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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】解析装置、解析方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230124BHJP
【FI】
A63B69/36 541P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021078246
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2016243803の分割
【原出願日】2016-12-15
(65)【公開番号】P2021107016
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長坂 知明
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-094248(JP,A)
【文献】特開2016-144733(JP,A)
【文献】特開2016-116721(JP,A)
【文献】特開平08-196677(JP,A)
【文献】特開2014-100341(JP,A)
【文献】特開2014-073313(JP,A)
【文献】特開2011-000210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0151696(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00 - 69/40
A63B 60/42 - 60/46
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフスイングを実施するユーザの腰部に取り付けられた3軸センサからの出力データであって前記ユーザが前記ゴルフスイングを実施した際の出力データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された出力データに含まれる鉛直軸周りの角速度に基づいて、前記ゴルフスイングにおけるバックスイングからダウンスイングへの切り替えしタイミング及びテイクバック開始タイミングを検出する検出手段と、
を備え、
前記検出手段は、前記出力データに含まれる前記鉛直軸周りの角速度が最大となるタイミングからさかのぼり前記鉛直軸周りの角速度の符号が反転するタイミングを前記切り替えしタイミングとして検出するとともに、前記切り替えしタイミングから所定の時間以上さかのぼった期間のなかで前記鉛直軸周りの角速度がほぼゼロとなるタイミングであって、前記切り替えしタイミングから時間のインデックスを順次減算していき前記鉛直軸周りの角速度が予め設定された第1閾値以上となったタイミングを前記テイクバック開始タイミングとして検出する、
ことを特徴とする解析装置。
【請求項2】
解析装置が実行する解析方法であって、
ゴルフスイングを実施するユーザの腰部に取り付けられた3軸センサからの出力データであって前記ユーザが前記ゴルフスイングを実施した際の出力データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された出力データに含まれる鉛直軸周りの角速度に基づいて、前記ゴルフスイングにおけるバックスイングからダウンスイングへの切り替えしタイミング及びテイクバック開始タイミングを検出する検出ステップと、
を有し、
前記検出ステップは、前記出力データに含まれる前記鉛直軸周りの角速度が最大となるタイミングからさかのぼり前記鉛直軸周りの角速度の符号が反転するタイミングを前記切り替えしタイミングとして検出するとともに、前記切り替えしタイミングから所定の時間以上さかのぼった期間のなかで前記鉛直軸周りの角速度がほぼゼロとなるタイミングであって、前記切り替えしタイミングから時間のインデックスを順次減算していき前記鉛直軸周りの角速度が予め設定された第1閾値以上となったタイミングを前記テイクバック開始タイミングとして検出する、
ことを特徴とする解析方法。
【請求項3】
コンピュータを、
ゴルフスイングを実施するユーザの腰部に取り付けられた3軸センサからの出力データであって前記ユーザが前記ゴルフスイングを実施した際の出力データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された出力データに含まれる鉛直軸周りの角速度に基づいて、前記ゴルフスイングにおけるバックスイングからダウンスイングへの切り替えしタイミング及びテイクバック開始タイミングを検出する検出手段、
として機能させ、
