(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20230124BHJP
【FI】
B60K20/02 E
(21)【出願番号】P 2018031090
(22)【出願日】2018-02-23
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-136132(JP,A)
【文献】特表2017-501937(JP,A)
【文献】米国特許第4546665(US,A)
【文献】特開2011-116345(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1356145(KR,B1)
【文献】特開2013-49347(JP,A)
【文献】特開2014-24447(JP,A)
【文献】特開2011-110990(JP,A)
【文献】特表2008-526605(JP,A)
【文献】特開平8-93897(JP,A)
【文献】特開2012-86730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差される一方向及び他方向に移動されてシフト位置が変更されると共に、一方向側に突出される第1被規制部及び他方向側に突出される第2被規制部が設けられるシフト体と、
駆動装置及び
単一の規制部材が設けられ、前記駆動装置に対する制御により前記規制部材が前記第2被規制部の移動を規制して前記シフト体の一方向への移動が規制されると共に、前記駆動装置に対する制御により前記規制部材が前記第1被規制部の移動を規制して前記シフト体の他方向への移動が規制される規制機構と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
移動されてシフト位置が変更されると共に、第1シフト位置と第2シフト位置とが隣設されるシフト体と、
駆動装置及び規制部材が設けられ、前記規制部材が第1位置に配置されて前記シフト体の前記第1シフト位置から前記第2シフト位置への移動を規制
しかつ前記駆動装置によって前記規制部材が前記第1位置から移動されて前記シフト体の前記第1シフト位置から前記第2シフト位置への移動を許可すると共に、前記規制部材が第2位置に配置されて前記シフト体の前記第2シフト位置から前記第1シフト位置への移動を規制
しかつ前記駆動装置によって前記規制部材が前記第2位置から移動されて前記シフト体の前記第2シフト位置から前記第1シフト位置への移動を許可する規制機構と、
を備えるシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体が移動されてシフト体のシフト位置が変更されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のロック装置では、ソレノイドに対する制御により、第1ロックピースがシフトレバーのニュートラル位置Nからリバース位置Rへの左右方向の移動を規制すると共に、第2ロックピースがシフトレバーのパーキング位置Pからリバース位置Rへの左右方向の移動を規制する。
【0003】
ここで、このロック装置では、ソレノイドに対する制御によりシフトレバーの左右方向への移動が規制される。また、第1ロックピースがシフトレバーのニュートラル位置Nからパーキング位置Pへの移動を規制すると共に、第2ロックピースがシフトレバーのパーキング位置Pからニュートラル位置Nへの移動を規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、規制機構の構成を簡単にできるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、互いに交差される一方向及び他方向に移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、駆動装置が設けられ、前記駆動装置に対する制御により前記シフト体の一方向への移動が規制されると共に、前記駆動装置に対する制御により前記シフト体の他方向への移動が規制される規制機構と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、規制部材が設けられ、前記規制部材が第1位置に配置されて前記シフト体の第1シフト位置から第2シフト位置への移動を規制すると共に、前記規制部材が第2位置に配置されて前記シフト体の第2シフト位置から第1シフト位置への移動を規制する規制機構と、を備える。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第2態様のシフト装置において、第1シフト位置と第2シフト位置とが隣設される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト体が互いに交差される一方向及び他方向に移動されて、シフト体のシフト位置が変更される。
【0010】
ここで、規制機構に駆動装置が設けられており、駆動装置に対する制御によりシフト体の一方向への移動が規制されると共に、駆動装置に対する制御によりシフト体の他方向への移動が規制される。このため、駆動装置に対する制御によりシフト体の一方向及び他方向への移動を規制でき、規制機構の構成を簡単にできる。
