(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】放電管とLEDとを備えた美容機器
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20230123BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
(21)【出願番号】P 2021195566
(22)【出願日】2021-12-01
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000105707
【氏名又は名称】TBCグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】青葉 浩司
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-192186(JP,A)
【文献】特表2018-504202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0191459(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部と、被施術者の身体の一部に直接または間接的に当接する先端部と、を備えた放電管と、
少なくとも1つのLEDと、
前記放電管と前記LEDとを収容する筐体と、
を含み、
前記放電管の前記先端部には、前記軸部よりも径方向外側に拡径する光透過性の拡径部が設けられており、
前記LEDは、前記筐体内において、前記放電管の前記軸部の側面から所定距離以上離間するとともに、前記LEDから照射された光が前記拡径部に到達する位置に配置さ
れ、
前記LEDが前記放電管の前記軸部の側面から前記所定距離以上離間している場合、前記放電管から前記LEDへの放電は生じない、
美容機器。
【請求項2】
請求項
1に記載の美容機器であって、
前記放電管の内部には、放電ガイド導電体が設けられる、
美容機器。
【請求項3】
請求項
1または2に記載の美容機器であって、
前記筐体の内部表面には、光を反射する反射層が設けられる、
美容機器。
【請求項4】
請求項
3に記載の美容機器であって、
前記反射層は、前記筐体の前記内部表面にメッキを施すことにより形成される、
美容機器。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記LEDの前面には、光を集積するレンズが配置される、
美容機器。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記筐体内には、前記放電管の
前記軸部の少なくとも一部の周囲
全体を覆
い、前記放電管から前記LEDへの放電を抑制する絶縁体シールドが設けられる、
美容機器
【請求項7】
請求項
6に記載の美容機器であって、
前記絶縁体シールドは、前記放電管の側面と前記LEDとの間に位置する、
美容機器。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記筐体の外周は、絶縁体で構成される、
美容機器。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記筐体内には、前記放電管に近接する共振変圧器が設けられ、
前記筐体内において、前記共振変圧器を覆う絶縁体シールドが設けられる、
美容機器。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記放電管の前記軸部は
、円筒状である、
美容機器。
【請求項11】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記放電管の前記軸部は、前記先端部に接続する屈曲部を有する、
美容機器。
【請求項12】
軸部と、被施術者の身体の一部に直接または間接的に当接する先端部と、を備えた放電管と、
少なくとも1つのLEDと、
前記放電管と前記LEDとを収容する筐体と、
を含み、
前記放電管の前記先端部には、前記軸部よりも径方向外側に拡径する光透過性の拡径部が設けられ、
前記LEDは、前記筐体内において前記放電管の後端部より後方に
位置することにより、前記放電管の軸方向において前記放電管と重ならないように配置され、
前記LEDから照射された光を前記拡径部に導く光ガイドをさらに含む、
美容機器。
【請求項13】
請求項
12に記載の美容機器であって、
前記筐体内には、前記放電管の前記後端部に近接する共振変圧器が設けられ、
前記LEDは、前記共振変圧器の後端部の周囲に配置される、
美容機器。
【請求項14】
請求項
12または13に記載の美容機器であって、
前記光ガイドは、前記LEDの照射面から前記軸部と軸方向に沿って重なるように延在する、
美容機器。
【請求項15】
請求項
12~14のいずれか一項に記載の美容機器であって、
前記放電管の前記軸部は、前記先端部に接続する屈曲部を有する、
美容機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放電管とLEDとを備えた美容機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美容施術の分野において、放電管から皮膚に放電を行い、皮膚に刺激を与える放電管美容機器が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、皮膚にLEDから光照射を行うことで皮膚の細胞を活性化させるライトトリートメントを行うための美容機器が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-504202号
