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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】システム、住宅、椅子及びベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/00 20060101AFI20230124BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A47C27/00 E
A47C7/62 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021501417
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2019007224
(87)【国際公開番号】W WO2020174564
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】山地 隆行
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03325799(US,A)
【文献】特開2016-087026(JP,A)
【文献】特開2018-202058(JP,A)
【文献】特開2004-350903(JP,A)
【文献】特開2016-146953(JP,A)
【文献】特開2017-221640(JP,A)
【文献】特開2005-271884(JP,A)
【文献】特開2007-202847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00
A47C 7/62
A61G 7/043
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が着座または臥床する面を備えるマット部と、
前記マット部に備えられる傾斜センサと、
前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、
前記傾斜伝導部材を伝って前記傾斜センサに入力される傾斜に基づく、前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人が着座または臥床したことを検出する検出部と、
前記着座または臥床したことを検出したことをもって、香発生装置へ、香りの発生を命令する命令部と、
前記出力信号に基づき、前記人の心拍情報を生成する生成部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記心拍情報に応じて、前記香発生装置に発生させる前記香りの種類を決定する決定部をさらに備え、
前記決定部の決定に応じて、前記命令部は、前記香発生装置へ、前記種類の香りの発生を命令することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
人が着座または臥床する面を備えるマット部と、
前記マット部に備えられる傾斜センサと、
前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、
前記傾斜伝導部材を伝って前記傾斜センサに入力される傾斜に基づく、前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人の心拍情報を生成する生成部と、を備えるシステム。
【請求項4】
前記心拍情報に応じて、香発生装置に発生させる香りの種類を決定する決定部と、
前記決定部の決定に応じて、前記香発生装置へ、前記種類の香りの発生を命令する命令部をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
人が着座または臥床する面を備えるマット部と、前記マット部に備えられる傾斜センサと、前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、を備える椅子またはベッドと、
前記傾斜伝導部材を伝って前記傾斜センサに入力される傾斜に基づく、前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人が前記椅子に着座、または、前記ベッドに臥床したことを検出するコンピュータと、
前記コンピュータが前記着座または臥床したことを検出したことをもって、香りを発生させる香発生装置と、
前記出力信号に基づき、前記人の心拍情報を生成する生成部と、
を含む住宅。
【請求項6】
人が着座する面を備えるマット部と、
前記マット部に備えられる傾斜センサと、
前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、
前記傾斜伝導部材を伝って前記傾斜センサに入力される傾斜に基づく、前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人の心拍情報を生成する生成部と、
