(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】課題解決ユニット
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230124BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2019207668
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2021-06-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月17日、1月30日、2月12日、3月25日、3月26日、3月28日、3月29日、4月1日、4月11日、4月19日及び、4月22日、令和1年5月7日、5月20日、5月21日、5月23日、5月27日、7月2日、7月30日、8月4日、8月20日、10月15日、11月15日、11月21日、11月27日、及び、12月13日、GlobalTreehouse株式会社が顧客に対して「課題解決ユニット」を公開 令和1年9月26日、GlobalTreehouse株式会社が顧客に対して「課題解決ユニット」を公開 令和1年10月4日、GlobalTreehouse株式会社が顧客に対して「課題解決ユニット」を公開 令和1年5月10日、GlobalTreehouse株式会社がウェブサイトにて「課題解決ユニット」を公開 令和1年9月10日、GlobalTreehouse株式会社がウェブサイトにて「課題解決ユニット」を公開
(73)【特許権者】
【識別番号】517252509
【氏名又は名称】GlobalTreehouse株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】山田 匡通
(72)【発明者】
【氏名】テイリー ポルテ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック カツロ シュミット
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-174894(JP,A)
【文献】特開2006-059240(JP,A)
【文献】特開2005-174162(JP,A)
【文献】特開2005-070823(JP,A)
【文献】特開平2-040762(JP,A)
【文献】“たった10分間の瞑想で創造力が高まる”,Harvard Business Review[online],2017年10月04日,インターネット<URL: https://www.dhbr.net/articles/-/5033?page=2>,[検索日:2022.05.29]
【文献】“瞑想の効果を120%引き出す、5つの簡単瞑想入門術”,[online],2016年06月11日,インターネット<URL: http://web.archive.org/web/20160611050440/https://spiritualism-japan.com/meditation120/>,[検索日:2022.05.31]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者が課題解決のために行う共同作業を促進するために用いられる、課題解決ユニットであって、
前記複数の参加者に、前記共同作業を構成する一又は連続する複数のパート作業に関する指示を行う、作業指示手段と、
前記参加者のアイデアを入力または出力する、入出力手段と、を備え、
前記作業指示手段は、
前記パート作業における作業手順を指示する、導入指示部と、
前記パート作業において参加者毎のアイデアを前記入出力手段に出力させる、アイデア表示指示部と、
参加者毎の前記アイデアから連想される関連アイデアを前記入出力手段に出力させる、アイデア発散指示部と、
前記アイデア表示指示部の指示により出力された参加者毎の前記アイデア
と、前記アイデア発散指示部により出力された前記関連アイデアと、を集束させて前記入出力手段に出力させる、アイデア集束指示部と、
前記共同作業の冒頭又は途中で参加者に瞑想を指示する、瞑想指示部と、を備える、課題解決ユニット。
【請求項2】
前記作業指示手段は、
前記共同作業を行う空間の照明を調節する、照明調節部を備え、
前記照明調節部は、前記瞑想指示部が瞑想を指示する際に前記照明の明度を低下させる、
請求項1に記載の課題解決ユニット。
【請求項3】
前記作業指示手段は、
前記パート作業で用いるアイテムを指示する、アイテム指示部と、
前記パート作業を実行する時間を指示する、時間指示部と、
前記パート作業における参加者の役割を表示する、役割表示部と、を備える、
請求項1又は請求項2に記載の課題解決ユニット。
【請求項4】
前記作業指示手段は、