【文献】特開2012-192186号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら2種類の美容機器を一体化しようとすると、放電管からLEDに放電が生じ、LEDの機能に悪影響を与える可能性がある。また放電管からLEDへの放電が生じると、被施術者の皮膚への放電の妨げとなる。
【0005】
本開示は、放電管美容機器とライトトリートメント機器とを一体化した美容機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、軸部と、被施術者の身体の一部に直接または間接的に当接する先端部と、を備えた放電管と、少なくとも1つのLEDと、前記放電管と前記LEDとを収容する筐体と、を含み、前記放電管の前記先端部には、前記軸部よりも径方向外側に拡径する光透過性の拡径部が設けられており、前記LEDは、前記筐体内において、前記放電管の前記軸部の側面から所定距離以上離間するとともに、前記LEDから照射された光が前記拡径部に到達する位置に配置される、美容機器である。
【0007】
上記第1の態様では、筐体内において、LEDが放電管の軸部の側面から所定距離以上離間するとともに、放電管の先端部に設けられた光透過性の拡径部にLEDから照射された光が到達する位置に配置されている。よって第1の態様によれば、被施術者の患部への放電施術中にLEDへの放電が生じることを抑制するとともに、LEDから照射された光は放電管の拡径部を透過して被施術者の皮膚へ光照射を行うことができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、前記所定距離は、前記放電管から前記LEDへの放電が生じないように定められる、美容機器である。
【0009】
上記第2の態様では、LEDは、放電管からLEDへの放電が生じないように定められる所定距離以上、放電管の側面から離間している。よって第2の態様によれば、放電管からLEDへの放電を防止することができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第1及び第2の態様において、前記放電管の内部には、放電ガイド導電体が設けられる、美容機器である。
【0011】
上記第3の態様では、放電管の内部に放電ガイド導電体が設けられる。よって第3の態様によれば、放電管内部での静電エネルギー蓄積が効果的に行われ、速やかに放電を開始することができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第1~第3の態様において、前記筐体の内部表面には、光を反射する反射層が設けられる、美容機器である。
【0013】
上記第4の態様では、筐体の内部表面に光を反射する反射層が設けられる。よって第4の態様によれば、LEDから照射された光の一部が直接放電管の拡径部に到達しない場合であっても、反射層での反射を経て拡径部へ到達し得る。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第4の態様において、前記反射層は、前記筐体の前記内部表面にメッキを施すことにより形成される、美容機器である。
【0015】
上記第5の態様では、筐体の内部表面にメッキを施すことにより反射層が形成される。よって第5の態様によれば、簡素な構成で光をガイドする反射層を形成することができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第1~第5の態様において、前記LEDの前面には、光を集積するレンズが配置される、美容機器である。
【0017】
上記第6の態様では、LEDの前面に光を集積するレンズが配置される。よって第6の態様によれば、LEDから照射される光の指向性を高め、光を確実に美容機器の外部へ出力することができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、上記第1~第6の態様において、前記筐体内には、前記放電管の周囲を覆う絶縁体シールドが設けられる、美容機器である。
【0019】
上記第7の態様では、筐体内に放電管の周囲を覆う絶縁体シールドが設けられる。よって第7の態様によれば、放電管から他の部品へ放電が生じることを防止することができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、上記第7の態様において、前記絶縁体シールドは、前記放電管の側面と前記LEDとの間に位置する、美容機器である。
【0021】
上記第8の態様では、放電管の側面とLEDとの間に絶縁体シールドが配置される。よって第8の態様によれば、放電管からLEDへの放電発生を確実に防止できる。
【0022】
本開示の第9の態様は、上記第1~第8の態様において、前記筐体の外周は、絶縁体で構成される、美容機器である。
【0023】
上記第9の態様では、美容機器の筐体の外周は絶縁体で構成される。よって第9の態様によれば、放電管の先端部以外の領域から外部への放電が生じることを防止できる。
【0024】
本開示の第10の態様は、上記第1~第9の態様において、前記筐体内には、前記放電管に近接する共振変圧器が設けられ、前記筐体内において、前記共振変圧器を覆う絶縁体シールドが設けられる、美容機器である。
【0025】
上記第10の態様では、前記筐体内に放電管に近接し、高電圧を供給する共振変圧器が設けられ、筐体内において、共振変圧器を覆う絶縁体シールドが設けられる。よって上記第10の態様によれば、共振変圧器に流れる電流が他の部品に干渉することを防止することができる。
