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特許7214849軟包装、軟包装を処理するロボットシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】軟包装、軟包装を処理するロボットシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/14 20060101AFI20230123BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
B65D33/14
B25J13/08 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021515138
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2019101611
(87)【国際公開番号】W WO2020057309
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】16/137,744
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517156872
【氏名又は名称】北京京東尚科信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Jingdong Shangke Information Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】8th floor of building No. 76, Zhichun Road,Haidian District, Beijing 100086 China
(73)【特許権者】
【識別番号】521108663
【氏名又は名称】ジェイ・ディー・ドット・コム アメリカン テクノロジーズ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】JD.com American Technologies Corporation
【住所又は居所原語表記】675 E Middlefield Rd, Mountain View, CA 94043, USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー ウェイ
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206087773(CN,U)
【文献】特開2005-050266(JP,A)
【文献】特開2019-064671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/14
B25J 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟で変形可能な材料から形成される包装主体と、
前記包装主体の外周に設けられた複数の剛性挟持部品とを含み、
各剛性挟持部品は、ロボット装置によって挟持されるように構成された剛性リング構造を含み、
各剛性挟持部品は、コンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成されたビジョンガイド構造を更に含み、
前記ビジョンガイド構造は、その上にコンピュータ識別可能なコードを有するラベルである
軟包装。
【請求項2】
前記包装本体は、実質的な矩形形状を有し、前記剛性挟持部品は、前記包装本体の四隅に設けられている
請求項1に記載の軟包装。
【請求項3】
前記剛性リング構造が磁気的なものである
請求項1に記載の軟包装。
【請求項4】
前記ビジョンガイド構造は、カラー構造である
請求項1に記載の軟包装。
【請求項5】
前記コンピュータ識別可能なコードは、バーコード、ウォーターマーキング、QRコード(登録商標)(クイックレスポンスコードの略称)、又はApriltagコードである
請求項に記載の軟包装。
【請求項6】
前記ロボット装置は、挟持装置又はフック装置である
請求項1に記載の軟包装。
【請求項7】
前記挟持装置は、通常状態と拡張状態との間で切り替え可能に構成された拡張可能な挟持部品を有しており、
前記拡張可能な挟持部材が前記通常状態にあるとき、前記拡張可能な挟持部材が前記剛性リング構造に挿入されるように構成されるように、前記拡張可能な挟持部材の寸法は、前記剛性リング構造の内部寸法よりも小さく、
前記拡張可能な挟持部材が前記通常状態にあるとき、前記拡張可能な挟持部材が前記剛性リング構造を挟持するように構成されるように、前記拡張可能な挟持部材の寸法を拡張して前記剛性リング構造の内部寸法に適合する
請求項に記載の軟包装。
【請求項8】
軟包装を処理するロボットシステムであって、
コントローラと、
各々が前記軟包装をつかむように構成された複数のロボット装置と、
前記軟包装の画像を捕捉し、前記軟包装の剛性挟持部品の位置を識別するように構成されたコンピュータビジョンシステムとを含み、
前記軟包装は、
柔軟で変形可能な材料から形成される包装主体と、
前記包装主体の外周に設けられた複数の前記剛性挟持部品とを含み、
各剛性挟持部品は、前記複数のロボット装置のうちの一つのロボット装置によって挟持されるように構成された剛性リング構造を含む
ロボットシステム。
【請求項9】
前記コンピュータビジョンシステムは、
前記軟包装の画像を捕捉するように構成されたカメラと、
前記カメラによって捕捉された前記軟包装の画像を処理し、前記軟包装の前記剛性挟持部品の位置を識別するように構成されたコントローラとを含む
請求項に記載のロボットシステム。
【請求項10】
各ロボット装置が、挟持装置又はフック装置である
