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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】偽造防止帳票
(51)【国際特許分類】
   B41M 3/14 20060101AFI20230124BHJP
   B42D 25/382 20140101ALI20230124BHJP
   B42D 25/387 20140101ALI20230124BHJP
【FI】
B41M3/14
B42D25/382
B42D25/387
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018211031
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020075434
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】垣ヶ原 円美
(72)【発明者】
【氏名】岩田 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】小川 純生
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-030353(JP,A)
【文献】特開平11-227367(JP,A)
【文献】特開2000-238478(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0251715(US,A1)
【文献】特開2001-232978(JP,A)
【文献】欧州特許第03256328(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/14
B42D 25/382
B42D 25/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材の表面に、所定の必要情報が視認可能に印字された可視情報画像と、
赤外光または紫外光を吸収する透明塗料によって、少なくとも一部が前記可視情報画像と重なるように印字され、該可視情報画像の必要情報に係る隠蔽情報が記録された光学的に読取可能な潜在情報コードと
を備えているものであって、
前記シート状基材の、前記可視情報画像が印字された領域と異なる領域に、前記潜在情報コードが印字されていることを検証可能な潜在検証画像が、前記透明塗料により光学的に読取可能に印字されており、
さらに、前記潜在検証画像は、潜在情報コードと別に独立して形成されてなるものであることを特徴とする偽造防止帳票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に所有者個人を特定するための必要情報が印字された免許証、会員カード、証明書、パスポート等に用いられるものであって、偽造を防止し得る偽造防止帳票に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、免許証、会員カード、照明書、パスポート等には、所有者個人を特定するために、顔写真の画像、氏名、生年月日、およびIDナンバー等の個人情報が印字されているものが多く存在する。こうした個人情報は、近年、予め入力された個人情報のデータに基づいてプリンタ等で比較的容易に印字することができる。具体的には、所定のシート状基材の表面に、プリンタにより前記個人情報を印字することにより、所有者を証明する免許証や会員カード等を生成できる。
【0003】
また、会員カード等には、顔写真の画像や氏名の他に、所有者個人の情報が記録されたバーコードや二次元コードなどが印字されたものもある(例えば、特許文献1)。かかる構成は、バーコードや二次元コードに個人情報データ(氏名やIDナンバー等)が記録されており、これらコードから読み取った該個人情報データと、目視した顔写真や氏名等とに基づいて、本人確認を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-324163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した会員カードや免許証などで本人確認する手段としては、該会員カード等の顔写真と本人とを見比べて確認することが一般的である。この手段は、本人確認する係員の目視のみで実施できることから、最も容易かつ短時間で正確に本人確認することが可能である。さらに、セキュリティの向上が求められる場合には、前述した従来構成のように、バーコード等から読み取ったデータと、会員カードに印字された情報とを照合することも実施される。
