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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】車体前部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/24 20060101AFI20230124BHJP
   B62D 25/16 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
B60R19/24 M
B62D25/16 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018216226
(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公開番号】P2020082836
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】池田 征弘
(72)【発明者】
【氏名】中島 和貴
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-087865(JP,A)
【文献】特開昭60-148776(JP,A)
【文献】実開昭60-022475(JP,U)
【文献】実開昭59-065878(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/24
B62D 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部で前後方向に延設された左右一対のフロントサイドメンバと、
前記フロントサイドメンバより車幅方向外側に設けられるフェンダーパネルと、
前記フロントサイドメンバから車幅方向外側に延びて前記フェンダーパネルを支持するブラケットと、
車両前部に設けられ、左右両側部が前記フェンダーパネルの前部に係合されるフロントバンパと、を備える車体前部構造であって、
前記ブラケットは、該ブラケットの車幅方向外側の外側面の下部から車幅方向外側に延び上下方向に臨むブラケットフランジ部を有し、
前記ブラケットは、前記フェンダーパネルの前部を支持するとともに、前記フロントバンパの前記フェンダーパネルとの係合箇所より下方の部位を前記ブラケットフランジ部で支持する、
ことを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記フロントバンパは、フロントバンパアッパーと該フロントバンパアッパーの下方に位置するフロントバンパロアとで構成され、
前記ブラケットは、前記フロントバンパアッパーと前記フロントバンパロアの間に取り付けられて前記フロントバンパを支持する、
ことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
記フロントバンパアッパーの両側部の下部には、車幅方向内側に突出するアッパーフランジ部が設けられ、
前記フロントバンパロアの両側部の上部には、車幅方向内側に突出するロアフランジ部が設けられ、
前記フロントバンパアッパーは、前記アッパーフランジ部の下面と前記ブラケットフランジ部の上面を重ね合わせた状態で取り付けられ、
前記フロントバンパロアは、前記ロアフランジ部が前記フロントバンパアッパーの両側部の下部に設けられた開口部を挿通して前記ロアフランジ部の下面と前記アッパーフランジ部の上面を重ね合わせた状態で取り付けられる、
ことを特徴とする請求項2記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記アッパーフランジ部と前記ブラケットフランジ部の取り付け箇所は、前記ロアフランジ部と前記アッパーフランジ部の取り付け箇所と前後方向で位置が異なる、
ことを特徴とする請求項3記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記ブラケットは、該ブラケットの車幅方向外側の外側面から前記ブラケットフランジ部にわたっての断面が連続してハット型に形成され、該ハット型は該ブラケットの車幅方向外側の外側面の断面で車幅方向外側に突出し、該ブラケットの外側面のハット型を維持したまま前記ブラケットフランジ部の断面で上方に突出して形成される、
ことを特徴とする請求項3または4記載の車体前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フェンダーパネルの前方にフロントバンパの車幅方向両側部が配置され、フロントバンパの車幅方向両側部が、取り付け部材を介してフェンダーパネルの前端に支持された車体前部構造が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-105474号公報
