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特許7214732メモリデバイス、半導体デバイスを製造する方法及びデバイス構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】メモリデバイス、半導体デバイスを製造する方法及びデバイス構造
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20230123BHJP
【FI】
H01L27/108 621B
H01L27/108 671A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020531593
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 US2018062555
(87)【国際公開番号】W WO2019118166
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】15/839,260
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】ソニー バーギース
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ルノー
(72)【発明者】
【氏名】モーガン エヴァンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ハウタラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ オルソン
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-256506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0173979(US,A1)
【文献】特開2006-108691(JP,A)
【文献】特表2017-520909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0255465(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2001-0059963(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0024870(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0238867(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0116314(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0292812(US,A1)
【文献】特開2007-287794(JP,A)
【文献】国際公開第2014/069213(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0083581(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278847(US,A1)
【文献】特開2008-311504(JP,A)
【文献】米国特許第06753208(US,B1)
【文献】特開平09-232446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0263026(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8242
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレベルに少なくとも部分的に配置され、第1のアクティブ領域列と第2のアクティブ領域列とを備える、アクティブデバイス領域と、
キャパシタ列に配置された第1の蓄積キャパシタおよび前記キャパシタ列に配置された第2の蓄積キャパシタであって、前記第1のレベルより上の第2のレベルに少なくとも部分的に配置された前記第1の蓄積キャパシタおよび前記第2の蓄積キャパシタと、
前記第1の蓄積キャパシタと前記第1のアクティブ領域列との間に延在し、基板平面に対する垂直線に対して第1の非ゼロの傾斜角を成す、第1のコンタクトビアと、
前記第2の蓄積キャパシタと前記第2のアクティブ領域列との間に延在し、前記基板平面に対する垂直線に対して第2の非ゼロの傾斜角を成す、第2のコンタクトビアと、
を備え、
前記第1のレベルおよび前記第2のレベルは前記基板平面に平行であり、
前記第1のコンタクトビアは、第1の方向に傾けられ、
前記第2のコンタクトビアは、前記第1の方向と異なる第2の方向に傾けられ、