前記検出手段は、前記出力データに含まれる前記鉛直軸周りの角速度が最大となるタイミングからさかのぼり前記鉛直軸周りの角速度の符号が反転するタイミングを前記切り替えしタイミングとして検出するとともに、前記切り替えしタイミングから所定の時間以上さかのぼった期間のなかで前記鉛直軸周りの角速度がほぼゼロとなるタイミングであって、前記切り替えしタイミングから時間のインデックスを順次減算していき前記鉛直軸周りの角速度が予め設定された第1閾値以上となったタイミングを前記テイクバック開始タイミングとして検出する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析装置、解析方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによるゴルフのスイングデータにおいてインパクトを検出し、検出されたインパクトの時点を基準として対象者によるスイング動作の範囲を検出する運動解析技術があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-178026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の運動解析技術では、例えば、ゴルフスイングにおいて動作の範囲を特定する際、インパクト動作のように運動量が最大または最小の値をとる時点を基準として、対象者によるスイング動作における動作の開始または終了の時点を特定する必要があった。
この場合、対象者のスイングの特性等によっては、必ずしも適切に動作を解析できない場合がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、運動量が最大または最小の値をとる時点を基準とせずに、対象者による一連の動作をより適切に解析することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施態様に係る解析装置は、ゴルフスイングを実施するユーザの腰部に取り付けられた3軸センサからの出力データであって前記ユーザが前記ゴルフスイングを実施した際の出力データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された出力データに含まれる鉛直軸周りの角速度に基づいて、前記ゴルフスイングにおけるバックスイングからダウンスイングへの切り替えしタイミング及びテイクバック開始タイミングを検出する検出手段と、を備え、前記検出手段は、前記出力データに含まれる前記鉛直軸周りの角速度が最大となるタイミングからさかのぼり前記鉛直軸周りの角速度の符号が反転するタイミングを前記切り替えしタイミングとして検出するとともに、前記切り替えしタイミングから所定の時間以上さかのぼった期間のなかで前記鉛直軸周りの角速度がほぼゼロとなるタイミングであって、前記切り替えしタイミングから時間のインデックスを順次減算していき前記鉛直軸周りの角速度が予め設定された第1閾値以上となったタイミングを前記テイクバック開始タイミングとして検出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運動量が最大または最小の値をとる時点を基準とせずに、対象者による一連の動作をより適切に解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る運動解析装置の外観構成を示す模式図である。
図2】運動解析装置の使用形態例を示す模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る運動解析装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図4】運動解析装置の機能的構成のうち、運動解析処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5】装着対象の動きにおけるZ軸周りのセンシング結果の一例を示す模式図である。
図6】装着対象の動きにおけるZ軸周りの角速度及び角度を示す模式図である。
図7】装着対象の動きにおけるZ軸周りの角度及びX軸方向の速度を示す模式図である。
図8】装着対象の動きにおける3軸方向の角速度及び速度の大きさを示す模式図である。
図9】軸補正部によって補正された3軸方向を示す模式図である。
図10図4の機能的構成を有する図1の運動解析装置が実行する運動解析処理の流れを説明するフローチャートである。
図11】トップ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
図12】アドレス検出処理の流れを説明するフローチャートである。
図13】フィニッシュ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
図14】ハーフ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