【0026】
本開示の第11の態様は、上記第1~第10の態様において、前記放電管の前記軸部は、略円筒状である、美容機器である。
【0027】
上記第11の態様では、放電管の軸部は略円筒状である。よって第11の態様によれば、軸部が略円筒状の放電管を備えた美容機器を構成できる。
美容機器。
【0028】
本開示の第12の態様は、上記第1~第10の態様において、前記放電管の前記軸部は、前記先端部に接続する屈曲部を有する、美容機器である。
【0029】
上記第12の態様では、放電管の軸部は、先端部に接続する屈曲部を有している。よって第12の態様によれば、屈曲部を被施術者の患部に近づけることができ、美容機器の操作性が向上する。
【0030】
本開示の第13の態様は、軸部と、被施術者の身体の一部に直接または間接的に当接する先端部と、を備えた放電管と、少なくとも1つのLEDと、前記放電管と前記LEDとを収容する筐体と、を含み、前記放電管の前記先端部には、前記軸部よりも径方向外側に拡径する光透過性の拡径部が設けられ、前記LEDは、前記筐体内において、前記放電管の後端部より後方に配置され、前記LEDから照射された光を前記拡径部に導く光ガイドをさらに含む、美容機器である。
【0031】
上記第13の態様では、筐体内において、LEDが放電管の後端部より後方に配置されるとともに、LEDから照射された光は光ガイドを介して放電管の先端部に設けられた光透過性の拡径部に到達するように構成されている。よって第13の態様によれば、被施術者の患部への放電施術中にLEDへの放電が生じることを抑制するともに、LEDから照射された光は放電管の拡径部を透過して被施術者の皮膚へ光照射を行うことができる。
【0032】
本開示の第14の態様は、上記第13の態様において、前記筐体内には、前記放電管の前記後端部に近接する共振変圧器が設けられ、前記LEDは、前記共振変圧器の後端部の周囲に配置される、美容機器である。
【0033】
上記第14の態様では、筐体内に、放電管の後端部に近接し、高電圧を供給する共振変圧器が設けられ、LEDは、共振変圧器の後端部の周囲に配置される。よって第14の態様によれば、LEDは共振変圧器を介して放電管の後端部から十分離間されているので、被施術者の患部への放電施術中にLEDへの放電が生じることを確実に抑制することができる。
【0034】
本開示の第15の態様は、上記第13及び第14の態様において、前記光ガイドは、前記LEDの照射面から前記軸部と軸方向に沿って重なるように延在する、美容機器である。
【0035】
上記第15の態様では、LEDから照射された光を拡径部に導く光ガイドが、LEDの照射面から延出して軸部と軸方向に沿って重なるように延在している。よって第15の態様によれば、LEDから照射された光を放電管の先端部の拡径部に向けて確実にガイドすることができる。
【0036】
本開示の第16の態様は、上記第13~第15の態様において、前記放電管の前記軸部は、前記先端部に接続する屈曲部を有する、美容機器である。
【0037】
上記第16の態様では、放電管の軸部は、先端部に接続する屈曲部を有している。よって第16の態様によれば、屈曲部を被施術者の患部に近づけることができ、美容機器の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る美容機器の断面図である。
【
図3A】筐体の右側外壁とリブとを示す拡大断面図である。
【
図8】
図7に示す美容機器から筐体の透明ヘッドを取り外した断面図である。
【
図10】第3変形例に係る美容機器の斜視図である。
【
図11】第3変形例に係る美容機器の側面図である。
【
図12】第3変形例に係る美容機器の断面図である。
【
図13】本開示の第2実施形態(第1例)に係る美容機器の断面図である。
【
図14】本開示の第2実施形態(第2例)に係る美容機器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態について
図1~4Bを参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0040】
図1は、第1実施形態に係る美容機器100の断面図である。
図2は、放電管10の詳細を示す拡大断面図である。
【0041】
図1に示されるように、美容機器100は、外壁42を有する絶縁体で形成された筐体40の内部に、ガラス製の放電管10と、絶縁体のシールド14と、絶縁体のシール16と、絶縁体の樹脂シールド62で覆われた共振変圧器60と、が配置されて構成されている。また、放電管10の側壁の近傍には、2つのLED20A及び20Bが配置されている。後述するように、LED20A及び20Bは、保持プレート22により筐体40の内部に保持されている。また後述するように、筐体40の内部にはLED20A及び20Bを含めて、計8つのLEDが配置されている。さらに、放電管10の内部には、金属製の放電ガイド12が配置されている。放電ガイド12は、本開示の放電ガイド導電体の一例である。樹脂シールド62は、本開示の絶縁体シールドの一例である。
【0042】
図2に示すように、ガラス製の放電管10は、被施術者の皮膚に接する先端部10Aと、筐体40内で延在する中央部10Bと、共振変圧器60に近接する基部10Cと、を備えている。なお
図1では、放電管10の基部10Cは、導電性のカバー18に覆われて隠れている。放電管10の中央部10Bは、本開示の放電管の軸部の一例である。
【0043】
