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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】ペット用ベッド
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/035 20060101AFI20230123BHJP
【FI】
A01K1/035 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021559364
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 US2020026390
(87)【国際公開番号】W WO2020206124
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】16/376,876
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515284526
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Yeti Coolers,LLC
【住所又は居所原語表記】7601 Southwest Parkway,AustinTX 78735,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】ダウ、ジョン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】デロッシュ、ドナルド エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ランゲラック、ブライアン
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-180793(JP,A)
【文献】特開2017-216953(JP,A)
【文献】登録実用新案第3191888(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0254526(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0112888(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0272582(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00 - 3/00
A01K 31/00 - 31/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部部材と、前記底部部材の外周から延在する側部部材とを有する下部ボルスタ・カバーであって、前記側部部材の上部内側領域の周りに延在する第1の閉鎖要素と、前記側部部材の上部外側領域の周りに延在する第2の閉鎖要素とを有する、下部ボルスタ・カバーと、
前記下部ボルスタ・カバーの前記底部部材上に配置された発泡体クッションであって、上面と、下面と、前記上面から前記下面まで延在する側面と、前記上面及び前記下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む、発泡体クッションと、
中央部材と、上部外側部材と、下部外側部材とを含む上部ボルスタ・カバーであって、前記上部外側部材が第3の閉鎖要素を含み、前記下部外側部材が第4の閉鎖要素を含み、前記下部外側部材が前記発泡体クッションの前記上面を覆うように、前記第4の閉鎖要素が前記下部ボルスタ・カバーの前記第1の閉鎖要素に接続する、上部ボルスタ・カバーと、
上面と、下面と、前記上面及び前記下面から延在する外部側面と、前記上面及び前記下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む繊維充填クッションであって、前記上部外側部材が前記繊維充填クッションの前記上面を覆う、繊維充填クッションと
を備えたボルスタを備える、ペット用ベッド。
【請求項2】
前記上部ボルスタ・カバーの前記中央部材が、キルティングされた面を有する、請求項1に記載のペット用ベッド。
【請求項3】
前記ボルスタに取り外し可能に連結されたマットレス部分をさらに備える、請求項1に記載のペット用ベッド。
【請求項4】
前記上部外側部材の前記第3の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの前記第2の閉鎖要素に接続している、請求項1に記載のペット用ベッド。
【請求項5】
前記第1及び第4の閉鎖要素が、前記上部ボルスタ・カバーと前記下部ボルスタ・カバーとの間にジッパー付き接続部を形成する、請求項1に記載のペット用ベッド。