図15】インパクト検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[実施形態]
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る運動解析装置1の外観構成を示す模式図である。
また、図2は、運動解析装置1の使用形態例を示す模式図である。
運動解析装置1は、少なくとも、装着対象の動作をセンシングするセンシング機能と、センサ情報を解析して、一連の動作及び一連の動作内の各動作を特定する解析機能と、センシングしたデータ(以下、「センサ情報」という。)または解析結果を外部に送信する通信機能と、を有する。
本実施形態においては、運動解析装置1は、ゴルフのスイングを行う者の腰付近に装着され、装着対象の動作として、スイングにおける一連の動作がセンシングされる。
【0011】
また、本実施形態においては、運動解析装置1は、スイングの一連の動作と、スイングを構成するアドレス、トップ、ハーフ、インパクト、フィニッシュ等の各動作を解析により特定する。なお、アドレスはテイクバックを開始する直前、トップはバックスイングからダウンスイングへの切り替えし点、ハーフはダウンスイング中にシャフトが水平になる位置、インパクトはクラブがボールに当たる瞬間、フィニッシュはフォロースルー後に通常の姿勢に戻る切り替えし点を意味する。フォワードスイング方向を正として装着対象の鉛直軸周りの角速度を基準に見た場合、アドレスはゼロ近傍からマイナスへ移行する直前、トップはマイナスからプラスへ転じる点、ハーフは最大値近傍、インパクトは最大値から少し経過した点、フィニッシュはプラスからゼロ近傍もしくはマイナスへ移行する点である。
【0012】
図3は、本発明の一実施形態に係る運動解析装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
運動解析装置1は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、センサ部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0013】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0014】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0015】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、センサ部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0016】
センサ部16は、3軸加速度センサ、3軸角速度センサ及び3軸地磁気センサ等の各種センサにより構成され、少なくとも、ユーザの動作に応じて当該運動解析装置1に生じた3軸方向の加速度、角速度及び地磁気を検出して、センサ情報として出力する。
なお、本実施形態では、センサ部16によるセンシングのサンプリングレートを200Hzとして設定する。
【0017】
入力部17は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部19は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部20は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0018】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0019】
[機能的構成]
図4は、運動解析装置1の機能的構成のうち、運動解析処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
また、図5は、装着対象の動き(ここではゴルフのスイング)におけるZ軸周りのセンシング結果の一例(Z軸周りの角速度)を示す模式図、図6は、装着対象の動きにおけるZ軸周りの角速度及び角度を示す模式図、図7は、装着対象の動きにおけるZ軸周りの角度及びX軸方向の速度を示す模式図、図8は、装着対象の動きにおける3軸方向の角速度及び速度の大きさ(ノルム)を示す模式図である。なお、図5図8においては、アドレス、トップ、ハーフ、インパクト、フィニッシュの各時点の位置を適宜示している。また、図7及び図8においては、スイングの一部を切り出したグラフを示している。
【0020】
運動解析処理とは、装着対象における一連の動作において、運動解析装置1がセンシングしたセンサ情報に基づいて、装着対象の動き(ここではゴルフのスイング)を解析する一連の処理である。なお、以下、装着対象が右利きの場合を例として説明するが、左利きの場合には、座標を左右反転して処理すればよい。
運動解析処理が実行される場合、図4に示すように、CPU11において、データ取得部51と、トップ検出部52と、アドレス検出部53と、フィニッシュ検出部54と、軸補正部55と、ハーフ検出部56と、インパクト検出部57とが機能する。