請求項に記載のロボットシステム。
【請求項11】
各剛性挟持部品は、前記コンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成されたビジョンガイド構造を更に含む
請求項に記載のロボットシステム。
【請求項12】
前記ビジョンガイド構造は、カラー構造である
請求項10に記載のロボットシステム。
【請求項13】
前記ビジョンガイド構造は、その上にコンピュータ識別可能なコードを有するラベルであり、
前記コンピュータ識別可能なコードは、バーコード、ウォーターマーキング、QRコード(登録商標)(クイックレスポンスコードの略称)、又はApriltagコードである
請求項10に記載のロボットシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の各剛性リング構造が、前記複数のロボット装置のうちの1つのロボット装置によってつかまれるように、前記ロボット装置を制御して前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の剛性リング構造をつかむ、及び
前記軟包装物を反転させるように、前記ロボット装置を制御して、前記軟包装物の少なくとも2つの剛性挟持部品をつかむ、
ように構成される
請求項に記載のロボットシステム。
【請求項15】
ロボットシステムを用いて軟包装を処理する方法であって、
前記軟包装を提供することと、
前記軟包装の画像を捕捉するように前記ロボットシステムのコンピュータビジョンシステムを制御することと、
剛性挟持部品の位置を識別するように、前記軟包装の画像を処理することと、
前記ロボットシステムの前記ロボット装置を制御して前記剛性挟持部品をつかむことと、を含み、
前記軟包装は、
柔軟で変形可能な材料から形成される包装主体と、
前記包装主体の外周に設けられた複数の前記剛性挟持部品とを含み、
各剛性挟持部品は、前記ロボットシステムの前記複数のロボット装置のうちの一つのロボット装置によって挟持されるように構成された剛性リング構造を含む
方法。
【請求項16】
各ロボット装置が、挟持装置又はフック装置である
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各剛性挟持部品は、前記コンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成されたビジョンガイド構造を更に含む
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の各剛性リング構造が、前記複数のロボット装置のうちの1つのロボット装置によってつかまれるように、前記ロボットシステムの前記ロボット装置を制御して前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の剛性リング構造をつかむことと、
前記軟包装物を反転させるように、前記ロボット装置を制御して、前記軟包装物の少なくとも2つの剛性挟持部品をつかむことと、
を含む請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本出願は、2018年9月21日に出願された、発明の名称が「軟包装、軟包装を処理するロボットシステム及び方法」である米国特許出願No.16/137,744の優先権を主張し、参照によりその内容全体を本明細書に組み込む。
本開示は、全体として、ロボット及び包装技術に関し、より具体的には、軟包装(soft package)、軟包装を処理するロボットシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許、特許出願、及び様々な刊行物を含み得るいくつかの参考文献が、本開示の説明において参照及び議論される。そのような参考文献の引用および/または議論は、本開示の説明を明確にするためにのみ提供されており、そのような参考文献のいずれも、本明細書で説明される開示の「先行技術」であることを認めるものではない。本明細書において参照および議論される全ての参考文献は、各参考文献が参照により個別に組み込まれるのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の背景を全体的に提示することを目的とする。この背景技術に記載された範囲のうち、本発明者の研究及び出願時点において従来技術として見なすことが出来ない事項は、本発明の先行技術としての明確性及び示唆がない。
【0004】
現在、インターネットショッピングは、効率的な完成能力と低コストの物流ネットワークとを必要とする。したがって、ロボット技術は、ロボットハンドまたは吸盤によって包装体を操作する効率的な方法である。例えば、いくつかのロボットシステム(例えば、Deltaロボット)は、ピックアップジョブにおいて、吸盤を用いて物体をつかむ(掴む、grasp)。この場合、各包装の表面が十分に平滑な面を有すれば、吸盤を用いて固体ビン包装(solid bin package)を容易につかむことができる。しかしながら、軟包装の場合、その表面は、成功な取り出しを保証するのに十分に大きくて滑らかな表面を有していないことがある。この場合、吸盤以外の装置、例えば、引っ掛かり式挟持具やその他のつかみ装置を用いて物体をつかむようにしてもよい。
【0005】
しかしながら、包装およびそれに続く移動過程に、軟包装は変形する可能性があり、且つ確実につかむためおよび/または引っかけるための十分に大きくて滑らかな表面、固体部分または吊り下げ用の穴がない場合、ロボットは、異なる形状を有する軟包装をつかむことが困難である。
【0006】
したがって、本分野において、上記の欠点および不十分を解決する未解決のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0007】