【文献】特開2012-176636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この車体前部構造では、車体骨格部材ではないフェンダーパネルに設けられた取り付け部材でフロントバンパの車幅方向両側部を支持するため、フロントバンパの支持強度を向上させ、フロントバンパを安定して支持する上で改善の余地がある。
一方、左右一対のフロントサイドメンバに結合され車幅方向外側に延びフェンダーパネルを支持するブラケットを備える車体前部構造が知られている(特許文献2)。
本発明は、フェンダーパネルを支持するブラケットに着目してなされたものであり、その目的は、ブラケットを利用してフロントバンパの車幅方向両側部を安定して支持する上で有利な車体前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車体前部で前後方向に延設された左右一対のフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバより車幅方向外側に設けられるフェンダーパネルと、前記フロントサイドメンバから車幅方向外側に延びて前記フェンダーパネルを支持するブラケットと、車両前部に設けられ、左右両側部が前記フェンダーパネルの前部に係合されるフロントバンパと、を備える車体前部構造であって、前記ブラケットは、該ブラケットの車幅方向外側の外側面の下部から車幅方向外側に延び上下方向に臨むブラケットフランジ部を有し、前記ブラケットは、前記フェンダーパネルの前部を支持するとともに、前記フロントバンパの前記フェンダーパネルとの係合箇所より下方の部位を前記ブラケットフランジ部で支持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ブラケットは、フェンダーパネルの前部を支持するとともに、フロントバンパのフェンダーパネルとの係合箇所より下方の部位を支持している。
したがって、フロントバンパは、フェンダーパネルと係合されることに加え、さらに係合箇所より下方でブラケットに取り付けられるため、車体骨格部材であるフロントサイドメンバから延びるブラケットを利用してフロントバンパの車幅方向両側部を安定して支持する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の車体前部構造の説明図であり、フェンダーパネル、フロントライト、フロントバンパが組み付けられた状態を示す。
図2】実施の形態の車体前部構造の説明図であり、フェンダーパネル、フロントライト、フロントバンパが組み付けられる前の状態を示す。
図3】フロントサイドメンバにブラケットが結合された状態を示す斜視図である。
図4】フロントサイドメンバにブラケットが結合された状態を車体上方から見た平面図である。
図5】フロントサイドメンバにブラケットが結合された状態を車幅方向外側から見た側面図である。
図6】フロントサイドメンバにブラケットが結合された状態を車両前方から見た正面図である。
図7】(A)はブラケット部を車両前方から見た斜視図、(B)はブラケットを車両後方から見た斜視図である。
図8】(C)は図7(A)のC矢視図、(D)は図7(A)のD矢視図、(E)は図7(A)のE矢視図、(F)は図7(A)のF矢視図である。
図9】ブラケット、フロントバンパロア、フロントバンパアッパーを車幅方向外側から見た側面図である。
図10】(A)は図9のA-A線断面図、(B)は図9のB-B線断面図である。
図11】ブラケット、フロントバンパロア、フロントバンパアッパーを車幅方向内側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
以下の図面において符号UPは車体上方を示し、符号FRは車体前方を示し、符号LHは車幅方向を示す。
図2から図6に示すように、車体10の前部で車幅方向の両側部に、車体骨格部材として、フロントサイドメンバ12と、ヘッドランプサポート14と、アッパーフレーム16と、アッパーバーサイド18とが位置している。
それらフロントサイドメンバ12、ヘッドランプサポート14、アッパーフレーム16、アッパーバーサイド18は、左右一対設けられている。
フロントサイドメンバ12は、車体10の前後方向に延設されている。
アッパーフレーム16は、フロントサイドメンバ12の前部の上方でかつ車幅方向外側で車体10の前後方向に延設されている。
ヘッドランプサポート14は、フロントサイドメンバ12の前端から上方に立設されている。
アッパーバーサイド18は、車体10の前後方向に延設され、ヘッドランプサポート14の上端とアッパーフレーム16の前端とを連結している。
【0009】
また、車体10の前部には、車体骨格部材としてバンパービーム(不図示)が位置している。
バンパービームは、車幅方向に延設され、両側のフロントサイドメンバ12の前端間を連結している。
【0010】
フロントサイドメンバ12の前部には、フロントサイドメンバ12から車幅方向外側に延びてフェンダーパネル26を支持するブラケット28が結合されている。
フェンダーパネル26は、フロントサイドメンバ12より車幅方向外側に設けられている。
ブラケット28は板金製の鋼板からなり、フロントサイドメンバ12から車幅方向外側に延設するブラケット基部30と、ブラケット部32とを備えている。
ブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aは、ブラケット基部30の車幅方向内側部分30Bよりも上方に突出して設けられている。
なお、図3において、符号3001は軽量化のための孔である。
【0011】
図3に示すように、ブラケット部32は、ブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aの端部の上面から車幅方向外側に向いた端面にわたって溶接により接合されている。
図3図7図8に示すように、ブラケット部32は、ブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aの上面に溶接により取り付けられた第1フランジ36と、ブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aの端面に溶接により取り付けられた第2フランジ38とを含んで構成されている。
【0012】
図3図7図8に示すように、第1フランジ36は、ブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aの上面に沿って車幅方向に延在しその先部に車体10後方に突出し第1取り付け孔3602が設けられた取り付け片部3604を有している。
さらに、図5図6に示すように、第1フランジ36の車幅方向外側の端部に第2、第3取り付け孔4002、4004が設けられたフェンダー取り付け用ブラケット40が溶接により立設されている。
図3図7図8に示すように、第2フランジ38はブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aの端面に沿って上下方向に延在しその上部に第4取り付け孔3802が設けられた縦板部38Aと、縦板部38Aの下端から車幅方向外側に突設されその先部に第5取り付け孔3804が形成されたブラケットフランジ部38Bとを有している。
言い換えると、ブラケットフランジ部38Bは、ブラケット28の車幅方向外側の外側面の下部から車幅方向外側に延び上下方向に臨んでいる。
また、ブラケット部32は、断面がハット形状を呈しており、言い換えると、ブラケット28は、該ブラケット28の車幅方向外側の外側面からブラケットフランジ部38Bにわたっての断面が連続してハット型に形成され、ハット型は該ブラケット28の車幅方向外側の外側面の断面で車幅方向外側に突出し、該ブラケット28の外側面のハット型を維持したままブラケットフランジ部38Bの断面で上方に突出して形成されている。
【0013】
図1図2に示すように、フェンダー取り付け用ブラケット40には、第2、第3取り付け孔4002、4004、クリップを介してフェンダーパネル26の前端の下部2602が取り付けられている。すなわち、フェンダーパネル26の前端の下部2602はフェンダー取り付け用ブラケット40を介して第1フランジ36に取り付けられている。
言い換えると、フェンダーパネル26の前端の下部2602は、ブラケット28に車幅方向外側で取り付けられ、フェンダーパネル26の前部でブラケット28に取り付けられている。
なお、フェンダーパネル26の前端の上部2604は、ブラケット46を介してアッパーフレーム16の前部に取り付けられ、言い換えると、フェンダーパネル26の前端の上部2604はアッパーフレーム16に車幅方向外側で支持されている。
第2フランジ38のブラケットフランジ部38Bには、後述するように第5取り付け孔3804、クリップを介してフロントバンパ48の車幅方向の端部の下部が取り付けられている。
ブラケット基部30の車幅方向外側部分30Aの端部の前面下部のヘッドランプ取り付け用ブラケット42には、第6取り付け孔4202、ボルトを介してヘッドランプ44の下部の車幅方向の端部が取り付けられている。
さらに、図2図9に示すように、フェンダーパネル26の前部には、複数の係合爪2610が設けられており、これら複数の係合爪2610がフロントバンパ48(フロントバンパアッパ52)の車幅方向両側部に設けられた複数の係合溝4810とそれぞれ係合するように構成されている。これら係合爪2610および係合溝4810からなるフェンダーパネル26とフロントバンパ48との係合箇所は、第2フランジ38のブラケットフランジ部38Bよりも上方に位置している。
なお、このようなフェンダーパネル26とフロントバンパ48との係合構造は、実施の形態に限定されるものではなく、従来公知の様々な係合構造が使用可能である。
【0014】
また、本実施の形態では、ブラケット28のブラケット基部30およびブラケット部32、フェンダー取り付け用ブラケット40、ヘッドランプ取り付け用ブラケット42の取り付けを、上記各部品の全てを溶接用の治具に取り付けて同一工程で溶接することで行うようにした。
したがって、各部品の取り付け精度のばらつきを抑制し、高精度な車体前部構造を得る上で有利となっている。
【0015】