また、記憶部19の一領域には、センサ情報記憶部71が設定される。
センサ情報記憶部71には、スイングにおける一連の動作において、データ取得部51によって取得された各種センサの検出結果を表す3軸方向の各データ(センサ情報)が、時系列に記憶される。
【0021】
データ取得部51は、スイングにおける一連の動作について、センサ部16の3軸加速度センサ、3軸角速度センサ及び3軸地磁気センサそれぞれから、3軸方向の検出結果を表す各データ(センサ情報)を取得する。そして、データ取得部51は、取得したセンサ情報を時系列にセンサ情報記憶部71に記憶する。
【0022】
トップ検出部52は、後述するトップ検出処理を実行することにより、スイングにおけるトップ位置を検出する。具体的には、図6に示すように、トップ検出部52は、スイングにおける一連の動作を表すセンサ情報において、Z軸周りの角速度が最大値となる時点(角速度の最大値位置)を取得する。そして、トップ検出部52は、取得した最大値の時点(角速度の最大値位置)から時間のインデックス(予め設定された値)を順次減算していき、Z軸周りの角速度がゼロ以下となった時点をトップ位置として検出する。これにより、Z軸周りの角速度が最大となるハーフ近傍から遡り、Z軸周りの角速度の符号が反転する位置が、ダウンスイングとバックスイングの切り替えし点(即ち、トップ位置)として検出される。なお、インデックスの値は、実測値等を基に適宜設定することができる。
【0023】
アドレス検出部53は、後述するアドレス検出処理を実行することにより、スイングにおけるアドレス位置を検出する。具体的には、図6に示すように、アドレス検出部53は、トップ検出部52によって検出されたトップ位置から、予め設定された所定時間(例えば、0.3秒)戻った時点から時間のインデックスを順次減算していき、Z軸周りの角速度が予め設定された第1閾値(例えば、-0.3[rad/s])以上となった時点をアドレス位置として検出する。これにより、トップ位置近傍から遡り、Z軸周りの角速度がほぼゼロとなる位置がテイクバックを開始する位置として検出される。このとき、トップ側から探索することで、スイングを表す一連のデータの先頭から探索する場合に対し、装着対象によるテイクバック前の細かな動きを誤検出してしまうことを防ぎ、ロバストにアドレス位置を検出することができる。なお、第1閾値は、実測値等を基に適宜設定することができる。
【0024】
フィニッシュ検出部54は、後述するフィニッシュ検出処理を実行することにより、スイングにおけるフィニッシュ位置を検出する。具体的には、図6に示すように、フィニッシュ検出部54は、スイングを表す一連のデータの先頭からZ軸周りの角速度を積分して、各時点のZ軸周りの角度を算出していき、Z軸周りの角度が最大値となる時点(角度の最大値位置)を取得する。そして、フィニッシュ検出部54は、Z軸周りの角度が最大値となる時点(角度の最大値位置)から時間のインデックスを順次減算していき、Z軸周りの角速度が予め設定された第2閾値(例えば、0.3[rad/s])以上となった時点をフィニッシュ位置として検出する。これにより、フォロースルーの終了がZ軸周りの角度の最大値位置に対応するものとして、その位置から遡って角速度の収束を判定ことにより、フィニッシュ位置で静止したか否か等の冗長な判断工程を抑制し、動きが収束したとみなせる位置を検出することができる。
【0025】
軸補正部55は、アドレス時点における装着対象の左手方向を正とする水平軸をX軸、背面方向を正とする水平軸をY軸として、地磁気のセンシング結果から装着対象の動きを示すデータ(モーションデータ)を補正する。
図9は、軸補正部55によって補正された3軸方向を示す模式図である。
Z軸方向については、重力方向と反対方向を正とすることで当初より設定できるが、水平方向のX軸とY軸については、基準を設定する必要がある。そのため、軸補正部55によって、図6に示すように、アドレス時点の姿勢を基準として、X軸及びY軸が設定される。軸補正部55によって水平方向の座標軸が設定されることに対応して、水平方向に対応するセンサ情報がX軸及びY軸を基準とする座標値に補正される。
【0026】
