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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230123BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022510279
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2020013767
(87)【国際公開番号】W WO2021192168
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】594170727
【氏名又は名称】日本ライフライン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 雄輝
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-511414(JP,A)
【文献】特開2019-146909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部内に冷却媒体を輸送する流路が形成された金属製チューブと、該金属製チューブの先端部に形成された先端電極と、該先端電極を除く前記金属製チューブの所定の軸方向部位の外面を被覆する樹脂製の外層チューブと、該外層チューブの少なくとも先端部において前記外層チューブと前記金属製チューブとを接着する接着剤と、を有したカテーテル本体を備え、
前記金属製チューブは、前記接着剤を付着させる部位に、凹凸パターンが形成され
前記接着剤の先端縁は、前記凹凸パターンの先端縁よりも基端部側に位置することを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記凹凸パターンは、第一の方向に延びる複数の溝と、該第一の方向と交差する第二の方向に延びる複数の溝とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第一の方向に延びる溝と、前記第二の方向に延びる溝は、前記金属製チューブの軸線に沿った方向及び該軸線と直交する方向に対して夫々傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記流路は、前記冷却媒体を基端側から先端側に向けて輸送する送り路と、前記冷却媒体を先端側から基端側に向けて輸送する戻り路と、を含み、
前記送り路と前記戻り路の一方は前記金属製チューブの中空部内に挿入された樹脂製チューブにより形成され、前記送り路と前記戻り路の他方は前記金属製チューブと前記樹脂製チューブとの間に形成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の部材と、これを被覆する樹脂性の外層チューブとの接着性を向上させたカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
血管を経由して体内に挿入されるカテーテルとして、金属製の部材と、該金属製の部材を被覆する樹脂性の外層チューブとを備えたカテーテルが知られている。
【0003】
特許文献1には、管状のシャフト本体部と、シャフト本体部を被覆する被覆部と、を備えたカテーテルが記載されている。シャフト本体部には、比較的剛性の高い材料として、金属又は樹脂が使用される。被覆部には、絶縁性を備える材料として、高分子材料又はこれらの混合物が使用される。
【0004】
特許文献1において、シャフト本体部を金属から構成すると、シャフト本体部と被覆部は、金属と高分子材料という異質な材料の組み合わせとなる。一般的に金属と高分子材料との接着性(異質な材料同士の接着性)は、高分子材料同士の接着性(同質な材料同士の接着性)に比べて低くなる。そのため、シャフト本体部を金属から構成する場合は、如何にしてシャフト本体部から被覆部を剥離しないようにするかが問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2014/174662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、金属製の部材を被覆する樹脂製の外層チューブが、金属製の部材から剥離することを防止できるカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、中空部内に冷却媒体を輸送する流路が形成された金属製チューブと、該金属製チューブの先端部に形成された先端電極と、該先端電極を除く前記金属製チューブの所定の軸方向部位の外面を被覆する樹脂製の外層チューブと、該外層チューブの少なくとも先端部において前記外層チューブと前記金属製チューブとを接着する接着剤と、を有したカテーテル本体を備え、前記金属製チューブは、前記接着剤を付着させる部位に、凹凸パターンが形成された粗面加工部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属製の部材を被覆する樹脂製の外層チューブが、金属製の部材から剥離することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一の実施形態に係るカテーテルの概略構成を示す平面図である。