いくつかの態様では、本開示は、柔軟で変形可能な材料から形成される包装主体と、前記包装主体の外周に設けられた複数の剛性挟持部品とを含む軟包装に関している。いくつかの実施例において、剛性挟持部品は、包装主体の複数の隅に設けられている。いくつかの実施例において、各剛性挟持部品は、ロボット装置によって挟持されるように構成された剛性リング構造を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、包装本体は、実質的な矩形形状を有する。
【0009】
いくつかの実施例において、剛性リング構造が磁気的なものである
【0010】
いくつかの実施例において、各剛性挟持部品は、コンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成されたビジョンガイド構造を更に含む。
【0011】
いくつかの実施例において、ビジョンガイド構造は、カラー構造である。
【0012】
いくつかの実施例において、ビジョンガイド構造は、その上にコンピュータ識別可能なコードを有するラベルである。
【0013】
いくつかの実施例において、コンピュータ識別可能なコードは、バーコード、ウォーターマーキング、QRコード(クイックレスポンスコードの略称(登録商標))、又はApriltagコードである。
【0014】
いくつかの実施例において、ロボット装置は、挟持装置又はフック装置である。
【0015】
いくつかの実施例において、挟持装置は、通常状態と拡張状態との間で切り替え可能に構成された拡張可能な挟持部品を有しており、前記拡張可能な挟持部材が前記通常状態にあるとき、前記拡張可能な挟持部材が前記剛性リング構造に挿入されるように構成されるように、前記拡張可能な挟持部材の寸法は、前記剛性リング構造の内部寸法よりも小さく、前記拡張可能な挟持部材が前期通常状態にあるとき、前記拡張可能な挟持部材が前期剛性リング構造を挟持するように構成されるように、前記拡張可能な挟持部材の寸法を拡張して前記剛性リング構造の内部寸法に適合する。
【0016】
本開示のいくつかの態様は、軟包装を処理するロボットシステムに関する。ロボットシステムは、コントローラと、各々が前記軟包装をつかむように構成された複数のロボット装置と、前記軟包装の画像を捕捉し、前記軟包装の剛性挟持部品の位置を識別するように構成されたコンピュータビジョンシステムとを含み、前記軟包装は、柔軟で変形可能な材料から形成される包装主体と、前記包装主体の外周に設けられた複数の前記剛性挟持部品とを含み、各剛性挟持部品は、前記複数のロボット装置のうちの一つのロボット装置によって挟持されるように構成された剛性リング構造を含む。いくつかの実施例において、剛性挟持部品は、包装主体の複数の隅に設けられている。いくつかの実施例において、包装本体は、実質的な矩形形状を有しており、4つの隅を有している。
【0017】
いくつかの実施例において、コンピュータビジョンシステムは、前記軟包装の画像を捕捉するように構成されたカメラと、前記カメラによって捕捉された前記軟包装の画像を処理し、前記軟包装の前記剛性挟持部品の位置を識別するように構成されたコントローラとを含む。
【0018】
いくつかの実施例において、各ロボット装置は、挟持装置又はフック装置である。
【0019】
いくつかの実施例において、各剛性挟持部品は、前記コンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成されたビジョンガイド構造を更に含む。
【0020】
いくつかの実施例において、ビジョンガイド構造は、カラー構造である。
【0021】
いくつかの実施例において、ビジョンガイド構造は、その上にコンピュータ識別可能なコードを有するラベルであり、前記コンピュータ識別可能なコードは、バーコード、ウォーターマーキング、クイックレスポンスQRコード、又はApriltagコードである。
【0022】
いくつかの実施例において、コントローラは、前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の各剛性リング構造が、前記複数のロボット装置のうちの1つのロボット装置によってつかまれるように、前記ロボット装置を制御して前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の剛性リング構造をつかむ、及び前記軟包装物を反転させるように、前記ロボット装置を制御して、前記軟包装物の少なくとも2つの剛性挟持部品をつかむ、ように構成される。
【0023】
本開示の別の態様は、ロボットシステムを用いて軟包装を処理する方法であって、前記軟包装を提供することと、前記軟包装の画像を捕捉するように前記ロボットシステムのコンピュータビジョンシステムを制御することと、剛性挟持部品の位置を識別するように、前記軟包装の画像を処理することと、前記ロボットシステムのロボット装置を制御して前記剛性挟持部品をつかむことと、を含み、前記軟包装は、柔軟で変形可能な材料から形成される包装主体と、前記包装主体の外周に設けられた複数の剛性挟持部品とを含み、各剛性挟持部品は、前記複数のロボット装置のうちの一つのロボット装置によって挟持されるように構成された剛性リング構造を含む。
【0024】
いくつかの実施例において、剛性挟持部品は、包装主体の複数の隅に設けられている。いくつかの実施例において、包装本体は、矩形形状を有しており、4つの隅を有している。
【0025】
いくつかの実施例において、各ロボット装置は、挟持装置又はフック装置である。
【0026】
いくつかの実施例において、各剛性挟持部品は、前記コンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成されたビジョンガイド構造を更に含む。