ハーフ検出部56は、後述するハーフ検出処理を実行することにより、スイングにおけるハーフ位置を検出する。具体的には、図7に示すように、ハーフ検出部56は、トップ検出部52によって検出されたトップ位置の時点から時間のインデックスを順次加算していき、Z軸周りの角度がゼロ以上となった時点をZ軸周りの角度のゼロクロス位置とする。また、ハーフ検出部56は、X軸方向の速度について、速度の最小値及びその時点(速度の最小値位置)を取得する。そして、ハーフ検出部56は、X軸方向の速度の最小値位置とZ軸周りの角度のゼロクロス位置との差の絶対値が予め設定された閾値時間(例えば、0.08[s])以内かつX軸方向の速度の最小値が速度の閾値(例えば、-0.2[m/s])以下の場合、Z軸周りの角度のゼロクロス位置とX軸方向の速度の最小値位置との中間をハーフ位置として検出し、それ以外の場合には、Z軸周りの角度のゼロクロス位置をハーフ位置として検出する。これにより、ゴルフのスイングの一般的な傾向に基づいて、ダウンスイング中に体を正面に向けた時点をハーフ位置として検出できると共に、腰の速度について右手方向に明確なピークがある場合には、体が正面に向いた時点からそのピークの方向にハーフ位置をずらして検出することができる。
【0027】
インパクト検出部57は、後述するインパクト検出処理を実行することにより、スイングにおけるインパクト位置を検出する。具体的には、図8に示すように、インパクト検出部57は、ハーフ検出部56によって検出されたハーフ位置における3軸方向の角速度の大きさ(GyrN)及び3軸方向の速度の大きさ(VelocityN)を取得する。そして、インパクト検出部57は、次式(1)によって算出した値をインパクト位置として検出する。
インパクト位置=a+b×GyrN+c×VelocityN+d×GyrN×VelocityN+ハーフ位置 (1)
なお、a~dの係数については、各センサのサンプリング周波数が200Hzの場合、例えば、次のような値を用いることができる。
a=0.091946、b=-0.007648、c=-0.004681、d=0.003174
このように、ハーフ位置における速度と角速度が、ハーフからインパクトに至る時間に対して大きな影響を及ぼすことがわかる。
【0028】
[動作]
次に、運動解析装置1の動作を説明する。
図10は、図4の機能的構成を有する図1の運動解析装置1が実行する運動解析処理の流れを説明するフローチャートである。
運動解析処理は、入力部17を介して運動解析処理の開始を指示する操作が行われることにより開始される。
【0029】
ステップS1において、データ取得部51は、スイングにおける一連の動作について、センサ部16の3軸加速度センサ、3軸角速度センサ及び3軸地磁気センサそれぞれから、3軸方向の検出結果を表す各データ(センサ情報)を取得する。ここで取得されたセンサ情報は、時系列にセンサ情報記憶部71に記憶される。
ステップS2において、トップ検出部52は、トップ検出処理を実行することにより、スイングにおけるトップ位置を検出する。
【0030】
ステップS3において、アドレス検出部53は、アドレス検出処理を実行することにより、スイングにおけるアドレス位置を検出する。
ステップS4において、フィニッシュ検出部54は、フィニッシュ検出処理を実行することにより、スイングにおけるフィニッシュ位置を検出する。
ステップS5において、軸補正部55は、アドレス時点における装着対象の左手方向を正とする水平軸をX軸、背面方向を正とする水平軸をY軸として、地磁気のセンシング結果から装着対象の動きを示すデータ(モーションデータ)を補正する。
【0031】
ステップS6において、ハーフ検出部56は、ハーフ検出処理を実行することにより、スイングにおけるハーフ位置を検出する。
ステップS7において、インパクト検出部57は、インパクト検出処理を実行することにより、スイングにおけるインパクト位置を検出する。
ステップS7の後、運動解析処理は終了となる。
なお、運動解析処理による解析結果は、出力部18のディスプレイに表示したり、通信部20を介して他の装置に送信して表示したりすることが可能である。
【0032】
次に、運動解析処理のステップS2において実行されるトップ検出処理について説明する。
図11は、トップ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS11において、トップ検出部52は、スイングにおける一連の動作を表すセンサ情報において、Z軸周りの角速度が最大値となる時点(角速度の最大値位置)を取得する。
ステップS12において、トップ検出部52は、角速度の最大値位置を時間のインデックスを減算する初期値に設定する。
【0033】
ステップS13において、トップ検出部52は、現在の時点のZ軸周りの角速度がゼロ以下であるか否かの判定を行う。
現在の時点のZ軸周りの角速度がゼロ以下でない場合、ステップS13においてNOと判定されて、処理はステップS14に移行する。
一方、現在の時点のZ軸周りの角速度がゼロ以下である場合、ステップS14においてYESと判定されて、処理はステップS15に移行する。
【0034】
ステップS14において、トップ検出部52は、時間のインデックスを1つ減算する。
ステップS14の後、処理はステップS13に移行する。
ステップS15において、トップ検出部52は、現在の時点をトップ位置として検出する。
ステップS15の後、処理は運動解析処理に戻る。
【0035】
次に、運動解析処理のステップS3において実行されるアドレス検出処理について説明する。
