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特許7215724ピンホール検査方法およびピンホール検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】ピンホール検査方法およびピンホール検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/40 20060101AFI20230124BHJP
   G01N 27/20 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G01M3/40 A
G01N27/20 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019027201
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020134287
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000110952
【氏名又は名称】ニッカ電測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 竜太郎
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-184079(JP,A)
【文献】特開昭62-115383(JP,A)
【文献】特開昭53-104846(JP,A)
【文献】特開平08-159912(JP,A)
【文献】特開2012-026801(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0193951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00- 3/40
G01N 27/00- 27/10
G01N 27/14- 27/24
G01N 21/84- 21/958
G01N 27/92
G01R 31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する内容物を封入した被検査容器に電圧を印加してピンホール検査を行う方法であって、
前記被検査容器全体、または前記被検査容器における被検査部位を減圧環境下に配置し、
前記減圧環境下に位置している前記被検査容器における前記被検査部位の近傍に高圧電極を配置すると共に、前記被検査部位以外の部位に低圧電極を接触させ
前記被検査部位と前記高圧電極との距離L[cm]を1とした場合、
前記減圧環境下における気圧P[mmHg]が76≦P<760の範囲となるように目標圧力を定め、
前記高圧電極と前記低圧電極との間に電圧を印加することで、前記被検査容器を電気容量、前記内容物を抵抗として電気的等価回路を構成する検査を繰り返し行うことを特徴とするピンホール検査方法。
【請求項2】
導電性を有し、電気的等価回路における抵抗を構成する内容物を封入した被検査容器に電圧を印加してピンホール検査を行う装置であって、
前記被検査容器の全部、あるいは前記被検査容器における被検査部位を覆う真空チャンバと、
前記真空チャンバ内の気圧P[mmHg]を目標圧力に調整する圧力調整弁と、
少なくとも高圧電極と低圧電極、及び高圧電源を有する電圧印加型検査手段と、を備え、
前記高圧電極を前記真空チャンバ内であって、前記被検査部位の近傍に位置する位置に配置すると共に、前記低圧電極を前記被検査容器における前記被検査部位以外の部位に接触可能とし、前記被検査容器を電気的等価回路における電気容量とするように構成し、前記被検査部位と前記高圧電極との距離L[cm]を1とした場合に、前記圧力調整弁により定める前記真空チャンバ内の気圧P[mmHg]の目標圧力を76≦P<760の範囲内としたことを特徴とするピンホール検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンホール検査方法、および装置に係り、特に、電圧を印加することでピンホールの有無を検査する方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージや容器に生じたピンホール等の検出方法としては、特許文献1に開示されているような真空中でのリーク検査や、特許文献2、3に開示されているような電圧印加型の検査が知られている。
【0003】
特許文献1に開示されている真空リーク型の検査では、チャンバ等の閉塞領域内に被検査容器を配置し、閉塞領域内を減圧して真空状態とする。この状態で所定時間経過後における閉塞領域内の圧力状態を計測し、被検査容器からのリークの有無を検出し、被検査容器の良否を判定するというものである。
【0004】
一方、電圧印加型の検査では、被検査容器に高電圧電極と低電圧電極を接触させた状態で電極間に電流を流し、通電時に検出される電流値の差に基づいてピンホール(リーク)の有無を検出し、被検査容器の良否を判定するというものである。なお、電圧印加型の検査では、検査領域に液体等の導電性物質が接触している必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-307972号公報
【文献】特開2003-254941号公報