図2図1に示すカテーテル本体のC-C断面図である。
図3図2に示すカテーテル本体のD-D断面図である。
図4】(a)~(c)は、粗面加工部に形成される凹凸パターンの一例を示す模式図である。
図5】本発明の第二の実施形態に係るカテーテルの概略構成を示す平面図である。
図6】(a)は、図5に示すカテーテル本体のE-E断面図であり、(b)はF-F断面図である。
図7】カテーテル先端部の構造を示す図であり、(a)は部分拡大図であり、(b)は図6(b)のG-G断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0011】
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の第一の実施形態に係るカテーテルの概略構成を示す平面図である。図2は、図1に示すカテーテル本体のC-C断面図である。図3は、図2に示すカテーテル本体のD-D断面図である。
【0012】
以下、本実施形態を診断用の電極カテーテルの例に基づいて説明するが、本発明はアブレーションカテーテル、除細動カテーテル等、電極カテーテル以外のカテーテルにも適用可能である。
【0013】
図1に示す電極カテーテル(以下単に「カテーテル」という)1は、血管を通して心臓内に挿入され、心臓内の電気的活性状態のマッピングや心臓内壁のアブレーション(焼灼)後の心電位測定に使用される器具である。
【0014】
カテーテル1は、軸方向に延びるカテーテル本体10と、カテーテル本体10の基端部10b(近位端側)に取り付けられたハンドル20と、カテーテル本体10の先端部10a(遠位端側)に取り付けられた先端チップ電極(先端電極)31及び複数のリング状電極41,41…とを備える。
【0015】
図2に示すように、カテーテル本体10は、軸方向の先端部10aに、外部に露出する先端チップ電極31を備えた金属製部材30と、金属製部材30の軸方向の基端側に位置する非露出部33の外面を被覆する樹脂製の外層チューブ50と、外層チューブ50の少なくとも先端部50aにおいて外層チューブ50と金属製部材30の非露出部33とを接着する接着剤51とを備える。金属製部材30は、接着剤51を付着させる部位(表面)に、凹凸パターン71(71A~71C:図4参照)が形成された粗面加工部70を備える点に特徴がある。
【0016】
<操作部>
図1に示すように、カテーテル1のハンドル20は、カテーテル1の操作者が把持する把持部21と、把持部21よりもカテーテル本体10寄りに回転自在に配置されて、先端部10aを図中矢印B1-B2方向に偏向(或いは湾曲変形)させる回転板22、及び回転板22を回転操作する回転つまみ23と、を備える。
【0017】
回転板22を図中矢印A1方向に回転させると、先端部10aが回転板22の回転角度に応じた量だけ図中矢印B1方向に偏向する。回転板22を図中矢印A2方向に回転させると、先端部10aが回転板22の回転角度に応じた量だけ図中矢印B2方向に偏向する。
【0018】
<カテーテル本体>
図3に示すように、カテーテル本体10は、中空筒状の外層チューブ50と、外層チューブ50の中空部内に収容された複数の中空筒状のルーメンチューブ61(61A~61D),65(65A,65B)とを備える。ルーメンチューブ61,65は、外層チューブ50に対して、例えば接着剤や溶融接合などにより固定されている。
【0019】
カテーテル本体10は、内部に少なくとも1つのルーメンを有している。本例に示すカテーテル本体10は、外層チューブ50の中空部内に、その軸方向に沿って延びる複数のリード用ルーメン62(62A~62D)と、複数の操作用ルーメン66(66A,66B)とを備える。リード用ルーメン62はルーメンチューブ61の中空部内に形成され、操作用ルーメン66はルーメンチューブ65の中空部内に形成されている。
【0020】
各リード用ルーメン62には、先端チップ電極31及び各リング状電極41と導通するリード線(図示省略)が挿通される。
【0021】
操作用ルーメン66(66A,66B)には、操作ワイヤ25(25A,25B)が挿通されている。操作ワイヤ25Aは、カテーテル本体10の先端部10aを図中矢印B1方向に偏向させる。操作ワイヤ25Bは、カテーテル本体10の先端部10aを図中矢印B2方向に偏向させる。各操作ワイヤ25は、各操作用ルーメン66に対してその軸方向に進退可能(スライド可能)に挿通される。
【0022】
各操作ワイヤ25の基端部は、夫々回転板22(図1参照)の適所に固定されている。各操作ワイヤ25は、回転板22の回転角度に応じた量だけ、操作用ルーメン66内を軸方向へスライドする。図3に示すように、各操作ワイヤ25の先端部は先端チップ電極31に対して半田付け等により固定されている。
【0023】
