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特許7214688プラズマ発生用可撓性電極アセンブリーおよびこの可撓性電極アセンブリーを含む空気処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】プラズマ発生用可撓性電極アセンブリーおよびこの可撓性電極アセンブリーを含む空気処理システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/22 20060101AFI20230123BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
A61L9/22
H05H1/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020137014
(22)【出願日】2020-08-14
(62)【分割の表示】P 2017507753の分割
【原出願日】2015-08-12
(65)【公開番号】P2020189159
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】1414244.2
(32)【優先日】2014-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516265218
【氏名又は名称】ノヴァーラス パテンツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラハム ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン モーガン
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ ソベロン
(72)【発明者】
【氏名】ナイアル オコナー
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-237954(JP,A)
【文献】特開2004-006152(JP,A)
【文献】特開昭57-045356(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0108460(US,A1)
【文献】特開2007-175695(JP,A)
【文献】国際公開第2018/200825(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0378707(US,A1)
【文献】登録実用新案第3142204(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
H05H 1/00-1/54
B03C 3/00-11/00
B04C 1/00-11/00
B24F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原菌を含んで健康を脅かす浮遊汚染物質を空気流から除去するための空気処理装置であって、
円筒部および閉止端を有する円錐部を含む概ねサイクロン形状の構造を有し、同じ方向に回転する概ね循環流動の領域を画成する管路部と、
該空気処理装置への空気流の流入のために、前記概ね循環流動を容易に確立するように構成される空気流入口ポートと、
該空気処理装置に設置される出口ポートと、
前記管路部に不活性化区域を作り出し、前記管路部の内壁面に当接し、プラズマを発生させる可撓性電極アセンブリーと
を備え、
概ね循環流動を有する前記空気流が内向きに前記管路部を通って前記円錐部の前記閉止端まで移動する時に前記空気流および前記浮遊汚染物質が不活性化区域に付勢されることにより、前記円錐部の前記閉止端に前記空気流の圧力が増大し、前記空気流が反対の外向きに前記管路部を通って前記出口ポートに向かって付勢され、それによって、前記空気流が内向きと反対の外向きに移動する時に、前記空気流中の浮遊汚染物質が前記不活性化区域にさらされることを確実にし、浄化された空気が前記出口ポートから排出され、
前記出口ポートの底端部は前記可撓性電極アセンブリーの端部より高いことを特徴とする空気処理装置。
【請求項2】
前記健康を脅かす浮遊汚染物質が前記可撓性電極アセンブリーから放電するプラズマによって作り出された前記不活性化区域に向けて前記不活性化区域へと付勢されるように、前記空気流が前記管路部の壁に向けられることを特徴とする請求項1に記載の空気処理装置。
【請求項3】
内向きの前記空気流は、前記空気処理装置を通って前記空気流入口ポートから前記閉止端まで内向きに移動するように、複数の平面にて連続した回転流れを持つ概ねらせん渦巻きパターンにあり、
反対の外向きの前記空気流は、前記空気処理装置の長手方向軸線に沿った一つの平面に概ねあり、それによって、前記空気処理装置の複数の平面に連続回転する前記空気流は、空気流中の浮遊汚染物質が空気がプラズマを発生させる前記可撓性電極アセンブリーにさらされることを増大させることを特徴とする請求項2に記載の空気処理装置。
【請求項4】
病原菌を含む可能性がある健康を脅かす浮遊汚染物質を空気流から除去するための空気処理装置であって、
同じ方向に回転する概ね循環流動の領域を画成する円筒部および円錐部と、
該空気処理装置への内向きの空気流の流入のために、らせん渦巻き空気流を容易に確立するように構成される空気流入口と、
不活性化区域を作り出す前記円筒部の内壁面に当接する可撓性電極アセンブリーであって、前記空気流が不活性化区域に付勢されると、前記空気流中の健康を脅かす浮遊汚染物質を非活性化する可撓性電極アセンブリーと、
空気流出口と
を備え、
前記円錐部が閉塞端を有し、
浄化された空気が前記空気流出口から排出され、
前記空気流出口の底端部は前記可撓性電極アセンブリーの端部より高いことを特徴とする空気処理装置。
【請求項5】
前記空気処理装置からの前記空気流出口は、サイクロン構造を有する前記空気処理装置での前記渦巻き空気流の方向の面と同一平面にあり、外へ向かう空気流の方向は、内向きの空気流の方向と逆であることを特徴とする請求項4に記載の空気処理装置。
【請求項6】
前記可撓性電極アセンブリーは、
絶縁シートを形成する可撓性の誘電体層と、
前記絶縁シートの第1の面にある複数の導電性経路と、
前記絶縁シートの第2の面に導電層を形成し、隙間または穴のない一様な導電材料と、
電源周波数と等しい電圧源周波数を有し、前記可撓性電極アセンブリーに電力を供給するように形成されて前記可撓性電極アセンブリーにより発生させられる電離が暗放電またはタウンゼント型の放電となるようなAC電源であって、さらに100mW/cm2よりも小さな単位面積当たりの電力を前記可撓性電極アセンブリーに確実に加えられることができるように形成されたAC電源と
を備え、
前記導電性経路および前記導電層への電圧の印加が前記導電性経路から放電されるプラズマを発生させ、さらに前記複数の導電性経路が前記可撓性電極アセンブリーの第1の層を形成すると共に前記導電層が前記可撓性電極アセンブリーの第2の層を形成し、前記第1の層および前記第2の層への電圧の印加は、前記第1の層からのみ放電して維持される誘電体バリア放電型プラズマを発生させることを特徴とする請求項4に記載の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気処理方法および装置に関する。より詳細には、本発明は、可撓性電極アセンブリーと空気管路システムとを具えた空気処理装置に関する。この装置は、電源をさらに具えることができる。電極アセンブリーは、可撓性の材料から作られ、室内空気中に存在する健康を脅かす浮遊汚染物質を非活性化させると共に室内空気から汚染物質を除去するための低出力放電プラズマを発生させるために用いられる。本発明はまた、健康を脅かす浮遊汚染物質を除去するための空気処理用途にて、このような装置を用いる方法も提供する。