【文献】特開2005-331469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各検査技術において、真空リーク型の検査では、検査を行う際に所定の真空度の減圧空間を生じさせると共に、これを所定時間維持する必要がある。このため、検査自体に要する時間が長く効率が悪い。また、検出可能なピンホールのサイズとしては、一般的にバクテリアや細菌のサイズとして知られている大きさ(約1μm)よりも大きく、10μm~50μmとされているといった問題がある。
【0007】
一方電圧印加型の検査では、検出可能なピンホールのサイズが0.1μmまで可能とされているが、電極間に高電圧を印加すると、電極と被検査容器との間に火花放電が生じる。この際、被検査容器の素材や強度の如何によっては、この火花放電に起因して被検査容器にピンホールが形成されてしまうことがあるといった問題がある。
【0008】
そこで本発明では、真空リーク型の検査よりも検査時間を短くし、かつ安全性が高く、電圧印加型の検査と同等の検査精度を得る事が可能なピンホール検査方法、およびこの方法を実施可能なピンホール検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るピンホール検査方法は、導電性を有する内容物を封入した被検査容器に電圧を印加してピンホール検査を行う方法であって、前記被検査容器全体、または前記被検査容器における被検査部位を減圧環境下に配置し、前記減圧環境下に位置している前記被検査容器における前記被検査部位の近傍に高圧電極を配置すると共に、前記被検査部位以外の部位に低圧電極を接触させて、前記高圧電極と前記低圧電極との間に電圧を印加することで、前記被検査容器を電気容量、前記内容物を抵抗として電気的等価回路を構成することを特徴とする。
【0010】
また、上記のような特徴を有するピンホール検査装置では、前記減圧環境における気圧P[mmHg]と、前記高圧電極と前記被検査部位との距離L[cm]との積P・L[mmHg・cm]が、1<P・L<760(ただし、P≦1[mmHg]の範囲を除く)の範囲内にあるようにすると良い。このような特徴を有することによれば、少なくとも常圧状態でピンホール検査を行うよりも低い電圧で火花放電を生じさせる検査を行うことができる。
【0011】
また、上記目的を達成するためのピンホール検査装置は、導電性を有し、電気的等価回路における抵抗を構成する内容物を封入した被検査容器に電圧を印加してピンホール検査を行う装置であって、前記被検査容器の全部、あるいは前記被検査容器における被検査部位を覆う真空チャンバと、少なくとも高圧電極と低圧電極、及び高圧電源を有する電圧印加型検査手段と、を備え、前記高圧電極を前記真空チャンバ内であって、前記被検査部位の近傍に位置する位置に配置すると共に、前記低圧電極を前記被検査容器における前記被検査部位以外の部位に接触可能とし、前記被検査容器を電気的等価回路における電気容量とするように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記のような特徴を有するピンホール検査方法、および装置によれば、真空リーク型の検査よりも検査時間を短くし、かつ低電圧で検査できるので安全性が高く、電圧印加型の検査と同等の検査精度を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るピンホール検査装置の構成例を示す図である。
図2】電圧印加型のピンホール検査において、被検査容器が良品である場合の等価回路図である。
図3】電圧印加型のピンホール検査において、被検査容器が不良品である場合の等価回路図である。
図4】実施形態に係るピンホール検査装置を用いて被検査容器のピンホール検査を行う場合のフローである。
図5】火花放電が生じる最小電圧と、気圧と電極間距離の積との関係を示すグラフである。
図6】第2実施形態に係るピンホール検査装置の構成例を示す図である。
図7】第2実施形態に係るピンホール検査装置による検査形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のピンホール検査方法、およびピンホール検査装置に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
[第1実施形態]
本発明に係るピンホール検査方法は、被検査容器の全部、または一部を真空中に配置した状態で電圧印加型検査を行うという事を主体としている。その具体的な方法については図1に示す第1実施形態に係るピンホール検査装置10を例に挙げ、このピンホール検査装置10による検査方法について説明する。なお、被検査容器40の形態については特に限定するものでは無い。例えばレトルト食品や、漬物などを封入している袋状のものであっても、プリンやゼリーなどを封入している容器などであっても良い。なお、内容物に関しては、導電性を有するものとする。
【0016】
本実施形態に係るピンホール検査装置10は、真空チャンバ12と、電圧印加型検査手段24とを基本として構成されている。本実施形態に係る真空チャンバ12は、被検査容器40全体を収容可能な箱体である。真空チャンバ12には少なくとも、真空ポンプ14や開放弁16、及び真空計18が付帯されている。真空ポンプ14は、真空チャンバ12内を真空引きするための要素であり、真空チャンバ12と真空ポンプ14とを接続する経路には、真空弁20と圧力調整弁22が備えられている。被検査容器40全体を収容可能な真空チャンバ12は、袋状容器など、押圧等により容器自体の形態が変化するような容器を検査する場合に有効である。