一方、会員カード等の偽造として、会員カード等に印字された顔写真画像を削除して他の顔写真画像を印字することが行われる。こうした顔写真画像が偽造された会員カード等が用いられると、前記した目視のみで本人確認される場合に、本人になりすますことができてしまう。さらに、前記従来構成のようにバーコード等が印字された構成であっても、正しく発行されたカードの顔写真のみが偽造された場合には、該バーコードから読み取った氏名やIDナンバー等の情報を照合しても、本人になりすまして使用することが可能である。このように目視により本人確認する現場では、顔写真の偽造に対応が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、前記問題を解決するためのものであって、本人確認を容易かつ精度良く実施でき、高い偽造防止効果を発揮し得る偽造防止帳票を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート状基材の表面に、所定の必要情報が視認可能に印字された可視情報画像と、赤外光または紫外光を吸収する透明塗料によって、少なくとも一部が前記可視情報画像と重なるように印字され、該可視情報画像の必要情報に係る隠蔽情報が記録された光学的に読取可能な潜在情報コードとを備えていることを特徴とする偽造防止帳票である。
【0008】
ここで、潜在情報コードは、可視情報画像と重なる部分が、該可視情報画像の上に印字されていても良いし、該可視情報画像の下に印字されていても良い。
【0009】
かかる構成にあっては、可視情報画像を差し替える偽造が行われた場合に、該可視情報画像に重ねられた潜在情報コードが損傷することから、該潜在情報コードを正確に読み取れないこと又は該損傷を読み取ることによって正確かつ容易に該偽造を知ることができる。ここで、潜在情報コードは、透明塗料で印字されていることから、その存在に、偽造しようとする者が気付き難く、隠蔽する効果が極めて高い。これにより、前記のように可視情報画像の差し替えが行われると、潜在情報コードが損傷したままとなるため、所定の読取手段により読み取りを行うと、該潜在情報コードが読み取れなかったり、該損傷を検知できたりすることから、偽造されたことを容易かつ確実に判別できる。
具体的に言えば、可視情報画像として顔写真の画像が印字された構成にあって、該顔写真の画像が他人の画像に差し替えられた場合に、差し替えられた顔写真の画像を目視するだけでは偽造を判別し難いものの、潜在情報コードの読み取りを行うことにより、偽造を検知できる。このように潜在情報コードの読み取りを行うだけで、偽造されたか否かを正確かつ容易に判別できる。
【0010】
尚、本構成にあっては、潜在情報コードから隠蔽情報が読み取れる場合に、読み取った隠蔽情報に基づいて本人確認を高精度で行うこともできる。
【0011】
前述した本発明の偽造防止帳票にあって、前記シート状基材の、前記可視情報画像が印字された領域と異なる領域に、前記潜在情報コードが印字されていることを検証可能な潜在検証画像が、前記透明塗料により光学的に読取可能に印字されているものが提案される。
【0012】
ここで、一般的な免許証や会員カードなどは、有効期限があり、該有効期限まで使用できる。そのため、本発明の偽造防止帳票の前に発行された構成も使用されている場合があり、本発明の構成と、潜在情報コードが印字されていない構成とが併存する。さらには、会員カードの場合には、異なる会員カードが共通に使用できる環境もあることから、この場合にも潜在情報コードが印字された本構成のものと印字されていない構成のものとが併存することがあり得る。このように異なる構成が併存する状況では、潜在情報コードが印字されていない構成が、正しいもの(可視情報画像が偽造されていないもの)であっても、該潜在情報コードの読み取りを行うと、読み取れずに、誤って偽造と判別されてしまう虞がある。
【0013】
本構成にあっては、本人確認時に、潜在検証画像を読み取ることにより、潜在情報コードが印字されているか否かを検証できることから、この検証結果に基づいて潜在情報コードの読み取り結果を正確に判定できる。そのため、前述したように、潜在情報コードが印字された本構成と印字されていない構成とが併存する場合にあっても、前述した本発明の作用効果が適正に発揮できる。
尚、本構成は、潜在検証画像が前記透明塗料で印字されていることから、その存在に気付かれ難く、隠蔽する効果が極めて高い。これにより、前述した潜在情報コードを隠蔽する効果に寄与できる。
【0014】
さらに、こうした作用効果は、パスポートで効果的に発揮され得る。パスポートは国々で発行されることから、本構成を採用した国のパスポートと非採用の国のパスポートとが併存する。そのため、空港や国境などでパスポートを確認する際に、潜在検証画像を読み取ることにより本構成を採用したパスポートか否かを判別でき、可視情報画像が偽造されたものか否かを正確に判別することができる。
【0015】
前述した本発明の偽造防止帳票にあって、前記潜在情報コードは、前記可視情報画像と重ならない部位を備えたものであって、当該部位の少なくとも一部により前記潜在検証画像が構成されているものが提案される。
【0016】
ここで、潜在情報コードの一部により構成される潜在検証画像は、該潜在情報コードの単なる一部分であっても良いし、潜在情報コードが印字されていることを検証するためのデータが記録された部分であっても良い。すなわち、前者の場合には、潜在情報コードの潜在検証画像があるか否かを読み取ることにより、潜在情報コードが印字されたものか否かを検証できる構成である。一方、後者の場合には、潜在情報コードの潜在検証画像を読み取ることにより、該潜在検証画像に記録されたデータに基づいて、潜在情報コードが印字されたものか否かを検証できる構成である。