【請求項6】
前記上部ボルスタ・カバーの前記下部外側部材が、前記発泡体クッションを前記繊維充填クッションから分離する、請求項1に記載のペット用ベッド。
【請求項7】
前記繊維充填クッションの前記中央開口部が、前記発泡体クッションの前記中央開口部よりも小さい、請求項1に記載のペット用ベッド。
【請求項8】
前記繊維充填クッションの前記中央開口部が、前記マットレス部分を受容するアンダーカットを形成する前記発泡体クッションの前記中央開口部よりも小さい、請求項3に記載のペット用ベッド。
【請求項9】
底部部材と、前記底部部材の外周から延在する側部部材とを有する下部ボルスタ・カバーであって、前記側部部材の上部内側領域の周りに延在する第1の閉鎖要素と、前記側部部材の上部外側領域の周りに延在する第2の閉鎖要素とを有する、下部ボルスタ・カバー、
前記下部ボルスタ・カバーの前記底部部材上に配置された第1のクッション部材であって、上面と、下面と、前記上面から前記下面まで延在する側面と、前記上面及び前記下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む、第1のクッション部材、
中央部材と、上部外側部材と、下部外側部材とを含む上部ボルスタ・カバーであって、前記上部外側部材が第3の閉鎖要素を含み、前記下部外側部材が第4の閉鎖要素を含み、前記上部ボルスタ・カバーの前記第4の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの前記第1の閉鎖要素に接続する、上部ボルスタ・カバー、並びに
上面と、下面と、前記上面及び前記下面から延在する外部側面と、前記上面及び前記下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む、第2のクッション部材であって、
前記上部外側部材が前記第2のクッション部材の前記上面を覆うように、前記上部外側部材の前記第3の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの前記第2の閉鎖要素に接続し、前記上部ボルスタ・カバーの前記下部外側部材が、前記第1のクッション部材を前記第2のクッション部材から分離する、第2のクッション部材
を備えたボルスタと、
前記ボルスタに取り外し可能に連結され、キルティングされた頂面を有するマットレス部分と
を備える、ペット用ベッド。
【請求項10】
前記第1のクッション部材が、前記第2のクッション部材とは異なるクッション手段を有する、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項11】
前記第1の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの全周にわたって配置されている、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項12】
前記底部部材が、1mmから5mmの範囲内の厚さを有する防水コーティングを有する、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項13】
前記下部ボルスタ・カバー及び前記上部ボルスタ・カバーが別個の部材である、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項14】
前記第2のクッション部材の前記中央開口部が、前記マットレス部分を受容するアンダーカットを形成する前記第1のクッション部材の前記中央開口部よりも小さい、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項15】
上部ボルスタ・カバーが、耐水性の層を有する生地から形成されている、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項16】
前記下部ボルスタ・カバーの前記第2の閉鎖要素、及び前記上部ボルスタ・カバーの前記第3の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの全周にわたってジッパー付き接続部を形成するように接続している、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項17】
前記第2のクッション部材の前記中央開口部が、前記第1のクッション部材の前記中央開口部の幅よりも狭い幅を有する、請求項9に記載のペット用ベッド。
【請求項18】
底部部材と、前記底部部材の外周から延在する側部部材とを有する下部ボルスタ・カバーであって、前記側部部材の上部内側領域の全周にわたって延在する第1の閉鎖要素と、前記側部部材の上部外側領域の周りに延在する第2の閉鎖要素とを有する、下部ボルスタ・カバーと、