を備える椅子。
【請求項7】
人が臥床する面を備えるマット部と、
前記マット部に備えられる傾斜センサと、
前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、
前記傾斜伝導部材を伝って前記傾斜センサに入力される傾斜に基づく、前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人の心拍情報を生成する生成部と、
を備えるベッド。
【請求項8】
フレームと、
人が着座する座部と、当該座部と連続して設けられた背もたれ部と、を備え、前記フレームに装着された布部材と、
前記背もたれ部に装着された傾斜センサと、
前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人が着座したことを検出する検出部と、
前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人の心拍情報を生成する生成部と、
を備える椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書開示の発明は、システム、住宅、椅子及びベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、座席を車両床面に固定するブラケットの変位を計測する荷重センサを備えた着座検出装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-289516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今、応接室や寝室の利用者の状態を的確に把握し、その利用者の状態に応じたサービスを提供することが試みられている。応接室にはソファなどの椅子が設置されており、寝室にはベッドが設置されていることから、椅子への着座や、ベッドへの臥床等、利用者の状態を的確に把握することができると都合がよい。また、利用者からできるだけ多くの情報を得ることができれば、利用者の状態に応じた適切なサービスを提供することができる。しかしながら、特許文献1は、車両の乗員の着座を検出するものであり、ブラケットを備えていない椅子やベッドには適用することができず、利用者の状態を把握することができない。また、仮に荷重センサをブラケット以外の箇所、例えば、着座する面や臥床する面を有するマット部に配置したとしても、以下の問題が生じ得る。例えば、マット部が復元性を有する素材で形成されている場合、荷重センサの設置位置と着座や臥床の位置との関係によっては、利用者の状態に関する情報を適切に取得できないことが想定される。これは、マット部が復元することで、利用者の重さや動きが荷重センサに伝達されず、荷重センサが適切な検出を行えないためである。
【0005】
そこで、本明細書開示のシステム、住宅、椅子及びベッドは、椅子やベッドに着座または臥床する利用者の状態に関する情報を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本明細書に開示されたシステムは、人が着座または臥床する面を備えるマット部と、前記マット部に備えられる傾斜センサと、前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、を備える。
【0007】
また、本明細書に開示された住宅は、人が着座または臥床する面を備えるマット部と、前記マット部に備えられる傾斜センサと、前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、を備える椅子またはベッドと、前記傾斜伝導部材を伝って前記傾斜センサに入力される傾斜に基づく、前記傾斜センサからの出力信号に基づき、前記人が前記椅子に着座、または、前記ベッドに臥床したことを検出するコンピュータと、前記コンピュータが前記着座または臥床したことを検出したことをもって、香りを発生させる香発生装置と、を含む。
【0008】
さらに、本明細書に開示された椅子は、人が着座する面を備えるマット部と、前記マット部に備えられる傾斜センサと、前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、を備える。
【0009】
さらに、本明細書に開示されたベッドは、人が臥床する面を備えるマット部と、前記マット部に備えられる傾斜センサと、前記面にテンションをかけた状態で渡され、前記傾斜センサと接続される傾斜伝導部材と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本明細書開示のシステム、住宅、椅子及びベッドは、椅子やベッドに着座または臥床する利用者の状態に関する情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は第1実施形態のシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は第1実施形態のシステムが備えるソファの三面図であり、図2(A)は側面図、図2(B)は平面図、図2(C)は正面図である。