前記第1の蓄積キャパシタは、平面図の観点から見て、前記基板平面内で前記アクティブデバイス領域とオーバーラップを形成しない、メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1のコンタクトビアの底部全体が前記アクティブデバイス領域とオーバーラップを形成する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1のコンタクトビアの上部全体が前記第1の蓄積キャパシタとオーバーラップする、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の非ゼロの傾斜角は15度未満である、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記アクティブデバイス領域および前記第1の蓄積キャパシタおよび前記第2の蓄積キャパシタはダイナミックランダムアクセス(DRAM)セルの一部を形成し、該DRAMセルはDRAMデバイスの一部を形成し、該DRAMデバイスは6F2構造を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記第1のコンタクトビアは第3のレベルに少なくとも部分的に配置され、前記第3のレベルは前記第1のレベルと前記第2のレベルの間に延在している、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記アクティブデバイス領域および前記第1の蓄積キャパシタおよび前記第2の蓄積キャパシタはダイナミックランダムアクセス(DRAM)セルの一部を形成し、前記コンタクトビアは前記DRAMセルのディジットラインを含むディジットラインレベルを通過して延在する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
半導体デバイスを製造する方法であって、
前記半導体デバイスの第1のレベルに、第1のアクティブ領域列と第2のアクティブ領域列とを備える、アクティブデバイス領域を形成するステップと、
キャパシタ列に配置された第1の蓄積キャパシタおよび前記キャパシタ列に配置された第2の蓄積キャパシタを形成するステップであって、前記第1の蓄積キャパシタおよび前記第2の蓄積キャパシタは、前記半導体デバイスの前記第1のレベルより上の第2のレベルに少なくとも部分的に配置され、蓄積キャパシタがコンタクトビアに接触する、ステップと、
前記第1の蓄積キャパシタと前記第1のアクティブ領域列との間に延在し、基板平面に対する垂直線に対して第1の非ゼロの傾斜角を成す、第1のコンタクトビアを形成するステップと、
前記第2の蓄積キャパシタと前記第2のアクティブ領域列との間に延在し、前記基板平面に対する前記垂直線に対して第2の非ゼロの傾斜角を成す、第2のコンタクトビアを形成するステップと、を含み、
前記第1の蓄積キャパシタは、平面図の観点から、前記基板平面内で前記アクティブデバイス領域とのオーバーラップを形成しない、方法。
【請求項9】
前記アクティブデバイス領域および前記第1の蓄積キャパシタおよび前記第2の蓄積キャパシタは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)セルの一部を形成し、前記コンタクトビアは、ディジット線を含む前記DRAMセルのディジット線レベルを、前記ディジット線に接触しないで、通過して延在する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のコンタクトビアを形成するステップは、
前記アクティブデバイス領域を含む基板をプラズマチャンバに隣接するプロセスチャンバ内に提供するステップと、
イオンビームを前記プラズマチャンバから抽出アパーチャを介してプロセスチャンバに抽出するステップで、前記イオンビームは、前記基板平面に対する垂直線に対して非ゼロの入射角を成す軌道を形成するステップと、
前記基板がイオンビームに曝されるときに前記基板が前記抽出アパーチャに対して走査される少なくとも1回の走査を実行するステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のコンタクトビアを形成する前に、前記アクティブデバイス領域上に絶縁体を形成するステップと、
前記絶縁体上にマスクを形成し、該マスクは複数の開口部を画定し、該複数の開口部は第1の開口部を規定し、前記イオンビームは、反応性イオンビームエッチングプロセスを使用して前記第1の開口部を通して前記絶縁体をエッチングすることにより前記コンタクトビアを形成するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1のデバイス列に配置された第1のデバイスおよび第2のデバイス列に配置された第3のデバイスであって、第1のデバイスレベルに配置された前記第1のデバイスおよび前記3のデバイスと、