【0027】
いくつかの実施例において、当該方法は、前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の各剛性リング構造が、前記複数のロボット装置のうちの1つのロボット装置によってつかまれるように、前記ロボットシステムのロボット装置を制御して前記軟包装の少なくとも2つの剛性挟持部品の剛性リング構造をつかむことと、前記軟包装物を反転させるように、前記ロボット装置を制御して、前記軟包装物の少なくとも2つの剛性挟持部品をつかむことをさらに含む。
【0028】
添付の図面およびその説明を組み合わせて好ましい実施例を説明することによって、本開示のこれらの態様および他の態様は明らかになろう。本開示の新規な概念の趣旨および範囲から逸脱することなく、その変更および修正に影響を与える可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面は、本開示の1つ以上の実施例を示しており、本明細書に記載された説明と共に本開示の原理を説明している。図面全体を通して、可能な限り同じ符号によって、実施例の同じまたは類似な素子を示している。
図1A図1Aは、本開示の一実施例による挟持状態にある挟持装置の概略図である。
図1B図1Bは、図1Aに示す挟持装置が閉じた状態にある概略図である。
図1C図1Cは、図1Aに示す挟持装置が開いた状態にある概略図である。
図2A図2Aは、本開示の一実施例による扁平な空状態にある軟包装の概略図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す軟包装の包装状態における概略図である。
図2C図2Cは、図2Aまたは図2Bの剛性挟持部品の概略図である。
図2D図2Dは、本開示の別の実施例による軟包装の概略図であり、その中、各剛性挟持部品がラベルを含む。
図3図3は、本開示の一実施例によるロボットシステムの概略図である。
図4図4は、本開示の一実施例によるロボットシステムのコントローラの概略図である。
図5図5は、本開示の一実施例によるロボットシステムを使用して軟包装を処理する方法を示すフローチャートである。
図6図6は、本開示の一実施例による複数の処理待ちの軟包装の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の例示において、本開示をより具体的に説明しており、これらの例示は、単に例示を目的としており、当業者にとって、多くの修正および変更が明らかであろう。本開示の様々な実施例が、以下で詳細に説明される。図面を通して、同じ数字は同じ部品を表す。本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して使用される「一」、「一つ」、及び「前記」の意味は、文脈が別途明確に示しない限り、複数形を含む。また、本明細書の説明および特許請求の範囲全体で使用される「に」という意味は、文脈が明らかにそうでないことを示しない限り、「…の中に」および「…の上に」を含む。また、読者の便宜上、明細書にはタイトルまたはサブタイトルが使用されることがあるが、本開示の範囲に影響を与えない。なお、以下では、本明細書で用いるいくつかの用語について、より具体的に定義する。
【0031】
本明細書で使用される用語は、本開示の文脈及び各用語を使用する特定の文脈で一般に、本分野における通常の意味を有する。本開示を説明するために使用されるいくつかの用語は、本開示の説明に関する追加の指示を当業者に提供するために、以下または本明細書の他の場所で論じられる。同じことが1つ以上の方法で記載され得ることを理解されたい。したがって、代替の言語及び同義語は、本明細書で説明する任意の1つ又は複数の用語に使用することができ、その用語は、本明細書で説明又は説明するかどうかに特別な意味を持たない。本明細書では、ある用語の同義語が提供されているが、1つまたは複数の同義語の列挙は、他の同義語の使用を除外しない。本明細書において任意の場所で使用される例は、本明細書において論じられる任意の用語の例を含み、単に例示的なものであり、本開示または任意の例示的な用語の範囲および意味を決して限定するものではない。また、本開示は、本明細書で説明した様々な実施形態に限定されない。
【0032】
ある素子が他の素子の「上」にあると言及された場合、他の素子の上に直接的に位置すること又はそれらの間に中間素子が存在することを理解すべきである。逆に、ある素子が他の素子の「上に直接に」にあるとしたときは、それらの間に中間素子がないことを意味する。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連の列挙項目のうちの1つ又は複数の任意の組み合わせ及び全てを含む。
【0033】
第1、第2、第3などの用語は、様々な素子、部品、領域、層、及び/又は部分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの素子、部品、領域、層、及び/又は部分は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるべきである。これらの用語は、1つの素子、部品、領域、層、または部分を、別の素子、部品、領域、層、または部分と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じる第1の素子、部品、領域、層、または部分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の素子、部品、領域、層、または部分と呼ばれ得る。
【0034】