【0017】
かかる構成にあっては、潜在情報コードの読み取り作業を行うことにより、該潜在情報コードが印字されたものか否かと、可視情報画像が偽造されたものか否かとを判別できることから、該判別にかかる処理または作業の効率を向上できる。
さらに、潜在情報コード(および潜在検証画像)は、透明塗料により印字されており、読み取り作業する係員にも視認できないものの、可視情報画像の近辺で潜在情報コードの読み取り作業を行うことで、該潜在情報コードを比較的容易に読み取ることができるという利点もある。
【0018】
前述した本発明の偽造防止帳票にあって、前記潜在検証画像は、潜在情報コードと別に独立して形成されてなるものである構成が提案される。
【0019】
かかる構成にあっては、可視情報画像が削除される際に、潜在検証画像まで削除されてしまうことを防止できる効果が高い。すなわち、潜在検証画像が潜在情報コードの一部を成すものであると、偽造する者が、可視情報画像を削除する際に、偶発的に該潜在検証画像までも削除してしまう可能性もあり得る。このように潜在検証画像が削除されると、潜在情報コードによる偽造の判別を実施できないことから、本発明の作用効果が発揮されないという虞がある。こうした問題を、本構成によれば解決できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の偽造防止帳票によれば、前述したように、可視情報画像を削除して別の画像に差し替える偽造を、潜在情報コードの読み込み作業により正確かつ容易に判別できる。これにより、可視情報画像の偽造を可及的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1の偽造防止帳票1の平面図である。
図2】透明塗料で印字された潜在情報コード21を視認可能に仮表示した説明図である。
図3】偽造防止帳票1の、顔写真画像11と潜在情報コード21とが印字された部位の拡大断面図である。
図4】顔写真画像11と潜在情報コード21とを拡大して示す説明図である。
図5】他の顔写真画像11’が偽造された状態を仮表示した説明図である。
図6】真贋判定システム51を示す説明図である。
図7】真贋判定システム51による真贋判定処理を示すフローチャートである。
図8】(A)実施例2の偽造防止帳票61の平面図と、(B)潜在情報コード62と潜在検証画像65とを視認可能に仮表示した説明図である。
図9】他の顔写真画像11’が偽造された状態を仮表示した説明図である。
図10】(A)別例の偽造防止帳票71の平面図と、(B)潜在情報コード72を視認可能に仮表示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明にかかる実施形態を、以下の実施例1,2により説明する。
【実施例1】
【0023】
実施例1の偽造防止帳票1は、会員カード(入場許可証)を具体例とするものであり、その平面図を図1に示す。この偽造防止帳票1の表面には、会員の顔写真画像11と、会員の個人情報を示す文字画像12とが印字されており、これら画像11,12が視認可能である。ここで、文字画像12として印字された個人情報には、会員の氏名、性別、生年月日、IDナンバー等がある。
こうした会員カードである偽造防止帳票1は、例えば、所定場所(テーマパーク、スポーツジム、専用ラウンジ等)への入場口で係員に提示されたり、所定商品の購入場所や交換場所で係員に提示されたりすることによって、本人確認に使用される。
【0024】
本実施例1の偽造防止帳票1は、シート状基材2の表面に、前記した顔写真画像11と文字画像12とが有色塗料により印字されると共に、透明塗料により潜在情報コード21が印字されている(図2参照)。そして、これら顔試写画像11や潜在情報コード21等を覆うように保護層7が設けられている(図3参照)。ここで、シート状基材2は、薄板状のプラスチック製シートからなり、赤外領域の光(以下、赤外光という)と可視領域の光(以下、可視光という)とを反射する白色系のシートを用いている。また、保護層7は、赤外光と可視光とを透過する透明な樹脂フィルムからなるものが適用でき、該樹脂フィルムがシート状基材2の表面全域を覆うように被着されている。さらに、本実施例1にあって、潜在情報コード21は、QRコード(登録商標)により構成されており、専用の読取手段(読取装置)で読み取ることによって該QRコードに記録された情報を取得できる。
【0025】
前記顔写真画像11や文字画像12は、視認可能な有色塗料によりシート状基材2の表面に印字される一方、前記潜在情報コード21は、赤外光を吸収し且つ可視光を透過する透明塗料により印字される。ここで、前記有色塗料は、少なくとも前記透明塗料により吸収される赤外光を透過するものである。
こうした顔写真画像11と文字画像12とは、予め定められたフォームに従って所定位置に印字され、図2,4に示すように、潜在情報コード21は、その一部分が該顔写真画像11と重なるように印字されている。本実施例1の構成は、潜在情報コード21の三隅に配置された位置検出パターン(潜在検証画像)25が顔写真画像11と重ならならないように、該潜在情報コード21上に顔写真画像11が重ねられている(図3参照)。そして、潜在情報コード21の、顔写真画像11と重なった領域は、後述する誤り訂正率よりも大きい領域としている。