放電管10の先端部10Aには、放電管10の中心軸L1に対して径方向外側に延出する拡径部10A1及び10A2が設けられている。少なくとも拡径部10A1及び10A2は、光透過性であるように構成されている。後述するように、美容機器100では、LED20A及び20Bから照射される光は、それぞれ拡径部10A1及び10A2を通過して、被施術者の皮膚に到達する。第1実施形態では、放電管10の全体が光透過性であるように構成することができる。なお、放電管10の先端部10Aの拡径部は周方向の全周にわたって連続的に設けられた円環状の部材であり、拡径部10A1と拡径部10A2という分離した部材を有しているわけではない。拡径部10A1と拡径部10A2とは、
図1の断面図に示された拡径部の左右の部分に便宜的に符号を付したものである。
【0044】
放電管10の中央部10Bは、円柱形状に構成され、先端部10Aと基部10Cとを接続している。
【0045】
放電管10の基部10Cは、基端部を頂点とする略円錐状に構成されている。上述した金属製の放電ガイド12の一端部は、基部10Cの基端部に接着剤等によって固定される。放電ガイド12の他端部は、放電管10の中央部10B内部の所定位置に位置している。
図1に示すように、第1実施形態では、放電ガイド12は少なくともLED20A及び20Bよりも先端部10Aの近くに位置する他端部まで延在している。
【0046】
放電ガイド12は必ずしも美容機器100の必須の構成要素ではないが、放電ガイド12を設けることで、放電管10による放電に要する待ち時間を短縮することができる。
【0047】
放電管10の製造工程において、基部10Cの基端部に放電ガイド12を固定するとともに、内部を略真空にした上でアルゴン等の気体を導入し、ガラスを熱加工して気体を封止する。製造された放電管10の内部は、希薄な気体、例えば100~1000Pa(0.001~0.01気圧)のアルゴンガス、ネオンガス等の希ガスによって占められている。
【0048】
図1に示された絶縁体のシールド14は、放電管10から筐体40の内部の部材へ放電が生じることを抑制する。また、
図1に示された絶縁体のシール16は、放電管10の基部10Cに取り付けられ、放電管10を保護する。さらに、
図1に示された樹脂シールド62は、共振変圧器60に流れる電流が美容機器100の他の部品に干渉することを防止する。
【0049】
図1に示された絶縁体の樹脂シールド62で覆われた共振変圧器60は、一例としてテスラコイルを含む。共振変圧器60を外部電源(一例として、100V)に接続すると、交流電流が1次コイルに流れ、その結果として生成される振動磁場による電磁誘導により、2次コイルに交流電流が流れる。共振変圧器60の一次コイルの巻き数及び電圧をそれぞれN1及びV1、二次コイルの巻き数及び電圧をそれぞれN2及びV2とすると、V2=V1×(N2/N1)と表せる。したがって、(N2/N1)の値を大きくすることで、外部電源の所定の電圧の値(一例として、100V)を高圧のV2へ変換することができる。
【0050】
共振変圧器60の二次コイルの高電圧V2に対応する強い高周波電場Eが、共振変圧器60の二次コイルに隣接する放電管10に印加される。上述の通り、放電管10の内部は、アルゴン等の希薄な気体に占められている。気体分子に高周波電場Eが印加されることにより、放電管10の内部に放電が起こる。
【0051】
放電管10の先端部10Aに被施術者の皮膚が接触または近接(一例として、2mm以内)すると、ガラス製の放電管10の内部において先端部10Aへ向かう放電路が形成される。放電管10の内部に、先端部10Aに向かって延在する金属製の放電ガイド12が設けられていることが、この放電路の形成に寄与する。一方、後述するように、LED20A及び20Bが放電管10の側壁から所定距離以上離間されていることにより、LED20A及び20Bに向かう放電路の形成は抑制されている。
【0052】
以上の過程により、美容機器100による放電施術が実行される。
【0053】
次に、筐体40の内部におけるLED20A及び20Bの配置の詳細について説明する。
図3Aは、筐体40の右側外壁42Aとリブ44を示す拡大断面図である。
図3Bは、保持プレート22を示す斜視図である。
図4Aは、保持プレート22を示す上面図である。
図4Bは、LED20Bの断面図である。
【0054】
放電管10は、基部10Cが接着剤または図示しない固定手段によってカバー18、樹脂シールド62等に固定されることにより、筐体40の内部において保持される。
【0055】
説明の便宜上、
図3に右側外壁42Aを示す。なお、第1実施形態において筐体40は一体の部材であって、右側外壁42Aと左側外壁42Bという2つの別体の部材を接合して構成されるわけではない。右側外壁42Aとは、説明の便宜上、
図1に示された筐体40において、LED20Bの近傍に位置する外壁42の右側を呼ぶものである。
【0056】
右側外壁42には、リブ44が設けられている。リブ44は、
図3B及び4Aに示す保持プレート22を保持するための部材である。筐体40の外壁42の周方向の全周にわたって、円環状のリブ44が設けられている。
【0057】
図3Bに示すように、保持プレート22は、中心部に中央開孔22aを有し、8つの保持開孔22Aを有する、円環状の部材である。保持プレート22は、リブ44に載置されて保持される。中央開孔22aには、放電管10の中央部10Bが挿通されて保持される。そして8つの保持開孔22Aには、LEDがそれぞれ保持される。
【0058】
図4Bに示すように、LED20Aは、下方に突起部20A1を備えている。突起部20A1が保持プレート22の保持開孔22Aに挿通されることにより、LED20Aは保持プレート22上に載置されて保持される。同様に、LED20Bを始めとする7つの他のLEDも突起部を備えており、この突起部が保持開孔22Aに挿通されることにより、LEDは保持プレート22上に載置されて保持される。