外層チューブ50とルーメンチューブ61,65は、可撓性材料により構成されている。具体的には、これらのチューブにはポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ナイロン及びPEBAX(登録商標。物質名:ポリエーテルブロックアミド)等の合成樹脂を用いることができる。
【0024】
カテーテル本体10の軸方向長は600~1500mmであることが好ましく、更に好ましくは700~1200mmとされる。
【0025】
リード用ルーメン62の内径は0.05~0.20mmであることが好ましく、更に好ましくは0.07~0.15mmとされる。リード用ルーメン62の軸方向長は600~1500mmであることが好ましく、更に好ましくは700~1200mmとされる。
【0026】
操作用ルーメン66の内径は0.15~0.35mmであることが好ましく、更に好ましくは0.20~0.30mmとされる。操作用ルーメン66の軸方向長は600~1500mmであることが好ましく、更に好ましくは700~1200mmとされる。
【0027】
<電極>
図2等に示される、先端チップ電極31を備える金属製部材30、及びリング状電極41は、例えばアルミニウム、銅、ステンレス、金、白金など、電気伝導性の良好な金属で構成される。なお、X線に対する造影性を良好に持たせるためには、金属製部材30、及びリング状電極41は、白金またはその合金で構成されることが好ましい。
【0028】
先端チップ電極31及びリング状電極41の外径は、特に限定されないが、カテーテル本体10の外径と同程度であることが好ましく、通常、約0.5~3mmである。
【0029】
図2に示すように、金属製部材30は、接着剤51により外層チューブ50に固定されている。
【0030】
リング状電極41は、例えば、外層チューブ50の外径よりも径が大きいが大きい金属製のリングがかしめられて外層チューブ50の外周面に固定されている。リング状電極41の数は特に限定されない。リング状電極41の数は、カテーテル本体10内に挿通可能なリード線の数等に応じて適宜設定される。
【0031】
<金属製部材>
金属製部材30は、先端側が閉塞し、基端側が開口した有底筒状である。
金属製部材30は、先端側に配置されて先端チップ電極31を形成する露出部と、基端側に配置されて外層チューブ50により被覆される非露出部33とを備える。先端チップ電極31が形成された金属製部材30の先端側の外形状は半球状である。
【0032】
<<粗面加工部>>
非露出部33の外表面には、外層チューブ50の先端部50aが、接着剤51により接着される。
非露出部33の外表面には粗面加工部70が形成されている。粗面加工部70は、表面に所定のパターンによる凹凸加工が施された部位である。粗面加工部70は、非露出部33の軸方向の全体、又は、少なくとも非露出部33の先端側部位に配置されている。粗面加工部70は、非露出部33の周方向の全体に形成されている。
【0033】
<<凹凸パターン>>
図4(a)~(c)は、粗面加工部に形成される凹凸パターンの一例を示す模式図である。
凹凸パターン71は、例えばブラスト加工、レーザ加工、放電加工、化学エッチング、切削加工等により形成される。なお、凹凸パターン71は、これ以外の方法により形成されてもよい。
【0034】
凹凸パターン71(71A~71C)は、非露出部33の表面に形成された所定の凹凸形状からなるパターンである。凹凸パターン71は、非露出部33に対する接着剤51の接着力を向上させるアンカー効果を得るためのパターンである。特に、凹凸パターン71は、金属と樹脂のような異質な材料同士の接着力を向上させる。
【0035】
例えば、粗面加工部70は、図4(a)に示すような、多数の凹所72(又は凸所)がランダムに配置された凹凸パターン71Aを備えてもよい。凹凸パターン71Aをブラスト加工により形成する場合、凹凸パターン71Aを構成する凹所72(又は凸所)の形状等は、非露出部33の表面に衝突させる投射材の粒径、硬度、投射速度等を含むブラスト時の加工条件に応じて調整される。
【0036】
また、粗面加工部70は、図4(b)に示すような、複数の溝73,74が幾何学的に(又は規則的に)配置された凹凸パターン71Bを備えてもよい。
図示する凹凸パターン71Bは、第一の方向に延びる複数の溝73と、第一の方向と交差する第二の方向に延びる複数の溝74とが互いに交差するように配置されたパターンである。
金属製部材30の軸方向に対する各溝73,74の傾斜角度(螺旋角度)は、0度、30度、45度、60度、90度、その他のように、任意の角度に設定できる。
【0037】
ここで、外層チューブ50が金属製部材30から剥離する場合、剥離は両者間の接着力が最も弱い箇所から生じやすい。従って、凹凸パターン71は、粗面加工部70の全域において均一な接着力を発揮できるパターンであることが望ましい。
【0038】