【0002】
さらなる一形態において、本発明はまた、病原菌を含むかも知れない健康を脅かす浮遊汚染物質を空気流から除去するための空気処理装置をも提供し、この空気処理装置は、円筒部および円錐部を具えた概ねサイクロン形状の構造を有する装置を具え、この装置は、同じ方向に回転する概ね循環流動の領域を画成し、当該装置は、該装置へと空気流の流入のための空気流入口であって、前記概ね循環流動を容易に確立するように形成された空気流入口と、該装置内に設けられて健康を脅かす浮遊汚染物質を非活性化させる手段と、該装置から浄化された外へ向かう空気が出る出口とを有する。好ましい一実施形態において、概ねサイクロン形状の構造を有するこの装置は、上で規定された可撓性電極アセンブリーを具えることが理想であり、サイクロン形状の構造の壁に近接して設けられた可撓性電極アセンブリーに関し、健康を脅かす浮遊汚染物質がこの可撓性電極アセンブリーの外側を向く導電層から放出されるプラズマにより作り出される不活性化区域へと向かう方向に付勢されるように、空気流がサイクロン形状の装置の壁の方に向けられるようになっている。
【0003】
他の形態において、本発明は、空気の滅菌および汚染防止のためのプラズマ発生可撓性電極静電集塵器アセンブリーを具え、このプラズマ発生可撓性電極静電集塵器アセンブリーが低出力放電プラズマを発生させると共に空気流中の病原体を非活性化させるように形成された可撓性電極アセンブリーを具えた空気処理器具に関する。
【背景技術】
【0004】
健康を脅かす浮遊汚染物質は、3つのグループ、すなわち(a)空気を介して環境の至るところで拡散する病気を引き起こすあらゆる有機体を包含する浮遊病原菌と、(b)摂取するか、吸い込むか、触れた場合にアレルギー反応を引き起こすあらゆる物質を包含する浮遊アレルゲンと、(c)空気中に浮遊したままとなる微粒子の形態にて高圧で噴霧されるように設計されたあらゆる製品を包含する浮遊揮発性有機化合物(VOC)とに細分されることができる。最後の種類は、多くの洗浄化学物質と、ヘアースプレーと、種々の形態の下塗り塗料と、ガソリンおよび灯油の如き燃料とを他の家庭または化粧または趣味の用品と同様に含む。いくつかの生地、特に最近製造されたものもまた、これらが化学物質をガスの形態にて放出または漏出する場合、長い間、室内に浮遊VOCをもたらす。
【0005】
浮遊汚染物質は、我々が室内環境にて吸い込む空気が汚染されてしまうかも知れないという結果を著しく増大する可能性がある。平均的な人が彼らの生涯のおよそ90%を室内環境にて過ごすことを考慮すると、室内空気から汚染物質を除去することは、アレルギーを減らすと共にシックビル症候群の如き汚染伝播を阻止するために重要であるということが充分に理解されよう。
【0006】
浮遊病原菌を抑制するための既存の最新技術は、(a)浮遊捕捉システムまたはフィルターと、(b)浮遊不活性化システムと、(c)前述のいくつかの組み合わせとの如く分類されることができる。
【0007】
既存の浮遊不活性化技術はまた、化学物質と、UV放射と、プラズマ放電副生成物とを利用するものも含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第WO2003/092751号
【文献】米国特許公開第2004/0184972A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
化学的不活性化の例は、抗菌気化器、とりわけオゾンまたは過酸化水素の利用を含む。これらのシステムは効果的であるけれども、これらはまた、 破壊的であって処理される屋内空間の減圧を必要とし、従って通常の生活環境下での使用に適していない。
【0010】
空気浄化のための他の発明は、紫外線(UV)放射を用いて浮遊細菌を殺すことを含んでいる。例えば、特許文献1は、流体(例えば空気)が多数のUVランプを通過する器具を記述している。この解決方法においては、ただ1つの不活性化機構のみがUV放射を通っていることを理解される。
【0011】
空気フィルター媒体を殺菌するためにプラズマ基を使用することもまた、知られており、例えば特許文献2を参照されたい。この従来技術の文献において、上流プラズマ放電は、媒体フィルターへと上流に流れてこのフィルターにより捕捉されるあらゆる細菌またはウイルスを殺す活性基を生成させることができることを提案している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このようなプラズマ放電に依存するシステムにおいて、プラズマ発生器の設計および構造は、特に重要である。本文献に開示された教示は、空気の滅菌および汚染物質の抑制のために用いることができるプラズマ発生のための電極アセンブリーを述べている。
【0013】
従って、この出願の第1の実施形態は、請求項1に詳述されるような空気処理器具のための可撓性電極アセンブリーを提供する。
【0014】
従って、一つの形態において、本発明は、
絶縁シートを形成する可撓性の誘電体層と、
前記絶縁シートの第1の面にある複数の導電性経路と、
前記絶縁シートの第2の面に導電層を形成し、隙間または穴のない一様な導電材料と、
電源周波数と等しい電圧源周波数を有し、前記電極アセンブリーに電力を与えように形成されて前記アセンブリーにより発生させられる電離が暗放電またはタウンゼント型の放電となるようなAC電源であって、さらに100mW/cm2よりも小さい単位面積当たりの電力を前記電極アセンブリーに確実に加えられることができるように形成されたAC電源と
を具え、前記導電性経路および前記導電層への電圧の印加が前記導電性経路から放出されるプラズマを発生させ、さらに前記複数の導電性経路は前記アセンブリーの第1の層を形成すると共に前記導電層は前記アセンブリーの第2の層を形成し、前記第1の層および前記第2の層への電圧の印加は、前記第1の層からのみ放出されて維持される誘電体バリア放電型プラズマを発生させる空気処理器具のための可撓性電極アセンブリーを提供する。
【0015】
本発明の可撓性電極の利点は、これが任意の望ましい形状の形態を取ることができ、これが挿入される管路または管路部の内側の如き装置の形状に適合することができるということであり、この装置は円筒部と円錐部とを具えた概ね円錐形の構造を有するものを含む。
【0016】
他の形態において、本発明はまた、独立請求項にて詳述したような空気処理システムおよび空気処理装置をも提供する。有利な実施形態が従属請求項に与えられている。
【0017】
さらなる1つの形態において、本発明はまた、病原菌を含む可能性のある健康を脅かす浮遊汚染物質を空気流から除去するための空気処理装置をも提供し、この空気処理装置は、円筒部と円錐部とを具えた概ねサイクロン形状の構造を有する装置を具え、この装置は、同じ方向に回転する概ね循環流動の領域を画成し、当該装置は、空気流の流入のための空気流入口であって、前記概ね循環流動を容易に確立するように形成されている空気流入口と、前記健康を脅かす浮遊汚染物質を非活性化するために該装置内に設けられた手段と、浄化された外へ向かう空気が該装置から出ることができる出口とを有する。好ましい一実施形態において、前記装置からの前記出口は、サイクロン構造を有する前記装置での渦巻き空気流の方向の面と同一平面にあるが、この外へ向かう空気流の方向は、内側の渦巻き空気流の方向と逆であることが理想的である。他の特徴は、従属請求項に含まれている。