【0059】
以上説明したように、筐体40の外壁42に設けられたリブ44に保持プレート22が保持され、保持プレート22にLED20A及び20Bを含む8つのLEDが保持されることにより、各々のLEDは筐体40の内部で支持される。なお、図示は省略するが、LEDの各々は筐体40内に配置された導線により、外部電源に接続されている。
【0060】
ここで、保持プレート22の保持開孔22Aが中央開孔22aから所定距離以上離間して設けられていることにより、LEDの各々は、放電管10の中央部10Bの側壁から、所定距離以上離間した位置に固定される。LEDが放電管10の側壁に当接または近接している場合、美容機器100による施術時に、放電管10の先端部10Aに接触している被施術者の皮膚に対してではなく、LED20Bに対して放電管10からの放電が生じる可能性がある。放電管10からLED20Bへの放電が生じると、LED20Bの機能が損なわれることがあり得る。また、放電管10からLED20Bへの放電が生じると、本来望まれている被施術者の皮膚への放電の妨げとなる。すなわち、放電管10による放電施術、及びLED20Bによるライトトリートメント、という美容機器100による2種の施術のいずれにとっても、放電管10からLED20Bへの放電が生じることは好ましくない。
【0061】
第1実施形態では、放電管10に印加される電圧を始めとする各種のパラメータによって定まる所定距離以上、LEDを放電管10の中央部10Bの側壁から離間させることにより、放電管10からLEDへの放電の発生を抑制する。
【0062】
一方で、LEDは、放電管10の中心軸L1に沿って、放電管10の拡径部10A1及び10A2に対応する位置に配置されている。したがって、LEDから照射される光は、放電管10の拡径部10A1及び10A2を透過して、被施術者の皮膚に到達し、ライトトリートメントを実行することができる。
【0063】
以上の構成により、第1実施形態に係る美容機器100は、被施術者の患部への放電施術中にLED20A及び20Bへの放電が生じることを抑制するともに、放電管10の拡径部10A1及び10A2を介して被施術者の皮膚へ光照射を行うことができる。すなわち、第1実施形態に係る美容機器100は、放電管美容機器とライトトリートメント機器とを適切に一体化した美容機器である。
【0064】
[第1変形例]
以下、
図5~8を参照して、第1実施形態の第1変形例を説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成である部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図5及び6は、第1変形例に係る美容機器200の全体を示す斜視図及び側面図である。
図7は、美容機器200の内部を示す断面図である。
図8は、
図7に示す美容機器200から筐体140の透明ヘッド140Aを取り外した断面図である。
【0066】
美容機器200を
図1に示された美容機器100と比較すると、放電管と共振変圧器との長さの比が異なっている。一般に本開示の図面の縮尺は例示であり美容機器の構成を限定するものではないが、
図5~8に示された第1変形例に係る美容機器200における放電管110と共振変圧器60との長さの比は、一定の条件の下において、好ましい構成の一例を示している。
【0067】
図7に示されるように、美容機器200は、筐体140の内部に、ガラス製の放電管110と、絶縁体の内側シールド114Aと、絶縁体の外側シールド114Bと、絶縁体の樹脂シールド62で覆われた共振変圧器60と、が配置されて構成されている。また、放電管10の側壁の近傍には、2つのLED20A及び20Bが配置されている。実際には、8つのLEDが配置されることについては、第1実施例で説明した通りである。なお、
図7では、放電ガイド12と、導電性のカバー18との図示は省略している。
【0068】
筐体140は、透明ヘッド140Aと、中央部140Bと、基部140Cとを有している。透明ヘッド140Aは、一例として光透過性のプラスティック製である。中央部140Bと基部140Cとは、絶縁性の樹脂により形成される。
【0069】
図7に示すように、放電管110は、先端部110Aと、筐体140内で延在する中央部110Bと、を備えている。放電管110の中央部110Bは、本開示の放電管の軸部の一例である。放電管110の先端部110Aには、放電管110の中心軸L1に対して径方向外側に延出する拡径部110A1及び110A2が設けられている。少なくとも拡径部110A1及び110A2は、光透過性であるように構成されている。
【0070】
図7に示すように、筐体140の透明ヘッド140Aは、放電管110の先端部110Aを覆うように設けられる。筐体140の中央部140Bは、先端部110Aの中央部から、放電管110の基端部までを覆うように設けられる。筐体140の基部140Cは、放電管110の基部から共振変圧器60までを覆うように設けられる。
【0071】
図5~7に示す美容機器200においては、放電管110の先端部110Aは透明ヘッド140Aに覆われているため、放電管110の先端部110Aは、被施術者の皮膚に直接接触せず、透明ヘッド140Aを介して間接的に被施術者の皮膚に接触する。一方、
図8に示すように、美容機器200を、透明ヘッド140Aを備えないように構成することも可能である。
図8に示す美容機器200では、放電管110の先端部110Aは、被施術者の皮膚に直接接触する。
【0072】