【0017】
電圧印加型検査手段24は、少なくとも、高電圧電源26と、電流測定センサ28、高圧電極30、及び低圧電極32を有する。高電圧電源26から出力された電流を高圧電極30から被検査容器40を介して低圧電極32へ流し、電流測定センサ28で通電値を計測することで、被検査容器40におけるピンホールの有無を判定する。
【0018】
高電圧電源26の電圧をV、回路における導電性内容物の抵抗値をR、被検査容器40の高圧電極30側の容量値をC、低圧電極32側の回路容量値をCとして定めると、図2のような電気的等価回路で示すことができる。なお、図2中のIは、被検査容器40が良品の場合(ピンホールが無い場合)に電流計測センサ28で計測される電流値である。ここで、被検査容器40にピンホールが存在する場合、被検査容器40は短絡した状態となる。このため、電気的等価回路は、図3に示すように、被検査容器40の容量値Cが無いものとして表すことができる。なお、図3中のIは、被検査容器40が不良品の場合(ピンホールが有る場合)に電流計測センサ28で計測される電流値である。
【0019】
図2に示す電気的等価回路における回路式は、数式1で示すことができる。
【数1】
【0020】
数式1より、被検査容器40にピンホールが存在しない場合における回路式における電圧Vは、数式2で示すことができる。ここで、jは虚数単位である。
【数2】
【0021】
一方、被検査容器40にピンホールが存在する場合には、容量値Cを考慮しなくなるため、回路式における電圧Vは、数式3で示すことができる。
【数3】
【0022】
数式2、3より、高電圧電源26の出力電圧Vが共通である場合、(1/jωC+1/jωC)>(1/jωC)の関係が成り立つ。このため、IとIの関係は、数式4に示す通り、IよりIが大きくなる。よって、電流計測センサ28により電流値を計測することで、被検査容器40におけるピンホールの有無を判定することが可能となる。
【数4】
【0023】
本実施形態では図1に示すように、高圧電極30と低圧電極32をそれぞれ、真空チャンバ12の内部に引き込んでいる。高圧電極30と低圧電極32の具体的な配置位置は、被検査容器40の形態と、被検査部位の位置によって定まるが、被検査容器40を基準として、高圧電極30は、被検査部の近傍に位置するように配置し、低圧電極32は、被検査容器40における被検査部以外の部位に接触するように配置する。
【0024】
[検査方法]
上記のような構成のピンホール検査装置10を用いたピンホール検査について、図4を参照して説明する。まず、真空チャンバ12の測定物投入口(不図示)から、真空チャンバ12内に被検査容器40を搬入し、収容する。被検査容器40は、少なくともその一部が低圧電極32に接触し、被検査部位の近傍に高圧電極30が位置するように配置する(ステップ10)。
【0025】
被検査容器40を真空チャンバ12の内部に収容して遮蔽した後、真空ポンプ14を可動させて真空チャンバ12における内部領域の真空引きを行う。この時、圧力調整弁22により目標圧力を定めておくことで、被検査容器40のピンホール検査を繰り返し行う場合であっても、近似した条件で検査を行うことができるようになる。
【0026】
ここで、被検査容器40を真空チャンバ12に収容し、真空引きを行う理由について、図5に示すグラフを参照して説明する。図5に示すグラフは、横軸が気圧P[mmHg]と電極間距離L[cm]の積を示し、縦軸が火花開始電圧[V]を示すものである。図5からは、気圧と電極間距離の積P・Lが小さいほど、火花開始電圧が低くなっている事を読み取ることができる。また、図5によれば、気圧Pと電極間距離Lとの積P・Lが0となる完全真空領域では、火花放電が生じないという事を読み取ることができる。
【0027】
図5を参酌すると、電極間距離L(本実施形態では、高圧電極30と被検査容器40との距離)が一定である場合、気圧P[mmHg]が低いほど火花放電の開始電圧が低くなることが解る(ただし、気圧P×電極間距離Lは、1[mmHg・cm]以上)。例えば、大気圧下において電極間距離Lを1[cm]とした場合、図5中にAで示す位置、すなわち気圧Pと電極間距離Lの積P・Lが760[mmHg・cm]となり、この時の火花開始電圧は、約30kVとなる。これに対し、電極間距離Lを保ったまま雰囲気気圧Pを1/10とした場合、気圧Pと電極間距離Lの積P・LはBで示す76[mmHg・cm]となり、火花開始電圧は、約5kVとなる。
【0028】
このため、本実施形態では、被検査容器40を真空チャンバ12内に収容し、真空引きを行うことで、検査時における火花放電の開始電圧を低下させ、火花放電に起因した被検査容器40の損傷を防ぐようにしている(ステップ20)。
【0029】
真空チャンバ12における内部領域の真空引きを行った後、高圧電極30と低圧電極32との間に電圧を印加して減圧環境下において被検査容器40のピンホール検査を行う。ピンホール検査は上述したように、電圧印加時における電流値を電流測定センサ28で計測することにより行う。なお、被検査容器40におけるピンホールの有無は、良品計測時における電流値を基準として、計測された電流値が所定の閾値の範囲内にあるか否かによって判断すれば良い(ステップ30)。
【0030】
ピンホール検査終了後、開放弁16を開放して、真空チャンバ12内の領域を常圧に戻し、真空チャンバ12から被検査容器40を取り出す(ステップ40)。