【0018】
本発明の空気処理装置の利点は、装置にて費やされる時間が長手方向に通る直接の内側空気流を持つ装置の場合よりもさらに長いように、らせん渦巻き空気流によって装置を通るあらゆる浮遊汚染物質の通路が相対的に長いことを確実にすることであり、それ故、浮遊汚染物質が不活性化区域へと付勢される回数は、直線状の内側空気流と比較して増大しよう。さらなる利点は、装置から外側への空気流が、次に非活性化した浮遊汚染物質を除去し、サイクロン構造の装置の内側にこの物質の蓄積が起こらないようになっていることである。
【0019】
好ましい一実施形態において、本発明は、空気の滅菌および汚染防止のためのプラズマ発生可撓性電極および静電集塵器のアセンブリーを具えた空気処理器具に関し、プラズマ発生可撓性電極および静電集塵器のアセンブリーは、低出力放電プラズマを発生させるために形成された可撓性電極アセンブリーを具えている。
【0020】
一つの形態において、本発明は、帯電浮遊粒子をもたらすように形成された静電集塵器であって、この静電集塵器の近傍にて浮遊粒子を帯電させる静電集塵器と、この静電集塵器に近接しているが、これからあらかじめ決められた距離に配されて静電集塵器との連携のために形成された可撓性電極アセンブリーを具えたプラズマ発生器であって、このプラズマ発生器の領域に不活性化区域を作り出すように形成されるプラズマ発生器とを具えた空気処理装置を提供し、この空気処理器具は、静電集塵器により生成される帯電浮遊粒子を不活性化区域へと導く手段を具え、当該空気処理器具が帯電浮遊粒子を生成させてこの帯電浮遊粒子を直ちに不活性化区域へと導き、帯電浮遊粒子を不活性化区域にあるプラズマにさらすようになっている。静電集塵器により生成される帯電浮遊粒子を不活性化区域へと導くための手段は、静電集塵器とプラズマ発生器との間に印加される電圧を具えることができ、空気処理器具が帯電浮遊粒子を生成させると同時に、前記帯電浮遊粒子をプラズマ発生器の方に引き付けることにより、帯電浮遊粒子が不活性化区域にてプラズマにさらされるように、生成した帯電粒子を不活性化区域へと導くようになっている。
【0021】
この特許明細書の全体に亙り、「不活性化区域」という用語は、プラズマが放出されて病原菌を含む浮遊汚染物質を非活性化させるために有効である領域を意味していると理解すべきである。健康を脅やかす可能性があるこのような浮遊汚染物質(すなわち浮遊汚染物質)は、3つのグループ、すなわち、(a)空気を介して環境の至るところで拡散する病気を引き起こすあらゆる有機体を包含する浮遊病原菌と、(b)摂取するか、吸い込むか、触れた場合にアレルギー反応を引き起こすあらゆる物質を包含する浮遊アレルゲンと、(c)空気中に浮遊したままとなる微粒子の形態にて高圧で噴霧されるように設計されたあらゆる製品を包含する浮遊揮発性有機化合物(VOC)とに細分されることができる。本発明の空気処理装置におけるプラズマ発生器によって発生するプラズマは、細分された(a)から(c)に規定したようなあらゆる浮遊汚染物質を非活性化させるために有効である。
【0022】
従って、空気処理装置は、帯電浮遊粒子を不活性化区域へと引き付けるように形成され、これは、すべての荷電粒子をプラズマ発生器の表面に引き付けさせようとするのとは同じではなく、実際、このようなすべての荷電粒子がプラズマ発生器の表面にあった場合、それ自体、プラズマ発生器の効果的な作業を妨げる可能性があるので、望ましくなかろう。本発明の空気処理装置は、プラズマ発生器、好ましくはプラズマを発生させるための可撓性電極アセンブリーを具え、これは、1W/cm2未満の電力密度にて作動するように形成されてプラズマ放電を動作可能に発生させる。
【0023】
好ましい実施形態において、プラズマ発生器は、可撓性電極アセンブリーを具え、この可撓性電極アセンブリーは、当該可撓性電極アセンブリーの長手方向軸線を取り巻く円周方向にプラズマ放電を動作可能に発生させるため、1W/cm2未満の電力密度にて動作するように形成される。可撓性電極アセンブリーが空気処理装置の内壁の少なくとも一部に、好ましくは内壁の少なくとも一部に近接して円周方向に設けられることができるけれども、しかしながら、可撓性電極アセンブリーは、装置の壁の領域にて不活性化区域を与えるために十分な任意の望ましい寸法にできることを理解しなければならない。この不活性化区域は、可撓性電極アセンブリーから外側に最大で約1cmまで延在する。非活性化される浮遊汚染物質を整然と可撓性電極アセンブリーに衝突させることは、浮遊汚染物質にとって必要ではなく、浮遊汚染物質にとっては不活性化区域へと入ることで充分である。理想的には、本発明の空気処理装置のサイクロンの構成において、回転する内側空気流の渦巻き動作のため、浮遊汚染物質が何度も不活性化区域へと流入しよう。この内側空気流は、サイクロン空気流を確立するように形成される内側空気流ポートを通って空気処理器具へと向けられる。この空気流ポートは、サイクロン空気流を確立するために連携する複数の壁を具えている。
【0024】
プラズマ発生器は、0.1から0.5W/cm2までの範囲にある電力密度にて動作するように形成されることが最も好ましい。これは、プラズマ発生のための相対的に低出力密度であり、プラズマ発生器の周囲に不活性化区域を作り出すために有効である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
さて、本発明の多くの形態および実施形態を単なる事例として示す添付図面を参照して本出願が記述されよう。
図1】本教示に従った電極アセンブリーの第1の面からの図である。
図2図1の電極アセンブリーの第2の面からの図である。
図3】半円形様式にて曲げられた本教示に従う電極アセンブリーの第1の面からの図である。
図4】半円形様式にて曲げられた本教示に従う電極アセンブリーの第2の面からの図である。
図5】導管内に配置された本教示に従う可撓性電極アセンブリーの図である。
図6】導管内に配置された図5の可撓性電極アセンブリーの拡大図である。
図7】導管内の可撓性電極アセンブリーの配置のための他の構造の図である。
図8図7の他の配置構造の横断面図である。
図9】可撓性電極アセンブリーの第1の層、すなわち可撓性電極のプラズマ発生面および可撓性電極アセンブリーの第2の層、すなわち可撓性電極の背面に対する電源のための結合を示す概略図である。
図10】概ね円筒部および概ね円錐部を具えた概ねサイクロン構造の形態にある空気処理装置の一実施形態の立体投影図である。
図11】下向きらせん渦巻き内側空気流および上向き外側空気流を示す図10の空気処理装置の断面図である。
図12】サイクロン構造の空気処理装置内の空気流の方向に対して接線方向に設けられた斜交空気流入口を示す上方からの断面図である。
図13】サイクロン構造の円筒部の内壁に近接して設けられているのを示す図1から図4の可撓性電極アセンブリーを示した空気処理装置の他の実施形態の断面図である。
図14】空気処理装置の他の実施形態の断面図であり、装置が逆さまにされている、すなわち図13に示されるような装置に対して180度の角度でひっくり返されていることを除き、図13の実施形態と同じ特徴を具え、これは、成分の分離のために一般的に用いられる従来のサイクロンと同じ方法で装置が作動しないことを明示し、本発明はその機能と完全に異なっている。