尚、図2,4は、潜在情報コード21の印字位置を示すために仮表示しているが、実際には、図1のように該潜在情報コード21を視認不能である。図5も同様である。
【0026】
こうした顔写真画像11、文字画像12、および潜在情報コード21は、プリンタによりシート状基材2の表面に印字される。具体的には、プリンタに、一般的な有色塗料であるイエロー塗料(イエロー色のインキ)のトナーと、シアン塗料(シアン色のインキ)のトナーと、マゼンタ塗料(マゼンタ色のインキ)のトナーとを取り付けると共に、前記した透明塗料(赤外光を吸収し且つ可視光を透過する塗料)のトナーとを取り付ける。プリンタでは、これら四色のトナーから所定順序で転写ベルトに転写して、該転写ベルトからシート状基材2に転写することにより、前記顔写真画像11、文字画像12、および潜在情報コード21を印字する。そして、本実施例で用いたプリンタにあっては、イエロー塗料のトナー、シアン塗料のトナー、マゼンタ塗料のトナー、透明塗料のトナーの順に前記転写ベルトに転写し、該転写ベルトからシート状基材2に転写する。これにより、実施例1は、潜在情報コード21上に顔写真画像11が印字された構成となっている。尚、プリンタは、一般的なものを適用できることから、その詳細を省略する。
【0027】
このようにプリンタで印字した後に、前記保護層7を形成する。これにより、顔写真画像11、文字画像12、および潜在情報コード21が印字された本実施例1の偽造防止帳票1を得る。この偽造防止帳票1は、図1に示すように、前記有色塗料で印字された顔写真画像11と文字画像12とが視認可能であると共に、透明塗料で印字された潜在情報コード21が視認不能である。
【0028】
潜在情報コード21は、前記のようにQRコードである。具体的には、正方形のモジュールを縦横に所定個数ずつマトリクス状に配置してなるものあり、図4に示すように、機能パターン22と符号化領域23とから構成される。機能パターン22は、QRコードの光学的読み取りを補助する位置検出パターン25、分離パターン、タイミングパターン等により構成される。また、符号化領域23は、各モジュールによりデータ記憶する領域であり、データコード語と誤り訂正コード語とが記録されるデータコード領域と、形式情報と型番情報とを示すコードが配置される形式情報コード領域とにより構成される。ここで、誤り訂正率が25%(誤り訂正レベルQ)に設定されている。尚、こうしたQRコードは、該QRコードのJIS規格に準拠したものであり、その詳細については省略する。
【0029】
潜在情報コード21を構成するQRコードは、該QRコードを読み取る際に、前記符号化領域23が損傷しているか否かに関わらず、前記位置検出パターン25を検出することから、該位置検出パターン25の検出により該潜在情報コード21の存在を確認することができる。そして、本実施例の潜在情報コード21は、三隅に前記位置検出パターン25が夫々配置されており、前述したように、これら位置検出パターン25が顔写真画像11に重ならないように印字されている。そのため、仮に、前記符号化領域23のデータが損傷している場合にも、位置検出パターン25を検出でき、該検出によって潜在情報コード21が印字されていたことを明確に確認できる。本実施例1にあっては、潜在情報コード21の位置検出パターン25により、本発明の潜在検証画像が構成されている。
さらに、潜在情報コード21は、前述したように、誤り訂正率よりも大きな領域が前記顔写真画像11と重なっている。そのため、潜在情報コード21は、顔写真画像11の削除に伴って、該顔写真画像11と重なった領域が削除された場合に、符号化領域23に記録したデータを検出できず、エラーとなる。
【0030】
実施例1の潜在情報コード21には、前記符号化領域23に、会員の氏名、性別、生年月日、IDナンバー等の個人情報データが記録されている。そのため、潜在情報コード21を読み取ることにより、これら個人情報データを取得でき、該潜在情報コード21から取得した個人情報データと、偽造防止帳票1に印字された文字画像12とを照合することにより、該文字画像12の偽造を判別可能である。
【0031】
次に、上述した偽造防止帳票1の真贋判定に用いられる真贋判定システム51について説明する。
真贋判定システム51は、図6に示すように、当該システムを管理する管理サーバ52と、該管理サーバ52にインターネット等の通信ネットワークを介して接続されるパソコン端末53と、赤外光を照射して前記潜在情報コード21を読み取る光学読取装置54とを備える。ここで、パソコン端末53は、会員カード(偽造防止帳票1)を確認する場所に夫々配設されている。そして、パソコン端末53に前記光学読取装置54が接続されており、該光学読取装置54により読み取った情報がパソコン端末53に入力される。尚、通信ネットワークを介して接続されるパソコン端末53は、一台であっても良いし、複数台であっても良い。
【0032】