当該観点から、粗面加工部70には、多数の凹所72(又は凸所)がランダムに配置された凹凸パターン71Aを形成するよりも、複数の溝73,74が幾何学的に(又は規則的に)配置されたパターン(凹凸パターン71B等)を形成する方が望ましい。幾何学的なパターンは、粗面加工部70の全域において均一な凹凸を形成しやすくなる。幾何学的なパターンは、粗面加工部70の全域において均一な接着力を発揮しやすくなるため、より高い剥離防止効果を得られる。
【0039】
なお、粗面加工部70の全域において均一な接着力を得るためには、各溝73,74の幅、深さ、及び溝の内部形状等を同一に設定すると共に、溝73,73同士の間隔、及び溝74,74同士の間隔を同一に設定することが望ましい。
【0040】
各溝73,74は、金属製部材30の軸線Axに沿った方向(軸方向)と、軸線Axと直交する方向(周方向)の双方に対して傾斜していることが望ましい。
【0041】
ここで、カテーテル1を体内に案内する際、外層チューブ50の先端縁50bには、カテーテル1の挿入方向とは逆方向(軸線Axに沿って先端から基端に向かう方向)に外力が加わる。この外力は、外層チューブ50を剥離させようとする。
【0042】
しかし、軸線Ax(剥離させようとする力の方向)、及び軸線Axと直交する方向の双方に対して傾斜した溝73,74を形成すれば、軸方向と周方向の夫々に平行して伸びる溝を形成するよりも、高い剥離防止効果を得られる。この場合の各溝73,74の角度は、金属製部材30の軸線Axに対して夫々45度傾斜した角度とするのが好適である。
【0043】
粗面加工部70に形成される凹凸パターンは、凹凸の形成しやすさ、及び得られるアンカー効果等に基づいて最適な凹凸パターンが選択される。例えば、カテーテル本体10の外径が1Fr(0.33mm)以下の診断用カテーテルの粗面加工部70に形成する凹凸パターンは、2方向に延びる溝73,74が軸線Axに対して夫々45度の方向に伸びる凹凸パターン71Bが好適である。
【0044】
図示する凹凸パターン71Bは、互いに異なる方向に延びる2種類の溝73,74を交差させたいわゆる綾目パターン(ダイヤモンドパターン)であるが、凹凸パターンは、互いに異なる方向に延びる3種類以上の溝を交差させたパターンでもよい。
粗面加工部70には、多数の直線状の溝を形成する代わりに、多数の波状の溝を形成してもよい。
【0045】
更に、粗面加工部70は、図4(c)に示すような、複数の凹所75(又は凸所)が幾何学的に(又は規則的に)配置された凹凸パターン71Cを備えてもよい。図示するパターンは、ドット状(半球状)の凹所75を、第一の方向、及び第一の方向と交差する第二の方向に線状に伸びるように整列させたパターンである。凹凸パターン71Cは、凹凸パターン71Bにおける各溝73,74の交点に相当する位置に凹所75を配置した格子状のパターンである。
【0046】
<接着剤>
接着剤51としては、生体適合性を有する接着剤が使用される。例えば、接着剤51として、紫外線/可視光硬化型アクリル系、シアノアクリレート系、又は紫外線/可視光硬化型シリコン系等の反応系接着剤、並びに加熱により溶融し冷却により硬化する熱可塑性樹脂(溶融樹脂)等を使用できる。熱可塑性樹脂である接着剤51としては、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂(PEBAX(登録商標))を例示できる。
【0047】
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、粗面加工部70に凹凸パターン71を形成したので、アンカー効果により粗面加工部70と接着剤51との接着力を向上させることができる。金属製材料から構成される粗面加工部70と、樹脂材料から構成される接着剤51との関係のように、接着する物が異質な材料同士であっても、アンカー効果により良好な接着力を得られる。従って、外層チューブ50が金属製部材30から剥離することを防止できる。
【0048】
〔第二の実施形態〕
図5は、本発明の第二の実施形態に係るカテーテルの概略構成を示す平面図である。図6(a)は、図5に示すカテーテル本体のE-E断面図であり、(b)はF-F断面図である。図7は、カテーテル先端部の構造を示す図であり、(a)は部分拡大図であり、(b)は図6(b)のG-G断面図である。
【0049】
以下、本発明を、高周波(ラジオ波)を用いて特定範囲の標的組織を加熱して焼灼するアブレーションカテーテルの例により説明する。以下の説明においては、第一の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
【0050】
アブレーションカテーテル(以下単に「カテーテル」という)2は、内部に少なくとも1つのルーメン(送り路121、戻り路123、ガイドワイヤルーメン125)を有するカテーテル本体80と、カテーテル本体80の基端部80bに取り付けられたハンドル90と、を備える。図示するカテーテルは、オーバーザワイヤ型のカテーテルである。
【0051】
図6、及び図7に示すように、カテーテル本体80は、中空部内に冷却媒体を輸送する流路(送り路121、戻り路123)が形成された金属製チューブ100と、金属製チューブ100の先端部100aに形成された先端電極101と、先端電極101を除く金属製チューブ100の所定の軸方向部位(絶縁被覆部106)の外面を被覆する樹脂製の外層チューブ50と、外層チューブ50の少なくとも先端部50aにおいて外層チューブ50と金属製チューブ100とを接着する接着剤51と、を備える。