第3のデバイス列に配置された第2のデバイスおよび前記第3のデバイス列に配置された第4のデバイスであって、前記第1のデバイスレベルより上の第2のデバイスレベルに配置された前記第2のデバイスおよび前記第4のデバイスと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間に延在し、基板平面に対する垂直線に対して第1の非ゼロの傾斜角を成す第1のコンタクトビアと、
前記第3のデバイスと前記第4のデバイスとの間に延在し、基板平面に対する垂直線に対して第2の非ゼロの傾斜角を成す第2のコンタクトビアと、を備え、
前記第1のコンタクトビアは、第1の方向に傾けられ、
前記第2のコンタクトビアは、前記第1の方向と異なる第2の方向に傾けられ、
前記第2のデバイスは、平面図の観点から見て、前記基板平面内で前記第1のデバイスとオーバーラップを形成しない、デバイス構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体デバイス構造に関し、より詳細には、ダイナミックランダムアクセスデバイスを含むメモリデバイスの構造および処理に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイスなどの論理デバイスおよびメモリデバイスを含む半導体デバイスのサイズが縮小されるにつれて、デバイスのパターニングが、サイズの縮小による潜在的な改善を利用する能力をますます制限する。例えば、現在のDRAMデバイスにおいては、既知のアーキテクチャとして、特に、いわゆる8F2構造および6F2構造(アーキテクチャ)がある。6F2アーキテクチャは8F2アーキテクチャよりも高いデバイス密度と高速性を提供するが、オーバーレイなどのパターニング問題が原因で、適切なプロパティを持つメモリデバイスを形成する能力が部分的に損なわれる。一例として、DRAMセルサイズが縮小するにつれて、6F2アーキテクチャは、アクセストランジスタと、アクセストランジスタの上にある構造、例えばビット線や蓄積ノードキャパシタなど、との間に電気接点を形成することが困難になる。例えば、蓄積ノードキャパシタは、アクセストランジスタを含むレベルよりもはるかに高いレベルに形成され得る。蓄積キャパシタとアクセストランジスタとの間に電気的接続を形成するためには、ビアなどの構造を形成する必要があり、ビアはビット線レベルおよびビット線コンタクトレベルを含む複数のレベルを横断する。ビット線とワード線とアクセストランジスタを形成するアクティブ領域の密集のため、コンタクトビアがトランジスタのアクティブ領域に適切に接触できないことがある。たとえば、ビット線とのオーバーラップを避けるために、コンタクトビアは、コンタクトビアと蓄積キャパシタの間のオーバーレイ、およびコンタクトビアとアクセストランジスタのアクティブ領域の間のオーバーレイが理想的でないかもしれない位置に置かれることがある。
【0003】
これらのおよび他の観点に関して、本開示が提供される。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、メモリデバイスは、第1のレベルに少なくとも部分的に配置されたアクティブデバイス領域を含むことができる。このメモリデバイスは、第1のレベルの上の第2のレベルに少なくとも部分的に配置された蓄積キャパシタを含むことができ、第1のレベルおよび第2のレベルは基板平面に平行である。このメモリデバイスはまた、コンタクトビアを含むことができ、コンタクトビアは、蓄積キャパシタとアクティブデバイス領域との間に延在し、基板平面に対する垂直線に対して非ゼロの傾斜角を成す。
【0005】
別の実施形態では、半導体デバイスを製造する方法は、半導体デバイスの第1のレベルにアクティブデバイス領域を形成するステップを含むことができる。この方法はさらに、コンタクトビアを形成するステップを含むことができ、コンタクトビアは、アクティブデバイス領域に接触し、コンタクトバイアは、基板平面に対する垂直線に対して非ゼロの傾斜角を成す。この方法はまた、半導体デバイスの第1のレベルより上の第2のレベルに、蓄積キャパシタを少なくとも部分的に形成するステップを含むことができ、蓄積キャパシタはコンタクトビアに接触する。
【0006】
別の実施形態では、デバイス構造は、第1のデバイスレベルに配置された第1のデバイス、第1のデバイスレベルの上の第2のデバイスレベルに配置された第2のデバイスを含むことができる。このデバイス構造はまた、コンタクトビアを含むことができ、このコンタクトビアは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間に延在し、基板平面に対する垂直線に対して非ゼロの傾斜角を成す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本開示の実施形態による、デバイス構造の上面斜視図を示す。
図1B図1の斜視図からわずかに回転させた図1Bのデバイス構造の上面斜視図を示す。
図1C図1Aのデバイス構造の一部の側面図を示す。
図1D図1Aのデバイス構造の一部の上面図を示す。