筐体140の中央部140Bの内側面には、LED20A及び20Bから照射された光を反射する反射層が設けられる。一例として、中央部140Bの内側面上にメッキを施すことにより、反射層を形成することができる。より具体的には、金属メッキまたはメッキ調塗装により、反射層を形成することができる。美容機器200においては、LED20A及び20Bから照射された光の一部が放電管110の拡径部110A1及び110A2に直接到達しない場合であっても、反射層での反射を経て拡径部110A1及び110A2へ到達し得る。
【0073】
次に、筐体140の内部におけるLED20A及び20Bの配置の詳細について説明する。
【0074】
放電管110は、筐体140の内部において、内側シールド114Aによって保持される。内側シールド114Aは、中心部が空洞となっており、放電管110を受容するように構成されている。筐体140の内部において、内側シールド114Aは、外側シールド114Bに覆われている。
図7に示すように、外側シールド114Bの先端部は、外側面に切欠けが設けられており、LED20A及び20Bは、この外側シールド114Bの外側面の切欠け部分に配置される。
【0075】
具体的には、
図7に示すLED20A及び20Bをそれぞれ支持する絶縁性の支持プレート122が、外側シールド114Bの外側面の切欠け部分と、筐体140の中央部140Bの内側面とによって把持される。図示は省略するが、支持プレート122は、
図3B及び4Aに示された支持プレート22に比べて、中央開孔の直径が大きく構成されている。これは、第1変形例においては、放電管110の外側面とLED20A及び20Bとの間に内側シールド114A及び外側シールド114Bが配置されるため、放電管110の中央部110Bに加えて内側シールド114A及び外側シールド114Bが支持プレート122の中央開孔に挿入されることに基づく。
【0076】
以上の構成により、LED20A及び20Bは、美容機器200の筐体140の所定箇所に固定される。特にLED20A及び20Bは、放電管110の側壁から、所定距離以上離間した位置に固定される。したがって、放電管110からLED20A及び20Bへの放電の発生が抑制される。なお、所定箇所に固定されたLED20A及び20Bからの光は、放電管110の拡径部110A1及び110A2へ到達し得る。
【0077】
さらに、美容機器200においては、放電管110の外側面とLED20A及び20Bとの間に絶縁性の内側シールド114A及び外側シールド114Bが配置されるため、放電管110からLED20A及び20Bへの放電路の形成が確実に防止される。
【0078】
また、美容機器200においては、放電管110の先端部110Aの拡径部110A1及び110A2から光透過性の透明ヘッド140Aを通る光経路が形成されるとともに、筐体140の中央部140Bの内側面に光を反射する反射層が設けられる。したがって、LED20A及び20Bから照射された光が確実に美容機器200の前方から外部へ出力し易くなっており、ライトトリートメントを適切に実行することができる。
【0079】
[第2変形例]
以下、
図9を参照して、第1実施形態の第2変形例を説明する。なお、上述の実施形態または第1変形例と同様の構成である部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
図9は、第2変形例に係る美容機器300の内部を示す断面図である。
【0081】
第2変形例に係る美容機器300の外形は、
図5及び6に示された第1変形例の美容機器200と同一である。
【0082】
図9に示されるように、第2変形例に係る美容機器300の内部構成は、
図8に示された第1変形例の美容機器200とほぼ同一であり、詳細の説明は省略する。
【0083】
美容機器300と、第1変形例の美容機器200との相違は、以下の二点である。美容機器300においては、筐体140の中央部140Bの内側面に光を反射する反射層が設けられていない。また、LED20A及び20Bの前方には、それぞれ光を集積するレンズ224Aと224Bとが設けられている。
【0084】
美容機器300においては、第1変形例と同様に、LED20A及び20Bは、放電管110の側壁から、所定距離以上離間した位置に固定される。したがって、放電管110からLED20A及び20Bへの放電の発生が抑制される。また第1変形例と同様に、美容機器300においては、放電管110の外側面とLED20A及び20Bとの間に絶縁性の内側シールド114A及び外側シールド114Bが配置されるため、放電管110からLED20A及び20Bへの放電路の形成が確実に防止される。
【0085】
さらに美容機器300においては、LED20A及び20Bの前方に、レンズ224Aと224Bとが設けられているため、LED20A及び20Bから照射される光の指向性が高められている。したがって、LED20A及び20Bから照射された光が確実に美容機器200の前方から外部へ出力し易くなっており、ライトトリートメントを適切に実行することができる。
【0086】
なお、美容機器300においては筐体140の中央部140Bの内側面に光を反射する反射層が設けられないものとして説明したが、第1変形例と同様に、美容機器300において反射層を設けることとも可能である。
【0087】
[第3変形例]
以下、
図10~12を参照して、第1実施形態の第3変形例を説明する。なお、上述の実施形態、第1変形例または第2変形例と同様の構成である部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0088】
図10及び11は、第3変形例に係る美容機器400の全体を示す斜視図及び側面図である。
図5及び6に示された美容機器200と比較すると、美容機器400は先端部400Aと中央部400Bとの間に屈曲部400Dを備えており、先端部400Aが美容機器400の長手方向に対して傾斜している。