【0052】
金属製チューブ100は、接着剤51を付着させる部位に、凹凸パターン71が形成された粗面加工部70を備える。金属製チューブ100は、粗面加工部70よりも軸方向の基端部側に位置する軸方向の少なくとも一部に、軸方向と交差する方向に沿って延びるスリット104が形成された可撓性部分103を備える。
【0053】
<金属製チューブ>
金属製チューブ100を構成する金属材料としては、ステンレススチール、NiTi、βチタン、プラチナイリジウムなどを挙げられる。
【0054】
金属製チューブ100の外径は、例えば0.55~3.0mmとされ、好ましくは0.7~2.0mmとされる。金属製チューブ100の内径は、例えば0.25~2.8mmとされ、好ましくは0.6~1.9mmとされる。金属製チューブ100の長さは、例えば200~2200mmとされ、好ましくは600~1000mmとされる。
【0055】
<<可撓性部分>>
可撓性部分103に形成されたスリット104は、金属製チューブ100を内外径方向に貫通している。図5、及び図7(a)に示すように、スリット104は、螺旋状に連続して形成されている。スリット104が形成されることにより、可撓性部分103はスリット104の幅及びピッチに応じた曲率で、キンクすることなく自在に湾曲変形する。
【0056】
スリット104のピッチ(軸方向における間隔)は、金属製チューブ100の基端側から先端側に向かって徐々に狭くなる。これにより、カテーテル本体80の剛性は先端側に向かって徐々に低下する。従って、可撓性部分103を血管形状に追従させることができる。カテーテル本体80を、治療対象部位へ導入する際の操作性に特に優れたカテーテルとすることができる。なお、本発明において、スリット104のピッチは軸方向に同一でもよい。
【0057】
ハンドル90から可撓性部分103までの軸方向長は、100~700mmとされ、好ましくは300~500mmとされる。可撓性部分103の軸方向長は、50~800mmとされ、好ましくは100~600mmとされる。可撓性部分103から先端縁までの軸方向長は、5~15mmとされ、好ましくは7~13mmとされる。
【0058】
スリット104の幅は、0.01~0.1mmとされ、好ましくは0.02~0.04mmとされる。スリット104の間隔(金属製チューブ100の軸方向における離隔)は、0.3~20mmとされる。
【0059】
スリット104は、例えばレーザ加工、放電加工、化学エッチング、切削加工等により形成される。なお、スリット104は、これ以外の方法により形成されてもよい。
【0060】
スリット104は、金属製チューブ100に可撓性を付与できる形状であれば、螺旋状以外の形状でもよい。例えば、金属製チューブ100は可撓性部分103に、周方向に延びる複数本のスリットを備えてもよい。このようなスリットの夫々は、例えば異なる軸方向位置に配置され、互いに独立して(非連続的に)形成される。
【0061】
<<露出部分、絶縁被覆部分>>
図5に示すように、カテーテル本体80は、軸方向の先端部80aに金属製チューブ100の外表面を露出させることにより形成された先端電極101を備える。また、カテーテル本体80の軸方向の残部は、外層チューブ50及び接着剤51によって外表面が絶縁被覆された絶縁被覆部106となっている。
【0062】
絶縁被覆部106の軸方向長は、150~1100mmとされ、好ましくは800~1000mmとされる。先端電極101の軸方向長(図7(a)中の長さL)は、2~10mmとされ、好ましくは4~8mmとされる。
【0063】
外層チューブ50は、少なくとも可撓性部分103の全体を被覆する。外層チューブ50は、絶縁性を有する熱収縮性樹脂チューブから構成されている。熱収縮性樹脂チューブを加熱して縮径させることにより形成された外層チューブ50は、金属製チューブ100の外表面に密着している。
【0064】
外層チューブ50は、例えばポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂(PEBAX(登録商標))又はポリエチレンテレフタレート(PET)から構成される。外層チューブ50の膜厚は、例えば10~100μmとされ、好ましくは20~40μmとされる。
【0065】
先端電極101及び絶縁被覆部106は、血管を経由して患者の体内に挿入される。
カテーテル2の先端電極101には、リード線127を介して高周波電源装置から高周波電力が供給される。先端電極101は金属製チューブ100が露出しているため、先端電極101と高周波電源装置に接続された対極板との間で高周波電流が流れる。先端電極101周辺の組織は、発生したジュール熱により焼灼される。
【0066】
絶縁被覆部106は絶縁被覆されているため、高周波電源装置に接続された対極板との間で高周波電流が流れることはない。
【0067】