さらに、「下部」または「底部」および「上部」または「頂部」などの相対的な用語は、添付の図面に示されるように、1つの素子と別の素子との関係を説明するために本明細書で使用され得る。相対的な用語は、図面に示された向きに加えて、デバイスの異なる向きも包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面のうちの1つの図面内の装置が反転すると、他の素子の「下」側にあると説明された素子は、他の素子の「上」側にあることになる。したがって、「下部」という例示的な用語は、図面の特定の配向に応じて、「下部」および「上部」という2つの配向を含み得る。同様に、図面の1つにおける装置が反転する場合、他の素子の「下」または「下方」として説明される素子は、他の要素の「上に」配置されることになる。したがって、「下に」または「下方に」という例示的な用語は、上方および下方という2つの配向を含み得る。
【0035】
本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、別途定義されない限り、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈でのそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明確に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことが更に理解されるべきである。
【0036】
本明細書で使用される場合、「約」、「程度」、「ほぼ」、または「近く」は、概して、所与の値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を指すものとする。ここで与えられる数値は近似的なものであり、明示的に説明されていない限り、「約」、「左右」、「ほぼ」、または「近く」という用語が推定され得ることを意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「複数」は、2つ以上を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「備える」、「含む」、「担持する」、「搭載する」、「有する」、「含有する」、「関連する」などの用語は、開放式である、即ち、含むがこれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。
【0039】
本明細書で使用される「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」ということは、「OR」という非排他的な論理を意味すると解釈されるべきである(A又はB又はC)。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ以上のステップを異なる順序で(又は同時に)実行し得ることが理解される。
【0040】
本明細書で使用される「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ(共有、専用、またはプロセッサ群)、上記の機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、または、例えば、システムオンチップにおける上記の一部もしくは全部の組み合わせを含み、またはそれらの一部を指すことがある。「モジュール」という用語は、プロセッサによって実行されるコードを記憶するメモリ(共有、専用、またはメモリ群)を含み得る。
【0041】
本明細書で使用される「コード」という用語は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、および/またはオブジェクトを指すことができる。上記で使用されるように、「共有」という用語は、単一(共有)のプロセッサを使用して複数のモジュールからのコードの一部または全部を実行することができることを意味する。また、複数のモジュールからのコードの一部または全部は、単一(共有)のメモリに記憶されてもよい。上記で使用されるように、「セット」という用語は、単一のモジュールからのコードの一部またはすべてを実行するためにプロセッサのセットを使用できることを意味する。さらに、単一のモジュールからのコードの一部またはすべてを記憶するために、一セットのメモリが使用され得る。
【0042】
本明細書で使用される「インターフェース」という用語は、一般に、部品間のデータ通信を実行するために部品間のインタラクティブ点において使用される通信ツールまたは装置を指す。一般に、インターフェースは、ハードウェア及びソフトウェアに適用可能であり、単方向インターフェース又は双方向インターフェースであり得る。物理ハードウェアインターフェースの例は、電気コネクタ、バス、ポート、ケーブル、ターミナル、及び他のI/Oデバイス又は部品を含み得る。インターフェースと通信する部品は、例えば、コンピュータシステムの複数の部品または周辺装置であってもよい。
【0043】
上述したように、挟持装置は、物体をつかむために使用され得る。例えば、図1A図1Cは、本開示のいくつかの実施例による挟持装置を示している。図1Aに示すように、挟持装置100は、ベース110と、ベース110に対して回転可能な複数の移動可能な部分からなる2つのアーム状部品120と、から構成されている。図1Aは、挟持状態にある挟持装置100を示しており、アーム状部品120は、アーム状部品120によって形成される空間内で物体130を挟持するように特定な角度を形成することができる。これに対して、図1Bは、閉じた状態にある挟持装置100を示し、図1Cは、開いた状態にある挟持装置100を示している。
【0044】
しかしながら、軟包装は、その形状を任意に変更可能な柔軟な変形可能な材料から形成されてよい。この場合、図1A図1Cに示す挟持装置100によって軟包装を挟持するための固定面は存在しない。したがって、成功的に挟持することを保証するために、本開示の一態様は、剛性挟持部品を有する軟包装を提供している。