図1E】本開示のさらなる実施形態によるデバイス構造の上面図を示す。
図2図2A図2Dは本開示のいくつかの実施形態による、製造の様々な段階におけるデバイス構造を示す。
図3A】本開示の実施形態による装置の側面図を示す。
図3B図3Aの装置の一部の上面図を示す。
図3C図3Bのマスク形状の詳細を示す拡大平面図を示す。
図4】本開示の実施形態による、デバイス構造の上面図を示す。
図5】本開示のさらなる実施形態による、例示的なプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、いくつかの実施形態を示す添付図面を参照して、本実施形態をより詳細に説明する。但し、本発明の要旨は、多くの異なる形態で実施されるものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全であり、要旨の範囲を当業者に十分に伝えるべく提供される。図面全体にわたって、同様の番号は同様の要素を示す。
【0009】
本実施形態は、半導体基板内に形成される、メモリデバイスなどのデバイスを形成するための新規の技術および基板構造を提供する。これらの技術は、DRAMデバイスの形成に特に適用可能であるが、他のデバイスもまた、本開示の実施形態に従って形成することができる。これらの他のデバイスは、3DNANDデバイス、NORデバイス、Xポイントメモリ、ロジックデバイスなどのNANDデバイス、並びにパッケージ構造を含み得るが、共通の特徴は、傾斜ビアを使用して、所与のデバイスの異なるレベルにある異なるコンポーネントを接続することにある。異なる実施形態では、傾斜ビアは、例えばシリコン貫通ビア(TSV)のように、誘電体材料、ポリシリコン、またはシリコン内に構築することができる。実施形態はこの文脈に限定されない。様々な非限定的な実施形態は、デバイスの第1のレベルのコンポーネント、例えばDRAMの蓄積キャパシタなどが、デバイスの異なるレベルの別のコンポーネント、例えばアクセストランジスタなどに接続される実装に特に有用である。
【0010】
様々な実施形態によれば、メモリデバイスは、アクティブレベルに配置されたアクティブデバイス領域と、アクティブレベルの上のキャパシタレベルに配置された蓄積キャパシタとを含むことができる。有利には、以下で述べるように、蓄積キャパシタとアクティブデバイス領域との間に延在する傾斜コンタクトを形成するために傾斜コンタクトビアも設けられ、傾斜コンタクトビアは、アクティブレベルおよび蓄積キャパシタレベルで規定されるデバイス平面に対する垂直線に対して非ゼロの傾斜角を形成する。以下で述べるように、このデバイス構造および関連デバイス構造は、異なるレベルで互いに接触するデバイスの間のオーバーラップを促進することにより、デバイスの性能を向上させることができる。
【0011】
ここで図1Aおよび図1Bを参照すると、本開示の実施形態による、デバイス構造100の2つの上面斜視図が示されている。デバイス構造100は、DRAMデバイスなどのメモリデバイスのいくつかのコンポーネントを示す。デバイス構造100は、レベル110として示される蓄積キャパシタレベルに配置された、蓄積キャパシタ102として示される一組の蓄積キャパシタを含む(デバイス構造100の異なるレベルの詳細については図1Bを参照)。本明細書で使用される「レベル」は、デバイスの一部を指すことがあり、デバイスが製造されるときに、異なるレベルに対して異なるマスキング処理を使用することなどによって、異なるレベルが次々に重ねて構築される。本明細書で使用される「基板平面」は、示されているデカルト座標系のX-Y平面を相当し得る。デバイスの製造中、異なるレベルは一般に、Z軸に沿って互に重ねて順次に構築される。したがって、図1Bに示されるように、より低いレベルは、一般にZ軸に沿ってより低く構築され、より高いレベルは、Z軸に沿ってより高く構築され得る。特に、当技術分野で知られているように、異なるマスクレベルから構築された異なる構造は、Z軸に沿って同じ物理レベルに存在またはオーバーラップし得る。
【0012】
デバイス構造100は、アクティブデバイス領域104をさらに含み、アクティブデバイス領域104は、レベル150として示されるアクティブデバイスレベルに配置される。アクティブデバイス領域104は、トランジスタのソース/ドレイン(S/D)構造などのアクティブトランジスタコンポーネントとして機能する半導体構造の上面、例えば単結晶シリコンを表し得る。ゲート構造114も示され、トランジスタをターンオンまたはオフするように機能し得る。デバイス構造100は、レベル130として示されるディジット線レベルに配置されたディジット線112をさらに含み、ディジット線112は、コンタクトレベル140に配置されたディジット線コンタクト116を使用してゲート構造114との電気接続を形成する。デバイス構造100はさらに、コンタクトビア106として示される一組のビアを含み、コンタクトビア106は、蓄積キャパシタ102とアクティブデバイス領域104との間のコンタクトビアレベル120内を延在する。特に、コンタクトビア106は、複数のレベルを貫通し得る。図1Aおよび図1Bの例では、2つの蓄積キャパシタが示され、蓄積キャパシタ102は、アクティブデバイス領域104のソース領域またはドレイン領域のいずれかに接続される。特に、図示の2つの蓄積キャパシタは、アクティブデバイス領域104を使用して形成される2つの異なるトランジスタに接触することができる。