<ルーメン>
カテーテル本体80は、金属製チューブ100の中空部内にルーメンとして、先端電極101を冷却する冷却媒体を輸送する送り路121及び戻り路123、並びにガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメン125を備える(図6)。
【0068】
送り路121とガイドワイヤルーメン125は、夫々、金属製チューブ100の中空部内に挿入された可撓性を有する樹脂製のルーメンチューブ122,126の中空部内に形成される。
【0069】
戻り路123は、金属製チューブ100の内面と、ルーメンチューブ122,126の外面との間に形成される。このような戻り路123の形成方法によれば、金属製チューブ100内に収容するルーメンチューブの本数を減らせるので、カテーテル本体80を小径化できる。
【0070】
なお、冷却媒体の送り路121を金属製チューブ100の内面とルーメンチューブ122,126の外面との間に形成し、戻り路123をルーメンチューブ122の中空部内に形成してもよい。
【0071】
ガイドワイヤルーメン125は、カテーテル本体80を貫通して配置される。ガイドワイヤルーメン125は、送り路121及び戻り路123とは独立している。
【0072】
ルーメンチューブ122,126は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリイミド(PI)から構成される。
【0073】
<<冷却媒体、及びその流路>>
冷却媒体を輸送する流路は、冷却媒体をカテーテル本体80の基端側から先端側に向けて輸送する送り路121と、冷却媒体を先端側から基端側に向けて輸送する戻り路123と、を含んで構成される。
【0074】
送り路121は、冷却媒体を先端電極101に向けて輸送する。戻り路123は、先端電極101を冷却した(先端電極101との間で熱交換された)冷却媒体をハンドル90側に輸送する。送り路121を形成するルーメンチューブ122の先端開口122aは、先端電極101の形成位置に相当する軸方向位置に配置されている。冷却媒体は先端電極101を内側から冷却する。ルーメンチューブ122の先端開口122aから送り路121の外部に流出した冷却媒体は、戻り路123に流入してハンドル90側に輸送される。
【0075】
本例においては、送り路121をルーメンチューブ122内に形成し、戻り路123をルーメンチューブ122と金属製チューブ100との間に形成したので、冷却媒体を先端電極101まで輸送する際に、冷却媒体の温度上昇を防止できる。従って、冷却媒体による先端電極101の冷却効率が向上する。
【0076】
先端電極101を冷却する冷却媒体は、送り路121及び戻り路123内を流通可能な流体であれば、液体でも気体でもよい。液体の冷却媒体としては、例えば水、生理食塩水、飽和食塩水、エチレングリコール、エチレングルコール水溶液等を使用できる。気体の冷却媒体としては、例えば空気を使用できる。冷却媒体の温度は、-20~10℃が好適である。
【0077】
送り路121と戻り路123の双方は、カテーテル本体80の外部空間に対して液密性(気密性)が保持されている。従って、冷却媒体はカテーテル本体80の内部において軸方向に沿って輸送されるが、カテーテル本体80の外部には漏出しない。
【0078】
カテーテル2において、冷却媒体は患者の体内には侵入しないため、治療対象となる臓器内に冷却媒体を灌注する場合に生じるリスクを回避できる。また、カテーテル2においては、各冷却媒体が発揮する冷却能力に応じて最適な冷却媒体を選択して使用できる。
【0079】
<電気系統>
金属製チューブ100の外表面適所には、先端電極101に通電するリード線127,127が半田付けされている。リード線127,127は外層チューブ50によって被覆されている。
【0080】
なお、カテーテル本体80は、その他の電気的な構成として、先端電極101の温度を計測する熱電対を、金属製チューブ100の内部に備えてもよい。
【0081】
<ハンドル>
図5に示すように、ハンドル90の基端には、第一~第四分岐管131~134が接続されている。
【0082】
<<第一分岐管>>
第一分岐管131は、送り路121に冷却媒体を導入する経路を形成する。第一分岐管131の基端部には、冷却媒体の注入口となる注入コネクタ135が取り付けられている。
【0083】
第一分岐管131はハンドル90内において、ルーメンチューブ122と接続する。ハンドル90内において、第一分岐管131の中空部内は送り路121とは連通するが、他のルーメン(戻り路123、ガイドワイヤルーメン125)とは連通しない。
【0084】
<<第二分岐管>>
第二分岐管132は、戻り路123から冷却媒体を排出する経路を形成する。第二分岐管132の基端部には、冷却媒体の排出口となる排出コネクタ136が取り付けられている。
ハンドル90内において、第二分岐管132の中空部内は戻り路123と連通するが、他のルーメン(送り路121、ガイドワイヤルーメン125)とは連通しない。
【0085】
<<第三分岐管>>