図3図3(A)は着座していない状態のソファのマット部を示す正面図であり、図3(B)は着座した状態のソファのマット部を示す正面図である。
図4図4は第1実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図5図5は第1実施形態のシステムを含む住宅の一室の一例を模式的に示す説明図である。
図6図6は第1実施形態のシステムの制御の一例を示すフローチャートの一部である。
図7図7は第1実施形態のシステムの制御の一例を示すフローチャートの一部である。
図8図8は第1実施形態のシステムが備える傾斜センサの着座から退座までの期間を含む出力信号の一例を示すグラフである。
図9図9(A)は第1実施形態のシステムが備えるソファに着座した際の波形部分を拡大して示す説明図であり、図9(B)はソファに着座した際の傾斜センサの動きを模式的に示す説明図である。
図10図10は椅子に着座後、所定時間経過した状態で取得された測定データを拡大して示すグラフである。
図11図11図10に示す測定データのフィルタ処理後のデータを示すグラフである。
図12図12図11に示すデータを微分処理し、特徴点を抽出できるようにしたデータを示すグラフである。
図13図13(A)は第1実施形態のシステムが備えるソファから退座した際の波形部分を拡大して示す説明図であり、図13(B)はソファから退座した際の傾斜センサの動きを模式的に示す説明図である。
図14図14は利用者のストレス具合に基づく香り選択のためのテーブルの一例である。
図15図15(A)は第2実施形態のソファの平面図であり、図15(B)は第2実施形態の椅子の正面図である。
図16図16は第3実施形態のベッドの斜視図である。
図17図17は変形例のマット部の平面図である。
図18図18(A)は第4実施形態のレジャー用の椅子の側面図であり、図18(B)はレジャー用の椅子が備える布部材の変形の様子を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
【0013】
(第1実施形態)
まず、図1から図15を参照して、実施形態のシステム1について説明する。図1を参照すると、システム1は、椅子の一例であり、マット部11を備えたソファ10と、傾斜センサ12と、傾斜伝導部材13及びコンピュータ20を備える。また、システム1は、表示部30と香発生装置31を備える。
【0014】
図2(A)から図2(C)を参照すると、ソファ10は、フレーム部材10aを備える。フレーム部材10aは、脚部を形成しており、その上にマット部11が設置されている。マット部11は、弾性を有し、変形性や復元性に富んだ素材、本実施形態にあっては、ウレタン素材によって形成されている。マット部11は、所定の厚みを有しており、天面11a、側壁部11b及び前壁部11cを備えている。天面11aは、図3(B)に示すように人(以下、「利用者」という)14が着座する面、すなわち、座面となる。
【0015】
マット部11には、傾斜センサ12が設けられている。傾斜センサ12は、マット部11の側壁部11bに設けられた収納凹部11b1内に埋め込まれている。傾斜センサ12の一部は、収納凹部11b1の開口部から露出した状態とされているが、収納凹部11b1の開口部を塞ぐ他の部材を設けてもよい。傾斜センサ12は、自身が傾斜した状態となったことを検出することができる従来公知のセンサを用いることができる。傾斜センサ12は加速度センサであってもよい。傾斜センサ12は、後に詳説するように、傾斜伝導部材13を伝って入力される傾斜に基づく、出力信号を生成する。
【0016】
マット部11の天面11aには、傾斜伝導部材13がテンションをかけた状態で設けられている。傾斜伝導部材13は、傾斜センサ12と接続された状態とされている。傾斜伝導部材13は、撓むことできるが、マット部11と比較して伸縮し難い。本実施形態の傾斜伝導部材13は、綿製の布地を帯状に形成することによって設けられている。傾斜伝導部材13は、テンションをかけた状態で天面11a上を渡されている。具体的に、傾斜伝導部材13は、マット部11の左右の側壁部11bと天面11aを通過するように設けられ、その両端がそれぞれソファ10のフレーム部材10aに固定されている。傾斜伝導部材13は、傾斜センサ12上を通過する部分が傾斜センサ12と接することで傾斜センサ12と接続された状態とされている。ここで、傾斜伝導部材13が傾斜センサ12に接続された状態とは、傾斜伝導部材13の動きによって、傾斜センサ12を動かし、傾斜センサ12を傾斜させることができる状態を意味する。このため、傾斜伝導部材13は、傾斜センサ12に対して必ずしも固定されていなくてもよい。本実施形態体では、傾斜センサ12上を通過する傾斜伝導部材13を傾斜センサ12の一面に密着させることで、傾斜伝導部材13の動きを傾斜センサ12に伝達するようにしている。