前記管理サーバ52は、会員の個人情報が記憶された記憶装置と、該記憶装置に記憶された個人情報の管理を行う管理装置と、通信ネットワークを介してデータを送受信する送受信装置とを備える。ここで、管理装置が、パソコン端末53から受信した信号に従って記憶装置から個人情報を選択して、該個人情報を該パソコン端末53へ送信する機能を備えている。また、記憶装置に記憶される個人情報は、例えば、会員の氏名、性別、住所、生年月日、年齢、顔写真データ、職業、IDナンバー、有効期限、入会日などの詳細な情報である。
さらに、この管理サーバ52には、前記したプリンタ55が接続されており、前記記憶装置に記憶された個人情報に基づいて、シート状基材2の表面に、顔写真画像11、文字画像12、および潜在情報コード21を印字できる。このように管理サーバ52とプリンタ55とは、偽造防止帳票1である会員カードを発行する機能も備えている。
【0033】
前記パソコン端末53は、モニタと制御装置と記憶装置とを備え、さらに、前記管理サーバ52との間で情報やコマンドを送受信する送受信装置と、前記光学読取装置54からデータを受信する受信装置とを備える。ここで、パソコン端末53の記憶装置には、制御装置で起動させる各種プログラムを記憶する領域と、前記光学読取装置54や管理サーバ52から取得したデータを一時的に記憶する領域とを備える。そして、この記憶装置には、後述する真贋判定処理を実行するプログラムが記憶されている。
【0034】
前記光学読取装置54は、赤外光センサと、該赤外光センサによりQRコード(潜在情報コード21)を読み取る読取手段と、該読取機能により読み取ったデータをパソコン端末53へ送信する送信手段とを備えたものである。赤外光センサは、赤外光を照射する赤外発光部と、照射した赤外光の反射を検出する赤外受光部とを備え、前記読取手段は、赤外光センサの検出によって潜在情報コード21に記録されたデータを読み取る。
ここで、光学読取装置54の読取手段は、赤外光センサにより、潜在情報コード21の位置検出パターン25を検出し、該検出に基づいて、符号化領域23に記録され個人情報データを読み取る。そして、位置検出パターン25の検出を示すデータと、前記個人情報データとを、前記送信手段を介してパソコン端末53に送信する。さらに、読取手段は、位置検出パターン25を検出できない場合に、該位置検出パターン25の非検出を示すデータ(以下、検証エラーデータという)を送信する。また、個人情報データを検出できない場合には、個人情報データの非検出を示すデータ(以下、情報エラーデータという)を送信する。このように本実施例1の光学読取装置54は、潜在情報コード21の読み取りにより、QRコードの符号化領域23に記録された個人情報データまたは情報エラーデータに加えて、位置検出パターン25の検出データまたは検証エラーデータを,パソコン端末53に送信する機能を有する。
【0035】
こうした真贋判定システム51のパソコン端末53は、光学読取装置54により偽造防止帳票1の潜在情報コード21から読み取られた個人情報が入力されると、真贋判定処理のプログラムを起動させて、該真贋判定処理が実行される。
【0036】
真贋判定処理を図7のフローチャートを用いて以下に説明する。
真贋判定処理は、S10で、光学読取装置54からデータ受信したか否かを判定し、データ受信した場合には(肯定判定)、S15のデータ記憶処理に進む。一方、光学読取装置54からデータ受信していない場合には(否定判定)、真贋判定処理を終了する。
S15のデータ記憶処理では、前記S10で受信したデータを記憶装置に記憶し、S20に進む。
【0037】
S20では、前記S15で記憶したデータを参照して、前記検証エラーデータを受信したか否かを判定する。そして、検証エラーデータを受信していた場合には(肯定判定)、S40に進み、位置検出パターン25の検出データを受信していた場合には(否定判定)、S25に進む。ここで、S20の処理により、真贋判定する対象の会員カードが、潜在情報コード21が印字された本実施例1の偽造防止帳票1であるか、該潜在情報コード21が印字されていない他のカードであるかを判別できる。
【0038】
S25では、前記S15で記憶したデータを参照して、前記個人情報データを受信したか否かを判定する。そして、個人情報データを受信していた場合には(肯定判定)、S30に進み、情報エラーデータを受信していた場合には(否定判定)、S40に進む。ここで、S25の処理により、会員の個人情報を記録した潜在情報コード21が損傷しているか否かを判別できる。
【0039】
S30では、正常表示処理を実行する。この正常表示処理では、前記S15で記憶したデータから、会員の氏名、性別、IDナンバー等の情報を読み込んで、これら情報をモニタに表示すると共に、正しい会員カードであることを示す情報(例えば、OK画像など)をモニタに表示する。
会員カード(偽造防止帳票1)を確認する係員は、モニタの正常表示を確認すると、該会員カードが正しいものであると判断し、該会員カード(偽造防止帳票1)の顔写真画像11と本人とを見比べて、本人確認する。
【0040】
前記したS20の肯定判定またはS25の否定判定から続くS40では、入力要求処理を実行し、モニタで読取エラーを示す表示と、偽造防止帳票1に記入されたIDナンバーや氏名などの入力を求める表示とを行う。続くS45では、前記IDナンバー等が入力されたか否かを判定し、入力された場合には(肯定判定)、S50に進み、入力されていない場合には、S40に戻って入力要求処理を繰り返す。