前記下部ボルスタ・カバーの前記底部部材上に配置された発泡体クッションであって、上面と、下面と、前記上面から前記下面まで延在する側面と、前記上面及び前記下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを備える、発泡体クッションと、
中央部材と、上部外側部材と、下部外側部材とを含む上部ボルスタ・カバーであって、前記上部外側部材が第3の閉鎖要素を含み、前記下部外側部材が第4の閉鎖要素を含み、前記下部外側部材が前記発泡体クッションの前記上面を覆うように、前記第4の閉鎖要素が前記下部ボルスタ・カバーの前記第1の閉鎖要素に接続する、上部ボルスタ・カバーと、
上面と、下面と、前記上面及び前記下面から延在する外部側面と、前記上面及び前記下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む繊維充填クッションであって、前記上部外側部材が前記繊維充填クッションの前記上面を覆うように、前記上部外側部材の前記第3の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの前記第2の閉鎖要素に接続する、繊維充填クッションと
を備えたボルスタを備えるペット用ベッドであって、
前記第1の閉鎖要素及び前記第4の閉鎖要素が、前記下部ボルスタ・カバーの全周にわたってジッパー付き接続部を形成し、
前記繊維充填クッションの前記中央開口部の幅が、前記ボルスタに取り外し可能に連結されたマットレス部分を受容するアンダーカットを形成する前記発泡体クッションの前記中央開口部の幅よりも小さい、ペット用ベッド。
【請求項19】
前記発泡体クッションが、前記繊維充填クッションの高さと実質的に等しい高さを有する、請求項18に記載のペット用ベッド。
【請求項20】
前記第2の閉鎖要素及び前記第3の閉鎖要素が、前記ペット用ベッドの外部から見えない、請求項18に記載のペット用ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月5日付けで出願された米国特許出願第16/376,876号の優先権を主張する。上記に参照された特許出願は、その全体が参照により組み込まれている。
【0002】
本開示は、ペット用ベッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ペット用ベッドは、犬や猫などの動物にとって快適な休憩場所を提供する。しかしながら、ベッドの多くは、清潔に保つのが難しく、時間が経つにつれて形が崩れるか、又は生地に裂け目や破れが発生することがあり、それらが原因でベッドの寿命が縮んでしまう可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、ボルスタを備えたペット用ベッドに関し得るものであり、ボルスタは、下部ボルスタ・カバーと、下部ボルスタ・カバーの底部部材上に配置された発泡体クッションと、上部ボルスタ・カバーと、繊維充填クッションとを含む。下部ボルスタ・カバーは、底部部材と、底部部材の外周から延在する側部部材とを有することができる。下部ボルスタ・カバーはまた、側部部材の上部内側領域の周りに延在する第1の閉鎖要素と、側部部材の上部外側領域の周りに延在する第2の閉鎖要素とを有することができる。発泡体クッションは、上面と、下面と、上面から下面まで延在する側面と、上面及び下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含むことができる。上部ボルスタ・カバーは、中央部材と、上部外側部材と、下部外側部材とを含んでいてもよく、上部外側部材は第3の閉鎖要素を含み、下部外側部材は第4の閉鎖要素を含む。第4の閉鎖要素は、下部外側部材が発泡体クッションの上面を覆うように、下部ボルスタ・カバーの第1の閉鎖要素に接続することができる。さらに、繊維充填クッションは、上面と、下面と、上面及び下面から延在する外部側面と、上面及び下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含んでいてもよく、上部外側部材は、繊維充填クッションの上面を覆う。
【0005】
本開示の他の態様は、ペット用ベッドに取り外し可能に連結されたマットレス部分を有するペット用ベッドに関し得る。上部ボルスタ・カバーの中央部材は、キルティングされた面を有していてもよく、上部ボルスタ・カバーの上部外側部材の第3の閉鎖要素は、下部ボルスタ・カバーの第2の閉鎖要素に接続することができる。さらに、第1及び第4の閉鎖要素は、上部ボルスタ・カバーと下部ボルスタ・カバーとの間にジッパー付き接続部を形成してもよい。上部ボルスタ・カバーの下部外側部材は、発泡体クッションを繊維充填クッションから分離することができる。さらに、繊維充填クッションの中央開口部は、マットレス部分を受容するアンダーカットを形成する発泡体クッションの中央開口部よりも大きくてもよい。