【0013】
デバイス構造100はさらに、蓄積キャパシタ102とアクティブデバイス領域104との間に延在するコンタクトビア106を含む。コンタクトビア106は、一般に、アクティブデバイス領域104と蓄積キャパシタ106との間に導電路を形成するために導電性材料を含むことができる。信号がディジット線112に沿って送信されると、ゲート構造114がディジット線コンタクト116を通過する信号によって活性化されて、アクティブデバイス領域104によって形成されたトランジスタをターンオンすることができる。トランジスタがターンオンすると、当技術分野で知られているように、電荷がコンタクトビア106を介して蓄積キャパシタ102へ、または蓄積キャパシタから流れることができる。
【0014】
図1Cにより詳細に示されるように、コンタクトビア106は傾斜している。すなわち、コンタクトビア106は、この例ではX-Z平面として定義されている、基板平面に対する垂直線122に対して、θとして示される非ゼロの傾斜角を形成する。この構造は、異なるレベルの間に垂直に延びる、つまり、垂直線122に対して傾斜角がゼロである既知のDRAMコンタクトビアと対照的である。
【0015】
図1Dは、図1Aのデバイス構造100の一部の上面図を示す。図1Cおよび図1Dに示されるように、コンタクトビア106の底部106Aは、アクティブデバイス領域104とオーバーラップする。いくつかの実施形態では、底部106Aは、全体がアクティブデバイス領域104とオーバーラップし得る。さらに図1Cおよび図1Dに示されるように、コンタクトビア106の上部106Bは、蓄積キャパシタ102とオーバーラップする。いくつかの実施形態では、上部106Bは、全体が蓄積キャパシタ102とオーバーラップし得る。
【0016】
図1Dに示されるように、コンタクトビア106は、蓄積キャパシタ102をアクティブデバイス領域104に対してX-Y平面内でシフトさせることができる。例えば、いくつかの実施形態では、図1Dに示されるように、蓄積キャパシタ102はアクティブ領域104とオーバーラップしない。より正確には、蓄積キャパシタ102は、高いレベルに配置されているが、平面透視図から見て、X-Y平面内でアクティブデバイス領域104とオーバーラップするように見えない。このように、コンタクトビア106は、異なるレベルに配置された構造の間の優れた電気的接触の形成を容易し、この場合には、これらの構造はX-Y平面などの基板平面内の位置に関して互いに整列しない。このジオメトリは既知のDRAMデバイスのジオメトリと異なり、既知のジオメトリの場合には、コンタクトビアがレベル間で垂直方向に、つまり基板平面またはデバイス平面に垂直に沿って整列し、蓄積キャパシタとコンタクトビアの間のオーバーラップまたはコンタクトビアとアクティブ領域の間の完全なオーバーラップが不可能になるという制約を課される。
【0017】
図1Eは、本開示のいくつかの実施形態によるデバイス構造160の実装の上面図を提示する。デバイス構造160は6F2DRAMアーキテクチャで実装され、アクティブ領域104は細長い領域のアレイとして配置され、ディジット線112およびワード線118に対して角度φを形成している。図1Eを見ると、図示の構造がレベル110、レベル130、およびレベル150に配置されている図1B参照)。コンタクトビア106は明示されていない。さらに、ワード線118は、レベル110より上のレベルに配置される。図示されるように、蓄積キャパシタ102は、二次元アレイに配置される。特に、蓄積キャパシタ102は、X?Y平面においてディジット線112とオーバーラップする。同時に、上記で詳述したように、コンタクトビア106は、(上部106Bにおいて)蓄積キャパシタ102ならびにアクティブデバイス領域104と完全にオーバーラップさせることができる。したがって、コンタクトビア106は、垂直に対して非ゼロの傾斜角度で配置されることにより、他のレベルの構造に対して、X-Y平面内の蓄積キャパシタ102の配置に大きな自由度を提供する。言い換えると、蓄積キャパシタ102は、アクティブデバイス領域104のレベル(レベル150)と蓄積キャパシタレベル(レベル110)の中間のレベル内の他の構造の上に直接位置合わせして、X-Y平面内でのオーバーラップを生成することができる。このジオメトリは、蓄積キャパシタ102とアクティブデバイス領域104とを接続するために使用するコンタクトビア106を他の構造との接触を回避するように角度を付けることができるので、許容される。