【0045】
図2Aおよび図2Bは、本開示のいくつかの実施例による軟包装を示している。図2Aに示すように、軟包装200は、包装本体210と、4つの剛性挟持部品220とを備えている。包装本体210は、扁平な空状態において略矩形形状である。4つの剛性挟持部品220は、包装本体210の四隅に設けられている。包装本体210は、柔軟な変形可能な材料からなり、包装本体210が包装過程で変形することを許容する。図2Bは、包装状態にある軟包装を示しており、包装本体210が変形して物体をそれに包装する。これに対して、各剛性挟持部品220は、「剛性」材料からなり、これにより、剛性挟持部品220の剛性が変形可能な材料よりもはるかに良好であり、それにより、剛性挟持部品220は、包装本体210のように容易に変形しないことを意味する。この場合、剛性挟持部品220は、ロボットシステムのインタラクティブに比較的に硬い部分を提供している。図2Aに示すように、各剛性挟持部品220は、剛性リング構造であり、ロボット装置(例えば、図1A図1Cに示す挟持装置100)または任意の他の挟持装置またはフック装置によって挟持される。
【0046】
動作中、軟包装の包装本体210には、成功な挟持を保証するための十分に大きい実装面がないことがある。しかしながら、各剛性挟持部品220の剛性リング構造は、ロボットシステムがそれに挟持するまたは引っ掛かるための複数の挟持構造または引っ掛かり構造を提供していてもよい。例えば、ロボットシステムは、複数のロボット装置(各々が挟持装置100、または任意の他の挟持装置もしくはフック装置であり得る)を含み、各ロボット装置を操作して、対応する1つの剛性挟持部品220の剛性リング構造を挟持または引っ掛けて、軟包装200の取り出しを可能にすることができる。
【0047】
いくつかの実施例では、各剛性挟持部品220の剛性リング構造は、挟持装置100が剛性リング構造の位置を容易に検出することができるように、磁気的なものであってもよい。
【0048】
図2Aに示す実施例では、包装本体210は、扁平な空状態において、略矩形形状を呈する。いくつかの実施例では、包装本体210は、円形または楕円形を有し、剛性リング構造は、円形または楕円形の包装本体210の周囲に沿って分散される。円形または楕円形の包装本体210における剛性リング構造の数は、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上であってもよく、剛性リング構造は、好ましくは、包装本体210の周囲に沿って均等に分散される。いくつかの実施例において、包装本体210は、三角形、台形、または他の多角形の形状を有してもよく、複数の剛性リング構造が、好ましくは、包装本体210の外周、例えば、包装本体210の隅に配置される。
【0049】
この実施例では、剛性リング構造は円形の孔を形成する。他の実施例では、剛性リング構造は、楕円形または多角形の形状を有することができる。いくつかの実施例では、多角形は、三角形、矩形または台形、五角形、六角形、八角形、十二角形などを含む。いくつかの実施例では、剛性リング構造体が五角形又は六角形の形状を有する場合、ロボット操作装置の形状に応じて、ロボット操作装置又はロボットアームが剛性リング構造体を容易に拾い上げてしっかりつかむことができる。
【0050】
いくつかの実施例において、各剛性挟持部品220は、ビジョンガイド構造を更に含み、当該ビジョンガイド構造は、コンピュータビジョンシステムが各剛性挟持部品220の位置を決定することができるように、ロボットシステムのコンピュータビジョンシステムによって検出されるように構成される。いくつかの実施例では、ビジョンガイド構造は、コンピュータビジョンシステムがビジョンガイド構造をより容易に識別するように、包装本体210とは異なる色を有するカラー構造であってもよい。例えば、図2Cに示されるように、ビジョンシステムが剛性挟持部品220を容易に識別するように、剛性挟持部品220は、それぞれが特定の赤、青、緑、および黄色を有する4つの部分に分割される。システムの動作を効果的に補助するために、剛性挟持部品220の色の数は、1~3または4つ以上であってもよく、同じ軟包装200の剛性挟持部品220は、同じ色パターンまたは異なる色パターンを有してもよい。いくつかの実施例では、ビジョンガイド構造を実現する簡単な方法は、各剛性挟持要素220にカラーリング構造を提供することであり、カラーリング構造は、剛性リング構造としてもよく、カラービジョンガイド構造としてもよい。
【0051】
代替的に、剛性リング構造及びビジョンガイド構造は、別個の構造であってもよい。例えば、図2Dは、本開示の異なる実施例による軟包装200'を示している。図2Dに示される軟包装200'と図2Aに示される軟包装200との間の相違点は、各剛性挟持部品220が、剛性リング構造だけでなく、コンピュータが識別可能なコードを有するラベル225も含むことである。いくつかの実施例では、ラベル225は、その上のコンピュータ識別可能なコードが一般に識別可能であるように、剛性かつ容易に変形しないことも必要である。図2Dに示されるように、ラベル225におけるコンピュータ認識可能なコードは、クイックレスポンス(QR)コードであり、当該クイックレスポンス(QR)コードは、コンピュータビジョンシステムがQRコードをスキャンすることによって軟包装200'に関する情報を認識し得るように、軟包装200'に関する情報を含み得る。なお、ラベル225は、コンピュータビジョンシステムが剛性挟持部品220に対応する剛性リング構造をより正確に位置決めするようにすることができる。いくつかの実施例では、ラベル225におけるコンピュータ識別可能なコードは、バーコード、ウォーターマーキング、Apriltagコード、又は任意の他の形態のコンピュータ識別可能なコードであってもよい。各隅におけるラベル225は、互いに同じであっても異なっていてもよい。4つの隅におけるラベル225が互いに異なる場合、各ラベル225は、対応する隅に対応する特定の情報を含むことができる。