図15】可撓性電極アセンブリーを含んだ図13に示されたものと類似する他の実施形態の縦断面図である。
図16図14に示された実施形態のさらなる図である。
図17図13および図15に示されたものと類似した他の実施形態の縦断面図であり、空気処理アセンブリーの円筒部に囲い込まれる可撓性電極アセンブリーを有し、可撓性電極が空気処理装置の円筒部の長手方向に沿ってより長い範囲に延在している。
図18図17に示される実施形態のさらなる図である。
図19図13の空気処理装置の他の立体投影図である。
図20】可撓性電極アセンブリーがサイクロン構造の空気処理装置の壁に近接して囲い込まれるか、または囲い込まれない可能性がある図11に示した空気処理器具の他の一実施形態であり、この実施形態において、空気流中の健康を脅かす汚染物質を非活性化する他の一手段が用いられ、例えばUV光源を使用すると共にUV反射層がコーティングされた空気処理器具の内壁を有し、UV光源からのUV光線が矢印にて示す方法にて内側で反射されるようになっている。
図21】空気処理装置のさらなる他の一実施形態であり、静電集塵器が可撓性電極アセンブリーとの連携のために空気処理装置に含まれ、図21および図22に示すこの実施形態においては、静電集塵器が針アレイの形態にある。
図22】針電極静電集塵器をより詳細に示す図21の空気処理装置の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本教示は、管路システムと共に用いられてこの管路システムを通過する空気を処理するためのプラズマを動作可能に発生させる可撓性電極アセンブリーを具えた空気処理装置に関する。この装置は、可撓性電極アセンブリーに接続してプラズマの発生に用いられる電力を与える電源をさらに具えることができる。加えて、空気を強制的に管路システムに通過させるためにインペラーが必要とされる可能性がある。このような部材の組み合わせをもたらすことにより、電力が電極アセンブリーに加えられた場合、低出力プラズマ放電場を発生させて管路システムを通過する空気中の微生物か、病原菌か、酸化有機浮遊汚染物質および粒子を効果的に滅菌することが可能である。
【0027】
電源は、1kVから10kVまでの振幅範囲の出力電圧を持つ高電圧発生器であってよい。この高電圧発生器は、直流(DC)または交流(AC)電流型のものであってよい。典型的な一実施形態は、AC電源によって駆動される。この実施形態において、電圧源周波数は電源周波数、すなわち地理的地域に依存する50から60Hzまでと同じである。他の一実施形態において、電源周波数は、キロヘルツの値域、例えば1kHzから250kHzまでであってよい。さらなる他の実施形態は、上述したものよりも上か、または下の値域に変調周波数を持つAC電源を設けることができる。
【0028】
可撓性電極アセンブリーの構造は、電極が誘電体層101の前側および後ろ側に装着された誘電体層101を具えた電極アセンブリー100を示す図1および図2を参照して最も良く記述されている。この方法において、電極は、誘電体層の両側に設けられている。
【0029】
電極は、導電層をそれぞれ具えている。第1の導電層102は、列間に狭い隙間を残した導電性経路の一連の肉薄の列としてパターン化されている。第2の導電層203(図2に示される)は、そこに隙間や穴のない一様な導電材料を具えている。第1の導電層102および第2の導電層の203は、一対の電極として機能する。
【0030】
プラズマ放電は、第1の導電層102と第2の導電層203とを具えた一対の電極に電力を供給することによって発生させられる。供給される電力は、可撓性電極アセンブリー100の第1の面102からのDC放電またはAC放電の何れかを維持する。本教示におけるプラズマ発生は、両方の電極が誘電体層101によって相互に絶縁された誘電体バリア放電(DBD)型のものである。第1の導電層102および第2の導電層203の構造および配置は、プラズマ放電が電極アセンブリー100の第1の層102に発生して維持されることを確実にする。
【0031】
誘電体バリア放電(DBD)は、絶縁誘電体バリア、すなわち誘電体シート101によって仕切られた2つの電極、すなわち第1の層102と第2の層203との間の電気的放電である。周知のDBD器具は、典型的には平坦であり、板誘電体によって仕切られた硬質で平行な板を用いるか、あるいはそれらの間に誘電体筒を持つ円筒状の同軸の板を用いている。しかしながら、本教示による電極アセンブリー100の作成のための可撓性材料を用いることにより、人は可撓性の特性を持つ1つの電極対を組み立てることができ、それによってこの器具が平坦または円筒状の構成以外の形状に作られることを可能にする。
【0032】
誘電体層101は、高い絶縁耐力を持つ適当な絶縁材料で作られており、当業者らによって適切に選択されることができる。本教示の典型的な構成において、誘電体絶縁層101は100kV/mmよりも大きな絶縁耐力を持つポリイミド絶縁シートを具えている。
【0033】
この典型的な構成において、電極アセンブリー100は、一方側の(第2の導電層203として働く)銅箔と、反対側の(第1の導電層102として働く)銅の経路とを持つポリイミドシートで構成されている。
【0034】
銅がそこに装着されたポリイミドの使用は、プリント回路板を製造するために周知である。特に、このような構造は、可撓性プリント回路板を概ね構成することができる。このような可撓性の回路が平坦な形態で組み立てられ/製造されて、用いられる材料の物理的特性から生ずる屈曲可能なまたは可撓性のシート/板になることが理解される。これらの屈曲可能なボードはまた、従来の硬質プリント回路板が適当ではなく、例えば平坦ではない筺体や表面に合致させることが必要とされる場合、柔軟性を可能とするように一般的に設計されることが指摘される。それとして、これらの可撓性プリント回路板は、低電圧および低電流の使用を含め、これらの硬質の対応物と同様に用いられているが、プラズマ発生器との関連ではこれまで用いられていない。
【0035】
本出願の発明者らは、これらの可撓性のボードが中出力から高出力までのプラズマ放電、すなわち単位面積当たりの出力が1W/cm2を超えた放電を生じさせるための単一の電極アセンブリーまたは電極アセンブリー群として用いるために形成することができることを認識している。しかしながら、このような操作条件の下で、このような可撓性のプリント回路板の寿命は、供給される高電圧および電力のために縮められる傾向があり、ボードに短絡を引き起し、大電流のために経路を焼損する可能性がある。従って、本発明による可撓性プリント回路板に与えられる電力は、慎重に調整されることが重要である。
【0036】
本発明の教示によると、電源によって電極アセンブリー100に供給される電力は、電極アセンブリー100の近傍での空気の電離量を制限すると共にPCBに対して電気的ストレスを低く保って作動寿命を確実に延ばすため、十分に低くなければならない。一つの典型的な形態において、電極に加えられる単位面積当たりの電力は、100mW/cm2よりも小さい。この電力レベルにて、このシステムにより作られる電離は、暗放電またはタウンゼント型放電のものである。当業者らに知られているように、この放電モードは、低放電電流(マイクロアンペアまたはそれよりも低い値域)と無放射放出との組み合わせによって特徴付けられ、それ故、暗という用語である[例えば Plasma Phys. Control. Fusion 47(2005)B577~B588を参照のこと]。この放電モードでのラジカルの発生もまた、制限され、本発明のシステムによって放出される非病原因子を低レベルに維持するために有利である。従って、このイオン化プラズマは、プラズマ電流およびラジカルおよび他の種類のプラズマの密度が著しくより高く、可視グロー電極の加熱および損傷ならびに有毒ラジカルの著しい放出を結果として生ずるグロー放電モードのものではない。