前記共同作業が複数の前記パート作業で構成される場合に、前記パート作業の合間において共同作業の参加者に休憩を指示する、休憩指示部を備える、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の課題解決ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の参加者が協力して課題の解決を図るための課題解決ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が抱える課題の解決を図るために用いられる課題解決支援方法及びシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献には、システムの使用者が抱える業務の効率化を図るための技術が記載されている。しかし、このような構成では、使用者が持っているアイデアを集約することによる課題解決を行うことはできなかった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、複数の参加者が持っているアイデアを集約することによって課題解決を図ることが可能となる、課題解決ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
本発明に係る課題解決ユニットは、複数の参加者が課題解決のために行う共同作業を促進するために用いられる、課題解決ユニットであって、前記複数の参加者に、前記共同作業を構成する一又は連続する複数のパート作業に関する指示を行う、作業指示手段と、前記参加者のアイデアを入力または出力する、入出力手段と、を備え、前記作業指示手段は、前記パート作業における作業手順を指示する、導入指示部と、前記パート作業において参加者毎のアイデアを前記入出力手段に出力させる、アイデア表示指示部と、参加者毎の前記アイデアから連想される関連アイデアを前記入出力手段に出力させる、アイデア発散指示部と、前記アイデア表示指示部の指示により出力された参加者毎の前記アイデアと、前記アイデア発散指示部により出力された前記関連アイデアと、を集束させて前記入出力手段に出力させる、アイデア集束指示部と、前記共同作業の冒頭又は途中で参加者に瞑想を指示する、瞑想指示部と、を備える。
【0008】
また、前記作業指示手段は、前記共同作業を行う空間の照明を調節する、照明調節部を備え、前記照明調節部は、前記瞑想指示部が瞑想を指示する際に前記照明の明度を低下させることが好ましい。
【0009】
また、前記作業指示手段は、前記パート作業で用いるアイテムを指示する、アイテム指示部と、前記パート作業を実行する時間を指示する、時間指示部と、前記パート作業における参加者の役割を表示する、役割表示部と、を備えることが好ましい。
【0010】
また、前記作業指示手段は、前記共同作業が複数の前記パート作業で構成される場合に、前記パート作業の合間において共同作業の参加者に休憩を指示する、休憩指示部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る課題解決ユニットによれば、複数の参加者が持っているアイデアを集約することによる課題解決を行うことが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る課題解決システムの構成を示すブロック図。
【
図4】導入指示に対する入力を行った状態の表示画面を示す平面図。
【
図6】アイデア表示指示状態の表示画面を示す平面図。
【
図7】アイデア発散指示状態の表示画面を示す平面図。
【
図8】アイデア集束指示状態の第一の表示画面を示す平面図。
【
図9】アイデア集束指示状態の第二の表示画面を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る課題解決ユニットを示す課題解決システム1の概略構成について説明する。課題解決ユニットは、課題解決ユニットの使用者である複数の参加者が課題解決のために行う共同作業を促進するために用いられる。なお、本発明に係る課題解決ユニットで解決する課題とは、企業の経営方針(新規事業の開発、市場動向の予測等)の策定、組織の運営方法の検討、グループが抱える問題点の抽出及びその解決に向けた具体的ロードマップの作成など、組織的に解決すべき事項全般に及ぶ。また、課題解決ユニットでは、固定観念や無意識的な先入観に囚われずに各参加者の自由なアイデア(ひらめき)を引き出すことにより、これらの課題を解決することを可能とする。
【0014】
課題解決ユニットの一実施形態に係る課題解決システム1は、
図1に示す如く、作業指示手段である作業処理端末10と、入出力手段であるタブレット20と、が通信回線100で接続されることにより構成される。
【0015】
本実施形態に係る課題解決システム1において、作業処理端末10としては、LOMやLAM等の記憶装置、演算装置、CPU等の制御装置、モニタや通信装置等の入出力装置等を備えた汎用的なコンピュータが採用される。作業処理端末10の記憶装置には、各種のオペレーティングソフト及び他のアプリケーションソフト等の各種ソフトウェアが記録されている。課題解決システム1においては、作業処理端末10が記憶するソフトウェアを実行することにより、後述する如く課題解決システム1の参加者に、共同作業を構成する連続する複数のパート作業(本実施形態における「チャプター」)に関する指示を行う。