【0011】
本発明の第2態様のシフト装置では、シフト体が移動されて、シフト体のシフト位置が変更される。
【0012】
ここで、規制機構に規制部材が設けられており、規制部材が第1位置に配置されてシフト体の第1シフト位置から第2シフト位置への移動を規制すると共に、規制部材が第2位置に配置されてシフト体の第2シフト位置から第1シフト位置への移動を規制する。このため、規制部材がシフト体の第1シフト位置から第2シフト位置への移動及び第2シフト位置から第1シフト位置への移動を規制でき、規制機構の構成を簡単にできる。
【0013】
本発明の第3態様のシフト装置では、第1シフト位置と第2シフト位置とが隣設される。このため、規制部材の配置位置が第1位置と第2位置とに変更されて、シフト体の第1シフト位置から第2シフト位置への移動を規制する規制部材の部分と、シフト体の第2シフト位置から第1シフト位置への移動を規制する規制部材の部分と、が変更されることで、第1シフト位置と第2シフト位置とが隣設される場合でも、シフト体の第1シフト位置から第2シフト位置への移動の規制強度とシフト体の第2シフト位置から第1シフト位置への移動の規制強度とを大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す左方から見た断面図である。
【
図2】(A)は、本発明の実施形態に係るシフト装置の主要部を示す後方から見た後面図であり、(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるレバーのシフト位置の配置を示す上方から見た平面図である。
【
図3】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるレバーが「P」位置に配置される状態を示す断面図であり、(A)は、上方から見た図であり、(B)は、レバーの「R」位置への回動が許可される際を示す前方から見た図であり、(C)は、レバーの「R」位置への回動が規制される際を示す前方から見た図である。
【
図4】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるレバーが「R」位置に配置される状態を示す断面図であり、(A)は、上方から見た図であり、(B)は、レバーの「P」位置への回動が許可される際を示す前方から見た図であり、(C)は、レバーの「P」位置への回動が規制される際を示す前方から見た図である。
【
図5】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるレバーが「N」位置に配置される状態を示す断面図であり、(A)は、上方から見た図であり、(B)は、レバーの「R」位置への回動が許可される際を示す右方から見た図であり、(C)は、レバーの「R」位置への回動が規制される際を示す右方から見た図である。
【
図6】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるレバーが「D」位置に配置される状態を示す断面図であり、(A)は、上方から見た図であり、(B)は、レバーの「R」位置への回動が許可される際を示す右方から見た図であり、(C)は、レバーの「R」位置への回動が規制される際を示す右方から見た図である。
【
図7】(A)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるカムの回転位置(横軸)とロックピースの上下方向位置(縦軸)との関係を示すグラフであり、(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるカムの回転位置とロックピースの上下方向位置との関係を示す後方から見た後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が左方から見た断面図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示す。
【0016】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のコンソール(図示省略)に設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前方、右方及び上方に向けられている。
【0017】
図1に示す如く、シフト装置10には、略直方体形箱状のプレート12が設けられており、プレート12がコンソール内に固定されて、シフト装置10がコンソール(図示省略)に設置されている。プレート12の上壁は、案内部材としての略矩形板状の強度ゲート12Aにされており、強度ゲート12Aには、案内部としての平面視L字状の規制溝14(
図2(B)参照)が貫通形成されている。規制溝14の前側部は、左右方向に延伸されており、規制溝14の後側部は、規制溝14の前側部の右端部後側において、前後方向に延伸されている。
【0018】