【0037】
他の形態において、電極アセンブリー100は、第1の導電層102と誘電体層101との間に付加的絶縁層を含むことができる。加えて、または代わりに、第2の導電層202と誘電体層101との間に絶縁層を配することができる。このような追加の層は、誘電体層101を外部の汚染源または劣化源から保護するために役立つ。追加の保護層はまた、電極および/または隣接する導体として作用する層間のアーク放電の可能性をも低減させる。
【0038】
図3および図4は、内側の第1の導電層102と外側の第2の導電層203とを半円形状に曲げた場合の電極アセンブリー100の立体投影図を示す。特に、図3はアーチ形に曲げた場合の電極アセンブリー100の内側を示すのに対し、図4は電極アセンブリー100の外側を示している。
【0039】
半円形状が示されているけれども、可撓性電極アセンブリー100を用いて複数の形状に形成することができる。好ましい一実施形態において、可撓性電極アセンブリー100を用いて形成された形状は、円錐形の構造を具えている。
【0040】
電源から可撓性電極アセンブリー100へと電力が供給されることは当業者らによって理解されよう。可撓性電極アセンブリー100と電源との間の接続(例えば配線)の的確な種類を必要に応じて選択することができ、電源と電極アセンブリー100とを同じ場所に配することは必要でない。また、電源と可撓性電極アセンブリー100との間に変換器(図示せず)を用いて高電圧の交流を提供することもできる。
【0041】
第1の導電層102および第2の導電層203は、これらの個々の全表面積を取り囲む誘電体層101との直接接触を維持する。これは、電極アセンブリー100内にエアポケットがないことを確実にし、プラズマの発生中に、より高いレベルのプラズマを確立させることができる。
【0042】
本教示の好ましい形態において、第2の導電層203の連続する一様な材料は、プラズマがアセンブリー100の第2の層203に維持されないことを確実にする。他方、第1の導電層102の隙間によって分離されたワイヤーの列は、第1の導電層102と第2の導電層203との間に加わる潜在的な高電圧のため、高電界が隙間に形成されることを可能にする。この電界は、大気プラズマ放電を起こすと共に維持する第1の導電層102の近傍にて気体をイオン化させる。前記プラズマ放電は第1の表面102に制限される。さらにまた、前記プラズマ放電は、電極アセンブリー100の第1の導電層102の上方に、プラズマ場および放射ならびに活性種が可撓性電極アセンブリー100を通過する空気のための非病原因子として作用する不活性化区域を生じさせる。
【0043】
不活性化区域は、プラズマが放出されて空気流に乗って運ばれる浮遊汚染物質を非活性化させるために有効な領域である。健康を脅かす浮遊汚染物質は3つのグループ、すなわち(a)環境の至る所で空気を介して蔓延する病気を引き起こす何らかの有機体を包含する浮遊病原菌と、(b)摂取するか、吸い込むか、または接触した場合にアレルギー反応を引き起こす何らかの物質を包含する浮遊アレルゲンと、(c)空気中に浮遊したままとなる微粒子の形態にて高圧で噴霧されるように設計されたの何らかの製品を包含する浮遊揮発性有機化合物(VOC)とに細分されることができる。
【0044】
第2導電層203(すなわち導電材料のシート)を第1導電層102(隙間によって分離された多数のワイヤー列を有する)のそれと類似した層に交換することは、前側と同じようにプラズマ放電が発生して可撓性電極アセンブリー100の第2の面に維持されるという結果になることを当業者らによって理解されよう。これは、本教示のいくつかの状況および/または用途の下で望ましい可能性があり、電極アセンブリーの一方側にのみプラズマを発生させることに本教示を限定することは意図されていない。
【0045】
可撓性電極アセンブリー100は、空気がこのアセンブリーによって発生するプラズマにさらされる時間を最大にするように、空気がアセンブリーの方向に対して平行な方向に流れるという方法で好ましくは方向付けられるべきである。可撓性のアセンブリーを提供することにより、このアセンブリーは種々の湾曲形状を採用することができるので、電極アセンブリーによって作られる不活性化区域が平坦であることは必要でない。特に、本教示の電極アセンブリー100の可撓性の性質のため、複数の構造が可能である。
【0046】
図5は、このような一つの典型的な構造を例示している。複数の可撓性電極アセンブリー100が円形の導管504内に配置されていることを見ることができる。導管504は、この導管内の複数の可撓性電極アセンブリー100の見やすさために切り欠いて示されている。当業者らによって理解されるように、任意の適当な形状の導管を用いることができ、このアセンブリーの可撓性の性質は、これが導管504の形状を受け入れることを可能にする。空気は、矢印方向505に導管504へと入り、複数の電極アセンブリー100を通過して流れ、そして導管504の他端にて出る。
【0047】
図6は、図5の可撓性電極アセンブリーの拡大図である。複数の電極アセンブリー100が導管104の内側曲率に合致するか、または受け入れる形状であることを認識することができる。さらにまた、個々の電極アセンブリー100は、連続した電極アセンブリーの環を導管内にて形成するために相互に対して位置決めされることができる。いくつかの構造において、より少ない電極アセンブリー100を用いることができることを理解すべきである。例えば、4つのアセンブリー100が図5および図6に示されているけれども、2つまたは3つのアセンブリー100を用いて不連続の環にすることができる。アセンブリーの数の決定は、必要に応じて熟練者により選択されることができる。いくつかの状況にて、単一のアセンブリーを用いることができ、可撓性電極アセンブリー100の第1の層から放出されるプラズマによって作り出される不活性化区域が空気流505に乗って運ばれる浮遊汚染物質を非活性化するに足ることをもたらされる。
【0048】
当業者らに知られている多くの手段を選択することができ、導管504を通る空気流を惹起させるため、例えばインペラーを用いることができる。
【0049】
可撓性電極アセンブリー100の第1の層102から放出されるプラズマによって作り出される不活性化区域のプラズマ濃度は、空気流に乗って運ばれる浮遊汚染物質を効果的に非活性化させるのに充分である。さらにまた、装置の導管504の領域から放出される浄化空気中のプラズマ放電によって作り出されたあらゆる非病原因子の濃度が生理的に許容可能なレベルにあるように、プラズマの濃度を非活性化領域の外側で十分に減衰させるべきである。
【0050】
図7は、導管706内に少なくとも一つの可撓性電極アセンブリー100を配置するための他の構造を例示する。可視化を容易にするために導管706の切欠き部分が図7に与えられている。複数の電極アセンブリー100は、導管706の狭い長方形の部分708の中に設けられている。特に、複数の電極アセンブリー100は、電極アセンブリーの連続した環を形成するように長方形の部分708の内側面に配されている。電極アセンブリーの可撓性の性質は、長方形の部分708内に連続環を作り出すために容易に形成されるのを確実にすることを認識されよう。