【0006】
本開示のさらに他の態様は、下部ボルスタ・カバーと、上部ボルスタ・カバーと、第1のクッション部材と、第2のクッション部材とを含むボルスタを備えたペット用ベッドに関し得る。下部ボルスタ・カバーは、底部部材と、底部部材の外周から延在する側部部材とを有していてもよく、下部ボルスタ・カバーは、側部部材の上部内側領域の周りに延在する第1の閉鎖要素と、側部部材の上部外側領域の周りに延在する第2の閉鎖要素とを有する。上部ボルスタ・カバーは、中央部材と、上部外側部材と、下部外側部材とを含んでいてもよく、上部外側部材は第3の閉鎖要素を含み、下部外側部材は第4の閉鎖要素を含む。第4の閉鎖要素は、下部ボルスタ・カバーの第1の閉鎖要素に接続する。第1のクッション部材は、下部ボルスタの底部部材上に配置されてもよく、第1のクッション部材は、上面と、下面と、上面から下面まで延在する側面と、上面及び下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む。第2のクッション部材は、上面と、下面と、上面及び下面から延在する外部側面と、上面から下面まで延在する側面と、上面及び下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含んでいてもよい。上部外側部材の第3の閉鎖要素は、上部外側部材が第2のクッション部材の上面を覆うように、下部ボルスタ・カバーの第2の閉鎖要素に接続することができ、上部ボルスタ・カバーの下部外側部材は、第1のクッション部材を第2のクッション部材から分離することができる。さらに、マットレス部分は、ペット用ベッドに取り外し可能に連結されてもよく、マットレス部分は、キルティングされた頂面を有する。
【0007】
本開示のさらに追加的な態様は、第1のクッション部材が第2のクッション部材とは異なるクッション手段を有するペット用ベッドに関し得る。第1の閉鎖具は、下部ボルスタ・カバーの全周にわたって配置され得る。ペット用ベッドは、丸みを帯びた角を有する実質的に長方形の形状を有していてもよい。下部ボルスタ・カバー及び上部ボルスタ・カバーは、別個の部材であってもよい。さらに、下部ボルスタ・カバーは、耐水性の層を有する生地から形成されてもよい。第2のクッションの中央開口部は、マットレス部分を受容するアンダーカットを形成する第1のクッションの中央開口部よりも大きくてもよく、その結果、第2のクッション部材の中央開口部は、第1のクッション部材の中央開口部の幅よりも小さい幅を有する。第2の閉鎖具及び第3の閉鎖具は、下部ボルスタ・カバーの全周にわたってジッパー付き接続部を形成してもよい。
【0008】
さらなる実施例では、本開示は、ボルスタとマットレス部分とを備えたペット用ベッドに関するものであってもよく、ボルスタは、下部ボルスタ・カバーと、上部ボルスタ・カバーと、発泡体クッションと、繊維充填クッションとを備える。下部ボルスタ・カバーは、底部部材と、底部部材の外周から延在する側部部材とを有していてもよく、下部ボルスタ・カバーは、側部部材の上部内側領域の全周にわたって延在する第1の閉鎖要素と、側部部材の上部外側領域の周りに延在する第2の閉鎖要素とを有する。発泡体クッションは、下部ボルスタの底部部材上に配置されてもよく、発泡体クッションは、上面と、下面と、上面から下面まで延在する側面と、上面及び下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含む。上部ボルスタ・カバーは、中央部材と、上部外側部材と、下部外側部材とを含んでいてもよく、上部外側部材は第3の閉鎖要素を含み、下部外側部材は第4の閉鎖要素を含む。第4の閉鎖要素は、下部外側部材が発泡体クッションの上面を覆うように、下部ボルスタ・カバーの第1の閉鎖要素に接続することができる。繊維充填クッションは、上面と、下面と、上面及び下面から延在する外部側面と、上面から下面まで延在する側面と、上面及び下面を通って延在して内周面を形成する中央開口部とを含んでいてもよい。上部外側部材の第3の閉鎖要素は、上部外側部材が繊維充填クッションの上面を覆うように、下部ボルスタ・カバーの第2の閉鎖要素に接続することができる。第1の閉鎖要素及び第4の閉鎖要素は、下部ボルスタ・カバーの全周にわたってジッパー付き接続部を形成してもよい。さらに、繊維充填クッションの中央開口部の幅は、発泡体クッションの中央開口部の幅よりも大きくて、ペット用ベッドに取り外し可能に連結されたマットレス部分を受容するアンダーカットを形成することができる。発泡体クッションは、繊維充填クッションの高さと実質的に等しい高さを有することができる。最後に、第2の閉鎖要素及び第3の閉鎖要素は、ペット用ベッドの外部からは見えない場合がある。
