100上に導電性材料フィルムを堆積して複数の導電性ブリッジ500を形成することと、を含む。本開示の実施例の製造方法で製造されたタッチ基板では、導電性ブリッジ500の本体部510及び分岐部520の分布を制限せず、例えば、ベース100が位置する面と垂直である方向に、本体部510のベース100での正射影の少なくとも一部は、サブ絶縁層410のベース100での正射影内に位置し、分岐部520のベース100での正射影は、サブ絶縁層410のベース100での正射影外に位置する。
【0083】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、各導電性ブリッジの本体部と分岐部とは、同一層に形成される。例えば、図3Aに示されるタッチ基板の製造を例として、本開示の少なくとも1つの実施例の別の例では、タッチ領域110のベース100上に複数の導電性ブリッジ500を形成するステップは、第1導電性ストリップ200が形成されたベース100上に絶縁材料フィルムを堆積して、例えばタッチ領域全体を被覆可能な絶縁層400を形成することと、絶縁層400に対してパターニングプロセスを行って絶縁層400に第1電極ストライプ200の第1サブ電極210の一部の領域を露出させる複数のビアホール420を形成することと、絶縁層400上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って複数の導電性ブリッジ500を形成し、導電性ブリッジ500の分岐部520をビアホール420を介して第1サブ電極210に電気的に接続することと、を含む。
【0084】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、各導電性ブリッジの本体部と分岐部とは、同一層に形成される。例えば、図3Bに示されるタッチ基板の製造を例として、本開示の少なくとも1つの実施例の別の例では、タッチ領域110のベース100上に複数の導電性ブリッジ500を形成するステップは、ベース100上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って複数の導電性ブリッジ500を形成することと、導電性ブリッジ500が形成されたベース100上に絶縁材料フィルムを堆積して、例えばタッチ領域全体を被覆可能な絶縁層400を形成することと、絶縁層400に対してパターニングプロセスを行って絶縁層400に導電性ブリッジ500の一部の領域(例えば、導電性ブリッジ500の分岐部520の一部の領域)を露出させる複数のビアホール420を形成することと、絶縁層400上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、並列される複数の第1電極ストライプ200を形成し(例えば、並列される複数の第2電極ストライプ300を同期に形成することができる)、第1電極ストライプ200の第1サブ電極210をビアホール420を介して導電性ブリッジ500に電気的に接続することと、を含む。
【0085】
本開示の少なくとも1つの実施例の製造方法で製造されるタッチ基板の構造については、前述実施例(タッチ基板に関する実施例)の関連内容を参照することができ、ここで繰り返し説明しない。
【0086】
以下、本開示の少なくとも1つの実施例では、タッチ基板の製造方法を説明し、図6A図6B図7図8A図8B及び図9A図9Bは、本開示の一実施例に係るタッチ基板の製造方法のプロセス図である。例えば、図6A図6B図7図8A図8B及び図9A図9Bに示すように、図1Cに示されるタッチ基板の製造を例として、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板の製造方法は以下の過程を含み、なお、各導電性ブリッジ500の本体部510の少なくとも一部と分岐部520とは、異なる層に設置される。
【0087】
図6Bは、図6Aに示される領域Aの断面図であり、図6A及び図6Bに示すように、ベース100を提供し、ベース100上に導電性材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、並列される複数の第1電極ストライプ200と複数の第2電極ストライプ300を形成し、各第1電極ストライプ200と各第2電極ストライプ300とは、互いに交差して設置され、ベース100はタッチ領域110及びタッチ領域110の周囲に位置するリード領域120を備え、第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300は、ベース100のタッチ領域に形成され、各第1電極ストライプ200は、間隔をおいて設置された複数の第1サブ電極210を備え、各第2電極ストライプ300は、間隔をおいて設置された複数の第2サブ電極310及び隣接する第2サブ電極310を接続する接続部320を備える。
【0088】
ベースの製造材料は、透明又は半透明なフレキシブル材料であってもよい。例えば、ベースの製造材料は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどの一種又は複数を含む樹脂類材料であってもよい。
【0089】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、パターニングプロセスは、乾式エッチング又は湿式エッチングを含んでもよい。例えば、パターニングプロセスの過程は、パターニングが必要な構造層上にフォトレジスト層をコーティングし、マスクでフォトレジスト層を露光させ、露光させたフォトレジスト層を現像してフォトレジストパターンを得て、フォトレジストパターンをマスクとして構造層をエッチングし、次にフォトレジストパターンを選択的に除去することを含む。
【0090】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図6A及び図6Bに示される第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300の製造過程において、パターニングプロセスによって第1サブ電極210及び第2サブ電極310のエッジを図4に示される鋸歯状に形成することができ、それにより、インデックスマッチング効果を取得する。
【0091】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図6A及び図6Bに示される第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300の製造過程において、導電性材料フィルムに対してパターニングプロセスを行って第1サブ電極210及び第2サブ電極310を取得する過程で、図5に示される充填電極700を同期に取得することができ、それにより、タッチ基板の光透過率の均一性を維持する。