【0016】
タブレット20は参加者が一台ずつ使用可能であり、各参加者のアイデアを入力または出力するために用いられる。なお、タブレット20を所持しない参加者がいても良く、複数の参加者がタブレット20を共有して使用しても差し支えない。また、タブレット20に替えて、スマートフォンやパーソナルコンピュータを入出力手段として採用することも可能である。
【0017】
本実施形態においては、作業処理端末10とタブレット20a・20b・・・20NのN台のタブレット20とが通信回線100で接続されることにより課題解決システム1が構成される。各タブレット20は表示画面21(表示画面21a・21b・・・21N)を備える。参加者はタブレット20の表示画面21を介して、作業処理端末10からの指示を受けるとともに、参加者のアイデアを入出力する。また、各タブレット20は通信回線100で接続されることにより、互いに通信可能に構成されている。
【0018】
本実施形態に係る課題解決システム1は、全ての参加者が同じ場所に位置し、互いに直接的に会話や文字を介して意思疎通を図る構成としている。但し、参加者の全て又は一部が異なる場所に位置し、タブレット20の通信機能(メール機能、チャット機能、又は、音声通話機能等)を介して互いの意思疎通を図る構成とすることも可能である。また、本実施形態における通信回線100としては、電話回線、LAN(Local Area Network)回線、又は、インターネット回線等が採用可能であり、有線通信回線又は無線通信回線の何れかを問わず用いることが可能である。
【0019】
なお、本実施形態においては、作業処理端末10、各タブレット20等の電子機器を通信回線100で接続した課題解決システム1を課題解決ユニットとして構成しているが、課題解決ユニットの構成は本実施形態に限定されるものではない。例えば、作業指示手段として、作業指示項目が記載された書籍やパンフレット等を採用することも可能である。また、入出力手段として、ノートや記入用紙とペン等の筆記用具を採用することも可能である。また、これらの作業指示手段又は入出力手段と前記電子機器類を組み合わせて構成することも可能である。
【0020】
図1に示す如く、作業処理端末10は、瞑想指示部11a、照明調節部11b、導入指示部11c、アイテム指示部11d、時間指示部11e、役割表示部11f、アイデア表示指示部11g、アイデア発散指示部11h、アイデア集束指示部11i、休憩指示部11j等の各部を備える。上記の各部が行う指示等は、作業処理端末10に記憶されるソフトウェア(より詳細には、当該ソフトウェアを構成する各種のプログラム)により実行され、後述する如く各種の具体的な指示がタブレット20の表示画面21に表示される。即ち、作業処理端末10の記憶装置は、作業指示手段の一部を収納する収納部として機能している。なお、作業指示手段及び入出力手段として電子機器ではない紙類及び筆記用具を採用した場合は、これらを収容する箱体を収納部として機能させることができる。
【0021】
このように、上記の各部は、作業処理端末10においてこれらの指示を実行するためのプログラムを記憶する部分、及び、当該プログラムの実行を制御する部分が該当する。照明調節部11bは、参加者が共同作業を行う空間の照明機器と接続されており、当該照明機器の明度を調節可能とされている。
【0022】
以下では
図2から
図10を用いて、課題解決システム1で実行される課題解決方法の具体的なプロセスについて説明する。
図2から
図10においては、作業処理端末10が行う指示方法の一例として、参加者の一人が使用するタブレット20aにおける表示画面21aで表示される内容を示している。
【0023】
課題解決システム1においては、まず共同作業の冒頭で、瞑想指示部11aが
図2に示す如く表示画面21aの表示により参加者に瞑想を指示する。この際、時間指示部11eが瞑想を行う時間(本実施形態においては10分間)を指示する(以下の他の指示についても同様)。参加者は、表示画面21aにおける表示を介して指示された時間だけ、瞑想を行う。参加者は、瞑想指示部11aの指示により瞑想を行うことで、心身をリラックスさせることが可能となるため、以下の共同作業の際に集中力を高め、生産性を向上させることができる。なお、瞑想指示部11aが指示する瞑想は、共同作業の冒頭だけでなく、複数のパート作業の合間等、共同作業の途中で行う構成とすることも可能である。
【0024】
本実施形態に係る課題解決システム1において、瞑想指示部11aが参加者に瞑想を指示した際には、参加者が共同作業を行う空間において照明調節部11bが照明機器の明度を低下させる。これにより、参加者は精神状態をより落ち着かせることのできる環境で瞑想を行うことが可能となる。
【0025】
次に、表示画面21aにおいて、
図3から