プレート12内の下端部には、シフト体(操作体)としての略長尺棒状のレバー16の下端部(基端部)が支持されており、レバー16は、下端部を中心として、前後方向(一方向、シフト方向)及び左右方向(他方向、セレクト方向)に回動(移動)可能にされている。レバー16は、強度ゲート12Aの規制溝14に貫通されており、レバー16は、規制溝14に案内されて規制溝14に沿って回動されると共に、規制溝14の周面によって回動を規制される(
図2(B)参照)。レバー16が規制溝14の前側部の左端部及び右端部に配置される際には、それぞれレバー16がシフト位置としての「P」位置(パーキング位置、第1シフト位置)及び「R」位置(リバース位置、第2シフト位置)に配置される。レバー16が規制溝14の後側部の前部及び後端部に配置される際には、それぞれレバー16がシフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置、第3シフト位置)及び「D」位置(ドライブ位置)に配置される。
【0019】
レバー16は、プレート12から上側に延出されており、レバー16の上部は、コンソールから車室内に延出されている。レバー16の上端部(先端部)には、把持部としてのノブ(図示省略)が設けられており、レバー16は、車両の乗員(特に運転手)によって、ノブが把持された状態で、前後方向及び左右方向に回動操作可能にされている。ノブには、操作部としてのスイッチ18(
図2(A)参照)が設けられており、スイッチ18は、乗員によって、操作可能にされている。
【0020】
レバー16には、強度ゲート12Aの下側において、第1被規制部しての直方体状の第1突起16Aが設けられており、第1突起16Aは、前側に突出されている。レバー16には、強度ゲート12Aの下側において、第2被規制部しての直方体状の第2突起16B(
図3(A)参照)が設けられており、第2突起16Bは、右側に突出されると共に、上下方向位置が第1突起16Aの上下方向位置と同一にされている。
【0021】
プレート12内には、レバー16の前側において、規制機構20(ロック機構、
図2(A)参照)が設けられている。
【0022】
規制機構20には、駆動装置としてのモータ22が設けられており、モータ22は、プレート12内の下部に固定されている。モータ22の出力軸には、ウォーム24が同軸上に固定されており、モータ22が駆動されて、ウォーム24が回転される。
【0023】
ウォーム24の上側には、カム体26が設けられており、カム体26は、プレート12内に回転可能に支持されている。カム体26には、カムギヤ26A(ウォームホイール)が一体回転可能に設けられており、カムギヤ26Aの中心軸線は、カム体26の回転中心軸線Oと一致されている。カムギヤ26Aは、ウォーム24に噛合されており、ウォーム24が回転されることで、カムギヤ26Aが回転されて、カム体26が回転される。カム体26には、略半円板状のカム26Bが一体回転可能に設けられており、カム26Bは、カム体26の回転中心軸線Oに対し偏在されている。
【0024】
カム体26の上側には、規制部材としてのブロック状のロックピース28が設けられており、ロックピース28は、プレート12内に上下方向に移動(スライド)可能に支持されている。ロックピース28は、上側の付勢手段としてのスプリング29(圧縮コイルスプリング)によって下側に付勢されて、カム体26のカム26Bに上側から当接されており、カム26Bが回転されることで、ロックピース28が、カム26Bによって(スプリング29の付勢力に抗して)上側に移動されると共に、スプリング29の付勢力によって下側に移動される(
図7の(A)及び(B)参照)。このため、ロックピース28が第1位置(規制位置)としての下側の下位置、第2位置(規制位置)としての上側の上位置、及び、第3位置(解除位置)としての上下方向中間の中位置に配置可能にされている。
【0025】
ロックピース28は、平面視略L字状にされており、ロックピース28は、強度ゲート12Aの規制溝14の前側及び右側に配置されている。ロックピース28の左端部には、被検出部としてのマグネット30が固定されており、マグネット30は、ロックピース28と一体に上下方向に移動可能にされている。
【0026】
ロックピース28の前側部には、左右方向中間部の後側において、直方体状の第1規制部28A(
図3の(A)~(C)参照)が設けられており、第1規制部28Aは、後側に突出されると共に、ロックピース28の右面及び前面との間の部分が中実にされている。
【0027】
ロックピース28の前側部には、左部の後側において、直方体状の第2規制部28B(
図4の(A)~(C)参照)が設けられており、第2規制部28Bは、後側に突出されると共に、ロックピース28の左面及び前面との間の部分が中実にされている。第2規制部28Bは、第1規制部28Aの下側かつ左側に配置されており、第1規制部28Aと第2規制部28Bとの隙間は、上下方向寸法がレバー16の第1突起16Aの上下方向寸法に比し大きくされると共に、左右方向寸法が第1突起16Aの左右方向寸法に比し小さくされている。
【0028】
ロックピース28の後側部には、前部の左側において、直方体状の第3規制部28C(
図5及び