【0031】
[効果]
上記のような方法によるピンホール検査では、従来に比べて低い電圧で火花放電(コロナ放電)を伴う検査を行うことができる。このため、火花放電に起因して被検査容器40が破損する事を防ぐことができる。また、上記のような方法では、真空チャンバ12を真空引きした後、被検査容器40から気体や液体が漏れ出る事を待つ必要が無い。よって、真空リーク型の検査よりも検査時間を短くすることができる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、図6図7を参照して、本発明のピンホール検査装置に係る第2実施形態について説明する。本実施形態に係るピンホール検査装置10Aも、その基本的な構成は上述した第1実施形態に係るピンホール検査装置10と同様である。
【0033】
すなわち、本実施形態に係るピンホール検査装置10Aも、真空チャンバ12と電圧印加型検査手段24とを基本として構成されている。第1実施形態に係るピンホール検査装置10との相違点としては、真空チャンバ12の形態と、低圧電極32の配置にある。
【0034】
具体的には、第1実施形態に係るピンホール検査装置10における真空チャンバ12が被検査容器40全体を内部に収容可能な形態としていたのに対し、本実施形態に係る真空チャンバ12は、被検査容器40の一部であって、被検査部位の周囲を覆う形態としている。被検査容器40の一部のみを覆う形態とすることで、真空チャンバ12の内部空間の容積を小さなものとすることができる。このため、被検査容器40全体を収容するタイプの真空チャンバに比べて真空引きに要する時間を短くすることができ、検査時間を短くすることができる。
【0035】
このような構成の真空チャンバ12は基本的に、被検査容器40の形態に合わせた専用品となる。例えば図6に示すようなアンプルを被検査容器40とし、被検査部位をアンプルの先端部とする場合、真空チャンバ12は、図6に示すように、側方に開口部を有するケーシングから成るようにすると良い。ケーシングの側方に設けた開口部は、アンプルの先端部を挿入する箇所である。アンプルとの接触部には、遮蔽当接部材12aを配置することが望ましい。遮蔽当接部材12aとは、シリコンゴムやゴムなど、接触部に沿って変形し、密閉性を確保可能な柔軟性を備えた部材であれば良い。このような構成とすることで、被検査容器40へ真空チャンバ12を押し付けた際、被検査容器40の接触部を傷つける虞も無い。
【0036】
真空チャンバ12をこのような構成とする場合、真空チャンバ12内に引き込む電極は、高圧電極30のみとすることができる。被検査容器40であるアンプルに接触することとなる低圧電極32は、真空環境下に置かなくとも良く、その分真空チャンバ12を小型化することができる。
【0037】
このような構成のピンホール検査装置10Aでは、ピンホール検査を行う際、被検査容器40に真空チャンバ12を押し付けるという行為が必要となる。このため、真空チャンバ12と被検査容器40との少なくとも一方に移動手段を設け、両者を自動で接触させることが可能な構成とすると良い。自動の移動手段により真空チャンバ12と被検査容器40とを接触させる構成とすることで、被検査容器40に対する真空チャンバ12の押し付け度合いにバラつきが生じ難くなるからである。
【0038】
図6に示す例では、真空チャンバ12の上部に移動レール34を設け、移動レール34と真空チャンバ12との間に移動レール34に沿って移動可能な移動支柱36を設けることで、図7に示すように、移動レール34に沿って真空チャンバ12を移動させることを可能な構成としている。また、被検査容器40を載置する載置台38には、搬送機能を設け、例えば図中手前側から奥側へ向けて被検査容器40を搬送可能な構成とすると良い。
【0039】
このような構成とすることで、載置台38に乗せられた被検査容器40が真空チャンバ12の配置位置に搬送された後、真空チャンバ12を移動レール34に沿って移動させ、被検査容器40に押し付けることができる。
【0040】
[検査方法]
このような構成のピンホール検査装置10Aを用いたピンホール検査も、その基本的な方法は、上述した第1実施形態に係るピンホール検査装置10を用いたピンホール検査と同様である。相違点としては、第1実施形態に係るピンホール検査装置10では、被検査容器40全体を真空チャンバ12内に収容していたのに対し、本実施形態に係るピンホール検査装置10Aでは、被検査容器40の一部に真空チャンバ12を押し付けて真空領域を生じさせる点にある。
【0041】
これにより、真空引きに要する時間を短縮することができ、ピンホール検査に要する時間を短縮することができる。その他の方法に関しては、上述した第1実施形態に係るピンホール検査装置10による検査と同様である。
【符号の説明】
【0042】
10,10A………ピンホール検査装置、12………真空チャンバ、12a………遮蔽当接部材、14………真空ポンプ、16………開放弁、18………真空計、20………真空弁、22………圧力調整弁、24………電圧印加型検査手段、26………高電圧電源、28………電流測定センサ、30………高圧電極、32………低圧電極、34………移動レール、36………移動支柱、38………載置台、40………被検査容器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7