【0018】
図2A図2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、製造の様々な段階におけるデバイス構造200を示す。図示のシーケンスは、図2Aのメモリデバイスの製造の段階で始まり、この段階では、アクティブデバイス領域およびトランジスタゲートが製造されている。図2A図2Dのシーケンスは、傾斜ビアの形成を経て進み、蓄積キャパシタの形成前に終了する。図2Aにおいて、絶縁体202がアクティブデバイス領域104およびゲート構造114の上に設けられる。絶縁体202は、以下で説明されるように、ビアの形成のための媒体を提供する。
【0019】
次に図2Bを参照すると、絶縁体202上にマスク204が形成された後のステップが示されている。マスク204は、開口部206として示される開口部のアレイを生成するようにパターン化される。以下で詳述されるように、所与の開口部がコンタクトビアを形成するために使用される。様々な実施形態によれば、マスク204は、少なくとも1つの層の組み合わせ、例えば、限定はされないが、窒化物、炭素、酸化物、またはレジストなどのパターニング用の既知の層を含むことができる。様々な非限定的な実施形態では、マスク204の厚さは、10nmから100nmの範囲にしてよい。マスク204は、一般的に絶縁体202とは異なる材料で作製され得る。したがって、マスク204は、開口部206のパターンを絶縁体202に転写するために使用され得る。
【0020】
次に図2Cを参照すると、傾斜イオン208がマスク204に向けられる次のステップが示されている。以下に詳述するように、傾斜イオン208は、絶縁体202をエッチングするように設計された指向性反応性イオンビームエッチング処理で提供することができる。傾斜イオン208を含むエッチングレシピは、マスク204に対して絶縁体202を選択的にエッチングするように設計することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、エッチング選択性を約5/1から20/1の間で変化させることができ、これは、エッチングレシピは絶縁体202をマスク204よりも5倍から20倍速くエッチングする傾斜イオン208を含むことを意味する。
【0021】
次に図2Dを参照すると、図2Cの指向性反応性イオンビームエッチング処理の完了後の場合が示されている。デバイス形成のこの段階では、コンタクトビア210として示される傾斜コンタクトビアが絶縁体202内に作成されている。コンタクトビア210は、X-Y平面の垂直線122に対して非ゼロの傾斜角で延在している。コンタクトビア210は、アクティブデバイス領域104を露出するまで延在している。図2Dの処理に続いて、一組の蓄積キャパシタをコンタクトビア210の上に形成することができる。図示されていないが、ディジット線を絶縁体202内に延在させて、上述したようにゲート構造114とのコンタクトを形成することができる。
【0022】
次に図3Aを参照すると、概略的に描かれた処理装置300が示されている。処理装置300は、絶縁体層などの基板の一部をエッチングするための処理装置を示す。処理装置300は、当技術分野で知られている任意の便利な方法でプラズマ304を生成するプラズマチャンバ302を有するプラズマベースの処理システムとすることができる。図に示されるように、抽出開口部308を有する抽出プレート306を設け、絶縁体層をマスク材料に対して反応的にエッチングする選択的エッチングを実行することができる。例えば、前述の構造、デバイス構造200、を含む基板220が、プロセスチャンバ322内に配置される。基板220の基板平面は、図示のデカルト座標系のXY平面で表されるが、基板220の平面の垂直線はZ軸(Z方向)に沿う。
【0023】
傾斜反応性イオンビームエッチング処理中、イオンビーム310は、図に示されるように抽出開口部308を通して抽出される。図3Aに示されるように、イオンビーム310の軌道は、垂直線122に対して非ゼロの入射角(θとして示されている)を形成する。イオンビーム310内のイオンの軌道は、互いに相互に平行であっても、または相互に10度以内のような狭い角度範囲内にあってもよい。したがって、θの値は入射角の平均値を表し、個々の軌道は平均値から数度まで変化してよい。イオンビーム310は、既知のシステムのように、バイアス電源320によってプラズマチャンバ302と基板220との間に電圧差が印加されるときに抽出され得る。バイアス電源320は、例えば、処理チャンバ322と基板220が同じ電位に保持される場合、処理チャンバ322に結合してもよい。様々な実施形態では、イオンビーム310は、既知のシステムのように、連続ビームまたはパルスイオンビームとして抽出してもよい。例えば、バイアス電源320は、プラズマチャンバ302とプロセスチャンバ322との間の電圧差をパルスDC電圧として供給するように構成してもよく、その場合には、パルス電圧の電圧、パルス周波数、およびデューティサイクルを互いに独立して調整することができる。