また、車体10の前部の車体骨格部材をなすバンパービーム(不図示)を介してフロントバンパ48が配置され、後述するようにフロントバンパ48は、その左右両側部がフェンダーパネル26の前部に係合されている。
図1図9に示すように、フロントバンパ48は、フロントバンパアッパー52とフロントバンパアッパー52の下方に位置するフロントバンパロア50とを備えている。
フロントバンパロア50は、車体10の前部の下部で車幅方向全長にわたって延在し、フロントバンパアッパー52は、フロントバンパロア50の車幅方向両側の端部の上に配置される。
フロントバンパロア50の車幅方向両側部50Aは、車両の前方を向いた前面5002と、前面5002に湾曲面5004を介して接続され車幅方向外方を向いた側面5006とを有している。
【0016】
フロントバンパアッパー52は、車両の前方を向いた前面5202と、前面5202に湾曲面5204を介して接続され車幅方向外方を向いた側面5206とを有している。
フロントバンパアッパー52の前面5002は、バンパービーム(不図示)に取り付けられている。
【0017】
図9図10図11に示すように、フロントバンパアッパー52の側面5206の後部5206Aの下端には、すなわち、フロントバンパアッパー52の両側部(車幅方向外側部分)の下部には、車幅方向内側に突出するアッパーフランジ部54が設けられ、アッパーフランジ部54はフロントバンパアッパー52の側面5206に沿って車両前後方向に延在している。
アッパーフランジ部54は、フロントバンパアッパー52の側面5206の後部5206Aの下端から車幅方向内側に突出するアッパーフランジ上部5402と、アッパーフランジ上部5402の車幅方向内側端から下方に屈曲する屈曲部5404と、屈曲部5404の下端から車幅方向内側に突出しアッパーフランジ上部5402よりも下方に位置するアッパーフランジ下部5406とを備えている。
フロントバンパアッパー52の後部に位置する屈曲部5404の箇所に車両前後方向に延在する開口部5408が設けられている。
開口部5408の車幅方向内側に位置するアッパーフランジ下部5406の箇所に第1クリップ挿通孔5410が設けられ、第1クリップ挿通孔5410の前方のアッパーフランジ下部5406の箇所に第2クリップ挿通孔5412が設けられている。
【0018】
図9図10図11に示すように、フロントバンパロア50の側面5006の後部5006Aの上端には、すなわち、フロントバンパロア50の両側部(車幅方向外側部分)の上部には、車幅方向内側に突出するロアフランジ部56が設けられ、ロアフランジ部56はフロントバンパロア50の側面5006の後部5006Aに沿って車両前後方向に延在している。
ロアフランジ部56は、フロントバンパロア50の側面5006の後部5006Aの上端から車幅方向内側に突出しフロントバンパロア50の側面5006の後部5006Aおよびフロントバンパアッパー52の側面5206の後部5206Aの車両前後方向の全長にわたってアッパーフランジ上部5402の下面に重ねられるロアフランジ基部5602と、ロアフランジ突出部5604とを備えている。
ロアフランジ突出部5604は、ロアフランジ基部5602の後部の車幅方向内側の先端からロアフランジ基部5602と連続状に車幅方向内側に突出して設けられ、ロアフランジ突出部5604は、開口部5408からアッパーフランジ下部5406の上面上に配置される。
ロアフランジ突出部5604の先部には、アッパーフランジ下部5406の第1クリップ挿通孔5410に合致する第3クリップ挿通孔5610が設けられている。
【0019】
次に、フロントバンパ48の車幅方向両側部の車体10への取り付け、すなわち、フロントバンパアッパー52の側面5206とフロントバンパロア50の側面5006の車体10への取り付け構造について説明する。
フロントバンパロア50のロアフランジ基部5602がフロントバンパロア50の側面5006の後部5006Aおよびフロントバンパアッパー52の側面5206の後部5206Aの全長にわたってフロントバンパアッパー52のアッパーフランジ上部5402の下面に重ねられ、フロントバンパロア50の後部においてフロントバンパロア50のロアフランジ突出部5604がフロントバンパアッパー52の屈曲部5404の開口部5408から車幅方向内側に挿入されアッパーフランジ下部5406の上面上に載置される。
この状態で、フロントバンパアッパー52の第1クリップ挿通孔5410とフロントバンパロア50の第3クリップ挿通孔5610を挿通した第1クリップ56Aによりロアフランジ突出部5604とアッパーフランジ下部5406とが取り付けられる。
すなわち、フロントバンパロア50のロアフランジ基部5602がフロントバンパアッパー52のアッパーフランジ上部5402の下面に重ねられた状態でフロントバンパアッパー52のアッパーフランジ下部5406とフロントバンパロア50のロアフランジ突出部5604とが取り付けられる。