【0092】
図7に示すように、リード領域120のベース100上に第1信号線610及び第2信号線620を形成し、第1信号線610は、第1電極ストライプ200に電気的に接続され、第2信号線620は、第2信号線300に電気的に接続される。なお、本開示の実施例は、第1信号線610及び第2信号線620の形成方式及び製造プロセスステップ全体での配置順序を制限せず、信号線がそれに対応する電極ストライプに接続できればよい。例えば、第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300の製造過程で、導電性材料フィルムに対してパターニングプロセスを行って第1電極ストライプ200、第2電極ストライプ300、第1信号線610及び第2信号線620を同時に形成してもよく、例えば、第1信号線610及び第2信号線620を形成してから第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300を形成してもよく、又は第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300を形成してから第1信号線610及び第2信号線620を形成してもよい。
【0093】
本開示の少なくとも1つの実施例では、第1信号線610及び第2信号線620の製造材料を制限しない。例えば、第1信号線610及び第2信号線620の製造材料は、可撓性が良好な導電性材料、例えば、銅、アルミニウム、銀又は金などの金属又は金属合金などであってもよい。
【0094】
図8Bは、図8Aに示される領域Aの断面図であり、図8A及び図8Bに示すように、第1電極ストライプ200及び第2電極ストライプ300が形成されたベース100上に絶縁材料フィルムを堆積してパターニングプロセスを行って、互いに間隔をおいた複数のサブ絶縁層410を備える絶縁層400を形成し、サブ絶縁層410は、第1電極ストライプ200と第2電極ストライプ300との互いに交差する位置に形成され、Z軸の方向に、サブ絶縁層410は、接続部320と部分的に重なる。例えば、Y軸に沿う方向に、サブ絶縁層410は、接続部320全体を被覆する。サブ絶縁層410の構造は、前述実施例(タッチ基板に関する実施例)の関連説明を参照することができ、本開示の実施例は、ここで繰り返し説明しない。
【0095】
図9Bは、図9Aに示される領域Aの断面図であり、図9A及び図9Bに示すように、第1マスク800を提供し、次に第1マスク800によって、絶縁層400が形成されたベース100上に導電性材料を堆積して複数の導電性ブリッジ500を形成する。導電性ブリッジ500は、本体部510と分岐部520を備え、本体部の少なくとも一端には、少なくとも2つの分岐部520が設置される。例えば、Z軸の方向に、本体部510のベース100での正射影の少なくとも一部は、サブ絶縁層410のベース100での正射影内に位置し、分岐部520のベース100での正射影の少なくとも一部は、サブ絶縁層410のベース100での正射影外に位置する。例えば、第1マスク800によって導電性ブリッジ500を形成する方法は、マグネトロンスパッタリングなどを含んでもよい。導電性ブリッジ500の構造は、前述実施例(タッチ基板に関する実施例)の関連説明を参照することができ、本開示の実施例は、ここで繰り返し説明しない。
【0096】
なお、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板の製造方法では、第1信号線及び第2信号線の形成方式を制限せず、前述実施例(例えば、図7に示されるタッチ基板の製造方法に関する実施例)の関連説明を参照することができ、本開示はここで繰り返し説明しない。
【0097】
本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板及びその製造方法、表示パネルを提供し、以下の少なくとも一つの有益な効果を有する。
【0098】
(1)本開示の少なくとも1つの実施例は、タッチ基板を提供し、タッチ基板の導電性ブリッジは、複数の分岐部を備える分岐構造として設置され、曲がる状態では、導電性ブリッジの一部の応力が異なる分岐部に分散し、応力集中のため導電性ブリッジの局所応力が過大になって破断することを防止する。
【0099】
(2)本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、導電性ブリッジの分岐部は、導電性ブリッジと第1電極ストライプとの接触面積を増加させ、導電性ブリッジと第1電極ストライプとの接続の強度を向上させることができる。
【0100】
(3)本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、導電性ブリッジの分岐部は、導電性ブリッジの電流転送チャンネルの断面積を増加させ、導電性ブリッジの抵抗を低減させることができる。
【0101】
(4)本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板において、絶縁層の導電性ブリッジに向かう表面は、導電性ブリッジに接触するエッジが円弧状に設計され、該エッジの導電性ブリッジの応力分布を改善し、過大な局所応力による導電性ブリッジの破断を防止することができる。
【0102】
なお、
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に関する構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
(2)分かりやすくするために、本開示の実施例を説明する図面において、層又は領域の厚さは拡大又は縮小されており、即ち、これらの図面は実際のスケールで描かれていない。
(3)矛盾のない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を組み合わせて新しい実施例を得ることができる。
【0103】
以上は、本開示の発明を実施するための形態に過ぎず、本開示の保護範囲はそれに限定されず、本開示の保護範囲は、請求項の保護範囲を基準にする。
【符号の説明】
【0104】
100 ベース
110 タッチ領域
120 リード領域
200 第1電極ストライプ、第1導電性ストリップ
210 第1サブ電極
300 第2電極ストライプ、第2信号線、第2サブ電極
310 第2サブ電極
320 接続部
400 絶縁層
410 サブ絶縁層
420 ビアホール
500 導電性ブリッジ
510 本体部、分岐部
511 導電性ストリップ
520 分岐部
610 第1信号線、第2信号線
620 第1信号線、第2信号線
700 充填電極
800 第1マスク
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B