図6の(A)~(C)参照)が設けられており、第3規制部28Cは、左側に突出されると共に、ロックピース28の前面及び右面との間の部分が中実にされている。第3規制部28Cは、第1規制部28Aの右側かつ後側に配置されており、第3規制部28Cの上下方向位置は、第1規制部28Aの上下方向位置と同一にされている。
【0029】
プレート12内には、位置検出機構としてのセンサ基板32(
図2(A)参照)が固定されており、センサ基板32は、規制機構20のロックピース28の左側において、左右方向に垂直に配置されている。センサ基板32には、検出部としてのセンサ32A(例えばホールIC)が設けられており、センサ32Aは、ロックピース28のマグネット30の上下方向位置を検出して、ロックピース28の上下方向位置を検出する。
【0030】
センサ基板32(センサ32A)は、車両の制御装置34(
図2(A)参照)に電気的に接続されており、制御装置34には、レバー16のスイッチ18及び規制機構20のモータ22が電気的に接続されている。制御装置34には、シフト検出機構としてのシフトセンサ36(
図2(A)参照)が電気的に接続されており、シフトセンサ36は、レバー16の前後方向及び左右方向における回動位置を検出して、レバー16のシフト位置を検出する。制御装置34には、車両のブレーキ38(
図2(A)参照)が電気的に接続されており、乗員によってブレーキ38が操作されることで、車両が制動される。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
以上の構成のシフト装置10では、レバー16が「P」位置から右側に回動されて「R」位置に配置されると共に、レバー16が「R」位置から後側に回動されて「N」位置及び「D」位置にこの順番で配置される。
【0033】
また、制御装置34が、センサ基板32(センサ32A)が検出する規制機構20のロックピース28の上下方向位置に基づき、規制機構20のモータ22を駆動制御することで、規制機構20において、ウォーム24を介してカム体26(カムギヤ26A及びカム26B)が回転されて、ロックピース28が下位置、上位置及び中位置に配置される。
【0034】
レバー16が「P」位置に配置される際(レバー16が「P」位置に配置されることをシフトセンサ36が検出する際)に、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16(ノブ)のスイッチ18が操作されない場合には、制御装置34の制御により、モータ22が駆動されて、ロックピース28が下位置に配置される(
図3(C)参照)。このため、ロックピース28の第1規制部28Aがレバー16の第1突起16Aの右側への回動を規制して、レバー16の右側への回動が規制されることで、レバー16の「P」位置から「R」位置への回動が規制(ロック)される。
【0035】
一方、レバー16が「P」位置に配置される際(レバー16が「P」位置に配置されることをシフトセンサ36が検出する際)に、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16のスイッチ18が操作された場合には、制御装置34の制御により、モータ22が駆動されて、ロックピース28が中位置に配置される(
図3(B)参照)。このため、ロックピース28の第1規制部28Aがレバー16の第1突起16Aの右側への回動を許可して、レバー16の右側への回動が許可されることで、レバー16の「P」位置から「R」位置への回動が許可(アンロック)される。
【0036】
レバー16が「R」位置に配置される際(レバー16が「R」位置に配置されることをシフトセンサ36が検出する際)に、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16のスイッチ18が操作されない場合には、制御装置34の制御により、モータ22が駆動されて、ロックピース28が上位置に配置される(
図4(C)参照)。このため、ロックピース28の第2規制部28Bがレバー16の第1突起16Aの左側への回動を規制して、レバー16の左側への回動が規制されることで、レバー16の「R」位置から「P」位置への回動が規制される。
【0037】
一方、レバー16が「R」位置に配置される際(レバー16が「R」位置に配置されることをシフトセンサ36が検出する際)に、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16のスイッチ18が操作された場合には、制御装置34の制御により、モータ22が駆動されて、ロックピース28が中位置に配置される(
図4(B)参照)。このため、ロックピース28の第2規制部28Bがレバー16の第1突起16Aの左側への回動を許可して、レバー16の左側への回動が許可されることで、レバー16の「R」位置から「P」位置への回動が許可される。
【0038】
レバー16が「N」位置及び「D」位置に配置される際(レバー16が「N」位置及び「D」位置に配置されることをシフトセンサ36が検出する際)に、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16のスイッチ18が操作されない場合には、制御装置34の制御により、モータ22が駆動されて、ロックピース28が下位置に配置される(