【0051】
空気が矢印方向707に導管706へと入り、複数の可撓性電極アセンブリー100を嵌合した導管706の長方形の部分708へと流れる。前記部分708の形状は、電極アセンブリー100を通過する空気流がこの部分708に存在する電極アセンブリーの第1の導電層102から1センチメートル以内を同じように通過するようにすべきである。これは、長方形の部分708の上端内面および底内面にて電極アセンブリーが1センチメートルよりも大きく離れることができないことを意味する。しかしながら、これら内面間の間隔を1センチメートルよりも大きくすることが可能である。
【0052】
図7の構成は、導管706を通る大量の空気流が大気プラズマ放電の結果として生ずる不活性化区域内を同じように通ることを確実にする。図7の断面構造が図8に示されている。
【0053】
ここで、我々は、可撓性電極可撓性電極アセンブリーの第1の層、すなわち可撓性電極アセンブリーのプラズマ発生面と、可撓性電極アセンブリーの第2の層、すなわち可撓性電極アセンブリーの背面、つまり管路部の壁または空気処理装置に隣接する可撓性電極アセンブリーの面とに対する電源の接続を示す図9に対して言及する。プラズマは、可撓性電極アセンブリー100により、一対の電極、すなわち第1の層102および第2の層203に電力を供給することによって発生させられる。このプラズマは、第1の層102のみから放出され、第1の層102の領域に不活性化区域を与えるようになっている。第2の層203は、ここにある他の図面を参照してさらに記述される本発明の他の形態にて示されるように、管路部または空気処理装置の内壁の表面の一部に対して一般的に当接しよう。供給される電力は、可撓性電極アセンブリーの第1の層102および第2の層203からなる電極対の表面の周囲および/または表面の間でのDCまたはAC放電を維持する。また、図9に示した構成が例示により第1の層102および第2の層203に対してAC電圧を与えるように示した可撓性電極アセンブリー100のための単なる一実施形態に過ぎないことを理解すべきである。また、この特定の実施形態において、図9に示すように、1000Vと10000Vとの間(10kVから1kVまで)の範囲、好ましくは2000と9000ボルトとの間の範囲、より好ましくは3000と8000ボルトとの間の範囲、最も好ましくは4000と7000ボルトの範囲の如きDC電圧、理想的にはおよそ5000ボルトの電圧が図20および図21に示した構成におけるような針電極アレイの如き静電集塵器と、可撓性電極アセンブリープラズマ発生器100の外側の層102との間に印加される。
【0054】
誘電体バリア放電を達成するために必要とされる電圧および電流のパラメーターは、用いられる誘電体の性質にほぼ依存することが認識されよう。一般的に、1kVよりも低い作動電圧は実用的でなく、好ましくは1から6kVまでの範囲の作動電圧が可撓性電極アセンブリーの第1の層と第2の層との間に印加され、最も望ましくは3から5kVまでの電圧、例えばおよそ4kVが可撓性電極アセンブリーの第1の層と第2の層との間に印加される。誘電体バリア放電を維持するために必要とされる電流は、これを開始するために必要とされるよりも著しく低いことが認識されよう。プラズマ発生器ユニットの電流(つまり出力)は、通常、起動電流に置き換えて表される。1から10mAの範囲、好ましくは少なくとも3mAの(起動)電流を用いるべきである。もちろん、プラズマ発生器の出力は、電圧と電流との組み合わせに依存しよう。この出力は、概ね50ワット以下でてあって、好ましくは少なくとも4ワットであるべきである。一般的には、出力が10から40ワットまでの範囲にある。これらの出力レベルは、特にプラズマ発生器を0.02から1.0m3までの程度の導管容積を有する装置ユニットの一部として用いると好都合であることが判明した。
【0055】
さて、図10から図16までを参照すると、本発明による空気処理装置の多くの実施形態が記述されよう。
【0056】
図10および図11および図12に示した実施形態は、インペラー1102と空気流入口1108とを具え、この装置は、概ね円筒状であって、空気流入口を具えた第1の部分を含み、好ましくは可撓性電極アセンブリー(図10図12に図示せず)がこの円筒状の部分に隣接または当接状態で形成される。矢印1103によって示すような内側への空気流がインペラー1102へと入り、弧状の壁1204を含むと共にらせん状に連続して回転する空気流を確立するように形成された内壁を有する空気流入ポート1120を通り、これがインペラーハウジング1302から、この装置の円筒部およびまた円錐部にて矢印1206により示すらせん状の空気流を確立するように形成される装置入口1320へと移動するようになっている。それから、円錐部の閉止端での圧力が増大するので、空気流の方向は、矢印1207の方向に装置の長手方向軸線に沿って円錐部から戻るように付勢され、矢印1104によって示すように出口1205を通って出る。それで、矢印1106にて示すような内側への空気流のらせん状のパターンは、空気流中に病原菌を含む浮遊汚染物質が遠心力の作用のため、らせん状の空気流1206にて移動中に少なくとも1回、それどころか数回、円筒部および円錐部の壁に向けて付勢されることを確実にするので、この構成は特別な利点を有する。従って、浮遊汚染物質は、サイクロン構造の壁に近接して設けられたプラズマを発生する可撓性電極アセンブリーの領域にある不活性化区域へと付勢されよう。
【0057】
図13を参照すると、内側への空気流1303は、これがインペラーハウジング1302から、装置の円筒部そしてまた円錐部にてらせん状の空気流1306を確立するように形成された装置入口1320へと移動するので、らせん状の連続的に回転する空気流の状態で確立される。それから、円錐部の閉止端での圧力が増大するので、空気流の方向は、矢印1307の方向に装置の長手方向軸線に沿って円錐部から戻るように付勢され、矢印1304によって示すように出口1305を通って出る。それで、矢印1306にて示すような内側への空気流のらせん状のパターンは、空気流中に病原菌を含む浮遊汚染物質が遠心力の作用のため、らせん状の空気流にて移動中に少なくとも1回、それどころか数回、円筒部および円錐部の壁に向けて付勢されることを確実にするので、この構成は特別な利点を有する。従って、浮遊汚染物質は、サイクロン構造の壁に近接して設けられたプラズマを発生する可撓性電極アセンブリー1301の領域にある不活性化区域へと付勢されよう。
【0058】
それで、矢印1306にて示すような内側への空気流のらせん状のパターンは、空気流中に病原菌を含む浮遊汚染物質が遠心力の作用のため、らせん状の空気流にて移動中に少なくとも1回、それどころか数回、円筒部および円錐部の壁に向けて付勢されることを確実にするので、この構成は特別な利点を有する。従って、浮遊汚染物質は、サイクロン構造の壁に近接して設けられたプラズマを発生する可撓性電極アセンブリー1301の領域にある不活性化区域へと付勢されよう。この空気処理装置のさらなる利点は、装置を通るあらゆる浮遊汚染物質の通路が相対的に長いことをらせん状の空気流が確実にすることであり、装置内に留まる時間もまた、この装置の長手方向に通る直接的な内側の空気流を持つ場合よりも長くなっており、それ故、浮遊汚染物質が不活性化区域へと付勢される回数は、直線状をなす内側の空気流に対して増大する。さらなる利点は、非活性化された浮遊汚染物質を次に除去することであり、装置からの外向きの空気流によってサイクロン構造の装置の内側に物質の堆積が発生しないようになっている。