図12は、アドレス検出処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS21において、アドレス検出部53は、トップ検出部52によって検出されたトップ位置から、予め設定された所定時間(例えば、0.3秒)戻った時点を時間のインデックスを減算する初期値に設定する。
ステップS22において、アドレス検出部53は、現在の時点のZ軸周りの角速度が予め設定された第1閾値(例えば、-0.3[rad/s])以上であるか否かの判定を行う。
現在の時点のZ軸周りの角速度が予め設定された第1閾値以上でない場合、ステップS22においてNOと判定されて、処理はステップS23に移行する。
一方、現在の時点のZ軸周りの角速度が予め設定された第1閾値以上である場合、ステップS22においてYESと判定されて、処理はステップS24に移行する。
ステップS23において、アドレス検出部53は、時間のインデックスを1つ減算する。
ステップS23の後、処理はステップS22に移行する。
ステップS24において、アドレス検出部53は、現在の時点をアドレス位置として検出する。
ステップS24の後、処理は運動解析処理に戻る。
【0036】
次に、運動解析処理のステップS4において実行されるフィニッシュ検出処理について説明する。
図13は、フィニッシュ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS31において、フィニッシュ検出部54は、スイングを表す一連のデータの先頭からZ軸周りの角速度を積分して、各時点のZ軸周りの角度を算出する。
ステップS32において、フィニッシュ検出部54は、Z軸周りの角度が最大値となる時点(角度の最大値位置)を取得する。
【0037】
ステップS33において、フィニッシュ検出部54は、Z軸周りの角度が最大値となる時点(角度の最大値位置)を時間のインデックスを減算する初期値に設定する。
ステップS34において、フィニッシュ検出部54は、現在の時点のZ軸周りの角速度が予め設定された第2閾値(例えば、0.3[rad/s])以上であるか否かの判定を行う。
現在の時点のZ軸周りの角速度が予め設定された第2閾値以上でない場合、ステップS34においてNOと判定されて、処理はステップS35に移行する。
一方、現在の時点のZ軸周りの角速度が予め設定された第2閾値以上である場合、ステップS34においてYESと判定されて、処理はステップS36に移行する。
【0038】
ステップS35において、フィニッシュ検出部54は、時間のインデックスを1つ減算する。
ステップS35の後、処理はステップS34に移行する。
ステップS36において、フィニッシュ検出部54は、現在の時点をフィニッシュ位置として検出する。
ステップS36の後、処理は運動解析処理に戻る。
【0039】
次に、運動解析処理のステップS6において実行されるハーフ検出処理について説明する。
図14は、ハーフ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS41において、ハーフ検出部56は、トップ位置を時間のインデックスを減算する初期値に設定する。
【0040】
ステップS42において、現在の時点のZ軸周りの角度がゼロ以上であるか否かの判定を行う。
現在の時点のZ軸周りの角度がゼロ以上でない場合、ステップS42においてNOと判定されて、処理はステップS43に移行する。
一方、現在の時点のZ軸周りの角度がゼロ以上である場合、ステップS42においてYESと判定されて、処理はステップS44に移行する。
【0041】
ステップS43において、ハーフ検出部56は、時間のインデックスを1つ加算する。
ステップS43の後、処理はステップS42に移行する。
ステップS44において、ハーフ検出部56は、現在の時点をZ軸周りの角度のゼロクロス位置に設定する。
ステップS45において、ハーフ検出部56は、X軸方向の速度について、最小値及びその時点(速度の最小値位置)を取得する。
【0042】
ステップS46において、ハーフ検出部56は、X軸方向の速度の最小値位置とZ軸周りの角度のゼロクロス位置との差の絶対値が予め設定された閾値時間(例えば、0.08[s])以内であるか否かの判定を行う。
X軸方向の速度の最小値位置とZ軸周りの角度のゼロクロス位置との差の絶対値が予め設定された閾値時間以内でない場合、ステップS46においてNOと判定されて、処理はステップS47に移行する。
一方、X軸方向の速度の最小値位置とZ軸周りの角度のゼロクロス位置との差の絶対値が予め設定された閾値時間以内である場合、ステップS46においてYESと判定されて、処理はステップS48に移行する。
【0043】
ステップS47において、ハーフ検出部56は、Z軸周りの角度のゼロクロス位置をハーフ位置として検出する。