第三分岐管133は、ガイドワイヤルーメン125にガイドワイヤを導入する経路を形成する。第三分岐管133の基端部には、ガイドワイヤの導入口となる導入コネクタ137が取り付けられている。
【0086】
第三分岐管133はハンドル90内において、ルーメンチューブ126と接続する。ハンドル90内において、第三分岐管133の中空部内はガイドワイヤルーメン125とは連通するが、他のルーメン(送り路121、戻り路123)とは連通しない。
【0087】
<<第四分岐管>>
第四分岐管134内には、リード線127,127が挿通されている。第四分岐管134の基端部には、リード線127,127と導通した通電用コネクタ138が取り付けられている。
【0088】
<<ハンドルの機能>>
ハンドル90内において、各分岐管131~134の中空部内は夫々独立している。即ち、冷却媒体を輸送する空間は、他のルーメンとの間で液密性(気密性)が保持されている。
【0089】
ハンドル90は、操作用の把持部としての機能を有する。更にハンドル90は、冷却媒体を輸送する流路と、ガイドワイヤが挿通される経路と、通電用のリード線127,127と、を集約してカテーテル本体80に導くハブとしての機能を有する。
【0090】
<粗面加工部/凹凸パターン>
図7に示すように、粗面加工部70は、金属製チューブ100の外表面に所定のパターンによる凹凸加工が施された部位である。粗面加工部70に形成された凹凸パターン71は、主として接着剤との接着性を向上させるアンカー効果を得ることを目的として形成されたパターンである。粗面加工部70には、第一の実施形態と同様に、図4(a)~(c)に示した凹凸パターン71を形成することができる。
【0091】
カテーテル2において、粗面加工部70の軸方向長は、例えば0.5~3.0mm、望ましくは1.0~2.0mmとされる。
粗面加工部70が、図4(b)に示すような、複数の溝73,74が幾何学的に(又は規則的に)配置された凹凸パターン71Bを備える場合、溝73,74の深さは、非露出部33の肉厚の5~15%、好ましくは8~12%とされる。溝73,74の深さは、例えば4~14μm、望ましくは7~11μmとされる。
【0092】
溝73,74の幅は、例えば0.01~0.1mm、望ましくは0.04~0.06mmとされる。溝73,73の間隔、及び溝74,74の間隔は、例えば0.1~0.4mm、望ましくは0.2~0.3mmとされる。
【0093】
<粗面加工部と接着剤との位置関係>
接着剤51は、粗面加工部70の周方向の全体に隙間なく付着して、粗面加工部70と外層チューブ50の先端部50aとを接着する。
【0094】
接着剤51の軸方向の先端縁51aは、凹凸パターン71の先端縁71aと同等の軸方向位置か、望ましくは凹凸パターン71の先端縁71aよりも基端部側に位置するように配置される。接着剤51が金属製部材30から剥離する場合は、接着剤51の先端縁51aが剥離の開始地点となる。従って、接着剤51の先端縁51aを凹凸パターン71内に収めることによって、より確実な剥離防止効果を得られる。
【0095】
また、外層チューブ50の先端縁50bは、接着剤51の先端縁51aと同等の軸方向位置か、望ましくは接着剤51の先端縁51aよりも基端部側に位置するように配置される。これにより、外層チューブ50の先端縁50bに接着剤を付着させて、外層チューブ50が粗面加工部70から剥離することを防止する。
【0096】
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、粗面加工部70に凹凸パターン71を形成したので、アンカー効果により粗面加工部70と接着剤51との接着力を向上させることができる。金属製材料から構成される粗面加工部70と、樹脂材料から構成される接着剤51との関係のように、接着する物が異質な材料同士であっても、アンカー効果により良好な接着力を得られる。従って、外層チューブ50が金属製チューブ100から剥離することを防止できる。
【0097】
仮に、外層チューブ50(及び/又は、接着剤51)が金属製チューブ100から剥離して、被覆されていた金属製チューブ100の一部分が露出した場合、当該露出した部分は先端電極として機能する。電極として機能する部分の増大により、焼灼対象以外の組織が焼灼される虞がある。また、金属製チューブ100から剥離した外層チューブ50(及び/又は、接着剤51)が更に千切れた場合には、外層チューブ50(及び/又は、接着剤51)の破片が体内に残留する虞がある。
【0098】
本実施形態によれば、アンカー効果により粗面加工部70と接着剤51との接着力を向上させたので、外層チューブ50が金属製チューブ100から剥離することに起因する上記問題の発生を防止できる。
【0099】
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様に係るカテーテル2は、中空部内に冷却媒体を輸送する流路(送り路121,戻り路123)が形成された金属製チューブ100と、金属製チューブの先端部に形成された先端電極101と、先端電極を除く金属製チューブの所定の軸方向部位の外面を被覆する樹脂製の外層チューブ50と、外層チューブの少なくとも先端部において外層チューブと金属製チューブとを接着する接着剤51と、を有したカテーテル本体80を備える。金属製チューブは、接着剤を付着させる部位に、凹凸パターン71が形成された粗面加工部70を備えることを特徴とする。