【0041】
S50では、情報取得処理を実行する。この情報取得処理では、前記S40で入力されたデータ(IDナンバーや氏名などのデータ)を、管理サーバ52へ送信し、該管理サーバ52から、S40での入力データに該当する会員の個人情報データを取得する。すなわち、管理サーバ52は、パソコン端末53から前記入力データを受信すると、該入力データに該当する会員の個人情報データを読み込み、この個人情報データをパソコン端末53へ送信する。
【0042】
続くS55では、個人情報表示処理を実行する。この個人情報表示処理では、管理サーバ52から取得した個人情報データを、モニタに表示する。具体的には、個人情報データに含まれる氏名、性別、生年月日、IDナンバー等を表示すると共に、該個人情報データに含まれる顔写真データにより、顔写真画像を表示する。
前記係員は、会員カードに記載された顔写真画像、氏名、性別、IDナンバー等を、モニタに表示された情報と見比べて、本人確認する。ここで、仮に、偽造防止帳票1の顔写真画像11が偽造されていた場合には、モニタに表示された顔写真画像と異なることから、偽造されていることを明確に見分けることができる。また、潜在情報コード21が印字されていない正規の会員カードである場合には、該会員カードに記載された情報とモニタに表示された情報とが一致するため、本人確認できる。
【0043】
このように実施例1の偽造防止帳票1は、本人確認する現場で、透明塗料で印字された潜在情報コード21を光学読取装置54で読み取ることにより、真贋判定することができる。すなわち、真正品であれば、前記光学読取装置54で読み取ることにより、潜在情報コード21の位置検出パターン25を検出できると共に、該潜在情報コード21に記録された個人情報データを読み取ることができる。一方、仮に、偽造防止帳票1の顔写真画像11が削除されて、別人の顔写真画像11’が印字された場合には、図5に示すように、潜在情報コード21の、該顔写真画像11に重なった部分(符号化領域23)が損傷する。これは、顔写真画像11を刃物や薬品などを用いて削除した際に、潜在情報コード21の、該顔写真画像11と重なった部分が、該顔写真画像11と共に削除されてしまうことに因る。このように偽造された場合には、光学読取装置54で読み取る際に、潜在情報コード21の位置検出パターン25を検出できるものの、符号化領域23に記録されたデータを読み取れない。これにより、顔写真画像11’の偽造を明確かつ容易に見分けることができる。
そして、実施例1の構成は、潜在情報コード21が透明塗料で印字されており、視認不能であることから、前記のように顔写真画像11を偽造しようとする者が該潜在情報コード21の存在に気付き難い。又は、例え潜在情報コード21の存在を知っていたとしても、該潜在情報コード21の位置検出パターン25の正確な位置が分かり難い。そのため、顔写真画像11を削除する際に、潜在情報コード21の位置検出パターン25が残留し易く、前述したように偽造を明確に見分けることができる。
こうしたことから、本実施例1の構成によれば、顔写真画像11の偽造を防止することができる。
【0044】
また、潜在情報コード21を印字していない会員カードが併存する場合にあって、該会員カードを光学読取装置54で読み取ろうとしても、潜在情報コード21の位置検出パターン25と符号化領域23の個人情報データとを検出できない。これにより、会員カードが本実施例1の偽造防止帳票1でないことを明確に判別できるため、正規の会員カードを偽造物と誤って判断しまうことを防止できる。
【0045】
さらに、前述した真贋判定システム51では、潜在情報コード21の位置検出パターン25を非検出の場合と個人情報データを非検出の場合とで、氏名やIDナンバー等の入力により管理サーバ52に記憶した個人情報をモニタに表示するようにしていることから、該モニタの表示と会員カード又は本人とを見比べることによって本人確認できる。これにより、光学読取装置54で読取不能な場合にも、正確な本人確認を行うことができる。
【0046】
また、本実施例1の偽造防止帳票1は、潜在情報コード21の位置検出パターン25を、該潜在情報コード21の有無を検証するための潜在検証画像とし、かつ該潜在情報コード21が部分的に顔写真画像11と重なるように印字されていることから、視認不能な潜在情報コード21の印字位置が比較的正確にわかる。そのため、係員が手動操作する一般的な光学読取装置54を用いる場合であっても、顔写真画像11付近に該光学読取装置54を合わせることにより、潜在情報コード21を比較的容易に読み取ることができる。
【実施例2】
【0047】
実施例2の偽造防止帳票61は、図8に示すように、顔写真画像11よりも小さいサイズの潜在情報コード62を、その全体が該顔写真画像11と重なるように設けられたものであり、さらに、該顔写真画像11と別位置に、潜在情報コード62の印字を検証するための潜在検証画像65が独立して設けられている。ここで、潜在情報コード62と潜在検証画像65とは、前述した実施例1と同様の透明塗料により印字される。具体的には、実施例1と同様のプリンタを用いて、シート状基材2の表面に印字される。そのため、潜在情報コード62を覆うように顔写真画像11が印字される。
【0048】