【0009】
本開示のより完全な理解を可能にするために、例として、添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書に開示されているペット用ベッドの斜視図である。
図2】本明細書に開示されている図1のペット用ベッドの分解斜視図である。
図3】本明細書に開示されているペット用ベッドの上面図である。
図4】本明細書に開示されているペット用ベッドの正面図である。
図5】本明細書に開示されているペット用ベッドの底面図である。
図6】本明細書に開示されているペット用ベッドの左側面図である。
図7A】本明細書に開示されているペット用ベッドの側面断面図である。
図7B図7Aの一部の拡大図であり、分かりやすくするためにいくつかの部品が取り除かれている。
図8】本明細書に開示されている図1のペット用ベッドの部分的に組み立てられたボルスタの斜視図である。
図9】本明細書に開示されている図1のペット用ベッドの部分的に組み立てられたボルスタの斜視図である。
図10】本明細書に開示されている図9のペット用ベッドの部分的に組み立てられたボルスタの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による様々な例示的な構造及び方法の以下の説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照し、本発明の態様が実施され得る様々な例示的な装置、システム及び環境が例として示される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の特定の部品の配置、例示的な装置、システム、環境を利用することができ、構造的及び機能的な変更を行うことができることを理解されたい。また、「頂部」、「底部」、「前部」、「後部」、「側部」、「背部」などの用語が、本明細書において、本発明の様々な例示的な特徴及び要素を説明するために使用されている場合があるが、これらの用語は、本明細書においては、例えば、図面に示されている例示的な配向又は典型的な使用における配向に基づいて、便宜上使用されている。本明細書のいかなるものも、特許請求の範囲によって明示的に指定されない限り、本発明の範囲内に入るために、構造の特定の3次元的配向を必要とするものとして解釈されるべきではない。また、添付の図面は必ずしも縮尺通りで描かれていないことにも留意されたい。
【0012】
一般に、本開示は、犬又は他の動物が、休憩したり、座ったり、眠ったりする場所を提供するペット用ベッドに関する。ペット用ベッドは、ペットが寄りかかれるように隆起した支持壁を備えたベースを提供するボルスタと、ペットが横たわるためのクッション付きの面を提供するマットレス部分とを備えていてもよい。
【0013】
図1から図7Bに示すように、ペット用ベッド100は、ボルスタ110と、マットレス部分160とを備え得る。ボルスタ110は、複数の支持壁114によって囲まれた中央の凹部112を有していてもよい。マットレス部分160は、ボルスタ110の中央の凹部112内に配置することができる。支持壁114は、マットレス部分160の頂面の高さより高くてもよい。支持壁114の高さは、ボルスタ110の底面116から支持壁114の最上面まで垂直に測定され、マットレス部分160の高さは、底面116からマットレス部分160の頂面まで垂直に測定されたものである。
【0014】
ボルスタ110は、下部ボルスタ・カバー120と、上部ボルスタ・カバー130と、発泡体クッション140と、繊維充填クッション150とを備え得る。下部ボルスタ・カバー120は、ペット用ベッド100の底面116を形成する底部部材122と、底面116の外周から延在する側部部材124とを有していてもよい。側部部材124は、ペット用ベッド100の支持壁114の外面の一部を形成してもよい。上部ボルスタ・カバー130は、ボルスタ110の中央の凹部112に配置された中央部材132と、中央部材からペット用ベッド100の外周に向かって延在する下部外側部材134と、支持壁114の最上部及び支持壁114の外面の一部を形成する上部外側部材136とを有していてもよい。上部ボルスタ・カバー130及び下部ボルスタ・カバー120は、支持壁114の中央領域に沿って互いに接続し得る。
【0015】