【0017】
また、傾斜伝導部材13は、テンションをかけた状態で設けられているが、これは、傾斜伝導部材13の動きを傾斜センサ12へ伝達させるためである。
【0018】
図3(A)で示すように、利用者14がソファ10に着座していない状態では、傾斜伝導部材13の全長は、概ね左右の側壁部11bの高さ方向長さと、左右の側壁部11bを繋ぐ天面11aの長さとを合わせた長さとなっている。このような状態から図3(B)に示すように、利用者14が天面11aに着座すると、弾性を有するマット部11が変形して天面11aが沈み込む。このとき、利用者14が傾斜伝導部材13上に着座することで、傾斜伝導部材13は、沈み込んだマット部11の形状に倣って撓む。マット部11は、伸縮性に優れ、沈み込むことで、その表面長さが増す。一方、傾斜伝導部材13は、撓むことは出来るが、伸縮性がマット部11よりも劣る。このため、傾斜伝導部材13の両側は、傾斜伝導部材13がマット部11の沈み込んだ形状に倣って撓むことに伴って、撓んだ部分に近づこうとする。これにより、マット部11の側壁部11bは、その上縁側がマット部11の天面11aの着座位置に近づくよう引っ張られて傾く。マット部11の側壁部11bには、傾斜センサ12が設けられており、傾斜センサ12には、傾斜伝導部材13が接続されているため、傾斜センサ12が傾く。傾斜センサ12がその傾きを検知することで、ソファ10に着座したか否か等の利用者14の状態を判定することができるようになる。
【0019】
利用者14が着座しても、その動作が傾斜センサ12に伝達されないことがある。この場合には、利用者の状態を判定することができない。たとえば、利用者14が天面11aに着座し、天面11aが凹むことによって天面11aの表面距離が長くなっても傾斜伝導部材13は、長くなった分を弛んだ部分で補うことができるため、傾斜センサ12を動かすことができない。一方で、利用者14が天面11aに着座し、天面11aが凹むことによって天面11aの表面距離が長くなったときに、傾斜伝導部材13が長くなった分を弛んだ部分で補うことができない状態になれば、利用者の動作が傾斜センサ12に伝達される。よって、利用者14が天面11aに着座した場合に傾斜伝導部材13が長くなった分を弛んだ部分で補うことができない状態になることが求められる。なお、本実施形態においては、利用者14が天面11aに着座した場合に傾斜伝導部材13が長くなった分を弛んだ部分で補うことができない状態を、傾斜伝導部材13がテンションを掛けて天面11aに渡されている状態という。
【0020】
利用者14が着座した状態であるとき、マット部11の着座位置は沈み込んだ形状となるが、マット部11の着座位置の周囲は、変形しないか、または、変形しても時間の経過に伴って元の形状に復帰する。これに対し、傾斜伝導部材13は、テンションがかけられた状態であり、マット部11の着座位置の周囲が元の形状に復帰してもマット部11の利用者14が着座した状態であることを継続して伝えることができる。
【0021】
また、マット部11は、振動吸収性に優れるため、天面11aに着座した利用者の些細な振動を傾斜センサ12へ伝達することがないが、傾斜伝導部材13を介することで、利用者14の動きや、振動を傾斜センサ12へ伝達することができる。
【0022】
なお、傾斜センサ12の配置と、傾斜伝導部材13の配置との組み合わせは、図2(A)等に示す組み合わせに限定されるものではない。すなわち、傾斜センサ12は、マット部11の側壁部11bに設置され、傾斜伝導部材13は、一方の側壁部11bに設けられた傾斜センサ12と、天面11aと反対側の側壁部11bを通過するように設けられているが、これに限定されない。
【0023】
傾斜伝導部材13は、利用者14の着座が想定される天面11a上の部位を通過していればよい。一方、傾斜センサ12は、利用者14の着座に伴い、傾斜伝導部材13によって引っ張られることによって傾くことができる位置に配置されていればよい。従って、例えば、天面11aの周縁近傍等、通常の使用状態において、利用者14が着座することがない箇所に傾斜センサ12を配置してもよい。
【0024】
傾斜伝導部材13は、利用者14が着座する範囲をカバーすることができるように、その寸法を決定することができる。傾斜伝導部材13の幅を広くすることで、利用者14の広範な着座領域をカバーすることができるようになる。
【0025】
また、傾斜伝導部材13は、綿製の布地に代えて、可撓性を有するフィルム状の素材によって形成してもよい。
【0026】
再び図1を参照すると、コンピュータ20は、検出部201、生成部202、決定部203及び命令部204を備えている。図4を参照すると、コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))24を備える。また、コンピュータ20は、入出力インターフェイス25、及び可搬型記憶媒体用ドライブ26等を備えている。これらのコンピュータ20の構成各部は、バス28に接続されている。コンピュータ20では、ROM22あるいはHDD24に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ26が可搬型記憶媒体27から読み取ったプログラムをCPU21が実行する。これにより、検出部201、生成部202、決定部203及び命令部204の機能が実現される。