図5(C)及び
図6(C)参照)。このため、ロックピース28の第3規制部28Cがレバー16の第2突起16Bの前側への回動を規制して、レバー16の前側への回動が規制されることで、レバー16の「N」位置から「R」位置への回動が規制される。
【0039】
一方、レバー16が「N」位置及び「D」位置に配置される際(レバー16が「N」位置及び「D」位置に配置されることをシフトセンサ36が検出する際)に、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16のスイッチ18が操作された場合には、制御装置34の制御により、モータ22が駆動されて、ロックピース28が中位置に配置される(
図5(B)及び
図6(B)参照)。このため、ロックピース28の第3規制部28Cがレバー16の第2突起16Bの前側への回動を許可して、レバー16の前側への回動が許可されることで、レバー16の「N」位置から「R」位置への回動が許可される。
【0040】
ここで、上述の如く、モータ22に対する制御装置34の制御によりレバー16の左右方向への回動(「P」位置から「R」位置への右側の回動及び「R」位置から「P」位置への左側の回動)が規制されると共に、モータ22に対する制御装置34の制御によりレバー16の前後方向への回動(「N」位置から「R」位置への前側の回動)が規制される。このため、1つのモータ22に対する制御装置34の制御によりレバー16の左右方向及び前後方向への回動を規制できる。これにより、レバー16の左右方向及び前後方向への回動を規制するためにモータ22を複数設ける必要をなくすことができ、規制機構20の構成を簡単にできる。
【0041】
また、上述の如く、ロックピース28(第1規制部28A)が下位置に配置されてレバー16(第1突起16A)の「P」位置から「R」位置への回動を規制すると共に、ロックピース28(第2規制部28B)が上位置に配置されてレバー16(第1突起16A)の「R」位置から「P」位置への回動を規制する。このため、1つのロックピース28によってレバー16の「P」位置から「R」位置への回動及び「R」位置から「P」位置への回動を規制できる。これにより、レバー16の「P」位置から「R」位置への回動及び「R」位置から「P」位置への回動を規制するためにロックピース28を複数設ける必要をなくすことができ、規制機構20の構成を簡単にできる。
【0042】
さらに、「P」位置と「R」位置とが隣設されるシフト位置にされており、ロックピース28の配置位置が下位置と上位置とに変更されて、レバー16(第1突起16A)の「P」位置から「R」位置への回動を規制するロックピース28の部分(第1規制部28A)と、レバー16(第1突起16A)の「R」位置から「P」位置への回動を規制するロックピース28の部分(第2規制部28B)と、が変更される。このため、「P」位置と「R」位置とが隣設されるシフト位置にされる場合でも、ロックピース28の第1規制部28A及び第2規制部28Bの左右方向(「P」位置と「R」位置との隣設方向)における強度を大きくでき、レバー16の「P」位置から「R」位置への回動の規制強度(第1規制部28Aの左右方向強度)とレバー16の「R」位置から「P」位置への回動の規制強度(第2規制部28Bの左右方向強度)とを大きくできる。
【0043】
なお、本実施形態では、ブレーキ38が操作された状態で、レバー16のスイッチ18が操作されることで、ロックピース28が中位置に移動されて、レバー16の回動が許可(規制解除)される。しかしながら、ブレーキ38が操作されることのみによって、ロックピース28が中位置に移動されて、レバー16の回動が許可(規制解除)されてもよい。さらに、ブレーキ38が操作されると共に、車両の速度条件によって、ロックピース28が中位置に移動されて、レバー16の回動が許可(規制解除)されてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、第1シフト位置と第2シフト位置とが、「P」位置と「R」位置とにされて、隣設されるシフト位置にされる。しかしながら、第1シフト位置と第2シフト位置との間にシフト位置が介在されてもよい。
【0045】
さらに、本実施形態では、レバー16が前後方向及び左右方向に回動される。しかしながら、レバー16が前後方向(一方向)のみに回動されてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、レバー16(シフト体)が回動される。しかしながら、シフト体が中心軸線周りに回転又はスライドされてもよい。
【0047】
さらに、本実施形態では、シフト装置10をコンソールに設置した。しかしながら、シフト装置10を車室の床部、インストルメントパネル又はステアリングコラムに設置してもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 シフト装置
16 レバー(シフト体)
20 規制機構
22 モータ(駆動装置)
28 ロックピース(規制部材)