支持壁114は、支持壁114に構造を提供するのを助けるために、発泡体クッション140と、繊維充填クッション150とを含んでいてもよい。図7Aに示すように、発泡体クッション140は、下部ボルスタ・カバー120の底部部材122上に配置することができ、発泡体クッション140は、上面142と、下面144と、上面142から下面144まで延在する側面146と、上面142及び下面144を通って延在して内周面149を形成する中央開口部148とを含む。繊維充填クッション150は、上面152と、下面154と、上面152及び下面154から延在する外部側面156と、上面及び下面を通って延在して内周面159を形成する中央開口部158とを含んでいてもよい。繊維充填クッション150は、発泡体クッション140の頂部上に配置することができる。上部ボルスタ・カバー130の下部外側部材134は、それが発泡体クッション140の上面142を実質的に覆い、繊維充填クッション150から発泡体クッション140を分離するように、発泡体クッション140と繊維充填クッション150との間に配置することができる。下部外側部材134は、図7Bに示すように、下部ボルスタ・カバー120の側部部材124の上部内側領域に配置されている内側閉鎖要素126と接続する、外周に沿って配置された閉鎖要素135を有していてもよい。下部外側部材134は、発泡体クッション140が支持壁114の下部に支持部及び形状を提供するように、ペット用ベッド100に発泡体クッション140を固定するのに役立つ。さらに、繊維充填クッション150は、支持壁114の上部に支持部及び形状を提供することができる。繊維充填クッション150は、下部外側部材134上に配置され、上部ボルスタ・カバー130の上部外側部材136によってペット用ベッド100に固定されてもよい。上部外側部材136は、中央部材132から延在して繊維充填クッション150の上部領域を取り囲み、上部外側部材136の外縁部に沿って配置された閉鎖要素137を介して下部ボルスタ・カバー120に接続されてもよい。閉鎖要素137は、図7Bに示すように、側部部材124の上部外側領域上に配置された外側閉鎖要素128に接続することができる。さらに、上部外側部材136の一部は、観察者がペット用ベッド100の外部から見たときに、これらの閉鎖要素128、137が見えないように、閉鎖要素128、137を覆って延在してもよい。これらの閉鎖要素128、137を覆うことによって、閉鎖要素128、137は、ペットがそれらを引っ掻いたり噛んだりすることから保護され、ペット用ベッド100の耐久性を向上させることができる。さらに、閉鎖要素126、135は、ベッドが組み立てられた状態にある間は、視界から隠されていて、ペットが触れることができないため、それらもまた、ペットが引っ掻いたり噛んだりすることから保護され、ペット用ベッド100の耐久性をさらに向上させることができる。
【0016】
繊維充填クッション150及び発泡体クッション140は、ペット用ベッド100にアンダーカット又は凹部118を形成して、ペット用ベッド100内にマットレス部分160を受容して固定するように配置することができる。上記で論じたように、繊維充填クッション150は、発泡体クッション140の頂部上に配置されてもよい。繊維充填クッション150は、中央開口部158を有してもよく、発泡体クッション140は、中央開口部148を有してもよい。繊維充填クッション150の中央開口部158の幅及び長さは、発泡体クッション140の中央開口部148の対応する幅よりも狭く、対応する長さよりも短くてもよい。異なるサイズの中央開口部148、158は、ペット用ベッド100の内側部分の周りに凹部118を形成する。凹部118は、繊維充填クッション150の下部がペット用ベッド100内にマットレス部分160を保持するのに役立つように、マットレス部分160を受容する。マットレス部分160は、上部ボルスタ・カバー120の中央部材132の頂面に載っている。アンダーカット118を形成する繊維充填クッション150の突出部は、マットレス160が誤って取り外されるのを垂直方向に抑止することができる。しかしながら、繊維充填クッション150及びマットレス部分160の柔軟性のために、マットレス部分160は、ユーザが取り外すことができるように、ペット用ベッド100に取り外し可能に連結されてもよい。場合によっては、マットレス部分160は、トラベル・ベッドのようなボルスタ110とは別に使用してもよい。
【0017】
下部ボルスタ・カバー120の閉鎖要素126、128及び上部ボルスタ・カバー130の閉鎖要素135、137は、閉鎖要素126、135が嵌合して下部ボルスタ・カバー120の下部外側部材134を上部ボルスタ・カバー130に接合し、閉鎖要素128、137が嵌合して上部外側部材136を上部ボルスタ・カバー130に接合するように、相補的な閉鎖要素であり得る。さらに、これらの閉鎖要素126、128、135、137は、ペット用ベッド100の周りを完全に(360度)取り囲むように、下部ボルスタ・カバー120及び上部ボルスタ・カバー130の全周にわたって配置されてもよい。或いは、いくつかの実施例では、閉鎖要素126、128、135、137は、下部ボルスタ・カバー120及び上部ボルスタ・カバー130の外周の一部に配置されてもよい。