【0027】
検出部201は、傾斜伝導部材13を伝って入力される傾斜に基づく、傾斜センサ12からの出力信号に基づき、主として利用者14が着座したことや退座したことを検出する。生成部202は、傾斜センサ12の出力信号に基づき、利用者14の心拍情報を生成する。決定部203は、心拍情報に応じて、香発生装置31に発生させる香りの種類を決定する。命令部204は、利用者14が着座したことを検出したことをもって、香発生装置31へ、香りの発生を命令する。表示部30は、生成部202で生成された心拍情報が表示される。検出部201と傾斜伝導部材13とは、無線で接続されているが、両者は有線で接続してもよい。
【0028】
このようなシステム1は、利用者14の状態に関する種々の情報を取得することができ、その情報に基づいて、例えば、香りを選択し、香りを発生させることができる。
【0029】
システム1は、住宅40に組み込むことができる。システム1が設置された住宅40内の一室の平面図である図5を参照すると、ソファ10に対向させて配置したテレビ台41の背面側にコンピュータ20が配置され、テレビ台41の側方に香発生装置31が配置されている。このような配置とすることで、利用者14がソファ10に着座すると、利用者14の状態に応じた室内環境を提供することができる。なお、ソファ10、コンピュータ20、香発生装置31の配置は、自在に変更することができる。例えば、香発生装置31は、住宅40の室内の壁面に埋め込むようにしてもよい。また、香発生装置31は、ソファ10の近傍に配置するようにしてもよい。
【0030】
つぎに、システム1の制御の一例について図6及び図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図6及び図7は、説明の都合上、一つのフローチャートを二つに分けて表したものとなっている。図6における符号(A)は、図7における符号(A)に繋がっており、図7における符号(B)は図6における符号(B)に繋がっている。
【0031】
コンピュータ20は、ステップS1では、検出部201により、傾斜センサ12の出力信号の取得が行われる。図8は、傾斜センサ12の出力信号の一例を示すグラフである。図8には、利用者14の着座から退座までの期間を含んでいる。図8が示すように、出力信号は、時間の経過に伴って変化する。検出部201は、このような出力信号を継続的に取得する。そして、以下の工程において、出力信号の解析を行い、その解析結果に基づいて利用者14の状態、具体的には、利用者14の着座、退座、心拍情報及びストレス度合いを抽出したり、算出したりする。なお、図8において、符号(a)は、利用者14が着座した時点を示し、符号(b)は、利用者14が継続して着座している時間帯の状態を示し、符号(c)は、利用者14が退座した時点を示している。そして、符号(d)は、利用者14が退座した後、マット部11が元の状態に復元している時間帯の状態を示している。
【0032】
ステップS1に引き続いて行うステップS2において、コンピュータ20は、着座判定フラグがONとされているか否かを判断する。着座判定フラグは、コンピュータ20が利用者14の着座を検知したときにONとされる。コンピュータは、利用者14がソファ10に着座しているか否かにかかわらず、繰り返し所定の処理を継続して行っているため、着座判定フラグがONとなっている場合とOFFとなっている場合がある。
【0033】
ステップS2で否定判定された場合は、すなわち、利用者14が着座していないと判断したとき、コンピュータ20は、ステップS3へ進む。コンピュータ20は、ステップS3において、取得した出力信号の振幅変化が有ったか否かを判断する。コンピュータ20は、傾斜センサ12の出力信号に何らの変化もない場合には、ステップS3において否定判定を行い、ステップS1から工程を繰り返し、ステップS3で肯定判定をしたときはステップS4へ進む。
【0034】
ステップS4では、コンピュータ20、より具体的には、検出部201は、傾斜センサ12の出力信号+(プラス)θが予め定められた閾値thθ1を超えたか否かを判断する。ここで、出力信号θについて説明する。図9(B)を参照すると、傾斜センサ12の出力信号は、時計回りの場合に+θであり、反時計回りの場合に-(マイナス)θとなる。これは、図3(B)に示すように、マット部11に利用者14が着座したとき、ソファ10を正面から観た状態の傾斜センサ12が時計回りに傾くため、利用者14が着座した状態の場合を+側に設定したものである。
【0035】