【0059】
装置がひっくり返されている、すなわち図13に示すような装置に対して180度の角度だけ回転されている以外に図13の実施形態と同じ特徴を具えた図14に示す他の実施形態をここで参照すると、これは、この装置が成分を分離するために一般的に用いられる従来のサイクロンと同じ方法で作動しないことを表しており、本発明はその機能が完全に異なっている。図14に示す空気処理装置は、図13の空気処理装置の実施形態のために記述した同じ方法にて作動する。類似の装備を図13で用いたものと類似の参照符号を用いて示してある。円筒部は、プラズマを放出させる第1の層を有する可撓性電極アセンブリー1301を含む。また、この実施形態において、内側への空気流1303'は、これがインペラーハウジング1302'から、この装置の円筒部およびまた円錐部にてらせん状の空気流1306'を確立するように形成された装置入口1320'へと移動するので、らせん状に連続して回転する空気流を確立する。それから、円錐部の閉止端での圧力が増大するので、空気流の方向は、矢印1307'の方向に装置の長手方向軸線に沿って円錐部から戻るように付勢され、矢印1304'により示すように出口1305'を通って出る。それで、矢印1306'にて示すような内側への空気流のらせん状のパターンは、空気流中に病原菌を含む浮遊汚染物質が遠心力の作用のため、らせん状の空気流にて移動中に少なくとも1回、それどころか数回、円筒部および円錐部の壁に向けて付勢されることを確実にするので、この構成は特別な利点を有する。従って、浮遊汚染物質は、サイクロン構造の壁に近接して設けられたプラズマを発生する可撓性電極アセンブリー1301'の領域にある不活性化区域へと付勢されよう。
【0060】
図15および図16をここで参照すると、この実施形態における空気処理装置は、図13に示したものとほぼ同じである。類似の装備が類似の参照符号を用いて参照される。この空気処理装置は、円筒部と円錐部とを具えたサイクロン型の構造を具えている。円筒部は、プラズマを放出させる第1の層を有する可撓性電極アセンブリー1401を含む。参照符号1420によって概ね示した内側への空気流入口へと導くためのインペラー1402があり、内側への空気流は、これがインペラーハウジング1402から、この装置の円筒部およびまた円錐部にてらせん状の空気流(図15および図16に図示せず)を確立するように形成された装置入口1420へと移動するので、らせん状に連続して回転する空気流へと確立される。円錐部の閉止端にて圧力が増大するので、空気流の方向は、装置の長手方向軸線に沿って円錐部から戻るように付勢され、そして出口1405を通って出る。それで、内側への空気流のらせん状のパターンは、空気流中に病原菌を含む浮遊汚染物質が遠心力の作用のため、らせん状の空気流にて移動中に少なくとも1回、それどころか数回、円筒部および円錐部の壁に向けて付勢されることを確実にするので、この構成は特別の利点を有する。従って、浮遊汚染物質は、サイクロン構造を有する空気処理装置の円筒部の壁に近接して円周方向に設けられたプラズマを発生する可撓性電極アセンブリー1401の領域にある不活性化区域へと付勢されよう。
【0061】
装置の円筒部の壁の一部のみを占拠するような可撓性電極アセンブリーがこの実施形態の図10から図16にて示されているけれども、この可撓性電極アセンブリーは、装置の壁の領域に不活性化区域を与えるのに充分であるような、あらゆる望ましい寸法を持つことができることを理解すべきである。この不活性化区域は、可撓性電極アセンブリーから外側に最大約1cmまで延在する。浮遊汚染物質を非活性化させるために可撓性電極アセンブリーと衝突することが浮遊汚染物質にとって必要なのではなく、浮遊汚染物質にとっては不活性化区域へと入ることで充分である。
【0062】
本発明の空気処理装置の利点は、らせん渦巻き空気流が装置を通るあらゆる浮遊汚染物質の経路を相対的に長くし、装置内に留まる時間をもまた、装置を長手方向に通る直接の内側の空気流を持つ場合よりもさらに長くすることを確実にすることであり、それ故、浮遊汚染物質が不活性化区域に付勢される回数は、直線状をなす内側の空気流に対して増大する。さらなる利点は、装置から外へ向かう空気流が非活性化浮遊汚染物質を次に除去し、物質の堆積/蓄積がサイクロン構造の装置の内側で起こらないようになっていることである。
【0063】
ここで図17および図18を参照すると、図10から図16に示した空気処理器具の他の一実施形態が例示される。図17および図18の実施形態において、可撓性電極アセンブリーは、空気処理装置の円筒部に近接して円周方向に延在すると共に図15および図16に示された実施形態よりも軸線方向に広く延在するように示されている。それで、この実施形態においては、可撓性電極アセンブリーが図15および図16における前の実施形態よりも空気処理装置の円筒部の内壁のより多くの領域を占めている。図17および図18においてもまた、類似の装備が類似の参照符号にて参照される。この空気処理装置は、円筒部と円錐部とを具えたサイクロン型の構造を具えている。円筒部は、プラズマを放電する第1の層を有する可撓性電極アセンブリー1601を含む。参照符号1620によって概ね示された内側の空気流入口へと内側の空気流を導くためのインペラー1602があり、それがインペラーハウジング1602から、そして装置の円筒部にてそして同じく円錐部にてらせん渦巻き空気流(図17および図18に図示せず)を確立するために形成される装置入口1620へと移動するので、らせん状の連続的に回転する空気流が確立される。円錐部の閉止端にて圧力が増大するので、空気流の方向は、装置の長手方向軸線に沿って円錐部の外に付勢され、出口1605を通って出る。
【0064】
可撓性電極アセンブリーをサイクロン式空気処理器具の円筒部からテーパー部へと延在させることができることを理解すべきである。実際に、図面に示さない他の一実施形態において、この可撓性電極アセンブリーを装置の円筒部にではなく、むしろ円錐部に設けることができる。
【0065】
実際に、可撓性電極アセンブリーの機能がサイクロン式空気処理器具へと空気流にて運ばれる浮遊粒子の効果的な不活性化のためのプラズマを発生させることにあるので、熟練者は、サイクロン式空気処理器具の内壁に近接して可撓性電極を設けるためにいくつかの形態を取ることができることを理解しよう。すなわち、好ましい構成は、装置の壁の少なくとも一部に近接して設けられた可撓性電極アセンブリーを有することであり、遠心力が内側の空気流を移動するように付勢し、それ故、浮遊汚染物質が不活性化区域へと付勢されるように、不活性化区域が壁の近傍に作り出されるようになっている。それ故、壁の少なくとも一部の近傍にプラズマを発生させる可撓性電極アセンブリーを設けることは、内側の空気流パターンの作用と不活性化区域との間の連携を可能にし、浮遊汚染物質が不活性化区域へと多数回入ることを確実にする。
【0066】
図19を参照すると、空気を円筒部へと運ぶ空気流入口が図13にて示した実施形態を参照してより詳細に示される。しかしながら、図19に示した空気流入口は、図10から図18および図20から図22に示した実施形態のそれぞれの空気流入口の構成の特徴を示していることを理解すべきである。この空気流入口は、サイクロン式空気流を発生させるように形成され、それとして壁1324と連携する弧状の壁1323があり、これら弧状の壁1323および1324に関し、繰り返し回転する内側の空気流を持った渦巻き空気流であるサイクロン式の空気流を起こすように角度を付けられている。空気流入口はまた、内側の空気流を空気処理装置へと導くように機能する壁1321および1322をも具えている。