【0024】
様々な実施形態において、例えば、イオンビーム310は、図3Bに示されるデカルト座標系のX方向に沿って延びる長軸を有するリボンイオンビームとして供給してもよい。図3Cにさらに示されるように、図3Aの処理中、マスク204は、開口部206が、X-Y平面で見たときに、アクティブデバイス領域104の列とほぼ整列する列に配置されるように向けることができる。図に示されるように、開口部206の列は、アクティブデバイス領域104の列に対してX-Y平面内で変位させることができる。イオンビーム310のイオンの軌道のX-Y平面内の投影は、矢印によって示される。基板220を含む基板ステージ314を抽出アパーチャ308に対して、したがってイオンビーム310に対して走査方向316に沿って走査することにより、イオンビーム310は、垂直線122に対して非ゼロの傾斜角度に向けられた1組の傾斜ビアをエッチングすることができる。イオンビーム310は、不活性ガス、反応性ガスを含む任意の便利なガス混合物から構成してよく、いくつかの実施形態では、他のガス種と共に提供してもよい。特定の実施形態では、基板220のターゲット側壁の指向性反応性イオンエッチングを実行するために、イオンビーム310および他の反応種をエッチングレシピとして基板220に提供してもよい。このようなエッチングレシピは、当技術分野で知られているように、酸化物または他の材料などの材料をエッチングする既知の反応性イオンエッチングケミストリを使用してもよい。エッチングレシピは、マスク204をエッチングしないで、またはほんの少しのエッチングで、絶縁体202を除去するように、マスク204の材料に対して選択的とすることができる。
【0025】
図3Bのこの例では、基板220はシリコンウェーハなどの円形ウェーハであり、抽出アパーチャ308は細長い形状を有する細長いアパーチャである。イオンビーム310は、X方向に沿ったビーム幅まで延びるリボンイオンビームとして提供され、ビーム幅は、X方向に沿った最も広い部分でも、基板220の全幅を暴露するのに十分である。例示的なビーム幅は、10cm、20cm、30cm、またはそれ以上の範囲内とすることができ、Y方向に沿った例示的なビーム長は、3mm、5mm、10mm、または20mmの範囲内とすることができる。実施形態は、この文脈に限定されない。
【0026】
図3Bにも示されるように、基板220は走査方向316に走査することができ、走査方向316はX-Y平面内にあり、例えばY方向に沿う。特に、走査方向316は、Y方向に沿う基板220の2つの対向(180度)方向の走査、または単に左方向の走査または右方向の走査を表すことができる。図3Bに示されるように、イオンビーム310の長軸は、スキャン方向316に対して直角のX方向に沿って延びる。したがって、基板220の走査が、図3Bに示すように、操作方向316に沿って基板220の左側から右側へ適切な長さに亘り行われると、基板220の全体がイオンビーム310に暴露され得る。
【0027】
図3Bおよび図3Cにも示されるように、基板220のイオンビーム310への暴露は、抽出プレート306上の位置Lの下に位置する基板220上の位置P1で示されるように第1の回転位置に配置されている間に基板220が走査されるときに起こり得る。例えば、位置P1は、ウェーハ上のノッチまたはフラットの位置に対応し得る。様々な実施形態によれば、基板220が固定の回転位置に配置されている間に、少なくとも1回の走査を走査方向316に沿って実行してコンタクトビア106を形成することができる。イオンビーム310は垂直線122に対して非ゼロの入射角を形成するので、コンタクトビア106のエッチングは、一般に非ゼロの入射角度に沿って配向された傾斜角(コンタクトビアを示す図にはθとしても示されている)を形成する軸を有するビアを生成するように進み得る。様々な非限定的な実施形態によれば、θの値は、15度未満とすることができ、特定の実施形態では、5度から10度の間とすることができる。θの正確な値は、アクティブデバイス領域104に対する蓄積キャパシタ102の(X-Y平面内の)設計された変位量に従って選択することができる。その結果、例えば図2Dに示されるようなデバイス構造を生成することができ、この場合には、(レベル110の)所与の蓄積キャパシタに接続されるレベル150の所与のアクティブデバイスが図の左側に変位される。
【0028】