ステップS4において否定判定した場合、コンピュータ20は、ステップS1からの工程を繰り返す。例えば、利用者14が天面11aに手をついただけである場合等、傾斜センサ12の出力信号に振幅変化が認められたにもかかわらず、出力信号+θが閾値thθ1を超えないような場合は、ステップS4で否定判定がされる。
【0036】
ステップS4において肯定判定された場合は、コンピュータ20はステップS5へ進み、着座判定フラグをONとする。
【0037】
ステップS5に引き続いて行うステップS6では、検出部201は、利用者14がマット部11に対し、ゆっくりした動作で着座したか、急な動作で着座したかの判断を行う。この動作の判定について、図9(A)及び図9(B)を参照して説明する。図9(A)はシステム1が備えるソファ10に着座した際の波形部分を拡大して示す説明図であり、図9(B)はソファ10に着座した際の傾斜センサ12の動きを模式的に示している。
【0038】
図9(B)を参照すると、利用者14が着座したとき、傾斜センサ12は、一旦、時計回りに傾き、その後、マット部11の弾性力によって元の姿勢に戻ろうとする。このため、図9(A)に示すように、傾斜センサ12は、一旦+θ側の値を示し、その後、即座に-θ側の値を示す。検出部201は、積分演算を行うことにより、図9(A)においてハッチングを付した領域の面積Sを算出する。面積Sは、利用者14の着座の仕方によって異なる。すなわち、利用者14がゆっくりした動作で着座すれば、面積Sは小さくなる。また、利用者14が急な動作で着座すれば面積Sは大きくなる。検出部201は、ステップS6において面積Sが予め定めた閾値thsよりも小さいか否かを判断する。
【0039】
ステップS6で肯定判定をしたとき、検出部201は、ステップS7へ進み、利用者14の状態を、ゆっくりとした動作で着座した状態であると設定する。一方、ステップS6で否定判定をしたとき、検出部201は、ステップS9へ進み、利用者14の状態を、急な動作で着座した状態であると設定する。
【0040】
コンピュータ20は、ステップS7の設定に基づき、ステップS8において、第1アロマの選定を行う。また、コンピュータ20は、ステップS9の設定に基づき、ステップS10において、第2アロマの選定を行う。第1アロマや第2アロマの選定は、決定部203が行う。
【0041】
ここで、決定部203が行うアロマ(香り)の選定について説明する。本実施形態では、第1アロマ~第3アロマの3種類のアロマの中から、利用者14の状態に合わせたアロマが選定される。第1アロマは、利用者14がリラックスした状態であると判断されるときに選定される。例えば、イランイランや柑橘系のアロマは、第1アロマとすることができる。第2アロマは、利用者14が通常状態であると判断されるときに選定される。例えば、柑橘系のアロマは、第2アロマとすることができる。第3アロマは、利用者がストレスを感じている状態であると判断されるときに選定される。例えば、カモミール・ロマンやヒノキは、第3アロマとすることができる。なお、アロマの種類は、これに限定されるものではなく、他の種類のアロマを採用してもよい。また、種類の数もこれに限定されるものではない。
【0042】
本実施形態では、利用者14の着座が判定された時点では、第1アロマと第2アロマの2種類のアロマから選定される。また、利用者14が着座した時点では、アロマの選定を行わず、いずれかのアロマを選定して着座した利用者14がアロマの発生を感じ、その香りを楽しめるようにしてもよい。
【0043】
ステップS8やステップS10でアロマが選定された後は、ステップS11において、命令部204による香発生装置31への命令が行われる。ステップS11の工程が終了した後は、ステップS24へ進む。
【0044】
ステップS24では、検出部201は、退座判定が行われるか否かを判断する。退座判定について、図13(A)及び図13(B)を参照して説明する。図13(A)はシステム1が備えるソファ10から退座した際の波形部分を拡大して示す説明図であり、図13(B)はソファ10から退座した際の傾斜センサ12の動きを模式的に示している。
【0045】
利用者14は、ソファ10から退座するとき、マット部11から立ち上がるための勢いをつける。このため、マット部11は、一旦、沈み込む。傾斜センサ12は、この動きに反応して+θの出力信号を発する。そして、利用者14が立ち上がると、マット部11の形状の復帰に伴って、撓んでいた傾斜伝導部材13も元の状態に戻る。これにより、傾斜センサ12も反時計回りに回転する。その際、-θの出力信号を発する。検出部201は、傾斜センサ12の出力信号-θが予め定められた閾値thθ2を超えたか否かを判断する。出力信号-θが閾値thθ2を超えた場合は、ステップS24で肯定判定を行い、ステップS25へ進む。ステップS25では、着座判定フラグをOFFとする。そして、ステップS1からの工程を繰り返す。一方、ステップS24で否定判定を行ったときは、ステップS25を経ることなく、すなわち、着座判定フラグのON状態を維持したままステップS1からの工程を繰り返す。