【0100】
本態様によれば、粗面加工部に凹凸パターンを形成したので、アンカー効果により粗面加工部と接着剤との接着力を向上させることができる。従って、外層チューブが金属製チューブから剥離することを防止できる。
【0101】
また、金属製材料から構成される粗面加工部に対して、接着剤が樹脂材料から構成される場合のように、接着する物が異質な材料同士であっても、凹凸パターンが発揮するアンカー効果により良好な接着力を得られる。従って、外層チューブが金属製チューブから剥離することを防止できる。
【0102】
<第二の実施態様>
本態様に係るカテーテル2において、凹凸パターン71は、第一の方向に延びる複数の溝73と、第一の方向と交差する第二の方向に延びる複数の溝74とを含んで構成されていることを特徴とする。
【0103】
ここで、外層チューブ50が金属製チューブ100から剥離する場合、剥離は両者間の接着力が最も弱い箇所から生じやすい。粗面加工部には、凹凸パターンとして、第一及び第二の方向に夫々伸びる複数の溝を形成することにより、粗面加工部における接着剤の接着力を均一化しやすくなる。従って、外層チューブが金属製チューブから剥離することを効果的に防止できる。
【0104】
<第三の実施態様>
本態様に係るカテーテル2において、第一の方向に延びる溝73と、第二の方向に延びる溝74は、金属製チューブ100の軸線Axに沿った方向及び軸線と直交する方向に対して夫々傾斜していることを特徴とする。
【0105】
ここで、カテーテルを体内に案内する際、外層チューブ50の先端縁50bには、カテーテルの挿入方向とは逆方向に、外層チューブ50を剥離させようとする外力が働く。しかし、粗面加工部70に、軸線Ax(剥離させようとする外力に沿った方向)、及び軸線Axと直交する方向の双方に対して傾斜した溝を形成すれば、外層チューブ50を剥離させようとする外力に対しても、高い剥離防止効果を得られる。
【0106】
<第四の実施態様>
本態様に係るカテーテル2において、接着剤51の先端縁51aは、凹凸パターン71の先端縁71aよりも基端部側に位置することを特徴とする。
【0107】
接着剤51が金属製チューブ100から剥離する場合は、接着剤の先端縁が剥離の開始地点となる。従って、接着剤の先端縁を凹凸パターン内に収めることによって、より確実な剥離防止効果を得られる。
【0108】
<第五の実施態様>
本態様に係るカテーテル2において、流路は、冷却媒体を基端側から先端側に向けて輸送する送り路121と、冷却媒体を先端側から基端側に向けて輸送する戻り路123と、を含み、送り路と戻り路の一方は金属製チューブ100の中空部内に挿入された樹脂製チューブ(ルーメンチューブ122)により形成され、送り路と戻り路の他方は樹脂製チューブと金属製チューブとの間に形成されていることを特徴とする。
【0109】
本態様に係るカテーテルにおいて、冷却媒体は先端電極を冷却する。冷却媒体はカテーテル内を往復するため、冷却媒体は患者の体内には侵入しない。従って、治療対象となる臓器内に冷却媒体を灌注する場合に生じるリスクを回避できる。また、各冷却媒体が発揮する冷却能力に応じて最適な冷却媒体を選択して使用できる。
【0110】
本態様に係るカテーテルにおいて、冷却媒体は金属製チューブ内を直接流れる。金属製チューブ内に収容する樹脂性チューブの本数を減らせるので、カテーテルを小径化できる。
【符号の説明】
【0111】
1,2…カテーテル、10…カテーテル本体、10a…先端部、10b…基端部、20…ハンドル、21…把持部、22…回転板、23…回転つまみ、25,25A,25B…操作ワイヤ、30…金属性部材、31…先端チップ電極、33…非露出部、41…リング状電極、50…外層チューブ、50a…先端部、50b…先端縁、51…接着剤、51a…先端縁、61,61A~61D…ルーメンチューブ、62,62A~62D…リード用ルーメン、65,65A,65B…ルーメンチューブ、66,66A,66B…操作用ルーメン、70…粗面加工部、71,71A~71C…凹凸パターン、72…凹所、73,74…溝、75…凹所、80…カテーテル本体、80a…先端部、80b…基端部、90…ハンドル、100…金属製チューブ、100a…先端部、101…先端電極、103…可撓性部分、104…スリット、106…絶縁被覆部、121…送り路、122…ルーメンチューブ、122a…先端縁、123…戻り路、125…ガイドワイヤルーメン、126…ルーメンチューブ、127…リード線、131…第一分岐管、132…第二分岐管、133…第三分岐管、134…第四分岐管、135…注入コネクタ、136…排出コネクタ、137…導入コネクタ、138…通電用コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7