【0052】
なお、図2Dでは、ラベル225が包装本体210に形成されているが、ラベル225の位置は、変更可能である。例えば、いくつかの実施例において、ラベル225は、包装本体210から延在する部分であってもよい。
【0053】
上述したように、軟包装200を処理するロボット装置は、図1A図1Cに示される挟持装置100に限定されない。いくつかの実施例では、挟持装置は、拡張可能な挟持装置であってもよく、通常状態と拡張状態との間で切り替え可能に構成された拡張可能な挟持部品を有する。拡張可能な挟持部品が通常状態にあるとき、拡張可能な挟持部品の寸法は、各剛性挟持部品220の剛性リング構造の内部寸法よりも小さく、それにより、拡張可能な挟持部品は、剛性リング構造内に挿入されるように構成される。拡張可能な挟持部品が通常状態にあるとき、拡張可能な挟持部品の寸法は、各剛性挟持部品220の剛性リング構造の内部寸法に適合するように、剛性リング構造を挟持するように構成される。拡張可能な挟持装置の例示は、市場で入手可能である。例えば、空気圧式挟持器の一種であるIDG拡張挟持器は、3つの小型フィンガを拡張して穴型物品をつかむことができる。または、拡張可能な挟持装置は、例えば、弾性拡張器を圧縮したり、気嚢を膨張させたりすることにより、孔をつかむ拡張可能な挟持器である。したがって、剛性挟持部品220の一方または両方を使用して、軟包装に対する操作を実行することができる。他の実施例において、3つ又は全ての4つの剛性挟持部品220を使用して、ロボット又は挟持器を用いて軟質包装200を操作することもできる。
【0054】
本開示の別の態様では、上記の軟包装を処理するためのロボットシステムが提供される。例えば、図3は、本開示の一実施例によるロボットシステムの概略図である。図3に示すように、ロボットシステム300は、コントローラ310と、複数のロボット装置320と、コンピュータビジョンシステム330とを備えている。コントローラ310は、上記実施例のいずれかで説明した軟包装200である軟包装を処理するために、ロボット装置320及びコンピュータビジョンシステム330を制御する。各ロボット装置320は、挟持装置100、又は任意の他の挟持装置またはフック装置であってもよい。コンピュータビジョンシステム330は、軟包装200の画像を捕捉するためのカメラを含む走査装置であってもよく、軟包装200の剛性挟持部品220の位置を認識するための例えば画像識別ソフトウェアである対応ソフトウェア部品を更に含む走査装置であってもよい。コントローラ310は、ロボット装置320及びコンピュータビジョンシステム330に接続されて、ロボット装置320を制御して軟包装200を処理し、コンピュータビジョンシステム330を制御して軟包装200の剛性挟持部品220の位置を識別する。
【0055】
図4は、本開示の一実施例によるロボットシステムのコントローラの概略図である。図4に示すように、コントローラ400は、プロセッサ412と、メモリ414と、コンピュータ実行可能なコード418を記憶する記憶装置416とを含むコンピューティングデバイスであってもよい。
【0056】
プロセッサ412は、コントローラ410の動作を制御する。いくつかの実施例において、プロセッサ412は、中央処理装置(CPU)であり得る。メモリ414は、コントローラ410の動作中にデータ及び情報を記憶するための揮発性メモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)であり得る。いくつかの実施例において、メモリ414は、揮発性メモリアレイであってもよい。いくつかの実施例では、コントローラ410は、1つ以上のプロセッサ412および/または1つ以上のメモリ414で動作し得る。
【0057】
記憶装置416は、不揮発性データ記憶媒体、または、コントローラ410のコンピュータ実行可能なコード418を記憶するための装置である。記憶装置416は、例えば、フラッシュメモリ、メモリカード、USBドライブ、又はハードディスクドライブ、フロッピーディスク、光ディスクドライブ、若しくは任意の他のタイプのデータ記憶装置などの他の類型のデータ記憶装置を含み得る。いくつかの実施例では、コントローラ410は、1つ以上の記憶装置416を有してもよい。
【0058】
コンピュータ実行可能なコード418は、コード又は命令を含み、当該コード又は命令をプロセッサ412によって実行する場合、いくつかの特徴を実行して、図3に示されるロボット装置320及びコンピュータビジョンシステム330の動作を制御する。具体的には、これらの特徴の例示は、ロボット装置320を制御して軟包装200の1つまたは複数の剛性挟持部品220の剛性リング構造をつかむこと、コンピュータビジョンシステム330を制御して軟包装200の画像を捕捉すること、軟包装の画像を処理して剛性挟持部品220の位置を識別することを含むが、これらに限らない。
【0059】