【0046】
ステップS2で肯定判定された場合、すなわち、利用者14がすでに着座しており、着座判定フラグがONとなっているとき、コンピュータ20は、ステップS12へ進む。ステップS12では、コンピュータ20は、着座判定フラグONからの経過時間が予め定めた閾値としてのt秒を経過したか否かを判断する。ここで、閾値としてのt秒は、利用者14が着座し、落ち着いた状態となっていると判断できる期間として設定されている。このt秒は、実験に基づいて、多くの利用者14に当て嵌まる期間として定めることができる。
【0047】
ステップS12で否定判定したとき、生成部202は、傾斜センサ12の出力信号の解析を行う。ステップS12では、具体的に出力信号のデータから特徴点を抽出する。図10は、ソファ10に着座後、所定時間経過した状態で取得された測定データを拡大して示すグラフである。すなわち、図8における符号(b)に含まれる時間帯の測定データが拡大して示されている。
【0048】
このように、傾斜センサ12の測定データは、微細な振動をも検知している。そこで、測定データをローパスフィルタにかけ、図11に示すようなフィルタ処理後のデータを得る。さらに、検出部201は、図11に示すデータを微分処理する。これにより、図12に示すような特徴点P1、P2、P3・・・Pnが取得される。これらの特徴点Pnは、心拍を表している。
【0049】
生成部202は、ステップS13に引き続いて行うステップS14において、このような特徴点Pnに基づいて心拍情報、すなわち、心拍数(hr)を取得する。
【0050】
ステップS14に引き続いて行うステップs15では、決定部203がステップS14で取得した心拍数(hr)が予め定めた閾値となる値よりも低いか否かを判断する。本実施形態では、閾値となる心拍数として115が設定されている。
【0051】
ステップS15で肯定判定した場合、決定部203は、ステップS16へ進み、第1アロマを選定する。心拍数(hr)が閾値である115よりも低い場合は、利用者14がリラックスした状態であるとして第1アロマを選定する。一方、ステップS15で否定判定した場合、決定部203は、ステップS17へ進み第2アロマを選定する。
【0052】
ステップS16やステップS17でアロマが選定された後は、ステップS11において、命令部204による香発生装置31への命令が行われる。ステップS11の工程が終了した後は、ステップS24以降の工程へ進む。
【0053】
なお、ステップS14で取得した心拍数(hr)は、表示部30に表示される。
【0054】
ステップS12で肯定判定したとき、生成部202は、傾斜センサ12の出力信号からLF/HFを算出する。ここで、LF(低周波成分)は交感神経を反映する指標であり、HF(高周波成分)は、副交感神経を反映する指標である。そして、LF/HFは、交感神経と副交感神経とのバランスを示す指標であって、ストレス具合のチェックに用いられる。LF/HFは、その値が小さいほど、リラックスした状態であると評価される。例えば、図14に示すように、LF/HFが閾値2.0未満であるとき、非常にリラックスした状態であると評価される。また、LF/HFが2.0以上、5.0未満であるとき、通常状態であると評価される。さらに、LF/HFが5.0以上であるとき、高ストレス状態であると評価される。
【0055】
LF/HFは、傾斜センサ12の出力信号に対し、例えば、フーリエ変換(FFT)や面積算出処理等を得ることによって取得することができる。LF/HFの算出については、従来、種々提案されているため、ここではその詳細な説明は省略する。
【0056】
ステップS18に引き続いて行うステップS19では、決定部203は、LF/HFが予め定められた閾値である2.0未満であるか否かを判断する。ステップS19で肯定判定をした場合、ステップS20へ進み、第1アロマを選定する。一方、ステップS19で否定判定をした場合ステップS21へ進む。
【0057】
ステップS21では、決定部203は、LF/HFが2.0以上、5.0未満であるか否かを判断する。ステップS21で肯定判定をした場合、ステップS22へ進み、第2アロマを選定する。一方、ステップS21で否定判定をした場合ステップS23へ進み、第3アロマを選定する。
【0058】
ステップS20、ステップS22及びステップS23でアロマが選定された後は、ステップS11において、命令部204による香発生装置31への命令が行われる。ステップS11の工程が終了した後は、ステップS24以降の工程へ進む。
【0059】
このように、本実施形態のシステム1によれば、ソファ10に着座した利用者14の状態に関する情報を得ることができる。また、利用者14の心拍情報やストレス度合いに応じたアロマを発生させることで、利用者14が快適に過ごすことができる環境を提供することができる。
【0060】
(第2実施形態)