この状態で、第1クリップ56Aの車両前方の箇所では、フロントバンパアッパー52のアッパーフランジ下部5406がブラケット28のブラケットフランジ部38Bに載置され、第2クリップ挿通孔5412、第5取り付け孔3804、第2クリップ56Bを介して第2フランジ38のブラケットフランジ部38Bに取り付けられている。すなわち、ロアフランジ突出部5604と車両前後方向において異なる箇所で、ブラケット28の下部(ブラケットフランジ部38B)の上面にアッパーフランジ下部5406の下面が重ねられた状態で、アッパーフランジ下部5406がブラケット28の下部(ブラケットフランジ部38B)に取り付けられることにより、フロントバンパ48はブラケット28の下部(ブラケットフランジ部38B)で支持されている。
【0020】
言い換えると、図10(A)、(B)、図11に示すように、フロントバンパアッパー52は、アッパーフランジ部54の下面とブラケットフランジ部38Bの上面を重ね合わせた状態で取り付けられ、フロントバンパロア50は、ロアフランジ部56がフロントバンパアッパー52の両側部の下部に設けられた開口部5408を挿通してロアフランジ部56の下面とアッパーフランジ部54の上面を重ね合わせた状態で取り付けられている。
また、フロントバンパ48は、フロントバンパアッパー52とフロントバンパロア50の間でブラケット28に取り付けられている。言い換えると、ブラケット28は、フロントバンパアッパー52とフロントバンパロア50の間に取り付けられてフロントバンパ48を支持している。
また、アッパーフランジ部54とブラケットフランジ部38Bの取り付け箇所は、ロアフランジ部56とアッパーフランジ部54の取り付け箇所と前後方向で位置が異なっている。
また、図2に示すように、フロントバンパ48は、フェンダーパネル26とフロントバンパ48の係合箇所(係合爪2610,係合溝4810)より下方でブラケット28に取り付けられている。
言い換えると、ブラケット28は、フェンダーパネル26の前部を支持するとともに、フロントバンパ48のフェンダーパネル26との係合箇所より下方の部位を支持している。
【0021】
次に作用効果について説明する。
本実施の形態では、ブラケット28は、フェンダーパネル26の前部を支持するとともに、フロントバンパ48のフェンダーパネル26との係合箇所より下方の部位を支持している。
したがって、フロントバンパ48は、フェンダーパネル26と係合されることに加え、さらに係合箇所より下方でブラケット28に取り付けられるため、車体骨格部材であるフロントサイドメンバ12から延びるブラケット28を利用してフロントバンパ48の車幅方向両側部を安定して支持する上で有利となる。
【0022】
また、本実施の形態では、ブラケット28は、フロントバンパアッパー52とフロントバンパロア50の間に取り付けられてフロントバンパ48を支持しているので、ブラケット28でフロントバンパ48を安定して保持することができ、フロントバンパ48の車幅方向両側部を安定して支持する上でより有利となる。
【0023】
また、本実施の形態では、フロントバンパアッパー52とブラケット28は、アッパーフランジ部54の下面とブラケットフランジ部38Bの上面を重ね合わせた状態で取り付けられると共に、フロントバンパアッパー52とフロントバンパロア50は、ロアフランジ部56がフロントバンパアッパー52下部の開口部5408を挿通して、ロアフランジ部56の下面とアッパーフランジ部54の上面を重ね合わせた状態で取り付けられる。
したがって、ブラケット28とフロントバンパアッパー52、フロントバンパアッパー52とフロントバンパロア50を安定して支持でき、フロントバンパ48の車幅方向両側部を安定して支持する上でより有利となる。
【0024】
また、本実施の形態では、アッパーフランジ部54とブラケットフランジ部38Bの取り付け箇所は、ロアフランジ部56とアッパーフランジ部54の取り付け箇所と前後方向で位置が異なるため、各取り付け箇所にかかる荷重を分散でき、フロントバンパ48の支持強度を向上する上で有利となる。
【0025】
また、本実施の形態では、ブラケット28は、ブラケット28の車幅方向外側の外側面からブラケットフランジ部38Bにわたっての断面が連続してハット型に形成され、ハット型はブラケット28の車幅方向外側の外側面の断面が車幅方向外側に突出し、ブラケット28の外側面のハット型を維持したままブラケットフランジ部38Bの断面で上方に突出して形成される。
したがって、ハット型によりブラケットフランジ部38Bの剛性を向上する上で有利となる。
また、ブラケットフランジ部38Bのハット型が上方に突出しているので、フロントバンパ48からブラケットフランジ部38Bに加わる下方への荷重に対するブラケット28の支持強度を確保する上で有利となる。
【符号の説明】
【0026】
10 車体
12 フロントサイドメンバ
26 フェンダーパネル
28 ブラケット
38B ブラケットフランジ部
48 フロントバンパ
50 フロントバンパロア
52 フロントバンパアッパー
54 アッパーフランジ部
5408 開口部
56 ロアフランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11