これらの閉鎖要素126、128、135、137は、ジッパー付き要素、フック・ループ式要素、複数のスナップ、ボタン、又は当業者に知られている他のタイプの閉鎖要素であってもよい。例示的な実施例に示されるように、下部ボルスタ・カバー120の閉鎖要素126は、上部閉鎖要素の閉鎖要素135と接続して、下部ボルスタ・カバー120と上部ボルスタ・カバー130との間に第1のジッパー付き接続部を形成してもよい。同様に、下部ボルスタ・カバー120の閉鎖要素128は、上部ボルスタ・カバー130の閉鎖要素137と接続して、ペット用ベッド100の全周にわたって下部ボルスタ・カバー120と上部ボルスタ・カバー130との間に第2のジッパー付き接続部を形成してもよい。閉鎖要素126、128、135、137は、カバー120、130を洗う必要がある場合など、必要に応じてユーザがボルスタ・カバー120、130を取り外すことができるように、解放可能な接続を形成することができる。さらに、下部ボルスタ・カバー120は、上部ボルスタ・カバー130に解放可能に接続された別個の部材であってもよいが、いくつかの実施例では、下部ボルスタ・カバー120及び上部ボルスタ・カバー130は、下部ボルスタ・カバー120の外周に沿った領域で、恒久的に接続されてもよい。
【0018】
図8から図10は、部分的に組み立てられたボルスタをさらに示す。図8は、部分的に組み立てられたボルスタ110を示しており、上部ボルスタ・カバー130の下部外側カバー134は、閉鎖要素135、126を介して下部ボルスタ・カバー120に取り付けられている。繊維充填クッション150は、下部外側カバー134の頂部上に直接配置され、上部外側カバー136が繊維充填部材の周りに延びて下部ボルスタ・カバー120に取り付けられる前に配置される。例示的な実施例に示されるように、繊維充填クッション150は、丸みを帯びた角及び略長方形の開口部158を備えた略長方形の形状を有する、単一の連続的な部材又は一体部材として形成されてもよく、いくつかの実施例では、繊維充填クッション150は、複数の部材から形成されてもよい。図9は、下部ボルスタ・カバー120の底部部材122上に配置された発泡体クッション140を備えた、部分的に組み立てられたボルスタ110を示す。発泡体クッション140は、下部ボルスタ・カバー120を形作るのに役立ち、側部部材124の高さと実質的に同様の高さを有することができる。例示的な図示された実施例では、発泡体クッション140は、丸みを帯びた角及び略長方形の開口部148を備えた略長方形の形状を有する、単一の連続的な部材又は一体部材として形成されてもよく、いくつかの実施例では、発泡体クッション150は、複数の部材から形成されてもよい。図10は、下部ボルスタ・カバー、並びに、内側閉鎖要素126及び外側閉鎖要素128の拡大図を示す。
【0019】
図1から図3に示すように、ペット用ベッド100は、丸みを帯びた角を有する実質的に長方形の形状を有していてもよい。いくつかの実施例では、ペット用ベッド100は、正方形、円形、楕円形、又はその他の幾何学的な形などのいかなる形状を有していてもよい。支持壁114の上部は、実質的に丸い形状を有していてもよい。例示的な実施例では、支持壁114は、すべて同じ高さを有していてもよく、いくつかの実施例では、支持壁114は、異なる高さを有していてもよい。例えば、支持壁114のうちの1つは、残りの支持壁114よりも低くてもよく、或いは、支持壁114のうちの1つは、残りの支持壁114よりも高くてもよい。さらに、ベッド100は、全高が約22cm、又は16cmから30cmの範囲内であり、全長が約102cm、又は60cmから120cmの範囲内であり、全幅が約76cm、又は45cmから90cmの範囲内であってもよい。
【0020】
マットレス部分160は、ペットのための主な休息面を提供することができる。マットレス部分160は、実質的に長方形の形状を有し、発泡体クッション140の中央開口部148と実質的に同じサイズであってもよい。他の実施例では、マットレス部分160は、円形、正方形又は楕円形などの異なる形状を有していてもよい。マットレス部分160は、マットレス・カバー162と発泡体部分とを有しており、発泡体部分は、単一の発泡体層で形成されるか、又は任意で、恒久的に接合された複数の発泡体層として形成され得る。例えば、複数の発泡体層は、最上層及び最下層を形成する発泡体層よりも高密度の発泡体から形成された中央層を含んでいてもよい。発泡体層は、ポリウレタン材料又は当業者に知られているその他の適切な材料から形成することができる。さらに、マットレス部分160は、発泡体クッション140の高さ以下の高さを有することができる。マットレス・カバー162は、キルティング領域を備えた頂面を有していてもよく、クッションの追加の層を提供するために、キルティングされた模様の内部に封入されたポリウレタン発泡材、ポリエステル繊維充填材、又は同様の材料を有する。さらに、マットレス・カバー162は、洗う必要があるときなど、必要に応じて取り除くことができるように、マットレス160の発泡体部分の周りに解放可能に固定されてもよい。