つぎに、図15(A)及び図15(B)を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態のソファ50は、傾斜センサ12と傾斜伝導部材13の組みを二組備えている。ソファ50は、二人掛け用である。
【0061】
傾斜センサ12と傾斜伝導部材13は、いずれもマット部51に設けられている。マット部51は、第1実施形態のマット部11と同一の素材で設けられている。各傾斜センサ12は、いずれもマット部11の前壁部51cに設置されている。そして、各傾斜伝導部材13は、マット部51の前側から天面51aを通過して後側にかけて設けられている。傾斜伝導部材13は、それぞれ、2名の利用者が着座することが想定される位置を通過している。
【0062】
各傾斜センサ12は、それぞれ検出部、生成部、決定部及び命令部と接続され、傾斜センサ12毎の香発生装置が準備されることで、ソファ50に2名の利用者14が着座している際に、利用者14毎のアロマを発生させることができる。
【0063】
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態について、図16を参照しつつ説明する。第3実施形態のベッド60は、マット部61に傾斜センサ12と傾斜伝導部材13とを備えている。マット部61は、ベッド用の部材であり、内部にコイルスプリングを備えるとともに、その表面に第1実施形態のマット部11と同一素材が配されている。
【0064】
傾斜センサ12は、マット部61の側壁部61bに配置されている。また、傾斜伝導部材13は、マット部61の左右の側壁部61bと天面61aを通過するように設けられている。また、傾斜伝導部材13は、傾斜センサ12と接続されている。傾斜伝導部材13は、利用者が、傾斜伝導部材13が配されたマット部61上の領域に臥床することで、第1実施形態においてソファ10に利用者14が着座したときと同様に、傾斜センサ12を動かす。傾斜センサ12は、その動きに起因する傾きを検出する。傾斜センサ12は、検出部、生成部、決定部及び命令部と接続されている。これにより、傾斜センサ12の出力信号に基づいて、マット部61に利用者が臥床したことに基づいて香発生装置に香りを発生させることができる。また、第1実施形態と同様に、傾斜センサ12の出力信号に基づいて、利用者の心拍情報やストレス度合いを判定し、利用者の状態に応じたアロマを発生させることで、利用者14が快適に過ごすことができる環境が提供される。
【0065】
<変形例>
図16に示された傾斜伝導部材13は、マット部61の短手方向に渡されているが、この傾斜伝導部材13に代えて、短手方向と長手方向に渡された傾斜伝導部材63を採用することができる。ベッド60に装備されるマット部61は、天面61aの面積が広い。そのため、利用者が臥床する位置によっては、その位置に傾斜伝導部材13が存在しておらず、利用者の動きや振動を検出できないことが想定される。また、マット部61には、利用者が臥床するだけでなく、着座することも想定される。そこで、マット部61の短手方向と長手方向に渡された傾斜伝導部材63を採用することで、例えば、図17に示す領域611や領域612のようなマット部61の中心部から外れた領域への臥床や着座も検出できるようになる。
【0066】
(第4実施形態)
つぎに、図18(A)及び図18(B)を参照して第4実施形態について説明する。第4実施形態は、主としてレジャーに用いられる折畳可能な椅子70である。椅子70は、折り畳み可能なフレーム71とフレーム71に装着された布部材72を備える。布部材72は、座部72aと背もたれ部72bを備えている。座部72aと背もたれ部72bとは、連続している。このような布部材72は、マット部の機能と傾斜伝導部材の機能とを備えている。背もたれ部72bには傾斜センサ12が装着されている。
【0067】
図18(B)で示すように、座部72aに着座すると、座部72aは沈み込むとともに、背もたれ部72bの下端部が前方へ引っ張られることから背もたれ部72bは傾く。傾斜センサ12は、このような背もたれ部72bの動きを検知することができる。
【0068】
このような椅子70であっても、第1実施形態等と同様に、利用者の状態に関する情報を得ることができる。また、利用者の心拍情報やストレス度合いに応じたアロマを発生させることで、利用者が快適に過ごすことができる環境を提供することができる。
【0069】
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施形態を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施形態が可能であることは上記記載から自明である。
【符号の説明】
【0070】
1 システム
10、50 ソファ
11、51、61 マット部
11a、51a、61a 天面
14 利用者
20 コンピュータ
40 住宅
201 検出部
202 生成部
203 決定部
204 命令部
31 香発生装置
図1
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