方法およびデバイス構造の追加の実施形態では、蓄積キャパシタのセットをアレイに配置し、異なるキャパシタを異なる方向に傾斜させることができる。図4は、本開示の実施形態によるデバイス構造400の上面図を示す。図4は、上述の如きくつかのデバイスレベルを示している。デバイス構造400は、アクティブ領域412として示される、トランジスタデバイスの形成のための一組のアクティブ領域を含む。アクティブ領域412は、アクティブ領域列410、アクティブ領域列420、アクティブ領域列430、およびアクティブエリア列440として示される、様々な列に配置される。さらに図4に示されるように、デバイス構造400は、キャパシタ列450およびキャパシタ列460などの様々なキャパシタ452の行を含み、これらのキャパシタ列は、図に示されるように、アクティブ領域412の間にいくらかオーバーラップして間隔を置いて位置する。キャパシタ列450内において、キャパシタ452は、図示のように、アクティブ領域列410またはアクティブ領域列420のアクティブ領域412に交互に接続される。同様に、キャパシタ列460内において、キャパシタ452は、図示のように、アクティブ領域列430またはアクティブ領域列440のアクティブ領域412に交互に接続される。この互い違いの接続構成は、第1の方向に傾けられた第1のコンタクトビア462と、第2の方向に傾けられた第2のコンタクトビア464とを設けることにより実現される。
【0029】
図4の構造を生成するために、処理装置300は、以下のように動作することができる。一例として、イオンビーム310が垂直線122に対して固定の非ゼロの入射角で配置されている間、第1セットの走査において、第1セットのコンタクトビアを図2Dに概略示されるように形成するために、基板220は図3Bに示されるように第1の回転位置に維持することができる。第2セットの走査において、180度のねじり角φに亘る基板220の回転後も(位置P3がLに隣接して位置する)、イオンビーム310は同じ固定の非ゼロ入射角で配置されていてよい。このようにすると、垂直線122に対して第1セットのコンタクトビアと同じ絶対値の非ゼロ入射角を形成する第2のセットのコンタクトビアを形成することができ、第2のセットのコンタクトビアはX-Z平面に対して第1セットのコンタクトビアの鏡像を成す。この構造は、DRAMデバイスなどのデバイス内の下側のアクティブ領域に関する相対的な配置に関する設計の柔軟性をさらに高めることができる。
【0030】
図5は、本開示の実施形態による、例示的なプロセスフロー500を示す。ブロック502において、アクティブデバイス領域が、DRAM構造などの半導体デバイスの第1のレベルに形成される。ブロック504において、コンタクトビアが形成され、コンタクトビアはアクティブデバイス領域に接触し、基板平面に対する垂直線に対して非ゼロの入射角で延びる。ブロック506において、ディジット線がアクティブデバイス領域の上に形成され、ディジット線はアクティブデバイス領域に電気的に結合され、コンタクトビアはディジット線に接触しない。特に、コンタクトビアは複数のレベルを通って延在することができる。ブロック508において、第1のレベルより上の半導体デバイスの第2のレベルに蓄積キャパシタが少なくとも部分的に形成され、蓄積キャパシタはコンタクトビアと電気的接触を形成する。
【0031】
本実施形態は、DRAMデバイスなどのメモリデバイスを含む既知のデバイス構造に対して様々な利点を提供する。1つの利点として、傾斜コンタクトビアを使用すると、異なるレベルに配置された互いに整列しないデバイス構造、例えば蓄積キャパシタがアクティブデバイス領域の真上に整列して位置しないメモリ構造に対して、異なるデバイス構造間の接触面積を拡大することができる。したがって、傾斜コンタクトビアを使用すると、コンタクトビアの上部全体を蓄積キャパシタとオーバーラップすることができるとともに、コンタクトビアの下部全体をアクティブデバイス領域とオーバーラップすることができる。別の利点は、第2のレベルにおける第2のデバイス構造の配置に対する第1のレベルにおける第1のデバイス構造の配置の柔軟性にある。たとえば、キャパシタレベルの蓄積キャパシタは、アクティブレベルのアクティブデバイス領域に対してX-Y平面内でシフトさせることができる。これは、蓄積キャパシタとアクティブデバイス領域を接続するコンタクトビアがこのシフトをコンタクトビアの傾斜角度によって補償することができるからである。
【0032】
本開示は本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲が制限されるものではない。実際に、本明細書の記載されたものに加えて、本開示の他の様々な実施形態及び変更は、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかである。したがって、これらの他の実施形態及び修正は、本開示の範囲内に含まれるものとする。さらに、本開示は、特定の目的のための特定の環境における特定の実装に関する説明として記載されているが、有用性はこの記載に限定されず、本開示が様々な目的のために様々な環境で有益に実装されうることを当業者は認識することができる。したがって、以下に記載される特許請求の範囲は、本明細書に記載される本開示の完全な範囲及び精神を考慮して解釈されるものである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A-2D】
図3A
図3B
図3C
図4
図5