図10に示す如く一つ目のパート作業であるチャプター1における指示が表示される。本実施形態に係る課題解決システム1においては、パート作業である複数のチャプターを繰り返すことにより課題解決を図る構成としているが、本明細書においてはチャプター2以降のチャプターについては詳細な説明を省略している。
【0026】
チャプター1ではまず、導入指示部11cが
図3に示す如く表示画面21aの表示により、参加者にパート作業における作業手順を指示する。本実施形態においては、(1)チャプター1における進行任務を担う運営者の決定、及び、(2)チャプター1において進行任務の調整を図る調整者の決定を、表示画面21aを介して指示する。
【0027】
参加者は、運営者を決定し、表示画面21aにおける第一入力欄22に記入する。
図4では、運営者が参加者の一人である「Aさん」に決定した場合について示している。また、参加者は、調整者を決定し、表示画面21aにおける第二入力欄23に記入する。
図4では、調整者が参加者の一人である「Bさん」に決定した場合について示している。チャプター1における運営者がAさんであること、及び、調整者がBさんであることは、パート作業における参加者の役割を表示する役割表示部11fにより、
図5から
図10に示す如く表示画面21aで表示される以降の画面に継続して表示される。
【0028】
次に、アイテム指示部11dが
図5に示す如く表示画面21aの表示により、参加者にチャプター1におけるパート作業で用いるアイテムを指示する。本実施形態においては、使用するアイテムとして、(1)「タブレット20に記入するためのタッチペン」、及び、(2)「自己の思考を整理したり他の参加者との議論をしたりする際に用いるためのメモ用紙」を、表示画面21aを介して指示する。
【0029】
次に、アイデア表示指示部11gが
図6に示す如く表示画面21aの表示により、パート作業において参加者毎のアイデアをタブレット20aにおける表示画面21aに出力させる。本実施形態においては、各参加者はアイデア表示指示部11gの指示により、課題についてのアイデアを表示画面21aにおけるアイデア入力欄24に記入する。
【0030】
次に、アイデア発散指示部11hが
図7に示す如く表示画面21aの表示により、参加者毎のアイデアから連想される関連アイデアをタブレット20aにおける表示画面21aに出力させる。本実施形態においては、各参加者はアイデア表示指示部11gの指示により、課題について記入したアイデアから連想することを三つ、表示画面21aにおける関連アイデア入力欄25に記入する。
【0031】
次に、アイデア集束指示部11iが
図8に示す如く表示画面21aの表示により、アイデア表示指示部11gの指示により出力された参加者毎のアイデア、又は、アイデア発散指示部11hの指示により出力された参加者毎の関連アイデアを集束させて、タブレット20aにおける表示画面21aに出力させる。本実施形態においては、表示画面21aにおける表示ウインドウ21b内に個別表示欄26a・26b・26c・・・が表示される。そして、個別表示欄26a・26b・26c・・・に、各参加者のアイデア又は関連アイデアを表示して、課題についてのアイデアの集束を図るのである。参加者の検討により集束した課題については、
図9に示す如く表示画面21aにおいて表示される集束表示欄27に参加者が記入する。
【0032】
次に、休憩指示部11jが
図10に示す如く表示画面21aの表示により、チャプター1とチャプター2との合間において、参加者に休憩を指示する。本実施形態においては5分間の休憩が指示される。
【0033】
本実施形態に係る課題解決システム1においては、上記の如く構成することにより、参加者が持っているアイデアを集約することによって効果的に課題解決を図ることが可能となる。即ち、アイデア集束指示部11iが、アイデア表示指示部11gの指示により出力された参加者毎のアイデアを集束させることにより、参加者が持つアイデアを有効に取り入れて課題の解決を進めることができる。
【0034】
特に、本実施形態に係る課題解決システム1においては、アイデア集束指示部11iが、アイデア表示指示部11gの指示により出力された参加者毎のアイデアに加えて、アイデア発散指示部11hの指示により出力された参加者毎の関連アイデアを集束させる構成としている。これにより、参加者が持つ直接的なアイデアだけでなく、当該アイデアに関連する関連アイデアをも有効に取り入れることができる。このように、課題解決システム1においては、より有効的に課題の解決を図ることができるのである。
【符号の説明】
【0035】
1 課題解決システム(課題解決ユニット)
10 作業処理端末(作業指示手段)
11a 瞑想指示部 11b 照明調節部
11c 導入指示部 11d アイテム指示部
11e 時間指示部 11f 役割表示部
11g アイデア表示指示部 11h アイデア発散指示部
11i アイデア集束指示部 11j 休憩指示部
20 タブレット(入出力手段)
21 表示画面 21b 表示ウインドウ
22 第一入力欄 23 第二入力欄
24 アイデア入力欄 25 関連アイデア入力欄
26 個別表示欄 27 集束表示欄
100 通信回線