前記潜在検証画像65は、赤外光の照射により明確かつ容易に読取可能な所定形状で印字されている。そして、この潜在検証画像65を読み取ることにより、潜在情報コード62が印字されていることを確認する。
【0049】
一方、潜在情報コード62は、前述した実施例1と同様、QRコードからなるものであり、位置検出パターン25や符号化領域23などを備えてなる。本実施例2にあっては、位置検出パターン25が潜在検証画像を構成しない。
【0050】
こうした実施例2の偽造防止帳票61は、顔写真画像11で覆うように潜在情報コード62を印字すると共に、該顔写真画像11の印字位置と異なる位置に潜在検証画像65を印字したものであり、これら以外は前述の実施例1と同様である。そのため、実施例1と同じ構成要素には同じ符号を記し、その詳細を適宜省略する。
【0051】
また、実施例2の偽造防止帳票61の真贋判定に用いられる真贋判定システム51は、実施例1と同様に、管理サーバ52と、パソコン端末53と、光学読取装置54とを備え、パソコン端末53に記憶された真贋判定処理(図7参照)により真正品か否かを見分ける。ここで、実施例2の光学読取装置54は、偽造防止帳票61の表面全域に赤外光を照射できる構成のものが好適である。
【0052】
実施例2の偽造防止帳票61は、こうした真贋判定システム51を用いることにより、前述した実施例1と同様に、真正品か否かを正確かつ容易に見分けることができる。すなわち、正規の偽造防止帳票61の場合には、光学読取装置54により、潜在検証画像65を検出して、潜在情報コード62が印字されているものであることを確認でき、さらに、該潜在情報コード62の符号化領域23に記録された個人情報データを読み取ることができる。これにより、偽造防止帳票61が真正品であると判断でき、該偽造防止帳票1に印字された顔写真画像11と本人とを見比べることで本人確認を行うことができる。
【0053】
一方、図9に示すように、偽造防止帳票61の顔写真画像11が削除されて、別の顔写真画像11’が印字された場合には、光学読取装置54により潜在検証画像65を検出できるものの、該顔写真画像11と共に潜在情報コード62が削除されていることから、個人情報データを読み取ることができずにエラーとなる。これにより、偽造防止帳票61に記載された氏名やIDナンバー等の入力が求められ、管理サーバ52から取得した個人情報(顔写真画像や氏名など)がモニタに表示される。この表示と偽造防止帳票61とを見比べることにより、本人確認を実施できる。
【0054】
さらに、潜在情報コード62が印字されていない会員カードにあっては、前記潜在検証画像65も印字されていないことから、前述した実施例1と同様に本人確認を実施できる。
【0055】
このように本実施例2の偽造防止帳票61にあっても、前述した実施例1と同様の作用効果を奏し得る。
【0056】
尚、前述した実施例1,2にあって、顔写真画像11が、本発明にかかる可視情報画像に相当する。そして、顔写真画像11で視認できる顔が、本発明にかかる必要情報に相当する。
また、潜在情報コード21,62に記録された個人情報データ(氏名、性別、IDナンバー等)が、本発明にかかる隠蔽情報に相当する。
【0057】
本発明にあっては、前述した実施例1,2に限定されるものではなく、該実施例1,2以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、実施例1の潜在情報コード21と実施例2の潜在情報コード62および潜在検証画像65とは、赤外光を吸収し且つ可視光を透過する透明塗料により印字されたものであるが、この他の構成として、紫外光を吸収し且つ可視光を透過する透明塗料により印字されたものとしても良い。この場合には、真贋判定システムの光学読取装置が、紫外光センサを備え、潜在情報コードと潜在検証画像とを読取可能な構成とする。この場合にも、前述した実施例1,2と同様の作用効果を奏し得る。
【0058】
また、実施例1,2の構成は、潜在情報コードの一部または全域を覆うように顔写真画像が印字された構成であるが、これに限らず、顔写真画像の一部または全域を覆うように潜在情報コードが印字された構成としても良い。この構成にあっても、顔写真画像が偽造された場合には、潜在情報コードが損傷することから、実施例1,2と同様の作用効果を奏する。
【0059】
また、実施例1は、潜在情報コード21を構成する位置検出パターン25により潜在検証画像が構成されるものとしたが、これに限らず、符号化領域に潜在検証画像が含まれたものであっても良い。この場合には、符号化領域の、潜在検証画像を構成する部位が、顔写真画像と重ならないように、潜在情報コード21を印字する。そして、真贋判定システムは、符号化領域に記録されたデータ読込と別に、該符号化領域の潜在検証画像のみを読み込む機能を備えたものとする。こうした構成によれば、前述した実施例1と同様の作用効果を奏し得る。
【0060】
また、実施例2は、潜在情報コードが、顔写真画像より小さいサイズとして、該顔写真画像により覆われるようにしたものであるが、これに限らず、潜在情報コードが顔写真画像とほぼ同じサイズとした構成とすることもできる。この場合にも、前述の実施例2と同様の作用効果を奏し得る。