ステップS48において、ハーフ検出部56は、X軸方向の速度の最小値が速度の閾値(例えば、-0.2[m/s])以下であるか否かの判定を行う。
X軸方向の速度の最小値が速度の閾値以下でない場合、ステップS48においてNOと判定されて、処理はステップS47に移行する。
一方、X軸方向の速度の最小値が速度の閾値以下である場合、ステップS48においてYESと判定されて、処理はステップS49に移行する。
【0044】
ステップS49において、ハーフ検出部56は、Z軸周りの角度のゼロクロス位置とX軸方向の速度の最小値位置との中間をハーフ位置として検出する。
ステップS49の後、処理は運動解析処理に戻る。
【0045】
次に、運動解析処理のステップS7において実行されるインパクト検出処理について説明する。
図15は、インパクト検出処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS51において、インパクト検出部57は、ハーフ検出部56によって検出されたハーフ位置における3軸方向の角速度の大きさ(GyrN)を取得する。
【0046】
ステップS52において、インパクト検出部57は、ハーフ検出部56によって検出されたハーフ位置における3軸方向の速度の大きさ(VelocityN)を取得する。
ステップS53において、インパクト検出部57は、式(1)によって算出した値をインパクト位置として検出する。
ステップS53の後、処理は運動解析処理に戻る。
【0047】
このような処理により、装着対象に運動解析装置1を装着することで、装着対象の動作をセンシングしたセンサ情報から装着対象の動作を正確に特定して解析することが可能となる。例えば、ゴルフスイングの特徴的な5点におけるセンサ値や、5点間の時間について、過去の装着者自身や他者と比較することが可能となり、スイング技術の向上に寄与するものとなる。
即ち、運動解析装置1によれば、運動量が最大または最小の値をとる時点を基準とせずに、対象者による一連の動作をより適切に解析することが可能となる。
なお、本実施形態において、センサ情報に基づく解析を運動解析装置1において実行することの他、スマートフォンやサーバ等、他の装置で実行することとしてもよい。また、運動解析装置1において解析した解析結果を他の装置で表示することとしてもよい。さらに、運動解析装置1と、装着対象の画像を撮影する他の装置等と連携して、運動解析装置1による解析結果と、撮像画像による動作の解析等を統合して提示することとしてもよい。
【0048】
以上のように構成される運動解析装置1は、データ取得部51と、トップ検出部52と、アドレス検出部53と、フィニッシュ検出部54と、軸補正部55と、ハーフ検出部56と、インパクト検出部57とを備える。
データ取得部51は、センサ部により計測される対象物の一連の動作における動作方向を含む運動情報を取得する。
アドレス検出部53またはフィニッシュ検出部54は、データ取得部51により取得された運動情報において、対象物の動作方向が反転する特定の時点を基準として一連の動作の開始時点または終了時点を特定する。
これにより、明確な動きの変化を基準として、一連の動作の開始時点または終了時点を特定することができる。
したがって、運動量が最大または最小の値をとる時点を基準とせずに、対象者による一連の動作をより適切に解析することが可能となる。
【0049】
運動情報は連続的な角速度の情報を含む。
アドレス検出部53は、運動情報における特定の時点より前の時点において、角速度がゼロに近い値を取る時点を、動作の開始点として特定する。
これにより、対象者の動きの特徴に基づく適切な時点を動作の開始点として特定することができる。
【0050】
トップ検出部52は、運動情報において角速度が最大値となる時点よりも前の時点において、該角速度が負の値をとる時点の近傍から特定の時点を特定する。
これにより、対象者の動きの特徴に基づく適切な時点を特定の時点として特定することができる。
【0051】
運動情報は対象者の加速度の情報をさらに含む。
ハーフ検出部56は、運動情報において、角速度の情報に基づく角度がゼロの近傍になる時点と、加速度の情報に基づく速度の大きさが最大値をとる時点との間から当該運動情報における特徴動作の時点を特定する。
これにより、対象者の動きにおける適切な範囲から特徴動作の時点を特定することができる。
【0052】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0053】
上述の実施形態において、ゴルフのスイングを行う装着対象に運動解析装置1を装着し、ゴルフのスイングの解析を行う場合について説明したが、これに限られない。即ち、本発明に係る運動解析装置1は、野球、テニス、陸上競技等、一定のパターンを有する各種動作等に用いることができる。例えば、野球の打席でスイングする打者、マウンドで投球するピッチャー、ストロークやサービス等を行うテニスプレーヤー、陸上競技において投てきを行う競技者等を対象として、本発明に係る運動解析装置1を用いることができる。