【0089】
図12は、第3変形例に係る美容機器400の内部を示す断面図である。
図12に示されるように、第3変形例に係る美容機器400の内部構成は、
図7に示された第1変形例の美容機器200及び
図9に示された第2変形例の美容機器300とほぼ同一であり、詳細の説明は省略する。
【0090】
美容機器400と、第1変形例の美容機器200との相違は、以下の通りである。美容機器400の筐体340は、透明ヘッド140Aと中央部140Bとの間に、屈曲部340Dを備えている。また、美容機器400の放電管310は、先端部310Aと中央部310Bとの間に屈曲部310Dを備えている。筐体340の屈曲部340D、放電管310の屈曲部310Dは、美容機器400の屈曲部400Dを構成する要素である。また、筐体340の屈曲部340Dの内側面には、LED20A及び20Bから照射された光を反射する反射層が設けられる。放電管310の中心曲線L2は、放電管310の中心を通り外径に沿って延在している。放電管310の中央部310Bと屈曲部310Dとの組は、本開示の放電管の軸部の一例である。
【0091】
図12に示すように、放電管310は、先端部310Aと、筐体340内で延在する中央部310Bと、を備えている。放電管310の先端部310Aには、放電管310の中心曲線L2に対して径方向外側に延出する拡径部310A1及び310A2が設けられている。少なくとも拡径部310A1及び310A2は、光透過性であるように構成されている。
【0092】
なお、美容機器400においては、第2変形例の美容機器300と同様に、LED20A及び20Bの前方に、それぞれ光を集積するレンズ224A及び224Bが設けられている。
【0093】
第3変形例に係る美容機器400は、屈曲部400D(すなわち、筐体340の屈曲部340D及び放電管310の屈曲部310D)を備えていることにより、先端部が美容機器400の長手方向に対して垂直ではなく、傾斜している。この構成は、筐体340の基部を持って美容機器400による施術を行うために、美容機器400の先端を被施術者の患部に近づける操作を容易にする。
【0094】
また美容機器400においては、第1変形例と同様に、LED20A及び20Bは、放電管310の側壁から、所定距離以上離間した位置に固定される。したがって、放電管310からLED20A及び20Bへの放電の発生が抑制される。また第1変形例と同様に、美容機器400においては、放電管310の外側面とLED20A及び20Bとの間に絶縁性の内側シールド114A及び外側シールド114Bが配置されるため、放電管310からLED20A及び20Bへの放電路の形成が確実に防止される。
【0095】
一方、美容機器400において、LED20A及び20Bは、放電管310の中心曲線L2に沿って、放電管310の先端部の拡径部に対応する位置に配置されている。具体的には、
図12に示すように、中心曲線L2をLED20A及び20を通るように平行移動した曲線は、放電管310の先端部310Aの拡径部310A1及び310A2を通過する。
【0096】
さらに美容機器400においては、第2変形例と同様に、LED20A及び20Bの前方に、レンズ224A及び224Bが設けられているため、LED20A及び20Bから照射される光の指向性が高められている。また美容機器400においては、第1変形例と同様に、放電管310の先端部から光透過性の透明ヘッド140Aを通る光経路が形成されるとともに、筐体340の340Dの内側面に光を反射する反射層が設けられる。美容機器400においては、LED20A及び20Bから照射された光の一部が放電管310の拡径部310A1及び310A2に直接到達しない場合であっても、反射層での反射を経て拡径部310A1及び310A2へ到達し得る。したがって、LED20A及び20Bから照射された光が確実に美容機器400の前方から外部へ出力し易くなっており、ライトトリートメントを適切に実行することができる。
【0097】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態(変形例1~3を含む)では、LED20A、20Bが、放電管10の中央部10Bの側壁から径方向に所定距離以上離間した位置に固定されること等によって、LEDへの放電の影響を軽減していたが、LEDを放電管から軸方向に離間することによって放電の影響を軽減する実施形態も考えられる。これを第2の実施形態として
図13及び
図14を用いて説明する。なお、
図13及び
図14において、第1実施形態及びその変形例と同様の構成要件については同様の参照番号を附して詳細な説明を省略し、異なる構成及び作用効果について詳述する。
【0098】
図13に示されるように、第2実施形態(第1例)に係る美容機器500では、LED20A,20Bは、放電管110の後端部より後方に、一例として絶縁体の樹脂シールド62で覆われた共振変圧器60の後端部の周囲に配置され、筐体140の底部に配置されたLED基板71に各々接続されている。美容機器500は、LEDから照射された光を放電管110の拡径部に導くためLED20A,20Bの照射面から放電管110の中央部110Bへと軸方向に沿って重なるように延在する光ガイド70A,70Bをさらに備えている。光ガイド70A,70Bは、例えば、透明樹脂や光ファイバー等で構成することができ、図示しない固定手段によって筐体140内に固定されている。
【0099】