又は、実施例2にあって、潜在情報コードの一部が顔写真画像により覆われる構成とすることもできる。この場合には、潜在情報コードのサイズは、顔写真画像よりも大きくても小さくても良いし、同サイズであっても良い。ここで、潜在情報コードは、顔写真画像と重なる領域が誤り訂正率よりも大きくする。こうした構成によれば、前述の実施例1と同様、顔写真画像が偽造された場合に、潜在情報コードに記録された情報データを検出不能とできる。
さらにまた、実施例2にあって、潜在検証画像の印字位置は、顔写真画像の印字位置と別であれば、適宜変更することが可能である。また、潜在検証画像は、その形状やサイズを適宜変更することも可能である。
【0061】
また、実施例1,2は、顔写真画像を備えた偽造防止帳票であるが、その他の構成として、顔写真画像を備えない構成であっても良い。この構成では、氏名やIDナンバーなどの個人情報が印字された情報領域と重なるように、潜在情報コードが印字されたものとする。こうした構成によれば、情報領域の個人情報が偽造された場合に、潜在情報コードが損傷することから、実施例1,2と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0062】
また、実施例1,2は、潜在情報コードをQRコードにより構成したものであるが、その他の構成として、バーコードにより潜在情報コードを構成することも可能である。この別例の偽造防止帳票71は、図10に示すように、バーコードからなる潜在情報コード72の中央部分と顔写真画像11とが重なるように印字されたものである。この潜在情報コード72を構成するバーコードにあっては、その左右両側部に設けられたスタートキャラクタ73aとストップキャラクタ73bとが顔写真画像11の両側方に配置されており、該スタートキャラクタ73aとストップキャラクタ73bとの間に設けられたデータ領域74が前記顔写真画像11に重なっている。この別例の構成では、スタートキャラクタ73aとストップキャラクタ73bとにより本発明の潜在検証画像が構成されており、仮に、前記データ領域74のデータが損傷している場合にも、スタートキャラクタ73aとストップキャラクタ73bとを検出でき、該検出によって潜在情報コード72が印字されていたことを明確に確認できる。ここで、この別例の構成にあっても、前述した実施例1と同様に、赤外光を吸収し且つ可視光を透過する透明塗料により前記潜在情報コード72が印字されており、該潜在情報コード72の中央部分を覆うように顔写真画像11が有色塗料により印字されている。尚、別例の構成は、バーコードからなる潜在情報コード72を印字した以外は前述の実施例1と同じであることから、これ以外の構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。
かかる別例の偽造防止帳票71は、前述した実施例1と同様、顔写真画像11が削除されて他の顔写真画像が印字される偽造が行われた場合に、潜在情報コード72のスタートキャラクタ73aとストップキャラクタ73bとを検出できるものの、データ領域74からデータを読み込みできない。そのため、顔写真画像の偽造を明確かつ容易に判別することができる。このように別例の構成によれば、前述の実施例1と同様の作用効果を奏し得る。
【0063】
さらに、こうしたバーコードからなる潜在情報コードを印字した構成にあって、前述した実施例2と同様に、顔写真画像の印字領域と別の領域に潜在検証画像を印字するものとしても良い。かかる構成によれば、実施例2と同様の作用効果を奏し得る。
【0064】
また、真贋判定システムは、実施例1,2に限らず、その他の構成を適用することも可能である。例えば、潜在情報コードを読み込むことにより、検証エラーデータまたは情報エラーデータを受信した場合に、管理サーバから個人情報を取得することなく、モニタにエラー表示するようにしても良い。具体的には、前述した真贋判定処理(図7参照)にあって、S40~S55を備えず、S20の肯定判定またはS25の否定判定から続く処理として、モニタにエラー表示する処理を備えた構成とする。こうした構成は、管理サーバに接続されたものであっても良いし、接続されていないものであっても良い。
さらにまた、他の真贋判定システムとして、光学読取装置が会員カード(偽造防止帳票)に印字された顔写真画像と個人情報とを読み取り可能とすると共に、該会員カードに印字された個人情報を、管理サーバから取得した個人情報データと照合する機能(真贋判定処理)を備えた構成とすることもできる。ここで、光学読取装置は、赤外光センサに加えて可視光センサを備え、赤外光センサと可視光センサとで読み取った情報をパソコン端末に送信するものとする。かかる構成によれば、光学読取装置で偽造防止帳票を読み取ることにより、容易かつ確実に偽造を見分けることができる。
【符号の説明】
【0065】
1,61,71 偽造防止帳票
2 シート状基材
11 顔写真画像(可視情報画像)
21,62,72 潜在情報コード
25 位置検出パターン(潜在検証画像)
65 潜在検証画像
73a スタートキャラクタ(潜在検証画像)
73b ストップキャラクタ(潜在検証画像)





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10