【0054】
また、本発明が適用される運動解析装置1は、情報処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0055】
また、上述の実施形態においては、運動解析装置1の解析機能によって対象の動作の一連の動作及び一連の動作内の各動作を特定するように構成したが、それに限られない。
例えばセンサ情報を通信機能により外部の装置に送信し、外部の装置において上記の解析処理を行わせるように構成してもよい。
【0056】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が運動解析装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0057】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0058】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図3のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、または光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital
Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図3のROM12や、図3の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0059】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0060】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
センサ部により計測される対象物の一連の動作における動作方向を含む運動情報を取得する運動情報取得手段と、
前記運動情報取得手段により取得された前記運動情報において、前記対象物の動作方向が反転する特定の時点を基準として前記一連の動作の開始時点または終了時点を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする運動解析装置。
[付記2]
前記運動情報は連続的な角速度の情報を含み、
前記特定手段は、前記運動情報における前記特定の時点より前の時点において、前記角速度がゼロに近い値を取る時点を、前記動作の開始点として特定することを特徴とする付記1に記載の運動解析装置。
[付記3]
前記特定手段は、前記運動情報において前記角速度が最大値となる時点よりも前の時点において、該角速度が負の値をとる時点の近傍から前記特定の時点を特定することを特徴とする付記2に記載の運動解析装置。
[付記4]
前記運動情報は対象者の加速度の情報をさらに含み、
前記特定手段は、前記運動情報において、前記角速度の情報に基づく角度がゼロの近傍になる時点と、前記加速度の情報に基づく速度の大きさが最大値をとる時点との間から当該運動情報における特徴動作の時点を特定することを特徴とする付記2または3に記載の運動解析装置。
[付記5]
運動解析装置が実行する運動解析方法であって、
センサ部により計測される対象物の一連の動作における動作方向を含む運動情報を取得する運動情報取得ステップと、
前記運動情報取得ステップで取得された前記運動情報において、前記対象物の動作方向が反転する特定の時点を基準として前記一連の動作の開始時点または終了時点を特定する特定ステップと、
を含むことを特徴とする運動解析方法。
[付記6]
コンピュータに、
センサ部により計測される対象物の一連の動作における動作方向を含む運動情報を取得する運動情報取得機能と、
前記運動情報取得機能により取得された前記運動情報において、前記対象物の動作方向が反転する特定の時点を基準として前記一連の動作の開始時点または終了時点を特定する特定機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0062】
1・・・運動解析装置,11・・・CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・バス,15・・・入出力インターフェース,16・・・センサ部,17・・・入力部,18・・・出力部,19・・・記憶部,20・・・通信部,21・・・ドライブ,22・・・撮像部,31・・・リムーバブルメディア,51・・・データ取得部,52・・・トップ検出部,53・・・アドレス検出部,54・・・フィニッシュ検出部,55・・・軸補正部,56・・・ハーフ検出部,57・・・インパクト検出部,71・・・センサ情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15