【0067】
図20を参照すると、有害な病原菌および浮遊粒子を非活性化させるための他の手段をサイクロン式空気処理装置1900内に含む他の一形態が示されている。この実施形態において、可撓性電極アセンブリーを省略することができ、UV光源1950の如き不活性化のための他の手段を可撓性電極アセンブリーの代わりに用いることができる。空気処理装置1900は、UV反射層1925にてコーティングされた内壁を具え、矢印1960で示すように、UVLED1950からのUV光が空気処理器具にてくまなく反射されるようになっている。この空気処理装置1900はまた、インペラー1902と、空気の入口ポート1924と、空気の出口ポート1905とを具え、それで空気処理装置1900における空気流の方向は、図13のそれと同じである(内側のらせん渦巻き空気流に関する矢印1306と、外側の直線状の流れに関する矢印1307とで示される)。この実施形態において、浮遊汚染物質を非活性化するための手段は、可撓性電極アセンブリーの第1の層1301から放出されるプラズマによって作り出される不活性化区域を有すると言うよりは、むしろUV光処理を具えている。
【0068】
しかしながら、他の一実施形態において、さらなる不活性化の能力を作り出すため、望むのであれば、UV光源をサイクロン式の空気処理器具内で反射するためのUV反射層にてコーティングされた内壁と共に、プラズマ発生のために形成された可撓性電極アセンブリーと連携して用いることができることを理解すべきである。
【0069】
ここで図21および図22を参照すると、参照符号2000により概ね示された本発明の空気処理装置のさらなる一実施形態が記述されよう。この実施形態において、空気処理装置2000はプラズマを発生させる可撓性電極アセンブリーを具え、これはプラズマを発生させるための第1の層2101を有すると共に可撓性電極アセンブリーのこの層2101から外側に最大でおよそ1cmまでの領域に不活性化区域を作り出す。この装置2000はまた、サイクロン式の構成と連携して空気の滅菌および汚染を防止するための針電極アレイ2071を含む静電集塵器2070を具えており、プラズマは低出力放電プラズマを発生させるために形成された可撓性電極アセンブリーの第1の層2101から発生する。図21および図22に示すように、針電極アレイ2071は、空気処理装置の円筒部に対して入口ポートの前に設けられている。図21および図22に示す実施形態において、本発明は、
静電集塵器の近傍にある浮遊粒子を帯電させて帯電浮遊粒子を生ずるように形成された静電集塵器2070,2071と、
プラズマを放出させるための第1の層2101を持つ可撓性電極アセンブリーを具え、静電集塵器に近接してあらかじめ決められた距離に配されると共に静電集塵器と連携するように形成されたプラズマ発生器であって、当該プラズマ発生器の領域に不活性化区域を作り出すように形成されたプラズマ発生器と
を具える空気処理装置であって、この空気処理器具は、静電集塵器によって作り出された帯電浮遊粒子を不活性化区域へと導くための手段を具え、空気処理器具が帯電浮遊粒子を作り出し、そして直ちに、この帯電浮遊粒子を不活性化区域へと導き、帯電浮遊粒子を不活性化区域にてプラズマにさらすようになっている空気処理装置を提供する。静電集塵器により作り出された帯電浮遊粒子を不活性化区域へと導くための手段は、静電集塵器とプラズマ発生器との間に印加される電圧を具えることができ、この空気処理器具は、帯電浮遊粒子を作り出すと同時に前記帯電浮遊粒子をプラズマ発生器の方へと引き付けることにより、作り出された帯電粒子を不活性化区域へと導いて帯電浮遊粒子を不活性化区域にてプラズマにさらすようになっている。
【0070】
不活性化区域は、プラズマが放出され、かつ病原菌を含む浮遊汚染物質の非活性化のために有効な領域である。健康を脅やかす可能性があるこのような浮遊汚染物質(すなわち浮遊汚染物)は、3つのグループ、すなわち(a)空気を介して環境の至るところで拡散する病気を引き起こすあらゆる有機体を包含する浮遊病原菌と、(b)摂取するか、吸い込むか、触れた場合にアレルギー反応を引き起こすあらゆる物質を包含する浮遊アレルゲンと、(c)空気中に浮遊したままとなる微粒子の形態にて高圧で噴霧されるように設計されたあらゆる製品を包含する浮遊揮発性有機化合物(VOC)とに細分されることができる。本発明の空気処理装置におけるプラズマ発生器によって作り出されるプラズマは、グループ(a)から(c)に規定されたようなあらゆる浮遊汚染物質を非活性化するために有効である。
【0071】
それで、この空気処理装置は、帯電浮遊粒子を不活性化区域へと引き付けるように形成されており、これは、すべての帯電粒子をプラズマ発生器の表面へと引き付けるようにすることと同じでなく、実際、すべての帯電粒子がプラズマ発生器の表面にあった場合、これはプラズマ発生器の効果的な作用に対して干渉する可能性があるので、望ましくなかろう。本発明の空気処理装置は、1W/cm2よりも小さな電力密度にて作動するように構成されてプラズマ放電を作動可能に発生させる可撓性電極アセンブリーを具えたプラズマ発生器を具えている。好ましい実施形態において、このプラズマ発生器は可撓性電極アセンブリーであり、最も好ましくは、1W/cm2よりも小さな電力密度にて作動するように構成されてこの可撓性電極アセンブリーからプラズマ放電を作動可能に発生させる可撓性電極アセンブリーである。
【0072】
最も好ましくは、このプラズマ発生器は、0.1から0.5W/cm2までの範囲の電力密度にて作動するように形成されている。これは、プラズマ発生に関して相対的に低出力密度であって、プラズマ発生器の近傍に不活性化区域を作り出すために有効である。
【0073】
健康を脅かす浮遊汚染物質材料を非活性化するための手段の組み合わせを本発明の空気処理装置に包含させることができることを理解すべきであり、例えば空気処理装置の実施形態において、プラズマを発生させる可撓性電極アセンブリーをサイクロン構造の壁の少なくとも一部に近接して設けることができ、UV光をこの装置の同じ実施形態に含めることができ、かつ/あるいは静電集塵器をもまた、付加的に設けることもできるようになっている。それで、図示された実施形態を相互に別々に採用するのではなく、空気流の効果的な処理をもたらすように組み合わせることができる。
【0074】
さらにまた、第1の空気処理装置からの外側の空気流と、次に第2の空気処理装置のための内側の空気流として第2の空気処理装置へと送り込まれる多数の空気処理装置を設けるため、このような空気処理装置を直列に少なくとも2つ設けることができ、効率的な空気流の処理を確実にする。
【0075】
この明細書にて用いられた具えた/具えているという用語は、述べた装備や数、ステップまたは構成要素の存在を明示することであるが、一つ以上の他の装備や数、ステップ、構成要素またはこれらのグループの存在または追加を妨げるものではない。
【0076】
もちろん、添付した特許請求の範囲に規定したような本発明の範囲内で種々の変更および代替が可能であることは理解されよう。
図1
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図22