【0021】
繊維充填クッション150は、外側布カバー151を有していてもよく、発泡体クッション140よりも柔らかく、より圧縮できる部材を提供するために、ポリエステル繊維充填材で充填することができる。図7Aの例示的な実施例で示されるように、繊維充填クッション150は、実質的に楕円形の断面形状を有していてもよい。他の実施例では、繊維充填クッション150は、円形の断面形状、又は他の幾何学的な断面形状を有していてもよい。発泡体クッション140は、発泡体構造を含んでいてもよい。いくつかの実施例では、発泡体クッション140は、単一の発泡体層で形成されるか、又は任意で、恒久的に接合された複数の発泡体層として形成され得る。例えば、複数の発泡体層は、最上層及び最下層を形成する発泡体層よりも高密度の発泡体から形成された中央層を含んでいてもよい。発泡体層は、ポリウレタン材料又は当業者に知られている他の適切な材料から形成することができる。発泡体クッション140は、繊維充填クッション150の断面形状とは異なる断面形状を有していてもよい。図7Aの例示的な実施例で示されるように、発泡体クッション140は、実質的に長方形の断面形状を有していてもよく、正方形の断面形状、又は他の幾何学的な断面形状を有していてもよい。例示的な実施例では、発泡体クッション140は、繊維充填クッション150の高さに等しい高さを有していてもよい。いくつかの実施例では、発泡体クッション140は、繊維充填クッション150より低くてもよく、又は高くてもよい。上述のように、発泡体クッション140は、繊維充填クッション150とは異なるクッション手段を有していてもよい。或いは、クッション部材140、150の両方が発泡体クッション材又は繊維充填クッション材を含むかどうかにかかわらず、発泡体クッション140は、繊維充填クッションと同じクッション手段を有していてもよい。
【0022】
上部ボルスタ・カバー130、下部ボルスタ・カバー120及びマットレス・カバー162は、天然繊維又は合成繊維を含む生地から形成することができる。例えば、上部ボルスタ・カバー130は、ナイロン又はポリエステル繊維から形成される生地を含んでいてもよく、不織布材料から形成される生地を有することもできる。いくつかの実施例では、上部ボルスタ・カバー130、下部ボルスタ・カバー120及びマットレス・カバー162は、ステッチ、接着、又は当業者に知られている他の手段によって接合された複数の生地の層状構造を有していてもよい。さらに、上部ボルスタ・カバー130の中央部材132は、頂面上にキルティング領域133を有していてもよく、キルティング領域は、頂面の内部に封入されたポリウレタン発泡材部分を有する。上部ボルスタ・カバー130、下部ボルスタ・カバー120及びマットレス・カバー162の生地要素は、あらゆる水分がカバー120、130、164を通って浸透するのを防ぐために、ポリウレタン又は同様のコーティングなどの、防水性又は耐水性の層も含んでいてもよい。いくつかの実施例では、下部ボルスタ・カバーの底面122は、水分が底面122を通って浸透しないように、ベッド100を、ボート、濡れた芝生又は砂などの濡れた表面に置くことを可能にするための防水コーティングを有していてもよい。例えば、底面122は、成形ゴム、又はエチレン酢酸ビニル(EVA:ethylene vinyl acetate)若しくは熱可塑性ポリウレタン(TPU:thermoplastic polyurethane)などのエラストマー性ポリマー材料で形成されたコーティングを有していてもよい。コーティングは、約3mmの厚さ、又は1mmから5mmの範囲の厚さを有していてもよい。さらなる実施例では、防水コーティングには、ロゴ又はその他の装飾的なマーキングが成形されていてもよい。キルティング領域133では、キルティングされた正方形同士の間隔が、マットレス部分160の頂面162のものと同じであってもよい。
【0023】
様々な実施例を説明してきたが、当業者には、特許請求の範囲内にあるさらに多くの実施例及び実施が可能であることは明らかであろう。上述した様々な寸法は単なる例示であり、必要に応じて変更することができる。そのため、当業者には、特許請求の範囲内にあるさらに多くの実施例及び実施が可能であることは明らかであろう。したがって、記載された実施例は、特許請求の範囲の理解を助けるために提供されているに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10