図13に示す美容機器500によれば、LED20A,20Bから照射された光は光ガイド70A,70Bを通って放電管110の拡径部110Aへと照射されるため、上記実施形態と同様の美容効果が得られる一方で、LED20A,20Bが放電管110の後端部よりさらに後方に配置されているため、LEDへの放電の影響をさらに軽減することができる。また、これによって電磁波対策部品を削減することもできる。
【0100】
図14は、
図12に示す第1実施形態の第3変形例と同様に屈曲部310Dを有する、第2実施形態(第2例)に係る美容機器600に関する。美容機器600においても、LED20A,20B、20C,20D,20E,...は、放電管310の後端部より後方に、一例として絶縁体の樹脂シールド62で覆われた共振変圧器60の後端部の周囲に配置され、筐体340の底部に配置されたLED基板71に各々接続されている。美容機器600は、LEDから照射された光を放電管310の先端部310Aの拡径部310A1及び310A2に導くためLED20A,20B、20C,20D,20E,...の照射面から放電管310の中央部310Bと軸方向に沿って重なるように、屈曲部310Dの開始位置付近へと各々延在する光ガイド70A,70B、70C,70D,70E,...をさらに備えている。美容機器600も、美容機器500と同様に、LEDへの放電の影響をさらに軽減することができると共に、電磁波対策部品を削減することもできる。
【0101】
なお、第2実施形態において、LEDの軸方向位置は、
図13、
図14に示す位置に限定されない。例えば、放電管110(または310)の後端部より後方にある限り(共振変圧器60の周囲)、
図13及び14に示された位置よりも先端より(
図13及び14に示された位置よりも上)の位置であってもよい。
【0102】
(第2実施形態の作用)
第2実施形態(第1例)に係る美容器500は、筐体140内において、LED20A,20Bが放電管110の後端部より後方に配置されるとともに、LED20A,20Bから照射された光は光ガイド70A,70Bを介して放電管110の先端部110Aに設けられた光透過性の拡径部110A1及び110A2に到達するように構成されている。よって、被施術者の患部への放電施術中に放電管110からLED20A,20Bへの放電が生じることを抑制するともに、LED20A,20Bから照射された光は放電管110の拡径部110A1及び110A2を透過して被施術者の皮膚へ光照射を行うことができる。
【0103】
また第2実施形態(第1例)では、筐体140内に、放電管110の後端部に近接し、高電圧を供給する共振変圧器60が設けられ、LED20A,20Bは、共振変圧器60の後端部の周囲に配置される。よって、LED20A,20Bは共振変圧器60を介して放電管110の後端部から十分離間されているので、被施術者の患部への放電施術中にLED20A,20Bへの放電が生じることを確実に抑制することができる。
【0104】
また第2実施形態(第1例)では、LED20A,20Bから照射された光を110A1及び110A2に導く光ガイド70A,70Bが、LED20A,20Bの照射面から延出して放電管110の中央部110Bと軸方向に沿って重なるように延在している。よって、LED20A,20Bから照射された光を放電管110の先端部110Aの拡径部110A1及び110A2に向けて確実にガイドすることができる。
【0105】
また第2実施形態(第2例)に係る美容器600では、第2実施形態(第1例)の構成に加えて、放電管310の中央部310Bは、先端部310Aに接続する屈曲部310Dを有している。よって第12の態様によれば、屈曲部310Dを被施術者の患部に近づけることができ、美容機器の操作性が向上する。
【0106】
以上に本開示の2つの実施形態及び3つの変形例を説明したが、本開示は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。特に、
図8を参照して第1変形例について述べたように、他の変形例及び第2実施形態においても、筐体先端の透明カバーを設けずに美容機器を構成することが可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本開示の作用・効果を奏する以上、本開示の技術的思想の範囲内である。
【符号の説明】
【0107】
10…放電管
10A…先端部
10A1…拡径部
10A2…拡径部
10B…中央部
10C…基部
12…放電ガイド
14…シールド
16…シール
18…カバー
20A…LED
20A1…突起部
20B…LED
22…保持プレート
22a…中央開孔
22A…保持開孔
40…筐体
42A…右側外壁
44…リブ
60…共振変圧器
62…樹脂シールド
100…美容機器
110…放電管
110A…先端部
114A…内側シールド
114B…外側シールド
122A…支持部
122B…支持部
140…筐体
140A…透明ヘッド
140B…中央部
140C…基部
200…美容機器
224A…レンズ
224B…レンズ
300…美容機器
310…放電管
310D…屈曲部
340D…屈曲部
340…筐体
400…美容機器
400D…屈曲部
L1…中心軸
L2…中心曲線
【要約】
【課題】放電管美容機器とライトトリートメント機器とを一体化した美容機器を提供する。
【解決手段】軸部と、被施術者の身体の一部に直接または間接的に当接する先端部と、を備えた放電管と、少なくとも1つのLEDと、前記放電管と前記LEDとを収容する筐体と、を含む美容機器において、前記放電管の前記先端部には、前記軸部よりも径方向外側に拡径する光透過性の拡径部が設けられており、前記LEDは、前記筐体内において、前記放電管の前記軸部の側面から所定距離以上離間するとともに、前記LEDから照射された光が前記拡径部に到達する位置に配置される。
【選択図】
図1