なお、軟包装200を処理する際、軟包装200は必ずしも個別に現れるわけではない。例えば、複数の軟包装200は、図3に示されるロボットシステム300によって集積され、一緒に処理されてもよい。この場合、処理待ちの各軟包装200を、包装スタック(堆)に配置してもよい。積み重ねおよび輸送中に全ての軟包装200が無秩序に積み重ねられる可能性があるので、いくつかの軟包装200が変形し、または、他の包装もしくは物体によって閉塞位置に挟持され、4つの剛性挟持部品220の全てが露出されない可能性がある。この場合、各軟包装200について、軟包装200がスタック(堆)に完全に埋め込まれていない限り、軟包装200の少なくとも1つの隅部を露出させて、ロボットシステム300のコンピュータビジョンシステム330によって検出することができる。したがって、軟包装200は、少なくとも1つの剛性挟持部品220を提供してロボットシステム300によってつかまれることができる。換言すれば、軟包装200の4つの隅がいずれも剛性挟持部品220を有する場合、軟包装200がうまくつかまれることがより確実になり得る。また、いくつかの実施例において、ロボットシステム300のコンピュータビジョンシステム330が、4つの剛性挟持部品220のうちのいくつかの剛性挟持部品を検出しない場合、ロボットシステム300が軟包装200の少なくとも一部が覆われていることを認識することができる。ロボットシステム300が複数の軟包装物200が覆われることを検出した場合、ロボットシステム300は、軟包装物200が不規則に積み重ねられていることを確定することができる。
【0060】
いくつかの実施例において、ロボットシステム300は、ロボット装置320を制御して、軟包装200を反転させる動作を実行するように構成され得る。例えば、ロボットシステム300のコントローラ400が、軟包装200が少なくとも2つの識別可能な剛性挟持部品220を有すると特定した場合、ロボットシステム300は、当該少なくとも2つの識別可能な剛性挟持部品220を用いて、軟包装200を反転させることができる。具体的には、コントローラ400は、少なくとも2つの識別可能な剛性挟持部品220の各剛性リング構造が1つのロボット装置320によってつかまれるように、ロボット装置320を制御して、軟包装200の少なくとも2つの識別可能な剛性挟持部品220の剛性リング構造をつかむことができる。言い換えれば、軟包装200は、少なくとも2つのロボット装置320によってつかまれる。次いで、コントローラ400は、軟包装200をつかむ少なくとも2つの剛性挟持部品220の少なくとも2つのロボット装置320を制御して、軟包装200を反転させることができる。
【0061】
本開示の別の態様では、図3に示されるようなロボットシステム300及び図4に示されるようなコントローラ400を使用して、軟包装を処理する方法を実行することができる。例えば、図5は、本開示の一実施例による、ロボットシステムを用いて軟包装を処理する方法のフローチャートである。いくつかの実施例において、図5に示される方法は、図3に示されるロボットシステム300及び図4に示されるコントローラ400で実現されることができ、図5に示される方法によって処理される軟包装は、上記の実施例のいずれかに記載される軟包装200であり得る。本開示に特に明記しない限り、当該方法のステップは、異なる順序で配列されてもよく、図5に示す順序に限定されないことに留意する必要がある。
【0062】
図5に示されるように、図4に示されるようなロボットシステム300が提供される場合、過程510において、軟包装200を提供して処理することができる。軟包装200は、柔軟で変形可能な包装本体210と、複数の剛性挟持部品220とを含み得る。次いで、過程520において、コントローラ400は、コンピュータビジョンシステム330を制御して、軟包装200の画像を捕捉してよい。いくつかの実施例において、各剛性挟持部品220は、コンピュータビジョンシステム330によって容易に検出される、例えばカラー構造またはラベルのようなビジョンガイド構造をさらに含んでもよい。過程530において、コントローラ400は、軟包装200の画像を処理して、軟包装200の剛性挟持部品220の位置を識別することができる。軟包装200の剛性挟持部品220の位置が識別されると、コントローラ400は、過程540において、ロボット装置320を制御して、剛性挟持部品220をつかむ。
【0063】
複数の軟包装、または軟包装と剛性包装との混合包装を動作する間に、軟包装の1つまたは複数の隅が他の包装体によって覆われる場合がある。図6は、本開示の一実施例による、処理待ちの複数の軟包装の概略図である。図3の説明に戻り、図6に示すように、複数の軟包装600は、プラットフォーム650上に積み重ねられる。各軟包装600は、4つの剛性挟持部品620を有する。しかしながら、ロボットによって操作され各軟包装600に露出される剛性挟持部品620の数は、変化のものである。各軟包装の寸法、向き、およびスタック(堆)における位置に基づいて、各軟包装の露出した剛性挟持部品620は、1つ、2つ、3つ、または4つであってもよい。したがって、本開示のいくつかの実施例によれば、図3に示されるロボットが、1つ、2つ、3つ、または4つの露出した剛性挟持部品620を使用して、任意の1つの軟包装を容易に持ち上げることができるように、軟包装600ごとに、少なくとも1つの外部に露出した剛性挟持部品620を有することが可能である。
【0064】
本開示の例示的な実施例の上記説明は、説明及び記述を目的として提示され、網羅的に、又は開示された形態そのものに限定することを意図していない。上記の教示によって多くの修正及び変形が行われ得る。
【0065】
実施例は、本開示の原理及びその実際な適用を説明するために選択及び説明され、それにより、他の当業者が、意図される特定の用途に適するように本開示及び様々な実施例を利用して、様々な修正を行うことができる。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、代替的な実施例が当業者にとっては明らかであろう。したがって、本開示の範囲は、前述の説明および本明細書に記載された例示的実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6